真・東方夜伽話

口のきけない肉便器

2020/02/25 00:00:24
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口のきけない肉便器

喚く狂人

地上にこっそり通っては浮浪者に輪姦してもらってる稀神サグメさんのスケベです

 人里といっても単純ではなく、いくつかの地区に分かれている。中にはスラムもある。掘っ立て小屋がひしめき、路上生活者も多い。排泄物や生ゴミの不衛生な臭いが常に漂い、治安も悪い。間違っても、女性が夜に一人で出歩く場所ではなかった。
 そんな中を、サグメは堂々と出歩いていた。貧民窟では珍しいくらい上等な身なりで、しかも目をむくほどの美人である。当然、好奇の視線をを浴びる。よからぬことを企む者がいてもおかしくない状況だが、不思議と誰も手を出そうとはしなかった。
 すれ違うのすら困難な隘路を、縫うようにして進む。辿り着いたのは一軒のボロ小屋だ。簡易的な集会所として使われており、今にも崩れそうなのを、どこかから拾ってきた木材で補強している。貧民窟では、十分に立派な部類だった。
 建付けの悪い戸を開く。中は貧相な八畳間で、三十から五十歳ほどの男達が車座になり、安酒を飲んでいた。
 途端、異臭が鼻をつく。浮浪者どもの体臭だ。こんな地区の住人が、まともに入浴などできるわけもない。衣服もぼろぼろで、汗や垢にまみれている。まして密室に籠もれば、目に染みるような匂いに満ちるのは当然のことだった。
 麗しい眉がきゅっとひそめられる。何度嗅いでも、最初は気分が悪くなる。とはいえ、最初だけだ。嗅覚はすぐに順応する。慣れると、また地上に来たのだと意識させられる。腹の奥が、じゅんと潤むのを感じた。
 無数の目が向けられる。現れたのが誰か気づくなり、彼らはニヤリと顔を歪ませた。
「なんだ、便器ちゃんかよ。今日もハメてもらいにきたのかよ? ええ?」
 とうてい女性に向けるようなものではない、下卑た視線を浴びせられる。言葉使いも、ひどく野卑なものだった。理不尽な理由などなにもなく、いるべくして底辺にいるのだと、すぐに分かるような口調だった。
 不快に思って当然の扱いを、訪ねて早々受けているのに、サグメは怒りもしなかった。むしろ、瞳を熱く潤ませている。腹の奥に、じくじくと疼くような熱を覚えている。
「そんなとこに突っ立っとらんで、こっち来んか、ホレ、こっち」
「いやぁ、相変わらず人形みてぇに綺麗な顔してるなぁ」
「こんなオンナ、里じゃそうそう見かけねぇぞマジで」
 招かれ、床の間に上がる。男達は酒を部屋の隅に片し、サグメを車座の中央に立たせた。口々に感想を述べながら、無遠慮に見つめてくる。不躾で、恥知らずな目つきだった。
 あまりにも無礼だが、人形のようなという評価は、必ずしも間違ったものではなかった。実際、彼女は、そうそう転がっているものではない美の持ち主だった。
 ふんわりした銀のくせっ毛は、月光に煌めくほど艶がある。肌は滑らかで白く、静脈の青色を透けさせるほどだ。日光というものを知らずに生きてきたかのようだ。
 瞼はやや釣りぎみの切れ長で、冴えた紅緋色の瞳が理知を湛えている。何も口にせぬと言わんばかりに、唇は引き結ばれている。瑞々しく透明感があり、アプリコットのリップが印象的だった。無口と無表情が、作り物めいた雰囲気を醸し出している。
「で? 何ボケッとしてんだよ。 ここに来たってコトは、また可愛がってほしいんだろ。なら、分かってんだろ? とっとと脱げよ、ええ?」
 誰もが憧れ、しかし高嶺の花だと諦めるような美貌を前にして、男達はまったく気後れする様子を見せなかった。むしろ、相手が地上ではありえないほど美しいからこそ、調子に乗り見下しているようだった。とんでもない言葉を吐きながら、顎をしゃくってくる。
 かつてなら激怒して、玉兎どもに地上浄化を命じていただろう。けれども今だけは別に構わない。瞳を潤ませながら、言われるがままに、己の衣服に手をかける。誰に対しても秘められるべき珠の肌を、最底辺の男共の前で晒してみせた。
 顔立ちの際立った美しさについて、改めて説明の必要はあるまい。肉体も負けず劣らずのものだった。怜悧な相貌に似合う、すらりとしながらも女性らしい体つきだ。基本的に文官仕事であるため、筋肉量は少なく、華奢な印象がある。絶妙な曲線が、ガラス細工のような緻密な美を演出していた。
 少し力を入れて絞めれば折れてしまいそうなほど、首はほっそりしている。胸鎖乳突筋が艶のあるラインを描いている。鎖骨は優雅に左右へと伸びており、やがてなだらかな肩と行き会う。コケティッシュな魅力を振りまいていた。
 Cカップ前後の乳房は、小さすぎず、大きすぎず、フェミニンな美しさを感じさせる。計算され尽くしたかのような柔らかなカーブが、魅惑的な乳房を形作って、細い体つきにメリハリを与えている。小さめの乳輪は淡い色合いで、乳輪も小さめだ。控えめながら、肌の白さゆえに十分すぎるほど目立っていた。
 ゆるりとくびれた腰回りは、女体かくあるべしというような、理想的曲線を象っている。一方で、全くわざとらしいところのない、自然な輪郭でもあった。腹は肉付きの薄さゆえ平面的で、凹凸が少ない。縦に走った臍が、素晴らしいアクセントになっていた。
 骨盤の開きは緩やかながら、元がスレンダー体型なため、十分に女を感じられる。陰毛は頭髪をやや濃くした銀色で、よく整えられている。穢れなき月の都で過ごしているため体毛は薄く、地肌がほんのり窺える。よく整えられた庭園のようだった。
 問題は恥部だ。性行為は穢れに直結する営みなので、月面では厳しく規制されている。自慰ですら当局に申請を出して、監視の下で行われるほどだ。そんな場所で暮らしながら、彼女の膣は、あり得ないほど卑猥に花開いていた。はみ出す小陰唇とぷっくり膨らむ肉豆が、経験回数を暗に物語っている。ヒク、ヒクと蠢く様は、食虫花のようですらあった。
 後ろに回れば、白い背中が映る。舌を這わせ唾液の痕を残したくなる、麗しのバックだ。
ヒップサイズは控えめだが、大臀筋の上に脂肪を適度に纏い、ぷりんとしている。つんと上向いた、形の良い美尻だ。白鷺のような脚部と合わさり、魅力的な下半身となっている。
 ひゅう、ひゅうと、囃す口笛が響いた。
「おほぉ、相変わらずイイ身体しとるなぁ、便器ちゃんは。たまらんわい」
 息を飲むほどの女体が目の前にある。色町を隅から隅まで探しても見つからないほどの美体が。当然、貧民窟の連中などは、逆立ちしたって手が出せない。まさに高嶺の花だ。
 にもかかわらず、男達は全く気後れすることもなかった。当然のように彼女を見ている。下卑た視線で舐めるように見つめ、性欲を刺激するための材料にしていた。本来ならば、感激し両手を合わせて拝んでしかるべきだというのに。
