真・東方夜伽話

四九五年分の発散と……

2019/06/02 23:44:51
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四九五年分の発散と……

杜若スイセン

この作品は四割の百合要素と九割の拘束要素と五割のオナニー要素で構成されています。苦手な方はご注意ください。

夜伽話では初投稿、内容は別名のpixiv投稿作の微リメイクです。

 私は、オナニーができない。

 やり方がわからないわけではない。どこをいじれば気持ちよくなるのかとか、効率のいい刺激方法とか、そのくらいのことは知っている。伊達に五百年近くも生きていない。体はちんちくりんだし諸々の経験はろくに増えていないけど、知識ばかりはいくらでもあるのだ。
 その知識を実践に移せない理由は、私が生まれ持った能力にあった。

 まずは自己紹介をしよう。私はフランドール・スカーレット。紅魔館に住む吸血鬼であり、無差別な破壊の力の持ち主。あらゆるものの弱点を右手に移動させることができて、手のひらを握るだけでそれを壊すことができる。まずいのはその力だ。
 私は長らく力の制御ができず、地下室に閉じこもり続けていた。お姉様あたりは勘違いをしていて、自分が無理やり閉じ込めていたと思っているけれど。
 実態は自分の力が怖くて仕方ない私が、ひたすら閉じこもり続けていただけだ。時折出歩くようになったのはあの巫女と魔法使いと会って、私がとっくに能力の制御をできるようになっていたと知ったから。

 だけど、その制御は精神的なものだ。普通にしていればコントロールできても、あまり激しく気を乱した上で手を握ってしまうと暴発することもある。多少驚かされたくらいなら大丈夫だし、トリガーとなる動きがあるから並大抵のことではそんなこと起こらないんだけど。
 もうわかるかもしれない。私は、性的に興奮すると能力の制御が効かなくなる。達するときなんかに間違えて手を握ってしまった日には、部屋にあるもののうち何かが無残に壊されてしまうのだ。

 だから、私はオナニーができない。正確にはエッチができない。右手を握ってしまうから。
 私はそう自分を納得させて、長く、本当に長く禁欲生活を続けていた。

 だけど、私とて吸血鬼。広い意味では悪魔の端くれだ。
 もしも、何も壊さずに気持ちよくなる方法が見つかったら。その時私は、五百年も抑圧され続けた性欲はどうなってしまうのか。

 わかるよね?







「持ってきちゃっ、たぁ……」

 ある日の夜明け前。私たち吸血鬼にとっては寝る前にあたる。私は、以前から狙っていた品を手に入れて赤い頬を緩めていた。
 手元にあるのは、拘束具だ。アームバインダーと、ボールギャグ、それに足枷。お姉様はこれらをそう呼んでいた。
 目的のものはアームバインダーだけなのだけれど、これをつけていた咲夜はほかの二つも一緒に使っていた。せっかくだから持ってきてみた、というわけだ。
 ちゃんと正しい知識を持っている人なら、これがとても厳重な拘束を施すための道具だとわかるはずだ。私はそこまで知らなかったし、要求を満たせればそれでよかったからと軽い気持ちで持ってきてしまったけど。

「これをつければ……」

 私でも、ドロドロに濃縮された重苦しい性欲を発散できる。
 もう一つ持ってきた、電動マッサージ機という器具。なんでも魔力を込めると勝手に電気が溜まってそのエネルギーで振動を起こす道具らしい。略して電マ、と言っていたっけ。
 電動というのに魔力がどうとか、思えばおかしな話だ。外の世界では人間が電気で使っていて、流れ着いたそれを河童あたりが改造したとか、そんなところだろうけど。

「私も、あんなふうに……」

 初めてお姉様たちのプレイを見たのは、もう一ヶ月近く前になるだろうか。私が拘束プレイというものの存在を知ったのもその時だ。
 私は能力の都合上、手を握りさえしなければ暴発は起こらない。つまり、拘束によって手を握れなくしてしまえばいいのだ。お手本を突きつけられた私がそんな結論に至るまで、さほど時間はかからなかった。
 そして今日、ついに拘束具を手に入れた。お姉様の地下室から。
 これで、できる。

「……よし」

 始めよう。私は地下にある自分の部屋へ戻ってくるやいなや、大きな興奮と期待とほんの少しの恐怖を自覚しながら、拘束具へ手を伸ばした。

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