真・東方夜伽話

スケベ九尾の大乱交

2020/08/01 01:31:25
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スケベ九尾の大乱交

喚く狂人

八雲藍さんがこっそり主催してる輪姦パーティーで淫乱狐に堕ちる激烈スケベ
昔書いたやつのリメイクです

 マヨヒガから飛んで数十分、里の外れに到着する。なんの変哲もない木立に見えるが、アカマツの肌にバッテンが彫られている。集合場所を示すサインだ。
 藍が着地すると同時に、木陰から男が姿を表した。ひょろりとした初老で、短髪に白髪が交じっている。額に刻まれた皺には見覚えがある。何度か「相手」してやったはずだ。
「すまないな、待たせた」
「いえいえ、そのようなことは。私も今参ったところですので」
 と言いつつ、顔には安堵が浮かんでいた。里の人間には、夜への恐怖が染みついている。
「では、参りましょうか」
「待て待て。せっかく私と二人でいる機会だというのに、お前はただ案内してくれるだけか? 少しくらい役得が欲しくはないか?」
「いやあそんな、とても畏れ多い……」
 行灯片手にさっさと歩き出そうとしたのを止める。他の連中を待たせているとはいえ、わざわざ迎えに来てくれたのだ。労ってやるのが礼儀だろう。もちろん、自分がちょっとつまみ食いしたくなったというのが一番の理由だが。
 畏れ多いと抜かしつつ、あちらも内心では期待しているらしい。妖獣の優れた嗅覚は、発情の香りを嗅ぎつけていた。
「まあ、そう言うな。せっかくこの私が、相手してやろうと言っているのだから」
 鼻先が触れあうほど顔を近づける。男は息を飲み、硬直した。古今東西の為政者を色で狂わせてきた美貌が眼前にあるのだ。うだつの上がらぬ中年に逆らえる魔性ではない。
「んふふ……」
「んぉッ!?」
 ぱくぱくと開閉する唇を奪う。彼は咄嗟に、身を引こうとした。嫌がったのでないのは表情で分かる。幻想郷随一の大妖怪との接吻を、畏れ多いと感じたのだろう。
 もちろん、逃がさない。頬を両手で包み込んだ。さらに、舌をねじ込んだ。
「んちゅゥ、ちゅッ、むちゅっ、れろッ、くちゅ」
 あちらが惚けているうちに、舌・歯茎・口壁にいたるまで、激しくもねっとり舐め回す。ワインローズのリップグロスを塗った、柔らかで艶めく唇が重ねられる。
「おッ、むッ、んぅッ、んぅうう」
 口内粘膜を絡ませるたび、男は身を跳ねさせる。舌使いの巧みさは、傾城傾国の淫婦と呼ばれるにふさわしい。込められた情熱は、ただのベーゼの域を超えていた。口腔で行うセックスと呼ぶべきだ。
 道士衣装に包まれた豊満な肉体を、ひょろりとした体にぴったり密着させる。たわわな乳房を押しつけて、感触で楽しませる。脚同士を絡ませ合い、インモラルな興奮を与える。
「んふッ、んっ、ちゅる……れろっ、ちゅッ、くぷうぅ」
 肉体的接触ばかりが性の悦びではない。甘く蠱惑的な体臭も、繋がる唇から漏れる音も、理性を破壊する毒だ。
 さらには、胸板にそっと、縋るように手を這わせる。羽毛で撫でるくらいの曖昧さで、下へと向かっていく。
 腹、臍、下腹と進み、やがて"ソコ"へと至る。赤子をあやす手つきで、ゆっくり触れる。
 股座はすでに膨らんでいた。無理もない。幻想郷有数の美女に、絶技と称すべき舌技で尽くされているのだから。限界ギリギリまで勃起し、カウパーが下服に滲んでいる様を、節操無しと笑える者はどこにもいない。
「ぉッ! おッ、おッ、おおぉお……!」
 膨らみ全体を、掌でぐりぐりと刺激する。褌と服、二枚の障壁を隔ててなお、男は敏感に腰を震わせる。万夫を惑わす毒婦にとっては、造作もなかった。
「ぷはぁ……」
 いったん、口を離す。唇の間に伝う唾液を、ちゅるりと啜り取る。
 男はすっかり魂が抜けていた。脳に巡らせるべき血を全て下半身に持っていかれたのだ。そうとう興奮しているらしいが、この程度を八雲藍と思ってもらっては困る。まだまだ、序の口も序の口なのだから。
「ふふふ……」
「おッ、おっ、おうっ」
 棒立ちの前に屈み込む。下服を下ろせば、褌にもっこりとシルエットが浮かんで、熱気をむんむんとまき散らしている。
 軽く頬ずりする。他愛もない行為で、彼は腰を震わせた。笑ってしまう。今のうちからこんなでは、あとでショック死してしまうのではないか?
「どれ……ああ、なかなか、悪くないじゃないか」
 下帯を解けば、藍がこの世でもっとも好むモノが姿を現わす。
 よく反り返った肉竿だ。サイズも丁度良く、女の中をほじくるにはうってつけの代物だ。やや黒ずんだグロテスクな肉の色と汗の香りが、胸をときめかせる。
「えぁあ」
「おッ、おお、八雲様……」
 顔を上向ける、はしたないほど口を開く。リップグロスが艶めく唇から、下品なほどに舌を突き出した。コスモスピンクの長い舌を見せつける。降り注ぐ視線は血走っていた。
 まずは己の掌を、れろぉおお、と舐め上げる。無論、見せつけながら。何を想像したか、びくっ、びくっと陰茎の先端が跳ね上がった。
「うひッ! おほッ、おッ、おおお――ッ」
 剥き栗を思わせる先端を、濡れた掌で優しく擦る。優しくとはいっても、人体でも特に敏感な部分を刺激されるのだ。上がるのは裏返った声だった。聞き苦しいが、気分は良い。
「れぇ、ろ」
 顔をゆっくり近づけると、鈴口あたりに舌先でそっと触れる。うっすらと塩気を感じる。猛烈な雄の臭気もだ。
 里人の大半は百姓だ。ひねもす畑仕事などしていれば、蒸れるのは当然だろう。嫌がる女は少なくなかろうが、藍にとっては興奮を煽るスパイスだ。行為を中断することはなく、れろっれろっと、亀頭全体にねっとりと涎をまぶしていく。
「ふッ、ふゥ、ううぅッ、おッ、っうう、おぉおん」
 狐特有のザラつく舌の感触は、性感帯へ絶妙な刺激を与える。腰がカクついている。
 カリ首のラインを、つつぅ、と舌でなぞる。幹の先端から根元にかけて、舌腹でぬちゃぬちゃと舐め回す。唾液が、蛞蝓の這った痕のごとく残っていく。
「んはぁ」
 陰毛の茂み付近に顔を埋める。中年男の汗と垢の匂いが混ざった、生々しい香りが漂う。決して快くはないが、覚えるのは官能だ。
「ちゅっ、れろっ、れろれろれろれろれろ……」
「オッ、オッ、オッ、オォオオオ~……ッ」
 目的は茂みの奥深くだ。縮れ毛に守られる、ふっくら膨らむ二つの玉。傾国のリップを袋に捧げて、皺の一つ一つまで舐め回す。
 直接の刺激により活性化した陰嚢が、スペルマを急ピッチで製造しはじめる。ふくふくと膨らんでいく玉を見ながら、愉しめそうだとほくそ笑む。
 男はいよいよ我慢の限界を迎えているらしい。眉尻を情けなくハの字に垂れ下げていた。笑ってしまう。
 もっとも、いつまでも焦らしてばかりでは気の毒だ。顔を離し、再度肉幹と正対する。
「んちゅッ――」
 亀頭に口づける。食事の前にいただきますをするのと同じ一種の行儀作法、もしくはルーティーンだった。
「えぁあ……あむぅう」
 あんぐりと口を広げる。日頃なら絶対に見せない、まったく品のない姿だ。性行為の場では、こうした振る舞いこそが正しい。次の瞬間、根元までぱくりと咥え込んだ。
 ややカーブのかかったスタンダードな形状は、口腔を愉しませるのにうってつけだった。あれだけ匂いが濃いのだから、味など語るまでもない。呼吸すれば、男根臭が肺いっぱいに広がって官能を刺激する。人間風情の排泄器を口にしながら、浮かぶのは恍惚の表情だ。
「んふぅ、くぷッ、ぢゅるッ、ぬぷぅッ、んふぅ、くぷ」
「オッ、おゥッ、おおッ、おおおおッ」
 もちろん、咥えて終わりではない。頭を緩やかに前後させ、しゃぶり始める。口内では、淫猥なる粘膜が肉魔羅にねっとり絡みついている。口壁は亀頭を摩擦し、舌はカリ首から幹にかけてレロレロと愛して回る。まさに魔性の口技だ。
 ぬぽッ、くぽっと唇の隙間から空気の抜ける音が鳴る。当然ながらわざとだ。お前は今、"あの"八雲藍にフェラチオさせているのだぞと、聴覚から思い知らせるためだった。
「はぁッ、はぁッ、はぁッ、おぉおッ……! ふぅッ、ふぅッ、ふぅッ」
 日頃の理知的な美貌もどこへやら、頬をはしたなく窄めてペニスに吸い付く様は、淫ら以外に表現しようがない。血走った目線が注がれている。とびきり好色な目を返してやる。
 男の息は荒く、発情期の猪を思わせる。最初は遠慮していても、一皮剥けば誰しも獣だ。きっと、野獣の衝動を覚えているに違いない。何もしてこないのは、まだ大妖怪への畏れが勝っているからだ。理性と言い換えてもいい。
 ならば、揺るがすまでだ。彼を見る瞳に、弱き者の視線を一瞬だけ混ぜた。狼に許しを請う、哀れな兎の目を。次に嘲笑する。こうして慈悲を乞われる立場になっても、どうせお前はされるがままなんだろう? と。
「ぢゅるぅッ、れろ、ちゅぅうううッ。ちゅッ、むちゅッ、ちゅっ、ちゅッ、んちゅぅッ、れろれろっ、ちゅむぅう」
 頬を間抜けなほどに窄める。口内に満ちる汗臭く男臭い味の原因、鈴口からにじみ出るカウパーにむしゃぶりつく。ともすれば滑稽に見え、男を萎えさせる仕草は、ぎりぎりのところで淫靡さを保っている。
 むちゅむちゅと、濃厚で媚びたリップノイズを上げる。私の唇は男根しゃぶりのための道具です――とでも言いたげに。
「うッ、うッ、おおッ、おおおッ、こッ、このッ! どうしようもない、淫乱めッ!」
 両肩をがっしりと掴んでくる。触れるなどもってのほかです! とでも言いたげだったくせに。いったん、離した。肩ではない、と感じたのだろう。続いて掴まれたのは、両側頭部だ。それでいい。
「んぶふッ……!」
 男の腰が、前方に突き出された。必然、陰茎は口腔を深々と刺し貫く。喉に届くほどに。くぐもった声、というより音が白い喉から鳴る。排水溝に水を流したときを思わせた。
 ――やればできるじゃないか。でもまだまだこんなものじゃないだろう?
