真・東方夜伽話

生えているとお得な感じがする

2020/11/05 12:35:15
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生えているとお得な感じがする

ハンナブラ

魔理沙に生えてるよ。

 夏真っ只中の幻想郷に、氷の妖精を溶かしきってしまうほどの熱線が降り注ぐ。幻想郷の端の境に位置する博麗神社も例外ではなく、むしろ周囲が森林であるために湿度が高く、境内の体感温度は殺人級であった。博麗神社の巫女、博麗霊夢は本殿周辺の掃除も諦め、境内にある住居の縁側で茶をすすっていた。

「今日もいい天気……過ぎるわね」

 下手に動けば汗が滝のように流れ出るため、床に寝そべって微かに吹く風で身体を冷やすことで暑さを乗り切っているが、それもそろそろ限界だった。水もお茶も飲んだらすぐに汗として出ていくのだ。多少雲があれば、空高く飛んで涼むことも出来るが、あいにく本日は快晴であり、飛べば熱射にやられて溶けてしまうだろう。日が傾くまでは、ひたすらに暑さを耐え忍ぶほか無かった。
 霊夢がそろそろ蝉のやかましさに耐えられなくなった頃、空に黒点が浮かんでいるのが見えた。暇さえあれば博麗神社にやってくる友人、霧雨魔理沙であることに疑いはなかった。もっとも、最近は魔法の研究に明け暮れていたのか、顔を見るのは久々だったが、それでもこんなに暑い日に黒い服装で飛ぶバカはあいつ以外いないだろうと霊夢は断定した。妖怪は気温の変化に強いが、これほど日光が強く降り注ぐ日中に出るようなやつはそういないのだ。ふわりと砂埃を撒き散らして、魔理沙は優雅に着地した。不敵な笑みを湛える彼女の手には、スイカと酒瓶が入った、透き通るような氷で満たされた桶が合った。

「久しぶりね」
「慈雨を持ってきてやったぞ、さあスイカを調理しろ」
「へぇ……あんたもたまには役立つのね」

 素直に称賛するのは癪だからと、さっさと桶をふんだくって台所へ向かう。桶に浮いている小さな氷を口に含むと、すぐに溶けて喉へ流れ、身体を冷やす。魔理沙が言ったようにまさしくこれは恵みの雨だった。
 包丁で雑にスイカを切ると、鮮血を想起させるほどに熟れた果肉が現れた、表面の冷たさも申し分ない。さっきまでの私と同じように縁側で寝そべる魔理沙をどかして座り込む。間にスイカとよく冷えた冷酒を置いて、白昼に二人っきりの宴会が始まった。半月切りしたスイカに齧りついて、ようやく私達は生気を取り戻したのだ。

「よく冷えてるわね。妖精にお願いをしたの?」
「あ〜氷はチルノに頼んだんだが、スイカは川に1日置いておいたのさ」
「河童に取られなかったわけ?」
「んにゃ、むしろ見張ってもらってたのさ、たまたまきゅうりを大量に手に入れられたんでね」

 おちょこに冷酒を注いで、クイッとあおると周囲の気温が下がったように錯覚する。すぐに酔ってしまわぬように、桶の氷と冷水を湯呑みにいれて飲む。

「おいおい、貴重な氷を雑に消費するんじゃない。ぬるい酒なんて飲めたもんじゃないだろう」
「どうせすぐに溶けてしまうでしょ、有効活用よ」
「そうして溶けてゆくのも風情ってもんだろう……。しかし、スイカっていうのはなんで真ん中しか甘くないのかねぇ」
「残りは虫にあげるためよ」
「私は虫じゃないがな。塩をとってくれ」

 普段なら魔理沙に顎で使われるなんて許せないが、今日は涼を提供してくれたお礼に、それくらいはしてやろうと席を立つ。すでに視界が歪み始めてきているが、この程度は造作もない。ふらふらと塩に加えて、いくつかのツマミを持って魔理沙の元へ戻ると、彼女は居心地悪そうに足を組み替えたりしていて相変わらず落ち着きがなかった。

「はい、塩。それとツマミを持ってきたわ」
「……ん、気が利くじゃないか。しかし昼間っから酒とは、もう今日の巫女業務は終了か?」
「こんな暑さじゃ日が暮れるまで無理だし、日が暮れたらあとは眠るだけだからね。別に良いのよ」
「相変わらず怠惰なやつだ」
「萃香や燐なんかが来れば掃除を任せるけど、今日は誰も来ないわね」
「妖怪に雑務を任せる巫女なんてお前くらいだろうよ」

 魔理沙は白い皮が見えるまで綺麗に食べたスイカをほって、寝転んでいる。首すじに汗が浮き出ており、黒いスカート内部の不快度指数は想像に難くない。黒を基調とした服装は彼女のアイデンティティであるとは言え、真夏の日差しの中でも脱がないなんて霊夢には信じられなかった。

「たまには黒以外の服を着たらどうなの?見てるだけで暑苦しいわ」
「魔法使いというのは大変なんだよ」

 どこか遠い目でそう呟く魔理沙、最近、魔法の研究で何かあったのだろうと霊夢の勘が告げていた、神社に来たのは気分転換を兼ねているのかも知れなかった。それからはお互い特に会話もせずに冷酒を飲み続ける、暑さでろくに会話する気力もなかったのだ。
 日が傾き始め少し気温も下がり、ひぐらしが鳴き始めた頃、ぬるくなった元冷酒が空になった。桶に入っている氷も全て溶けている。霊夢も魔理沙も酔いが回っているため、うたた寝するかのように微睡んでいる。しかし魔理沙は、ふと起き上がってそわそわしたり彷徨し始め、そしてある程度時間が経つとまた元の場所に戻って微睡む、というのを繰り返している。霊夢はそれが気になってしかたがなかった、一体なぜそんなに落ち着きがないのか、懲らしめてやろうかとも思ったが、暑さ故にそんな気も起きず寝転んだままだった。しかし涼しくなった夕暮れ時、いまや気だるさよりも苛立ちが勝ったので、ついに魔理沙が再度立ち上がると同時に怒鳴った。