 もちろん彼らとて、最初はそうしていたのだ。ただ、何度も経験すれば、驚きは薄れる。何度も何度も何度も犯し、たっぷり使い込んできたゆえに、裸を見るくらいは当たり前として考えるようになっていたのだ。
 きっかけを辿りにたどれば、イーグルラヴィの二人から届いた報告書になるだろうか。描かれたくらしに興味を抱き、槐安通路経由で遊びに行った。一応お忍びだったのだが、あり得ないほど美しく、しかも地上の作法に疎いサグメは、悪目立ちした。それで運悪く、ごろつきに絡まれてしまったのだ。
 実のところ、アレが「ごろつき」という人種だと知ったのは、色々終わってからだった。そういう輩が月都には居ないのだ。当然、あしらい方も分からず、言葉巧みにねぐらに連れ込まれ犯されてしまった。
 性交といえば、月都では禁忌同然に扱われる行為だ。まして地上の者と閨を共にしたとなれば、一生モノの傷跡といってよい。ただ、ひとつ予想外だったのは、それがあまりに良かったということだ。忌避感を無視してでも、求めてしまうほどには。
 以来、こっそり地上を訪ねては、行きずりの男を漁るようになった。相手は、見知らぬ女に行為をねだられ、すぐさま手出しをする輩――慎みという概念のない者が中心となる。自然と、足は底辺どもの住まう場、貧民窟に向かうようになっていった。
 視界に入れるのも憚られるような連中と、積極的に交わっていった結果が、今の立場だ。今やすっかり、共用の肉便器として、男共に顔・肉体・具合を知られていた。
 夜道を一人で歩いていても、何も起きないわけだ。みんなのものを独り占めするようなやつは、共同体では生きていけないのだ。
「よぉし、ほんじゃあまずは挨拶からしてみろよ、ええ?」
 顎をしゃくられる。もちろん、舌禍の力をもつ以上、おいそれと喋るわけにはいかない。男達に細かい事情までは伝わっていないが、彼女が口をきけないことは広まっていた。
 ゆえに挨拶というのは、別の手段でもって行われる。自分が犯されたがりの変態であることを、身振り手振りで相手に知らせるのだ。
 彼らの見ている目の前で、小汚い床に腰を下ろす。ただの板張りだが、やけにヌルヌルしている。自らの身体に、指を這わせていく。
「……ん」
 まずは柔らかな乳房からだ。なだらかな膨らみを、撫で回していく。曖昧な性感が、ぞわぞわと身体を震わせる。
 本来ならば殆ど何も感じないような行為で、気持ちよくなるようになっていた。何度も――何十回も、経験を重ねてきたがゆえのことだった。
「は、ふっ、んは」
 ぷっくりと膨れた乳首を、親指と人差し指でつまみ、くりっ、くりっと転がしていく。ぴりぴりとした性感に、喉の奥から声が漏れる。
 とんでもない痴態を晒している。月基準でいえば、二度と表を歩けないくらいだ。だが、男達はまったく満足していないようだった。むしろ、次々にブーイングしてくる。
「おい、何をつまらねぇことやってんだよ。酒の肴にもなりゃしねぇぞ」
「いつもみたいにハメ倒してほしいんやろうが? そんなつまんらんオナニーで、チンポハメてもらえるとでも思っとるんか? ええ?」
 彼らの言うとおりだ。今しているのは単なる自涜ではない。己がどれだけ卑猥な行為を望んでいるを示す、一種の儀式だ。興奮させることが重要だった。もっと助平な姿を晒さなくては、情欲は煽れまい。
 もう片手を、下半身に伸ばしていく。大きく脚を広げながら。露わになるのは、彼女の秘部だ。裂け目は既に、しっとり潤みを帯びていた。花びらが雄を誘うように広がる様は、とても月の住人とは思えないほどに淫ら極まっていた。
「おおぉ、たまらないねぇ」
「ほれ、もっとオメコおっぴろげんかい。こちとら近ごろ視力も落ちとるんじゃ」
 下卑た言葉で揶揄いつつも、女陰には興味津々らしい。血走った目で眺めてくる。
 荒い呼吸が聞こえ、本能的な恐怖を覚える。同時に、どうしようもない昂ぶりも。腹の奥から蜜が滴り、裂け目をいっそう濡らしていった。
「はっ――……あ、はぁ、あぁ、あはぁ、ぅウんっ、あ、ああッ」
 鳥の翼を思わせる指先を伸ばしていく。指の腹で擦り始める。人体に触れているというのに、にちにちと粘っこい水音が鳴る。裂け目が濡れていると、ありありと示していた。
 喉の奥から甘い声が漏れる。生まれ持った力ゆえ滅多に話せない彼女だが、意味のない声な別だ。むしろ、ふだん自由に喋れない鬱憤を晴らすように、積極的によがる。男達を昂ぶらせるためにも。
 熱に浮かされた、魅惑の声だ。男達も性欲を煽られたようだった。纏った襤褸は、股間のあたりにテントが浮かんでいた。
「はぁッ、あんっ、はぁ、ぅう、あッ、あッ、あッ、くぅん、くはぁ」
 水音は次第に、あからさまなものになっていく。裂け目は既に、一目見て分かるくらい濡れていた。彼らも気づいており、ニタニタと見下しきった目を向けていた。スケベ女がいやらしく濡らしやがってよと、視線は語っていた。
「アァ……」
 穢らわしい地上においても忌避されるような連中に、よりにもよって嘲笑されている。屈辱の極みだ。けれどもサグメが漏らすのは、熱い官能の溜息だった。
 もっと、見せつけたい。身体の奥深くまで。
 欲望に逆らう理由はなかった。ゆえに、指先を陰唇にひっかける。左右に割り開いた。にちぃ……と音を立てて、身体の奥まで晒される。薄紅色の鮮やかな粘膜が、下衆どもの視界に暴露される。
「おっほぉ、そうじゃぁそうじゃぁ」
 視線はまるで、質量を持っているかのようだ。どろどろとした欲望を注がれているかのようで、甘い溜息が漏れて止まらなかった。
 人差し指と中指をねじ込む。自らの体内をこね回していく。襞を擦るたび、痺れるほど甘い性感が身体をかける。腹側のザラついた地帯を擦ると、自然と腰が揺らめいた。
「あはッ、あ、あ、あぁ! ッ、は、あぅぅ、あッ、ああんっ!」
 快楽に身を委ね、己の肉体をほじくっていく。ぐちゅッぐちゅッと浅ましい音が響く。聞かれているのだと思うと、声も抑えられなくなる。指の動きはだんだんと激しくなる。どうしようもない卑猥声をあげて、身体を踊らせる。
 男達からギトギトとした目が向けられている。今にも飛びかかられてもおかしくない。貞操の恐怖に震えてしかるべき場面で、覚えるのは悦びと期待だった。
 甘くよがりながら、下衆どもに痴態を晒している。月人としてあってはならない姿だ。だが、なおも足りない。あちらが手を出さずにはいられなくなる、どうしようもない姿を見せつけなくては。
「あぇぁっ、れろっ、れろっ、れろっ、れろれろれろれろれろぉ……ッ」
