真・東方夜伽話

燃える陽

2019/03/05 13:21:55
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燃える陽

湖小

ピースにサニーが軽く痛め付けられながらも性処理に供される話。

 臥待月が喬木(きょうぼく)の上から覗き、森の底の小径にも月光が届く頃になった。鴉雀無声(あじゃくむせい)の社叢林をサニーミルクは密かに歩いていた。月の出ではなく同居人の寝静まるのを待って、1人で抜け出してきたのだ。
 今宵は妙に静まり返っているが、この郷に於いて夜を往く者はそれほど珍しくはない筈だ。誰かの目に触れないよう、無意識に光を曲げた。どうも疚しい事が有ると こそこそ としてしまう。風が木々を撫で葉を鳴らす音如きに一々振り返った。
 蹐(せき)する彼女の脚に半透明の粘液が垂れた。気化熱を風に奪われひやりと覚えるのと同時にその源を意識してしまい、じゅんと疼く。液体はドロワーズの裾から太腿を伝ってきている。思わずその先、股間の辺りをスカートの上からぎゅっと押さえたが、しかしその疼きを癒やす事は出来なかった。厚い布越しに感ずる金属質の固い手触り。彼女は貞操帯に因って蜜を溢す秘裂を縛められていた。
 一度意識すると、その革ベルトの締め付けやスカートのフリルが微かに脚に触れるのさえ、焦れったく感ぜられた。
 貞操帯は肝腎の部分以外は殆ど覆わない構造になっている。その上から緩めにして穿かざるを得なかったドロワーズの隙間を風が吹き抜けると、際疾い地肌を晒しているような錯覚をする。今夜の逢瀬への期待が、そう云った羞恥も興奮に塗り替え、心拍を亢進させる。森の静けさに、耳の傍で脈の音が響くようだ。只歩いているだけの筈なのに体が、顔が熱く火照ってきた。幸い初夏の夜は未(ま)だ涼しかったが、上り坂なのも有って薄く背汗を搔いた。
 距離にすれば目的地はさほど遠くはない。500メートルかそこらだろう。径に茂るスズメノカタビラが途切れ、石畳が敷かれ始めた。坂の頂点に近付くとその先に屋根が見えた。反りの有る本瓦葺きの入母屋屋根、神社だ。こちらは裏手で鳥居や唐破風は拝めない。賽銭は初めから寄越す積もりは無い。
 居住用の棟の縁側の下を覗くと、無理矢理拵えたような突き上げ戸が設けられていた。上階――平屋だが――の巫女を起こさないよう、息を屛(ひそ)め控えめに戸を敲く。
「ピース、……来たよ」
 戸は直ぐに開かれた。
「ふふっ、ちゃんと来てくれたんだな」
 クラウンピースは地下から這い出てサニーを迎えてくれた。室内なのであの変な帽子は被っていないらしい。室内の橙(だいだい)色の灯りがちょうど逆光になりその表情は窺えなかったが、フクシア色の瞳が細められるのだけが見えた。
 ピースはサニーを請じ入れるに先立って、挨拶代わりにこちらのスカートを捲り上げてきた。見て分かるほどに湿ったドロワーズと、粘液で濡れた内股が彼女の眼前に晒された。食指で太腿をつーっと摸(なぞ)って垂れる液体を掬うと、指を擦(こす)り合わせてそれを掌に拡げ、糸を曳く様をこちらに見せ付けた。
「ねえ、これ何?」
「きゃっ」
 嘲う口調で言いながら、予備動作も無く汚れた掌でサニーの横面を打擲した。破裂音が至近距離で炸裂し、頰と耳にじんじんとした痛みを残す。
「良いよ♡ そんなにH(えっち)な事したかったの?」
「だ、だって……、抑〻はピースの所為よ……」
 そう言いながらも、サニーは逃れたりしようとはしなかった。赤い手跡が付いた頰を羞赧(しゅうたん)させて目だけを逸らした。