 視線に載せて語りかける。いよいよ、男は獣性をかき立てられた。
「オッ、このッ、このッ、食らえ、このッ、このッ!」
「ンッ、グッ、ごッ、ングッ、ぐぶッ、ングゥッ」
 雄の本能と狂乱に突き動かされ、男は腰を振りたくり始める。顔面に、下腹部が何度も打ち付けられる。ばしんばしんと音が鳴り、鼻筋が押し潰される。鼻孔を、男の縮れ毛がくすぐってくる。
 鉄ほど硬くゴムほども弾力のある雄棒が、執拗に出ては入ってくる。異物侵入に横隔膜がせり上がり、鋭い痛みが走る。吐き出しえずいて当然の場面で、彼女は平然としていた。むしろ、口腔全てを男根の鞘にされ、暗い恍惚を覚えてすらいる。
「んむちゅッ、ぢゅるぅうッ、ぐぽっ、ぐぷッ、ぉゴッ」
 顔と口を玩具のごとく扱われてなお、藍は熱烈に奉仕していた。ぢゅるぢゅると吸い、相変わらず歓待している。いっそう熱が入ってすらいた。
 狐の嗅覚は人間よりはるかに優れている。口腔をオスに埋められ、鼻孔を陰毛の密林に埋もれさせられて、脳味噌の全てがペニスに支配されたかのようだ。本能の衝動を覚えているのは、彼ばかりではなかった。
「んふぅうッ、ぐプッ、ぶぽッ、ゥグ、んぶぅッ、ぶぷッ、んグゥ」
 ぶぽぶぽと、口端から下品な音が鳴る。動きの激しさを、分かりやすく物語っている。
「おおぅッ、おッ、おッ、おおお!」
 まさかこちらからも奉仕してくるとは、想像もしていなかっただろう。想定外の快感に、男は背を反らして感じ入っている。が、まだ終わりではない。喉を開き、男根を全面的に受け入れたかと見せかけて、次の瞬間にキュッと締め付けた。
 いわゆる喉輪締めだ。食道粘膜を利用した、亀頭に絡みつく刺激。もちろん、唇や舌による愛撫は継続しながらだ。まさしく口をペニス用の玩具としていた。
「こッ、この、淫乱女が、このッ、この、ぐッ、うッ、うう、うううッ、ぐぅううう~ッ……!」
 男の声が、必死さを帯び始める。奥歯を噛みしめ、隙間から獣の唸り声を漏らし始める。
 何を示す兆候か、察するのは実に簡単だ。射精が近いのだ。なら、とっても気持ちよく迎えられるよう、促してやる。
「んぢゅるるるるぅッ」
「ぉッ、ぐッ、ぉ、ア、出るッ、おッ、おッ、おおおおおおッ!」
 今までで一番強く吸いつきながら、陰嚢に手を添え、そっと揉みしだく。それが呼び水となり、彼はとうとう限界に至った。
 括約筋が収縮し、輸精管を通じ濁液を送る。尿道に流れ込んだスペルマが勢いよく鈴口より放たれ、口内を汚していく。
 苦みが強く、ぷるぷるとした感触が舌の上で粘つき絡みついてくる。快くはない汚汁を、藍は目を蕩かし受け止める。舌先で受け止めて味わう一方、さらなる放出をねだって陰茎全体を舐め回す。
「おッ、おッ、おッ、うぉおお!」
「ぢゅるッ、ぢゅるッ、ぢゅるるぅう」
 射精中のペニスは極めて敏感だ。刺激されれば、偉丈夫でも許しを請う。まして彼程度ではなおさらだ。
 が、まだ許してはやらない。頬を窄めて、脈打つ肉塊から汚濁を吸い上げていく。尿道に精虫の一匹たりとも残さぬ勢いだ。魂まで吸われる感覚に、男は白痴よろしく口を開け、ただただ腑抜けた声を上げる。
「おッ、はッ、はッ、はぁッ、は、は、はぁ――あああ……」
「んっふぅ、チュルッ、ぢゅるるッ、んふッ、くぷッ、……んぽっ」
 男根の脈動が収まるのに、実に十数秒を要した。その頃には、男は藍の頭を放していた。肩で荒く呼吸を繰り返している。顔は呆けきっており、尻子玉でも抜かれたかのようだ。
 竿全体に舌を這わせて労った後、唇を離す。勃起し天を衝いていた一物は、今や半萎えだ。唾液にまみれてぬらぬらと輝いている。
「あはぁ」
 顔を上向け、大きく口を開く。突き出された躑躅色の舌の上には、ゲル状の濁液が絡みついている。むせ返る精臭を放って、彼女の本能を刺激する。
 男の目が、じっと注がれていた。静かでありながら、緊張を孕んだ目が。目の前の女が次に何をするか、一瞬たりとも見逃すまいとしている。
「んふッ、んくッ、んく、ンッ、ンッ、んふ」
 口を閉じて、飲み下していく。わざわざ嚥下音までたてながら。白い喉が蠢いて、男の欲望を体内へと取り込んでいく。
 糊を思わせる濃厚さで、なかなか降りていかない。いつまでも残るいがらっぽい味は、むしろ魅力的だ。
「んはぁ」
 最後に、もう一度口を開いた。口内粘膜のどこにも、スペルマは残っていない。どこにいったかなど明白だ。吐息から微かに漂う精臭が、口淫が行われたのを確かに示していた。
「へ……へへ、八雲様、そういうおつもりでしたら、ぜひ続きを……」
 当初の気弱さはどこへやら、目に獣の色を携えてにじり寄ってくる。相手してやるのもやぶさかではないが、今はそのときではない。
「おいおい、忘れたのか、皆を待たせているんだぞ?」
「えっ、えぇ?」
 立ち上がると、ひらりとかわす。こちらが乗り気でないことを悟ったのだろう、男の顔は、お預けを食らった犬を連想させた。
「なぁに、心配するな。連中と一緒にお前も相手してやるさ。一晩掛けて、たっぷりな」
 たっぷり、のところを特にゆっくりと発音した。言うだけ言い、目的地へ向かい始める。男は慌ててズボンを履き直し、後ろからついてきた。やけに歩きづらそうなのは、股間が這っているからに違いなかった。

***

 人里は長いスパンで拡縮を繰り返しており、外縁部では使われなくなった建物がまばらに見られる。
 この、雑木林に隠れた廃寺がまさに好例だ。二世代ほど前に寺主が途絶えて以来、継ぐ者がいなくなってしまった。
 すっかり放置されていると見せかけて、実は秘密の集会所として利用されている。ガワこそ朽ちて見えるが、中はしっかりと整備されていた。
 正面の入口は無視する。部外者が入ってこないよう、開かない細工がされている。裏口に回り込み、講堂へと入った。
「おッ、八雲様がいらしたぞ」
「えへへ、お待ちしておりましたよぉ」
 さほど敷地も広くないため、元は講堂といっても二十畳程度だ。そこに、両手で余る数の男が車座になっていた。男性特有の汗臭さが充満しており、鼻孔をくすぐる。
 男達は、下は二十代から上は五十代、痩せ型から肥満体までばらばらだ。共通しているのは、藍に対する視線だった。好奇と好色、下卑た欲望に満ちた目だ。女性に向けるべきではない、獣の目つきだった。
 普通は嫌悪するのだろうが、藍にとってはむしろ好ましい。腹の奥に熱い疼きを感じる。乳房の先端が、ぷっくり膨れてしこりはじめる。
「待たせたか? すまないな、すこしばかり野暮用があったものでな」
「いえいえ、私らなんぞ、八雲様にお相手いただけるだけで幸せってなもんで」
「そのわりに、凶悪なことを考えている顔になっているな? まあ、かまわないさ、全て私で試すがいい」
 じろじろと品定めする連中に向けたのは、男を誘惑し弄ぶ毒婦の笑みだった。唇の隙間からちろりとのぞいた舌は、獲物を見定めている。
「さて。では――やろうか」
 宣言すると、出迎えの男が入口の鍵を閉めた。朝が来るまで誰も入ってこられず、誰も出られない。夜通し続く、肉の宴が始まるのだ。
 生粋の色情魔である藍にとって、肉欲を解放する機会は欠かせない。だから、娯楽の少ない里の連中にサービスする名目で、定期的に猥褻なる集会を開いている。いちおう公共事業枠なので、主の全面バックアップつきだ。
 上弦の月の日は、八雲様の乱交会。里の男達の、公然の秘密であった。
「へへへ、ではまず、私から」
「かまわないとも……んふッ、ンむっ、ちゅぅッ、ぢゅるッ、んふぅう」
 男の一人が近づき、唇を奪ってくる。当たり前に舌を差し込んできた。ネトつく粘膜が、口内を蹂躙しようとしてくる。情緒もへったくれもないが、藍とて愛情を育みにきたわけではない。がっついているくらいがちょうど良かった。
「ぢゅるッ、れろッ、ちゅくッ、れろろッ、んぢゅッ、れろれろッ」
「んふ、ちゅッ、れろぉッ、くぷッ、んぷぅ、むちゅっ、んちゅう」
 こちらからも、舌を絡ませて対応する。口腔粘膜をヌルヌル摩擦しあいながら、唾液をやりとりする。ついでに、下半身を指先で撫で回してやる。すでに硬くなっていた。期待しているのか、緩やかに腰を前後に振っている。
「遅れちゃいられねぇ、俺も俺も」
「では、ワシも相手してくださいますかな」
 赤信号、みんなで渡れば怖くない――ではないが、誰かが動けば皆ついてくるのが世の常だ。今もそうだった。濃厚なキスシーンを皮切りに、男共は藍を貪るべく手を伸ばす。
「おッ、お、おお、柔らけぇ、おぉお……」
「ん、ふぅ、んっ、くぅん、ふぅ」
 ゆったりした道士服の上からでも分かる豊満な乳房を、もっちもっちと思うがままに揉みしだいてくる。快楽を与えるためというより、男の夢のごとき巨乳を楽しむための、女体に飢えた手つきだ。
 これはこれで悪くない。女の象徴たる双山を弄ばれつつ、胸郭ごと突き出してねだる。
「ほら八雲様、股開いてくださいよ、マンコ触ってあげますからぁ」
「おほっ、こりゃええ尻じゃ、ええモモじゃ。女房じゃこうはいかんわい」
「んぅ、くふぅ、ん、ん、んッ」
 両脚の狭間に手がねじ込まれる。布を隔てて、恥丘を撫で回される。欲望のこもった指使いは、藍のもっとも好むところだ。腰を緩くくねらせ、甘い官能をねだる。
 枯れ枝のような指が、臀部を撫で揉みしだいてくる。むちむちとしつつも整った美尻を、我が物顔で楽しんでいる。もっと楽しめばよいと、こちらから押しつけてやった。
「いやあ、いつ見てもエロいよなぁ……我慢できん」
 狐の嗅覚は、室内に籠もる男臭さの変化を嗅ぎ取る。何人かが下服をずり下ろし、露出させたナニを自ら扱いていた。気の早いのに至っては、すでに全裸だ。
「ふふ……」
 気持ちよくしてもらっているのだから、お返ししてやるのが礼儀だ。手近な輩の下半身に手を伸ばす。猛る陰茎を、それぞれ左右の手で包む。
「おッ、おッ、おおお」
 指先で亀頭を擦る。生卵を扱うよりも優しくだ。それでも、敏感な先端には十分すぎたようで、腰を引こうとする。もちろん、逃がしてなどやらない。
「うッ、うぉッ、すげッ、おお、こんなん、二度とせんずりコけなくなっちまうッ」
 右手の内にある竿は右曲がり気味で、バナナを思わせる弧を描いている。手首を効かせ、曲線に沿って扱いていく。
 滑らかな指肌による官能は、他の何にも代えられないものだ。男は低い声で呻きながら、陰茎愛撫の悦楽に酔いしれている。
「ぉあッ、玉ッ、玉は、ぉッ、ひッ、おおッ、これはッ、あッ、あああッ」
 左手で愛しているモノに対しては、根元の玉袋をやわやわとマッサージして刺激する。睾丸の活性化に合わせて、幹全体がビクンッ、ビクンッと跳ねる。見ていて小気味がよい。
「うぉおッ、すげぇ、おい、代われよ、なぁ」
「バカいえ、今は俺が相手してもらってんだから、黙ってろって、ぉお、キくぅうッ」
 里では滅多にお目にかかれない、高嶺の花と呼ぶのも烏滸がましい美女による奉仕だ。受けてみたいと思うのが雄の性だろう。我も我もと藍に群がっては、俺も相手してくれといわんばかりに、体に手を這わせてくる。
「んふッ、ふぅっ、ちゅッ、んくッ、んぅ、んッ、くふぅ――……」
 手つきは乱暴だが、複数人に乱暴されている感覚が良いアクセントとなる。むらむらと湧き上がる官能に、腹の底から潤みが湧きだすのを感じる。
 そんな中で、銀色の煌めきが視界に映った。硬質な、乱交の場には不釣り合いな光が。痩せこけた男が、刃渡り十五センチほどのナイフを手にしている。
「ちょっ、お前、何でそんな物騒なモン持ってやがる!」
 周囲も気づき、ぎょっとした顔を向ける。場に緊張が走るが、当の男はじっとこちらを見つめている。
「ぷは――それで? その玩具をどうするつもりだと?」
 口を離し、問う。余裕の態度だった。実際、なんの脅威でもないからだ。
 精神を拠り所とする妖怪相手に、単なる物理攻撃は分が悪い。まして藍ほどにもなれば、なんの曰くもないナイフなど、そこらへんの枯れ枝と大差ない。仮に自分以外の参加者に向けたとしても、被害者が出る前に制圧するくらいは寝ていたってもできる。
「いえ、ちょっとした余興をと思いまして。こう使うんですよ」
