真・東方夜伽話

こうして私は獣になる

2018/10/15 22:57:54
最終更新
サイズ
23.47KB
閲覧数
421

分類タグ

こうして私は獣になる

SYSTEMA

2016年紅楼夢にて喚く狂人さまが主催してくださった東方官能小説合同「猥ザップ」に寄稿させていただいた作品です。喚く様ありがとうございます!



























0

「レミィ、これはどういうこと?」
「私はパチェのことを待った、でもあなたは何も答えてくれなかった。ねぇパチェ。私のものになってよ」
 その言葉を聞いてからの一秒で断る理由なんて百通りでも浮かんだだろう。でもそのうち一つも口にすることは出来なかった。
なぜならそのとき私は乱暴に服を奪われていたし、
唇を割り込んできたレミィの舌と舌を絡ませていたし、より悪いことにレミィはセックスが上手で黙らせる術に長けていた。
身体が重なったところから気持ちが昂ぶり始めて、空気を押し出すみたいに声が漏れ出す。
それから有無を言わさずレミィは肉棒を排泄のための穴にあてがい、そのまま貫いた。レミィの男根がぬちゃりと音を立てて、肉襞を掻き分けて入り込んでくる。
緩やかに私の中で彼女は動き始めた。大好きなレミィに抱きしめられ、肉棒で身体の奥底を叩かれている。
悪いことをしていると自覚していても身体は甘い刺激の奴隷となっている。
背筋を焼き切るような快感が瞼の裏に星をいくつか飛ばし、荒い呼吸と獣のような香りがあたりに濃く立ちこめて理性を蹴っ飛ばす。
夢か現か分からない中で言葉を伝えようとして身体を捩らせる。
 「ひゃ、あ。それ以上はっ、あっ、やっ」
「ヌチャヌチャ濡らしているのにそんなこと言われても、あんまり説得力がないわ、ねぇこうしたら最高に気持ちが良いのよ」
 吐息を弾ませて、股に生えたペニスをねちっ、ねちっと執拗に擦り付けられた。
嫌悪感。肉棒による刺激を欲しがっている自分に対してと、この状況への困惑が頭を真っ白にする。
「だめ、なのよ、レミィと私は友達、っあんっ!」
 よりによって一番気持ちが良い場所をごりごりと硬い亀頭で責められる。
 強い刺激から逃れようと身体を捩らせても、レミィの力で押さえ込まれて刺激が強まるだけ。
「でも、パチェのケツ穴、私のチンポを咥え込んで放そうとしないじゃない」
「ぐっ、さっさと前で……っふぁ」
「血の味が変わるからだめ。パチェはやっぱりケツで感じて欲しい」
 変態、そう囁きながら腰を強く打ち付けられると、ぞわりとした感覚が走り、
とろけるような全身のけだるさの中で、一点燃えている部分がますます燃えさかり大きく広がっていくのを感じた。
 理性を打ち崩す槌は私の身体の奥深くでじんじんと突き上げてくる。呼吸が出来ないほどの快感の波に合わせるようにレミィは下腹部に溜まっていた怒りを私の中に爆発させた。一瞬、肉壁越しに肉棒が膨張したかと思うと、次の瞬間には熱い何かが吐き出されていた。
「いっ、はぁ」 
 涙を流した時、レミィの手が止まる。気持ちも身体も強ばっていた。
 それまでは気の良い友人だったはずなのに、レミィの目は獰猛な獣のようにギラついていた。
 レミィは獣だ。獣の瞳は美しく直視できないほど歪んでいた。
「好きなのでしょう?」
「分からない」
「たぶん、気の迷いだから」
 永遠に紅い幼き月、紅い悪魔、ツェペシュの末裔、そしてこの紅魔館の主ことレミリア・スカーレットは狂っている。
紅魔館の中ではそう声に出したものは良くて死体、悪くて血の霧に変えられてしまう。
私の場合は驚いて涙を流す程度で済んだ。それが良いことだったのか悪いことだったのか未だに答えは出ていない。
ただ確かなことは、彼女の心には重大な穴が開いていて、その底が見えそうになると彼女は衝動的に血や、そのほかのもので埋めようとする傾向があるということだ。
そんな風に能的なレミィを見ていると、私が習慣としている読書が如何に平和で自分自身を動物から遠ざけてくれるか分かる。
レミィのような尊大で傲慢な捕食者には分かるまい。だから私は頁をめくり、読んだ文字を頭の中に並べる。
 
