真・東方夜伽話

八雲紫の男あさり

2018/10/28 01:24:45
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八雲紫の男あさり

喚く狂人

廃ビルに肝試しに来た青年がたまたま男あさりに来てた紫様とおセックスする感じのスケベです

 サークル合宿の一環として、廃ビルで肝試しをすることになった。金髪の女の霊が出る、出くわすと行方不明になるという噂があり、地元では有名らしい。
 彼はノリノリで参加した口だが、今は後悔していた。ビルの中は空気が籠もって暑い。暗い上に足下が悪く、気をつけないと転びそうだ。腕や脚を蚊に食われ痒い。否応なく、テンションは下がっていた。
 それでも律儀に、コースである三階まで上った。暗い上に階段のステップが妙に狭く、霊より転落のほうが怖い。最後の一段をようやく踏んで、溜息とともに前を見る。そして、息を飲んだ。
 ガラスの割れた窓から月が見える。月光を背景に、金髪の女が立っていた。季節外れのトレンチコートに身を包み、赤いハイヒールを履いている。紫色の瞳が、じっとこちらを見つめていた。
 幽霊に違いない。だが青年を驚かせたのは、非現実的な存在との遭遇そのものではない。女の、図抜けた美しさだった。知性ある切れ長の瞳、すぅと通った目鼻立ち、透き通る肌、赤く艶めく唇。人形のようだ――いや、これは適切な比喩ではないと、脳内で訂正する。どんなアンティーク人形も、目の前の女ほど均整のとれた顔つきではないだろう。
 もしあれが幽霊なら、近づくのは良くないことだろう。自分も行方不明になってしまう。けれども、もっと近くで見たいと思った。美なるものへの欲求は、抗いがたいものだった。
「こんばんは、わたくし、八雲紫と申します」
 女は呟き、お辞儀する。金髪といい瞳といい見るからに外人だが、日本人的な名前だ。疑問を抱くことはなかった。魂を奪われるような声に、聞き惚れていたからだ。
「突然で申し訳ないのですけど、少し、見ていただきたいものがあるの」
 ホラー映画なら、目をそらさなければ呪われる展開だ。そんな考えが脳裏をよぎるが、実行はしなかった。目をそらす? とんでもない。彼女の美しさから目をそむけるなど、勿体なくてコンマ一秒だってできはしない。
「これよ」
 紫が、コートを脱ぎ捨てた。夏場にわざわざコートなど着ている理由を、青年は理解する。彼女は何ひとつ身に着けていなかった。晒されたのは裸体だ。
 しかも、ただの裸ではなかった。完璧の二文字が、脳裏をよぎる。美を追究する営みの極致にあるかのような肉体だった。ボディラインは、無数の計算式によってはじき出された、肉体の最適解を描いている。見る者全ての網膜に焼き付き、何も見えなくするほど強烈なインパクトを秘めている。
 月光に照り映える首は、やがて天馬の翼のごとく優雅に左右へ広がる鎖骨へと行き会う。さらに下へ向かうと、豊満なる乳房へ行き着く。掌に余るほどたわわでありながら、全く垂れていない。なにかの数学的理論に基づいて描かれたかのような、均整のとれた曲線を描いている。女であることを、己の全存在で誇っているかのようだ。見るからに弾力ある肉で形作られているというのに、同時にとてつもなく柔らかいと直感させた。
 ミクロの傷一つない肌に象られた柔肉の先端を、ほんのり色づいた乳輪が飾っている。乳首はほんのりと尖り、己の存在を控えめながら主張していた。
 腹部は一切過不足ない、ソリッドなくびれを描いている。一流の彫刻家も彫り出せない輪郭だ。最上級の絹すら雑巾に思えてくる肌に覆われる様はさながら雪原だ。縦に走った臍が、ともすればぼんやりしそうな全体の印象を引き締め、絶妙な緊張感を与えている。
 腰回りはシャープに広がり、異性の視線を容赦なく惹きつける。ペニスをもつ限り、誰であっても逃げられない――彼も例外ではない。目を離せないでいる。下腹の茂みはよく整えられ、さながら西洋庭園のようだ。黄金の草叢は、それだけで男を勃起させるような、隠微なる空気を醸し出している。
 女性を女性として定義する秘めやかな裂け目は、すでに淫らに花開き、魔性とでも言い表すべきものをぷんぷんと振りまいている。あまりにも魅力的でありながら、どこか危険な香りも感じる。まるで、食中花のように。一度引き寄せられれば、二度と離れられず、永遠に搾られ続けるに違いなかった。
