真・東方夜伽話

亡き王女のためのケツメド

2020/03/23 00:45:13
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亡き王女のためのケツメド

喚く狂人

出入りの業者にケツ穴調教を施され何もかもを投げ出して奴隷堕ちするレミリアさんのスケベです。
2017年紅楼夢にて頒布した短編集「ひとり勃起の夜」に収録してたやつです。全文公開します。

 紅魔館には十数名ほど、付き合いのある業者がいる。多岐多量の消耗品をいちいち買いだすのは面倒だからと、定期的に届けさせているのだ。
 業者にも格があり、妖精メイド用の雑貨なら門番が運搬するし、値の張る食器や調度品ならばメイド長が対応する。普通は、館の主であるレミリアが出てくることはない。
 逆にいえば、レミリア自らが出てくる場合、それは紅魔館にとって賓客といっていい、特別な相手だということだ。しかも、何十と存在する応接間の中で最も上等な一室で会うとなれば、もはや並大抵の相手ではない。
 彼がまさに、その並大抵でない相手だった。レミリアが部屋に入ったとき、男は恵比須顔を浮かべながら、出された紅茶を楽しんでいた。
 彼の視線に応えるように、にっこりと微笑んだ。彼女からすれば大抵の人間はそこらの虫のようなものだが、一週間に一度訪れる彼は、数少ない例外だ。
 紅魔館の贅をつくした一室だけあり、内装は実に煌びやかだ。一寸の瑕疵もないように思えたが、焚かれたインセンスの香りに混ざって、海産物にも似た生臭い匂いがわずかに漂っている。さらに、蠅が飛び回るのに似た雑音が響いている。館の威信をかけた部屋で起きてはならないことだったが、レミリアにも男にも気にした様子は一切なかった。
「待たせたわね。退屈したかしら?」
「いえいえ、紅魔館は大変素晴らしいお屋敷ですから、調度を眺めるだけでも一日楽しく過ごせるでしょうね」
 男の向かいに座ると、彼はにこやかにそう述べた。
 館の絢爛さについては、皆似たような言葉で誉めそやす。彼も例外ではなかった。欠伸が出るようなつまらない台詞だったが、構わない。この男に上手い文句は求めていない。彼がここにいる理由は話術ではなく、提供する商品にあるのだから。
「その椅子の座り心地はどう? うちが誇る逸品よ」
「素晴らしいですよ。時折揺れるのはいただけませんが、それもまぁ愛嬌でしょう」
「ンぅッ!」
 正直、彼がそれに座っているのは驚きだった――が、まあいい。そういうサプライズを受け入れるくらいの度量はあるし、彼にはそういうことをする権利がある。
 にこやかに感想を述べながら、彼は豚足じみた足を組み替える。そのついでに、椅子の腹を踵で軽く蹴る。甘くくぐもった声が上がった。
「我慢をもう少し、教えてやらねばなりませんな。徹底的にチンポ漬けにしてへし折って、自分の本性に気づかせてやりましたが、甘えれば気持ちよくしてもらえると思っている節がある。自分の立場を、言葉でなく本能でキッチリ認識させる必要がありそうです」
「く、ふぅッ、ンッ……ぐ、ふぅ、ンッ」
 ティーカップをマドラーでかき回すような気軽さで、男は椅子の二穴に突き立つ凶悪なバイブを弄りまわす。ぬぶ、ぐぷ、と音がする。彼は表情こそにこやかであったが、口調は淡々としていた。椅子を見る目は、蛇のそれのようだ。
 背中をぞくぞくとしたものが駆けるのを感じ、レミリアは自身の椅子に座りなおした。自分もきっと、あのように見られているのだろう。
「それと少し話がしたいわ。口枷を外してもらえる?」
 男は椅子の首元に手をやる。ぱちんという音と共に、口に噛まされていたギャグボールが外れる。鼻息荒く呼吸をしていた椅子は、解放されるなり、ぶはぁと大きな音を立て、新鮮な空気を肺に取り込んだ。
「さあ、咲夜。この一週間でどんなことをしてもらったのか、説明してみなさい」
「はい、お嬢様」
 一週間ぶりに会う従者は、裸身で、目隠しをつけ、二穴に玩具をねじ込まれ、挙句には嬉々として男の椅子となっていた。やや荒い呼吸のまま、どこか陶酔した声で語り始める。
「此度の調教は、この方が用意された男性数十名ほどに、徹底的に辱めていただくというものでした。たとえば、雌犬のように四つん這いで歩き、皆さまの前で公開放尿をさせていただくですとか。たとえば、娼婦が着るような淫らな衣装を纏ってのストリップダンス、さらに両穴バイブオナニーショーですとかで、己の分際を思い知らせていただきました」
 事情を知らないものが聞けばぎょっとするようなことを述べながら、従者は恍惚とした表情を浮かべている。語っている間にも、両穴のバイブは凶悪なモーター音をたてながらうねり、咲夜を容赦なく苛んでいる。蜜がとめどなく溢れ、絨毯へぽたぽたと滴って汚す。それが、部屋に漂うわずかな生臭さの、半分だった。
 対するレミリアは、従者が説明する情景を脳内に浮かべて、わずかな嫉妬を覚えていた。本来尽くすべき主人の下を一週間も離れ、ずいぶん楽しんでいたようではないか。そんな奴には、罰をくれてやらなくては。
 片方の靴を脱ぎ、素足になる。向こうが透けそうなほど白い足を、従者へ差し出した。咲夜は上に乗った男を落とさないように首を伸ばし、足趾を丁寧にしゃぶり始める。