1

 そもそも読書は素晴らしいものだった。これまでの人生の中で幸福だと感じた時には常に本が近くにあったように思う。
 そんな読書の経験さえあれば幸せだった私が本から離れ生活している。そのきっかけは魔理沙の結婚式だった。
「小悪魔、行くわよ」
「はぁい、今日のパチュリー様、髪をアップにしていくのですね、黒のドレスも似合っていますよ」
 魔理沙の結婚式は夏の気配がそこかしこに現れ始めた頃に執り行われた。相手は香霖堂の主人らしい。
あのおてんばな魔理沙が惚れぬいた先にあったのは、大げさな恋の逃避行でもなければ今生の別れを孕む悲恋でもなく、
数時間後に博麗神社で執り行われる簡素な神式の式なのだ。夢見がちな魔理沙らしくもないけれども、これはこれで良いのだとも思う。
急ごしらえの夢はいつか醒めてしまうし、そんな夢が醒めた後に愛する人と取り残されることの方がよほど残酷なのだから。
「あなたがしたのでしょう? さぁそんな言葉は魔理沙に伝えてあげなさい」
 まるでお人形遊びをするかのように小悪魔が私を仕立て上げていったことを思い出す。
普段の鬱屈を晴らすかのように彼女は髪を結い上げ、留めていった。手も止まらなければ口も止まらなかった。
曰く魔理沙の結婚式は異変が起きるだろうからその場に立ち会えることは素晴らしいということ。
異変が起きるという証拠にレミィ達が先に博麗神社に向かっていること云々。
饒舌さがいつもと違うわねと伝えると、そうですねと笑ってごまかしていた彼女も一枚噛んでいるようだ。
いつもより丹念に髪を触る彼女をたしなめたくらいには彼女は浮かれていた。嬉しいのだろう、そういう所は
「はぁい、でもパチュリー様。これから魔理沙さんのお祝いをするのに本はさすがに読まなくても良いのでは?」
「どんなときでも必要でしょう? 何が起きるか分からないんだから」
「それもそうですね」
 小悪魔は玄関の扉の向こう側、梅雨明けの夏空が彼女を照らす中で困ったように微笑んだ。
「その方がパチュリー様らしいですから」
 小馬鹿にしたような言い方にすこしだけ、むっとした。
 身体はドレスにあまり馴染まず、付けすぎた香水が気になって肝心の祝い事の方に考えがなかなかまとまらない。
魔法の一つでも見せておわりにしようか、どうやって時間を潰そうか。
暑さは面倒だが何かを手に持った魔導書だけがいつも通り私を安心させてくれる。
珍しく晴れた空はそれなりに眩しくて目を瞑る。髪が揺れて外の世界の匂いが懐かしく感じるほどには籠もっていたらしい。
世界は私を抜きにしても回っていく。苔むした石段を覆う木々の間から境内にたむろする人々の声が漏れ出ていた。
神社の境内では人々にせっつかされるように魔理沙が挨拶をしていた。
「魔理沙、これからはちゃんと本を借りる時は話しなさいね。勝手に持っていったら旦那さんに言いつけるから」
「わかってる、その点はちゃんとするからさ」
 そんな風にいつも通り私は彼女に一言二言話しかけて料理を摘んで、辺りの様子を見回した。
 式は簡単なものだったが、かなりの人や妖怪が押しかけていたが、人妖が集まれば必然的に起きる面倒事も無かった。それほど彼女は愛されていたのだ。
 ただ魔理沙とその主人を取り囲む人波は、私には泥か砂程度のものにしか映らなかった。
退屈だった。語る相手もいなければ、するべき事も無い。酒に酔う気分でも無ければ、音楽に身を揺らす気分ではない。小悪魔はとうの昔に人混みの中に消えてしまっている。
 結局社務所の縁側に座り傍らに持った本を読み返していた。気忙しい人の流れは視界に入らなくなり、やがて音楽も聞こえなくなった。
 文字が私の中に入りこんでくる。或いは文字の海の中に飛び込んでいく。場所がなければ本の中に飛び込めばいい。
「パチェったらまた本を読んでる」
 しばらく気がつかなかったけれど、本を取り上げられそうになりその声の持ち主がアリスだと気がついた。
「返して」
「返すわよ、全く、はい、これシャンパン」
「うん」
 私は一口飲んだ後また本の世界に飛び込もうとした。
「ねぇ、パチェ。あなた今どこにいるのか分かっているの?」
「魔理沙の結婚式」
「そこで何をしているの?」
「本を読んでる」
「お祝いはした?」
「一応したわよ」
 アリスは私の本を取り上げた。
「本がないと生きていけないの?」
「そんなこと、無いわよ。出来るわ」
「そう、でもあなたは、外の世界に何も興味がないのね」
 心底軽蔑したと言う顔が、祝いの場には相応しくないほどの鋭さを放っていた。
「そのうちだれもあなたに興味を持たなくなるわよ」
 シャンパンを飲み干して、その場を離れた。人混みの中で笑っているレミィを見かけて少し話してから祝いの弾幕を空に放った。
皆が笑っていたように思う。出された料理を食べて、更に何度か飲んだ後小悪魔を連れて紅魔館に帰った。まだ人々の騒ぎは収まっていないようだった。
「帰って本でも読んでいた方が良かったのかしら?」
 隣を飛ぶ小悪魔に話しかける。
「でも。魔理沙さん喜んでいましたよ。パチュリー様が来ていたって。でももっと皆の中に入っていっても良かったのかも知れません」
 本が無ければ、小悪魔の言うように人混みの中に入り込めていたのかもしれない。余計な一冊が、一生の思い出に傷を付ける。