 彼女がピースの所為と云うのは松明の火焰の事だ。1箇月ほど前、良い物が有ると定番の文句で呼び出された。2匹(ふたり)限(きり)になった所で炎光を見せられ、精神の平衡を狂わされた。それ以来、定期的にピースの慰み者にされている。尤も、サニーの方も暴走する性慾の為にピースにじなつき、下半身を戯弄される事も満更でもないように受け入れている。
「あたいの所為なの? じゃあ今日は已めとこうか?」
「待って待って、……悪いのは私だから」
「そうだよちゃんと認められて偉いね~……茶番はもう好いだろ?」
 ピースは捲っていたスカートを離すと、サニーの襟元を摑んで強めに引き寄せた。低い位置に有る戸口に向かって屈み込んでいたので、急に引っ張られるとつんのめり倒れ込みそうになり、踏ん張る拍子に変な声が出てしまった。
「あ、あん……」
 その儘サニーを室内へ押し込むとピースは後ろ手で戸を閉じ、ランタンの光の下で彼女の姿を検めながら舌舐りを見せた。
 灯火は松明とは違って静かに燃えている。臭いも少ないからして魚油ではなく菜種油を神社から窃(くす)ねて使っているのだろうか。そう云えば菜種は英語でrapeseedだったか。
「何きょろきょろしてるの? 早く脱いでよ」
「きゃっ、已め……自分で脱ぐからっ」
 ピースはサニーの首元のスカーフを引っ張って解こうとする。反対の手が襟を摑んでデコルテ部分を開いた。握り込んだ中手指節間関節の突起が鎖骨の辺りに食い込む痛みに反応して甲高い声が出た。口角が緩み、或る種照れ臭そうな情け無い表情を見せているのだろう。だが一張羅を傷められるのは困ると両手を彼我の体の間で突っ張り、形だけの抵抗を見せた。
 ピースの体が密着すると体温や吐息の熱(いき)れが伝わってきた。押し付けられる彼女の体の柔らかさを体の前面で感じていると、サニーは自分の腹の辺りに押し当てられている物に気付いた。
「これが欲しいんでしょ」
 ピースはこちらの反応を見て、態とらしく握力を込めて片手を摑むと自分の下腹部の方へ持ってゆくと、布越しにはっきりとその輪郭が感ぜられた。
 詰まり、ピースは二形(ふたなり)だ。抑〻妖精は生殖を必要としない。しかし娯楽として合歓綢繆(ごうかんちゅうびゅう)に興ずる事は珍しくない。そうしようと思えば、精神に因って形作られる彼女らの身体(しんたい)は生理的には不要な快楽を得る為だけの器官を具現するのだ。
「好いよ、じゃあ自分で脱いで」
「う……うん……」
 改めて言われると急に羞(はずか)しくなってしまった。最終的には羞(はずか)しいでは済まない事をするのだから、そう言っても仕方無いのだが。意を決していつものエプロンドレスを脱ぎ始めた。
 先ずはスカーフと飾りベルトを外す。先刻ピースが無理に引っ張ったので結い目が固くなっていて手間取ってしまう。背中のリボン結びを解いてスカートの上のエプロンを外した。本当は机の上に置きたかったが、そこまでちょこちょこと往復するのも何だか決まりが悪いので足許の床に置いた。
 手を後ろに回し、後ろ襟の所から順番にトップの背中側のスプリングホックを外してゆく。そして腰の辺りまで開くと体の前へ脱ぎ取った。それは羽化する蛹を彷彿とさせた。ここではエクリュのキャミソールは硬化する前のクチクラのメタファーと云えよう。繊細らしい皺が体の前で左右対称に2つの流れを作っていた。重いトップを除かれると服の下で蒸していた空気が解放されたのと同時に、庇護を失った不安感が感ぜられる。
 裏返った袖を戻して軽く畳み足許に置いているとピースが早くしろと目で訴えてきたので、さっさとスカートも脱ぎ始めよう。トップよりも数の少ないホックを外せば枷ぎを失い、後はドロワーズ――と貞操帯だけとなった。