「んふぅッ……もちろん、くぷ、このように、足を、というよりも全身、アナルの皺まで舐めさせていただいたり、れる、後は、目隠しをした状態で、皆さまのお名前とおチンポが一致するまでお口で奉仕させていただくですとか、ぢゅる、そういったことを通じて、奉仕の技を、ちゅぷ、磨きました。お下品な語彙と仕草も、数えきれないほど教え込んでいただきました。もちろん、んっ、おセックスも何十、何百……いえ何千回と経験させていただきました。おマンコも、ケツマンコも、乳マンコも口マンコも手マンコも、朝から晩まで休むことなく使っていただいて、体の中から外からお精子で化粧を施していただきました。この一週間は、ナイフの握り方を忘れておチンポの握り方を覚え、館のお掃除の仕方を忘れておチンポのお掃除の仕方を覚えるような日々でした。その中で、私のカラダの全ては、ちゅ、私のものでも、お嬢様のものでもなく、おチンポのためにありました。お陰様で、くぷっ、お嬢様、咲夜は、淫乱変態雌犬性奴隷としての在り方をこれ以上なく深く学べたと思っていますわ。最高に幸せな、一週間でした。生まれ変わったような気分――いえ、生まれ変わったのです。この方に私を貸していただいたこと、感謝いたします、お嬢様」
「クク……ッ」
 全身が、ぶるりと震える。あの咲夜が、そんなことをしていたのだ。拾ってからずっと傍に置いていた従者が、たった百六十八時間目を離していた間に、それほどまでに汚され歪められた。自分が見ていない間に汚らしい欲望にさらされ、取り返しのつかないほどに芯まで堕落した。堪えていても、唇の端が吊り上がるのを感じた。
 咲夜の頬を足の甲で軽くビンタしてから、男に向き直る。
「相変わらず、素晴らしい出来のようね。お前の手腕には本当に脱帽させられる。褒美を取らせましょう。そこの壺はどう? 後で咲夜に持たせるわ」
「光栄です」
 男は深く頭を下げた。この業者を招くようになってから、どれほど散財したろう。大事にしていたものも、大分くれてやった気がする――咲夜の人格も含めて。
「さて、メイド長の報告はこれくらいにして、次はレミリア様、貴方自身の報告をお願いできますかな?」
「あぁ、――……そうね」
 報告。その言葉で、彼女の中の何かのスイッチが、かちりと音を立て入った気がした。
 立ち上がる。所作に、いつもの傲慢さのようなものはうかがえない。いやにしおらしくすらある。誰しも時と場所に合わせ振る舞いを変える。あるときは家の大黒柱、あるときは頼れる上司、というように。男の言葉で、レミリアは、紅魔館の主以外のものになった。
 彼女は次の行動を、数秒間ほど躊躇った。羞恥ゆえのことだった。彼女の躊躇を見て、男は再び口を開く。
「報告を」
 彼の目は、ひどく冷たいものを孕んでいた。先ほど咲夜を見たあの目だ。相手に有無を言わさず、ひたすら屈従を強いる瞳だ。
 レミリアは己が吸血鬼であることを自負している。だがこの目を前にしたときだけは、そう言い切れなくなる。自分はただのオンナだという思いに囚われ、逆らえなくなる。
 カーテシーでもするかのように、スカートの裾を摘み上げる。違うのは、摘み上げかたが甚だしい、ということだった。それはそうだ。礼儀を示すのが目的ではないのだから。
 持ち上がる腕は、彼女の膝がさらされようとも、雪のように白い肌がさらされようとも、止まることなく動き続ける。
 男は膝に肘をつき、顎に手を当て――彼の体型でそのような姿勢をとると、腹肉が大いに余ることになるが――レミリアをじっと見つめていた。瞳に性的興奮は浮かんでいない。あくまで、目の前のものの価値を見定めるような視線のままだ。
 とうとう、レミリアの最も大切な部位が露わになり、ようやく手は止まった。そこには、下着と呼べるものは着けられていなかった。代わりに、無慈悲な金属の輝きだけがあった。
 貞操帯だ。臍と秘裂を結ぶ線の、ちょうど中心あたりに、彼の店の紋が刻印されている。
「言われた通り、この一週間、きちんと着けっぱなしにしていたわ。脱げないのだから、当然だけれど……大変だったのよ? その、お大事のときとか」
「それだけですか?」
 悪戯を咎められたように、レミリアの身体がびくりと反応する。それだけ、というのは、大変だったのはそれだけか、という意味だ。ゆっくりと、かぶりを振る。
「いえ――つまり、触ることもできないからね。弄りたくても弄れないというのは、火に焼かれるような思いだったわ」
 赤裸々に告白するレミリアの太腿は、ねっとりとした透明な汁で濡れている。貞操帯の下、本人からすらも隔離されている裂け目から湧きだす蜜だ。それが部屋に漂う生臭さの、もう半分だった。
 もちろん、この程度の枷、吸血鬼の腕力をもってすれば粘土をこねるよりも簡単に破壊できるし、そうすればベッドの上で、大いに自分を喜ばせることもできたろう。けれども彼女はそうしなかった。これを着けて過ごすというのが彼の命令であったし、一時の快感のために背いて彼との取引がなくなってしまうのは、大いなる損失であるからだ。ちゃちな南京錠によってなされる枷は、この一週間、レミリアにとって何より強固なものだった。
「よろしい。後ろを」
 促され、くるりと振り返る。動作こそ優雅だが、下半身はむき出しのままだ。
 秘裂を強固に封じている貞操帯だが、アヌスは対照的に無防備だった。ちょうど菊座のあるあたりがリング状になっており、尻穴をさらけ出している。そこにはハートマークが存在していた。そのようなカットのルビーだ。底部にそれを埋め込んだ、アナルプラグを挿入れているのだ。この一週間、ずっと。
「こっちも、ちゃんと毎日、一日五回、慰め続けたわ。日中はコレ挿入れっぱなしでね。相当大きいから、最初は苦労したわ。だけど、慣れるものね。それで、慣れたら、とても良くて。立ったり、座ったり、歩いたりするたびに、気持ちいいのがじんじん響くの」
 威厳ある館の主としてあるまじき発言をしながら、レミリアは恍惚に浸っていた。突き出した尻に、視線が浴びせられている。それだけで、腰がくねってしまいそうだった。
「拡張具合を確認するので、抜いてもらえますか? 自分で」
「ええ。――ッ、く、はぁッ」
