真・東方夜伽話

虎柄のドスケベ門天

2020/03/09 22:04:16
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虎柄のドスケベ門天

喚く狂人

怪しげな温泉旅館で管理人にセクハラドスケベ行為をされる寅丸星さんのスケベ

 間欠泉の異変以降、あちこちで湯が湧き始めた。人里は今や大衆浴場ブームだ。
 源泉が同じなので、料金やサービスで競っている。貧民窟にある銭湯は、最悪の部類だ。建物は簡素を通り越しボロボロで、衛生面が不安になる勢いだ。しかも、管理人の評判がすこぶる悪い。女性客に手をだすと、もっぱらの噂なのだ。噂は噂に過ぎないが、閑古鳥を鳴かせるには十分すぎた。
 そんな湯場をあえて訪ねる者がいる。星だ。特徴的な髪は、見間違えるものではない。
 がらりと戸を開くなり、件の番台が視線を寄越してくる。苛立ちと敵意混じりの目だ。こちらが女とわかるなり、好奇と好色に変わった。噂は事実だと言っているようなものだ。
 大抵の女性客は回れ右するだろう。けれども、星は違った。むしろ、胸を疼かせていた。
「すみません、入浴したいのですが、入湯料はおいくらでしょうか?」
 不躾極まる視線に気づかないふりをして、番頭に尋ねる。いかにも悪人じみた髭面を、にやりと歪ませた。じろじろと、不躾な目を向けてくる。
「へぇ、アンタみたいなのがウチにねぇ。そうだな、アンタならタダでいいぜ」
「……いいんですか?」
「おうとも。そっちにとってもタダの方がいいだろ? 脱衣所まで案内してやるよ」
 男は番台から立ち上がり、ついてこいと告げる。当然のように腰を抱いてきた。
「アッ……」
「なんだ? 変な声出しやがって」
「え、いや、あの、この腕は?」
「ああ、貧民街の連中なんてのはバカばっかだからな、こうやって案内してやらねぇと、迷いやがるわけだ。アンタにゃ悪いが、決まりだと思ってくれや、イヒヒ……」
 言い訳にしても馬鹿馬鹿しい内容だ。けれども星は、そうですか、と頷く。腰まわりを這い回る手に、疼きを感じながら。
「ほぉれ、コッチだぜ、ひひっ」
 ぐいぐいと引き寄せられる。まるで恋人のように、体を密着させられる。浴場の管理人のクセして風呂嫌いなのか、彼の方からつん、と酸っぱい匂いが漂ってくる。雄臭さに、ぞくりと腹の奥が震える。露骨なハラスメントだが、嫌悪感は覚えていなかった。むしろ、番頭が性犯罪者だという噂は事実らしいぞと、薄暗い嬉しさを覚えていた。
 板張りの廊下を歩く。オンボロなために、足を踏み出すたびにぎしぎしと鳴っている。左右には、明らかに建付けの悪い扉が並んでいた。所々戸板が剥がれている。
「ウチは宿泊もやってっから、泊まりもイケるぜ。ま、アンタみたいな女には、オススメしないけどな」
「何故ですか?」
「なに、部屋に鍵がかけられねぇんで、こっそり忍び込めるわけだ。で、女が泊まってると知ったら、手ぇ出す奴がいるんだよ。女ァひん剥いて、一晩中犯すわけだな。そりゃあ、最初は女も泣き叫んで嫌がるんだけどな? ヤッてる間にだんだんハマってきて、最後はアンアン喘いでイきまくるわけだ。何遍も中出しキメられてヒィヒィよがって、自分からケツ振る淫乱に堕ちちまうわけだナァ」
「それは……んッ……」
 男の手は、当然のように、星の尻を撫で回してくる。話の内容も含めて、あからさまなセクシャルハラスメントだが、星は拒まなかった。むしろ、ぞくぞくと体を震わせている。
「ちょうどこういうイイ形のケツをハメ倒して、ザーメンまみれにするわけだ。どんだけ風呂に入っても、チンポ臭さが抜けなくなるくらいまでな。自分から中出しねだらせたり、自分のマンコに中出しキメたチンポしゃぶらせたりな。アンタ、そういうのどう思う?」
「どうって……もちろん、恐ろしいと思いますよ、んぅ……」
 尻の谷間から尾てい骨あたりを撫でながら、男は問うてくる。熱い声を漏らしながら、返す。扉の向こうで、名も知らぬ女性が陵辱されている姿を夢想しながら。
 むごいことに決まっているじゃないか。断じて許されることではないし、間違っても、望んでなどいない。ヘッ、と、彼の側から心底侮蔑した声が聞こえた気がした。
「まぁ今のところは、そういう答えでいいや。それよりホレ、着いたぜ」
 廊下の突き当たりに、脱衣所があった。どうもと告げ、のれんをくぐる。
 ――彼も、真後ろに張り付くようについてきた。
「あ、あの……?」
「説明してなかったな。この辺はガラの悪い土地だろ? そのせいか知らねぇが、人の服やら荷物やら盗むやつがいてな。アンタの服がパクられないように見ておいてやるよ」
 いかにも恩着せがましく言ってくる。言葉通りに見張りするつもりがないのは、ニヤリと歪む視線のいやらしさから明らかだった。
 対する星は、躊躇すらせず、ありがとうございますと返した。拒む必要などなかった。彼は善意でしてくれているのだ。人の善意を無碍にするのは、よくないことだ。
 脱衣所は狭く、埃っぽかった。ろくに掃除されていないのか、ところどころカビている。湿気が籠もっており、なんとなく雑巾を思わせる匂いが漂う。
 鍵付きロッカーなどあるわけもなく、棚には籠がでんと置かれているだけだ。貧民窟というのは、ただでさえ脛に傷をもつものの多い土地だ。なのにこれでは、盗難も起きよう――まあ、管理する者が一番関わっていそうな気もするが。
「どっこいせ」
 男は部屋の隅の丸椅子に腰掛け、こちらを食い入るように見つめている。目をやると、見張りだよ見張り、と軽口が帰ってきた。視線をそらすつもりはないらしい。ここで脱げ、裸を見せろと視線は告げていた。
 完全に人を舐め腐った態度だ。しかし星は、あろうことか、自らの衣服に手をかける。向けられる欲望の目に、ぞくぞくとするものを覚えながら。
「あの、バスタオルの貸し出しは……」
「うん? 持ってきてねぇのか? 悪いけど今切らしてんだ。体隠せなくてすまねぇけど、諦めてくれや」
「そうですか、それでは仕方がないですね……」
 一枚一枚、ゆっくりと脱いでは、脱衣籠に畳み入れていく。静かな室内に、ふぁさっ、ふぁさっと衣擦れの音が響く。男の荒い鼻息も続く。うるさいくらいだった。とはいえ、彼女の体を見たのだから、無理もない話だった。