 彼も、害意は見せなかった。意地の悪い笑みを浮かべながら、刃を近づける。刃先が、藍の襟元に突き立てられる。生地が、びぃッと音を立てた。
 本人が傷つくことはないといっても、衣服は別だ。男は実に手際よく、着衣をびりびり引き裂いていく。道士衣装は一分とたたずぼろぼろにされた。
「何をするかと思えば……なかなか面白いことを考えるな?」
 着替えは用意していない。このままでは裸で帰る羽目になる。男の精をたっぷり浴びた肌を晒したまま――なるほど、悪くない趣向に思えた。服の一着くらいくれてやってよいと感じるくらいには。
 身を守る布が喪われ、露わになったのは白く滑らかな肌、そしてオフブラックのシルクレースランジェリーだった。下着に着られてもおかしくない品を、見事に着こなしている。気品溢れる妖艶な女体に、男達から歓声があがった。
「ふむ。どうせなら今、脱いでしまおうか。どのみち誰も彼も、裸になるのだしな」
 ホックを外し、乳房を解放する。パンティに指をかけ、ゆっくりと下ろしていく。露出する秘部を、男達は一切の遠慮なく見つめている。
 八雲藍はずば抜けた美女だ。切れ長の瞳、すらりとした鼻筋、肉感的な頬や唇。だてに傾城傾国と呼ばれていない。
 肉体も、老若男女を問わず視線を惹きつける魔性が秘められていた。性の概念を具体化したかのようだ。
 豊満でありながらもしなやかな肉付きは、齢八十の老人すら勃起させる視覚的な破壊力をもつ。白くきめ細かな肌には、ミクロの傷一つもなく、静脈の青色を透けさせている。
 まさに極上の女体だ。見ただけで射精に導かれてもおかしくなかった。
 細い首は柔らかな肩の稜線につながり、やがて優雅に広がる鎖骨と合流する。
 少し下へ向かえば、溢れんばかりの乳房に行きつく。道士服の上からでも分かるほどの巨乳は、カップでいえばGにもなる。相応の質量があるはずだというのに、驚くほど美麗な曲線を描いていた。乳の理想といってもよい。
 蠱惑的なカーブは見るからに柔らかでありつつ、呼吸のたび小さく震える弾力を備えている。誰であっても手を伸ばし、触れて揉みしだかずにいられない。
 たわわなる山の先端を、珊瑚色の乳輪が象っている。ぷっくり膨れた尖りが、性的興奮を示していた。
 腰回りは女性らしく肉を蓄えつつも、不自然でないギリギリのバランスでくびれている。存在自体が、男性を誘惑していた。縦に走る臍のラインは、世の中の女性すべてが羨み、手に入れたいと望むものだ。
 ゆったり広がる腰骨は、ウェストのくびれと相まって、メリハリのきいたボディラインを形成している。下品な言いかたをするなら、ハメ倒したくなる腰だ。
 妖獣は体毛の濃い種族だ。藍の陰毛も例外ではない。黄金色の草叢は、よく整えられているが、しっかり茂っていた。ふわりと、牝の香りが漂っている。
「おッ、おい、見ろよ、もう濡れてるぜ」
「へへッ、八雲様もヤりたくてしょうがないわけだ」
 草叢に守られる裂け目は、すでにしっとりと潤いを帯びている。そうなっている理由は、考えるまでもない。濡れていると気づいた男達から、歓声があがった。
 後ろに回れば、目を吸い寄せられるうなじ、何も描いていないキャンバスのごとき背中が目に映る。
 何より視線を惹きつけるのは、やはり臀部だろう。むっちりした肉が大臀筋に支えられ、つんと上向いている。満月のごとき形状は垂涎モノだ。艶めく九尾に飾られた様は、芸術的ですらあった。
 魅惑のヒップの土台となるのが、太ももだ。すらりと長くしなやかでありつつ、適度に脂肪を纏っている。むしゃぶりつきたい欲望を見ているだけでかき立てる、凶悪な美脚だ。
「ふふふ、どうだ、私の体は。……聞くまでもないようだな?」
 人里いちばんの高級娼婦でさえ足下にも及ばぬ、絶世のボディだった。そんな馳走が、無数の飢えた男の視線に晒されている。一様に勃起したペニスが答えだった。
「さて。これはもう不要だな」
 指先にかけたパンティを、投げ縄の要領でくるくると回して放る。ブーケトスよろしく飛んだ布きれは、筋肉質な青年のもとに着地した。
「分かるか? 女の、牝の香りがするのが。その下着の、じっとりと湿っているのが」
 先ほどまで藍の秘部を守っていた布を、青年はじっと見る。全体的に透けたアダルティなレースは、たしかにクロッチ部が濡れていた。卑猥な糸を引き、かぐわしい牝の香りを漂わせている。男達からどよめきがあがった。
「どうした? ぼうっとして。夜は長いが有限だ。無駄なく楽しむべきじゃあないか?」
 煽りに煽った結果、男達の目はギラつき、血走り、怒気すら孕みつつあった。次に何が起きるかなど、考えるまでもなく明らかだ。
「おおッ、おひょお! すっげぇ! やわらけえ!」
「うおお、八雲様の生マンコだ、へへッ、もう濡れてらァ」
 媚肉に群がる様は、ごちそうを見つけたアリだった。両手でも数え切れない男達が集り、身体中に手を伸ばす。デリケートな部位に遠慮なく触れて、自らの欲望を満たそうとする。
 硬く熱いモノが何本も押しつけられている。絹のごとき白皙の肌に、汚らしい棒を擦りつけては、自らの陰茎臭を染みつかせようとしているのだ。
 裸を見るまでは存在していた遠慮が、今は失せていた。傾国の美女の裸身の前に、理性など紙切れより軽い。
「ははッ……たまらないな」
 思わず、陶然と呟く。鼻孔を満たすのは、濃い男の香りだ。快くはないが、しかし胸を高鳴らせる。
「おッ、すげッ、指ッ、おおッ、おおッ」
「おほぉ、こりゃたまらん、おっ、おっ」
 疼く心のまま、両手を手近な竿に絡ませる。赤子を宥めあやすように、技術を凝らした手淫を繰り出す。何本も何本も、とっかえひっかえ扱いては、下半身に悦びを与えていく。
 昂ぶらせれば、愛撫として返ってくる。唇、首、肩、腋、乳房、腹、腰、秘裂、太腿。文字通りあらゆるところを触れてくる。まるで蜘蛛の糸を目指す亡者だ。むしろ好ましくすらあるが。
「うひょぉ、あったけえ、柔らけえ!」
「あッ、はッ、あッ、ああ」
 放埒な乳房を鷲づかみにされている。むにゅんむにゅんと、思うままに揉みしだかれている。弾力と柔軟性を兼ね備えた肉鞠は、指の加える圧に応じて自在に形を変える。視覚的・触覚的卑猥さは、男を大いに楽しませていた。
「へへ、脚ぃ開いてくださいよ、ホレッ、ほれほれッ」
「あんッ! はあッ、あはッ、あ、あっ、あん」
 股の狭間に、手が忍び込んでくる。当たり前に、三角地帯へと触れてくる。クリトリスを親指でこねながら、膣口を擦ってくる。甘い性感に、魅惑のキャンディボイスを漏らす。
 十分濡れているのを見てとると、男は指を体内に忍び込ませてきた。肉襞をかき分け、めくり返しながら、神経叢を刺激して快楽を引き出していく。
 雑な手淫だが、悪くはない。たっぷりした腰をくねくねと躍らせ、さらなる行為を誘う。
「うほッ、すげぇスケベな音だ」
 煽ってやるほど、指の動きが激しくなる。くちゅっ、ヌチュッと、泥を弄ぶような音が響く。しとどに濡れそぼったヴァギナのたてる、悦びのノイズだ。
 卑猥音に、男達は目を喜悦に歪めた。おっ勃つ一物が、今にも破裂せんほど膨れている。
「ああもうたまらん、直接味をみてやんねぇと」
 次に股間へと忍び込んだのは、手ではない。頭だ。吐息のかかる距離で、女の象徴たる裂け目を凝視してくる。羞恥とともに襲う快感が、背筋をぶるりと震わせる。
「れろゥ、れろッ、ぢゅるッ、ぢゅる、れろぉお」
 もちろん見つめるだけで満足するはずもない。音を立てて、しゃぶりついてくる。秘貝から滴るはしたない液を、れろりれろりと舐めとってくる。
「あぁッ――!」
 まだ足りぬと、舌を膣内に侵入させる。肉襞の隙間を縫い舐め回してくる。溢れる雌汁を啜り、ぢゅるぢゅると品のない音をたててくる。
 指とはまた異なる、蛞蝓の這われるような感覚。生理的嫌悪と裏返しの性感に、喉から情熱的な嬌声がこぼれる。
「へへッ、八雲様ァ、キスしましょうや、キス」
「ああ、ほら、自由にするといい――んふぅッ、ぢゅるッ、くぷ、んぷぅッ、れろぉ」
 再び、唇が重ねられる。今度は顔全体を舐め回す勢いだ。口端からは唾液が零れ、荒い鼻息がかけられる。貪る舌使いにあわせて愉しませれば、男は行為をエスカレートさせる。
「くふぅんっ、んっ、んぅ、ふぅ」
 喉の奥から、官能の声が漏れている。女の悦びに浸る様を、男達は喜悦の瞳で見つめている。
 そんなふうに気持ちよくされると、こちらとしても頑張らずにはいられない。手の中の一物を、搾り取る手つきで扱き上げていく。
「うぉッ!? おッ、あッ、あッ、あああっ、うぉおおおッ!」
「ひぃッ、あッ、アッ、やべ、ヤバイヤバイ、おぉお……!」
「んふッ……」
 傾城傾国の本気――の、片鱗でしかないが、いずれにせよ男達を絶頂に至らしめるには十分すぎた。
 手の中で、陰茎が脈動する。鈴口から粘っこい汁を吐き出しては、藍の指を、掌を汚す。へばりつく汚濁の感触は、女に対して恍惚を覚えさせる。
「ぅうッ、おおッ、お、ッ、おお……」
 十秒ほどかけ、陰嚢が収縮を終える。指の隙間まで、両手はスペルマにまみれている。
 肉竿に絡めた指を離すと、連中に自らの手を見せつける。欲望でぎとぎとになった手を。
「ふぅ――んぷはっ。れろ――ちゅッ、れる、んちゅ、んぷぅ、れるぅ」
 キスを終えると、右親指から順に舐め回し始める。れろりと蛇のごとく突き出した舌が、爪の隙間にいたるまで丁寧に、精虫一匹すら残さず舐めとっていく。
 こうして舐め比べると、精液にも違いがあると分かる。右手のは苦みが強く粘っこく、反対に左手のはしょっぱく、さらりとしている。決して美味ではない濁液を、じっくりとテイスティングする。
 猿のように騒いでいた連中も、目の前の光景の猥褻っぷりに、さすがに黙り込んでいた。
 とはいえ、意気消沈しているのではない。むしろ逆だ。水面下で、ぐつぐつ欲望を煮えたぎらせている。次の瞬間に破裂して、何かが起きてもおかしくない。
 まさにその"何か"が起きるのを、藍は望んでいた。
「さて……お前達も、触れて触れられてばかりではつまらないだろう? そろそろ、粘膜同士を擦り合わせようじゃないか?」
 もはや、彼女の独壇場だ。男達の輪から抜けると、背を向け、上体を前方に倒す。立ちバックの姿勢だ。豊かな尻が露わになる。じゅわりと濡れた淫らなる二枚貝を、黄金色の九尾が誘うように蠢いて飾る。
「ほぉら、早い者勝ちだぞ?」
 先ほどさんざん陰茎を扱き立てた指が、陰裂にかけられる。秘唇が左右に割り開かれ、ダイヤの形を描く。にちゃぁ……と、小さく粘っこい音が鳴った。
 牝穴はすでに蕩けて、淫蜜の糸が引いていた。ひくっひくっと蠢く肉洞は、食虫植物に似た危険な雰囲気を孕みつつも、男の心を惹きつけてやまない。
 餅より粘っこい何十という目が注がれているのを感じながら、"の"や"8"を描くように尻をくねらせる。くいっ、くいっと双つの満月が躍る様は、雄の本能へ強烈に訴求する。なお勃たぬのなら、医者にかかるべきだ。
 少しの間、誰も動こうとしなかった。誰もが目配せしあっていた。八雲藍という極上の淫婦に真っ向からペニスを突っ込むと考えて、戦慄しているのだ。
 わずかな沈黙の後、一人が前に進み出る。外でたっぷり口淫してやった、案内役の男だ。先ほどお預けを食らったからか、獣じみた息を漏らして、股座のモノを苛立たせている。
「ほう、お前が一番手か。まあ、散々待たせたからな。いいぞ、お相手しよう」
「こ、この、淫乱め。今からたっぷり喘がせてやるからな……」
 譫言を呟き、くびれた女性的な腰をがっしり掴んでくる。泣こうが喚こうが逃がさない、という意思表示だ。好感が持てる。
「あ、はぁ」
 遮るもののない無防備な裂け目に、反り立つ剛直の先端が押し当てられる。二度、三度、擦りつけられる。にちっ、にちっと音が鳴った。
 挿入すると思わせての素股だ。一見すると焦らしているようだが、そうでないのを藍は知っている。彼は狙いを定めているのだ。目の前の肉洞を一発で貫くため、素振りをしているのだ。
「よぉし、よし」
 彼が小さく呟いた。予行演習が終わったのだ。入口に対して垂直に、男根が構えられる。次の瞬間には腰が押し出され、男は藍の中へ深々と侵入を果たした。
「あっはぁああッ――!」