 片手を顔の前に近づける。親指と人差し指で輪を作りながら、扱くように動かす。舌を突き出し、れろれろと舐め回すジェスチャーもつける。
 何の隠喩であるかは、語るまでもなく明らかだった。フェラチオだ。男根を望んでいること、奉仕したがっていることを、言葉なしに伝える最良の手段だった。
「へへへッ! なんだぁそのツラ、まさかチンポしゃぶらせてくださいってか!?」
「儂らみたいな男がええっちゅう変態の便器には、お似合いのジェスチャーやったな」
 己を慰めながら、卑猥なジェスチャーで口淫を誘う――こちらの意気込みは、男達にもよく伝わったらしい。口々に品のない言葉を浴びせながら、立ち上がり、近づいてくる。女性一人をぐるりと取り囲み、次の瞬間、下半身のモノを露出させた。
「あぁ……」
 思わず、感嘆の溜息を漏らしてしまった。ずっと待ち望んでいたもの。すなわち肉棒が、目の前に現れたのだ。
 月面では穢れの象徴のように呼ばれるソレに、すっかり夢中だった。一目見ただけで、瞳を蕩かしてしまうほどに。言葉を口にできなくとも、どれほどソレを望んでいるかは、惚けた顔を見れば明らかだった。
 どれもこれも勃起していて、反り返っている。むわりと湯気がたちそうなほどだ。実に逞しく、理想的だが、誰が見ても顔をしかめることだろう。なんといっても表面に、薄ら黄ばんだペースト状の垢がこびりついていたのだから。
 貧民窟の住人には、風呂はおろか行水すら難しい。恥部などは下帯の内で蒸れるため、特に汚れは溜まる。結果が醸されるのが、目の前のモノ。最低最悪のペニスだった。
 おぞましい魔羅が姿を現した瞬間、激臭が室内にたちこめる。汗と尿が混ざり腐敗した、目に染みてくる悪臭だった。だのに、サグメはそれに本能を疼かされ、興奮を覚えていた。人は自らと縁遠いものに惹かれる。月の暮らしとは対極に位置する、穢れきった悪臭の虜になるのも、当然のことといえた。
「は、あは、あぁ、あはぁ」
 無意識のうちに、鼻孔をしきりにヒクつかせていた。口は真夏の犬のようにだらしなく開いている。でろんと垂れた舌は、唾液でヌルついていた。
「ははぁ、俺らのチンポ嗅いで興奮するとはなぁ。臭ぇのが好きなのってか? 綺麗な顔して、どうしようもねぇ色キチだな。ほれ? 好きなだけ嗅げよ、オイ」
「すぅう――あッ、が」
 文字通りの目と鼻と先に、竿が突き出される。反射的に、深呼吸する。流れてくるのは、まさに鼻の曲がるような悪臭だった。くちょくちょくちょと、音が響く。指は先ほどよりずっと激しく、膣穴をほじる。肉棒の臭気を"オカズ"にして、オナニーしているのだ。
「おほほ、下っ品にオナりよるわい、どうしようもねぇ女やなぁ、ええ?」
 髪を掴まれ、かき上げられる。穢らわしいペニスに興奮する顔を、無遠慮に眺められる。月面では決して味わえない、虐待だ。たまらなかった。
「すぅう……うぐッ、ぶ」
 もう一度、深々と呼吸する。肺ごと腐らせるかのような臭気が嗅覚を満たす。横隔膜がせり上がり、胃袋がひっくり返りそうになる。意識が朦朧とする。お前コレはヤバいぞという、肉体の生理的反応だ。
 一方で、ひどい昂ぶりにも襲われていた。臭いのは分かっているのに、えずきながらも嗅ぐのをやめられない。突き出された舌が、竿に伸びていく。男はそれを察知し、さっと棒を離した。
「おいおい何やってんだ。挨拶する前から舐めようとする馬鹿がいるか? メシ食う前にいただきますとか言えねぇタイプか? 躾がなってねぇなぁ」
「あー俺そういう女ムリ、ないわ」
 嘲笑われる。とはいえ、自分が悪い。月面においても、挨拶は大事だと言われている。喋れない自分はもっぱら会釈だが、礼儀作法として、こなしてはいるのだ。欠かすのは、まさに無作法だろう。
 とはいえ、肉棒相手にお辞儀したところで、滑稽でしかない。相応しいやり方というのが、何事にもちゃんとあるのだ。
 胸を高鳴らせながら、汚物の張り付く亀頭に、唇を近づけていく。三センチ、二センチ、一センチ、距離は近づいていく。清らかな月人の唇を、あろうことか、穢らわしい地上においても忌避されるモノに触れさせた。
「ウグゥッ――ん、ふぅううう……っ」
 途端、胃袋がせり上がる。当然の生理的反応だ。けれどもサグメは、たまらない官能に心を震わせていた。鼻の奥から、たまらないといわんばかりの溜息を漏らしていた。普段は知性を湛えている瞳は、今は情欲を燃え上がらせていた。
 もう、たまらなかった。月ではありえない、汚れにまみれきった行為。これこそ望んでいたものだった。
「んはぁっ」
 一旦、唇を離す。広がる悪臭を堪えかねたからではない。むしろ、もっと求めたからだ。
「んふぅ、ちゅッ、ちゅっ、むちゅっ、ちゅむぅ、むちゅっ、んちゅぅう」
 むちゅっむちゅっと、何度も口づける。艶めく唇を、おぞましいイチモツに捧げていく。一度一度が熱烈なキスを、雨のごとく降らせていく。比例して、自らを責める指の動きは一層激しくなっていく。ぐちょぐちょぐちょぐちょと、卑猥な蜜音を響き渡らせていた。
「へへへ、いいじゃねぇか、最高だったぜ、ええ? 変態女がよ」
 挨拶としては、比類無く上等なものだった。男達にも、サグメの熱意は伝わったらしい。白いペーストの張り付いた竿を、柔らかな頬肉に押しつけてくる。恥垢を擦り込まれるのを感じながら、漏らすのは甘い吐息だった。
「まったく、お綺麗なツラして、とんでもねぇオンナだな。終わってやがるぜ、マジで。そんなにしゃぶりてぇなら、しゃぶれよ。ご覧の通り、お前の大好きな汚ぇチンポだぜ。ゲロ吐いたって知らねぇぞ、ぎゃはは!」
「あはッ」
 ゲタゲタと笑われる。が、気にも留めていなかった。しゃぶりてぇならしゃぶれよ――許しを得られたことに、深い悦びを覚えていた。
 口を大きく開く。覗き込めば、口蓋垂まで見えそうなほどに。月ではこのように大口を開けることすら、品のない行いとされている。おかげで、、最初は慣れなかったものだ。これほどはしたない様を晒せるようになったのは、ひとえに経験を重ねてきたがゆえだ。
 はーっ、はーっと、熱い吐息を亀頭に浴びせかける。ゆっくり、ゆっくりと唇を近づけ、ぱくりとソレを咥え込んだ。
「ウグゥ――ふ、ん、んぅう」
 頭を金槌で殴られたかのようだった。
 散々嗅がされてきた悪臭を何倍にも濃くしたような、毒そのもののような臭いが口と肺を満たし、鼻に抜ける。しかも今度は、味覚への攻撃も含まれている。舌が痺れるえぐみと刺すような酸味が同時に襲いかかってくる。
 意識が根元からグラついた。だからこそ、たまらなかった。
 じゅわじゅわと、唾液が溢れてきてとまらない。鼻から漏れたのは、官能の吐息だった。しゃぶり始める。
「ぐぷぅ、ぢゅるッ、ぐぽッ、ぐぷッ、ぢゅるッ、くぽ、ぢゅる、んふぅ、んぷぅうッ」