 そもそも星は、里有数の美女として知られるほど整った顔をしている。血色のよい瞼、長い睫毛、穏やかながらも芯の強さを感じさせる瞳。すぅっと筋の通った目鼻立ち。やや薄めながらもぷるりと弾力ある唇。
 体も、それに負けず劣らずなものだった。
 よく引き締まっており、日頃の勤行や鍛錬で鍛えられているのが分かる。一方、筋肉がムキムキと見苦しくなるようなことはない。女性らしさと躍動的な肉体美が、絶妙な均衡の下に両立していた。象る肌は滑らかで、傷一つない。珠の肌とは、まさにこのことだ。
 すらりとした首や、鎖骨は、ほんのりとセクシーさを醸し出している。光に照り映えるなだらかな肩は、見る者をどきりとさせる。
 乳房は控えめながらも柔らかなCカップだ。真球を半分に切ったような、均整のとれた曲線を描いている。白磁を思わせる瑞々しい肌が象ることで、途轍もない魅力を醸し出す。乳輪はうっすら色づいており、先端はぷっくり膨らんでいた。
 腰回りは不自然でない程度にくびれている。健康的な美を演出していた。腹筋の輪郭がうっすらと窺えると同時に、適度に脂肪を蓄えてもいる。縦に走った臍が、好きな者にはたまらないセックスアピールを醸し出していた。
 全体的にスレンダーな中で、しかし骨盤はゆったりと広がって安定感をもたらしている。安産型の下半身を形成していた。それこそ、男が見れば思わず撫で回したくなるような。
 下腹の灌木はふさふさと生い茂っている。形こそ整えられているが、密度は相当だった。元々獣なので、毛の濃い体質なのだ。
 仏道にある者なので、遊んでいるわけもない。秘唇には色素沈着もなく、綺麗なものだ。一方でその花びらは、どこか綻んでいるようにも見えた。――期待しているように。
 虎は脚力に優れた獣だ。しっかりした大臀筋に支えられたヒップは、可愛らしくも弾力のあるラインを描いている。剥いたばかりのゆで卵を連想させた。
 鍛えられたハムストリングスと下腿三頭筋によって形成される脚は、すらりとしながらもセクシーだ。たまらない魅力を醸し出していた。肉体がもつ本来の美しさを、これ以上なく演出していた。
「へっへっへ、こりゃぁスゲぇな……」
「ッ……」
 男は目をギラつかせ、こちらを見つめていた。獣欲と性欲まみれの、まるきり性犯罪者の視線だ。ハァハァと荒い息を零す様は、野の獣のようだった。
 思わず、身をすくませる。けれどもすぐ、腹の奥を熱く疼かせた。
 恐れる権利など、自分にあるものか。帰ろうと、逃げようと思えば、いつでもできた。今だって、逃げるくらいはわけもない。なのにそうしない以上、自分から、この獣の前に姿を晒しているということだ。
 真面目だとかお堅いというふうに、よく言われる。毘沙門天という立場からいっても、そういった振る舞いは必須だが、正直疲れる。己の中の浅ましい欲を、思いっ切り満たしたくなることだってあった。
 そのためには、後腐れのない相手が必要だ。うっかり醜聞を広めて、寺に迷惑をかけるわけにはいかないからだ。中でも特に、とびきりの下衆が望ましい。仮にも尼僧が己から男を誘うのは許されないが、向こうから手を出してくるような輩なら、そういうジレンマを回避できる。とはいえ、毘沙門代理に手を出す奴など、まずいない。
 悩んでいたところに、彼の噂を聞いた。女とみればレイプするような、最低のごろつき。ある意味、まさに適任といえた。噂を聞いて、足を運んだ甲斐があったというものだ。
「へへ、いやぁ、スゲェ体だな。とんでもねぇ。こりゃ楽しみだ。どれ、俺もひとっ風呂浴びたくなってきたな」
「あぁッ……」
 こちらを凝視しながら、男はぶつぶつと呟く。衣服に手をかけ、一息に脱ぎ捨てた。
 色黒で毛むくじゃらで、見苦しい体だった。だが星の視線は、そんなところには向いていなかった。彼の股間を、じっと見つめていた。
 下帯の内から現れたソレは、星の知るモノとは全く乖離していた。太く硬く反り返り、威容を周囲に示している。
 亀頭は赤黒く、びきびきと這い回っている。雁首は千尋の谷のように深く、蛇のごとき血管が這い回る竿部はドス黒い。女を何人もほじくり倒してきたうちに、メラニン色素が沈着したのだ。根元にはもじゃもじゃと毛が茂っており、さらにその奥では、柔らかな袋がぱんぱんに膨れ上がっていた。
「あはぁ……ッ」
 小さな吐息が漏れる。それも、酷く熱い吐息が。キュンッ、キュンッと、腹の奥が疼きとまらない。
 あれは、オンナを堕とすのに特化した棒だ。見ているだけで、求めてしまいそうになる。そうせずにいられるのは、強靱な精神力がゆえだった。仮にも僧侶が、ペニスを見て発情して性交をねだるなど、あってはならない。あくまで自分は、彼にそそのかされ犯される、被害者でなくてはならないのだ。
「あの、何故、ここで脱いでいるのでしょうか……?」
 人にものを尋ねるときに、股間を見っぱなしということほど失礼なこともないだろう。けれども、男は咎めもしなかった。なんせ、お互い様なのだから。向こうもこちらの体を、じっと見つめていた。
「何故って、そりゃあ、ウチが混浴だからだよ。脱衣所も男女一緒なもんでよ、へへっ、悪いな、見苦しいモンみせてよ」
 そうですか、分かりましたと、さも納得しましたというように返す。
 生まれたままの姿になれば、あとは湯に浸かるばかりだ。並び、浴場へ向かう。
「悪いな、貸し切りにならなくてよ?」
「いえいえ、せっかく大衆浴場にきたのに、一人きりというのも寂しいですから……」
 男の手がおもむろに、尻に伸びる。先ほどのように、撫で回してくる。ただし今度は、直接だった。むにッ、むにッと、手垢を擦り込むほどの勢いで揉みしだいてくる。抗議はしない。それどころか、こっそりとながら自ら尻を押しつける始末だ。
 甘い疼きを覚えながら、磨硝子の戸を開いた。施設のみすぼらしさを反映したように、浴室も狭い。同時に入れて、せいぜい三、四人だろう。おかげで、二人きりでも、だだっ広いという感じはしない。
 まずは体を洗うべく、近くの木椅子に腰掛ける。ところどころカビて、黒ずんでいる。壁に掛けられた鏡も、水垢がウロコになっており、真っ白に曇っていた。
 湯をかけ、曇りをとる。己の顔が映った。頬がほんのりと赤らんでいるのは、風呂場の熱ゆえではないだろう。
「はぁ……」
 肩から湯を浴びる。生理的心地よさが全身を包む。
 滑らかな肌を、乳白色の湯が艶めかせる。滴を纏う様は、一層セクシーだった。