 プラグに指をかけ、ゆっくり引き抜いていく。肛門がみちみちと広げられるのが分かる。詰まったような声が零れる。玩具は、外部に露出している部分こそラムネ瓶の蓋程度の大きさだが、体内に埋め込まれた部分はえげつないほど、彼女の体格には不釣り合いなほど大きい。慣れたとは言ったが、挿入れるときと出すときには相当の負担――否、快感――があった。
 わずかに色素沈着した、実に綺麗なレミリアのアヌスから、黒光りする玩具がむりむりとひり出される。そして、一気に引き抜かれた。
「おッ!」
 プラグはポン菓子や生クリームの袋に近い形であり、一番太い部分を越えてしまえば、あとはあっという間だった。それだけに、抜くときの快感は、一瞬に凝縮される。背中がびくんと跳ねる。高貴な吸血鬼らしからぬ、獣じみた声が響いた。アナルの快感は排泄の快感と密接な関係をもつきわめて原始的なもので、人を阿呆にする性質をもつ。まして、ひり出したモノがこれほど大きいとくれば、レミリアであってもこのような声をあげてもなんら不思議ではなかった。
「ッくはぁ……ッ」
 引き抜かれたプラグを改めて見つめる。赤子の拳ほどもある。こんなものが入っていたというのだから、肉体というものは思っている以上に頑丈だ。艶のある素材でできているが、それ以外の理由でぬらぬらと光を反射している。つまりレミリアの腸液でだ。
 甘い溜息がこぼれる。惚けてしまいそうだったが、気を入れなおした。今は報告中だ。
 異物が出ていったことによる違和感に戸惑っているのか、薄灰色のアナルは恥ずかしげもなくひくひくと蠢いている。その内部、ほかほかとした直腸が、わずかにうかがえる。
「どう、かしら?」
 男は鼻が接触しそうなほど近づき、レミリアの背徳の穴を凝視していた。最も汚い所をそのようにまじまじと見られている――しかも欲望の籠った目でなく、品評するような目で――ことに、彼女はさらなる興奮を覚える。腹の奥から、熱い蜜が湧きだした。
「ンッ、く、ぉっ」
 男は当然のようにレミリアの菊座に触れ、腸液でヌルついた直腸に指を忍び込ませる。例えば道具の点検を頼まれた道具屋は、それに触わらないと仕事にならない。同じことで、彼も己の仕事をこなしているのだ。
 確かめるように、腸内のあちこちをゆっくりと触れてまわる。そのたびに、下品な声がこぼれる。そういう声を出すよう、今までの商談を通じて彼に叩き込まれていた。いわば教育の賜物だった。
「感度も良好、締まりも以前のようなむやみな硬さでなく、柔軟性を得て、ちょうどよい具合に締め付けるこなれた穴になっていますね。素晴らしい。言いつけをきちんと守って、毎日毎日猿のように浅ましくアナルオナニーに励まれたようですね」
「ほ、ォ、当たり前だわ、レミリア、オぅッ、スカーレットは、約束を違えるようなことは、くぅ、しないもの、アッ! そこッ、んんぅッ」
 男は指を二本に増やし、自身に向けてねだるように突き出された尻を、ぬこぬことかき回して可愛がっている。背骨を抜くような快感に身体は断続的に震え、膝がかくついた。字面は威厳のある台詞だが、ケツ穴をほじくられながらではむしろ間抜けさしかない。
「よろしい。では、今日の商品のお話をいたしましょう」
「あんッ……」
 指が引き抜かれる。いいところなのに、と口惜しさを覚える。とはいえ彼も商人、そういう思いを客に抱かせ、財布の紐を緩めるのも立派な戦略だ。これまでのところ、彼女はそれにまんまとハマっている。
 この業者の提供する商品は、性的調教だ。彼は定期的にやってきては、レミリアの尻穴を性器として開発し、陵辱していた。辱められるために、レミリアは彼に館の財産の相当を支払っている。そうしてもいいだけの価値を、彼女はこの男に認めていた。
 五百年も生きると、吸血鬼としてできる大抵のことはやり尽くしてしまう。彼女は退屈だった。精神を主とする妖怪にとって、精神を摩耗させる退屈は猛毒であり、死活問題だ。
 吸血鬼として大抵のことをやり尽くしたなら、それ以外の立場になればいい。それも、吸血鬼から遠い――つまり、誇り高いだとか高貴であるとか、そういうイメージから遠い立場になればいい。人間風情に調教されるというのは実に遠く、うってつけだった。
 それに、どれだけ辱められようとも、妖怪の一生の長さを考えれば、ほんの一瞬に圧縮される。ゆえにこういう屈辱も、一時の愉しみとして喜んで受け入れられる。
 そう、彼女にとって、すべては一時の愉しみだ。幻想郷を霧で覆ってみるのも、宴会や永夜や地震の異変に首をつっこんでみるのも、手塩にかけて育ててきた従者を滅茶苦茶に歪められてみるのも、己の貞操を管理され、自ら望んで尊厳を奪われてみるのも。
 一生の長さを思えば、どうせすべては泡沫のようなこと――最強の言い訳を盾に、彼女は退廃に身を委ねていた。処女喪失だけは不可逆なものであるため認められないが、尻穴ならいくら穿たれようとも何も失われはしない。
 椅子に座る。この部屋の調度はすべて最高級品、座り心地は抜群のはずだが、疼く尻穴のせいで落ち着かない。男は四つん這いの咲夜に当然のように腰かけると、鞄からそれを取り出した。
「本日は、こちらをお持ちしました」
 テーブルに載せられたのは、どぎついピンクのバイブだった。ペニスを模したデザインだが、本物より二回りほどは長く太い。さらに全体にごつごつとした瘤があつらえられており、とても性玩具とは思えない凶悪な外見になっている。
「この椅子に使っているのは、それのワンランク初心者向け――いずれにせよ上級者向けカテゴリには入りますが――ですな」
「あはァっ! もっと弄ってくださいッ!」