 もはや我慢ならなかった。頭を前後させて、しゃぶり始める。間抜けなほど頬を窄め、唇で強く吸い付く。艶めく魅力的なリップで、幹を扱き立てていく。誰もが嫌悪する男の、とびきり汚らしいモノ相手だとは思えないほど、熱烈なフェラチオだった。
 嫌々しているわけでないのは、動きを見ればすぐ分かる。サグメにとっては、逆なのだ。誰もが嫌がるようなモノが相手だからこそ、熱烈になるのだ。フゥ、フゥと、興奮がよく表れた荒い息を鼻から漏らしては、最低最悪の男根に尽くす。
「ん、むッ、んふぅう、んふぅ、んむぅう……ぐぷぅう」
 もちろん、単にしゃぶるだけではない。根元までしっかりと、口内に迎え入れる。
 長物をすっかり納めようと思えば、それだけ顔を前に突き出す必要がある。鼻先は当然、陰毛の茂みに埋もれる。ろくに入浴もできないため、陰毛は汗やら尿やら得体の知れない汚れで固まり、ごわごわとしている。突き刺すような刺激臭が鼻孔に流れ込んでくる。素敵なアロマに、いっそうやる気が出てきた。
「ぢゅるッ、ぢゅぷッ、ぐぷッ、んふぅ、ぐぷぅッ、ぐぽッ、ぢゅぶぅ」
 誰もが振り返る美貌を、男の下半身に埋めながら、口腔奉仕を繰り出してく。ぢゅぽ、ぢゅぽと、どうしようもない卑猥サウンドをあげながら。自らの下半身を弄る指は、独立した生き物のように踊っていた。
「れろ、もごぉ、んも、れろれろれろ……んちゅぅうう」
 傍からは毛が邪魔で見えないが、頬はもごもごと蠢いている。口内で舌が踊っている。まさに、先ほどエアフェラチオで披露した通りの動きだった。
 れろれろと竿全体を舐め回しながら、溜めた唾液をまぶしていく。こびりついた垢が、水分を含みふやけはじめる。それを、舌先でこそぎ落としていく。
 舐め取ったものをどうするかといえば、簡単だ。舌の腹に乗せ、硬口蓋に押しつけ潰す。雑菌にまみれた危険な味を、うっとりしながら楽しんでいく。挙げ句の果てには、ひとつひとつを嚥下していく。浮浪者共の恥垢を、己の恥肉を構成する栄養源としていく。
「おッ、おッ、おおッ、クソ女が、何だこれ、マジで口かよ、おぉおおッ」
 おそろしく熱心な口淫奉仕だった。女など滅多に抱けない貧民窟の連中が、耐えられるわけもなかった。聞き苦しい声をあげて、腰を震わせている。
「おうおう、何そいつばっか相手しとるんや。まさか肉便器が、えり好みするつもりか」
「男が何人いると思ってんの? 全員相手してくれないと困るんだけどさぁ!」
 肉棒の味は刺激的で、退廃的で、素敵だった。まさに夢のような時間だ。だが、さらに素晴らしいのは、一本ではないということだ。
 熱烈な奉仕を繰り出すサグメを、男がぐるりと取り囲む。三百六十度、右を見ても左を見てもペニス。最高の景色だった。股座を弄る指の動きが止まらなかった。
 にしても心外なのは、えり好みという言葉だ。そんなつもりは毛頭ない。穢らわしいに越したことはないが、相手してくれる以上、平等に尽くすのが筋と自分も思っている。
「んぽぉっ」
 ゆえに、名残惜しく思いながらも、目の前のモノから唇を離す。唇の隙間から、空気の抜ける音が響いた。口端からは唾液が滴り、明らかに彼女のものではない黒々とした縮れ毛が張り付いていた。
「へへっ、ぶっさいくなツラやないか、ええ?」
「もっとどうしようもなくしてあげようか、うん?」
 左右の頬に、それぞれ男根が擦りつけられる。こんなことをされたら、三日三晩風呂に入っても、臭いがとれなくなってしまいそうだ。
 まったく、たまらない。きゅんっと、腹の奥が疼いた。
「えぁあ……あむぅう。ぢゅるッ、れろッ、れろ、ぐぷぅ、れろれろれろれろれろ……」
 まず、素敵なことをしてくれた二本の魔羅から相手することにしよう。またも大きく口を開く。左側のモノに、とびきり下品にかぶりついた。
 途端、またえげつない臭気が襲いかかってくる。クラクラするような感覚に官能の溜息を漏らしながら、舐め回していく。猛烈な勢いだ。ぢゅるぢゅる音を立てる様は、とても口腔とは思えない。そういう、ペニス専用の掃除器具のようだった。
 ぐぽ、ぐぽっと、空気の抜ける音を立てながら、熱烈極まる口淫奉仕を繰り返す。一応無音でも奉仕できるのだが、それではつまらない。何度も肉便器としての経験を重ねる中で、地上でのセックスの作法をすっかり覚えていた。品のない振る舞いこそが正しいのだ。
「んちゅぅううッ……んぽっ」
 細長く緩やかに弧を描いた形状は、なんとも唇を楽しませてくれる。ともすれば夢中になってしまいそうだ。が、今の自分に課せられているのは、自分を取り囲む魔羅への平等な奉仕だ。目的を見失うサグメではなかった。
 また、唇を離す。恥垢まみれだった魔羅は、すっかり綺麗になっている。汚れがどこにいったかは、語るまでもなく明白なことだった。
「えぁああ……あもぉお」
 今度は右のモノだ。無闇と太く、顎が外れそうなほど口を開かないと、迎え入れることすらできなかった。臭いもとびきりキツく、だからこそ素晴らしい。
「へへ、こりゃあええわい」
「ぐッ、ごッ、んぐッ」
 男が腰を前後させてくる。亀頭の先端が喉奥を突く。痛みとない交ぜになった官能に、詰まった声を漏らしていく。まるで道具扱いだ。
「ぢゅるぅッ、ぐぷッ、ぐぽッ、ぐぷ……ふはぁ、んぷぅ、れろッ、れろろろっ」
 しばらく、そのように男をとっかえひっかえしていた。たった一本咥えるだって常軌を逸しているというのに、もはや論外の行いだ。月人でなくとも、どうしようもないと思うことだろう。だからこそ、よかった。思い切り羽目を外し、何本も何本も、口腔で丹念に清めては、穢れをたっぷりと堪能していく。
 けれども肝心の、全てのモノに平等に尽くすという目的が達成できているかといったら微妙なところだ。なにせ、竿がわんさかとあるのに対して、口は一つしかない。キャパが全く足りていなかった。
 足りていないなら足せばいい。使えるものは、フル活用する。たおやかな指を己の陰部から引き抜くと、手近な竿に、おぞましい一物に絡めた。扱きはじめる。付着した唾液がこねられては、にぢっ、にぢっと、耳裏にへばりつくような音をたてた。
「おッ、おッ、おッ、すっげ、手コキすっげ」
「おいこっちだ、こっちしゃぶるんだよ、気が利かねぇな」
 次から次に、何本もの竿に奉仕する。咥えてはしゃぶりつき、咥えてはしゃぶりつく。手首のスナップを効かせては扱き、根元の玉をやわやわと弄んでいく。
 我ながら、なんということをしているのだろう。月の都の住人に知られようものなら、追放されたっておかしくない。
「んッ、く、ふ、んぅう……」