「さっきから何なのよ!立ち上がってふらふらして、気が散って仕方がないわ!」
「あ〜いやこれには訳があってだな……」
「酔っ払いに側で動き回られるとうっとしいの!」

 霊夢はそう言って魔理沙を引っ張り自分の側に座らせる。その後魔理沙はまるで置物のようにかしこまって遠くを眺めるだけであった。その様子はどう考えても怪しかった。宴会では酒が入る前から周囲を巻き込んで騒ぐくせに、今日に限っては落ち着き無く動き回るだけでおとなしい。魔理沙は隠し事をしているに違いないと踏んだ霊夢は、厄介事になる前に、と魔理沙に問いただすことにした。

「何か隠してるんでしょ?判ってるわよ」
「霊夢、これは親切心から言うが、何にもないんだ」

 それはすなわち隠し事をしていると自白したようなものだった。

「で?」
「で、じゃないぜ……。本当に何にもないって、お、おいっ、近寄るなって」

 嘘をつく者はたいてい見つめ続ければボロを出す。霊夢が魔理沙をじっと見つめると、彼女は距離を取りながら縮こまり始めた。魔理沙が顔を真っ赤にしているのは酔っているからか、もしくは緊張からか、自身にも酔いが回っているせいで霊夢には判断できなかったが、とにかく、真相解明までもう一歩のはずであった。酔っているが故のだる絡みで魔理沙へしなだれかかるようにして、「何を隠してんのよ?」と迫れば、魔理沙はとうとう俯いて黙りこくってしまった。
 いつの間にか魔理沙に馬乗りになっていたことに気がついた霊夢は、これ以上魔理沙をいじめても仕方がないと、諦めることにする。そして魔理沙から降りようと身をよじった際に、ふと、尻の方に硬い何かが当たっていることに気がついた。

「んん?なにこれ?」
「れ、霊夢、止めろって」

 にわかに焦り始め、身体を反らしている魔理沙の反応から、これが目当ての隠し物に違いない。そう思って手を当てた瞬間、霊夢が感じたのは熱さだった。妙に熱く微かに脈打つソレは、手を沿わせた限り長く太い棒状である。加えて、てのひらで顔面を覆い、今にも恥ずかしさで泣き出しそうな魔理沙の反応を見て、霊夢の勘はある答えにたどり着く。

「魔理沙これって……」
「ごめんなさい……」

 魔理沙の蚊の羽音のような微かな声量の謝罪は、神社の周辺で日の暮れを知らせるように一際大きく鳴いたひぐらしの鳴き声にかき消されてしまった。魔理沙のアレに沿わせたままの手に、ほんのり湿り気を感じた。

……………
…………
………
……


「で、一体全体どういうことなの?」

 逢魔が時、妖怪が活発になる時間帯であり、博麗神社周囲の森林にいる人外の者共に見られては不味いと、魔理沙を居間に連れ込むと、霊夢は魔理沙に事の次第を尋ねた。

「いやまあ、研究の事故ではあるんだけどさ──」

 弾幕を張るとするだろ?個人的な好みで星をかたどった弾を使うんだけどさ、弾の軌道を不規則にしたいわけだよ。軌道の予測がし難ければ、それだけ相手の被弾を誘発できるわけだからな。んで、色々試していたんだよ。弾同士に引かれ合う力を持たせたり、逆に遠ざけようとする力を持たせたりしたんだが、そうなると制御が難しいんだ。複数個の弾の軌道の計算が複雑になりすぎるんだ。だから、より簡単に、曲線や不規則な挙動をさせるためにだな……匂いをつかうことにしたんだ。それはまあその、多くの生物は雌雄を惹き寄せるためにフェロモンというものを発する。それを弾幕に活かせないかなって思ってさ、催淫性を持つ素材を使ったんだよ……。
 まあ結果的にゆるく目標へ追従する面白い弾幕を作成できたんだが、そもそもの配分を間違えてたらしくてだな……。弾の変質のための特製のきのこ粉末に催淫性の効果をうまく乗算させたんだ。そんであとはまあ想像通りっていうか、こぼしてしまったってわけだ。あ、ああっで、でもこの変異は面白い特性があるんだよ、性別が変わるわけじゃなくて、その、性器の陰陽が反転する効果があるんだ。それで……結果的に半陰陽の下半身が出来たわけだな。

 霊夢は一通り説明を受けても、呆れる以外の反応を示せなかった。研究に失敗して惨事がおきたにしてはおかしいことこの上ないし、話のネタにするには卑猥すぎる。第一、身体に重大な変化が起きるほどの代物なのに、管理が杜撰すぎやしないか、己の身体をもっと労るべきだろう。それに何よりも先程から魔理沙から漂う、例のいわゆる雄のフェロモンというものを感じてしまい、冷静さを奪われてしまうのだ。とにかく霊夢は、頭に浮かんでくるあらゆる疑問を1つずつ文句として吐き出すことにした。

「そんな異変が起きてるなら、行くのはここじゃなくて永遠亭でしょう」
「いや、使用した素材の重篤な副作用は出てないし……」
「いや出てるじゃない。それもかなり深刻なの」
「まあしょせん弾幕用だから、しばらくしたら戻るだろうと、思ったんだぜ……」
「ならそれまで家に篭ってなさいよ。なんでここに来るのかしら」
「おいおい正気か?こんな時期に家に篭っていたら蒸し焼きにされてしまうに決まっているだろう。蒸し焼きなる直前に脱出したんだよ」