 男は咲夜に一瞥をくれ、突き立つバイブをぐいぐいと押し込む。彼女の背が跳ね、男の身体が揺れる。あれも相当な代物に思えるが、さらにワンランク上。レミリアの喉が鳴る。
「……宝物庫から、革袋二つぶんの装飾品を出すわ。それともう一週間、咲夜を貸し出しましょう。好きに使ってくれて結構。それでいいかしら?」
「もちろんですとも」
 こちらは財宝に大切な従者で、あちらは玩具一つ。異常なレートだが、レミリアもモノそのものにカネを支払うわけではない。これから行われる諸々の行為も含めての値段だ。心を腐らす退屈を癒せるのなら、それくらいの価値はある。
 男が首を縦に振る。交渉成立だ。彼女の胸が高鳴った。
「いいでしょう、では脱ぎなさい」
「……はい」
 命じられる。レミリア・スカーレットが、脱衣を強要されている。屈辱を覚え、それに恍惚を感じながら、レミリアはゆっくり、己の身体を外から隠してくれていた布を己からはぎ取っていく。
 現れたのは、性的部位の強調された、セックスアピールに富む肉体ではない。けれども誰しもが目を釘付けにされ、感嘆の溜息を零さずにはいられない、美しい肉体だった。
 くびれば折れてしまいそうなほど細い首を少し下に行くと、わずかに輪郭を浮かばせる鎖骨に行き当たる。それは自由に伸び、やがてなだらかな肩の稜線と行き当たる。乳房はほとんど平坦に違いが、注意して見つめればほんの少しだけ膨らんでいることが分かる。血管が透けるほど白い肌に桜色のふくらみがぽつんと存在しているさまは、宗教的聖域のように、何人たりとも触れてはならぬものだという印象を見る者に与える。そこから下に向かうと、腰のあたりにほとんどくびれはなく、むしろ腹のあたりがぽっこりと膨らんでいる。膨らんでいるわけではなく、彼女の年齢――外見的年齢――に特有のことである。全体的に凹凸のない輪郭とあわさって、剥き身のイカのようなシルエットになっている。
 全体の印象として、無垢で、ゆえに触れられるべからざる少女の肉体、といったところだろうか。あと少し成長して世俗を知れば、もちろんそれはそれで美しいだろうが純粋さは永遠に喪われてしまう、その一瞬を閉じ込めたような肉体だった。素晴らしいことには、レミリアは成長しないので、この奇跡の一瞬を永遠に閉じ込めておくことができる。
 そう、無垢であるのだ。それゆえに、股座を頑丈に戒める貞操帯――本来であれば淑女の貞操を管理するための道具が、そしてその奥から蜜が溢れ出している様が、異様な淫靡さを醸し出している。
 男は無言で、顎をしゃくる。紅魔館の主をそのように使うことは、本来なら許されないことだ。だが今、ほかならぬレミリア自身が、それを望んでいた。
 四つん這いになる。咲夜と目が合う。彼女は快楽に蕩けた瞳で、こちらを見つめていた。これから自分と同じようにされる主人を、寿いでいるようでもあった。
 何も言われずとも、求められていることは分かる。頭を下げ、反対に尻を掲げる。完全な屈従のポーズだ。尻穴がはしたなくも収縮を繰り返しているのが分かる。出て行ってしまったプラグの代わりを、あの凶悪な玩具が務めてくれる瞬間を待ち望んでいる。
 男は小さな鍵を取り出した。貞操帯の鍵だ。かちりと音がしたのち、レミリアから排泄と自慰の自由を奪い取っていたものは、ようやく取り払われる。
「ンぅッ……」
 すーすーする、と感じた。本来の形に戻ったのだが、一週間も着けたままだと、むしろ外したほうが違和感を覚える。
 あらわになった秘部は、薄桃色の筋を一本走らせたような、穢れを知らないものだった。そこはまだ純潔を保っており、それだけに、女のはしたない汁にまみれているちぐはぐさが退廃的であった。
「ひんッ!」
 小娘のような声をあげてしまう。男がそこを、舐めたのだ。今まで生きてきて、誰にも貫かせたことのないレミリアの処女地を。くちゃっ、くちゃっと音を立てながら、筋を、ふくらんだ陰核を舌先で転がしてくる。レミリアは嫌がるどころか、自ら腰を押し付ける。彼との間には信頼関係ができている。このようにクンニリングスこそすれど、純潔を失うことになるようなことは絶対にしてこないと、今までの調教で分かっている。だからこそ、安心して慰み者にされることができる。
「ッ、ァ……、お、くッ、う、ォ」
 舌が離れていってしまう。寂しさを覚えたが、それはすぐに悦びで上書きされた。尻穴に、硬いものが押し当てられた。例の玩具だ。狭い入り口を強引に押し開けて、腸内へと侵入してくる。
「ァ、おッ、くぅ、ぉ、オッ」
 太い。プラグも大概だったが、あの一番太い部分だけで構成されているかのようだった。しかも、あちこちにあしらわれた瘤が、菊門をごりごり刺激してくる。後頭部がちりちりしてくるような快感に、いきむような、聞き苦しい声が喉からあがる。それでも、彼女は満足していなかった。自らの股間に手を伸ばし、淫核を中指で転がす。一週間ぶりの刺激は、尻穴のそれとはまた別種の、電気的な快感をレミリアに与える。
「ッ、は、くぅ」
 たっぷり一分はかけたろうか。バイブはようやく、根元まで飲み込まれた。体を二つに分けられているかのように感じる。今まで散々躾けられ、性器として鍛えられたアヌスであっても、この玩具を飲み込むのはぎりぎりだった。
 レミリアは恍惚に浸りきっていた。凶悪すぎるモノを尻穴にねじ込まれ、常に甘く絶頂しているような状態にあった。当初と同じ屈従のポーズを保ってはいるが、それは身体を動かすだけの力が入らないからだ。
 けれども、髪を引っ掴まれ、強引に立たされる。平時であれば、そんなことをした輩は八つ裂きにしてやるところだが、今この男にされるのには、たまらない甘美さがある。
