真・東方夜伽話

厄神はサンタクロース

2008/12/24 01:05:47
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厄神はサンタクロース

ばっきゅう
 





 「ねえ霊夢。クリスマスって知ってるかしら?」
 「栗酢鱒……?何よそれ」
 「クリスマスって言うのはね、外の世界でこの時期行われる祭りのことよ。それでね、クリスマスには恋人同士で思う存分らぶらぶいちゃいちゃする
 ことが許されるのよ……」
 「それって……まさか紫……」
 「そうよ! 私たちも心置きなくちゅっちゅできるのよ!! というわけで愛してるわれいむううううううぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
 「ああんそんないきなり! だめよ紫、激しすぎるううう!! イッちゃうイッちゃうエクスタシー!!」

 




  こうして紫の発案により幻想郷にクリスマスの習慣が定着した……。















  12月24日。
  人里の中心には大きなクリスマスツリーがそびえ、ちかちか光る電飾が散りばめられている。その日はおあつらえ向きに小雪がちらついており、クリ
 スマスの神聖さを演出していた。町中では若いカップルたちが手を繋ぎながら身を寄せ合って歩いている。実に幸せそうな光景。それを陰から覗く妖怪
 がいた。


 「……妬ましい……。なにがクリスマスよ、公衆の面前で平気でいちゃついて。恥ってもんを知りなさいよ」

 
  嫉妬の妖怪パルスィは緑の瞳を光らせて道行くカップルたちを睨みつける。すると彼女のとんがった耳がある家族連れの会話を捉える。


 「ねーお母さーん。クリスマスになったらサンタさんが来るんだよね?」
 「そうよ、いい子のところにはサンタさんが来てプレゼントを置いていくのよ」
 「すごーい! 楽しみだねえー!」
 「ふふっ、そうね。さ、早くおうちに帰ってケーキを食べましょうね」
 「うん!」


  母親らしき女性に手を引かれた女の子は元気にそう答える。微笑ましい姿だが今のパルスィにとっては神経を逆撫でするだけだった。


 「けっ! なーにがサンタさんよ。そんな奴いるわけないでしょ。家の中に入ってくるのは空き巣とでかいしゃもじ持ったオッサンだけで充分よ……
 ん?」


  今度は若い男女が腕を組みながら歩いてきた。パルスィにとって最大の嫉妬対象だ。


 「ね~えケンジ~。今日はクリスマスイブなんだからぁ~、なんかプレゼントちょうだいよ~」
 「わーったわーった。カオリは何が欲しいんだ?」
 「じゃあね~わたしね~笛羅鴨のバッグがほし~い」
 「よーし、買ってやるよ。カオリのためなら何でも買ってやるぜ」
 「あーん、ケンジやーさーしいー。ますます好きになっちゃった~」

 


 「ぐあああっ!! ガ、ガッデーーーーム!!!」


  パルスィはその場から走り去ると全速力で里を出る。そして里の近くにある小さな森の中に入ると、藁人形と五寸釘とトンカチを取り出して近くの
 木に藁人形を打ちつけ始めた。今月に入って126回目のプチ丑の刻参りだった。静かな森の中に釘を打つ音が鳴り響く。
  辺りの木には大量の藁人形が打ちつけられていた。ちなみにこの藁を手に入れるためにパルスィは一日の食事はほとんど納豆である。


 「はあはあ……、くっ……静まれ私のグリーンアイドモンスターよ……。ふっ……この妬ましさ、緑眼を持たぬ者にはわかるまい……」

 
  パルスィの精神面が中学生時代に戻っていると、どこからともなく軽快な音楽が聞こえてきた。


 「ん……なにこの音楽は……?」




  ちゃーん ちゃかちゃーん ちゃかちゃんちゃんちゃん ちゃちゃんちゃんちゃんちゃん


  ヤーク ヤークヤク 厄神様 厄を集めにやってきた
  

  ヒーナ ヒーナヒナ 鍵山雛 赤いリボンの女の子


  ガチャコン!!