 女の悦びに溢れた嬌声が堂内に木霊する。鼓膜を愛撫するかのごとく甘ったるく、気の弱い者ならそれだけで射精してもおかしくないエロティックボイスだ。
 ずっぽりと嵌まった雄竿は、肉穴を押し広げ、性神経を思い切り刺激する。ヴァギナに入り込む生の、逞しき男根の感覚に、全身を法悦が駆け抜けた。
 口腔で味わったとき、その反り返った形を、女の膣をほじくるのにぴったりだと感じた。見立ては間違っていなかった。ぶぢゅんッ、と音を立てて踏み込んだ男根は、ごりごりと膣襞を拡張していた。体内が押し広げられ、逞しい生の魔羅に犯され、ソリッドな官能が訪れる。
「はぁッ、あはッ、あぁあん」
 ああ、セックスが始まった。
 粘膜と粘膜を擦り合わせ快楽を貪りあう退廃的行為。一ヶ月の間、待ち望んでいた悦びだ。襞はうねり、絡みついて、己をほじくってくれるゲストを歓待する。
 ただの人間にはあり得ない、魔性の蠢きだ。ビクビクと、膣内で肉棒が跳ねているのが分かる。
「おおッ、このッ、この淫乱が! このッ、このッ!」
「あはッ! あッ、はぁ、あんッ、あぁ!」
 間髪を入れず、抽送が開始される。被せ物なしの剛直が、膣口に抜き差しされては、体内を蹂躙してくる。ぢゅぶっ、ぢゅぼっと、淫猥極まる蜜音をあげながら、肉穴をほじり倒してくる。パァン! パァン! と、下腹とヒップがぶつかり、気味の良い音をたてる。
「おおおッ、おおッ、おおッ、おおおお」
 膣襞は雄茎を受け止めるたび収縮し、肉茎にぬるぬると絡みついては愛撫する。まさに極上の名器と呼ぶに相応しい牝穴の生み出す快楽は、男を狂わせるには十分すぎる。聞き苦しい声をあげながら、取り憑かれたように腰を振っている。
 体重の乗ったピストンのたび、豊満なる乳房がふるふる震える。下腹が打ち付けられると、尻肉が波打つ。全身が猥褻物になったかのようだ。体表には汗がしっとりと浮かんで、傾国のボディを宝石のごとく煌めかせている。
「はッ、あッ、あはぁッ! あッ、はぁんッ、んぅ、くはッ、はあ、あぁあ……ッ!」
 お預けされてきた悔しさをぶつける、がっついたセックスだ。技術的には巧みではないが、獣の如き勢いは好みだ。ごりゅッ、ごりゅッと、膣肉のえぐれる音が体内を通し聞こえるたび、彼女のこよなく愛する感覚が脳へと伝わる。
 無論、されてばかりでは済まさない。甘くいやらしくよがり、相手を誘いながら、腰をくねらせていく。豊かな尻が縦横無尽に動き回る、卑猥なる下半身のダンスだ。男の動きにあわせ繰り出され、乱暴なピストンを一段上へと引き上げる。
「うッ!? くッ、おおッ、くぅッうぉおおお!」
 効果は覿面だ。ぬりゅぬりゅと肉穴に弱点を刺激され、男は聞き苦しい声で喚きながら背を反らせる。にもかかわらず、ヘコヘコと腰を動かすのだけは止めなかった。止められないのだ。
「へへ、すっげぇ……!」
 他では決して見られない、淫ら極まるセックスショーだ。たまらないのは、見せつけられている残りの連中だ。陰茎の昂ぶりにまかせて、自ら扱き上げている。
 笑ってしまう。なにもわざわざ、自分で処理する必要などないのに。都合よく使える女が、目の前に居るのだから。
「えぁあ、れろッ、れろれろれろぉ……」
 大きく口を開ける。口端に指をかけ、左右に引っ張った。唾液でネトつく魅惑の口腔を、野卑な視線のもとに晒す。
 舌を突き出す。れろっ、れろっと、舐め回すジェスチャーつきだ。品のない仕草も、藍がすれば最高のセックスアピールになる。
「へへへッ、何ですか八雲様、そんなにしゃぶりたいんなら、俺のをお願いしますよ」
「ふふ、もちろんだとも」
 眼前に、猛々しきモノが突き出される。半ばからグイッと伸びた、女の奥を小突くのに向くフォルムだ。ムワムワと雄の匂いをまき散らしている。これまた、愉しめそうだった。
「あっむぅッ、ぢゅるッ、れろぉッ、ぢゅるるッ、くぷッ、んふぅッ、れろぉお」
「うぉッ、おおッ、おおぉおッ」
 ぱくりと咥え込んで、ねぶり始める。空気の抜ける音と唾液のこねられる音をあげつつ、粘膜全体で雄を愛していく。
「んふぅッ、んんぅ! ぢゅるっ、ぐぽッ、くふぅ、ぅんッ! んっ、く、ふ、んふぅん」
 頬を窄め、唇で扱きたて、舌を蠢かす。外でやったフェラチオと比較すると、後ろから突き上げられている分、動作の精密さにおいて普段に劣る。しかし、性の快楽が、奉仕をより情熱的にしていた。
 本能に突き動かされる口淫は、そこらの娼婦などよりよほど淫らで、奔放だった。
「へへッ、すっげぇな」
「八雲の大妖怪が前から後ろから突かれまくってんだからな、乱交会じゃねぇと見れねぇよ、こんな光景」
 周囲の男達が、目の前の痴態を肴に、己のモノを扱き上げている。男根を擦る腕の動きに合わせ、特有の臭気がまき散らされる。藍の嗅覚ははっきりと捉えていた。
 ふと、見覚えのある布きれが視界に映った。先ほどまで自らが穿いていたパンティだ。筋肉質な青年が、己の魔羅にソレを絡め、扱き立てている。
 こちらが見ていることに気づいたのか、青年はバツの悪そうな表情を浮かべた。笑ってしまう。台無しにされて怒るくらいなら、はなからくれてやってなどいない。
「んふ……そんなモノでよければいくらでも使えばいい。なんなら穿いて帰ってあげよう。お前の精液まみれになったパンティを」
 伝えると、青年は目を見開く。人が変わったように扱き始めた。生地が擦り切れそうな勢いだ。クロッチにカウパーや精臭が染みついていく。帰り道が楽しみだった。
「くぅッ、ああッ、ダメだ、出るッ、うぅッ、うううッ」
 そうやって突かれてはしゃぶり、煽っているうちに、男達は限界に近づく。
 ピストンのペースが上がっていく。結合部から、ぶぢゅッぶぢゅッと女汁をまき散らす。もともとはち切れそうなほどだった肉幹が、いっそう膨れ上がっていく。
「ふふふ……ッ!」
「ぅッ、おッ、おおおおッ!?」
 こういうときに女がすべきことといったら一つだ。より気持ちよく精をぶっ放せるよう促してやるのだ。
 クイッ、クイッと誘い込みつつ、入口から最奥にかけてきゅうと締め付けた。男殺しのトリックに、男はとうとう、限界を迎える。
「あーッ、あッ、出るッ、出るぅッ、ぉおおおおッ!」
 腰ががっしり掴まれる。下腹が打ち付けられ、密着した尻肉がむにぃと形を変える。体重の乗った刺突に、乳房がぷるんッ! と揺れた。
 同時に、体内でペニスが弾けた。ドクッ、ドクッと脈動しながら、溜め込んだ欲望を中に注ぎ込んでいく。
 本日二度のはずだが、力強い射精だった。八雲藍に種をつけられる機会なのだ。全力を注ぐに決まっていた。
「んふぅうう……ッ!」
 男根が脈打ち、汚濁が最奥を埋め尽くしていく。熱いものが注がれるたびに蕩ける官能が押し寄せ、ただ酔いしれる。
 何の合意もなく膣内射精されたわけだが、怒りも悲しみもしていない。大妖が、人間程度の精でそう簡単に孕んだり、病気になるはずがない。リスクがないなら、より気持ちよくなれるほうを取るに決まっていた。
「ぢゅるぅぅッ、れろッ、くぷッ、ぢゅむぅううッ」
「ぉぅ、ぉおおッ!? アッ、アッ、あーッ!?」
 中出しの快感が、口淫を熱烈にする。元々ぎりぎりのところにいた男は、あっという間に頂点に至らされる。
 本日二発目の口内射精を、恍惚の吐息とともに受け止める。食習慣が乱れているのか、生臭く、苦みも強い。逆にいえば、実に精液らしい精液の味をしていた。
「ンふっ、ぢゅるぅう、ッ、ずぞッ、んふぅう……ッ」
 上下から注ぎ込まれる精を、啜りあげる。解放されるころには、男達はすっかり抜け殻のようになっていた。
「ッ、お、ぉ、おお……ぉおお」
 精も根も尽き果てたといわんばかりに、二人の男がふらつきながら腰を引く。前後の穴から、男根が抜かれる。ぬぽッ、と音が鳴ったのは、藍がいまだにペニスを離そうとしていなかったからだ。
「はぁ……ふふ、なかなか、悪くはなかったぞ」
 皆の見ている前で、陰唇を再び割り開く。まさに今まで、被せ物なしの本気のセックスをしていた裂け目を。
 粘膜はヌラヌラと淫蜜にまみれながらヒクついて、まだまだ愉しみたいと主張している。とろぉ……と奥からあふれる白が、彼女が性交を終えたことを物語っている。
「さあ、次は誰が相手してくれるんだ?」
 床に腰を下ろし、問いかける。両膝を曲げ、Mの字を作る。お前達の大好きな穴はここにあるぞ、と伝えている。
「なら、ワシの相手をしてもらおうか」
「ッあ」
 名乗りを上げたのは、四十代ほどの、でっぷりと太った禿頭の男だ。結構な大地主で、里の重要な会議で見たことがある。口調も態度も高圧的で、周囲からは辟易されていた。まあ、このさい素性はどうでもいい。勃って突っ込めるのなら、会に参加する権利がある。
 男は藍を組み敷き、ひっくり返した。腰だけを掲げさせ、両脚を広げさせる。コーラルピンクの粘膜が、開けっぴろげになった。
 いわゆる、まんぐり返しの姿勢だ。白く照り映える太腿からヒップにかけてのラインは、むしゃぶりつかずにいられないものだ。
「ぐふふッ、嬉しげにヒクつかせおって」
「あっ、はッ、あ、あ」
 人差し指の腹で、小陰唇を擦られる。先のセックスの余韻が残り、未だ甘く疼く媚肉は、じんじんと響く官能をもたらす。情熱的な吐息を、男は見下した声色で嘲笑う。
「フン、よほどハメられたいらしいな。だがワシが使うのは、こっちだ」
「ッは」
 見ろとばかりに男が露出させた陰茎は、しゃちほこのごとく反り返っていた。中年男の煮詰まった欲望を具現化した、凶悪でえげつない一物だ。
 亀頭が押し当てられた先は、牝穴への入口ではない。少し後ろ、同じく曝け出されていた退廃の門だ。
 いうまでもなく肛門は排泄器官で、性交に使うべき部位ではない。ただし、藍の場合は例外だった。性の悦びを知り尽くした九尾狐は、アナルセックスの快感も当然、習得済みだった。
 鉄のごとく熱い肉塊を押し当てられ、菊穴は求めるようにヒクつく。思ったとおりだと、男は目を歪ませた。口元が吊り上がり、あまり気味の頬肉が弛む。
「糞穴で感じるとは。下品な女だ。もっとも、射精するのに使えるなら、別に構わんが」
「そっちこそ、尻穴がお気に入りとはな。なら、八雲の肛門をとくと賞味するがいい」
「言ったな? 後悔するな、よッ!」
「ぉッ、あッ、ああああ――ッ!」
 アヌスは固形物を突っ込むための場所ではなく、極めてデリケートだ。アナルセックスとは本来、細心の注意を払って行われるべきなのだ。
 そんなのは知らんと言わんばかりだった。ぐッと、亀頭が半分ほど埋められる。菊座が押し広げられ、原始的な排泄欲に括約筋が収縮する。次の瞬間、地球の重力に沿い、腰が天空から突き落とされた。
 一般人なら、今ので肛門が壊れていてもおかしくない。妖怪の体は堪え、持ち主に快感を叩きつける。焦がれる嬌声が続いた。
「ぉおッ、絡みついてきおるわ。そら、そらッ、尻穴で感じろ、淫乱狐がッ」
「あっは! はぁッ、あぁんっ、あッ、アッ、ああんッ!」
 繰り出されるピストンには容赦がない。中年の肥満体を活かす、重量級のストロークだ。腰が落ちるたび、ぬぼんッと、泥沼に石を投げ入れるような音が響く。
 括約筋が駄目になりそうな勢いだ。脳味噌の後ろ側に甘く菊座の悦びに、酔いしれる。きゅんッ、きゅんッと、肛門は収縮を繰り返す。腸粘膜が絡みつき、ヌルヌルと陰茎を愛撫する。
「ほぉれ、ホレホレッ、奥がいいんだろうが、うん?」
「はあッ、あぉッ、あぁ、はッ、あッ、あぁあッ」
 腰を密着させ、最奥にぐりぐりと亀頭を押し当ててくる。排泄器官が、硬い雄魔羅に悦ばされている。抵抗できぬ姿勢で弄ばれながら、やや太い嬌声をあげる。開いた口から、ピンク色の舌が突き出していた。
 男のセックスは、傲慢な人柄をよく反映していた。独り善がりで、相手を屈服させるのを至上の愉しみとしている。彼のペニスは、まさに目的にぴったりだった。ブーメランを思わせる反り返ったフォルムは、突き出されるたび肛門神経叢を刺激する。毒牙にかけた女を、尻穴狂いの変態に仕立て上げる。
「そぉら、いいところを擦ってやるぞぉ」
「はぁッ、アッ、ぉッ、ぉ、あはぁッ、あああ」
 浅くを刺激され、結合部からぬぽぬぽと腸液の粘つく音が鳴る。自然と腰が踊っていた。