 キャミソールを脱ぎ滑すと、華奢な上半身の素肌が露わになった。肉は余り付いておらず繊(かぼそ)いが、水滴がその表面張力で自ずと球状になるのと同じ摂理で張りの有る肌は丸みを帯び、肩から上膊(じょうはく)に掛けての輪郭はぷにっとした印象を見る者に与える。略(ほぼ)平坦で令淑な胸には紅梅色の嫩芽(どんが)がつんと立って主張し、婬らさの特異点となっている。下へ進むと括れてはいないが腰から尻への緩やかな拡がりが相対的にそれを認識させた。下腹部への曲線はさほど発達しない腹筋と内臓の重みを意識させる。だが、その木目細かな柔肌には所々に青黒い傷痕が残されていた。
 ピースが視線を下ろすとそれに追従(ついしょう)するようにサニーもドロワーズを下ろした。無論その中心は露わになる事は無い。薄錆の浮いた鋼の、自由鍛造に因って成型された粗い曲面が鈍く灯火を反射しており、それを真鍮の南京錠が封じている。排泄用に並んだ孔はミツバチの巣板のように蜜を湛えており、サニーが身動ぎをすると鉄蓋の内側に粘っこい音が籠もった。そこから更に下を見れば、脹ら脛の涙滴形が華奢ながらも健康的でしっかりとした印象を齎(もたら)した。今は所在無げに膝を摺り合わせている。
「隠さないでよ」
 無意識に両腕を胸の前に持ってこようとするとピースにそれを摑まれ阻まれた。彼女はもう一方の手で充血する乳頭を軽く抓る。
「ん……♡」
 サニーのじなつくような反応を見て、ピースは悪戯げに歯を見せて笑んだ。手首を摑んでいた手を離すと脇腹、腰と下へ進ませ、貞操帯に沿って鼠蹊部を滑らかな指先で撫でた。性感と擽ったさで身を捩るサニーに体を擦(す)り寄せ密着させた。思わず蹣跚(まんさん)として後退すると、背中が壁に当たった。
「ほら逃げるなよ」
 ピースは左手で乳首を撚ったり引っ張ったりと弄びながら、右手を更に際へと進める。薄筋(はっきん)の畦を越え、会陰の脇をこしょこしょと2本の指で搔き撫でると、不随意に内腿の筋肉がひくついた。鉄板の中央を指先でこつこつと敲かれれば、勿論皮膚、粘膜がその刺戟を感ずる事は無いが、ピースのその指で触れられたかのようで気分だけが燙火(とろび)で炙られた。
 無遠慮に寄り掛かるピースの体温は温かいと言うよりも熱く感ぜられた。無論サニーの意識は下腹部に押し付けられるエラスティックな肉の感触に引き付けられ、体のその奥を熱(ほとぼ)らせた。今までされるが儘だったが、こちらも陶然とした気分になってきたので、腕をピースの腰に回し、性感に紅潮した顔で唇を求めるような表情を見せた。
「はっ、何勝手にキスしようとしてるんだよ」
 ピースはサニーの応ずるのを認めて、敢えて体を離した。お前の欲するようにはしないぞと云う意思を示しているようだ。彼女が抗議しないのを分かって肆縦(ししょう)するのを愉しんでいるらしい。
 ピースは乳首を抓る指先を喰切のようにして更に力を込めた。拇指と食指の稍(やや)伸び気味の爪が食い込み、新芽を摘み取ろうとする。
「ちょっ痛い痛い痛い痛い」
「我が儘な淫奔娘にはお仕置きしないとね……」
 サニーは目を瞑って、疼痛に甲高い声で騒いでいる。ピースは暫く上下左右に甚振って彼女の反応に愉快そうな表情を見せていたが、暴力を仄めかすとその目が不意に細められた。嫌な予感がして――今日が初めてではない――サニーは体を僵(こわば)らせた。
「あ゙、うぐ……、あ……」
 唐突に腹部へ加えられた衝撃に、サニーは短い悲鳴を漏らす事しか出来なかった。見開かれて白目勝ちになった目で下を見れば、ピースの握り拳が柔らかい腹に減(め)り込んでおり、引っ張られた皮膚に肋骨と腸骨の輪郭が器状に浮かび上がっている。壁と拳に挟まれて内臓が圧迫される事に因る鈍痛が重く拡がり、胃の内容異物が迫(せ)り上がる感じを覚えた。口の奥に酸い味がするような気がする。ピースが手を離すと、受傷部を庇おうとするように体を丸めてその場に蹲った。