 脚は長く、すらりとして、無駄な肉が一切ない。一方で、矛盾しているようだが、むちむちとしていた。世間では、美脚に対して「カモシカのような」とか「モデルのような」というような表現を用いる。彼女の場合は違う。カモシカもモデルも、この脚部の足下にも及ばないだろう。
 青年は芸術に興味のない男だが、流石にミロのヴィーナスくらいは知っている。世界の宝であることは間違いなかろうが、目の前の肉体に比べれば鼻くそだった。
 世に並び立つものなし。
 紫の肉体は、そういうものだった。
「ぉ、ぉお、ぉ」
 青年は呆然とし、曖昧なうめき声を漏らした。デマと思っていた金髪の女の霊が現れて、しかも素っ裸を晒しているのだから、混乱してもおかしくはない。だが彼は、実のところ、混乱できる状態にすらなかった。露わになった裸身は、ごちゃごちゃした思考を一発で吹き飛ばしてあまりあるものだった。
 何も考えられない。ただただ、股間のモノが、はち切れんばかりに勃起していた。
「あら、どうしたのかしら?」
 紫の声が、耳を打ち、呆けきっていた青年の顔が自我を取り戻す。いつまでも聴きたいと思わせるほどに甘く、かつ本能が危険を感じる声だった。
「目の前に、裸の女がいて、周囲には誰もいない。このビルは窓が少ないから、ちょっと騒いだところで外に音が漏れたりもしない。誰かを襲うなら、絶好の機会ね。それなのに、何もしないつもりかしら?」
 流し目に、唇からのぞく舌。なにもかもが挑発的だ。ごくりと喉が鳴る。彼女が自分に何を求めているか、確信してはいる。けれども、あまりにも都合のよい考えに思え、確認せずにはいられなかった。
「何も、って、何を」
「あら、聞くの? ああ、言わせたいのね。簡単なことよ、この身体を好きなだけ弄んで、その股ぐらのモノをねじこんで、好きなだけ動かして、精を中で解き放つこと。その様子だと、したくてしたくて、たまらないようだけれど?」
 彼女の言うとおりだった。青年のペニスは、痛いほど勃起していた。赤い唇が一言一言紡ぐたびに、どくん、どくんと脈動している。鼓膜の奥から、音が聞こえてきそうだ。
「はぁッ、はぁ、はあ」
 気づけば彼は、今にも目の前の肉体にふるいつかんほど、息を荒げていた。最後の理性が押しとどめ、質問を投げかける。
「アンタ、一体なんのつもりなんだ、こんなところで」
「私? 私はそうね、犯されたいの。私は貴方が想像しているよりも長く生きているの。そうすると、飽いてくるのですわ。だからたまには、刺激が欲しいの。名も知らない男との、後腐れのないセックスで、ね」
 セックスの四音節を紡ぐ際、紫はわずかに身体をくねらせる。本当にわずかな動きだ。それが彼女に降り注ぐ月光を反射し、肉体を何より隠微に演出してみせた。ただの大学生でしかない彼が、堪えられるはずもなかった。
 ふらふらと、ゾンビのように紫へ一歩一歩近づいていく。目は血走り、制御不可能な欲を浮かべている。獣そのものだ。
 紫は逃げない。ひるむ様子すらなかった。ということは、つまり本当に、そういうことを望んでいるのだろう。なら、させてもらおう。据え膳だった。正体が何であろうと、関係ない。出るところは出て締まるところは締まった肉体が、男を惹きつけてやまぬものであることに、代わりはないのだから。
 目の前に立ち、手を伸ばしていく。開き直ったのだから堂々と触ればよかろうものを、おっかなびっくりであったのが、彼の限界だった。
 指は、乳房へ伸びる。たわわなる双山の片割れに、触れる。
「おっ、おぉおおおおお……」
 感動の溜息が零れた。弾力があるのは見ただけで分かっていた。だが、分かったつもりになっていただけと思い知らされた。想像以上だ。指先でちょんと触れただというのに、しっかり押し返されている。だというのに柔らかく、少し力を込めれば、どこまでも沈み込んでいくようだった。
 こんなのは、初めてだ。
 二年前に付き合っていた彼女も、別れた勢いで抱いた風俗嬢も、こうも素晴らしい乳房は持っていなかった。比較対象にすること自体ナンセンスだ。嗚呼、これこそが、乳房というものなのだ……かつて触れたアレらは、一体なんだったのだろうか。いや、どうでもいいことだ。今は目の前のものに集中したい。他のことなど、知ったこっちゃない。