 直腸はすっかり異物の侵入を受け入れ、歓待していた。蠕動し奥へと引き込みながら、うねうねと締め付ける。
「はぁッ、あはぁッ、あッ! あんッ、あぉっ、はぁッ、あぁん!」
 下賎の輩にアナルを躾けられるのは屈辱だが、セックスの間は、官能を高めるスパイスとなってくれる。法悦の声をあげながら、肛門性交に酔いしれる。前穴から滴った蜜が、重力に従い腹側へ流れ、陰毛の茂みを濡らしていく。
「はんッ、恥も外聞もなくよがり狂いおって。こんなケツ穴狐が里で幅をきかせておるとは、どうかしておるわ全くッ」
「あぁッ、あ! はッぉッ、んふぅッ、はああ!」
 ドスンドスンと腰が打ち付けられるたび、むちむちとした尻肉が波打つ。サディスティックなストロークの激しさを、端的に物語っている。
 自分をここまで粗雑に扱う輩も珍しい。普段ならとっくに始末しているが、乱交会の間だけは別だ。日常では味わえない扱いは、実に新鮮だった。だから許す。
「あっはッ、はぁッ、くくッ、そんなことを言いながら、お前も、愉しんでッ、あぉッ! いるんだろうが?」
「むッ、むぅッ!?」
 とはいえ、一方的に弄ばれてばかりというのも、隙間妖怪の式の名折れだ。少しくらいは反撃する。
 男の腰に脚を絡めて、ぐいと引き寄せる。同時に、括約筋を操って、男根を根元から締め付ける。むっちりした感触の腸壁で、亀頭から竿まで愛撫する。
「ふんッ、この狐女が、そんなに糞穴が気に入ったか、このッ、このッ!」
「ぉおッ、はッ、くふぅッ、あぁ! ぉっ、うんッ、はぁッ、あぁあッ!」
 脚を絡められ、暴力的な衝動を覚えたらしい。抽送はいっそう激しくなっていく。菊門が擦り切れてしまいそうだ。ペニスが抜き差しされるたび、ほんのり薫る腸液をまき散らしながら官能によがる
 尻穴からはグポグポと、どうしようもない音が響いている。下品だが、下品なくらいがアナルセックスにおいてはちょうどよい。
 もともと激しかったストロークが、次第に激しさを増していく。肛門が灼けるようだ。原因は摩擦熱だけではない。男根自体が熱を孕みつつあるのだ。何故かなど、考えるまでもない。分からないとしても、あとほんの少しで分かることだった。
「そらッ、出すぞッ、おッ、おッ、おぉおおおぅッ――!」
「アッ、はぁッ、あぁあああ……ッ!」
 でっぷりした腹肉が下腹に打ち付けられる。同時に、男根が限界を迎えた。男の金玉が、ぎゅぅううッ、と収縮していく。
「はぁ、あんっ、あはぁ、出てる、あッ、あぁッ」
 大きく口を広げた背徳の口に、欲望のミルクが給餌される。腸壁の隅々にいたるまで、雄のリキッドで洗われていく。
 菊穴で欲望を受け止めながら、蕩けた声をあげてよがる。排泄器官の中で、無数の精虫がびちびちと泳ぎ回っているのが分かる。直腸が灼けてしまいそうだ。
 括約筋がヒクついて止まらない。どくッ、どくんッと鳴動する陰茎の動きに合わせて、根元から搾り上げていった。
「ぉッ、おお、おお……フン、どれだけ搾り取るつもりだ、この雌狐め」
 聞き苦しい唸り声を漏らしたのち、男はようやく一息ついた。肌は汗に濡れ、肩が上下している。運動不足の中年男には、八雲藍を犯すという経験は強烈だったらしい。
「ンッ、は――っ」
 腰が引かれるのにあわせ、かるくいきむ。直腸がむりむりっ……と肉棒を排出していく。肛門は異物に吸い付いて火山のような形状をとり、亀頭が抜ける瞬間にはぬぽぉんと音をたてた
 露わになった男根は、腸液にまみれてぬらぬらと粘っこい輝きを放っている。
 がっつりと射精したにもかかわらず、未だ萎える様子を見せていない。中年男の性欲を舐めるなといわんばかりだった。
「ふん、お前のケツ汁で汚れたぞ、どうしてくれるんだ、雌狐。ええ?」
「ふむ? さてなぁ……?」
 男の調子にのることときたら、甚だしかった。藍を解放しようともせず、まんぐり返しの姿勢を維持させたまま、顔近くに陰茎を近づけてくる。
 彼が何をする、もといさせるつもりかは、もちろん分かっている。たいていの女は嫌がるのだろうが、拒むつもりはなかった。
「お前は知らないのか? 汚れたものは、自分で綺麗にすればいいだけの話だ。たとえば、私の口なんか使ってなぁ……?」
 ちろちろと、紅梅色の舌を覗かせる。舌先を伸ばし、裏筋あたりにちょんと触れさせる。わかりやすい挑発だった。
「ほぉら、ここだ。ここ」
 駄目押しに、指を左右から口唇に引っかける。引っ張って、"い"の形をつくる。レロッ、レロッと、舐め回すジェスチャーを続けながらだ。
「ああ確かに、ちょうどいい竿拭きがあるようだなァ。はん、気乗りはせんが、せっかくだから使ってやるとするかッ」
「んぐッ、ごぶぅッ!」
 まんぐり返しの姿勢のまま、頭にのしかかる勢いで、開いた口腔に腰を叩きつけてくる。亀頭は一気に喉奥まで侵入する。くぐもった声があがった。
「そら、どうした? 少しは掃除の役に立たんか」
「ぐッ! んぶッ、ぐ、ぅぐッ、ごッ、んぐぅう!」
 すぐさま、ピストンが始まる。口に対して繰り出して良いレベルではない、一切の遠慮なしの強引なイラマチオだ。仰向けで固定された顔面に、ばすんばすんと下腹が打ち付けられる。地面に杭を打ち付けているかのようだ。
 ほとんど顔にのしかかられているも同然であり、後頭部に体重がかかる。硬い床の感触は、自らが今、踏み躙られているのだということを知らせてくれる。
「んくッ、ぐぷッ、ごッ、んぐぅッ、ごッ、ぉごッ」
 抽送には容赦がない。唇が下腹に密着するほど、深々と刺し貫いている。仰向けの白い喉で、シルエットがうごうごと蠢いている。亀頭の形状が外からでも見える。
 拷問じみた扱いに、藍はろくに抵抗していなかった。妖怪にとってこの程度の苦痛は、ちょっと痛気持ちいいぐらいにしかならない。激しく犯されているにもかかわらず、竿にむしゃぶりついている。
「んふぅうッ、ふぅッ、ごブッ、んぅうう、んぅうッ」
 腰が突き出されるたび、玉袋がぺちぺちと顔面を叩く。陰嚢特有の汗の蒸れた匂いが鼻孔を満たしている。なかなか悪くない。
「んぅうッ?」
 不意に、大きく放り出された太腿の裏を、がっしりと掴まれる。万が一にも、股を閉じられないよう。
 地主ではない。腕の肉付きが違う。彼よりずっと引き締まっている。顔を見ようにも、視界に映るのは中年男の金玉袋ばかりだ。
「ン――ッ!」
 誰かも分からぬ男は、合意をとりつけるどころか一声かけすらもせず、剥き出しの秘唇に触れてくる。ごつごつした人差し指と中指を体内に忍び込ませ、膣道半ばの腹側を擦り上げてくる。ソリッドな性感に、腰がぞくんと震える。
「そらッ……!」
「ンッ、ぉぐ、ンッ、んぅううううんッ!」
 次の瞬間、男根をねじ入れてきた。誰かも分からぬ男とのセックスが、あれよあれよという間に始まったのだ。
 たぶん、若い男だろう。突如として侵入した肉塊には、張りがあって熱量も相当だった。性の衝動がそのまま現れている。
「ッ、おッ、すげぇ、締まるッ、うッ、うううッ……!」
 うねり絡みつく藍の膣内は、若々しいペニスにとって極楽にも等しかったろう。もっと味わいたいといわんばかりに、体重の乗ったストロークを繰り出してくる。ぶぢゅッ、どぢゅっと、淫口が卑猥なる音を立てる。
「んふぅッ、ぉぐッ、ぐぶッ、んぅうッ、くぅッ、んッ、ぐッ、くぅううんッ」
 藍も流石に、傾城傾国を名乗っていない。ズボズボと出入りする動きに合わせて、早くも腰をくねらせ始めていた。抵抗もできぬ姿勢で膣穴を捧げながら、なおも貪欲に快楽を求める様は、まさに天性の淫乱だ。
 口も膣も、激しく穿たれている。燃え上がる時間だった。
「フン、とんでもないスケベ女だな全く」
「ぐぶッ、ごッ、ぶはっ、かはッ、はぁッ、あはぁッ」
 顔面めがけピストンを繰り出していた男が、腰を引く。最後まで吸い付いていた唇が、ぶぽんっ、と音を立てる。腸液塗れだった竿部は、汚れを舐めとられすっかり元の姿を取り戻していた。
 艶めくリップの隙間から、唾液が頬に滴っている。喉粘膜の残骸が、唇から亀頭にかけて伝っていた。
「くくくッ、そんなにチンポが好きか? 魔羅舐め狐が。なら、コイツはどうだ」
 男が"コイツ"と称したものの正体が何か、簡単に察せた。目の前にあるのは男の下半身だ。より詳細にいえば、できものがボツボツ浮かぶ尻肉と、その狭間にある焦げ茶色の窄まりだ。次の瞬間に何をされるかなど、考えるまでもなく明らかだった。
「そら、魔羅舐め狐から、ケツ舐め狐に転職させてやる」
「んっぶぅッ――ッ!」
 男がそのまま、腰を落とす。四十過ぎの男の排泄器官が、魅惑のリップに触れた。
「ワハハ、どうだぁ、ええッ?」
「ッぐぅッ、んぶゥううッ」
 しかも、のしかかっただけでは満足しない。ぐりぐりと押しつけてくる。
 妖獣の優れた嗅覚が、饐えたえげつない臭気をリアルに伝えてくる。目に染みてくる。
 とはいえ、怯む藍ではない。アナル舐めも、始めての経験ではなかった。なんなら大陸の皇帝相手に、小一時間尻を舐め回してやったりもしてきた。ひり出すものが同じである以上、相手が誰だろうと変わりはしない。
「ちゅッ、んふぅッ! ちゅゥ、ンッ! むちゅッ、ちゅぅう」
 膣穴性交にうっとりしながら、粘っこいノイズをたて、唇を押しつける。千年来の恋人でもしないほど、熱烈な接吻だった。ワインローズのリップグロスが、唇の痕を残しそうなほどだ。相手が中年の小汚い尻穴だとは、とても信じられないほどだ。
「くッ、ぉッ、なんだこの女、本当にキスするやつがあるか、おッ、ぉお」
 人の尻穴を責めておきながら、自分が責められるのは初めてだったのだろう。男は聞き苦しく喚きながら、腰を震わせている。
「ふふふ……んぅッ! れろッ、れろれろれろ……」
 この程度では終わらなかった。舌を伸ばし、菊門に触れる。ヌルつく粘膜器官で、入口をくすぐってやる。れろっ、れろっと、唾液でべとべとにしてふやかしてやる。皺の隙間を舌先でほじくった。
「ぉッ、うぅうッ!?」
 肛門をうごうごヒクつかせては、おうっおうっとトドのごとき声をあげている。悦んでもらえているならなによりだ。ならば、もっと激しくしてやろう。
「れろぉッ、れろ、んぷッ、ぢゅるッ、れろろろッ」
 腸内に舌を差し入れる。温かな体内を味わいながら、腸壁をヌルヌルと擦り上げ、肛門神経叢や前立腺を内側から刺激してやる。
 狐というのは、嗅覚と同じく味覚も優れている。舌から人間の何倍、何千倍の感覚から伝わってくるのは、中年男の排泄器官の味だ。苦くネバついて、不摂生な臭気がぷんぷん漂っている。美味とは決していえないが、愉悦と興奮をもたらす。
「ッぉ! おッ! おッ! おおぉおッ!」
 アニリングスの快感に、男はすっかりと心を奪われていた。今まで見せていた攻撃性も喪い、ただ喘ぐばかりだ。
 そうして尻ばかり責め立てていると、寂しそうにしている部位が目につく。ペニスだ。先ほどまで藍の喉をほじくりまくっていたため、喉粘膜にまみれている。
 ほとんど自由にならない姿勢の中、唯一自在に動かせる手を、いきり立つ肉竿に絡める。滑らかな十指が、ビキビキと張り詰めた肉魔羅を擦り始める。
 粘膜の残骸がローション代わりになってくれるので、摩擦のもたらす痛みに関して考慮する必要はない。ゆえに、のっけから激しい手淫だった。にちゃッ、にちゃッと、耳裏にへばり付く音が響く。
 ついでに、根元の玉も優しく刺激してやる。八雲藍による玉責めは、枯れきった老人ですら抜かずの三発を可能にする回春マッサージだ。
「ぢゅるッ、んふッ……――! れろぉッ、れろれろッ、れるぅう」
 むろん、尻穴奉仕も継続していた。男の下半身は面白い構造になっており、尻穴の性感とペニスの性感がリンクしている。同時に弄ぶのは、非常に効果的だった。
「くぅッ、締まるッ、締まるぅッ」
 膣を穿つ男が唸る。ピストンのペースが上がっていた。アニリングスで興奮する膣穴は、己を蹂躙する男根に、今まで以上に絡みついていた。
「ぐぅうッ、ぐぅッ、おッ、ぐッ、ぐぅううッ!」
 極上の美女による、ペニスと前立腺への同時責め。中年男はただただ、目を白黒させていた。気持ちいいということ以外、何がなんだか分かっていないだろう。
「ぐッ、ぐッ、ぐぅッ、調子に乗るなよ、雌狐めぇッ」