「ごっほ……、うぅ……」
「ふぅっ……、お前はこっちだろ?」
 足許に崩れたサニーの目の前で、ピースはスカートを捲り上げて見せた。それはタイツの下で膨張し、その影をはっきりと映していた。タイツの直線的な模様が立体感を殊更らしく強調している。そして腰を突き出し、滑やかな67デシテックスの布地越しに顔面に擦(す)り付けてきた。先刻悲鳴の序でに漏らした涎が付着する。
 自分の口付けすべきはこちらだ、純愛らしい事をしようとするのは思い上がりだと分からされた。畢竟幾ら酷い扱いを受けても松明に狂わされた心は絆されているのだ。慰めてくれる物はこれしか無い。
「ほら」
「う、うん」
 手を伸ばしてタイツのウェストに手を掛けて下ろす。引っ掛かるので手前に引っ張りながら下げなければならなかった。
「あっ……♡」
 求めていたピースの陰茎が眼前に飛び出した。クジラの腹のように膨らみ、稍(やや)上向きに反った肉の茎が鼻先に触れると思わず歓喜の声を漏らしてしまった。その表面は灯りの所為か充血の為か赤銅色に照り、海綿体に沿った畝にはコウガイビルのように静脈が這い回っていた。持ち主の白く滑らかな肌と乖離して下品さが強調された。見上げる高さの先端では亀頭が傘を拡げ、獲物を刺殺する時を待っている。汗や尿とは又異なった独特の腥(なまぐさ)さが鼻腔へ吸い込まれると、愈〻我慢ならなくなった。
 撥条(ばね)のように跳ね上がろうとする肉幹を手で引き寄せ、ちろっと舌を出して先端を迎え入れた。ぺたりと鈴口に舌尖が触れて包み込むと、尿道球腺の分泌液のぬるりとした感触が有り、薄い苦塩(にがり)のような味が感ぜられた。
「んっ♡」
 敏感な粘膜を刺激されたピースが、小さく上擦った声を漏らした。
 その儘、舌を受け皿のようにして進めてゆく。大きく開いた口で陰茎の先を咥え込むと既に口腔は一杯に満たされたような感じがして苦しさも有った。中に充満した性臭が口から鼻の方へ抜けるので吸う空気も吐く空気も濁り、呼吸の度に頭がくらくらする。
 粘性を増した唾液を絡めながら、根元の方まで吞み込んでゆく。中程の太くなった陰茎は口腔内で舌の居場所を簒奪(さんだつ)し押し退けて喉の入り口まで至った。一番奥まで咥えた積もりだったが、まだ3分の1ほどは収まっておらず、前髪が微かにピースの体に触れたまでだった。口腔の奥行きが足りないらしいが仕方が無いだろう。吐き出した自分の鼻息が顔との間で渦巻いた。
 サニーは言われるまでもなく、そこから頭を動かし前後にストロークを始めた。ピースに満足してもらう為、と云うよりは自分が味わいたいからと云うのが大きかった。往復の度、唾液と尿道球腺液で潤滑した唇で幹の表面を撫で、亀頭の裏側を舌で擦(こす)る。十分に賞味する為に舌を絡めると、じゅるると卑猥な水音が立てられた。
「ん♡ あぁん♡」
 ピースの気持ち良さそうな声を聞くと、矢張り奉仕にも力が入った。陰茎の根元に置かれていた両手は、ピースの下半身を抱(だ)き擁(かか)えるように回された。腕を尻の辺りで交叉させ、自分の頭を彼女の股間に固定した。腕が当たった尻が柔軟に変形する感触は、それを持っていても他の部分は少女だと云う事を思い出させる。顔を少し横に向けて頰の粘膜で亀頭を擦(こす)ったり、舌先で舐め回したり。或いは先端から喉奥に閊(つか)えるまで勢い良く前後したりと、色々と芸を見せて媚びた。
「お♡ ああっ♡」