 続いて、石鹸を手に取る。タオルがないので、手で泡立てて塗り広げていく。首から、鎖骨のライン。腕を上げて腋窩、乳房。ぬりゅ、ぬりゅっと、柔らかな双丘が形を変える。
 ただ体を洗うためなら不必要なほど、手の動きはゆっくりしていて、かつ執拗だった。見せつけているのだ。もちろん、普通に体を洗っていますよ、という風を装いながら。誰に対してかなど、言うまでもない。
 真横に座った男は、血走った目で、こちらを見つめていた。冬眠前の熊を連想させる、飢えた獣の目つきだった。 
「へへへッ」
 太腿に、手が乗せられる。中指の先は、内腿の、かなり際どいところにまで至っている。もう少し伸ばせば、魅惑の三角地帯に至るほどだ。
 視線を向ければ、いけしゃあしゃあと言ってのける。
「いやなに、一人だと洗いにくいトコもあるだろ? 俺が洗ってやるよ。サービスだよ、サービス」
「そうですか? ではお願いしますね」
 いかにも恩着せがましいが、要するに体を触らせろということだ。とんでもない申し出だった。断じて受け入れるべきでないのは、誰にだって分かるだろう。だが、断らない。当然だ。人の親切はありがたく受け取っておくものなのだから。
 これ幸いと、男の小汚い手が、全身を這い回り始める。恋人同士のように体を密着させながら、乳房を揉みしだいてくる。
「んふッ、……んぅ、んっ」
 愛撫というより、自分が感触を愉しみたいという目的に根ざした、自分勝手な手つきだ。それでも星は立派に快感を覚え、甘い声を喉の奥から漏らす。
「ああ、ワキの下なんかは指じゃァ洗いにくいナァ。どれ……レロッ、れろろっ」
「んくッ、くぅん」
 わざとらしく言いながら、舌を使ってくる。ヌルついた不快な感触が、神経の集中した腋窩を這い回る。生理的嫌悪感と裏腹な性感に、思わず鼻がかった声を漏らす。キュッ!と、柔らかな山の先端を摘ままれ、体を震わせた。
 手は、さらに下へ向かっていく。くびれた腹回りのラインを左右からなぞってくる。腰を軽く上げれば、ここぞとばかりに尻を揉みしだいてくる。むにゅッ、むにゅっと、弾力ある臀部が指を受け入れて形を変える。ムフゥッ、ムフゥッと、男は鼻息を荒げている。彼女の尻が、刺激を受けるたびにゆらゆら揺れているからだ。
「おいおい、洗いにくいじゃねぇか。じっとしててくれや」
「あんッ、すみません」
 ピシリと、丸いヒップに平手が打ち込まれる。別に痛くはなかったが、名前も知らない男に「お尻ぺんぺん」される屈辱は大したものだ。
 毘沙門天代理である自分を、このように扱う者は、そういない。ぞくりと、腰が震えた。
「よっしゃ、次だ。口開けろ口」
「口ですか?」
「体だけ洗って終わりじゃ駄目だろ。歯磨きしてやるつってんだよ、ホレ」
 この状況でいう「歯磨き」が、まともなわけもない。それでも星は、彼に従って口腔を曝け出す。すぐさま、男は唇を重ねてきた。
「んぐぅッ――」
「ぶぢゅぅッ、ぶぢゅ、ぐぷッ、ぢゅる、レロレロレロ……」
 当然のように、舌がねじ込まれる。歯ブラシの代わりということなのだろう。口内の隅々まで、れろれろと舐め回してくる。
 唾液を送り込まれる。ろくに歯も磨いていないのか、酷い臭いだった。けれども彼女は、瞳を蕩かして嚥下する。施しは断らない主義なのだ。
 何か施されたらお返しするのが当然だ。こちらからも唾液を送れば、男はニタリと顔を歪ませながら味わっていく。
「むちゅッ、れろ、くちゅッ、んふぅッ、れろッ、れろれろ」
「ぶぢゅううぅッ、ぢゅるッ、ぐぷッ、ぢゅるッ、ぢゅるるぅ」
 静かな浴場に、ぢゅるぢゅると口腔の重なる音が響く。その間も彼の手は、柔らかな尻を這い回っていた。上下左右に、うどん生地をこねるかのように揉み回してくる。
「んはぁあ」
 たっぷり数分間交わって、ようやく口が離れた。唇の間を、唾の糸が伝う。彼はそれをチュルンと啜りとりながら、星の顔をまじまじと眺める。
「ヘッ、メスのツラしやがってよぉ」
「まさか、そんなはずは……」
「ヘッ、そうかよ、鏡見せてやろうかァ?」
 言いながら、プッと唾を吐いてくる。開きっぱなしの星の口腔へ落ちていく。煙草臭い粘液を、彼女は自ら飲み下した。出されたものはありがたく受け取るべしと、釈迦の教えにもあるからだ。
「アンタのほうは綺麗になったなァ。んじゃ、次は俺を洗ってもらおうかァ?」
「ええ、失礼しますね」
 木椅子にどっかと腰掛けながら、男は告げる。勿論だった。ニヤニヤと笑う彼の背に、密着する。そのまま、ゆっくりと、体を上下させはじめる。
 洗い落とさないままの石鹸の泡が潤滑油となり、ヌルッ、ぬるっと肌同士が擦れ合う。乳房が、特に先端が擦れ、淡い性感が訪れる。はっ、はっと、浅く甘い吐息が男の耳朶をくすぐっていく。
「はぁ、ンッ、く、ふぅん……」
「おうおう、背中ァ流してくれるのはありがてぇんだけどよ。せっかくだから腕も洗ってくれや。ちょうどいいタワシがあんだろ、ええ?」
「タワシ、ですか。ええ、分かりました。綺麗にさせていただきますね」
 ニタニタと、下卑た笑みを貼り付けている。この男は、自分にさらなる恥をかかせようとしているらしい。なんとまあ、素晴らしいことだろう。
 彼はわざとらしく、右腕を前方に突き出している。丸太のようにごつごつとした腕を、跨ぐ。秘部を擦りつけるように、ゆっくりと腰を前後させはじめた。
「ンッ、ふッ、んっ」
 ヌルッ、ヌルッと、秘唇が擦れていく。どうしてヌルヌルしているかなど、考えるまでもなく明らかだ。つまり、「石鹸の泡」である。はしたない蜜なわけもない。体を洗い合っているだけなのだから、興奮などするわけもないのだ。
 腰を揺らめかしていく。男を誘惑する、娼婦のような卑猥な腰使いだった。もちろん、偶然だ。こうするのが、洗うにあたって一番効率が良いだけ。いわば不可抗力である。
「ヘヘヘッ、キレーなアワビが目の前にありやがる。こーいうのをツマミにして、酒でも一杯ヤりてぇとこだな。俺ァワカメ酒が好きでよぉ、ヒヒッ」
「ああ、いいですねぇ……」
 あからさまなまでの猥褻な隠喩を、そのままの意味で受け取り、返す。ニタニタと、男は気色悪い笑みを浮かべている。お前にもっと恥をかかせてやると言わんばかりの笑みを。
「こんだけ毛深けりゃ、モップにできそうだな。今度うちの床中、掃除してもらおうかね。おあつらえ向けに、ヌルヌルしたワックスも出るみてぇじゃねぇか?」