 どうしようもない行いは、彼女を確実に昂ぶらせていた。太腿を切なげに擦り合わせている。自涜を中断してから、性的興奮を堪えかねている。弄りたくて仕方ないが、生憎と、手は奉仕に使っている真っ最中だった。
「お? なんだよ、マンコが疼いてしょうがねぇって? なぁに我慢とかつまんねぇことしてんだよ。俺らが気持ちよくしてやるよ、ええ?」
「んッ!? くッ、んぅッ、ふ、んぅうッ!」
 どこからか伸びた誰かの手が、太腿を鷲づかみにし、左右に開かせる。はしたない部位が曝け出され、隠すこともできなくなる。当然のように、指が陰唇に伸びてきた。何日も洗っていない、黒ずんだ指がだ。
「おっほ! すっげえヌルヌルマンコじゃん。やべー」
「んッ! くぅんッ、ふぅ、んぅうッ、んッ、んッ、んッ、んぅう……!」
 我が物顔で潜り込み、体内をこね回しはじめる。それも、相当に激しい動きだ。サグメ自身が慰めていたのよりもだ。
 痛いと感じてしかるべきだろう。でなくても、身体を好き放題に弄られているわけで、嫌悪を覚えて当然だ。けれども喉から漏らすのは、卑猥で切なげな声だった。
「はん、儂らみたいな屑にオメコ弄られて感じとるんか、ええ? 便器ちゃんちゅうだけあって、これくらい激しくしてやらねぇと気持ちよくなれんってか? どうしようもないド変態やな。ペッ!」
「んっ……!」
 べちゃりと、頬に生暖かいものがかかる。生臭い。唾を吐きかけられたのだ。
 ああ、下賎な地上の民が、どれほど調子に乗っているのか。では、そんな最悪の連中に見下されながら悦んでフェラチオしている自分は、一体なんなのか? ――考えるだけで、達してしまいそうだった。
「ぐぷぅうッ、ちゅぅううううッ、ぢゅぞッ、ぢゅるッ、れろれろッ、ぢゅぅうう」
「おッ、オッオッオッ!? 急にやる気だしてきやがった、何だコイツ! オォオッ」
 激しく昂ぶったことで、奉仕は一層熱心になっていく。ひょっとこのように頬を窄め、指の動きはピアノでも演奏するかのようだった。
 女日照りである彼らが、熱烈極まる奉仕に耐えられるわけもない。聞き苦しい声を上げ、がくがくと身体を震わせている。あぶれた男達は、そんな乱痴気騒ぎを痴態に、自ら一物を扱き上げている。終わりが訪れるのは、あっという間だった。
「おう便器ちゃんよぉ、お望み通りその綺麗なツラぁ便器にしたるわい。上向けや上」
「んはぁあ……」
「おッ、こりゃ無様なマンコ顔じゃねぇか。どら、まずは一発!」
「おいこっちだ、こっち向けよ」
「へへ、髪にぶちまけてやるよぉ」
 命令されたとおり、顔を傾ける。大きく口を開き、舌を突き出すおまけ付きだ。途端、白濁のシャワーが放たれた。
 肉棒が次から次に脈動しては、スペルマを吐き出していく。ろくに女も抱けない環境の中で煮詰めに煮詰められてきた、濃厚極まる雄のゼリーを。砲弾は物理法則に従って飛び、広げられた口腔に落下していく。
 感じるのは、刺すような苦みと、味覚を痺れさせるえぐみだ。とてつもなく癖の強い、今や大好きになった臭いだった。無数の精虫が舌先で泳ぐ感触もたまらなかった。
 無論、彼らが、ただ口に出すだけで終わらせるわけもない。半分ほどは、彼女の美貌に向けてぶちまけていく。月光に晒したような肌を、欲望のゲルまみれにしていく。
 女は顔が命という言葉が、地上にはあるらしい。であればこれは、生命に対する冒涜といっていい。だからこそ、尊厳を踏み躙り剥奪する行為に、彼女は官能を見出していた。
「んはぁああ……」
 口は埋まっているので鼻呼吸するしかない。そのたびに猛烈な精臭が肺を満たす。喉の奥から、感極まったような声が漏れた。腰が、かくっ、かくっと蠢いている。軽く絶頂を迎えているのだ。ぞくぞくとこみ上げてくるエクスタシーが、何よりの証拠だった。
「はぁ、出した出した」
 ようやく、男達が射精を終える。サグメは、ひどい有様になっていた。
 誰もが羨む顔立ちは、こってりと脂っこい精液にまみれている。開けられたままの口は、何人もの体液が溜まり、精液のプールのようになっていた。室内には、とても居られないような臭いが籠もっている。しかし、まるで気にも留めない。いまや彼女自身が、激臭の出所となっているのだから。
「へへっ、いいぜぇ、飲み干せよ、おい」
 瞼は閉じているが、見下しきった視線を向けられているのは分かる。薄暗い悦びに身を焦がしながら、言われるまま従う。
 口を閉じて、もはや誰のものかも判然としない欲望のスープを、ゆっくり噛みつぶしていく。たっぷり堪能したところで、嚥下しはじめる。といっても、簡単なことではない。なんといっても、何日も、何週間も溜められてきた濁液は、粥と比較しても勝てるほどに濃厚だったのだから。まるで餅だった。喉に詰まらせないようにするのが大変だ。
 そのような液体だから、当然、重たい。飲めば飲むほどに、胃袋がずっしりしていく。ようやく全て飲み終えたときには、腹の中で精虫が蠢いているのが感じられそうなほどになっていた。げぷぅと、下品な音が喉から漏れた。吐息はイカ臭い、強烈な精臭がした。
 サグメの美を台無しにしながら、男達は不遜にも、未だ満足していないらしい。女一人をぐるりと取り囲みながら、魔羅をおっ勃てている。相変わらず目を開けられる状況ではなかったのだが、気配で察せた。
 もちろん、満足されては困る。この後の行為こそを、望んでいるのだから。男根が女陰を貫き、逞しくほじくり返す素敵な時間――セックスを。
 誰が今夜の初めての相手となるのか。期待に胸を疼かせるが、誰も手を出そうとはしてこなかった。疑問に思っていると、馬鹿にしきった声が投げかけられる。
「へへ、お前の熱意はよぉく伝わった……、と言いてぇところだが、もう一声欲しいな。一発、土下座しろや。浮浪者のきったねぇチンポが欲しいんですってお願いしてみろよ、ハメ倒してくださいってよ。いやらしく屈服宣言できたら、お望み通りにしてやらなくもねぇぜ。え? できるだろ? お前みたいなどうしようもねぇ女なら」
「……はぁ……」
 思わず、溜息を吐く。本当に、なんてことを考える連中だろう。女を人と思っていないに違いなかった。土下座して、性交を乞え? 汚らしいペニスを? そんなもの、言えるわけがなかった。
 上品な仕草で、妙にヌルつく小汚い床に膝をつき、指をつく。額を擦りつけた。本邦に伝わる、請願の最上位の姿勢、土下座。素っ裸でやると、実に惨めで、どうしようもない。
「ほれ、さっさと言えや、その口は飾りか? まぁお前の場合飾りっぽいけど」
「わ、私は……」
 けれども彼らは、なおも足らぬと考えたらしい。後頭部に柔らかな重みが乗せられる。人体由来の酸っぱい香りが漂ってくる。踏まれているのだ。甘い声が漏れた。ぐりぐりと体重をかけられる。とんでもない虐待に嬉しさすら覚えながら、口を開いた。