 こんな悪夢のような事態なのに、その元凶たる本人に正気を疑われては腹が立つ。しかし、結果的にバレてしまったとは言え、魔理沙は隠し通そうとしていたのは事実である。

「……その、こ、股間のヤツが邪魔だからそわそわしてたって訳ね?」
「これがまた大変なんだ。こっちの意思とは無関係にいきり立つもんだからさ、深刻なんだよ」
「そんなこと言って、どーせエッチなことを考えていたんでしょ」
「いやほんとだって、人がせっかく気持ちよく酔って脱力してるのに硬くなるんだ」

 見せつけるように股間周辺を指す魔理沙に対して、変に意識をしてしまう。霊夢は巫女として神道に従事する以上、神事や神話など様々な物が性と結びついているため、そのような知識が無いわけではないが、巫女という対場故に、霊夢には男性経験というものが殆ど無い。神社に集まる妖怪は少女の姿をとっているし、よく知る男性の森近霖之助は、そのような素振りをかけらも見せない。半陰陽とはいえ、これが霊夢にとって初めての男の性への触れ合いであった。
 お互い無言の時間が流れる。夕日が差し込む居間で、魔理沙と二人っきり、普段と変わらぬ日々の光景だが、ごく一部、魔理沙の股間だけが異なり、何もないはずの股ぐらに大きな膨らみが存在している。この変な空気を変えようと、回らない頭で思いついた話題を振ってみる。

「ソレ、やっぱり硬いままだと、苦しかったりするの?」

 魔理沙の顔を見ると、潤んだ瞳と火照った顔が映り、見るからに発情しているように見えた。

「つらいな……。身体の中が沸騰するようだ……」
「そ、それなら、発散したらどうなの?方法は判っているんでしょ?」
「あーうー……霊夢が良いなら……するけど」

 魔理沙はそう言うと、長いスカートをたくし上げて、妙な形が浮き上がっているドロワーズを脱いだ。ドロワーズを下ろした瞬間、暴れる蛇のように魔理沙の陰茎が現れ、部屋に雄の匂いを振りまいた。太い血管が浮かび上がり、先端は赤く腫れているようで、赤子の腕ほどはありそうな大きな肉棒は、ようやく窮屈な場所を脱した事を喜ぶように、ビクビクと暴れている。

「きゃっ!……こ、こ、これが、おちんちん?」
「……っああ、男性器だな。霊夢、悪いがちり紙を取ってくれないか?」

 魔理沙は小さな手で陰茎の根元の方を掴みながら、霊夢にちり紙を取るように言う。剛直なソレがどのようにして収まるのか検討も付かないが、何か汚れてしまうような事態が発生するのだろうと、慌ててちり紙を取りに行く。酒が回っているだけでは説明が出来ないほど、バクバクと跳ねる心臓を意識しながら居間に戻ると、魔理沙はすでに行為を始めていた。

「はぁ……んぁ……」

 甘く蕩けた顔をしながら必死に股間の棒を上下に擦り上げる魔理沙がそこにいた。周囲の環境は目に入っていないようで、ちり紙を側に置いても反応しない。少女の未発達な身体に、不釣り合いなグロテスクな男性器が付いている姿は、霊夢の目にはとても扇情的に映えた。
 やがて亀頭から透明な粘液が分泌されて、周囲の淫臭はより濃くなり、側で見守る霊夢は魔理沙の匂いが纏わりついてくるように感じて、下腹部が熱を持ち始めた。ぐちゃぐちゃと粘つく水音が聞こえ始め、魔理沙の手の動きはより一層激しさを増している。ごくりと生唾を飲む音がやたらと大きく聞こえて、霊夢は魔理沙に聞かれたのではないかと思うほどだった。無意識に左腕が股に伸びていたことに気がついて、引っ込める。友人の淫らな姿に当てられてしまったのかも知れない。

「れいむぅ……いきそう……」

 魔理沙はおそらく無意識に名前を呼んだのだろうが、聞いたこともない甘い声で名を呼ばれて、胸が締め付けられるように痛んだ。いきそう、という言葉を聞いても、何をしたら良いのか分からない、霊夢にはただ魔理沙の淫行を見つめるしかなかった。

「あぁ……っっ!!」

 ビクッと魔理沙の腰が跳ねたかと思うと、陰茎から白濁の液体が大量に吐き出された。直前にちり紙を先端へ当てていたにもかかわらず、ちり紙は即座にその役目を放棄し、暴れる魔理沙の肉棒はちゃぶ台や畳に白濁液を撒きちらし始め、霊夢の顔も当然汚した。霊夢は顔や髪に精液がかかっても気にもとめずに、快感を享受する魔理沙の姿に釘付けだった。もはや、下腹部を支配する熱は我慢できないほどに膨れ上がり、霊夢は巫女であることも忘れて、ただ魔理沙の肉棒を本能的に欲していた。

「はぁ゛ー……はぁー……」

 黒い服装を白く汚して、魔理沙は疲れた様子でだらしなく股を開けて座り込んだ。それでも、股間のモノは天を突くように反り返りながらスカートから顔を出して、未だ臨戦態勢であることを無垢な少女二人に知らせている。

「ど、どうなの……?もう終わり?」
「いつも、はぁ、はぁ……あと数回は出さないと、んはぁ……収まらないんだ」
「ま、まだ出るわけ?」
「れいむ……」

 おもむろに立ち上がった魔理沙はじりじりとにじり寄ってくる、その目はギラついており、捕食者のようだった。肩に手をかけられたかと思うと、そのまま押し倒されてしまった。