 ピースもそれに応じて腰をかくかくと突き出し始めた。それに従ってこちらの頭が激しく揺り動かされる。そして、サニー主導で与えられる快感に擬(もど)かしくなったのか、サニーのツーサイドアップの髪を摑み、勝手にストロークを始めた。手を離されたスカートがその上から被さり、サニーには薄暗い中でピースの下腹部しか目に入らなくなった。一旦唇の内側に雁(かり)が触れるくらいに引き抜くと、腰を突き出すのに合わせて頭を引き寄せる。サニーは繰り返される激しい盪撃に目を白黒させ、籠もった悶え声を上げた。
「んぐ……、んんぐ!」
「ん♡ ん♡ ん♡」
 サニーが已めてと言わんばかりに判別不能な悲鳴を上げ、苦痛に思わず舌で往復する陰茎を押し出そうとすれば、却ってそれがピースに快感を齎(もたら)すらしく、抽送は益〻助長された。陰茎が奥まで叩き込まれると、軟口蓋と舌根で狭まった喉の入り口を亀頭で抉開け、咽頭まで進んだ。本来は、固形物で云えば精々咀嚼された食べ物程度の物しか触れない場所だ。そんな所に強引に捻込まれれば激痛は必死だった。眦(まなじり)には涙が浮かぶ。先刻は全て収まりきらなかった物が、今は顔と下腹部が密着するくらいだ。そのしっとりとした感触と、口内の阿鼻叫喚は同時に齎(もたら)されて良い物ではないだろう。
 綜括して、引き寄せる力と相反する突き上げる頭を衝撃で激しく揺さ振られ喉奥を肆虐(しぎゃく)されるのは、丸で脳髄ごと犯されているかのようだった。
 次第にその抽送が高速で小刻みな物へと変化してゆく。ピースの射精が近いのだと、サニーは潰乱する意識で察する事が出来た。ピースは自らを絶頂に導こうとサニーの頭をぐらぐらと無遠慮に揺さ振り、脆弱な喉粘膜を執拗な摩擦で痛め付けている。しかし、サニーは悶絶を曇り声と涙で表現しながらも、射精を期待して苦痛の増すのも構わずにその陰茎に一層強く吸い付いた。抱きつく腕にも力が入る。それに従ってじゅぼじゅぼと卑しい音と共に白く泡立った唾液が口角から零れ出た。
「ん♡ あっあっ♡ 出るっ♡」
 ピースが止めに一際深く腰を突き出すと、熱い肉がどくと脈を打った。収縮膨張が根元から先端へ進み、亀頭が膨らんで口内を圧迫する。一瞬遅れて熱い精液が噴き出し咽頭の壁を敲く。それでは終わらない。喉奥に流し込まれた黏稠(ねんちゅう)の液体は、そこで詰まって行き場を失い口腔へと逆流してきた。塩基性のそれは酸のように舌を焼く。真っ先に強烈な蘞味(えぐみ)が、次いで仄かな鹹味が混ざって味蕾を刺戟した。更に鼻の方へも濃厚な独特の腥臭(せいしゅう)が遡った。恰(あたか)も空気に粘性が有るようにそれは鼻腔に纏わり付いた。
「うぶ……うえ゙……うぐ……」
 嘔吐(えず)くサニーに構わず、リズミカルな脈動と共に更に精液は注ぎ込まれた。口腔と陰茎の隙間を満たし切ると、鼻腔の方まで流れ込み始めた。鼻粘膜が浸透圧差に晒されると滲みるような痛みが走った。
 5,6度の吐精を終えると徐(やお)らピースは腰を引き、陰茎を抜き取った。唇から亀頭が離れるとぷちゅっと云う粘ついた音を立てて跳ね上がり、掉尾(ちょうび)を飾るようにスカートの下に埋もれるサニーの顔へ残りの精を打(ぶ)ちまけた。鈴口から粘液が不均一な太さの糸を曳き、唇から鼻、瞼、前髪までを汚した。
 互いに脱力すると、ピースはサニーの腕を解いて少し下がった。自らの物で穢したその顔を満足げに見下ろしている。彼女が自分の手にふっと息を吹き掛けると抜けて付着していたサニーの髪が散り、琥珀色の光を反射した。
 一方、漸く栓を除かれたサニーは、詰まった雨樋のようにごぽごぽと喉を鳴らしながら噎せ返った。だが、吐き出してしまうのは勿体無いと、揃えた指先で口角から垂れる白濁液を掬い、口へ戻した。口の中では唾液と混ざって変性し、鳥黐(とりもち)のように粘性を増している。口を開くと、歯の隙間や舌の裏まで行き渡った精液が、石の隙間に張られたクモの網のように纏わり付いていた。