「んッ、あはッ、あぁ……ッ」
 そのような下卑た目を向けられては、期待せずにいられない。もっと熱心に、彼の腕を清めていく。ヌルンッヌルンッと、彼の薄黒い肌の上で恥毛が擦れていく。
「ホォレ、手も綺麗にしてくれや」
「構いませんよ。では、壺洗いにしましょうか……」
 指をわきわきと蠢かしてくる。特に、中指を。何を暗示しているかは明らかだ。期待に胸を高鳴らせながら、彼女は自らの「たわし」を、男の手に近づけていく。
 指先が、己の入口に触れる。途端、向こうから中指を折り曲げる。狭穴を割り広げて、体内に侵入してくる。
「あはぁああぁッ……」
「おほッ、こりゃいいね、指が温かいぜ」
 濡れそぼっていた裂け目は、大した抵抗もなく男を受け入れる。ちゅこっちゅこっと、男は指を蠢かして、彼女の内側の感触を愉しんでいる。随分と発情している肉穴の内では、侵入者を襞が歓待していた。
「ッは、ンッ! く、ふッ、んぅう、はぁ、んぅう」
 指が、膣道半ばの腹側、粟立つ膣壁を擦り上げる。そこは、彼女の最も弱いところだ。思わず、腰と膝をカクつかせてしまう。声を抑えられない。
 彼女のような美女がそのような無様を晒す姿に、男はひどく興奮しているようだった。股座のモノは赤黒くいきり立ち、己の存在感を示していた。
「へへ、まぁこんなモンか?」
 指が引き抜かれる。ちゅぽッ、と、ひどくはしたない音が響いた。彼女が一連の行為に何を感じていたかを、端的に示していた。何分ほど行為を続けたろう、すっかり夢心地だ。
「あぁッ……」
「へッ、んなツラすんじゃねぇって。まだ湯船にも浸かってねぇだろ。もっとゆっくり、じっくり楽しもうじゃねぇか、ええ?」
「ええ、そのとおりですね」
 思わず喉から漏れた声を、男はからかう。んなツラというが、自分は一体、どのような顔をしてしまっているのだろう。どんどんと恥を暴き立てられている。それでいて、彼の言うとおり、まだことは始まったばかりなのだ。
 最後には、どのようにされてしまうのか。ぞくりと、体が震えた。
「さてと、温まるとするか?」
 泡と汁を洗い流し、二人して湯船に腰まで浸かる。連れたった様は、夫婦のように見えなくもない。二人の容姿があまりに釣り合わないこと、片方が下衆な欲望を丸出しにしていることを除けば、だが。
「ん……んッ」
 施設は古くとも、泉質はよい。乳白色の湯が体を温めてくれる。もっとも、腹の奥が火照っているのは、間違いなくそのおかげではないだろうが。
 男の手は当然のように太腿周りに触れ、敏感なエリアを撫で回していた。
「へへへ……」
 滑らかな手を、男が取る。自らの腰のあたりへ導いてくる。指先が硬いモノに触れる。濁り湯なので水中は見通せないが、何に触れているかなど、考えるまでもなく明らかだ。
「ウチは湯の中に子宝岩ってのがあってよぉ。撫で回すと安産祈願になんだわ。アンタにガキこさえるつもりがあるか知らねぇが、縁起担ぎついでに撫でてみろよ、ホレ」
 馬鹿馬鹿しい言い訳だった。けれども、こうした言い訳こそ、まさに彼女が必要としているものだった。
「そうなんですか。せっかくですし、あやかることにしましょうか……ふふ……」
 言われるまま、長く逞しい「岩」を、撫で回し始める。掌で包み込みながら、指を絡める。ゆっくりと扱き始める。手首のスナップを効かせつつ、ゆるゆると擦っていく。腕が動くたび、ぱちゃ、ぱちゃと、水音が鳴った。
「おッ、おッ、へへ、うまいじゃねぇか。もうちょっと強めだとちょうどいい感じだぜ、へへへ……ああそれから、タマも弄ると、もっと縁起がいいだろうなァ」
「こうでしょうか?」
「おッ! おッおッ! そうだよ、おほほ、やるじゃねぇの……!」
 男が腰を震わせる。ばしゃっと、湯が音をたてた。
 自分から子宝岩だのなんだの言っておきながら、隠す気もろくにない。が、無理もない話だった。快楽の期待に胸を疼かせる星の手つきは、たいそう卑猥なものになっていた。性のことなど考えていませんよ、という風を装いながら、指使いは娼婦のごとしだった。女日照りだろう彼が、平然としていられるわけもない。
 搾るように、根元から先端を弄んでいく。もう片手で、柔玉を優しくもみ解す。陰嚢を刺激し、精子を急造させていく。
 このようなことをしていれば、子宝に恵まれもするだろう――子がもたらされるために必要な行為について、想像せずにはいられない。考えれば考えるほど、胸が疼いた。
「へへッ、俺も安産祈願させてもらうとするかァ」
 そんな期待を見抜いたように、男は手を伸ばしてくる。またしても太腿に触れ、さらに両脚の内側へ忍び込んでくる。
 拒むことは簡単だ。だが、そうしなかった。そもそも、選択肢にものぼってこなかった。
 彼は単に、縁起物に触れようとしているだけ。ならどうして、止める必要があるだろう。
「あッ、は、あ――くぅん、ッふ、んぅう」
 指がまた、体内に潜り込んでくる。暖かな湯の中で、狭穴が探るようにほじくられる。体の中から外から温められ、甘い声が抑えられない。思わず、腰が小さく揺らめく。
「けけッ、淫乱がよぉ……」
「はぁ、ッ、あ、あん、はぁ……」
 小さな声で罵倒してくる。聞こえなかったふりをしながら、官能に酔いしれる。ぬちゅ、ぬちゅと、体内からねっとりした音が聞こえてくる。そのたびに、何にも代えられぬ性感がぞくぞくとこみ上げてくる。
「お、おッ。そうそう、もっと扱けェ」
 彼が熱心に祈祷するものだから、こちらも俄然熱が入る。搾りたてるような手つきは、誰にも見せるわけにはいかないものだ。仮にも毘沙門代理が、とびきりスケベな手つきで淫行にふけっているなど、スキャンダルどころの話ではない。
 幸い、見られることは絶対にない。乳白色の湯の透明度はゼロで、見通せないのだから。逆にいえば、何でもし放題ということだ。
「おおっと!」
 水面に、赤黒いものが姿を現す。小さな孔の空いた肉塊、いうまでもなく亀頭だった。
「そうそう、コレが不思議なことに、ウチの子宝岩は撫で回してるとこうやって浮かんでくるんだよなぁ」
「へぇ、不思議なこともあるものですねぇ?」
 白々しく言うので、こちらも乗っかる。男はニヤリと笑い、実にわざとらしく、ぽん、と手を打った。