 とはいえ、彼にもプライドがあるのだろう。地獄の底からひねり出した声色とともに、魅惑の指を男根から引き剥がす。
「このッ、このッ、これでもくらえッ!」
「んぅううッ!?」
 目を付けたのは、牝穴を小突かれるたびに放埒に震える乳房だった。鷲づかみにすると、握りつぶす勢いで思い切り揉みしだく。勃起した先端を、親指と人差し指でぐりぐりぐりと潰していく。
 母たる部位への暴力的性感に、流石の藍も驚きを覚えずにはいられない。反撃の機会に気を良くしたか、男の声が高圧さを取り戻す。
「ははは、こんな扱いでも感じるのか。ならコレはどうだ、ええッ!?」
「ぅんッ、んッ、くゥ、んぅううッ!」
 豊山の狭間、乳肉の深き谷に、熱いモノが挟まれる。考えるまでもなく、ペニスだ。
 次の瞬間には、男は腰を前後に振りたくり始めていた。ぬりゅッぬりゅっと勢いよく、柔肉で魔羅を擦り上げていく。セックスするかのごとき勢いで下腹が打ち付けられるたび、胸全体がぷるんぷるんと揺れる。
「そらッ、そらそら、どうだ、これもいいんだろうが、そらッ」
 ぱんぱんぱんと、腰が突き出される。豊乳が、陰茎の形を覚えさせられていく。
 いうまでもなく、乳房はデリケートな器官だ。なのに行為のハードさときたら、妖怪でなかったらクーパー靱帯が伸びきってしまってもおかしくなかった。
 そうして虐げられるほど、きゅん、きゅんっとヴァギナは締まりをよくしていく。入口から奥にかけて誘い込むように蠕動しつつ、肉竿全体に圧力をかけて悦ばせる。
「ぉおッ、おお、ぉおッ、おおおおッ」
 膣性交を愉しんでいた男は、もはや夢中で腰を振りたくっている。突き込まれるたびにぶぢゅぶぢゅとまき散らされる雌汁は、噴水を連想させた。床のあちこちに淫らな染みができている。
 体内で、ペニスが膨れているのが分かる。限界が近いのだろう。むしろ、ここまでよくもったと褒めてやりたいくらいだ。
 ねぎらいと賞賛の意を込めて、尻尾で包み込んでやる。情愛の行為にも見えるし、蜘蛛が獲物を捕食するようでもあった。
「ぅおッ、おッ、出るッ、出るッ……! おおゥ、おおおおおおッ……!」
「ンッ、んぅうう……!」
 見た目よりもずっと力強い尾に絡め取られて、逃げられもしない。ただの腰振り人形にされた男は、間もなく果てた。
 会陰が収縮し、陰嚢の中身が吐き出される。本日二度目の、膣穴への射精だ。スペルマが胎内で混ざり合い、どろどろした欲望のスープになっていく。複数の男が腹の中で一体となり、蕩ける熱をもたらしてくれる時間を、藍は何より好んでいた。
「くぅッ、この、雌狐が、このッ、くぅううッ」
 魔性の乳肉に雄の象徴を包まれ、地主の中年はまさに夢見心地といった風情だった。彼もやがて限界を迎え、乳房の谷間に精を吐き出していく。
 心臓に近いからこそ、脈打つ男根の力強さと熱をはっきりと感じられる。ドッ、ドッと脈打つたびに、女・母の象徴といえる部位が白濁に汚されていくのがよく分かった。
「んぐぅッ……!」
 腰が抜けたのか、全体重をこちらの顔面にかけてくる。藍は藻掻こうともしない。ただ一滴でも多く搾り取るべく、れろれろと糞穴内部を舐め回している。
「ぉお、おおッ、おお、くぅ……くぅ、滅茶苦茶出た……ッ」
 魂を吐き出すほどの射精を終えて、若い男は余韻に浸る。藍も、九尾の檻から彼を解放してやった。
 ゆっくりと、腰が引かれていく。ヌルッと引き抜かれたペニスは、さすがに疲れ果てたのかずいぶん萎びていた。
 膣口から亀頭にかけ、白い糸が伝っている。八雲藍の子宮が、顔も知らぬ誰かの遺伝子で染められた証だった。
「くぅ……想像以上だな、この淫乱狐めは」
 中年も、谷間から男根を引き抜く。乳房の狭間を、真っ白な泥がでろりとコーティングしている。陰茎が擦りつけていたあたりが、ほんのり赤く残っていた。ほとんど抜けた腰で立ち上がれば、藍の顔が解放される。
「あっはぁッ、あは、はぁ」
 ふらつきながらも起き上がった。姿は、凄絶なまでの艶やかさを振りまいていた。額に滲む汗が、前髪を張り付かせている。頬は紅潮し、唇では若干薄くなった口紅が艶めいている。
 口元に張り付いた陰毛と尻毛、そして滴るスペルマが、妖艶なる様を台無しにしている。いや、台無しというのは間違いだ。むしろ、一段上の美しさに引き上げていた。
 魅惑のボディは汗ばみ、しっとりしている。煌めく様は、男であれば誰もが勃起を逃れられない。下腹周りは淫蜜に濡れて、ぐしょぐしょという表現でも足りない有様だ。陰毛の茂みはてらてらと輝き、子種混じりの愛蜜が秘唇からとろとろ滴っていた。
 色に染まった様は、すっかり満足しきっている風に見える。実のところは、その正反対だった。官能の炎は燃え上がり、まだまだ続きを欲している。
「さぁ……次は、誰が相手をするんだ? どの穴でも、好きに使うがいいさ」
 壁に手をついて、下半身を見せつける。興奮で朱に染まった、肉厚なヒップの満月を。割り開いて、両穴の内部を見せつける。官能をねだってヒクつきながら、収まりきらない子種をとろぉ……とこぼしていた。
 男達からどよめきが上がる。あまりの猥褻さに、感嘆の溜息すら漏らしていた。
「では、私が」
「うん? ああ、お前か……いや、待て、なんだソレは」
 名乗りを上げたのは、刃物で衣装を切り裂いてきた、痩せぎすの男だった。
 気になったのは、男が小脇に抱えている品だ。注射器に見えるが、「小脇に抱えている」ことから明らかなとおり、サイズがおかしい。容積にして軽く一リットルはあった。
「ご覧の通り、浣腸です。腹の中に詰め込んだ液をひり出す様を、愉しませてもらおうかと思いましてね」
 平然と言い放つ。ニタニタと底意地の悪い笑みが、顔に張り付いていた。
「……いいだろう。私が薬液をひり出す、無様な瞬間を見たいんだろう? やってやろうじゃないか」
 そういうプレイがあるのは知っていたが、経験するのは初めてだ。見ているだけで勃起するほどの美女にそんな下品な真似をするなど、誰一人として考えつかなかったのだ。
 一介の里人にしては、ずいぶんと邪悪な発想力だった。頭の柔軟さを讃え、提案を飲む。
「そう言っていただけると思いましたよ。では、早速」
「んっ」
 注入口の先端が、直腸に突き立てられた。解れたアヌスは苦もなく受け入れる。
 シリンジが押し出され、薬液が注ぎ込まれていく。ひんやりした感覚が、腹の中に浸透してくる。
「ッ、あ、はッ、あ、ああ、ああ」
 アナルセックスの経験は相応にあるが、熱く硬い男根をねじ込まれるのとは、まったく違っていた。不慣れな性感に、低く詰まった声を上げる。
「ッ、思っていたより、重たい感じがするな」
「ああ、これは粘度を高くした特別製だそうで。そうそう漏れはしませんよ」
 薬液は液状より、むしろゲルやゼリーに近かった。腸の形に沿って、もったりした存在感が満たしていくのを感じる。
「くッ、ぅ、ぅ、う」
 腹の中が張り詰めている。想像よりもずっと強い圧迫感があった。排泄をぎりぎりまで我慢しているときによく似ている。
 ひり出したいという原始的欲求が高まり、脂汗が浮かんでくる。みっともない姿だが、隠しようもなかった。
「へへ、オイ見ろよ、マン汁が滴ってるぜ……」
「浣腸されて悦んでんだ、いやぁ、流石の淫乱っぷりだな」
 野次馬どもの囁きで、己が悦んでいることに気づく。いや悦んでいるどころか、全身が火照り始めていた。体奥がじんじんと熱を孕んで、快楽を求め始める。
「はぁッ、はッ、あ、あッ、はぁ」
 自覚し始めると、症状はエスカレートする。身体の芯から逃れようもなく熱くなって、開いた汗腺からぶわりと汗が滲む。
 性感帯に触れてほしくてたまらない。乳首が痛いほど勃起している。
「お前、ただの浣腸じゃないな、コレは」
 明らかに、薬が混ぜてある。にしても尋常のことではない。藍ほどの妖怪になると高い薬毒耐性をもつ。ただの里人が、大妖怪の耐性を貫通できるほどの薬品を扱っているとは思えなかった。
 なにか、猛烈に嫌な予感がする。蕩けそうな声をどうにか引き締め、問い掛ける。男は当たり前のように頷き返した。
「確かに、媚薬を配合しているとはおっしゃってましたね」
「おっしゃっていた? ……誰がだ。誰がコレを用意した?」
「八雲紫様ですよ。こいつはかの御方よりご提供いただいたものでして」
「おま――」
 とんでもないジョーカーを引いた。効くに決まっているじゃないか。主であるあの方は、自分がどこから耐えられないか完璧に把握しているのだから。
「ッ、は、待て、ちょっと、待て」
「すみませんが、『一滴残らず注ぎなさい』というのが八雲紫様からのお達しでして」
 シリンジの薬は、まだ半分は残っている。全て注がれたら、一体どうなってしまうのか。ほう、と溜息が漏れた。これから待ち受ける事態に対する戦慄であり、めくるめく官能に対する期待でもあった。
「ッ、く、ふ、あッ、は」
「おいおい、腹が膨らんで来てるぜ」
「即席ボテ腹だ。やべぇな興奮するぜ、俺妊婦って好きなんだよね」
 野次の声の通り、藍の腹は膨れつつあった。腸が張り詰めるにつれて、じわじわと妊婦のごとく内側から押し広げられる。
 ともなって、薬毒の吸収量もあがっていく。強烈な酒で酩酊したように、頬が真っ赤に染まっている。瞳が牝の欲望に蕩け始めた。
「さて、こんなもんですかね」
「ッ、くッ、く、ぅ、う、うぅ」
 やがて、シリンジの中身は全て藍の体内に吐き出された。注入口が抜かれる。
 肉感的な太腿が、情けなく擦り合わされている。キュッキュッキュッと、アヌスが断続的に収縮している。気を抜けば、あっという間にブチまけてしまいそうだった。今すぐ厠に行きたい。もちろん、男達は許さないだろうが。
「くッ、は、も、もういいか? もう」
「いやいや、まさか。しばらくはそのままでいてください。ああご心配なく。栓はきちんとしますから」
「お、おい待て、それは」
 くねくねと身をよじりながら堪えていると、尻肉を割り広げられる。今にも決壊しそうな菊門に、また別の異物が押し当てられた。
 黒光りするプラグだった。真ん中が膨れた蕪のような形状で、長さは十センチ弱、直径は一番太いところで五センチほどだ。
 独特のフォルムは、一度挿入れればなかなか取り出せないと予想させる。普段なら性愛に期待するところだが、今は恐ろしくすら感じた。
「まッ、待て、やめ、挿入れるなッ」
 栓を受け入れなければ、無様にひり出す羽目になる。
 栓を受け入れれば、ひり出すことこそなくなるが、塗炭の苦しみを味わうだろう。
 押し当てられる。抵抗すべきか否か決めかね、菊座は窄まったり緩んだりを繰り返している。結局、決めるより先に押し込まれた。ゲルでヌルついていた恥門は、何の苦もなく、ヌルンッと異物を受け入れた。
「――ぉ、ひいいいいんッ!」
 途端、目の裏がチラつくほどの性感が襲いかかった。背筋を反らし、高い声をあげる。ぷしぃっと、牝穴から淫蜜が噴き出す。傾城傾国の毒婦が、肛門への異物挿入だけで軽く達したのだ。
「くは、あッ、ああ、ッ、ああ」
 腹の中に溜まったゲルが、出口を喪い身体の中で押し合いへし合いしている。体内から弾けてしまいそうだ。
「ひぃ、ひぃいッ……」
 ひしめき合う官能と排泄欲に、脂汗が浮かぶ。眉尻は垂れ下がり、唇は切なげに開いている。汗が浮かび止まらない。白い肌は紅潮しきり、たわわな乳房の先端はぴぃんと尖りまくっていた。
 腹は「溜まっています」といわんばかりにぽっこり張っている。下腹からはとめどなく、汁が滴っている。
 やや腰を落とし、内股になっていた。排便を我慢している者が、無意識にとってしまう姿勢だ。
「っは、た、頼む、お願い、ハメて、セックスして、でないと、もう、もぅ、ああ!」
 恥も余裕もなく、交尾をねだってしまう。今すぐ触れられ、貫かれ、精を注がれなくてはどうにかなってしまいそうだった。
「おいおい、聞いたか今の? ハメて、セックスして、だってよ」
「あの八雲様がだぜ? 信じられねぇ。こりゃ、あの浣腸はマジですっげぇ薬だったってことなんだろうな」
 男達がどよめく。すっかり余裕をなくした藍に、驚愕していた。
「まあまあ、八雲様。もう少々お待ちいただけますかね?」
 ――何がもう少々だ!