「私は肉便器なんかじゃないし、お前達のような連中と、セックスなんてしたくもない。お前達のような下賎の輩の、汚らしいモノなんて真っ平御免で、絶対屈したりもしない。あはッ、あ、はぁあ……ッ」
 そうだ、言えるわけがないじゃないか。自分があんな口上を述べようものなら、全てが台無しになってしまう。だから、拒んだ。真っ向から拒否したことで、運命は逆転する。彼女が本当に望んでいるほうに。
 男達の気配が変わった。今にも暴力沙汰になりそうな、剣呑な雰囲気が場を満たす。「へーえ、そうかよ、毎度毎度散々ハメ倒されて喘ぎまくっておきながらその態度、感心するわまったく。ただの変態の、淫乱の、浮浪者のチンポしゃぶってオナる便器の癖して、でけぇ口叩くじゃねぇか。一つ、自分の分際ってもんを教えてやるとするか、ええ?」
「そうやな。今のは見逃せんわい」
「ほぉれ、身の丈を知れよ? 身の丈をよぉ」
「あぁっ! ッ、は、あッ、あ、あぁ!」
 後頭部から体重が退くが、解放されたわけではない。何本もの腕が、体中に伸ばされる。口を、腋を、乳房を、腹を下腹を、尻を、ありとあらゆる性感帯を乱暴に弄んでくる。訳も分からず、喘ぐことしかできない。
「そら、そっち押さえろ押さえろ」
 視界が突然反転する。乱暴に転がされ、ひっくり返されたのだ。雨漏りして染みだらけの天井が視界に映る。男の薄黒い、悪意にまみれた顔もだ。両腕両脚をがっちり掴まれ、のびた蛙のように広げさせられる。隠されるべき秘部が、思い切り曝け出された。
「無様だな、ええ? お前さっき何つったよ、チンポが欲しくねぇって? はん、そんな奴が、こんな濡らすもんかよ、オイ。ばっかじゃねぇの?」
「ひッ、あ、ぁあ! はッ、ぉんッ、ぅウンッ!」
 膣口を雑に弄くられる。お前はどうしようもない淫乱だと思い知らせるように、ぐちょ、グチョッと卑猥な音が響き渡る。溢れ出るのは否定の言葉などではなく、法悦の嬌声だ。
「ほれ、ちょっと弄ったらもうコレだ。エロいマンコ顔晒しやがって。ま、何事も口ではどうとでも言えるからな? すぐ、自分がただのマンコだって思い知らせてやるよ、お前も大好きな、コイツでな」
「あッ、は、ああんッ……」
 言って、男は自らのペニスを、膣口に押し当ててくる。上がるのはやはり官能の嬌声だ。無意識のうちに、腰がくねってしまう。膣口で、肉棒を擦り立てていく。にちッにちッと、はしたない音が鳴って止まらなかった。お前達のモノなど御免だと口にした者の態度とは、全く思えない有様だった。
「おーおー、どえらくスケベなザマ晒しやがってよぉ。ホレ、淫乱の本性ほじくり出してやるからな、覚悟しろよ、っとぉ!」
「ん、は、あ――あぁあああああああああッ!」
 両脚は抱えられ、閉じることは許されない。許しを請うたとて、無駄だった。無慈悲に、腰が突き出される。一息で、根元まで貫いてくる。神聖にして犯さるるべからざる隘路が、汚い浮浪者の肉棒に蹂躙される。亀頭が襞をヌロロロッとこねくり回し、割り開く。
 あがったのは、蕩けきった、心底から快楽に屈しきった、だらしのない声だった。聞く者全てを欲情させ、勃起させ、陵辱に突き動かさせるような、媚びた雌の声だった。
 これだ。これこそを望んでいたのだ。月面では味わえない埒外の、穢れきった性感に、背筋が反り返る。身体は暴れるが、両脚も両腕も押さえつけられていたために、飛び出すことにはならなかった。
「おおぅ、締まるぅ~っ。やっぱコイツ、とんでもねぇエロマンコしてやがるな。恥ってもんはねぇのかよ、えぇ?」
 向こうも向こうで、聞き苦しい声をあげて、肉棒の性感に感じ入っていた。絡みつき、ぞりぞりと裏筋を刺激してくる天然の淫乱肉壺の感触は、女遊びばかり繰り返す連中でも唸らせるものだ。彼らのような連中にはなおさらだった。
「あはぁッ、あぉんッ、はぁッ、あはぁあ」
「へへへ、もうチンポに夢中じゃねぇか。下の口は正直ってこういうことだよな。ほぉれ、よがれよがれ!」
「あぁッ! あはぁッ、ひッ、はッ、あぉお!」
 白濁でどろどろに汚れているとはいえ、サグメがずば抜けた美貌の持ち主であることに変わりはない。それを組み敷き、自らの欲望のはけ口にしていることは、男を大いに調子に乗らせる。嗜虐心のありありと浮かんだ声とともに、腰を勢いよく突き出してきた。
 体重の乗った、抉るようなピストンだった。えげつない角度でしゃくり上げて、膣内のごり、ごりと一番弱いところを責め立ててくる。女日照りの浮浪者とは思えぬ、手慣れた腰使いだった。貧民窟の肉便器と知られているサグメは、身体のあらゆるプロフィールを住人達に共有されている。まさにその情報を、大いに利用しているのだ。
「あはぁッ、あぅ、はひぃッ、ひぃッ、はぁッ、あはぁッ! おッ、ひッ、く、ふぅ!」
 視界の裏がチカチカと光っているようだった。目を見開いて、ただただ嬌声を上げる。ボロ小屋の外にまで響くような、あられもない声だった。そうして大声を出せる機会自体、新鮮で貴重なことだった。
「はん、ちょっと突いただけですぅぐよがりやがる。どうしようもねぇメスだなお前は、ええ? ほれッ、こういうのも好きだって聞いてるぜぇ!?」
「あ――ぉッ、くぅ、ぅんッ、ひッ、はッ、あくぅうッ!?」
 ピストンが調子を変える。小刻みな動きで、一番奥を執拗に突いてくる。子を成すための小部屋への入口、子宮口を。とんとんとんとんとんと、何度も何度もノックされるたび、女として最上級の悦びが脳天を駆け抜けていく。
 相手は、先ほど口で清めたとはいえ、やはり汚い一物だ。そんなモノで、大事なところを蹂躙されている。踏み躙られて、台無しにされている。女としての価値を極限まで毀損されている。だからこそ、たまらなくよかった。
 思わず夢中になり、腰をくねらせてしまう。激しく乱雑で独り善がりなストロークを、官能の行為に昇華させるべく、うねうね踊らせていく。
「おっ、おっ、おッ、なんじゃッ、とんでもねぇ、オワアァアアッ」
 足繁く地上に通っては、行きずりの男達の欲望を受け止めてきたことで磨かれた、魅惑のセックステクニックだ。精を求め、搾り立てるような、貪欲極まる腰使いだった。彼らのような男に対しては、特に有効だった。
「あはぁんッ、あぁッ、はぁ、あふぅッ、ひぃッ、はッ、あぁ!」
 もっとも、それは諸刃の剣でもある。相手に快楽を与えれば、自らも快楽を得ることに繋がるからだ。淫猥なる腰使いは、自身をもよがらせる。蕩けきったキャンディボイスは、男をさらに昂ぶらせる。いっそう激しくなるピストンに、全身をがくがくと震わせる。
「ちっとやかましいな、まったく。ろくに口もきけんくせして、あんあんヨガる声だけは一丁前にでかいときた。どうしようもない女やな。おい、近所迷惑やろが? ちょっとは静かに出来んのか、ええ?」