2

 手土産にもらった蝋燭を片手に紅魔館の門をくぐって、部屋に戻り椅子に座っていつも通り本を読もうとするが上手くいかない。
思い当たる理由はアリスからの言葉に違いない。うまくコミットできないもどかしさと、アリスの叱責が手を止めているのだろう。
私は本を書架に片付けて椅子に座った。小悪魔が少し不思議そうにこちらを見ている。
「小悪魔、私、しばらく楽しいことをしようと思うの」
「良い季節ですから新しいことを始めると良いでしょう」
 小悪魔は笑ってからまた書庫の奥に消えていった。後悔を紛らわせるために図書館の中を歩き回る。
夏場の湿気が図書館の中に満ちていた。まるで空気が重たくなったかのように思えるほど歩みはゆっくりとしていった。
さらに気晴らしに一度図書館から出て、紅魔館の中を歩き回った。
夏の日差しを見ながら少しうつむいて、しばらく本は読むまいと心に決めた。
だが生活の大半を占めている読書を無くすならば、何かしなければならない。
小悪魔が心配して私のそばに来ていた。彼女は優しい。何も言えない私に向かって魔理沙の結婚式で起きた椿事を語る。
「うん、そのことなのだけれど、しばらく図書館を閉めようって思うの」
「どど、どうして? 私はもう暇を出されてしまうのですか?」
「違うわ。みんながいるところに戻りたいのよ、あなたは大事な子だから私の側に居てちょうだい」
 魔女として普通の生き方を真似ることは滑稽に映るだろうとも思う。でも魔理沙のあの姿に憧れている自分を自分自身に隠し通すことは出来ない。
魔女だけの生き方では見えないこともあるのだ。それに、戻ることも出来るに違いないから。単純に鍵を掛けるだけなら、私にだって出来る筈だろうから。