  突然現れた少女が持っているラジカセのスイッチを切ると、どこかで聞いたことがある曲が止まる。少女はパルスィの顔を見て白い歯を覗かせながら
 こう言った。


 「ふふふ……ついに見つけたわ。厄の根源……」
 「……何だこいつ」

     
  パルスィは訝しげに少女を睨むが、よく見てみると少女のある特徴に気づく。赤と緑を基調にした服は実にクリスマスっぽい。そして何より
 注目されるのは彼女が背負っている大きな白い袋。これはまさかあのサンタクロースというものではないか。玩具産業が玩具を買わせる為に利用してる
 あの空想の産物が本当に居るというのか。いやそんなまさか。パルスィが心の中に浮かんできた馬鹿げた考えを打ち消してると、目の前の少女が再び
 口を開く。


 「感じるわ……。あなたの身体から発せられる厄のオーラ……、実に厄いわね」
 「何なのよあんたは。何か用?」
 「私の名前は鍵山雛。厄を集める厄神よ。私は水橋パルスィ、あなたの厄を回収しにきたのよ」
 「……なんで私の名前を知ってるのかしら」


  初対面のはずなのに得体の知れないこいつはなぜか自分の名を知っている。パルスィは警戒するが雛は構わず話を続ける。


 「水橋パルスィ。あなたは幻想郷流し雛協会において要注意人物としてブヤックリストに載ってるわ。あなたの妬みのパワーは猛烈な厄を発生させる…
 …。普段は地底に住んでるからいいけど、ここ最近あなたは地上に出て嫉妬しまくってる。おかげで幻想郷全体の厄エネルギーが警戒レベルまで達した
 ので、幻想郷流し雛協会名誉会長の私が来たのよ」
 「突然来て訳の分からないことばかり言って……。とりあえずあんたが変な奴だってことは分かったわ」


  雛という少女がサンタではないことが確定的となってパルスィは少しがっかりした。内心自分が少し期待していたことにパルスィは自分自身が苛立た
 しくなる。サンタでないとすると雛が持っている袋は何なのか。パルスィは疑問をぶつけることにした。


 「ところであんたが背負っているその袋……何が入っているのかしら?」
 「これは厄を蓄える厄袋よ。私が貯め込んだ厄をこの中に入れて神々に渡すのよ。しかしクリスマスが導入されてから厄の量が増えてね。普通は一月に
 袋一つだったのが、今月はもう三袋使ってるわ。忙しいったらありゃしない」
 「ふーん……」


  どうやら自分以外に嫉妬している奴が大勢いるらしい。クリスマスをやる必要があるのかパルスィにはまったく理解出来ない。こういうイベントでは
 幸せな奴と不幸せな奴がはっきり別れるのだ。こんなくだらないイベントに振り回されるのはアホらしい。さっきまで嫉妬に狂っていた彼女もある意味
 クリスマスに振り回されてるのかもしれないが。
  
 


 「というわけでさっそく厄を吸い取らせてもらうわよ! あなたは厄の量が多いから直接厄袋に厄を詰めるわ。吸引開始!!」
 「えっ、ちょっ、うわあっ!?」
 

  雛が厄袋の口をパルスィに向けると強い風が発生し、パルスィの身体が引っ張られる。パルスィは袋に吸いこまれないように必死で踏ん張っている。
 するとパルスィの身体から黒い煙のようなものが噴き出してきて袋に吸い取られていく。


 「いいわ~。順調よ! このままいけばあなたの厄は全て回収、あなたは嫉妬とは無縁の清々しい生活を送れるわよ!」
 「くうう……嫉妬とは無縁ですって……。冗談じゃないわ……。橋姫の私は嫉妬することが誇り。それだけが生き甲斐……。見せてやる私の
 嫉妬パワーを!!」
 「うっ……これは!? パルスィの嫉妬力がどんどん上昇していく!!」
 「ふふふ、私の嫉妬力は53万よ。もちろん本気を出すつもりはないのでご安心を……」
 「くっまずい……! これ以上厄を吸ったら厄袋が破裂する……!」
 

  雛は慌てて厄袋の口を閉じると吸引が停止する。袋は最初見た時より二周りほど膨らんでいた。

 
 「はあはあ……ど、どうよ。私の嫉妬力は……」
 「厄袋でも吸いきれないなんて……。水橋パルスィ、想像以上に厄いわね。あなたの場合自分の内面から厄を生み出してしまっている。原因ははっきり
 してるわ。その嫉妬癖を止めない限り吸っても吸ってもきりがない。妬むことを止めない限りあなたは厄から逃れられないわよ」
 「ふん……、忠告してるつもり? だったら無駄よ。私は橋姫。妬むことしか出来ないのだから……」
 「人を妬むことがあなた自身を不幸にしてるのよ。人を呪わば穴二つって言うでしょ」
 