 突発的に殴りそうになった。誰しも、余裕のないときは寛容さを喪う。
 苛立たしいほど呑気なことを抜かすのは、藍を今の状況に陥れた張本人、例の痩せぎすの男だった。男達一人ひとりに、書道で使う大筆を配っている。何事かを言い含めながら。
「お前、今度は何をするつもりだ」
「いえね。今の八雲様を、それに相応しい姿にして差し上げるだけですよ。では皆さん、いいですか?」
 筆片手に、男達が近づいてくる。書道をするための紙など、この場にはない。藍が、半紙なのだ。
「お、ま、やめッ、何を、あッ、ああッ!」
「せっかくですので寄せ書きでも作ろうかと思いまして。一人一言、八雲様に書き込むということになりましたので、よろしくお願いします」
「何がよろしくだ、待てッ、あッ、あッ、ひッ、はぁあぁああッ……!」
 男達が群がり、肌という肌に思い思いの言葉を書き込んでいく。すッ、すっと毛先が肌を這うたび、くすぐったさと得体の知れぬ官能が巡る。無数の小さな手で、愛撫されているかのようだ。
「へへ、八雲様、クネクネしてねぇで、じっとしてくださいよ。書きにくくていけねぇ」
「ぅッ、う、あッ、はぁ、ひぃッ、ああ……――ッ!」
 乳首や淫核を筆先で刺激され、ヒリつくエクスタシーがさざ波のごとく身を震わせる。筆責めされた経験はあったが、今までとは比較にもならない。
「ぅうッ、はぁッ、あッ、くッ、ぅううう~ッ……!」
 まったく足りなかった。煽り立てる官能は、確かに前戯にはいいかもしれない。一方、火のついた欲望を鎮めるには全く不足だ。むしろ油を注いですらいる。満たされなければ、自ら慰めるしかない。己の身体に、指を這わせようとする。
 己は大陸でも島国でも随一の美女だ。下は浮浪者から上は当代一の美丈夫まで、男なら誰でもよりどりみどりだ。そんな自分が、オナニーなどという、パートナーが居ない者のための代替行為で我慢しようとしている。
 すでに堪えがたい屈辱だ。けれども、男達はなおも彼女を追い詰める。
「おっと、何しようとしてんですかァ?」
「じっとしててくださいってよぉ、書きにくいじゃないですかぁ」
「アッ、あぁッ」
 乳房や秘裂に伸びようとした腕が、掴まれ止められる。ニタニタと、意地の悪い笑みを浮かべている。
「アッ、あぁあッ」
 彼らはただの人間に過ぎず、容易に振りほどける。だが、己の性がこんな風にままならなかったなど、ほとんどなかった。もっとこの素敵な不自由に酔いしれていたかった。
「ちょっと待て、お前、一人一言というのがルールだろうがっ。おまッ、あッ! お前は二回目だろう、あッ、あぁッ!」
「えぇ? さて、何のことやらですねぇ」
 行為は一巡では終わらなかった。問い詰めると、白々しくも言ってのける。なんてやつだと憤慨するも、身を駆け巡る性感にはあらがえなかった。
「っ、はぁ、あぅ、あぁッ、はぁ……」
 結局、一人一言どころか、二言も三言も書いたあと、ようやく終わった。肩で呼吸し、なにか話す余裕もない。これほど余裕のない様をさらすのは珍しい。
「さあ、お化粧が終わりましたよ。どうぞご覧になってくださいよ」
 痩せぎすの男が、姿見を持ってくる。準備のよい奴だ。
 映し出された自らの姿は、実に酷かった。頬にはハートマークと、内側に「おしゃぶり大好き」と文言が書き込まれている。唇付近を、「口まんこ」の文字と矢印が飾り立てている。
 鎖骨のラインに沿って、「ご自由にお使いください」と歓迎ののぼり旗よろしく掲げられている。たわわな乳房の斜面には、左右にそれぞれ「淫」「乱」と刻まれていた。ぷっくり膨れた乳輪が、いわゆる「おまんこマーク」に装飾されている。
 腹まわりは面積も広く、何でも書き込めるキャンバスとして好き放題された。「淫乱」「チンポ大好き」「変態狐」「マゾ」「痴女」「発情期」「スケベ女」「肉オナホ」「レイプ大歓迎」。ペニスと精子を模したイラスト、ハートマーク。
 しとどに濡れる淫唇へ矢印が伸ばされ、「無料」「ご自由にお使いください」と案内されている。「中出し専用」「種付歓迎」「セックス依存症」と補足されていた。
 右の肩甲骨に、「おさわり自由」と書かれている。脊椎のくぼみに沿って、でかでかと「性処理便女」と刻まれている。尻には「痴漢してください」「ケツマンコ」「尻穴狂い」。腕や太腿にも、見るに堪えない下品な落書きが書き込まれまくっていた。
「あ、はっ、あはぁ、あぁ……」
 どの角度から見ても、どうしようもなく無様で惨めだった。妖怪としてのプライドが、無残に踏みにじられている。
 ここ数十年で一番の屈辱だった。媚薬の回った脳味噌は、怒りを感じなかった。代わりに、強烈な被虐性感を見いだした。
「あはっ、あっ、あぁあああ――っ!」
 内腿を擦り合わせながら、がくがくと全身を震わせる。みっともない自らの姿で、絶頂したのだ。
「へ、へへ、もう我慢できねぇ!」
 男達の目は亡者のごとくぎらついていた。誰からともなく飛びかかれば、地獄の宴が幕を開ける。
「やめ、おまえら、待っ、あっ、あっ、あぁああんっ!」
「ヒヒヒ! あの八雲藍様が、ずいぶんとまぁ余裕のないことですねぇ!」
「本当はこういうことをされたがってたんじゃねぇか、えぇ!?」
 無数の手がありとあらゆるところに触れてくる。愛撫とは到底呼べない、乱暴かつ乱雑な手つき。その全てに、蕩けるエクスタシーを見いだしてしまう。直腸から吸収された媚毒は、今や藍をすっかり支配していた。
「あふぅっ、んぷぅゥ、んちゅぅ、んぉっ、んくぅッ、ふぅッ、んぅううッ」
 口内に指が突っ込まれる。舌や口壁を擦りあげてくる。どんなに巧みなキスよりもすばらしい口腔性感に、腰が前後にカクついた。
 手垢がつくほどの勢いで、乳肉を揉みしだかれる。圧力に応じてむっちむっちと形を変える柔肉が、男達の興奮をいっそう煽る。
 乳首をつねられ、きゅうきゅうと引っ張られる。痛みしか感じないはずの行為に、覚えるのはソリッドな性感だ。背筋が反り、嬌声を上げる唇から舌が突き出される。
「へひッ、待っ、待てっ、はひぃッ、あぉおッ! んぃいッ、あっ、あぁあああ!」
 ぐちゅぐちゅぐちゅと、絶え間なく淫音が鳴り続ける。性の快感を求めてヒクつく淫裂にねじ込まれた指が、踊り狂っては襞をめくり返している。目の裏がチラつき、もはや何もわからなくなる。
 尻肉を割り広げられ、菊座に埋められたプラグをぐりぐりと刺激される。暴力的なまでの排泄欲の高まりに、声は九尾とも思えぬみっともなさを帯びていく。
 技巧もへったくれもないのに、ここ十年に受けた愛撫で一番強烈だった。腰がへこへこと前後動を繰り返している。膝はカクつき、雌汁がぷしぷしと断続的に噴いていた。
「ほれほれ、サボってないで、シコってくださいよ、さっきみたいにねぇ」
 奉仕するのが当然だといわんばかりに股間を近づけてくる。陰茎の香りが鼻孔を満たす。今の藍には、どんなドラッグよりもキいた。
「ッ、あ、ぁあ、くぅう……」
 とうとう、膝に力が入らなくなる。へなへなと、その場に崩れ落ちた。
「あーあー、八雲の大妖怪様が根性のないこって」
「まあちょうどいいや、そろそろチンポも限界だったことだしなぁ」
 何本もの男根が、四方八方取り囲んでくる。えげつない絵面だった。
「あッ、は、あぁあ……」
 頬に、まぶたに、鼻筋に、亀頭が擦りつけられる。舌が疼き唇がときめく。生唾を飲み込んだ。
「あっは、あむぅう、ぢゅるッ! ぐぷ、ぢゅるぅ、れろッ、ぢゅるぅッ、ずぞぞッ!」
 最初のうちにみせていた余裕など、もはや欠片も残っていない。根元までぱくりと咥え込むと、頬をすぼめた無様顔でフェラチオを始める。
「うぉッ! なんちゅう吸い付きだ、うぉッ、やべぇ、おッ、おッ、おおお~……ッ!」
 ぢゅるぢゅるッと、唾液の音が響き渡る。腹ぺこの子供のごとく、差し出された魔羅にしゃぶりつく。
 陰茎の風味が口内に満ちる。女の本能をどうしようもなく刺激する。口端からよだれがあふれるが、気にもとめていなかった。
「んむぅッ、ぢゅぽッ、ぢゅるるッ、くぷッ、んっふぅッ、ぷはぁ、あむぅッ、んぐッ、ぐぶッ、ぢゅるぅう」
 ぐぽぐぽと音を立てては、肉魔羅を刺激し、己の官能を高めていく。ときおり口を離し、相手する竿を変える。形や味の違いに本能を燃え上がらせながら、何本ものペニスに尽くしていく。その姿は、落書きが示すとおりのおしゃぶり好きで、肉便器だった。
「あーやべぇ、マジですげぇ、こりゃッ、おッ、おおぅ」
「うぉお、腰っ、腰抜けるわこんなもん、おぁあああっ」
「んぅう、んグプッ、ぐぢゅッ、ぢゅるぅう、んっ、がぽッ、ぐぷ、んぅ、んふぅうんッ」
 むぢゅむぢゅと男達に尽くしながら、藍は夢見心地だった。ハンバーグとエビフライとカレーが同時に出てきた小学生のようだ。目の前のご馳走に、すっかり夢中になっている。
「へへへ、そんなにチンポが好きかよ、なら、ッ、ぉおッ、ぶちまけてやる……!」
 どこかから、あざ笑う言葉が投げかけられる。途端、胸は少女の初恋のごとく高鳴った。
 雄が快楽の絶頂にいたり、白濁をぶちまける現象、射精。あの蕩けるほどに素敵な味わいを楽しめるのならば、どんな下品なことでもできる気がした。
「んぢゅるるッ、んぽぉッ……あはぁッ、えぁあッ、はぁっ、はぁッ」
 ぶぢゅぶぢゅとしゃぶりついていたモノから、口を離す。上向き、口を広げ、舌を突き出す。肩で呼吸をし、陰茎くさい吐息をまき散らしながら。
「おーおー、ちょうどいい的があるじゃねぇか。そんなにほしいんならくれてやるよ、ありがたく受け取れや、ッ、お、お、おぉおおッ!」
 鈴口が、広げられた口腔へ向けられる。次の瞬間には、濃厚極まるスペルマが勢いよく解き放たれていった。
「あはッ、あッ、あおぁあああ」
 びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅると、何人分だかもわからぬ子種が、口へ溜まっていく。濃いもの、薄いもの、多いものから少ないものまで。舌で攪拌してやれば、渾然一体となって、えげつない欲望のスープになっていく。
 むせ返る精臭が意識を混濁させる。気の遠くなる幸福感にうち震える。
「へへ、俺はこっちだぁ」
 ときおり、狙いを外すやつもいる。理知的な、しかし今は恍惚に蕩けた美貌へ、べちゃべちゃとスペルマをまき散らす。額・眉・まぶた・こめかみ・鼻筋・頬骨・頬・人中・唇におとがい。全て真っ白に染まる。もはや、目を開けていることもままならなかった。
 汚されるのは顔だけではない。身体もだ。鎖骨に乳房、腹に背中、尻に尻尾にと、べとべとにされていく。墨で書かれた卑猥な落書きとあわさり、肉体をさらにいやらしく飾り立てる。
「あっはぁあ……」
 結局、男達がひとしきり射精し終えるころには、普段の姿からは想像もつかないほど惨めな有様にされていた。
 全身ザーメンにまみれた姿からは、とても大妖怪としての威厳は見受けられない。が、もうどうだってよかった。今はただ、このおぞましくも素敵な暖かさを感じていたかった。
「あはッ、んくッ、んぐッ、ぐぷッ、んぐッ、んぅう」
 口を閉じる。頬をリスよろしく膨らませながら、何十人分だかもわからないスペルマを飲み干していく。
 味覚も嗅覚もとっくにバカになっており、味も匂いも分かりはしない。喉に詰まらせぬよう注意するだけだ。そんな状態でも、たまらなく心地よいとだけは感じられた。
 何十億、下手をすれば百億に達する精虫が、藍の喉をでろでろと流れ落ちていく。食道を孕ませながら、胃袋で胃酸に焼かれていく。
「んッ、はぁ、……ぐえぇえっぷ」
 ようやく、出されたものを嚥下し終える。腹がずっしり重たかった。上腹がぽっこりと膨れている。ビール腹ならぬ精子腹だ。
 急に大量の異物を飲み干したため、横隔膜が振動する。強烈な精臭をまとった、下品極まるげっぷが飛び出した。
「イヒヒッ、どうしようもねぇ女だな」
「ちょっと浣腸されただけでこんなになるんだ。元から下品な奴だったんじゃねぇのか」
「そんな奴には……とっておきのプレゼントをくれてやるよ!」