「はぁッ、あ、くぅ、そんなッ、そんなのぉッ」
 別の男が、嗜虐的な表情を浮かべ呟く。もちろん、無理だ。日頃味わえない肉の悦びを前に、どうして我慢ができようか。首を左右に振れば、連中は呆れたように、蔑んだ声でゲラゲラと笑った。
「そうかぁそうかぁ、ならその口、ちょっと塞いだるわい、ほれッ」
「ムグうッ!?」
 言って男は、宣言通り、開きっぱなしの口を塞いだ。手によって、ではない。ペニスによって、ですらなかった。下半身ごと、仰向けの顔面にのしかかったのだ。
「んぶぅうう――ッ」
 くぐもった呻き声が上がる。目の前に広がるのは、地獄のような光景だった。
 ごわごわに固まり、強烈な臭いを纏う陰毛。それ以上の饐えた臭気をムワムワ漂わせる玉裏。黒々とした縮れ毛の生えた、蒸れに蒸れた地獄の領域、肛門。
 彼らのことを最低最悪と称してきたが、甘かったと思い知らされる。今、眼前に広がる景色こそが、真の最低最悪だった。
「うっ、ぐ、ッ……!」
 またも、横隔膜がせり上がる。スペルマを詰め込んだ胃袋が、ひっくり返りそうになるのを感じた。気合いでどうにか押さえ込む。
「ひひ、どうや? かれこれ一週間は風呂に入れとらんのや。きたねぇやろが、えぇ? お前みたいな変態便器には、よぉく似合うとるわ、ぎゃははは!」
 言って男は、あろうことか、凶悪なる部位を顔面に押しつけてくる。そのまま窒息してしまえと言わんばかりだった。あまりにも酷い状況に、脳味噌がぐらぐらと揺さぶられる。
「ほぉれほれ、何しとるんや、さっさとしゃぶらんかい。ええ? 出来るやろが便器が」
「んむッ、んッ、ふぅ――……ッ」
 そして彼女は、深い感動も覚えていた。こうまでどうしようもない行為が、まだ残っていたなんて。地上に通ううちに磨かれてきた淫乱の本性を、今こそ発揮するときだった。唇を開き、舌を伸ばしていく。目指す先は、柔らかな袋。欲望の工場にして、スペルマの貯蔵庫、陰嚢だった。
「れろ……ッグ」
 腐敗臭を漂わせる玉裏に、舌を這わせる。途端、またしても胃袋がせり上がる。恥垢にまみれたペニスも大概だったが、こちらは散々蒸らされてきたぶん、よりキツい。意識を持って行かれそうなほどで、だからこそたまらなかった。
「れろぉっ、ぢゅる、れろれろれろっ、ちゅっ、れるぅうう」
「おほッ、おっおっおっおっ!」
 夢中になって、舐め回していく。袋の内側の球を、ねっとりとした舌技で弄んでいく。途端、男は上ずった声を上げる。玉袋を唾液でべちょべちょにされながら、竿を硬く勃起させていた。
「はむぅうッ、むちゅっ、んちゅっ、れろろ、ちゅむ、あむぅう」
 もちろん、舐めるだけで終わりではない。唇でそっと食む。最大の急所である二つの玉にキスしつつ、もにゅもにゅ優しくマッサージする。男性機能は強烈に刺激されたようで、ぐつぐつと欲望の大釜が煮えたぎっていく。目の前の女に吐き出すべき種汁を、急造する。
「おぉっ、なんだぁ? キンタマ舐めさせられて感じてんのか。キュンキュン締め付けてきやがってよ、おキレーな顔してとんだマゾ豚だなお前は!」
「んもぉおおおッ!」
 ピストンが激しくなる。ごりごりッと体内を抉られ、夢心地だ。マゾ豚という罵倒も、よかった。マゾも豚も、月面では他人に対し使っただけで処罰される。そんな下卑た言葉で貶められるのは、本当にたまらなかった。
「いひひ、そんなにキンタマがええか? 本当にどうしようもないド変態なんやな。なら、こっちは堪えられるか、ええ!?」
 むちゅむちゅと、玉袋へ雨あられのようにキスする様を、男は嘲笑う。腰をほんの僅かにずらすと、玉裏からほんの数センチのあたりにある地獄を、麗しきリップに押しつける。焦茶色のヒクつく窄まり、肛門をだ。
 うごうごと収縮する様は、まさに地獄の釜が開いたかのようだ。見た目からして最悪だ。なにより、そこは言うまでもなく排泄器官だ。不潔な彼らの身体においても、ずば抜けて不衛生といえる。舐めるなど、正気の沙汰ではない。
 とはいえ、僅かでも正気であれば、そもそも地上になど来てはいない。磯巾着のように蠢く穴に、唇を近づける。躊躇いながらも、ちゅっと口づけた。
「ぐぶぇッ、うぐぅ、ぅ、れろ、れるっ、むちゅ、れろぉお」
 当然、えずく。だが、やめない。舌を伸ばし、浮浪者の菊穴を舐め回していく。尻肉の谷間を舌でかき分ける。蒸れた汗を舌先で舐め取る。唾液でふやかすように、穴の輪郭にねっとりと舌先を這わせていく。
 激臭に意識が遠くなる。いつの間に地獄に堕とされたのかと、勘違いするほどだ。だが、尚も奉仕をやめることはなかった。退廃を求め、行為を自らエスカレートさせる。
 あろうことか、舌をねじ込んでいく。汚物まみれの腸内を、れろれろと舐め回していく。ぬぷっ、ぬぷっと音を立ててほじくりながら、腸壁をねぶりたてていく。何度も何度も、入口に接吻しながらだ。
「むちゅぅッ、れろッ、れるぅ、ぢゅるぅッ、れろぉお」
「オホホッ、オホッ。こりゃええ、こりゃあええわ、女型の全自動ケツ舐め機か!」
 奇妙な声をあげて、男はよがっている。なにか酷く罵られているが、聞いてはいない。目の前の穴の、饐えたひどい味と臭いに、夢中だった。男の下半身が邪魔で見えないが、他では絶対に見せない、だらしなく緩みきった、恍惚の表情を浮かべていた。
「へっ! ケツ穴舐めがそんなにいいかよ! でもよぉ、本来の仕事を忘れてんじゃねぇだろうなぁ!? あ!? 締めろ、つってんだよぉ!」
「ぐぅううううッ! んぉッ、ぉうぅ、ぉおおおんッ!」
 目の前で繰り広げられている圧倒的な退廃に、嫉妬したのだろうか。お前の役割を思い出せと言わんばかりに、体重の乗った強烈なピストンを繰り出してくる。生殖機能が駄目になりそうな勢いの抽送には、流石に意識を揺さぶられる。喉の奥から、くぐもった声をあげてよがり狂う。まるで牛がいななくように聞こえた。
「へへへへ、いいじゃねぇか。そうだよ、それでいいんだよ。でもまだまだ足んねえな。ホレ頑張れよ、でないと窒息しちまうぜぇ!?」
「がっ……」
 やかましいくらいだった声が、不意に止まった。物理的に、出ないようにされたからだ。
 身体が半ばのけぞっていたため、強調された白い首。そこに、男の小汚い腕がかかった。ぎりぎりと、容赦ない力で締め上げてくる。頸骨をへし折らんとするかのような勢いで。
 当然、呼吸などできるわけもない。脳に酸素が届かず、視界が暗くなっていく。なおも男はお構いなしだった。腰を振りたくり、目の前の穴から快楽を引き出していく。貴重な酸素が、激しく消費されていく。