 鼻の孔からは逆流した物が洟(はなみず)と共に垂れている。睫に精液が絡み、瞼を開くことを妨げている。頰へ流れた涙や何やらは顎の裏へ伝い、首筋から鎖骨へ跡を残した。酷く汚い様相だろうと自分でも思ったが、自然と表情は恍惚とする。ピースの穢れを受け止められて満足だと云うように。
 いや、満足ではない。肝腎の事が未(ま)だではないか。寧ろ上から熱い精を味わった事に因り、サニーの下半身は却って饑渇し蠢動した。妖精の精液は生殖の為ではなく只快楽の為の物なのだ。それを浴びて冷めていられる筈が無かった。
 口内の粘液を舌で刮(こそ)げて嚥下し、顔を手の甲で拭うと――勿論その汚れもしっかりと舐め取る――需求(ねだ)るような目でピースを見上げた。
「何だよその目は、ここまでしてやって未(ま)だ為做(しな)せ振(ぶ)る余裕が有るのか、終わってるね♡ ……良いよ、開けてあげる」
 ピースはキャビネットの抽斗(ひきだし)を開いてがさがさと遣り始めた。
「あれ? 鍵無いなあ、又今度にしよっか」
「え⁉ え……⁉」
「ふっ、冗談だよ」
 ピースはサニーのころころ変わる表情を見て愉しんでいる。
「ほら、脚開いてそこに寝転べよ」
 サニーを床に寝かせると、ピースは鍵を持ってその両脚の間に屈んだ。そして、半透明な粘液に塗(まみ)れた南京錠を解き、閂が動くようにした。しかしピースは直ぐにはその蓋を開かずに、鉄板の上から指でぐりぐりと擪(おさ)えた。当然その圧力はサニー自身に届きはしない。ここに至って焦らされれば、サニーは悶えて脚をばたつかせる。
「う……ピースぅ……」
 彼女が踠(もが)くのを力尽くで押さえ付けながら、到頭その鉄板を開いた。襁褓(むつき)を替えられるようで無様に思われたがその程度構ってはいられない。蓋を上げると、粘液の間に空気が取り込まれ、ごぽっと音を立てた。
 熱くなった肌が外気に晒された。恥骨の上に薄く被った媚肉の、求肥に黒文字を入れたような割れ目は十二分に分泌された蜜に溺れている。昂奮で充血しているのか、或いは単に固い素材に長時間触れていた為か、仄かに赤みを帯びている。そこから背中側、床に押し付けられて変形した尻肉の間へ流れ出していた。
 ピースは改めて指先でそのラインに沿ってそっと撫でた。解れた陰唇のぴたりと閉じた隙間に遠位指節間関節の辺りまでと浅く挿し入れ、薔薇(しょうび)色の花弁を搔き分けると、その指を甘嚙みするようにひくひくと収縮した。
「あっ、ああ♡」
 そして最後に遠慮気味に所在した菊門の、一点に窄まる淡桃色の皺の中心を爪で弾く。
「んあっ♡」
 ピースの愛撫を受けてこちらも我慢ならなくなり、思わず自分の右手を伸ばして触れようとした。闖然、ピースはその手首を摑んだ。
「勝手にシちゃ駄目だろ?」
「だってぇ、手が勝手に……」
 サニーのじなついた言い訳を聞き終わらんほどに、ピースはもう一方の手でその指を4本纏めて摑み、手の甲側へ強引に矯めた。
「いだ……已めっ……あ゙ああっ」
「サニーのここはあたいだけの物だからね♡」
 生木を折るような音が複数。サニーの右手の指は手品のスプーンのように後ろへ捻り折られた。握られる痛みが骨折に因る激痛に変わり、力を入れる事も儘ならなくなった。と云うより最早、今力が入っているのかいないのか、関節が曲げられているのか伸ばされているのかも分からないほどだった。指先から熱湯が染み渡るように激痛が侵蝕し、全身が硬直した。歯を食い縛り、濁点の付いた呻き声を漏らす事しか出来ない。
「あ゙……」
「ちゃんと大人しくしててね」
「う……」
 サニーは快楽と苦痛を代わる代わる与えられ、訳が分からなくなってきた。取り乱している内に、ピースは裾が汚れたワンピースを襞襟ごと脱ぎ捨て、タイツも脱ぐと裏返った儘脇の方へ抛(ほう)った。全裸になるとこちらへ向き直る。