 一度触れれば、あとはもう、坂を転げ落ちるようなものだった。夢中になって、天上の果実を揉みしだく。千尋の谷のごとき谷間へ顔を埋めるようにして舐め回し、先端に吸い付く。味などしないはずだというのに、今まで口にした何よりも甘美に感じられた。鼻孔に流れこむ紫の香りは官能的で、コレの前にはあらゆる香水がドブ川の水同然だった。
「あ、はッ」
 聴覚が、小さな声をとらえる。
 感じている!
 天にも昇る気持ちだった。これほどの美貌の持ち主を、自分が感じさせたのだ。誰に褒められるより、よほど強烈な自己承認だった。我を忘れて、神が削り出したかのような豊山を愛そうとする。
「ンッ、はぁ……胸ばかりで、いいのかしら?」
「えッ」
 思わず、顔をあげる。間近で見る紫の顔はほんのりと上気し、美をさらに強めている。何を聞かれたかも忘れ、呆けてしまうほどに。
「こっちも責めてほしいの、ねえ」
「ぉ、お、お」
 手を取られ、導かれる。下へ、下へ、彼女自身の秘裂へ。
 くちりと、小さく音がした。じっとりとした感触を、指先に感じる。濡れている。何によってかなど、考えるまでもないことだった。
 こんなものに触れてしまっては、もう歯止めなどきくはずもない。濡れそぼつ秘部に指をねじこみ、踊らせる。膣内は狭く、熱く、うねっていた。やはり、今までに抱いてきた女とはまるで違った。これこそ、ヴァギナというものだ。こうまで素晴らしい肉体に触れられるなど、自分は一体、前世でどれだけの功徳を積んだのだろう?
「あは、あッ! は、あぁッ、あはぁ」
 くちゃっ、くちゃっと、どんな管弦楽団の演奏よりも素晴らしい音が、紫の声が、耳朶を打つ。こちらが指を動かすほど、彼女は熱い吐息を零しながら身をくねらせ、よがる。
 きゅう、きゅうと、膣襞が指に吸い付いてくる。独立した生物のように。興奮に包まれながら、ゴクリと喉を鳴らす。こんなところに突っ込みなどしたら、どうなってしまうのだろう? それは、彼の貧困な想像力では、とても思い描きようのないものだった。
「あ、はぁッ、あは……いいわ、気持ちよくしてくれた、お礼をしてあげましょう」
「は?」
 素の声があがる。
 礼? 何を言っているのか。こんな素晴らしい思いをさせてもらっているのだから、礼をすべきなのはむしろこちらの方だった。
「ぉおおッ!?」
 紫の手が、神々が彫刻したかのような白い指が、男の股間をズボン越しになぞってきた。思わず、腰を引く。触れられることを嫌がったからでは、もちろんない。ただなぞられただけで、ぶちまけてしまいそうになったからだ。それはあまりに、情けない。
「お礼に、ここに溜まった臭い汁、空っぽになるまでぶちまけさせてあげましょう」
 紫のような美女が使うとはとても思えない、品のない表現だった。だからこそ、興奮を煽る。
 男が鼻息を荒くしているうちに、慣れた手つきで、ジーンズのジッパーを下ろしていく。蒸れたトランクスの内側から、するりと、勃起したモノを露出させる。
「ぉ、ぉおお、ッ、ぉお……」
「くくっ、まだよ、まだこんなものではないわ」
 根元から先端にかけて、指が撫でてくる。睾丸がぐつぐつと煮え、精子を急ピッチで製造していくのが分かる。ぞくぞくと、小さく腰が震えた。
「ああ……」
 溜息が零れた。紫が屈んだからだ。いつまでも触れていたくなるような身体が離れていってしまったのは、何より悲しいことだ。惜しむと同時に、しかし彼は、期待を覚えていた。彼女が何をしようとしているか、察したからだ。
「あは、いいわね、『外』の人間って」
 赤い舌が、艶めく唇を舐める。その様を見るだけで、いてもたってもいられない気分になってくる。紫の瞳が、ちらりとこちらを見た。慌てないの、と言われている。
「えぁ」
「ぉ、おお」
 口が、大きく開かれる。品のないほどにだ。彼女ほどの気品のある美貌が、そのような顔をすることは、かえって淫らであり、ただでさえ高まっている彼の期待をさらに煽る。
「あっ、は、んむぅッ」
「ぉ、ぉおッ、ぉおおおおッ」
 融ける融ける融ける融ける!