「ま、まりさ……?」
「ふぅーっ!……ふぅーっ!」

 このまま無抵抗でいれば、襲われることは火を見るより明らかであったが、身体はまるで動かない。しかし下半身だけが霊夢の意思を離れ、魔理沙の下半身へ押し付けるようにくねらせている。その無自覚な雄へ媚びる動きは、魔理沙の最後の理性のタガを外してしまったようで、彼女は勢いよく霊夢に覆いかぶさり、首すじに甘く噛みつく。

「ちょっ──んんっぁ!?」

 噛まれた場所から甘い痺れが広がって、つい喘いでしまった。いままで出したこともない、雄を煽り誘う甲高い声に、霊夢自身も高ぶってしまう。「まりさぁ……だめ……あっ」と独り言のように囁いて肩を押し退けようともがくが、その実、霊夢の腕にはまったく力が入っていない。形だけの抵抗をしながら、魔理沙に脱がされるのを熱に浮かされたようにぼぉっと見つめている。ついに巫女服もさらしもはだけて、ドロワーズも脱がされてしまった。しっとりと玉のような汗が霊夢の魔理沙より少し大きい胸から流れる。霊夢は、これから純潔を奪われてしまうことよりも、魔理沙に肌を晒してしまったことで頭がいっぱいだった。部屋には、お互いの荒い吐息だけが響いているようで、外界の音などの刺激は何一つ入ってこない。

「霊夢……抵抗しないんだな……」
「ちがっ……力がはいらなくて……んぅ」
「こうして……舐めたり、噛んだり、撫でるだけで厭らしく喘ぐくせに」

 鎖骨に溜まった汗を舐め取りながら、魔理沙は霊夢の羞恥心を煽っていく。お互いのむせ返るほどの濃い体臭と、部屋に充満した淫臭が霊夢を興奮させており、魔理沙に組み敷かれているこの状況すら、胸の痛みを加速させ下腹部を熱くする要素になる。
 魔理沙がコツンと額をまるで熱を測るかのように合わせ、その大きな瞳が霊夢を見つめる。霊夢はその瞳の奥に、僅かばかり残った魔理沙の理性を読み取った。

「本当に……止めるなら、今のうちだぜ……」

 魔理沙は発情期の犬のように、熱い肉棒を霊夢の身体に擦りつけ、今にも暴発しそうだった。このような経験は皆無な霊夢は、感じる音、匂い、視界の全てが性的なものに溢れているこの状況を処理することは出来なかった。「あうあう」と言葉ですら無い返答を繰り返している。

「まりさぁ……どうしよぉ……」

 性的な熱は未発達な少女の身体に毒のように広がり、その毒が頭を蝕みまとまらない思考で、魔理沙に抱きつくしか無かった。

「ほら、こっちむいて」

 魔理沙に強引に見つめ合わされ、彼女は微笑む。そのまま唇が近づいて、霊夢は初めてのキスを同性で親友の、魔理沙とすることになった。柔らかい感触と、ほんのり酒の匂いが妙に心地よい。しかし、揺れる視界と痛む胸がより酷くなり、我慢は限界に達した。全身に微弱な電流が流れているように痺れ、うら若き霊夢の肢体は己の意思とは無関係に痙攣し、快感を感じようと淫らに暴れている。

「んちゅ──んはぁ……」
「霊夢、すごく濡れてるぞ」
「うるさぁぃ……あんたが厭らしく触るから、どうにかなっちゃいそうなのよぅ……」
「なぁ……挿入れてもいいか?」

 魔理沙の長い陰茎の先端が霊夢の秘部にあてがわれる。魔理沙が腰を押し込めば、霊夢の純潔は失われ、二度と元には戻れなくなる、それには、魔理沙との関係も含まれている。

「はっ……はぁぁ……」

 それでも霊夢は熱い息を吐きながら、挿入しやすいように腰を浮かして、その瞬間を今かいまかと見つめている。魔理沙はそれを肯定と受け取ったのか、ゆっくりと、平均よりもだいぶ大きなそのイチモツを、霊夢の濡れそぼった膣内へ挿入した。

「いっっっったぃぃいっっ……!」

 霊夢が想像していたよりも強く鈍い痛みが広がった。いままでろくに大人になるための性的な活動をしていない霊夢の秘部にとって、魔理沙の肉棒はあまりにも凶悪すぎた。霊夢は必死に深呼吸を繰り返しながら、歯を食いしばって痛みが過ぎ去るのを待つしか無かった。
 痛みによがる霊夢を見かねたのか、魔理沙は今にも破裂しそうなほど膨らんだ陰茎を動かしたい衝動を必死に抑え、霊夢に抱きついた。霊夢にの処女喪失の痛みを紛らわせようと、キスをしながら頭を幼子をあやすように撫でている。しかし搾り取るような霊夢の膣内の動きが、魔理沙の理性を削り取る。魔理沙は気を紛らわせるように、霊夢の身体を愛撫しながら耐えて忍んでいる。

「はぁ、はぁ、もう我慢が……霊夢、動いても良いか……」
「まって、まって、今動いたら──んんっ、許さないからっ」
「そんなこと言われても──あぅ、気持ちよすぎて、もうっっ」
「ねぇ、キス、キスして」

 魔理沙にキスをされると秘部の痛みが引いていく、彼女の触れるかふれないかの優しい力加減で霊夢の身体を触るたびに、あげたことのない声が漏れ出て止まない。魔理沙がゆっくりと腰を前後に動かし始めた。霊夢は己の膣内を動く肉棒との摩擦が、快感に変化して全身へ広がる初の体験に、戸惑いを隠せない。