 男は下衣を半ば下ろし、己のペニスを露出していた。咲夜は起き上がり、しゃぶらせてほしいといわんばかりにソレに頬ずりしている。媚びたような態度の彼女を男は押しのけ、ふたたび顎をしゃくった。奉仕はお前の役割だ、と暗に伝えていた。
「あぁ……」
 硬く太く長く、抉るように反りかえっている。蒸気が立ち上っているかのように熱く、雄臭く、汚らしい。こんなものはレミリア・スカーレットには似つかわしくない。だからこそ、彼女は熱の籠った視線でソレを見つめていた。
「この私にこんなものをしゃぶらせようなんて、なんて奴なのかしらね」
 鼻から息を吸い、特有の蛋白臭を楽しむ。吸血するときよりも大きく口を開く。そして、ソレを口内に迎え入れる。
 彼のモノは彼女の口にはあまりにも大きすぎ、半分程度しか咥えられない。それでも、苦味と臭みが、味覚と嗅覚を突き抜ける。客観的にはえづいてしまいそうな嫌なものだが、彼女は震えるようなエクスタシーを覚えていた。
「ぢゅるぅ、ンッ、くぷ、ふぅッ、んんぅッ」
 血を啜り人々に恐怖を与えて回る吸血鬼が、媚びた表情で男のペニスをしゃぶり、興奮している。なんと情けない話だろう。これほど情けないのなら、もう一つ情けないことをしても、たいして変わるまい――彼女の両手は、自らの下半身へと伸びていく。
「んぉッ、ぐ、ぷッ、んぅうッ、ぉお」
 片手はクリトリスを、もう片手は、自らの拳ほども太いバイブを。激しく振動する玩具は、ごりゅごりゅと音を立てながら、レミリアの直腸をかき回す。ペニスをいただくのに、これらの快楽は最高のスパイスとなっていた。しかし、男にとっては、気に入らないことだったらしい。
「ごぶォっ!?」
 頭を掴まれる。そのまま、思い切り引き寄せられた。当然、肉棒は口内を貫く。扁桃のあたりも通り抜け、亀頭は食道にまで入り込む。突然の衝撃と痛みに、声が上がった。が、彼は気にも留めない。
「ぐぼッ、ォ! ごッ、ぐ、ぉぐッ、おぉッ!」
 そのまま彼は、レミリアの頭を激しく前後させ始める。深く張り出したエラが食道粘膜を抉り、口内全体を蹂躙する。意識が揺さぶられ、苦痛に目尻から涙がこぼれる。
 これほどまでにぞんざいな扱いもそうない。怒りを覚えて当然だ。けれどもレミリアは、男のモノを噛みちぎるだとか、拘束を解いてこいつを殺すだとか、そういう物騒な考えを一切抱いていなかった。当然だ。これは罰なのだ。調教していただく身のくせに、自分の快楽に溺れそうになっていた愚かな女への罰だ。ゆえに彼女は甘んじて受け入れる。それどころか、熱心に奉仕してみせる。頭を前後させ、さらに腰を叩きつけてくる彼の動きに合わせて、唇を窄めて肉棒にちゅうちゅうと吸い付く。さながら、血を吸うときのように。
「咲夜」
「はい――ご主人様」
 ちんちんの姿勢で待機していた咲夜は、男の呼び掛けでポーズを崩し、男の後ろへ回りこむ。そして、男の尻たぶをうやうやしく割り開くと、その奥底に鎮座する汚らしい穴に、そっと口づけた。
「んッ、ぢゅる、ちゅぷ、んぅ」
 レミリアの胸を、二つの強烈な嫉妬が焦がす。一つは男に対して。ご主人様。咲夜は男のことをそう呼んだ。主は自分だというのに。
 そしてもう一つの嫉妬はといえば、咲夜に対してだ。男の尻穴を舐めるという屈服の証以外のなにものでもないような行為をさせてもらっていることだ。すえた香りと酷い味を愉しんでいるに違いない。それは、彼女がすっかり堕落した両穴に突き立つ玩具を弄ってオナニーしていることからも明らかだった。
 尻穴を舐めながらのオナニーというのは、どれほど情けないことか? 想像するだけでくらくらしてしまいそうなそれを目の当たりにし、レミリアは心底、従者を羨んでいた。
 しかしレミリアも、自分の境遇には大満足だった。モノのように扱われ、口腔を射精のための都合の良い穴として使われている状態にだ。先ほど咎められたばかりだというのに、オナニーをする手が止まらない。淫核をこね倒し、尻穴を穿ち回す。絨毯が、ずぶ濡れになっている。二人とも、しっかり奉仕をこなしつつも、オナニーに狂っていた。
「ごッ、ぐぼ、ォ、ぐぅッ」
「ぢゅる、んふぅ、くちゅ、美味しっ、れるぅ」
 レミリアの聞き苦しい呻き、咲夜の恍惚とした呟き、粘膜を抉る音、舐る音、肉と肉のぶつかる音に、二人の女の下半身がこね回される水音。あらゆる音が合わさり、交響曲を奏でていた。むわりと立ち上る淫らな臭気が、インセンスの香りを圧倒する。
 口端からは涎が滴り、目の端からは涙がこぼれる。顔面に、男の腹部がぶつかる。繁茂する陰毛に鼻先が埋もれ、汗臭さが肺に流れ込んでくる。こうも激しい口腔凌辱の中では、ろくに呼吸することすらできず、意識はぐわんぐわんと揺さぶられる。
 それでもなお、彼女は男を悦ばせんとしていた。口中を好き放題に荒らしまわるものに舌を絡め、根元から先端にかけて舐め上げていく。意識も吹っ飛ぶような状況であるからこそ、彼に躾けられた雌犬としての技術が、遺憾なく発揮されていた。
「射精すぞ」
 男が短く宣言する。その端的な言葉に、彼女の胸が期待に疼く。射精。今まで何度も口や尻穴で受け止めた、あの熱いマグマのような液体をまた注がれるのだ。彼女は喉を開き、最高の瞬間を待ち受ける。
「おゴッ――!」
 喉壁を亀頭が突いた。その勢いたるや、貫通して首側からペニスが飛び出す事態になるのではないかと思うほどだった。そして彼は、勢いのままに射精を始めた。どぐどぐと、粘っこい液が食道に直に注がれ、そこを塞ぐ。搗き立ての餅を直接放り込まれているかのような感覚に、彼女の手は平たい胸をかきむしる。
 レミリアの頭は抱え込むようにがっしりホールドされ、顔面はぴったりと男の腹と密着していた。それだけ奥深くで、彼は射精しているのだ。おかげで、まったく呼吸できない。吸血鬼であっても必須である酸素は手に入らず、意識が次第に遠くなり、視界がぼやける。