 腰が抜けそうだった。露出させた一物を、紫は一息に咥え込んできた。口内は熱く、肉棒をどろどろに蕩かそうとしているかのようだった。
 両脚に、そして腹筋に力を込めていた。無意識のことだったが、良い判断だった。もし普通にしていたら、あっという間に射精していたことだろう。
「んふッ……」
 紫の目が、面白い、とでもいわんばかりに輝いた。そのまま彼女は、口淫を開始する。
「ぢゅるッ、ぐぷ、ぐぽッ、れろ、んぢゅッ、れるぅ、ぐぷ、んふぅ」
「ぉッ、うぉッ、なんだ、なんだこれッ、おぉおおおッ……!」
 ぢゅるぢゅると、下品なくらいのフェラチオサウンドが響く。紫は頬を窄めて吸いつきながら、頭を前後させている。美貌が台無しであるが、彼にそんなことを気にする余裕はなかった。
 ぬるぬるしながらもざらついたものが、ペニスを這う。カリ首に沿うように舐めてきたかと思いきや、鈴口あたりをぐりぐりと刺激してくる。次の瞬間には、肉幹を丁寧に舐め回してくる。次から次へ、手をかえ品を変え、肉棒を責め立ててくる。
 一方で、頭を前後させる動きは止めず、ぐぽッ、ぐぷッと卑猥な音をたてながら、竿全体をしゃぶりたててくる。唾液に濡れてらてらと輝く唇が、自分ごときのモノに吸い付いている様を、彼は食い入るようにして見つめている。
「んふぅうッ……」
 紫は、目尻を垂れ下げていた。たまらない、と言わんばかりに。存在自体が奇跡じみた美貌がそのような表情を浮かべるのは、凶悪といってもいい。実際彼も、己の内から何か焦燥のようなものがこみ上げてくるのを感じていた。何であるかは分かっている。射精しそうなのだ。今までに経験してきたものとは比べものにならなそうだということも、感じ取っていた。当然だ。せんずりでもなければ、風俗嬢相手でもない。世界の美を大鍋に放り込んで煮詰めて生まれたかのような女が相手なのだから。
「ちょ、ちょっと、放してくれ、ぉおッ」
「んふぅうッ……」
 彼は慌てて、腰を引こうとした。もう射精してしまうなんて、いくらなんでも早すぎる。それに、勿体ない。彼女のような女が相手してくれることなど、一生ないだろう。今すら、過ぎた幸運なのだ。もっと味わわないと、後悔するのは目に見えていた。
「ぢゅ、るぅううッ」
 だが、許されない。紫はこちらの腰に手を回して、抱きしめるようにしてペニスに吸い付いてくる。可憐なる風貌のわりに、とんでもない力だった。しかも、逃げようとした罰だとでもいうつもりか、頬を窄めて強烈なバキュームを加えてくる。腹の奥から、強烈な衝動がこみ上げてきた。
「ォアッ、ぉッ、ぉおおおおおおおおッ!?」
 どうにかこうにか腹筋に力を込めていたが、氾濫を起こした河に木の枝でダムをつくるようなものだ。あっという間に限界を超え、衝動を解き放つ結果となる。
 低いうなり声とともに、睾丸から輸精管、尿道へと白濁が流れ込んでいく。こうなっては、抑えようとしたところで無駄だった。獣じみた咆哮と共に、男はスペルマを解き放つ。
「んふぅううッ……」
 どくん、どくんと、ペニスが脈動する。予想通り、今まで出したことのない量・濃度の白濁が、勢いよく放たれていく。あろうことか、紫は目を蕩かしてソレを嚥下していく。大砲のようにスペルマを撃ち出す肉棒にちゅうちゅうと吸い付いて、精虫の一匹すら残すまいとしてくる。
「ぉああああッ、ぉおおおおッ」
 一方の彼は、淫らに蕩けた彼女の表情に見入る――余裕すらなかった。魂ごと吸い出されるような射精に、脳味噌が灼けてしまいそうだった。下半身を捧げるように、身体ががくがくと震える。