「うぇぇ、んぁ、ひゃ、あっあっ」
「ん、もう少し……可愛い声を出せないのか──っっ」
「うるさぁっふうぅ!!」

 しばらく魔理沙が霊夢をいたわり続けたおかげで、霊夢の破瓜の痛みは消え去り、すっかり快楽に身を委ねたように甘い声を恥ずかしげもなく出し始めた。

「れいむぅ……はぁはぁ、大丈夫か……?」
「わかんない、あっあっ、お股ジンジンしてぇ……っぁ!?──きゃんん!!」
「ど、どうした……?」
「わ、わからない……目の前が真っ白になって、あ、あれ?力がはいらにゃい……」

 魔理沙はなんとなく霊夢が絶頂を迎えた事を察したようだった、霊夢の腰が跳ね、膣壁が魔理沙に射精を促し搾り取ろうとしている。魔理沙はもはや加減は必要ないと、腰を豪快に動かし自らも快楽を貪ることにしたようだ。

「ひゃぁぁああ!?まりさぁ、だめぇ、強すぎるからぁ!!」
「私も、もう限界だっっ!」
 
 グチュグチュと淫らな水音と、二人の少女の喘ぎ声が宵闇が広がり暗くなり始めた部屋に響く。お互いに、普段見せない獣のような本能をむき出しにて、そして様相すらさらなる興奮を呼び起こして、ひたすら快楽を享受している。

「れ、霊夢、出るッッ──!!」

 やがて、魔理沙は今までで最も粘り濃く雄臭い精液を、年端も行かぬ友人の膣内へ吐き出した。魔理沙は腰を密着させて、霊夢が快楽を逃そうと暴れるのを両手で押さえ込み、一滴も漏らすまいと子宮へ精液を浴びせる。

「まりさっっだめぇ……お゛ぉ゛──ッッ!!」

 獣のような声をあげて霊夢は絶頂した。だらしなく舌を伸ばして、身体の下に敷かれた魔理沙の服を握りしめ脳を焼き切るような、幼い身体にはあまりに暴力的な快感を受け止める。霊夢は朧気な意識の中で、全身で魔理沙を感じられていることが幸せだった。
 しばらく二人は小さく喘ぎながら、その身にあまる快感の嵐が過ぎ去るのを待っていた。外は暗くなっており月明かりが部屋に差し込んでいる。魔理沙がゆっくりと霊夢の膣内から陰茎を引き抜くと、両者は一際高い声をあげる。霊夢は己の下半身を押し上げていた異物が無くなったことに、どこか寂しさを覚えた。魔理沙が吐き出した熱い精の存在を感じて、しばし余韻に浸っていた。隣へ倒れ込むように寝転んだ魔理沙が、赤子を寝かせるかのように身体を撫でてくる。

「その……悪かったな、乱暴にしてしまって」

 魔理沙は申し訳無さそうに呟く。

「別に……」

 霊夢としては、魔理沙の配慮を情事の際にひしひしと感じていたため、特に不満はなかった。背中に敷かれた布や側にある水筒、今もこうして、身体の汚れをちり紙で拭いてくれているのだから、むしろ申し訳なくもあった。しかし、未だに身体が宙に浮いているような感覚が抜け落ちず、ただ魔理沙にいろいろを委ねるしかなかったのだ。

「まだちょっと硬いみたいだけど……?」
「いいから、無理すんな」

 実際、今の霊夢に二回戦を行う気力は無かった。それでも、この時間が終わってしまうのが名残惜しくて、魔理沙に擦り寄る。抱きつこうとも考えたが、今一歩勇気が出なかった。
 しばらくお互いの体温を肌で感じあっていた二人だが、やがて魔理沙は起き上がり、「夕飯を作る」といって台所へ行った。魔理沙が部屋の淀んだ空気に変化を与え、霊夢の鼻に先程の情事の残り香が匂ってくる。お世辞にも良い匂いとは言えない。笑う膝をおさえながら障子や窓を開けて空気の循環を促すと、風が通り抜けて少し涼しくなる。魔理沙が持ってきた桶や酒瓶、おちょこやスイカの残骸を片付けてると、嫌でも股に違和感を覚えてしまう。歩くとガニ股になってしまい、座ってもなんだか広がったような感触がするのだ。
 奥でカチャカチャ食事の用意をしている魔理沙、彼女の股の間に、一時的に生えた男性器が、このような数奇な状況を生み出したのだ。もはや、ただの友人という関係にはいかないのだろうか、いびつになってしまったこの関係が少し恐ろしく思えて、居間に座り込んでしまった。股から垂れる魔理沙の精液が嫌でも現実を思い起こさせ、今までの魔理沙の思い出と、これからの魔理沙の関係が不可逆的であることが、寂しく思えた。頭の中はぐちゃぐちゃで、涙が出てきてしまい、鼻から余剰な涙が流れ、鼻をすすってしまう。

「泣いてるのか?」
「……っぁっ」

 魔理沙がおにぎりと根菜やきのこを漬けたものを持ってきた。霊夢は別にそんなに悲しいわけではないのだ、ただ何とも言い表せない、掴みどころがない寂しさが涙として流れ出ているのだと、言いたかったのに、言葉が詰まって話せなかった。すると魔理沙は後ろから霊夢を包むように抱きついて、なだめるように頭を撫でる。そんなことをされると、より言葉が出てこなくなってしまい、霊夢は幼児のように泣きじゃくるしかなかった。
 泣き止んで、おにぎりもほとんどを胃の腑に収めて、ようやく落ち着いた二人は、電球も点けずに夜空を眺めていた。暑い夏の夜にもかかわらず、固く握った手は離さないようにして、肩を寄せ合っていた。