「そういやぁ、こういうときは口で咥えるとといいって聞いたことがあるなァ」
「口でですか?」
「もちろん。しゃぶって吸いついて舐め回してやると特にいいらしいぜ? せっかくだし、やってみたらどうだよ?」
 無茶苦茶極まる言い訳だ。それで誤魔化される奴なんて、世界ひろしといえども一人も見つからないだろう。
 だが、重要なのは言い訳が立つことそのものだ。質はどうだっていい。
 だから、星は望んで、世界中のたった一人になる。
「では少し、失礼して……」
 彼に相対し、両脚の間に顔を近づけていく。肉棒はその三分の一ほどの姿を現していた。
 間近で見るに、立派な「岩」だ。こうまで雄大さと逞しさを感じさせる景色には、思わずうっとりとしてしまう。なるほど、御利益があるというのも頷ける話だった。
 さらに顔を近づける。首まで湯に浸かる勢いだ。柔らかで艶めいた唇と亀頭の距離が、どんどんと近づいていく。そうしてとうとう、ゼロになった。
 妖艶なリップと、汚らしい男根が触れ合う。むちゅぅっ、と、アダルティな音がした。挨拶代わりのキッスだが、にしては随分と熱烈だった。
「はぁん……」
 思わず鼻を鳴らす。雄々しい熱が唇を通じて伝わってくる。子宮を疼かせる熱だ。建前に過ぎないとはいえ、子沢山の御利益を感じずにはいられなかった。
「えぁあ……んふぅうッ」
 口を開き、口内に迎え入れる。ぬぷッ、ぬぷと、ゆっくりと呑み込んでいく。
 体内に、逞しい存在が入り込んでくる。銭湯の管理人のくせしてろくに風呂に入らないらしく、ソレは強い臭いを放っていた。普通なら顔をしかめずにいられないはずのものは、今の星には強烈にキく。
 脳味噌が痺れるような臭気と味。
 コレだ。コレを求めていたのだ。
「んふぅ――ぢゅるッ、ぢゅぷッ、ぐぷッ、れろッ、れるッ、ぢゅるぅう」
 うっとりしながら、しゃぶりたて始める。
 頭を前後させる。頬を窄めてぢゅうぢゅう吸いつきながら、唇で扱きあげる。
「ぢゅッ、れろッ、れろれろれろ……ぢゅるぅ、んぷッ、くぷッ、ぢゅるぅ」
 口内では、口壁や口蓋で亀頭を擦り上げながら、舌がれろれろと裏筋や幹を責める。
 奉仕の熱心さたるや、売春婦も顔負けのものだった。性に対する強烈な欲求が、彼女を突き動かしているのだ。
「んぷぅう……」
 深くまで咥え込むと、顔面が湯に沈む。目を閉じて守りながら、体内に忍び込んだモノに神経を集中させる。力強いフォルムを、頭で思い描く。
 根元の玉を指先で弄びながら、竿全体を舐め回す。体を蠢かすたび、ちゃぽ、ちゃぱと、湯の音が響いて浴室全体に反響する。
「ぷふッ、んふッ……ふぅ」
 ときおり、顔を引く。深く咥えるためには、どうしても鼻まで湯に浸かる必要がある。とはいえ流石に、息が続かなかったのだ。
 生理的に息が続かないのでしょうがないのだが、それを不満がるものがいた。他ならぬ番頭の男だ。彼は顔をしかめつつ、吐き捨てる。
「オイオイ、何やってんだよ。そんなんじゃ御利益にならねぇぞ? 俺のチンポ……じゃねえや、子宝岩ってのはよ、そんな甘っちょろいフェラじゃ満足しねぇんだよ」
「んむぅう」
「何いってっか分かんねえっての。しょうがねぇなぁ、俺が手本ってもんを見せてやる」
「ン? ――ぐぶぅッ!?」
 宣言とともに、不意に、後頭部を鷲づかみにされる。そのまま、グッと引き寄せられた。
 当然、肉棒は奥深くまで彼女を刺し貫く。喉の奥まで先端が届き、横隔膜がせり上がる。驚きから、息が漏れる。額まで水中に沈んでいたため、ぼこぼこと水面に泡が浮かんだ。
 突然のことに、腕をバタつかせる。それでも彼は星を解放するつもりはないらしかった。むしろ、一層虐げるように、グイグイと引き寄せてくる。
「ンフッ、ごッ、ぐ、んぐぅッ、ぐぶッ」
 男はあろうことか、小さく腰を前後させて、星の口腔に――いや、喉にまで肉竿を突き込んでくる。本来なら固形物が入り込まないようなところを刺激されて、体が驚いている。筋肉の不随意反応で、酸素が相当な速度で消費されていく。
「ぐッ、ぐぶ、っぢゅるッ、れろッ、ぐぷッ、ごッ、ごふぅうッ」
 彼女には、指摘された過ちを正すだけの聡明さが備わっている。空気が足りないことの苦しさを覚えながらも、熱烈な奉仕を行っていた。頬を窄めて吸いつきながら、幹全体に舌を這わせて、舐め回し続ける。
「ぐッ、……ふッ、く、んッ、ううッ、くぅ」
 湯に沈められるのは苦しいが、同時に安堵を感じてもいた。助平を晒さず済むからだ。
 このように熱烈にペニスにしゃぶりついている以上、とんでもなく卑猥な顔をしていることだろう。見られていたら、どう言いつくろったって言い訳がたたない顔を。今なら、乳白色の湯で隠れているから、どれだけでも助平な顔をさらせる。
「ホレホレ、溺れたくなきゃぁ頑張れよぉ」
「んぐぅうッ、ぐッ、くぅッ、んぐッ、んぅうッ」
 男はこちらの頭を掴んで、道具でも扱うように雑にペニスに奉仕させてくる。星も星で、ぢゅぽぢゅぽと男根に尽くし続ける。
 その合間も、彼女の手は蠢き続けていた。湯の中で、己の股座を弄び続けていた。無論、イラマチオに興奮してオナニーしているわけではない。膣穴に指で蓋をしているのだ。
 淫裂は興奮のあまり、淫ら汁をしとどに垂れ流してしまっている。皆が浸かる銭湯で、自分の体液で湯を汚すのは忍びない。そういうわけで、塞いでいるのだ。ちょっと膣襞を擦ったり、抉ったりもするが、まあ愛嬌というものだ。
「んふぅうッ、ぢゅるッ、ぢゅるぅうッ、ぉゴッ、んぐぅうッ」
「ぉおゥ、おお、おおおぅッ、クソ、出すぞオラ!」
 そうやって己の性感帯を嬲るほど、口淫は熱烈になっていく。彼が限界を迎えるまで、さほど時間はかからなかった。ただでさえ、色町でも見ない美女を相手に好き放題できるのだ。興奮しきりとは、まさにこのことだった。
 男が呻くと同時に、口内の「岩」が力強く脈動する。強烈な熱い汁がぶちまけられる。
 苦くエグく、味覚を痺れさせる。舌にでろでろと絡みついてくる。最低最悪だが、星のような女にとっては、強烈に魅惑的な味だった。
「おッ、子宝汁が出たぜ。そいつに子沢山の御利益が詰まってんだ。せっかく出たんだし、全部飲み干せよぉ?」
 そう言われてしまっては、飲まずにはいられない。息が苦しいことも忘れて、んぐんぐと飲み下していく。