 今までにない射精になるだろうことは想像できていた。だが、想像以上だった。何も考えることができない。ただただ、尿道を濃厚な液体が通り抜けていく性感に、意識を真っ白にされていくばかりだった。
「ぉッ、ぉああ――ああ……」
 暴力的すぎる快感だった。味わい続けていれば、廃人まっしぐらだったろう。そうならずに済んだのは、射精というものがせいぜい十秒ほどで終わる現象であるからだ。相手が紫という人外の美貌の持ち主であるがゆえ、多少は長続きしたが、大差にはならなかった。
 全身に汗をかいていた。ビルの中はただでさえ熱が籠もって暑いというのに、こうまで激しい射精を迎えたのだから、当たり前だった。呼吸が荒い。肩が上下している。
「ごちそうさま」
 紫は小さく喉を蠢かすと、呟いた。飲み干したのだ。男の欲望を。それに気づき、彼は強烈な興奮と羞恥に包まれた。彼女のような絶世の美女に己の精液を飲んでもらえる。男としては最高の名誉であると同時に、自分ごとき凡百がそんなことをしてもらえるのは、あまりにも身に余ることであると感じた。
「あら……まだまだ元気なようね?」
 アンタ何者なんだ、だとか、一体何がしたかったんだ、とか、聞きたいことは多かった。しかし、尋ねられる空気ではなくなった。紫は悪戯な瞳で、彼のソレを指さした。たった今とてつもない量の白濁を吐き出したにも関わらず、未だビンビンと勃起し、天を衝いている。萎える様子は、一切なかった。
「い、いやこれはその、なんというか」
「あは、まだ出来るのね? いいじゃない。それじゃあ今度は――こっちで、相手してもらおうかしら」
「えっ」
 紫はゆらりと起ち上がる。頬は紅潮していた。瞳は、明確に性的興奮をあらわしている。割れた窓枠に手をかけて、腰をこちらへ突き出した。たっぷりとしたヒップが、丸見えになる。数学の世界においてのみ存在する、完全な球形なのではないかと思ってしまうような、美しい臀部だ。それだけで、男の興奮をあおり立てるには十分だった。
「言ったでしょう? 溜まってる臭い汁、空っぽにしてあげるって。でも、もう一回口でするっていうのも芸がないと思わない?」
 だから、と紫は続ける。脚をわずかに広げる。秘唇へ、己の指を伸ばす。濡れそぼつ穴を、割り開いて見せた。にちゃぁ……と、粘ついた音が、彼の鼓膜の裏側にへばりつく。
 露わになった彼女の淫裂は、生々しい肉の色をしている。無数の襞がとろりとした蜜にまみれながら蠢いて、雄を誘い、肉棒を咥え込み、精を搾り取るためにあるかのようだ。
 彼女の意図するところを、青年はやっと理解した――セックスをしようと、誘っている。
「どうかしら。今まで生きてきて、こんな穴に突っ込んだことがある? きっと、無上の快楽を味わえることでしょうね」
「ふぅ、ふぅッ」
 折角の誘い文句だったが、届いてはいなかった。ペニスが痛い。これでもかというほど充血し、はち切れてしまいそうだ。びくんっ、びくんッと、触れてもいないのに脈動を繰り返している。月光に照り映える八雲紫の肉体には、それくらいの魔性が備わっていた。
 すぐにでも射精さなければ、きっと破裂してしまうだろう。どこに? 考えるまでもない。本能が、やかましいくらいに叫んでいる。目の前に差し出された穴に、紫の膣以外に、ありえない。
「はあ、はあ」
 理性など、吹き飛んでいた。紫に突っ込み、精を吐き出せることの価値の前には、道徳や倫理観など鼻くそも同然だった。チャンスを逃がすものかという思いを反映するように、男の手が、こちらへ差し出されたヒップをがっしりと鷲づかみにする。
「ぉおッ」