 
  雛が諭すようにパルスィに話すが、パルスィは瞳に影を宿しながら静かに反論する。

 
 「……今さら幸せになんかなろうとは思ってないわよ。私は人を憎んで橋姫になった。憎しみしか持たない存在が幸せになれるとは思わないわ。だから
 私は今のままでかまわない。でも他人が幸せなのは妬ましい。この嫉妬の心は私自身にも抑えられないのよ」
 「……」
 「ふふっ、自分で言うのも何だけどみじめな存在ね。笑いたければ笑うがいいわ」
 「ファファファ……!!」
 「その笑い方は止めろ!! ああもう、あんたと関わってると疲れるわ! もう帰る! 私はこのままでいいからあんたも構わないでよね!!」

 
  パルスィは不機嫌そうにそう叫ぶと、雛に背を向けて歩き出す。雛は呼び止めるがパルスィは振り返らない。去っていくパルスィの背中を見送ること
 しか雛には出来なかった。












  その頃紅魔館では――――。


 「咲夜!! クリスマスパーティーの準備は整ったかしら!!」
 「はい、お嬢様。玄関ホールにクリスマスツリーを飾り付けましたし、ケーキも七面鳥もシャンパンも用意できました」
 「よーし……。後は霊夢が来るのを待つだけね! ふふふ……盛大なパーティーで霊夢の気分を良くさせてその後は二人でしっぽり……くうう! 完璧
 だわ!!」
 「悪いけど霊夢なら来ないわよ?」
 「なにっ!?」


  レミリアが振り向くと空間に隙間が開き、そこから紫が顔を出していた。


 「何よスキマ妖怪。こっちは忙しいのよ。そんな冗談に付き合ってる暇はないの」
 「冗談じゃないわ。だって今年のクリスマスは霊夢は私と一緒に過ごすんだもの」
 「な、なんだとぉ!?」
 「約束してるんですもの。クリスマスイブの夜は私と二人で熱く燃え上がりましょうって……。ああ瞼を閉じれば霊夢のあんな姿やこんな姿が浮かんで
 くるわ……。いけね、想像したら鼻血が2リットルくらい出ちゃった」
 「う……うあああああああっっっっっ!!! そんなことさせるかあ!! 霊夢のあんな姿やこんな姿を見るのはこのレミリアだああああああ!!」
 「はっ! あなたみたいなお子様はケーキに乗ってるチョコレートの板を食べて喜んでなさい。今宵霊夢のあんな姿やこ(以下略)を見るのは私よ!」
 「だまれぇ!! くらえっ、グングニルグングニルグングニル!!!」
 「無駄無駄無駄っ! 私が喰らうのは霊夢のグングニルだけよ!!」


 「ご安心くださいお嬢様。霊夢が来なかったらその時は私が不遜ながらお嬢様の伽の相手を……」
 「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっ!!!!!」
 「うるああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!」
 「ああん、そんなお嬢様大胆……! いけね、想像したら鼻血が2リットル(以下略)」


  こうして紅魔館では壮絶な死闘が始まった。レミリアがグングニルを投げつけ、紫が結界を張って防ぎ、そして咲夜は闘ってないのに血を流した。
 この戦いは後に「紅魔館12月24日の決闘」と名付けられ、幻想郷の歴史の一つとして語り継がれるわけねーだろってけーねが言ってた。











  紅魔館が赤く燃えている時、パルスィは地底の自宅へ帰っていた。ほったて小屋のような簡素な家。パルスィは一人オセロに興じていたが何だか
 虚しくなって止めた。
  今頃地上の連中は楽しくクリスマスイブの夜を謳歌しているのだろう。温かい家の中でケーキを食べて一家団欒したり、恋人たちがプレゼントを
 交換し合ったり。そんな光景を想像してると今日は何故か妬ましさより寂しさが心に湧いてくる。
  パルスィは想像するのを止めて、にとり量販店で中古で買った冷蔵庫を開けて中を覗く。さすがに藁納豆は食べ飽きた。さきいかと缶ビールがあった
 のでそれらを取り出して小さなテーブルの上に乗っける。さきいかをつまみながらビールを飲んでると、仕事から帰ってきて疲れている一人暮らしの
 OLのような自分の姿がさすがに悲しくなってきた。
  でもこれが当たり前だ。クリスマスになって突然幸せが舞い込んでくるわけがない。所詮自分はクリスマスとは縁の無い妖怪さ。パルスィが自虐的に
 そう思いながら缶ビールを煽っていると、外から何やら聞こえてきた。




  シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン……



  
 「鈴の音……?」
  

  パルスィが耳を澄ますと鈴の音に混じって声が聞こえる。


 


 「フォッフォッフォッ、メリークリスマース!」




 「なっ、まさか……!?」


  この日のこんな時間に鈴の音と共に現れる人物……パルスィは即差に一人の人物を思い浮かべた。空想だと嘲笑ってた、いたとしても自分の所には
 来ないと思っていたあの人物。

 
 「サンタクロース!?」

 
  外では誰かが玄関の扉の前に来る気配がする。そして扉越しに声を掛けてきた。


 「メリークリスマス、パルスィ。プレゼントをあげたいからここを開けておくれ」
 「えっ、あ、ちょっと待って!」

 
  パルスィは慌てて立ち上がり玄関の戸を開ける。するとそこには……。












 「フォッフォッー。メリークリスマース」
 「……」

 
  彼女は某くるくるほっぺの忍者のお面を被って玄関の前に立っていた。パルスィが手を伸ばしてお面を剥ぎ取るとさっき見た厄神の顔が
 露わになった。


 「メリークリスマース、パルスィー」
 「何の用よ……雛」
 「ひなー? 誰だいそれは。わしはサンタクロースじゃよ、フォッフォッフォッファファファファ……!!」
 「混じってる混じってる!! だからその笑い方止めろって! そんなに無の力が欲しいのかあんたは!」

  
  シャンシャンシャンシャンシャガチャコン!!


  雛は鈴の音を鳴らしていったラジカセを止めると、さすがに誤魔化しきれないことを理解したようだ。


 「うーん、ばれちゃったか。私がサンタでないと見破るとは鋭いわねパルスィは」
 「誰でも分かるって。何よこのお面は」
 「いや、もっとサンタっぽい格好してこようと思ったんだけどそれしかなくて」
 「はあ……で何よ。また厄を吸い取るとか言うの? ……その袋で」


  雛はさっきのように白い袋を携えていた。パルスィはまた吸い込まれそうになるのかとあからさまに嫌そうな顔を見せる。


 「ああこれ? 違うわよ。厄を取りに来たんじゃないわ。実はね今日ほんとはサンタがパルスィの所に来るはずだったんだけど急用で来れなく
 なっちゃって。だから私がサンタの代理でプレゼントあげに来たのよ」
 「ふーん、そう……」

 
  見え見えの嘘を吐いて……。パルスィはそう思ったが、雛の肩に雪が被っていることに気づいた。この寒い中ここまで来て門前払いするのも心が
 引けた。とりあえずパルスィは雛に家の中に入るよう言った。雛は頷いて服に掛かった雪を払うと、袋を引き摺りながら家の中に入る。雛はさっそく
 テーブルの上のさきいかとビールに気づいた。


 「寂しいクリスマスイブを堪能してるようね」
 「うるさいわね。そういうあんたはどうなのよ」
 「ま、私も特にスケジュールは無いけどね。だから家で一人遊戯王していたわ」
 「どうやるんだよそれ……」


  雛もクリスマスの予定が無いことを知ってパルスィは少しだけ親近感を覚えた。


 「で……プレゼントあげにきたって言ってたけど」
 「そうそう。いくつか持ってきたのよ。パルスィが喜んでくれるといいんだけど」

 
  雛は袋の中に手を突っ込んでもぞもぞとまさぐり始めた。パルスィもそれを見て次第にわくわくしてきた。雛は何をくれるつもりなんだろう、パル
 スィがじっと雛に注目してると。