 愈〻かと心拍が亢進する。疼痛がその血流に乗って駆け巡った。だが間も無く与えられる快感に因ってそれは揉み消される。床で仰向けになっているサニーの上からピースが覆い被さり、湿潤な秘裂に既に粘液に塗(まみ)れた亀頭が押し当てられたのだ。こちらからは見えないがそれが指ではない事は感覚で直ちに分かった。サニーは身動ぎと共に涙と精液の混ざった涕(はなみず)を啜ると、ピースの体を迎えようとこちらからも腰を突き出した。
「ん♡ やっぱりきっつい」
 釣り鐘状の肉の傘がサニーの恥肉を割り開き、侵入してくる。亀頭部分を吞み込んだ所で彼女の狭隘な膣口部分は一杯になり、締め付けでぎゅうと押し返している。その肉が蕩けるように歓喜の汁を溢れさせていた。ピースが道の先を確かめるように軽く腰を突き出し、粘膜に粘膜を押し付けると、その度にぐちゅぐちゅと婬音を立てた。
「んぐぅ……んん♡」
「あっ♡ 行くよ?」
「んあっ、ああああああっ♡」
 遂に熱い陰茎がサニーの奥へ勢い良く捻込まれた。迚も入りそうには思えなかったが十分な潤滑がそれを可能にしていた。裾を拡げた亀頭が膣内の皺襞(しゅうへき)にアイロンを掛けて奥へ突き進む。狭くとも柔軟な鞘は冉々(ぜんぜん)と変形し、ピースの物と函蓋相応じた。そして肉壁がぎゅうぎゅうと括約し、それを締め付けている。
「う……痛(いた)……、ああっ♡」
「おぉ♡」
 ピースが奥まで腰を突き出すと、亀頭に敲かれた子宮口がぷちゅりと吸い付いた。竿を全て吞み込むと、その奥で拉がれた小部屋がサニーに嬌声を上げさせた。
 互いの恥骨が搗(か)ち合い密着した。サニーはM字に開いた脚をピースの両膝で挟み込まれる形になっており、膝から先は潰れたカエルのように惰容(だらしな)く外側へ開かれていた。伸し掛かられると2匹の平たい胸のホイップが触突し、むにゅうと押し潰された。薄いなりにも柔らかい脂肪越しに相手の体重が感ぜられる。胸郭が圧迫され少し呼吸が苦しい。頰には熱され湿った吐息が掛けられた。
 全身で感ずる密着感、体の奥でびくびくと跳ねる肉幹の過大で痛みとも取れる異物感にサニーは陶酔していた。
「ああっ♡ あっああああ♡」
「あ? 何イき始めてんの? 煩(うるさ)ーい」
「あぐ……」
 引き攣るサニーのべとべとになった横っ面を嗤って殴り付けると、ピースは愈〻抽送を始めた。
「あっ待って待って、んん♡ 無理ぃ♡」
 肉棒が引き抜かれ、雁首が肉襞をずるると掘り返すとサニーは堪らず裏返った声を上げた。隠されていた弁(はなびら)が縋るように陰茎に絡み付き引き摺り出された。2人の下腹の間には白っぽく濁った粘性の汁が幾つもの糸を曳き、ねちゃあと耳に付く音を立てている。
「あっ、んんんん♡」
 再び陰茎が突き入れられる。一度収縮した肉鞘が又捻開かれた。膣の襞が一つ一つ擦(こす)れる度に、サニーは一々がくがくと痙攣し、震える嬌声を漏らした。勢(はず)みが付いて先程よりも深く挿し込まれる。最奥に行き当たるとぶちゅんと響き、体ごと衝き上げられるように揺さ振られた。もし正面から見られれば腹に陰茎の陰が浮かんでいるのではないだろうかと思わせるほど体の内側を深く抉られ、サニーはピースに押さえられた儘その体を仰け反らせて悶えた。
 当然それだけでは終わらない。ピースは発動機に火を入れたように激しいピストンを始める。陰茎が入る度、出る度に、サニーは更に狂ったように喘ぎ踠(もが)いている。ピースの方も卑しく纏わり付くサニーの感触に因って歯止めが利かなくなり、声を漏らしてかくかくと腰を叩き付け続けた。
「おらっおらっ♡」
「んう♡ んあっ♡ ああぅ♡ はあん♡」