 獣欲に突き動かされていた彼だったが、感触に思わず声をあげた。彼女の臀部はどこまでもむっちりしており、弾力と柔らかさを両立させている。しかも最上級のシルクでもかなわないほどに滑らかだ。単体で、ダイヤモンドよりも価値のあるものだった。
「あは、早く、来てぇ」
 娼婦よりも淫らかつ品のない声で、誘ってくる。腰を、挑発的にくねらせてくる。肉棒が、さらに膨れ上がる。反射的に、怒りすら覚えた。なんなんだ、この女。これ以上モノを勃起させて、一体何のつもりなのだ。そんなにヤられたいなら、お望み通りにしてやろうじゃないか。
「あはァ……ッ」
 体内で燃え上がる欲望に突き動かされて、肉棒を淫裂に押し当てる。ちゅっ、と、口づけでもするかのような音がした。濡れそぼつ紫の秘部が、異物の接触に反応し、歓待したのだ。小さな声を、彼女はあげる。一挙手一投足が、セックスに誘っているかのようだ。
「あ、はッ、あ、あ、あ」
 少しだけ、腰を前に押し出す。ぬる、と、亀頭がほんの少し、彼女の中に入り込む。熱した泥沼のようだ。密着して、圧迫して、吸い付いてくる。こんなところに挿入して、本当に大丈夫なのだろうか、精液どころか魂まで搾り取られてしまうのではないだろうか。そんな考えが脳裏をよぎったが、もはや止められるはずもなかった。
「あっはぁあああああああああッ!」
「ぉッ、ぉおおおッ……!?」
 持ち主の制御すら外れて、腰が前方に突き出される。ビンビンに勃起したペニスは、物理法則に従って、目の前の穴に――紫のヴァギナに潜り込んだ。ぬぶんッ! と、なんともいえない挿入音の後に、下腹と尻肉が打ち付けられあう軽い音が響いた。
 紫はたまらないというような、高い声をあげて身を震わせる。ペニスに抉られる快楽が、全身を駆け巡ったのだろう。快感に襲われたのは、彼女ばかりではなかった。青年もだ。
 指を入れ、粘膜を見、わずかに挿入もしたので、分かっていたつもりではいた。こうして深々と挿入してみて、再認識する。彼女の膣は、魔性としかいいようのない名器だと。きゅうきゅうと締まる膣肉を割り開き奥へ侵入する瞬間、無数の襞がめくり返され、ぞるるるるっ! とペニスを刺激してきた。強烈な刺激でありながら、愛液がほどよい潤滑油となって、痛みはなく、純粋に快楽だけを与えてくる。今まで抱いてきた女の穴とは、桁が違う。未曾有の快楽に、彼は裏返った声をあげる。
「うぉおッ、ぉおおお」
「あはッ! あ、激しッ、あはッ、いいッ、そうよ、もっと、あはッ、ああ!」
 こんなものを味わわされて、じっとしていられるはずもなかった。貪欲に、猛烈に、腰を振りたくっていく。肉棒が膣口を出入りし、ぐちゅッ、ぬぶッと、結合部から卑猥な音が響く。ぱんッ、ぱんッと、リズムよく抽送音が鳴るたびに、紫はたまらないという声をあげてよがってみせる。
 彼女のような女を感じさせることは、男にとってこれ以上ない自己承認である。しかし、感動を覚えている場合ではなかった。突いては抜くたび、膣穴はペニスをきゅうきゅうと締め付けながら、ふわふわした襞でもって絡みつき、竿やカリを刺激してくる。一度射精しておいてよかった。そうでなければ、もう今の時点で果ててしまっていただろう。
「あはぁッ、あんッ、あは、あぁッ、あはぁあ」
 むっちりとした尻を、知らず知らず揉みしだいていた。掌から幸せな感触が伝わってくる。中身がしっかり詰まって、弾むようでありながら、しかし柔らかい。前の彼女のは、尻などではなかったのだと思い知らされるようだった。
「あはぁッ、いい、チンポ、あはッ、ああ、いい、あぁあ」