3

 広い廊下を右へ左へとぶらつきながら、何をしようかと考えていた。
散歩も良いかもしれない、あるいはおめかしをしてみても良いかもしれない。
廊下の角を曲がると、カシャンと食器がぶつかる音がした。見上げると少し驚いた顔をしている咲夜が慌てている。
「あら、パチュリー様」
「咲夜」
 魔理沙について語りたいのは彼女も同じらしく紅茶を飲みながら久しぶりに咲夜と紅茶を飲むことにした。
「魔理沙の結婚式、良かったわね」
 咲夜は向かいのソファに座って物珍しそうに私をみた。
「あのドレスは良かったですね」
「ええ、憧れちゃうわ」
「着てみましょうよ」
「それも良いかもしれないわね」
 外の世界では縁がなかったあのドレスも、ただ着るだけなら今なら出来るかも知れない。
「咲夜、あの服を造れる子はどれくらいいるかしら?」
「一ダースは用意できますわ。それにしてもドレスですか?」
「ええ、少しね」
「魔理沙の事が気になっていますか」
「そうね」
 それから二人で魔理沙がこれからどうなるのかを暫し話した。
咲夜は遊び友だちが減るからと少し寂しく思い、私は盗人が減ることを喜んでいた。夜が仄かに明け渡る頃になって扉を開ける者が居た。
「咲夜、呼んでも居ないと思ったらここに居たのか」
 戸口からレミィが顔を出す。
「パチェが本を読んでいないなんて珍しい」
「ちょっと考えて、新しいことでも始めようかなと思って」
「ふぅん、へぇじゃあパチェの新しい姿が見られるわけだ」
 レミィは私を珍しそうに見つめた。
「パチュリー様もドレスを着たいとのことですよ」
 レミィが考える事一秒。
「作りましょう、それで式をするのよ」
「式って誰とするのよ」
「まぁみんなと記念撮影をしておしまいで良いでしょう」
「みんなでドレスも楽しいですわ」
「男装したりしてね」
「似合うかも」
 基本的にこの屋敷に住む者達は祭りが好きだ。
なにかにつけて祝いたがるのは幻想郷ならではだし、ハロウィンだっていつも同じようにしている。
でも式が出来るなんて、こんなに皆優しかったのだろうか。みんなとても優しい。これが紅魔館の良いところだと少し嬉しくなった。

4

 翌朝には純白のドレスが一着出来上がっていた。一度鏡の前で身体に当ててみる。
ぴったりとしたラインが浮き上がる、最高の一品だった。
「着ても良いのかしら?」
「ええ、どうぞ」
 鏡に映った私を見て小悪魔は感動しているのか、真っ赤な目でこちらを見ている。レミィはおもしろそうに呟いた。
「ねぇ、パチェ。あなたは誰のお嫁さんになるの?」
「ん、みんなのお嫁さんでいいわ、幸せだもの」
「それじゃ、そう言う式をしましょう」
「いいの?」
「ええ、お婿さんはあなたをもてなさなきゃならないもの」
 あこがれが叶いそうになっている。あれほどまでに強く望んだ何かが叶おうとしている。
本はあこがれを叶えてくれなかった。だから私に本は必要がないと感じた。
厳格な両親に育てられた私にとって本は一つの逃げ道で、それさえも昨日に消えてしまった。
本や魔術から離れた生活を送らなければならないのだ。
「パチェ、みんな待ってるから。私たちはもっとあなたの事を知りたくて触れたくて仕方が無いの」
「うん」
 レミィが言うような生活。そういう日々に足を一歩踏み込んでみるべきだろう。
「ねぇ、レミィ、これを預かって?」
「何かしら?」
「図書館の鍵、かけてみたのよ」
 翡翠の飾りが付いた鍵をレミィの手に渡した。
「分かった、しばらく預かるわ」
「うん」
 私は軽い足取りでレミィの後についていった。物事が動いている。確かな速さで。
暫く歩くとホールに着いた。期待の眼差しで私は手を掛けた。重たい音を響かせながら扉は開いた。