 ピースはこちらの様子に構わず更に抽送を加速させてゆく。挿入される衝撃で前後に大きく体が揺れ、引き摺られた髪がぼさぼさになるほどだ。対してサニーは膣穴を裂けそうになるほどに抉られても、その苦痛を十分上回る快楽に善がっている。弾き飛ばされないようにピースの体を片方折れた手で抱き締めると、汗でべったりと湿っているのが分かった。それに応ずるようにピースもサニーの上体、頭と床の間に腕を入れ、脊椎が折れるのではないかと云うほどにぎゅうと締め付けてきた。そしてこちらの頭の横に顔を埋め、耳元で切羽詰まったらしい喘ぎ声を囁いた。
「んっんっ♡ 出すよっ出すよっ♡」
「ああっ♡ んんうううっ♡ 駄目ええっ♡」
「何が、はあ♡ 『駄目ぇ』だよ、イくっ……!」
 一層早まったピストンの後、腰が目一杯に押し付けられる。陰茎の裏が、全体がどくどくと脈打ち精液を注ぎ込もうとしているのが体内で分かった。
 サニーも思わず力が入り、ピースの体に脚を絡ませて牢と齧(しが)み付いた。互いに締め付け合う事で、最も深い所へ肉の杭が狂い無く打ち込まれる。
「あっ……はあぁ♡」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ♡」
 ピースは白く濁った溶湯をサニーの中で爆ぜるように吐き出した。全身をぎゅうと密着させた儘、陰茎を震わせどくどくと注ぎ込んでくる。
 同時にサニーは粘膜を攣縮させてピースの色を受け止めると限界に至った。体内を焼かれたかのように絶叫し、涙と涎を溢す。脈動と共に精液を流し込まれるとその度に全身を激しく痙攣させた。神経がどうかしたのかと心配になるほどだが、それを気にする者はここには居ない。
 そのサニーの体を押さえ込み、ピースは幾度かに亘って精液を注ぎ込み続けた。その黐稠(ねんちゅう)な白濁液が膣襞に、子宮口にべったりと絡み付き、満たしてゆくのが分かる。少女を絶頂に導く為の精虫が膣内を喰い進んだ。溜め込んでいた物を撃ち尽くしても暫くピースはサニーに覆い被さった儘、会陰を収縮させ空撃ちで陰茎を脈動させている……。

「ほら終わったよ」
「……うん……」
 ぐったりと脱力し横(よこた)わっていると腕を摑んで起こされた。折れた指が激しく痛む。精根が尽きて懈(だる)さで一杯だったが、不承不承立ち上がる。未(ま)だ四肢は覚束なげに震顫(しんせん)している。体内でごぽっと音がすると、手脚と同様にひくつく陰唇の裂け目から茹でた餅と水飴を混ぜたような物が重力に従って垂れ、内股に付着すると歪なカテナリー曲線を描いた。激しい運動の為、全身汗でびっしょりと濡れており、橙(だいだい)色の髪の先は濡れた筆の穂先のようになっていた。顔面は股間と同様2匹分の液体で酷く汚れている。
「そろそろ朝だから早く帰った方が良いんじゃないのー? ほら、付けて」
 ピースは汚れた儘の貞操帯をサニーの股に通す。ピースの体液がサニーの体の中に残された儘、その出口を封じられた。
「あの……次はいつシてくれるの?」
 半ば強引に上から下着を付けられ、着てきた服の袖に手を通しながら問うた。汗や何やらがべたついて気持ちが悪い、帰ったら2匹が起きる前にシャワーを浴びてしまおう。ここでそうさせてもらえない事に疑問は無かった。性処理をしてもらって風呂まで借りる訳には行くまい。
「じゃあ10日後にしようかな」
 実際の所、彼女の穢れを浴びてサニーは寧ろ慾の火を加速させていた。後10日も我慢する事を考えると気が狂いそうだった。尤も、狂わされた為にそうなっているのだが。
 サニーは黎明の空の下へ解放された。濡れた体が涼風に煽られると、一層熱(ほとぼ)りが増した。
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