 「えっと……あったあった。はい、変わった形の石」
 「わあーっ! やったあー! ありがとう雛って石かよっ!!」

 
  パルスィが渡された石を投げると、雛はどこぞの大統領のようにかわす。


 「石って……石ってあんた! なに考えてんだ!」
 「そんなに怒らないでよ。ほら、この石よーく見ると犬のフンに見えてこない?」
 「見えたからなんだよ!? そんな付加価値いらないよ!!」
 「わかったわかった……。今のは冗談。ちゃんとしたのあるから……」


  雛はまたごそごそと袋の中に手を入れる。さすがに今度はまともなものだろうとパルスィが待っていると。


 「はい、これ。不思議な形の石」
 「わーいわーい! 今度こそちゃんとしたプレゼントだぁぁぁぁぁぁってまた石かよ!!」
 「変わった形の石。略してかわいし! パートツー!」
 「ごきげ○ようっぽく言うな! 私そんなに石コレクターな身なりしてるか!?」
 「いや、これはほんとすごいのよ。よーく見ると犬のフン通り越して人のフンに……」
 「だからいらないってーのそんなものは!!」
 「冗談よ冗談……ちっ」
 「舌打ちすんな!!」


  パルスィはぜいぜい言いながら怒ると、雛はまた袋の中を探り始める。パルスィはこの短時間で二回もノリツッコミしてしまったことに、何て無駄な
 体力を使ってしまったんだろうと後悔した。

 
 「石がダメなら……最新式ゲーム機はどう?」
 「えっ、ゲーム機? 何だそんなのあるんだったら早く出しなさいよ。それなら私も満足よ」
 「良かった~。ああこれだわ。はい! ヒナーステーション3よ」
 「は……?」

 
  雛が取り出したのはどうみてもダンボールで出来た箱だった。表面に黒マジックで「HinaStesion3」と書かれている。

 
 「これ……どう見てもダン……。しかも英語の綴り違うし……」
 「ほら、ここがこんな風に開くのよ」


  箱の蓋を開けると所々に爪楊枝が刺さっている。下の方には厚紙で作ったしきりが張ってあって、しきりの少し上にこれまた黒マジックで「10点」
 「50点」「はずれ」と書かれている。


 「この上の方からこうやってビー玉を転がして……。それでうまく傾けてビー玉が高得点の所に入るようにするのよ」
 「うわーっすごーい。さすが最新式ってもうううううううう!! これのどこが最新式ゲーム機よ!? 小学生が図工の時間に作りそうじゃないの!」
 「あっそう……これも気に入らないの……。一応ヒナーステーション1と2も持ってきたんだけど……」
 「どうせ大したものじゃないんでしょ」
 「あっ、さっきの石よ。1と2」
 「あれかよ!? ゲーム性ゼロじゃないの!! ある意味2から3ですごい進歩だな!?」
 「ちなみに1が犬のフンに似てるやつで、2が人の……」
 「もういい!! なによ、プレゼントとかいってくだらないものばかりじゃないの! 結局あんたも私のことバカにしに来たんでしょ!? さぞかし
 面白いでしょうね。私みたいにクリスマスに一人きりの女をからかうのは!」


  パルスィが語気を荒くして怒鳴ると雛はさっきまでの笑顔が一変して悲痛な顔をした。パルスィはその顔を見て言い過ぎたと思ったが、どうフォロー
 すればいいのか分からずただ雛から目線を逸らすことしか出来なかった。


 「ごめん……気に入ってもらえなくて……」
 「あ……いや、その……」
 「私……パルスィに喜んでほしくて……。でもお金無いし……、大した物も持って無いし……。だから私がパルスィに何があげられるか一生懸命考えた
 わ……。結局パルスィには喜んでもらえなかったけど……」
 「雛……」


  雛の様子を見てパルスィは雛が本当に自分に喜んでほしかったことを理解した。正直プレゼントの内容はどうかと思うが、雛の好意を受け取らずに
 きつく当たってしまったのは間違いだとパルスィは感じていた。

 
 「ねえパルスィ……。私もう一つだけプレゼントがあるんだけど……見てくれる?」
 「え……うん……」


  パルスィは今度は雛が何をくれても素直に受け取ってあげよう、そう心に決めていた。しかし雛がてっきり袋に手を伸ばすのかと思いきや、まったく
 予想外の行動を取り始めた。