5

 天窓が開いていて、そこから湿った空気と冷えた空気が流れ込んでいる。大きなホールではメイド妖精が最後の椅子を運び込んでいる最中だった。
「これは、なにをするの?」
「ん、それは結婚式をするの」
 だってパチェがそういう衣装を着るんだものと親友はつぶやいた。最後のメイド妖精が扉を閉じて私たちは大広間で二人きりになった。
「レミィ」
「ん?」
「ありがとう。こんなにも良い友達だったなんてね」
「パチェのその姿、すごく良いわね」
「ええ。ありがとう」
 微笑み返した先には真剣な眼差しでこちらを見つめるレミィがいた。丁度その時仕立てをしているメイド妖精がやって来た。
「まだ少しフリルをお付けします。お着替えを致しましょう」
「パチェごめんね、ドレスは脱いでおいで、紅茶をこぼすと良くないから」
 魔理沙が執り行った式へのあこがれは、ここ数日で強くなっていた。
その式の先は人間の営みがあるだけで私には何の関係も無いはずなのに、
特別なことが形だけでも執り行われそうだという事実が、平凡な私に年末年始のような不思議な高揚感をもたらしてくれる。

6

 レミィについて紅魔館の廊下を歩く。時折振り返ったり立ち止まったりする彼女の心中を私は察することができない。
部屋に着いてから、彼女が私をじっと見つめていることに気がついた。その瞳の色の中には昔見た獣の鋭さが交じっていた。
「何?」
「うん、ちょっと寒くなってきたわねって」
「パチェはそうやって見ている姿がとてもよく似合う」
「そう」
「そして、なんだか憧れているのだなって思うわ」
「そうね、相手がいなかったけれどね。もうしばらく本は読まないって言っていたけれど、本当?」
「ええ。しばらくは外に出てみようって思ったの」
「ふぅん」
 しばらくの間二人の間に沈黙が流れた。レミィはいつもなら笑うはずなのに緊張している様に思えた。
「パチェは昔、私の事を断ったわね」
 静かにレミィは語り始めた。
「え、ああ、昔の話ね」
「ええ懐かしいわ。あなたと一緒に暮らし始めた時なのに私はまだそのことを覚えている」
「でも。まぁそれはあなたの吸血衝動から来たから仕方ないわね」
「いや、パチェを求めていた。でもそれを裏切られたんだ」
 レミィが私の手を取った。そのまま抱き寄せられて唇を奪われた。強引だった。
「本を読まない魔女。魔法が使えなくなる魔女。可愛いわ」
「どういうことなの」
「私のものになるの」
 レミィは笑う。