 こちらが腰を動かすたびに、紫は面白いように声を垂れ流す。それはただの淫らな嬌声ではない。いうなれば、男を射殺す劇薬だ。彼は見事に射貫かれていた。もっと聞きたい、聞かせろと、凶暴な獣の本性を曝け出しながら、抽送を一層速めていく。
「ふぅっ、フゥッ、フゥッ、フゥッ!」
 呼吸が荒い。心臓が張り裂けそうだ。そうだ、何を遠慮することがある。求めてきたのは向こうじゃないか。だったらこっちは、当然の権利として、この肉体を好き放題に弄んだところで、許されるはずだ。
「アッ!」
 性欲の高まりに比例して鈍化する欲望が、そのような結論を導き出す。男の左手が、紫の乳房へ大胆に伸びる。突かれるたびにふるんふるんと震え、卑猥に形を変えてこちらを誘っていた、不埒なる乳房に。右手は尻を揉みしだいているままだ。こちらもこちらで楽しみたかったがゆえに。
「ぉおッ、おおお」
 先も揉みしだいた乳房ではあるが、こうしてセックスの最中に楽しむとなると、また格別のものがある。獣欲、支配欲、そういったものが満たされていくのを感じる。しかも、指を沈み込ませたり、先端を親指と人差し指でこねくり回してやるたび、膣がきゅうきゅうと締め付けてくるのだ。
「あはっ、あぁ、あぁんッ、あぁあ」
「うぉおお!?」
 不意に、彼は身体を跳ねさせた。紫が、腰をくねらせはじめた。こちらの抽送に合わせるように、肉棒への刺激をいっそう強めていく。また、白いヒップが軟体生物のように蠢く様は、視覚的にも相当な威力を秘めていた。
「クソ、ぉおッ、っおおお」
「あはッ、ああ、ッ、あはぁ、ソコッ、もっと、もっと突いてぇッ、あはぁ!」
 そこと言われても、どこのことなんだか分かりはしないし、狙うような技術も余裕も彼にはありはしなかった。とにかく、欲望に突き動かされるまま、獣のように腰を振りたくるばかりだ。紫のほうも、彼の興奮を煽るのが主目的だったのか、激しくなるピストンに満足げな嬌声をあげるばかりだ。むっちりした下半身が、くねくねと振られている。
「ぉッ、おおお、ぅおおお」
「あはぁッ、あぁッ、あぁん、アッ、は、あぁあッ」
 ぱんぱんぱんぱんと、肉と肉が打ち付けられあい、乾いた音を断続的に響かせる。紫の蕩けた声が続く。次第に男は、自らの奥底から衝動がこみ上げてくるのを感じ始める。また、射精しそうなのだ。紫も、それに気づいたのだろう、淫らな笑みを浮かべながら、告げる。
「あはッ、中に、膣内に注ぎなさい、貴方の臭いザーメン、私の子宮に思い切りぶちまけるの、あはぁ、私が許可するわ、さあ、さあ!」
「ぉッ、ぉッ、おおおおッ!」
 そこまで言われては――いや、言われずとも、中出し以外ありえない。腰を密着させ、小さなストロークを何度も何度も繰り出していく。雄杭の先端が、こつこつこつと行き止まりにぶつかる。子をなす場所への入り口、聖なる小さな口――子宮口に。
「あッ、あッ、あはぁッ、あっあっあっあっあっ!」
 女を女たらしめる根源を小突かれているからか、紫は蕩けるような声をあげる。アリアドネが一本一本紡いだような髪を振り乱して、されるがままによがる。彼女がよがれば、自分に返ってくる。膣肉がきゅうきゅうと締まり、襞がいやらしく絡みついてくることで。それは彼のピストンを、一層速くしていく。快楽のらせん階段だ。
「ぉお、お、おおおおおおおおおおッ――!」
「あはッ、あああッ、あああああああああ!」 
 階段なのだから、終わりはある。元々限界ぎりぎりだった彼は、あっという間に上り詰めた。最後の一撃として、ポルチオに鈴口をぴったりと密着させる。むちゅ、と、熱烈なキスを交わすような感触がした。