 そんな中でも、変態的なオナニーにふける両手の動きは止まらない。むしろ今までより一層激しく動き、持ち主に快楽を叩きつける。ぷしっ、ぷしっ、と、未だ男を知らぬ彼女の秘裂は、使い込まれた娼婦のそこのように断続的に濃い女汁を噴き出して絨毯を駄目にしている。絶頂を迎えていた。全身が痙攣していることからも明らかだが、それでもなお手は止まらない。持ち主の意志からも離れた両手は、ただひたすらに暴走を続ける。
「ぐぼ――ぉゴっ――かはッ」
 射精は時間としては十秒弱程度のものだったが、その間に意識は大きな衝撃を受けた。体感時間としては、永遠にも思われた。食道にたっぷりスペルマを吐き出し終えたモノが、引き抜かれる。去り際に、エラがごりごりと粘膜を抉っていった。半ば意識を放り出しているというのに、レミリアの唇は最後までそれを放すまいとするように吸い付く。今までさんざん躾けられてきた成果だった。エラのところで引っかかる。男がぐいと引っ張ると、栓のぬけるぽんっという音が響く。唇から亀頭に、粘液の橋がかかった。
 かひゅっ、かひゅっと、呼吸音は掠れていた。人形のように整った顔は、今や汗や涎、涙でぐちゃぐちゃだ。口端に男の陰毛がへばりついている。目は開いているが、瞳は虚ろだ。
「ごちそうさまでした」
 男が射精を終えたのを見計らって、咲夜もまた、彼の尻穴から舌を引き抜いた。こちらはレミリアに比べればまだ見られる顔のままだったが、澄ました表情を浮かべる鼻筋には尻毛が張り付いている。
 彼女はそのまま、感謝の意を示すように、床に手をついて深々と頭を下げた。男は興味なげに見下ろし、差し出された頭を踏みつける。あぁ、と上がった声は、当然抗議のためのものではない。悦びのあまり零れたものだ。
 咲夜はしばらく足蹴にされる愉しみを味わっていたが、そのうちに彼が足をどけると、惜しそうな表情を浮かべつつ頭を上げる。彼に顎をしゃくられ、レミリアに近づく。未だイラマチオの衝撃に呆けたままの彼女の頬を両掌で包むと、接吻した。それが気付け薬となり、レミリアは意識を取り戻す。
「ンッ……!?」
 起きてそうそう悪臭がしたので、彼女は何事かと困惑する。従者に口づけられているのだと気づき、目の色が変わった。
 先ほどまで咲夜は、相当熱心に男の尻穴にキスしていた。あの様子だと、穴の中に舌を入れもしたのだろう。当然、口内には匂いが染みついている。今己の口内に雪崩れ込んでいる悪臭は、つまりそれだ。
 何をするこの無礼者がと激怒していいシーンで、レミリアは従者に感謝し、自ら舌と舌とを絡ませはじめた。彼女がアニリングスを始めたときは嫉妬の炎に焼かれたものだが、彼女はちゃんと考えて、こうしておすそわけをしてくれている。やはり、できた従者だ。お返しに、口腔にいくらか残っていた白濁を送り込み、唾液と一緒に混ぜ合わせる。
「ぷはぁ……」
 やがて口を離すと、唇の間に透明な橋が伝った。そのうちの何割かは、男の体液で構成されているのだろう。
「あぁ……素敵だったわ。ありがとう」
 レミリアは立ち上がり、男に礼を述べる。大いに楽しめた。吸血鬼以外のなにかとして、下等な悦びに酔いしれる、自分はまさに、こういうことを求めていたのだ。
 男のモノは、こちらの胃が膨れるかと思うほどの精を解き放ったにも関わらず、まるで萎えておらず、その威容を保っていた。口腔粘膜の残骸にまみれて、多少情けなくなってこそいるが、凶悪であるのは変わらない。そうでなくては、調教師など務まるまい。
 先ほどのイラマチオは前戯だ。となれば、ここからが本番だ。今バイブのような玩具でなく、本物の肉塊をねじ込まれ、気絶するまであるいはしても抉り返され、掘り返され、尊厳もなにもなく下等な悦びに狂うアナルセックスが始まるのだ。その想像だけでイッてしまえそうだった。
 が、男は動かない。それどころか、とんでもないことを言い始める。
「それはよかった。では、今回の調教は終わりです」
「……は?」
 思わず、素に戻って聞き返さずにはいられなかった。終わりだと? どういうことだ。アペタイザーを楽しんで、これからが退廃のフルコースではないか。あまりに中途半端だ。
「お知らせしておりませんでしたが、最近料金を値上げいたしましたので。先ほどご提示いただいた報酬ですと、ここで終わりになります」
「ッ……なら、革袋もう二つ分、宝石類を渡すわ。それでいいでしょう?」
 このようなタイミングでそんなことを言い始めるのは、あまりに興ざめだ。事後請求のほうがよほどいい。それとも、紅魔館はその程度のカネすら出せない貧乏集団と思われているのだろうか? 舐められたものだ。内心苛立ちを覚えながら、レミリアは問う。
 男は答えなかった。まだ不満だというのか。そういう面倒な駆け引きは不要だ――と歯噛みしているうちに、男の視線に気が付いた。あの蛇のような目に。そして悟る。これも調教の一環だと。お前はほんの一時の快楽のために、どれだけ愚かで浅はかになれるのかと問われている。それがお前の、ケツ穴狂いの淫乱吸血鬼としての価値を示すと。
 なら、最高の答えを返さねば。
「宝物庫にあるもの全てを――いえ、それと咲夜をあげる――いや、違うわ」
 紅魔館の宝物庫をそっくり手に入れられれば、一生豪遊できる。咲夜のような最高の女までついてくるとなれば、それだけで人生は薔薇色だ。しかし男の瞳は、全く揺らがない。その答えは違うだろうと、冷たく言い放っていた。
 そうだ。違う。それらは自分にとって大切であるが、最も大切なものではない。当然だ。誰だって、最も大切なものは決まっている――それは、己自身だ。