7

 ねじ込まれた舌が、口腔内を嘗め回す。レミィの手は胸の周りをちくりちくりともてあそんでくる。
「どうパチェ、あなたのその姿最高に可愛いわ。ねぇ舐めて」
 気がつけば目の前に隆立した肉棒が差し出されていた。
「いやらしくしゃぶってよ、ねぇ。パチェは色好きでしょ?」
「そんなことないわ」
「逆らったらどういうことになるか……よく知ってるでしょ?」
 ギュッと乳首をねじり上げて彼女は残酷そうに笑った。恥ずかしいけれど命に替えられない。ドレスのフリルが揺れた。
「あうっ……はい、レミィ」
「お嬢さまと呼んで」
「おじょう、さま」
 雄の匂いに惹かれている自分がいる。鼻先で感じる熱気は身体を熱くさせる。あれを舐めたら、どうなるのだろう。
「どうして欲しいの?」
「……させて」
「なに?」
「舐めさせて」
「……しゃがみなさい」
 真っ赤に怒張した肉棒が鼻先に来る位置まで膝をついてしゃがんだ。
かがんでいると肩を押さえつけられて動けなくなった。有無を言わさずして肉棒が口に割り込んできた。
口腔内が異物で一杯になった。ちょっとの時間、背筋がビリビリして頭がボーッと痺れる。レミィが怒らないうちにこういう事は処理してしまうに限る。
「うごっっ、ふぁ、おぐっ、あぐ、あ」
 呼吸が出来なほどの大きさだった。レミィは私の頭を押さえ込んで腰を叩きつけた。
唾液が零れ、顎を伝いどろりと落ちていく、喉の奥が性器になったような気がする。
「吸血鬼のチンポをそんなに上手そうに舐るなんてパチェはやっぱり変態、ね」
「そんな」
 嘔吐感を堪える、何度か呼吸をするとレミィの肉棒から熱い精液がなだれ込んできた。
口から溢れた精液をレミィは指ですくい取り、そして私の口にねじ込んだ。苦くて、喉につかえるような雄の精液と溢れ出た唾液で口元が汚れた。
「げほっ、おえっ」
「パチェ、さぁ立ってお尻をこっちに向けて」
「そっちは、そっちはやめて!」
 初めての人の為に取っておいてあるバージンをこんな場所では失いたくなかった。
「パチェはみんなのお嫁さんだよ、でもバージンは大事にしなきゃ。だから」
 レミィは肉棒を尻にこすりつける。尻たぶの間を行き来する熱い肉棒が止まった。
「えっ、そこ」
「まぁお嫁さんはバージンじゃなきゃ」
 突き立てられ、菊門にぐぐぐと押し込まれていく。強い痛みと異物感で呼吸が止まる、吐き出して、深く吸い込む。
「あっ、ふぁ!」
 小さく痙攣した身体を見てレミィは笑った。
「感度よすぎるわね。パチェってアナルも感じるんだ」
「ち、違う、抜いて」
 ゆっくりと抜かれると排泄に似た感覚が続き、再び声が出てしまった。
「ケツ穴をガチガチのチンポで犯されるのが好きなの? やっぱり、淫乱女なんだな、パチェは」
 淫乱、だなんて。
「でもそんなパチェも好き、だからチンポの形が残るまでケツ穴犯してあげる」
 異物感になれてしまうと、繰り返される排泄の感覚が、じんわりと身体全体を緩ませ、温めていることに気がつく。
尻たぶを広げられるたびに感じる羞恥心で思わず尻を捩らせるのにレミィは動けないように押さえ込んでくる。
ストロークが速くなり、ゆっくりと抜かれる。身体が限界に達していた。
「あっっふぁ、っっああ」
 大きく跳ねた身体を見てレミィは楽しそうに笑った。ずるりと尻穴からレミィの肉棒が引き抜かれた。
「愛されたいって言ってたでしょう? だから愛してあげたの」
 愛がこんな形をしているのだとしたら、どれほどの不幸を背負って人は生まれるのだろうか。
「それじゃ、またね」
「……もうこないで」
「いずれ来るよ、そう言う流れだから」
 ドアが閉められて、私は部屋に一人になった。
打ち付けられた穴の感覚が喉と尻から消えず、水で口元をゆすいで吐き出そうとしたときに少しだけ惜しく感じた。
そんな思いを振り切るように、私は水を吐き出した。喉元の感覚はしばらく消えそうになかった。
「パチェ、あなたが運命を狂わせたのよ。何をしてもあなたは変わり続ける運命なの、そういう定めなのよ」
 部屋を出る時にレミィが放った言葉が、いつまでも耳に残った。
 