 蔑む視線が投げられる。被虐性感に酔いしれていると、不意に顔に何かが被せられた。ネトネトの粘液で汚れた、布製の仮面じみたもの。目のところが大きく切り取られていて、反対に額・鼻・口あたりはすっぽりと隠れるつくりになっている。
 なんだか雌くさい香りがして、やっと正体に気づく。先ほどまで穿いていた、パンティだった。何人のオカズに使われたのか、自分と同じくらい白濁にまみれている。
 呼吸をすれば、自らの女臭さがクロッチから漂ってくる。要は己の恥部の臭いであるにもかかわらず、興奮を煽った。
「ぉッ、おっ、おッお、んふぅッ、んふぅッ、ふぅううッ」
「あ? なんだこいつ、チンポ汁まみれのパンツ被せられて、マン臭嗅いで興奮してんのか? どうしようもねぇな」
「正直引くよなぁ。まッ、体はいいし、穴さえ使えりゃなんだっていいけどなぁ!」
 連中の調子に乗るさまときたら甚だしい。八雲様などと呼んで畏まっていたことなど、すっかり忘れていた。目の前の変態の、浅ましくどうしようもない様に、げたげたと下卑た笑いをこぼしている。
 馬鹿にされ、誇りを踏みにじられている。彼らを褒め称えてやりたかった。これほどの暴挙に出る愚か者は、今まで一人もいなかった。とても新鮮で、心の底から楽しめている。
「さて、もうそろそろいいでしょう。よろしいですか八雲様? その尻からクソをひり出させてあげるので、とっととデカケツをこっちに向けていただけますかね」
 例の痩せぎすの男が告げる。敬語の体をギリギリ保ってこそいるが、声色に敬意は欠片もなかった。
 もちろん、今さら拒みなどしない。立つのもままならないため、四つん這いで、尻だけ高く掲げる。土下座しているふうにも見えた。
 むっちりとした尻肉の谷間には、黒光りするプラグが埋められている。男はおもむろに摘まんだ。
「一二の三で引っこ抜くので、よろしくお願いしますね。では……一ッ!」
「あっ、ひッ、ぉッ、おおおおおおおッ!?」
 ぬぽぉんっ! と音がした。自らの宣言を三秒と経たぬうちに破り、男はプラグを引き抜いた。
 出口を失い散々押し込められてきた浣腸液が、堰を切って流れ出る。括約筋を締めるのも間に合わず、腹の中のものが勢いよく解き放たれた。
「んぅおおッ! おぉんっ、くふぅぅ、おぉッ、おッ、ぉおッ、ひッ、んぅううう!」
 ひとたび堰が決壊すれば、もはや本人にすら止められない。ぶりゅぶりゅと品のない音を立てて、ゲルが肛門から流れ出ていく。ときおり茶色いものが混ざっている。
 普通は一瞬で終わる排泄の性感が、何秒も連続している。頭がおかしくなりそうだった。太い声を上げながら、よがり狂う。官能に腰をくねらせるせいで、薄茶色に染まったゲルが左右にまき散らされる。
「ぎゃはは、見ろよ、終わってやがるぜ!」
「なにが八雲の式だよ! スカトロ趣味の淫乱変態狐がよぉ!」
「にしてもくっせぇなぁ! キツネのウンコってのは!」
「んぅうッ、んぅうう! くぅうぅ、んぅッ、んぅううう!」
 排便する様を見られている。誇りもなにもかもひり出しているかのようだった。自分が罵倒の通りの存在に堕ちていくのを感じながら、肛門を流れる半固形の感触で絶頂する。淫膣から、濃厚な雌汁が噴きだしていた。
「ひっ、あッ、ぉおッ、ひぃッ、ぉ、ぅううッ……」
 すっかり腹の中身も出し終え、床に突っ伏す。尻だけは掲げたまま、ぽっかりと開いた糞穴をヒクつかせている。漏れる呻き声と肩の上下する様だけが、かろうじて生きていることを伝えてくる。
 ずいぶん消耗しているが、男達に容赦はない。むしろ、今からが本番だった。
「へへッ! なぁにへばってやがんだよ、これからだろうが、ええっ!?」
「あぁッ……!」
 腕をつかまれ、無理やり起き上がらされる。寝転んだ男の股間に跨がらされた。騎乗位の姿勢だ。
「こんだけ待たせやがったんだ、へばりましたじゃ済まさねぇぞおい!」
「んッ、んぅ、んふぅうっ」
 秘裂に亀頭が押し当てられる。つい先ほど射精したはずなのに、まったく萎える様子をみせていない。誰もが畏れる大妖怪に好き放題できるとあっては、萎えている暇などないのだろう。
 性豪たる藍が、恐怖すら覚えた。あんな雑な愛撫ですら、立っていられないほどよがらされた。今、貫かれたら、一体どうなってしまうのか。答えは、すぐに分かった。
「そぉらッ!」
「んくぅうううううううううんッ!」
 くびれた腰を掴まれ、引き下ろされる。物理法則に従って、男根は膣穴を割り開き侵入した。散々嬲り続けられた肉穴を、雄杭がごりごりと拡張する。
 今日味わったどのセックスより強烈だった。とても受け止めきれる衝撃ではない。視界が白熱し、思考が一瞬、フリーズする。あがった声は、半ば悲鳴のようですらあった。
「おぉッ、締まる締まるッ、こうじゃないとなぁッ!」
「くふぅうッ、んぉッ! ふぅッ、んぅうッ、んんんッ、くぅッ、んぅうう!」
 気もやらんばかりだったが、男からすれば、セックスは今まさに始まったばかりなのだ。攻撃性を露わにしながら、下から腰を突き上げてくる。ぱんッ、ぱんッと、肉と肉の打ち付けられあう音が響く。狂った艶声が続いた。
 実のところペニスは凡庸で、ストロークにも特に変わったところはない。しかし、快楽のほどは凄まじかった。今までとはレベルが違うといっていい。圧倒的な官能の前には、涙すら滲んでくる。
 肉棒が体内に入り込むたび、こつんッ、こつんッと音が聞こえてくる。女の器官の最奥、子宮口を小突き上げられている。ポルチオ性感は、女の悦びの中で最上だ。逆らえるはずもなく、気絶しそうなエクスタシーにただただ溺れる。
「くぅうッ、んふッ、ふぅううッ、ふぅッ、んぅうううッ!」
 脳機能のほとんどは、脊椎を通って叩きつけられる快楽信号の処理に向けられている。なにかを考えたり判断する余裕などまったくない。
 だというのに、細い腰はくねり始めていた。ピストンに合わせ、くいッくいッと躍っている。肉壺で、ぢゅぷぢゅぷと肉竿をしゃぶりたてる。己を蹂躙するモノを悦ばせ、自らも悦ぶために。濁液まみれの乳房がゆっさゆっさと揺れ、周囲の目を楽しませている。
 今の藍は快楽に翻弄されきっており、肉人形も同然だ。にもかかわらず性技を繰り出せるのは、何百回・何千回と男を味わってきたからだ。技術を極めた職人は、目を閉じていても普段と同じ仕事ができる。まさに無意識の腰使いだった。
「楽しそうじゃねぇか、へへッ、俺も混ぜてくれよなぁ?」
「んぅうッ」
 後ろから背中を押され、組み伏せられる。ずっしりした体重がのしかかってくる。ムチムチとした尻肉の谷間に、熱い棒が挟み込まれた。
 身体はやはり、無意識のうちに動いた。男を迎え入れるように、わずかに腰を浮かせる。同時に、満月のごときヒップを左右に割り開いた。
 露わになるのは、先ほど大量のゲルをひり出したばかりの菊穴だ。くぽっくぽっと際限なく拡縮しては、ローズレッドの内部構造を視線の下にさらしている。
「よぉし、チンポの形のクソが出るまで、たっぷりほじってやるぞぉ、そらッ!」
「んぉおおおおおんッ!」
 ぬぼんと、泥地に杭を打ち立てる音が響いた。牛のいななきのごとき嬌声が続く。硬く逞しく雄々しい肉棒が、アヌスを思い切り拡張したのだ。
 ゲルとは違う圧倒的な存在感で、腸内を堕としにかかる。媚毒が全身に回りきった状態で抗えるわけもなかった。括約筋で肉魔羅をきゅんきゅんと締め付け、アナルセックスの快感に震えるしかない。
「おっほ、熱くて最高だぁ、そらッ、どうだぁ、これが俺のチンポだ! ケツ穴で覚えろ変態狐!」
「んぐぅうぅ! くぅッ、おッ、んぉおおッ!」
 ぬぼぐぽぬぶと粘っこい音をたて、ピストンが繰り出される。ほじくられ引き抜かれるたびに、腸液と浣腸液の混じった粘液がまき散らされる。酷い絵面だった。
 ストロークには遠慮も容赦もなかった。宣言の通り、目の前の女の肛門を、ペニスの形をした変態器官に仕立て上げるつもりなのだ。どすんどすんと腰が打ち付けられるたびに、たっぷり肉を載せた臀部がふるんふるんと波打っていた。
「ケツほじくられて嬉しいのは分かるけどよぉ、マンコにも集中しろっつうの!」
「んぅうッ、くぅうッ、ぉッ、んムゥウウウッ!」
 アナルセックスの暴力的性感に狂っていると、己の存在を思い出させるように、前穴がほじくられる。肉襞が勢いよくめくられ、快楽神経を刺激してくる。どちゅどちゅどちゅと、最奥のもっとも大切な部位を、駄目になる勢いで突いてくる。
 かと思えば、アヌスが穿たれ、排泄と密接に関連した原始的快感を与えてくる。腸の奥のほうまで、陰茎を悦ばせるための道具として造り替えられていく。
 双つのピストンはときに同調し、特に反目し合って、藍を責め立てていく。できることといったら、聞き苦しく喚くくらいだった。
「ぉッ、おッ、おおッ、そろそろ出るッ、う、出る出る出るッ……!」
「おゥ、ぉうッ、おッ、上ってきた、ザーメン上ってきたぞォ……!」
「んぅうッ! くぅゥ! ンッ、ふッ、ぅうゥ、んぅうううう!」
 男二人が低い声で唸り、抽送のペースをいっそう速めていく。射精に導いてやる余裕など、あるはずもなかった。ただし、無意識のうちに穴をきゅうきゅうと締め付けていた。奥へ誘うかのごとく、粘膜を蠕動させる。男達の絶頂への呼び水となった。
「ぉッ、おッお、ッ、へへッ、中出しでイけ変態狐、おおおおおッ!」
「そぉら、クソ穴で妊娠しろッ、ぉあッ、あ、ッ、あああああああ!」
 どぢゅんッ! と、ほとんど同時に、二穴へ肉棒が突き込まれた。二本のペニスが炸裂し、濃厚極まる濁液を注ぎ込んでいく。
 混濁した意識のなかでは、もはやどっちに出されているかも判然としなかった。無数の精虫が解き放たれ、体内を汚していく。媚毒の回った身体は、おぞましいほどの精虫が一匹一匹動き回るのを感じ取れるほど敏感になっていた。
「ッ、ぉッ、んぅうッ、んッぉおおおおおおおおおおおんッ!」
 圧倒的な性感が襲いかかる。視界も思考も真っ白に染まり、脳味噌がフリーズする。大妖怪をもってしても意識を保てないほどのアクメを、延々と味わわされ続ける。
 全身に落書きされ、自らの下着を被らされ、誇りも尊厳もひり出した。あげくのはてに、強烈極まる二穴射精によって、思考能力すらも持っていかれた。何もかもを取っ払って、露わになるのは雌の本能だ。
 二穴射精の快感は、もっとも原始的でデリケートな部分に、深々と証を刻み込んでいく。男共の性玩具に成り果てる、被虐の快楽を、二度と消えないほどに。
 脳髄の奥深くに眠る刻印を、彼女が意識する機会は滅多にないだろう。だが痕跡は確実に、あらゆる行動へ影響する。策士の九尾にして隙間妖怪の式は今、無意識レベルで雄へ媚びる、淫乱便女に造り替えられたのだ。
「ッ、ンふぅ、ぉお、くふぅッ……んぅうう……」
「ぉお、出した、出したァ」
 どれほど絶頂していたのか。アクメの波が、ようやく引いていく。気づけば、床に転がっていた。
 男達はとっくに藍からペニスを抜き、肉感的な身体から離れている。粘膜汁のたっぷり付着したペニスを、黄金の毛並みが美しい尻尾で拭いていた。
「くッ、ふ、ぉッ、ふは、ふぅうう……」
 もはや完全に、散り紙かなにか同然の扱いだ。抗議はしなかった。する元気など残っていない。主に仕事で無茶振りをされても、これほど疲弊するのは珍しかった。
「おう、やっと穴が開いたかァ」
「ンッ、んぅうう……ッ!?」
 が、だからといって男達が許してくれるわけもない。くぱッくぱっと開閉を繰り返しては内部の粘膜を晒す穴を、心ゆくまで使わんとしている。
「全員でブン輪姦して、穴が使いもんにならなくなるまで使い潰してやる。嬉しいだろうが? 淫乱狐が」
 耳元で囁かれ、膣口に男根を突き立てられる。夜はまだまだ、長くなりそうだった。
昔書いたやつのリメイクでした
喚く狂人
http://twitter.com/wamekukyouzin
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
浣腸はあれだけど体のスケベ描写がとてもよかった
藍は手玉に取るくらい攻めに終始してほしかったです