 声が震え、口が乾くように感じられた。取り返しのつかないことを自分は言おうとしているのではないかと思える、けれども、問題ない。この男に何をくれてやったとしても、しょせん人間など百年生きないのだから。
 すべては、一時の愉しみにすぎない。
「あなたに忠誠を誓う。私のすべてを、あなたに捧げるわ。どうか私も咲夜も奴隷として、この紅魔館のすべてを、私のすべてを支配してくださいませ、ご主人様」
 床に手をつき、額をつき、決して言ってはならない言葉を述べた。と同時に、丸一日をかけて積み上げたトランプタワーをキック一発で崩壊させるような、やけくそじみた悦びが全身を駆け巡る。
「あはぁッ……」
 下げた頭を、踏みつけられた。紅魔館の新たなる主人は、供物に満足したようだった。このレミリア・スカーレットを足蹴にするなど、本来許されることでは――いや、もはや彼女にそんな大それたことを考える権利はない。今や彼女は、無価値な奴隷Aでしかない。
 足がどけられ、彼女は頭を上げる。彼はとうとう己のものになった椅子に深く腰かけ、ふんぞりかえっていた。主君の御姿に恍惚を覚えながら、レミリアは立ち上がり、彼に尻を向ける。突き立った玩具を取り払ってほしいと。主が挿入れてくださったものなのだ。どうして無価値な自分ごときが、勝手に引っこ抜いたりできるだろう。
「ぉほォァっ!」
 主はみちみちと広がる菊座から生えた玩具を手に取る。そして、テーブルクロスを抜く大道芸のように、思い切り引っ張った。あしらわれた強烈な瘤が、物理法則に従って容赦なく直腸を掻き回す。彼女とは思えぬような声があがり、秘部から潮が噴き出して絨毯を濡らした。ぐぽぉッと、腸から間抜けな音が響いた。玩具を引き抜かれたアヌスはもはや閉じなくなっており、解放感からかぐぱっ、ぐぱっと磯巾着の口のように収縮する。
「ひぃ、はぁッ、おぉ」
 膝がかくつく。まっすぐ立っていられない。軽くイッていた。姿勢を崩さず済んだのは奇跡に近い。それでも、惚けている暇はなかった。主の御手を煩わせまでしたのだから。
「あぁ、ご主人様。レミリアが、ケツマンコで、ご奉仕させていただきますッ――」
 大きく脚を広げ椅子に座った主人の腰に、後ろ向きに跨る。いわゆる背面座位の形だ。もはや完全に性器へ生まれ変わったアヌスが、反り返ったペニスの先端、赤黒く張り出す亀頭にバードキスする。そしてそのまま、ぬぐ、ぬぐと、新たなる主の竿をゆっくり飲み込んでいく。
「ほ、ァ、おッ、ほぉ、ひぃ」
 こんな声は、主に聴かせるに値しないものだ。それはレミリアとて承知しているのだが、止めることができない。主のモノは、あの玩具と比べても遜色のない硬さ・太さ・反りであった。なにより、ペニスなのだ。無機物からなる性玩具などではない、本物のペニスだ。直腸で感じる熱さだけでイッてしまえそうだったし、だからこそ注意して、ゆっくり迎えいれる必要があった。
 が、それで彼女の主人が満足するはずもない。彼はレミリアの腰を、両腕で掴む。そのまま、思い切り引き下げ、反対に腰を突き上げた。
「え、ァ――ひぃいいいいいッ!?」
 レミリア・スカーレットが紅魔館の主であったころ、悲鳴などあげたことはなかった。吸血鬼は人々を混乱に陥れる恐怖の象徴であり、悲鳴をあげさせる側だった。それが今や、かつて散々怖がらせていた生娘のような声をあげていた。当然だった。こんな凶器が本当に自分の腸内に収まるだろうかと思っていたものが、一撃で根元まで入りこんだのだから。
「ひッ、あ、おぉッ! お、ァあッ、ひいいッ!」
 男はピストンを開始した。掴んだ腰を動かすのと自ら突き上げるのとのツープラトンだ。レミリアの絹を裂くような甲高い嬌声も気に留めていない。主人が奴隷のことなど、何故気にかけてやる必要があろうだろうか。 
 ぐぼッ、ぐぼッと、およそ肉体がたてないだろう粘っこく空気を含んだ音が鳴り響く。男が腰を突き上げるたび、レミリアの腹がぼこんぼこんと形を変える。彼女の小さな肉体に彼のモノはあまりに立派過ぎる。全てねじ込めば、そうなるのも当然のことだった。
「うるさいぞ」
「あぁッ、おぉ、もうしわけぇッ、ひぃ! アッ、お――かはッ」
 申し訳ありませんの言葉さえ、ろくに言えたものではない。謝罪の声は、獣じみた嬌声にかき消される。呆れた男の手が首にかけられ、締め付けてくる。血の流れが滞り、視界が一気に暗くなる。それでも抽送は止まらない。酸欠状態での快楽は、また格別なものに思われた。
「かひッ、あぁッ、ァっ、は、あぁッ!」
 喉が解放され、彼女は再び酸素を得る。視界と思考が色を取り戻す。
 男はレミリアの太腿を抱え、立ち上がった。自らの体重で反動をつけるようにしたため、うぐっ、と咲夜が声をあげる。レミリアはちょうど、ペニスを支えに持ち上げられている形になった。大股を開くように持ち上げられ、両脚がVの字を描くように開かれている。
「ひぃッ、あぁッ、ぐ、アッ、おぉおッ」
「咲夜」
 この姿勢だと、背面座位よりもさらに深くまで肉棒が届く。亀頭のあたりにいたっては、S字結腸にまで到達しているほどだった。レミリアは目を白黒させ、未知の領域の快楽に白痴のような声をあげて悶えている。
 そんなことはどこ吹く風といったふうに男が呼びかけると、咲夜は無言で頷いた。全てさらけ出すように開かれたレミリアの股の間に、顔をうずめる。そして、突き上げられるたびにだらだらと涎を零していただらしない処女穴を舐めあげはじめた。
「はひぃッ!? はぁッ、あひッ、咲夜、さくやだめ、ソレやめてッ、あ、あ、アァッ!」
 もちろん、やめるはずがない。もはやレミリアは彼女の主でなく、いくら命令しようと咲夜の側に聞く義理はない。命令でなくお願いであるにしても、主人の命と相反する頼みを受け入れるはずもなかった。くちゃ、ぴちゃと音を立てて雌汁を啜るその様は、雌犬として生まれ変わった十六夜咲夜にふさわしい、犬のような仕草だった。