「もう鎮まったの?」
「そんな仰々しいものではないが、まあ、なんとか……」
「博麗の巫女の純潔を奪ったというのに、なんだかずいぶんと余裕じゃない?……他に経験があるの?」
「いやいやいや!?誓ってそんなことはないぞ!?」
「だって、妙にこなれてたし、その……気持ちよかったし」
「それは単純にお前が感じやす──ぐえぇ……」
「ぅっさいわね」

 デリカシーのない魔理沙の発言に小突く霊夢。二人は身体を重ねた後も普段通りの会話がなされている、霊夢が心配するようなことは起きなかったようにみえる。

「もうしばらくは生えっぱなしだろうけど、やがて無くなるはずさ」
「そう。……それはそれで寂しい、かも」
「まあまあ、女同士というのも乙なもんだろ、衆道という文化的なものがあるんだ、高尚に女色と洒落込もうじゃないか」
「まあそれも……って!なんで魔理沙とエッチする前提なのよ!」
「嫌なのかぁ?」

 魔理沙がニヤリと不敵に笑って霊夢を見つめる。魔理沙には、霊夢が拒否をしないと判っているのだ、普段つっけんどんな彼女の態度が、驚くほど軟化してしまっていることは、霊夢も自覚している。このような機は逃してはならないと、魔理沙が迫って来るのだ。普段は魔理沙が押しても引いてものれんに腕押しな霊夢だが、今の霊夢は乙女そのもの。霊夢が頬を染めて目を伏せれば、魔理沙は甘えるように身体をすり寄せる。
 霊夢は魔理沙に見つめられると胸がキュと締め付けられるのを感じていた。魔理沙の手のひらで踊らされている自覚はあるが、彼女の顔が近づいてくると、見惚れて何も言えなくなってしまう。柔らかい魔理沙の唇の感触を一瞬感じて、視界に広がる金色が離れる。キスをされたことに気がついたがしかし、今度は霊夢が我慢できずにキスをする。何度もついばむように唇を重ねると、ようやく鎮火した霊夢の性の火が再燃し始める。視線を下にうつすと、またもや彼女のスカートが盛り上がっているのを確認した。

「んはぁ……。また硬くなってる……すぐ硬くするなんて、ほんと節操ないわねぇ」
「んちゅ……はぁ、へぇ……言うじゃないか。始めたのは霊夢だからな」

 魔理沙が霊夢を力強く抱きしめて、舌を霊夢の口に滑り込ませる。霊夢は水の音が脳内に響き渡るのを感じて、例の頭が快楽で溶けていくあの感覚を思い出す。魔理沙の身体に密着するとより高まり、二人を未だに人間たらしめている衣類が、とても邪魔に感じる。

「まりさ、まりさぁ……もっと……」
「まてれいむ、んちゅっ……んはぁ、今度は布団を敷こう、な?」

 敷布団を敷くと同時に、霊夢は魔理沙を押し倒した、熱帯夜に掛け布団は必要ないし、もはや霊夢は我慢できないのだ。相変わらずデカく反り立つ魔理沙の肉棒を愛おしそうに眺めながら、今度は霊夢が拙いながらも愛撫をしていく。魔理沙は、布団の上での優位が長く続きそうにないことを肌で感じ始めていた。

……………
…………
………
……


 朝日が昇り始めると同時に騒がしく蝉が鳴きわめく早朝の博麗神社、ひと夏の逢瀬を求め鳴き喚く蝉に負けないくらい、境内の住居から激しい交尾の声、どちらかといえば雄叫びに近いような嬌声が響いていた。昨晩、月が昇りきる前に始まった情事は、未だにその熱を保ったまま続いていた。

「れいむ、れぇいむ──ッッ!!」
「お゛お゛ぉ、あっんはぁ──イクッ、まってぇ、まりさぁ……んくぅ───またイグっ!」

 若さに任せて激しく打ち付け求め合う二人は、水分補給以外は常にお互いを呼びあい、混じり合う。すでに二桁に達した魔理沙の射精だが、陰茎の硬さは衰えず、精液の量も変わらない。霊夢は白く汚れ、雄の匂いが絡まり子宮の疼きは止まらず、魔理沙の上や下で喘ぎ続け、声が枯れ始めていた。
 ようやく一段落した頃には、太陽が頭上に昇っていた。うつ伏せに枕を抱いて快感に耐えてきた霊夢の上へ魔理沙がのしかかり、情事は終わりを迎えた。

「はあ……はあ……も、もう動けない。腰が、限界だ」

 長い魔理沙の陰茎が、だらしなく霊夢の尻に乗っている。霊夢は膣口からプリンをかき混ぜたような白濁の塊がこぼれていた。お互い裸であり、汗のおかげでべっとりと密着していた。
 このままでは延々とエッチをし続けることになる、という魔理沙の賢者的な理性の判断によって、一旦帰宅する運びとなった。魔理沙が去った後も汗と愛液と精液と、諸々で汚れた布団で寝ていた霊夢は、裸のまま夕方まで快感の余韻に浸った。魔理沙が与えていった快楽は相当なもののようだった。
 ようやく動けるようになった霊夢は、いつもの巫女服に着替えて、日が沈むまでに巫女としての業務をこなせる限りこなすことにした。