 そうしている間も、指の動きはなおも続いている。むしろ、いっそう激しくなってすらいた。ぐぢょッ、ぐぢょっと、体内から音が聞こえるたび、ぞくぞくと性感が背筋を伝い脳味噌まで伝わる。精飲の悦びも相まって、くらくらしてしまう。
「ホレホレ、便女にしてやるぜ、ヒヒヒ」
「んぐ……、ッ、ぐッ」
 肉棒の脈動が終わり、子宝汁も飲み終える。ようやく息ができると思ったのもつかの間、なおも終わらない。
 じょろじょろと、口内に熱い液が注がれる。明らかに、彼のいう子宝汁とは違っていた。より生臭く、量もたっぷりとあって――きっと、排泄しているに違いなかった。
 女性の口で小用を足すなど、信じられない暴挙だ。抗議してもいいくらいだ。しかし、ふと考える。本当に彼は排尿しているのだろうか? と。実際に確認したわけではない。口内に吐き出されるものの様子から、そうではないかと推測しているに過ぎない。そして今は、とても事実を確認できる状況にはない。
 疑わしきを罰するのはよろしくないことだ。よって、今吐き出されているコレも、暫定的に子宝汁だと考えることにする。
 となると、今じょろじょろと注がれているこれは、御利益のあるありがたい汁だということになる。喉を鳴らして、嚥下していく。
「んふぅう――ッ」
 生臭く熱い汁が、胃に下りていく。小便器になった気分だ。普通なら屈辱的で、嫌悪を抱く場面なのだろう。しかし星は、熱い恍惚を覚えていた。こうした酷い扱いは、毘沙門代理として働いているときには、決してしてもらえないものであるがゆえに。
「ッ、くッ、んぅうッ、んぅうッ、くぅううん……ッ」
 膣内にねじ込んだ指を激しく踊らせては、毛深いヴァギナを自ら虐めていく。マスターベーションのエクスタシーと酸素不足による痙攣を繰り返す。視界は次第に暗くなって、意識が朦朧とする。
「ッおお、へへ、二重の意味で出したなァ」
「……ぷはッ、は、ッ、は、ッ、は――ッ」
 ようやく解放されたころ、彼女は半ば意識を放り出していた。
 虚ろな瞳でぐったりした星を、男は湯船の縁にもたれかからせる。一度浴室を後にして、しばらく後に戻ってきた。
「オイ起きろよ、いつまで寝てやがんだ?」
「ん……はぁ」
 頬をペニスで叩かれ、意識が戻る。あれほど硬かったモノは、半萎えに戻っていた。
 ニタニタと笑いながら、男はこちらを見下している。目には、他人に対して当然向けるべき敬意が全く窺えなかった。
「いやぁ悪いな、オンナはこうやって起こすのが効果的って聞いたもんでよォ」
「あ、ッ……はぁ」
 頬の先端に肉棒を押しつけながら、当然のように男は言う。ねっとりと口淫を受けたというのにソレはむわりと雄臭を漂わせている。無茶苦茶な言い分だったが、理にかなってもいた。こんなものを目の前にぶら下げられたなら、どんなオンナだろうと、飛び起きて興奮せずにはいられないだろうから。まさしく、今の星のように
 汚らしいものを押しつけられたことには抗議もせず、ありがとうございますと星は返す。
「いいってことよ。それより、のぼせてもよくねぇから、とっととあがろうぜ」
 言われるまま、男についていく。当然のように腰を抱き、尻を撫でてくるが、もはや何も言うことはなかった。
 備え付けの湿っぽいタオルで体を拭う――切らしていると言っていたが、やはりあったのではないか。いやまあ、分かりきったことではあったし、責めるつもりも毛頭ないが。
 乳房や腰回りに手が這うのを、男は不躾な視線でじろじろ眺めていた。とくに、先ほどたっぷりと「祈祷」した口元や、明らかに湯以外のもので濡れている股ぐらを。
「ふぅ……。えっ?」
 体を乾かし、さて服を着るかと脱衣籠を見る。だが、空っぽだった。棚を間違えたかと思ったが、間違えるほど広い脱衣所でもない。
 明らかに、無くなっている。
「あー、やられたな。言ったろ? 脱衣所で盗みを働くやつがいるってよぉ。気の毒だな。ウチとしちゃ、荷物の管理は自己責任っつうことになってんだが、女に裸のまま帰れっていうのもなんだよなぁ」
 肩に腕を回しながら、彼は言う。私がパクりましたよと、悪意まみれの顔に書いてある。だが、指摘はしなかった。どうせしらばっくれるだろうし――彼を意図して、そんな行為に出たか、期待していたからだ。
「今晩はもう服屋が閉まってるから、明日の朝、適当に買ってきてやるよ。だから今日は一晩泊まってけよ。ウチは民宿もやってっから、部屋なら空いてんだよ」
「あ、は、よろしいんですか?」
「もちろん。だから泊まってけ、そうしろ」
 両脚の間に手を潜り込ませ、淫裂をなぞり上げてくる。こういうふうにされたら逆らえないだろ? と言わんばかりだった。口調も、有無を言わさぬものだった。
 泊まれば最後、碌なことにならないのは分かっている。女が泊まるのはオススメしないと説明したのは、他ならぬ彼だ。
 だが、こんな風に期待をもたせるように秘部をなぞられたら、快楽を望む雌である星が、拒めるわけもない。何より、セックスを望む彼女の本能が、男の住処に一晩泊まるというシチュエーションを、酷く魅力的に感じていた。
「そうですね、お手数をかけて申し訳ありませんが、そうさせていただきましょうか」
 ゆえに星は、受け入れるべきでない話を受け入れる。
 言い終わった瞬間、腹の奥が疼いた。我ながら、とんでもないことを口にしてしまった。だが同時に、これで一晩、普段隠し通している欲望を解き放てると、期待を抱いてもいた。
「決まりだな。よしじゃあ、宿泊名簿に記入だな。アンタ名前は?」
「寅丸星といいます」
 男は素っ裸のまま番台の方まで戻ると、筆と薄い手帳を持ってくる。応えると、片眉を吊り上げる。やけにわざとらしい仕草だった。
「トラマル……? 悪い、漢字が分かんねえわ。教えてくれや」
 指で空中に書いてみせたが、男はぴんと来ていないようだった。
「指じゃ分かんねぇな、ケツで書いてくれや」
「えっ……?」
「分かんねぇか? こっちにケツ向けて字ィ書いてくれりゃ、よぉく分かるつってんだ。泊まりてぇなら早くやれや、じゃねぇと裸のまま外に追い出すぞ」
 ニヤニヤと笑いながら、乱暴に言い捨てる。どっちの結果に転んでもおもしれぇな、と言わんばかりだった。
 馬鹿げた話だ。普通に考えて、星が代筆すればいいだけなのだから。そもそも宿泊台帳というのは普通、泊まる側が書くものではないのか。