 腹の奥でぐるぐるととぐろを巻いていた衝動がはち切れ、会陰が収縮する。睾丸内で煮えたぎっていたマグマのごとき欲望が、堰を切って尿道口へ流れ込み、体外へと放出されていく。濃厚なスペルマを解き放つたびに、目の裏が真っ白に燃えるような快感が全身を駆け巡っていく。脳味噌がダメになりそうな性感に、男はただただ、うなるような叫び声を上げるしかなかった。
 同時に、紫も絶頂を迎えたようだった。ひときわ高い声をあげ、身体を震わせる。全身に浮かんだ汗が、珠となって散った。卑猥なほど育った乳房が、尻肉が、ぷるんっ、と放埒に震える。膣肉や襞が今まで以上に収縮し、ペニスを根元から先端にかけて抱きしめてくる。精子の一粒すら尿道に残さず、注ぎ込んでもらう、といわんばかりに。
「ぉッ、ぉおおおッ、ぉおおおおおお」
 がくがくがくと、膝が震えている。腰を思い切り前方に突き出す様は、立っていられるのが不思議に思えるほどのバランスだった。だがそれも、次第に終わりを告げる。本来の何倍かほどの体積まで膨れ上がっていたペニスが、脈動を収め、次第に萎え始める。
「おぉ、おッ、ぉお……はぁッ、はぁッ、」
 この年にして赤玉が出るかと思うほどだったが、ようやく、射精が与える快楽の荒波から降りてこられた。荒い呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと、腰を引き抜いていく。襞は未だに絡みついており、達したばかりの敏感なペニスにはいささか刺激が強い。亀頭が引き抜ける瞬間、ちゅぽんっ、と、栓を抜くような音が鳴った。
「ぉお」
 感嘆の溜息が零れた。引き抜いたのに一瞬遅れて、とろりと、白濁が膣口から溢れたのだ。紫という、誰もが高嶺の花と諦めるような美女に膣内射精をした証だった。夢のような瞬間だったが、夢ではなかったのだ。
「あはァ……良かったわ、貴方、とっても」
「そ、それは、どうも」
 窓枠に上半身を預けるようにしていた紫が、ゆっくりと起き上がった。顔は紅潮しきり、額に髪が張り付いている。汗の浮かぶ乳房や腰、白いものを滴らせる下腹はなんとも官能的だ。あれほどの射精の後だというのに、あまり見ているとまた勃起してしまいそうだった。改めて見る究極の美に、思わずどもってしまう。
「そうね、貴方ならいいかしら」
「何が? というかアンタそもそも、何者なんだ」
 爪先から頭頂まで、品定めするように見つめられる。特に、ペニスを。いくらか萎えていたものの、紫の視線を浴びたことで、またむくむくと膨らみ始めていた。元気でいいわ、と彼女は呟いた。
「改めて自己紹介しましょうか。私は八雲紫、幻想郷の管理者で、外には『コレクション』を集めに来たのですわ。言ったでしょう? 長く生きていると、飽いてくるって。だから貴方のような、精力ある男を集めては、楽しんでいるの。貴方は合格。私のコレクションとして、私や従者を気持ちよくしてもらうわ。フフ――これからよろしくね」
 紫が手を一振りする。空間が引き裂かれる。見慣れぬ風景が、向こうには見えていた。 金髪の女に出くわすと行方不明になる。噂の真相はこういうことだったか。今にも拉致されようというのに、彼は何も恐れてはいなかった。むしろ、これから送る、彼女とのただれた生活を思い描き、肉棒をただただ膨らませていた。
次ァ多分霊夢
喚く狂人
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1.性欲を持て余す程度の能力削除
相変わらず身体の描写表現がうまいなあ