 
 「え……。ちょっ、ちょっと雛!?」


  雛はするすると着ている服を脱ぎ出した。瞬く間に露わになっていく雛の身体。パルスィは突然の出来事に驚くばかりで何も出来ない。やがて雛は
 一糸纏わぬ裸体となる。その美しい身体にパルスィは息をするのも忘れて見とれてしまった。はっと我に帰ったパルスィは驚きでつっかえながらも
 何とか言葉を発する。


 「ひ、雛……。なにをするつもり!?」
 「これが……プレゼント。私をあげる。パルスィに……」
 「えっ……」


  パルスィは雛の言葉を聞いて即差にある格言を思い出した。




  「それなんてエロゲ?」 












 「いや、雛……何を言ってるの。そんなの……」
 「お願い……。もうあげるものがないの。でもなんとかパルスィに喜んでほしくて……。パルスィに……自分は幸せじゃなくてもいいなんて言ってほし
 くないから……。私の身体好きにしていいから……ね?」
 「雛……!」 

 
  自分のためにここまでしてくれるなんて。パルスィは心の底から嬉しかった。自然と視界が滲んでいく。
  そしてパルスィは身体が熱くなるのを感じた。はち切れそうなくらいに心臓がバクバク激しく鼓動する。頬の辺りがかーっと熱くなっていく。
 雛の透き通った瞳を覗くと雛の中に吸いこまれそうで。雛の白い肌に触れてみたくて。今は雛の全てが魅力的だった。


 「わかった……」
 「パルスィ?」
 「そのプレゼント……もらうわ……」
 「あ……」


  パルスィはゆっくりと雛の唇に自分の唇を近づけてそっと口づけした。柔らかい唇の感触に身体が蕩けそうになる。唇を離して雛の顔を見ると、頬は
 ほんのり紅く火照って、その表情はとても艶やかだった。

 
 「雛……、そっちにベットがあるから……」
 「うん……」


  雛にそう告げるとパルスィは服を脱ぐ。下着も脱いで生まれたばかりの姿になると、ベットの上で待ってる雛の下へ行く。パルスィもベットの上に
 乗ると再び雛と唇を重ねる。今度は舌を絡めたディープキス。パルスィが雛の口内に舌を突き入れると、それに応えるかのように雛のざらついた舌がパ
 ルスィの口内に侵入してくる。お互いの口の中でお互いの舌が激しく蠢き熱い唾液を交換する。


 「うむう……んんっ……」
 「あむっ……ん、うん……」


  どちらからともなく唇を離すと、今度はパルスィが雛の首すじに口を近づけ接吻をする。


 「ああっ!? パ、パルスィ……」
 「ふふっ……雛の身体すごくきれい……。妬ましいわ……」


  パルスィが雛の首すじに舌を這わせると雛が小さく喘ぎ声を上げる。雛の陶器のような白い肌を味わったパルスィは、雛の髪を優しく撫でる。そして
 鼻先を近づけて雛の髪の匂いを嗅ぐ。雛の髪はふんわりするようないい香りがした。


 「この艶やかな髪……。妬ましい……」
 「……パルスィの金髪だってとっても綺麗よ」
 「むぅ……そんな恥ずかしいことよく言えるわね。雛のそういうところも妬ましい……」
 「ふふふ、喜んでいいのかしらね」


  二人して見つめ合い、そして互いに微笑む。パルスィは視線を雛の顔からその大きな胸へと移す。


 「雛、胸も大きいのね……。ほんとに妬ましいわあ」
 「あ、ちょっと、胸は弱いから……あんっ!!」


  パルスィが雛のつんと勃った乳首を指でつねると、雛の身体がびくんと震える。どうやら本当に胸が弱いらしい。パルスィは舌を片方の乳首に近づけ
 飴を舐めるように刺激する。そして余った胸を掌で鷲掴みにして揉みしだき始める。雛の柔らかい乳肉がパルスィの指の間からはみ出す。大きくなる雛
 の嬌声を聞いて気分を良くしたパルスィは乳首を口に含み、母乳を吸うかのように吸い上げる。手で刺激してる方も動きを激しくする。