 ――などという指摘は、どうでもいい。いそいそと、彼に背を向ける。中腰になって、尻を突き出した。ぷりっとしたヒップ、ヒクつく淫裂、なんなら肛門まで丸見えだろう。
「寅丸星とは、このように書きます……」
 寅の字で小刻みにクイクイと蠢めかす。丸の字でダイナミックに腰を躍らせる。星の字は横線が多いため、ふりふりと左右にくねらせることになる。一筆一筆、全ての動作が、男を誘惑しているようだった。
 書き終え、男を振り返れば、彼は自らの肉棒を扱き立てていた。
「あ? ああ悪い、アンタがあんまりエロいから、ついな。ってか見てなかったわ、エロすぎるのが悪いんだからもう一回やれ」
「あはッ……はい」
 なんという扱いだろうか。薄暗い悦びを見出しながら、尻をふりふり、とびきりの恥をもう一度かく。湯上がりに拭ったはずだというのに、太腿の間をねっとりした汁が伝った。
「なるほどねぇ。よぉくわかったぜ、そんじゃぁ寝室まで連れてってやるよ……ああでも、その前にだ。……ペッ!」
 姿勢を戻した星の目前に、男は立つ。蕩けた顔に、唾してみせた。
「ド淫乱のバカオンナがよぉ、自分がやってることが頭おかしいってわかってっかよォ。ヘッ。ウチの無料サービスだ、一晩中死ぬほどハメ倒してやるから覚悟しろよ、ええ?」
「あはぁ――ッ!」
 吐き捨てながら、尻肉を鷲づかみにしてくる。太腿あたりに、ガチガチに勃起した肉棒を押し当ててくる。もはや隠す気もない物言いに、ぞくりと腰を震わせる。
 一晩明けたとき、自分が一体どうなっているか、それは分からない。
 だがこれから、何をしていただけるかは、よく分かっていた。
「オイ、口開けろ口」
「はい……むぢゅぅうッ」
 言われるままに従えば、唇を奪われる。熱烈なキスを交わし、腰を抱かれ秘裂を弄ばれながら、寝室に案内される。先ほど通りがかった、女が犯されるという、あの部屋へ。
 客室は、「室」と呼べるほどの面積もなかった。広さにして三畳ほどで、物置を転用していますといったほうがしっくりくる。敷きっぱなしの布団は黄ばんでおり、使い込まれていることが窺えた。
 こんな汚らしい部屋で、朝まで彼に抱かれる。普通の女なら、泣いて嫌がるのだろう。星はどうか? ――もはや、語るまでもない。
「オラ」
「あぁッ!」
 乱暴に、布団の上に放り投げられる。綿が潰れきっており、クッションにもならない。
 男は一物をいきり立たせている。根元の玉は、先ほど大量に射精したにもかかわらず、驚くほど膨れ上がっていた。目の前の雌に種をつけるぞと、。
「あんだけ『子宝祈願』してやがったオンナだ、ぜってぇ孕ませてやる。膨らんでく自分の腹ァ見て悦ぶ、とんでもねぇ変態にしてやるからなァ」
 欲情は極限の域に達しているようだった。好色の視線は、もはや睨み付けるようなものになっていた。思わず、濡れてしまう。
「んで、何ぼうっとしてやがるんだカス。お前はハメ倒しサービスがご希望なんだろが。サービスご利用のためには申し込みが必要でよぉ。さっさとチンポねだれやコラ」
 おねだり。
 言うまでもなく、自ら淫乱を晒す行為だ。だが、サービスの申し込みに必要なら、仕方ない。生来の生真面目さも手伝い、星はとびきりいやらしい仕草と言葉で彼を誘う。
 布団の上に四つん這いになり、男に尻を突き出す。ぐしょぐしょに蕩けた陰唇を、自らの指で割り開き、奥まで彼に見せつける。ヒクッ、ヒクッと収縮する卑猥粘膜をだ。
「あはぁ――私、寅丸星は、ハメられたがりで犯されたがりの、淫乱で、変態な雌です。レイプされたくて、この銭湯を訪ねました。今も、おチンポをハメてもらうことを考えるだけで、おマンコから涎が垂れています。どうか一晩私を犯し倒して、このどうしようもない雌に自らの分際を教えていただけませんでしょうか。子宮の中をザーメン漬けにして、歩くたび中出し精液が滴る卑猥マンコにしてくださいませ。どうかお願い致しまムグゥ」
 言葉が紡がれきることはなかった。頭に重たいものがのしかかり、布団に突っ伏すことになったからだ。汚い足裏で、男が踏んできたがゆえに。
「ハッ! よく言ったなァ、ええ? 悪いが、このサービスはキャンセルできねぇんだわ。泣こうが喚こうがイき狂って気絶しようが、夜が明けるまでレイプしまくってやるからな。けけけ、マンコが擦り切れるまで使いまくって、女として終わらせてやるよ。よかったな、色キチガイのド変態女が、あぁ?」
「ムムゥ……ッ」
 踏みつけられていてよかったと、心の底から思った。思わず漏らしてしまった甘い声を、聞かれずに済んだ。無慈悲な宣言に蕩けた顔を見られずに済んだ。
「さぁて、お望み通りにしてやるよ淫乱。覚悟しろや」
「む、むぅ――んハッ、は、あはぁッ……」
 足がのけられる。代わりに、反り立つ棒が秘唇に押し当てられる。手で触れ口で味わうより、ずっと熱く硬かった。
 こんなものが体内に入ってくるなど、考えるだけでおそろしいことだ。だというのに、覚えるのはどうしようもない期待だった。
 腰が、今すぐにでも挿入してほしいと言わんばかりにくねる。ヘッと、嘲笑が聞こえた。
「オイオイ焦るなよぉ、今挿入れて、やるから、よォ!」
「あぁああああああああああああッ!」
 腰が突き出される。狭穴を押し広げて、剛直が体内に入り込んでくる。ぬぶんッ! と、低い音が聞こえた。彼女の操が、陵辱された音だった。
 恐ろしいほど熱い。白熱する鉄棒を、ヴァギナに直接突っ込まれたようだった。神経が焼かれているようにも感じる。
 だというのに、たまらなくいい。背骨から登ってきた性感が脳味噌の裏側を直撃する。目の裏に火花が散るような性感に、声を抑えられない。
「はひッ、ぉほッ、はぁ、ッ、あッ、はぁッ、ああああッ」
 腰をがくがくと震わせながら、久しぶりのセックスの快楽に溺れる。いきなり、大満足だった。何より素晴らしいのは、これがまだまだ序の口だということだ。
 なにせここからが、セックスの始まりなのだから。
「おら、大好きなチンポだぞクソ女、たっぷり味わえやオラ!」
「あっはぁッ! あッ、は、ッ、ああ、あぁあッ!」
 そのことを裏付けるように、容赦ない抽送が繰り出される。ヴァギナをオナホール扱いするような、乱暴な腰使いだ。一方で偏執的でもあり、目の前の女をヨガり狂わせてやるのだという強烈な意思も感じさせる。
「ひぃッ、あはぁッ、くひ、ぉッ、あ、はぁんッ! あッあ、ああ!」