「ンッ、ふぅ、ンッ、は、ぴちゃ、くちゅっ、んんぅ」
 かつて主だった者をこのように苛めるというのは、彼女なりに何かしら感じるところがあるのだろう、咲夜の両手は再び、自身の下腹に伸びていた。もはや肉体の一部のようになった二本のバイブでもって、己の膣穴と尻穴をごちゅごちゅと犯す。愛液やら腸液が、飛沫となってあちこちを濡らした。
「ひぃッ、ォあ、あくぅッ、あひ、オッ! イく、くる、イぐぅ、イッてよろしいですか、ご主人様、レミリアはイってよろしいでしょうかぁァっ!」
 前と後ろ、それぞれ気が狂うほどの快感に悶えていれば、全身を押し流すような快楽のうねり、絶頂が近づいてくるのにさほど時間はかからない。だが、自分勝手にそこに飛び込むことは許されない。レミリア・スカーレットは無価値な性奴隷であり、全ては主人に捧げられている。オーガズム一つとっても、主人の許しなしには達せない。
 幸いにして、彼女の主人は寛容であった。首が縦に振られるのを見、レミリアは歓喜に打ち震える。彼の一言が、さらなる喜びをもたらす。
「射精すぞ」
 射精。男が快楽の頂点にいたった証拠として発生する、精液の放出現象。つまり自分のケツ穴は、主人を気持ちよくする役に立っていたのだ。奴隷としての価値を示せたことが、レミリアに深い幸福を与え、精液をねだる卑屈な言葉を吐かせる。
「はひ、どうぞ射精してくださいませッ、ご主人様の貴重なおザーメンを、私の淫乱奴隷ケツマンコに注いで、たっぷり気持ちよくなってくださいませぇぇッ」
 言葉は主人を楽しませるに足るものだったようで、褒美だといわんばかりにピストンが激しくなる。腸液がローション代わりになっているとはいえ、アヌスがペニスとの摩擦で焼き切れんばかりだった。それほどの刺激を受けて、頂点に達さずにいられるはずがない。
「ひ、ォ、おッア、ぉ、いく、いッくぅうううッ、あぁぁぁああああああッ!」
 爪先から頭頂まで、肉の悦びが満たす。目の裏で白い光が何度も炸裂し、意識を揺らす。全身の筋肉が制御下を外れ、好き勝手に痙攣を始める。はしたない処女穴はぷしぃっと音を立てて淫らな汁を間欠泉のように噴き出す。咲夜はそれを、瞳を閉じて顔で受け止める。上がる声は、この世に生まれてきた悦びを全力で表しているかのようなものだった。
 肛門が、直腸が、己をこうまで幸福にしてくれたものに最大限の礼をするかのように、ペニスを締め付ける。その圧力で、男も限界を迎えたらしい。彼の肉棒が膨らみ、そして炸裂する。濃厚なスペルマ、快楽の象徴が、どぼどぼと注がれていく。そこに卵子はないという残酷な事実を知ることなく、無数の精虫が奥へ奥へと泳ぎ生存競争を始める。
 それは彼女に対しては、快楽の追い打ちとなった。腹の奥に熱いものを注がれる感覚は、女を一発で堕落させ、虜にするに足るものだ。彼女は虜になっていた。セックスの虜だ。その魅力は、彼女の何もかもを押し流し、上書きするに足るものだった。五百年間培った価値観や考え方といった何もかもが破棄されていく。そして刻まれるのは、ペニスを求め、男に媚び、淫らにヨガり狂う哀れな雌犬としての在り方だった。
 一時の立場ではない。彼女はもはや後戻りできないほど、性奴隷に成り下がった。
「あひッ、ひぃッ、おぉッ、ほ、あぉおッ――」
 レミリア再誕の儀式は、古い彼女を嵐の中の小舟のように押し流した快楽が引いていくのをもって終わりを迎える。なんとも切ない気分だが、どんなに楽しい祭りであっても、いずれは終わるものなのだ。
 肉体はひどく疲れている。指一本動かすのがひどく大儀に思えるほどだ。けれども心は、さっぱりしていた。今までの誤った在り方を捨て、新たに正しい生き方を得たのだから、当然のことだった。十年ほども伸ばした髪の毛を、ばっさり切ったような気分だった。
 ペニスが引き抜かれる。もはやソレを挿入れられているほうが自然になったアヌスは、どうして離れてしまうのかといわんばかりに吸い付き続け、またも栓の抜ける音を立てた。
 床に下ろされる。自立できようはずもなく、崩れてしまう。散々犯された尻穴が閉じるはずもなく、肉の洞窟のように蠢くばかりだ。限界を迎えている肉体に鞭打ち起き上がる。まだ仕事が残っている。汚してしまったペニスの掃除が。
「あぁ、ご主人様――失礼、いたします、ンッ、ぐぷ、ぢゅる」
 激しい射精を終え、いくらかソレは萎え、腸液と白濁にまみれている。とはいえ相当に立派なことには変わらず、大口を開けねば咥えられない。
 すぐに咲夜が加わり、二人は競い合うように口淫する。さすがに元メイドだけあって、彼女の掃除には無駄がない。同僚としては、なかなか手ごわいライバルのようだった。
「明日から、お前たちには娼婦として働いてもらう。レミリアはケツで、咲夜は両穴で、客から精液と金をたっぷり搾り取ってもらうぞ」
「はい、ご主人様の……んちゅ、ために、精いっぱい、セックスいたします……」
 どちらともなく、へりくだった言葉を述べる。
 主人に奉仕するだけでなく、不特定多数の男に、金のために春をひさぐ。一体どれだけ堕落していくのだろう。明日からの生活を思い、レミリアは尻穴を熱く疼かせた。
本作はタイトルがめちゃくちゃ気に入っています。
本作も収録してる短編集「ひとり勃起の夜」委託はこちらです→https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ210577.html
喚く狂人
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