 「あ、あああ……!! パル、スィ……だめぇ……」


  雛は口の端から涎を垂らし、胸に与えられ続けている快感に酔いしれている。雛の涎がパルスィの頭に掛かるがパルスィは気にしない。パルスィも
 大分行為に没頭し始めており、一旦口を離すと雛の二つの乳房を両手で左右から寄せる。そして中心に近づいた二つの乳首を一気に口に含んだ。音が
 するほどに強く雛の乳首を吸い上げる。口の中で舌を這わすと硬くしこっている乳首の感触が伝わっていく。


 「ぢゅる、ぢゅううううっ、ぢゅちゅるるる!!」
 「んああっっ!! パルスィ……ああだめえぇ!! イッちゃうううう!!」


  パルスィが一層強く乳首を吸い上げると雛の秘所から愛液が勢いよく噴き出す。パルスィが顔を離すと雛の乳首からはパルスィの唾液が滴っていた。


 「ふふ……雛のおっぱいおいしかったわ」
 「はあはあ……、それは……よかった……」
 「じゃあ今度は雛の番よ」


  パルスィは仰向けに転がると大きく足を広げ自分の花弁を雛の前に露わにした。パルスィのそこはすでにぐっしょりと濡れていて、愛液がワレメから
 零れ落ちる。


 「雛……私は雛に何もあげてないから……。だから雛に私をあげる。私の身体雛の好きにしていいわ……」
 「パルスィ……。うん……ありがとう。それじゃあ……」


  雛はパルスィの濡れそぼった秘部に手を近づける。そして雛の細い指はパルスィの膣内にすんなりと入った。


 「ん……あああっ……!」
 「大丈夫? 痛かった……?」
 「ううん……続けて……」


  雛はゆっくりと膣内に入った指を前後に動かす。そうするとパルスィのひくつく膣壁に雛の指が擦れて快感を発生させる。


 「ふあああっ!!」
 「はあ……パルスィの膣内……すごくあったかい……」


  雛は少しずつ指の動きを早くする。さらに指を出し入れしながらパルスィの控え目な胸の先端で尖っている乳首を舐める。二箇所を同時に刺激され
 パルスィの膣からは大量の愛液が溢れて雛の指に絡み付く。


 「ああ、んあああっ! 雛っ、ひなぁ!」
 「パルスィ、どう? 気持ちいい?」
 「すごくぅ……きもちいいよお!! ああっ、おかしくなっちゃうぅぅ!」


  パルスィの身体がブリッジするように反り返る。悲鳴にも似た嬌声を上げながらパルスィは絶頂へと昇り詰めていく。そして――――。


 「あ、あ、きちゃう、なんかきて……ああああああああっっ!!」


  愛液を噴き出しながら身体がびくびくと痙攣するパルスィ。雛が指を引っこ抜くと粘り気のある糸がパルスィの秘部から雛の指へと繋がっていた。
 パルスィが胸を激しく上下させて息をしながら余韻に浸っていると、雛が覆い被さってきた。


 「パルスィ……。今度は二人で気持ち良くなりましょ……」
 「うん……雛と二人で……」


  雛の背中にパルスィが腕を廻す。お互いの温もりを確かめるようにキスをした後、二人の秘所同士を擦り合わせる。擦れ合うたびにぴちゃぴちゃと
 いやらしい水音が響く。二人とも荒い息をして、一心不乱に腰を動かす。充血したクリトリスが擦れると大きな喘ぎ声を上げて快感を表現する。二人の
 身体は激しい快楽を享受していたが、それ以上に二人一緒でいられることの喜びで心が心地よかった。
  そしてその時は二人同時に訪れた。


 「ああ、イクッ! パルスィ、パルスィ……!!」
 「一緒にいこう雛……! う、うはああっ!!」


  二人の身体がびくんと震え絶頂の波に飲まれていく。絶頂を味わった二人は力無くベットに横たわる。


 「はあ……雛……好きぃ……」
 「私も……好き……。パルスィ……」


 













  それからしばらくして息も整った二人は服を着直す。ああいう行為の後だけにどこか二人とももじもじして話しづらい空気になっていた。


 「あの……満足してくれたかしら?」
 「まあ……ね。うん……満足したわ」
 「そう良かったわ」
 「あ……あのさ……。もう帰っちゃうの……?」


  パルスィは不安そうにそう呟いた。雛は少しの間黙っていたがやがて優しく微笑んで言った。


 「ううん。今夜は……パルスィと過ごしたいわね。いいかしら?」
 「あ……う、うん! いいわよ。雛がいてくれるなら楽しい夜になりそうだわ……!あ、缶ビールだけど酒もあるし」
 