「若いって良いわねぇ」

 すると魔理沙以外の第三者が、初夜の後に初めて現れた。八雲紫、胡散臭さの代名詞的存在が境内の空間をゆがめ上半身のみをさらけ出して顕現している。いつもその顔に笑みをたたえるのが紫だが、霊夢にはその笑みが今日に限っておせっかいな、嫌らしいものに見えるのだ。一日中魔理沙と交わっていたのだから、当然紫にも知られているのだろう。幻想郷において、八雲紫の監視から逃れるのは至難なのだ。

「冷やかしに来たのなら帰って」
「つれないわねぇ……。博麗の巫女が初夜を終えたとあれば、そりゃ見に来るわよ」
「うっさいわねぇ。覗き見するような奴に出すお茶はないし、あげる時間もないわよ」

 魔理沙との情事を根掘り葉掘り聞かれてはかなわないし、適当にあしらって帰ってもらうつもりだった。しかし八雲紫というのは、そんなときに限って長居をする奴なのだ。

「あなたが大人に一歩近づいたということなのだから、お祝いよ。赤飯でも用意しましょうか?」
「別にいいわ、放っておいて」
「うふふ……あっそうだ、あなたの頭の中を当ててあげるわ。魔理沙のことで頭がいっぱいなんでしょ?」
「そんな事ないわ。今はあんたが帰ってくれることだけを考えているわよ」

 紫は手に持った扇子で口元を隠してクスクスと笑いながら、視線だけは霊夢を捉えて離さない。まるで蛇がカエルを睨んでいるかのようである。

「あのねぇ……いい、霊夢?」

 紫が音もなく近づいて霊夢と相対する。紫が長い付き合いの中で珍しいほど真剣な眼差しをしているため、霊夢はおのずと居住まいを正してしまう。

「巫女だから、神職だからと貞操についてとやかく言うつもりは無いけれど、あなたが魔理沙を選んだというその事実を尊重しなさい」
「選んだと言うか、成り行き任せたらああなったっていうか……」

 霊夢の返事ははっきりしない。

「はぁ〜〜……。霊夢、あなたの勘が、魔理沙を、選んだの。わかるわよねぇ。魔理沙があなたに迫って、襲いかかったとしてもはね退けられたはず。そもそも二回目はあなたから──」

 その言葉を聞いた瞬間、霊夢の顔は瞬時に赤面してしまった。

「わ、わかったから、そっから先は言うな!」
「理解れば良いのよ」

 霊夢が無意識に目を逸らしていた事実、それは魔理沙を好いているということであった。いくらそれを無視しようと、気がつけば魔理沙を思い、物憂げな視線を空へ投げかける霊夢の様子を見れば、誰が見れも判ることではあったのだが。夕日に照らされ真っ赤に燃える境内で、霊夢はばつが悪そうに箒で参道に積もる土ぼこりを掃いている。その様子をじっと見つめる紫が、巣立つ我が子を寂しげに見つめる親鳥のような目をしていることに、気づくものはこの場にいなかった。
 気を紛らわせるためにしていた掃除も、全身から汗が吹き出すものだから、霊夢は箒を投げ出して、住居に帰ってしまった。

「じゃあ私はお暇しますわ」
「さっさと帰ったかえった。……まあお茶くらいなら淹れたげるけど」
「あらあら優しいのね。……あら魔理沙、来てたの」
「えぇ!?」

 霊夢は慌てて縁側まで飛び出して周囲を探すが、どこにも白と黒のあの暑苦しい影はなかった。そして数秒後に、ようやく騙されたのだと気がついたのだ。

「死ねッ!!」

 怒りに任せ封魔針を紫へ投擲するものの、すでに彼女は消えていた、痕跡も残さず始めから居なかったようである。このように感情を露わにすることすらからかわれているように感じてしまい、虚しさを覚えた。耳元に暗い靄がかかり、紫のささやき声が聞こえてくる。

「お熱いのは結構だけど……周りの目は気にすることね。あと、水分補給も忘れずに」
「はいはい……」

 霊夢はついに抵抗することを止めて、素直に従うことにしたようである。そもそも淫猥なことについては、何千年と生きている妖怪の方が花も実もあろうというものだから、つい昨日まで生娘であった霊夢が何かできるわけもない。諦めて夕飯の準備をすることにした。
 逢魔が時、霊夢は縁側で紺色に染まったかすかに明るい空を、宵の明星を見ながらただ待っていた。別に確信があるわけではないが、魔理沙が来る気がしているのだ。やがて、夕日の残照が消えて幻想郷に夜が訪れたころ、空を飛ぶ何かが目に入った。思わず飛び出したい衝動を抑え、じっと眺めると、見慣れた三角帽と箒のシルエットが確認できた。
 
「魔理沙……」

 呟くだけで、胸がじんわり温かくなっていく気がする。

「よう霊夢、こんばんはだな」
「あんたが来ると思って料理は二人前作ってるわよ」
「そりゃ好都合だな、腹を空かせてきたんだ」

 霊夢が夕飯を並べる。普段より少し豪華な献立であるが、魔理沙は気がついていないようだった。それでも、「うまい、うまい」と美味しそうに食べてくれるなら、それでもいいかと霊夢は思った。
 夕飯を食べ終えて数十分、霊夢も魔理沙もそわそわと落ち着かない様子だった。霊夢が話を切り出せないでいると、魔理沙が申し訳無さそうに話しかけてきた。

「なあ霊夢、その……話があるんだ」

 魔理沙がガラになく真剣な面持ちで話しかけてくるものだから、霊夢は身構えて耳を傾ける。何か深刻な事態が起きたのだろうか、それならば全力で対処せねばならないだろう。

「おちんちんが無くなった」
「は?」
「あれだけ出したから、毒素のようなものも排出されたんじゃないかと……」
「いやいや毒素って、そんなもん私に吐き出したってわけ?」
「いやぁ、まあ言葉のあやではあるんだが、無くなったのはホントだ」