8

「ん、んん」
 催淫効果でもあるのだろうか、先ほどまであった尻穴の軽い痛みや、口の中に残っていたレミィの精液の残滓が恋しくなってきた。
 廊下の半ばに居るのに動けない。部屋の前でショーツの下の熱くなった部分に手を伸ばす、数度いじった辺りで後ろから呼び止められた。
 美鈴と咲夜がそこに立っていた。
「パチュリー様」
「あっ、ああ」
「こんなところでお慰めとは、紅魔館の風紀に関わります」
「溜まっていたのですね」
「そんな、そんな事無い」
「それはさておき、準備が整いましたから、ホールの方へ」
「う、うん」
「大丈夫です、皆準備が出来ていますから」
 片手を捕まれて、私はよろよろと立ち上がった。
「パチュリー様、本は無くても十分魅力的ですよ」
「もどり、たい」
「でも、もう図書館は閉じてしまいましたし、鍵やら魔方陣でもうだめになっていますから」
「え」
「さ、皆待っていますよ」
「パチュリー様は本をおやめになると伺っております」
 二人は笑っている。
 
9
 
 色とりどりの花に囲まれて、人々はみな笑顔だった。メイド妖精も、誰もかも。
押し上げられるようにして壇上に立つ。それから美鈴と咲夜は私たちに近づき、それからスカートをたくし上げた。
 赤黒い男根がその存在をはっきりさせた。
「なっ」
「舌先を出して下さい。お嬢様に力を分けてもらったのです」
「そんな」
 言われるがままに舌を出した、満足気に美鈴は笑うと私の頭を掴んで思い切り肉棒を突っ込んできた。
「がっ、ゴェッ」
 喉奥が異物を吐き出そうと蠢くが、お構いなしに美鈴は太い肉棒を前後させる。頭の中が強烈な嘔吐感と、淫靡な雄の匂いで一杯になる。
「ドレス、汚さないで下さいね」
「そう、ドレスをたくし上げましょう」
 ぐしゃぐしゃになったショーツを脱がされ、机の上に組み伏せられる。
期待をしている自分がいる。先ほどまで私を飲み込んでいた快感の波に身を任せて身体を溶かしてしまいたいとすら考えてしまう。
「パチュリー様お口とお尻、一緒に責めますね」
「ふぁ、ん」
 美鈴が腰をがっしりと掴む、硬い肉棒が出すはずの穴の辺りをぐるぐると回って、そしてふさがりきっていない尻穴に肉棒を押し込んだ。
「は、ぁあああ!!」
 異物感を打ち消そうと、腰を軽く浮かせて力む。でもそれは無為な抵抗であり、ただ美鈴が愉悦の声を上げる刺激にしかならなかった。
「くっ、パチュリー様、そんなに締め付けないで下さい」
 愉悦の声を上げる美鈴の動きに合わせて、肉が擦れる熱さとはまた違う確かな熱と快感が体を貫いた。尻が恥ずかしい音を立てて、のめり込んだ肉棒をシゴく。
「さぁ小悪魔も」
「いや……です」
「はぁこのふにゃちんが」
 小悪魔だけが私に手を出すことを躊躇っていた。
不安げな表情を見ていると、この子がまだまともな神経を持っていたことに私は感謝するほかない。
使い魔だと割り切っていたのに、この子は、主の姿を見て涙を流していたのだ。それだけが苦痛と快楽に紛れる私の中で一つの救いのように思えた。
 
10

「パチュリー様。ごめんなさい、私には何も出来ませんでした」
 そのまま放心状態だった私の服を洗い何もかもを助けてくれたのは、使い魔の小悪魔だった。
「逃げましょう」
 地面を這うように飛びながら小悪魔はいろいろなことを話してくれた。
レミィが魔理沙の結婚式の姿をみて誰かの運命を操ったこと。おそらくそれが私ということ。
紅魔館はもう手遅れだろうということ。博麗が動き出すかと思うがそれもしばらくかかるだろうということ。
そう、あの場所はレミィの欲に飲み込まれてしまった場所なのだと分かった。どこで歯車が狂ったか
 煙霧の中に紅魔館が消えてしまったとき、ひどく寂しかった。
何もかもが失われた場所から離れた今何が残るのだろうかと思う。でも、小悪魔に握られた手のひらの温もりを信じて私は進んでいくだけだ。