 
  




 「それじゃあ……」
 「うん」
 「「カンパーーイ!」」


  二人は手にした缶ビールで乾杯する。傍目から見ると少女二人がクリスマスの夜にさきいかと缶ビール飲んでる姿は寂しいものかもしれない。しかし
 二人は気にしなかった。豪華な飾り付けのツリーが無くても、大きなケーキが無くても。二人が一緒に過ごす時間が一番のクリスマスプレゼント
 だった。


 「ねえ雛」
 「ん、なあに?」
 「クリスマスっていうのも案外悪くないわね」
 「くすっ、そうね」


  厄神と橋姫の二人はその夜いつまでも二人寄り添って過ごしていた――――。

  




 








  



  ちなみに。
  その頃博麗神社の境内で立ち尽くしている二人の妖怪がいた。


 「れい……む……?」
 「霊夢これは……どういうこと……?」


 「どうもこうも見ての通りよ」
 「ねーれいむー、早くこっち来てよー」
 「分かったわチルノ。というわけだから、紫、レミリア。今夜は一緒には過ごせないわ。じゃあね」
 「ふふっ。ベットの上でもあたいのサイキョーテクニック見してあげるわ霊夢!」
 「それは楽しみね、うふふ」


  ピシャンと障子が閉められると後には呆然としている紫とレミリアが残された。


 「う……うああああああああああ!? こ、こんな、こんなことって!?」
 「認めない! 私は絶対に認めないわあああああああああ!!!」


 「ああ、お嬢様可哀想に……。でもこれで今夜の伽の相手は私しかいない……! 落ち込んでるお嬢様を私が慰めなくちゃ……。そしてそこから主従を
 超えた愛が……ああんお嬢様ったらモーレツ!! あ、いけね想像したら鼻血が……うっ、うぐうぅ……」







  こうして咲夜が出血多量でぶっ倒れたこと以外に大きな事件も無く、幻想郷のクリスマスの夜は平和に過ぎて行きましたとさ。めでたしめでたし。






  紫・レ「「めでたくねーよ!!」」

  パ「あっそう!」

  雛「それ私の台詞なのに……とりあえずモニターの前のみんなも妬みすぎには注意よ。それではメリークリスマス」
 予想はしてたけどやっぱりパルスィ物書く人いたね! まあせっかく書いたんで僕のもあげます。
 パルスィってこの時期忙しいよね! あと雛ってクリスマスカラーだよね!
 そんで「私をあげる」とか言われたらたまんないよね!よね! ……というネタ先行で書きました。
 
 どうでもいいけど11月の半ばからもうすぐクリスマスですねってテレビでやってるのはアホらしいんでやめてほしいね!
 ……あ~あ、この日だけでいいから幻想郷行きたい……。
ばっきゅう
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
エクセデスとかヒナステーションとかチル霊とか突っ込みどころが多すぎるw
2.某喉飴削除
これは良い!
大統領めっちゃ笑いましたwなのにネチョ部分はしっかりしていてそのギャップが良い!
3.ナナシン削除
クリスマスは中止なんですよ?幻想郷には伝わってなかったんですね!

パルスィ…幸せになったな、妬ましい!

とりあえず突っ込みどころ多すぎwww

あとレミリアと紫乙、来年のパルスィの代役は君らだ。
4.名前が無い程度の能力削除
こっちで幻想になったからクリスマスが幻想郷で行われるようになったんですね、わかります。

しかし突っ込みどころ満載すぎる上にところどころ細かい小ネタやら振り込んでて楽しめました。
ネチョまでしっかりと…才能が妬ましいっ!
5.名前が無い程度の能力削除
ブヤックリストがさりげなさすぎるw
雛パルっていいよね!
6.紅魔の雑用削除
始めのほう「ファファファ」っていえばエクス○スと(ポケモン的な)キョ○さんで迷ってました。
あとから無の力が(ry ってところでエクス○スと判明、唯一DFFで出現させてないキャラでした。

突っ込みどころの多さとネチョのギャップがなんともwwww
7.名無しの権兵衛削除
最後のチル霊に吹きました
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