 真面目な顔してなんてことを言うのか、呆れて物も言えない。先程の紫との会話で、霊夢は妙に魔理沙との間柄を強く意識してしまうというのに、魔理沙だけ普段の調子なんてずるいではないかと思うのだ。

「まあよかったじゃない。あんな凶悪なモノ、ぶら下げていたら大変でしょ」
「それはそうなんだが、それはそれで寂しいもんだぜ」
「私にその感情は理解出来ないわねぇ……」
「世の男も大変なものだと実感したよ」

 魔理沙が立ち上がって大きく伸びをする。反った魔理沙の身体の股間に、霊夢の視線が集中する。そこには昨日見えた膨らみはなく、ある意味で女性的な平たい面があるだけであった。本当に男性器が無くなっていたのだ。

「風呂の準備をしてくるよ」

 魔理沙はそういうとまるで自宅であるかのように、風呂を沸かしに居間を出ていった。まあ夏だから、風呂桶いっぱいに湯は張らないだろうと、任せることにした。魔理沙が来ている時は八卦炉で火の元の用を大抵は済ませてくれる。よって霊夢は皿の片付けや寝支度、あと少しだけのお酒を用意する時間が出来た。
 かわりばんこにお湯を使えば、後は歯を磨いて寝るだけだった。しかし、今夜は満月でしかも雲一つ無い夜空だった。ならば月見で一杯も良いじゃないかと準備をしていると、寝間着に着替えた魔理沙が現れた。

「おお、酒とは気が利くじゃないか。この際冷えてないことは許そうじゃないか」
「偉そうに、せっかく準備したんだから対価に私の髪を梳かしなさい」
「それならむしろ喜んでしてやる」

 穏やかな時間が過ぎ去る。これから季節は秋に向けて気温が下がっていくのだから、周囲の森から鈴虫の音色が聞こえる時期も近いだろう。夜風が吹いて湿った身体を冷やし、魔理沙の細い指が髪を梳く感触が心地よい。酒もほどよく入り普段なら後は寝るだけ、のはずである。

「霊夢の髪は艶があって綺麗なもんだな。櫛が引っかからないとは恐れ入った」
「そんなに手入れしてるわけでもないけど、ときどき髪油を貰うことがあるのよ、それを使ったりしてるわね」
「それに……とても良い匂いだ」
「……なんか倒錯的だわ」

 魔理沙が櫛を脇へおいて、霊夢のうなじへキスをした。

「……ちょっと魔理沙?あっ──な、なにすんのよ!」
「まあすなわち……そういうことだな」

 魔理沙はせっかく敷いた布団をひと組押し入れにしまった、せっかくふた組用意したのに、わざわざ敷布を引いていない方の布団を残して。そして寝間着を崩しながら、一組の布団へ霊夢をいざなう。それは単に添い寝しようと誘っているわけではない、きっと寝るのは数刻過ぎた後になることだろう。あまりに唐突で、展開が早いのではないかと霊夢が抗議すると魔理沙は「待ちきれない」とだけ返事をするのだった。
 魔理沙はしぶしぶやって来た霊夢を押し倒して、いきおいそのままに太ももへ手を這わせた。股の間に両足を置いて抵抗をさせず、舌で首を舐め回したりと大忙しで、とっさのことで霊夢の思考は処理できずに固まってしまった。何とかせねばと口を開けば唇で塞がれてしまう。

「んはぁ……ちょっとまってよ、がっつきすぎよっ!!」
「お前がエロすぎるんだよ」
「何よそれぇ。んんっ……あ、あの、アレ!アレ、アレはいいの?その…おちんちん!」
「あんなの無くても満足させてやるよ」
「そういうこといってんじゃな──ひゃぁん!!」
「ふふん、あきらめるんだな」

 霊夢はまたしても、魔理沙のてのひらで貪られることになった。

……………
…………
………
……


 夜が更けていけばいくほど、二人の嬌声は高まっていく。二人が溶け合い一つになったかと錯覚するほどの長い時間が経った後、霊夢は眠ってしまった魔理沙の頭を撫でながら、今までに感じたことのない満足感を覚えていた。魔理沙に棒がついていようがいなかろうが、情事は燃えるように激しかったし、お互いに非常に高ぶったのだ。
 重い瞼を閉じて、ただ睡魔に身を任せると、側で魔理沙が寝ていて、彼女と共に過ごす時間そのものを貴重に感じる。幻想郷では一日が長い。霊夢はいままでただときが過ぎ去るのを自堕落に待ち、怠惰に毎日を過ごしていたことを勿体なく考えてるようになっていた。もはや一人でお茶を飲むことなど考えられなくなってしまった。霊夢のこれほどの精神の変化を快く受け入れている自分がいることに一番驚いている。明日から魔理沙と過ごす日常に思いを馳せていると、やがて、睡魔が霊夢の意識を刈り取り、部屋には二人の寝息が響くのみとなった。
 幻想郷はただいま妖怪の時間であり、暗い博麗神社境内は、その住居から常夜灯の光を漏らしている。周囲は昼間の灼熱の日差しが過ぎ去ったことを称えるかのように、様々な生き物が生命力をあふれさせて騒いでいたが、静かな境内で眠る少女達を起こさぬかのように、騒音は夜の闇に消える。幻想郷の夏は佳境を迎えていた。

読みにくい駄文をここまで読んでくださり、ありがとうございます。
いつか投稿しようと思っていた夜伽話に、こうして投稿が間に合って感激しております。いろいろと勝手がわからないままでの投稿ですが、楽しんで頂けたら幸いです。
ハンナブラ
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