 ばしんッ、ばしんッと、男の下腹が尻肉に打ち付けられるたび、打擲音が響く。重量級のピストンだ。濡れた淫肉をペニスが掻き回して、どぢゅんッ、どぢゅんと卑猥な水音をあげる。そのたびに、星は体を震わせ、熱いよがり声をあげる。
「ヘッ、エロい声あげやがってよぉ。ンな声出されたら、もっと頑張りたくなるだろうが、ええッ!?」
「あ、あ、あーッ!」
 星の髪を引っ掴み、しゃくり上げるような深いストロークを繰り出してくる。ごりッ、ごりッと、亀頭が一番いいところを抉る。目を白黒させ、口端から涎すら垂らして悶える。
 一突きされるたびに内に秘めていたオンナを暴かれていくようだった。毘沙門代理から、卑猥な雌へと造り替えられていく。それでもいいと思えるくらい、素敵な陵辱だ。
「おッ、お、なんだ、やる気出してきやがってよぉ、チンポに夢中ってかよォ!」
 そんなことをされたら、もう恥も外聞もかなぐり捨てて、快楽を求めずにはいられない。自らも、腰をくねらせていく。
 瑞々しく丸い魅力的なヒップを、男の抽送に合わせて躍らせる。室内に木霊する水音が、いっそう強くなっていく。
「おおッ、おお、おおッ、オラ、鳴けや変態がァ!」
「はひッ、あはぁッ、あッ、ぉおッ、くひぃい、あ、ああぁああ!」
 眼前の光景の卑猥さと、肉棒に伝わる性感に、男は強烈な情動を覚えたらしい。狂ったような声をあげながら、何度も腰を繰り出してくる。亀頭が抜けそうなほど腰を引いては、一番深くまで突いてくる。
 大きなストロークから繰り出される強烈なピストンに、歓喜の声を上げてよがる。その声がまた、彼を昂ぶらせる。
「あークソッ、淫乱女がよぉ、どんだけエロいんだよ。変態のマゾのくせして締め付けてきやがってよ。そんなにザーメンがほしいんか!? ええッ!?」
「あ、ひッ、ひぃいいッ!?」
 強烈な情動は、凄まじいピストンをもってもまだ足りないほどだったらしい。ぴしィッと、鋭い鞭の音が響いた。正確には、鞭ではなく平手だが。
 スパンキングされたのだ。突然の痛みに悲鳴があがる。
 だが、男は容赦を知らない。何度も何度も、ぴしゃりぴしゃりと平手を繰り出してくる。痛みとともに襲い来る性感に、背を反らしてよがる。執拗に叩かれ、尻肉が赤く染まる。さながら、猿のようだった。
「あはぁあッ、あぁんッ、くはッ、あぉッ、ひッ、んんぅうッ!」
 叩かれるほどにくねくねと腰を振っては、ヴァギナを締め付ける。そのようにされて、男が長く堪えられるわけもなかった。
「あぁクソ、上ってきた。おらァ淫乱! まずは一発目だぞコラ!」
「はひッ、あは、出して、出して、出してくださッ、中出しでイカせてぇえ!」
 宣言とともに、抽送が際限なく速くなっていく。膣穴が擦り切れそうな勢いだった。
 膣内射精されようとしている。望まぬ妊娠を強いられようとしている。にも拘わらず、星は熱い期待を抱いていた。
 "まずは"一発目、と彼は言った。事前に宣言していたとおり、一晩中自分を犯すつもりでなければ、出て来ない台詞だった。有言実行の男性は素敵だ。まして、こんなに気持ちよくしてくれたのだから、子宮を捧げるくらいはわけもないと思えた。
 どうぞ、という意思を込めて、キュウッと膣穴を締め付ける。それが呼び水となった。
「おら、イけ――おおおおおッ!」
 腰がいっとう深く突き出される。亀頭が子宮口と密着する。ドチュンッ、と体内で音が聞こえた瞬間、彼は欲望を解き放った。
 肉棒が逞しく、力強く脈動する。ドッ、ドッ、と、根元から先端にかけて膨れ上がり、欲望を放ち始める。溶岩のように熱いリキッドが、子宮内に注がれていく。寅丸星を堕落させるべく、鞭毛を振って動き始める。
「あッ、はッ、あ、あ、あ――あぁあああああああああッ!」
 そんなことをされて、アクメを迎えずにいられるわけもなかった。圧倒的な性感の前に、全身を痙攣させ、背中を反らし絶頂する。危険な病の発作のように、体はがくッがくッと痙攣を繰り返す。喉から蕩けきった嬌声が飛び出す。
 ピシィッ! と、場を締めるような平手が繰り出された。それを最後に、彼女は布団に崩れ落ちた。
「あはッ、あはぁあ、はッ、あ、あはぁッ、あ、あぁ……」
「おッ、お、お――……ったくこの女……金玉の中身全部持ってくつもりかよ?」
 やがて、肉棒の脈動が終わる。男は軽く息をつき、射精したばかりのペニスを引き抜く。ぬぽぉ……と、ねっとりした音が響く。膣口から亀頭にかけて、白濁した糸が伝っていた。彼女がごろつきの性欲のはけ口にされたことを示す、何より分かりやすい証拠だった。
「おら、お前が汚したチンポだぞ、淫乱が」
「はッ、は……あ、あはぁ……れる、れろれろ……」
 魔羅は精液と愛液にまみれ、べとべとだ。ソレを彼は、布団に崩れ惚けたままの彼女の顔面に押しつける。無意識のうちに、舌を伸ばし舐め回し始める。美貌をでろでろの体液まみれにされながら、肉棒奉仕を繰り返す。
「へへへ、上出来じゃねぇか。イイ顔、イイカラダ、マンコも最高ときた。ったく、一晩じゃもったいねぇな。……そうだ、一晩と言わず一週間くらい泊まっていけよ。お望みのセックスもたっぷりして、俺好みのエロオンナに躾けてやるよ。いいだろ? っつうか、そうしろ」
「あはぁ……ッ」
 そういうわけにはいかない。
 今日は外泊すると寺の面々に伝えているが、明日以降は普通に本尊としての仕事がある。一週間も行方をくらませたら、流石に大事になるだろう。
 そうでなくとも、断じて受け入れるわけにはいかない命令だ。だがしかし、一週間ものセックス漬けの生活。どれほどの恍惚を、恥を、屈辱をもたらしてくれるだろう。考えるだけで胸が蕩ける。
「はい、ご迷惑でなければ、ぜひ……」
 気づけば、頷いていた。その瞬間の男の顔は、実に凶悪で、満足げだった。
「ヘヘヘ、そう言うと思ったぜ。んじゃ、まずは景気づけに二発目といこうか。ええ?」
「あはッ、あ、あ――あぁああああッ!」
 覆い被さられ、両脚を開かれる。剥き出しの秘唇に、ペニスが侵入してくる。これからの生活に胸を弾ませながら、彼女は意識を快楽に蕩かせていった。
コミッションで書いたやつでした
喚く狂人
http://twitter.com/wamekukyouzin
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