11

 山中にある小屋の中は薄暗く、寒かった。小悪魔が暖炉に火を入れて、無言で炎を見ていた。
「パチュリー様、ごめんなさい、これしかなかったんです」
 そういって差し出された服を着る。
「また、このドレス」
「すいません、着替えがそれしかないのです」
「いいわ。うんありがとう」
 呪いだとしても。この子が居てくれるのだとしたら私は何とかやっていける。私たちは暫く暖炉の前で暖まり合っていた。
「紅茶を淹れましょう」
「ええ」
 小悪魔から出された紅茶は温かい。温もりに触れて自分がひどく疲れていることに気がついた。
瞼がひどく重たい。

12

 目が醒めるとそこは小綺麗な部屋だった。ただ、首に違和感を覚えて指を当ててみる、
そこには首輪を付けた花嫁の姿があった。私だった。
「パチュリー様。女の人がいつか男の人と出会って結婚をしますよね。その証に指輪をつけるのです。
永遠に終わることのない環を愛の象徴として贈るなんて素敵だと思いませんか。だからその首輪も」
 小悪魔は私の顎をつまみ上げた。
「永遠に、終わる事のない。愛です」
「小悪魔?」
「私、パチュリー様が大好きだったんですよ、でも皆さんがパチュリー様を犯していて、悔しくてここまで連れてきたんです」
 だから、と言って小悪魔はスカートをたくし上げた。
黒いストッキングの向こうでは苦しそうに男根がその存在を主張していた。
小悪魔は迷うことなくストッキングを下ろし、太いソレを私の鼻先にぶら下げた。雄の香りが、私の身体の奥を刺激する。
「わたしのお嫁さんになって下さい。だから口を開けて、そう舌も出して」
 言われるがままにすると小悪魔の熱い肉棒が口腔を擦りあげ、更に熱くなった。
 腰を突き出される度に喉奥を塞がれて、呼吸が苦しくなる。
でも口腔内のねとりとした味が愛おしくなってしまっているから、もう拒否することが出来ない。
自ら首を突き出してじゅぼじゅぼと音を立てながら私は、過去の自分の事を思い出せなくなっていた。
「はぁ、はぁ、パチュリー様のお口、最高、あとは尻穴狂いのパチュリー様の為にこれ。一緒にしましょう?」
 手を上に繋がれていて抵抗が出来ないでいる。
小悪魔に体の最も秘密の部分を大きく開かれ、出すための穴に太い肉棒を入れられるという異常さに少し嗚咽が混じる。
ぐぐぐと吐き出そうとしていても抜けない。振動を続けるバイブがそのうち身体の一部になってしまうに違いない。
 私は本を読む生活が終わって欲しくなかったのだろうと思う。本を読みながら皆と程よい距離を保つというこの甘い生活が。
「パチュリー様の世界にはもともとパチュリー様しか居ないんですよ、パチュリー様は話していてもパチュリー様は自分に向かってしか話していないんです」
 私は本を読むことを全てとしていた。でもそれだけじゃ駄目だって思った。
だけどそう気がついたときには私には何も出来ないほど力がなかった。
本を失ったあとの世界は私を飲み込んで、私の全てを変えてしまった。
小悪魔に何かを捧げることは、愚かかもしれない。何のためらいもなく襲い来る獣が生命の尊さを鑑みることなんて無いだろう。
小悪魔の肉棒が激しく身体の奥底を叩き、目の前の景色が歪む。
獣のような声と共に、隠していた澱のような感情があふれ出した。 
 でもどんな形であれ誰かに必要とされるのだとしたら。そこで誰かに関わることが出来るのだとしたら。
「パチュリー様、私のものになってください」
 それを断る理由なんてあるのだろうか。
 嗚咽はもうどこにも届かない。獣のような声はこの薄暗い部屋の中にこだまするだけだ。
 こうして私は獣になった。ただ交わるだけの獣に。




お読みいただきありがとうございました。
頑張りました。
SYSTEMA
http://twitter.com/integer_
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
一本のお話で三度おいしい!
大変おいしゅうございました。ごちそうさまでした…!