 助けてほしいと言ったところで、やめてはくれないだろう。そもそも、気道を塞がれ、口を肛門に捧げている現状では、言葉を述べることなど不可能だ。であれば、態度で示すしかあるまい。白い腰が、今まで以上にくねりはじめる。
「おッ、おッ、そうだよそうだよ、頑張れよぉ、ぎゃははは!」
 きゅうきゅうと、膣穴は酸欠の苦しみもあり収縮する。感触に気を良くし、男はさらにピストンを激しくする。お前の穴が擦り切れようが、知ったことではないと言うように。
 酸欠に半ば意識を手放しながら、彼女はただただ全身で男に尽くしていた。下半身で、口で、――そして手で。
 腕はいつの間にか解放されていた。掌には、硬い棒状のモノが握らされていた。何かは、今さらいうまでもなく明らかだろう。
 自由になったのだから、自らを助けるために使って当然だ。男達を押しのけるために。ところがサグメはそうしない。握らされた誰かのペニスを、とびきり卑猥な手つきで扱き上げるばかりだ。地上に通ううちに磨かれた、肉便器としての本性に突き動かされている。精を受け止めねば、止まることはない。
「へへへ、良いじゃねぇか。マンコ全体でチンポに吸い付いてきやがって、とんでもねぇ淫乱だよ、お前は。そんな穴っぽこには最高のプレゼントをくれてやるよ。俺らみてぇな浮浪者のカスの生膣内射精だぜぇ、嬉しいだろうが!」
「……ッ、っ、ぐ、ッ……!」
 言葉を理解する余裕はない。酸欠と快楽とアニリングスの三重苦を処理するのに、脳は手一杯だ。言語機能などという重たい処理は、真っ先にカットされていた。
 それでも、生膣内射精という言葉だけは、真っ暗闇に光を灯すように意識に響き渡った。どうぞ出してくださいといわんばかりに、膣肉は奥へ奥へ誘うように蠕動する。それが、射精の呼び水となった。
 逞しい竿が根元から先端にかけて膨れ上がる。初めて地上を訪れた日に魅了され、今もやめられない、禁忌と退廃の瞬間が訪れようとしている。ほとんど思考もできない状態で、彼女が覚えたのは、底の抜けたような期待だった。
「そら、ッ、中出しだ、孕んでイけや変態便女がッ――おおおぉおおッ!」
「むッ、ぐッ、んぐぅうううううううううッ!」
 男が腰を突き出す。亀頭が叩きつけられ、鈴口が子宮口と熱烈なキスをする。会陰が、陰嚢が縮み上がる。同時に、最後の瞬間が訪れた。
 下半身全体を蕩かすような、快楽の固まりが、体奥に注がれていく。どうしようもない穢れが、聖域を汚していく。無数のおぞましい欲望が、うぞうぞと鞭毛を蠢かしていく。己の存在を刻みつけ、生誕すべく、稀神サグメの子宮を屈服させにかかる。圧倒的快楽でもって。
 そんなことをされたら、堕ちずにはいられない。なんといっても、それと反対のことを、自らが口にしていたのだから。
 全身が弓なりに反り返る。頭と下半身を支点に、ブリッジしているかのようだ。がくッ、がくッと痙攣し、汗を散らす。結合部からは、愛の蜜がだらしなく噴き出した。
「んッ、ぉッ、ぐ、む、んぅうう……ッ」
 脳に酸素はほとんど届いておらず、もう何かを考えるだけの余裕すらなかった。さらに、このアクメの性感だ。叩きつけられるエクスタシーは、到底処理できないほどだった。
 快楽物質があふれ出す。桃色の世界が目の前に広がる。いやらしいことしかない、肉欲の悦びの世界が。視界をピンクに染めながら、意識は沈んでいく。
「っへへへ、出した、出した」
 たっぷり十数秒もかけて、男はようやく射精を終える。随分と長いが、サグメのような女に中出しできるのだから、それくらいは頑張って当然ともいえた。
 満足げな溜息を吐き、肉棒を引き抜く。ぶぽんっ! と、どうしようもない音が鳴った。快楽の余韻に痙攣しっぱなしの膣肉が、最後までペニスと絡まっていたことで鳴った音だ。
「ひひ、どれ、どんな無様なマンコ面になっとるか、おーお、こりゃあ……ひどいな」
 顔に乗っかっていた男も、ようやく退く。顔面は得体のしれない汁でベトベトになっていた。口元には尻毛がへばりつき、美貌を台無しにしている。
「まったく、お似合いの便女顔やな」
 プッと、唾を吐きかける。反応はない。瞳は虚ろだった。ほとんど気絶しているのだ。あれほど激しいセックスに、呼吸すらできずに晒されたのだから、当然だった。辛うじて、胸郭が上下していることから、生きているのは窺えた。
「おいおい、何勝手に寝てやがんだよぉ、ええ?」
 そうさせた元凶が、ぐったり死体のように伏せる身体を足蹴にする。やはり、何の反応もなかった。
「お? 良い度胸じゃねぇか。ならこうするだけだ。便所は正しく使わねぇとな!」
 邪悪な色が、男の顔に浮かぶ。先ほど膣内射精を終えたばかりの肉棒を、彼女に向ける。勢いよく、小水を放ち始めた。
 べちゃべちゃと、濃厚な黄金色の水が浴びせられていく。髪に、顔に、身体に、下半身。誰もが羨む肉体を、排泄物塗れにしていく。
「――え、は、あッ、え? あ、は。あはぁあ……」
 それで、サグメも流石に意識を取り戻した。己を汚す饐えた匂いの汁に、呆然とする。何が行われたのかを察したのと同時に、顔が、とろりと蕩けた。どうしようもなく堕ちた頭は、浮浪者の小便に塗れることにすら、悦びを覚えていたのだ。
「へへへ、ようやくお目覚めかよ。ったく、寝てる場合じゃねぇんだぜ? 野郎が、あとどれだけいると思ってやがるんだよ、使えねえ穴だな、お前は?」
 彼の言うとおりだった。男達はまだ、何人もいる。先ほどの激しいセックスにあてられ、誰も彼もが肉棒を勃起させて、こちらをぐるりと取り囲んでいる。
「気絶しても許されねぇぞ、マンコが擦り切れるまで使ってやらぁ。どうだ? ちったぁ白旗上げるつもりになったか? 降参ですって、二度とチンポに逆らいませんって言えば、許してやるぞ、ええ?」
「は……」
 互いの口元が、にやりと歪んだ。もちろん、そんなことは言えるわけがなかった。
「降参なんて、するわけがない。何回犯されても、私がチンポに堕ちたりするわけはない。百回中出ししたって、私が堕ちることはない」
「あー、そーかよ。なら思い知れやクソアマが」
「ひひ、ようやく俺の番かあ!?」
「いいやこっちの番だ! ホレ、股ァ開けやクソ女!」
「あッ、は、あッ、あ、あぁあああッ!」
 男達も、答えを予想していたようだった。次々にその身体に群がっていく。あらゆる穴に、穢らわしい肉棒をねじ込んでいく。
  肉欲の宴は、まだまだ終わることはない。
稀神ドスケベさんでした
喚く狂人
http://twitter.com/wamekukyouzin
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
心は陥落しきっているのに堕ちて土下座しないところがサグメのキャラに合っていていい!