真・東方夜伽話

霊夢くんと、魔理沙くんと

2018/08/24 20:54:28
最終更新
サイズ
219.71KB
閲覧数
753

分類タグ

霊夢くんと、魔理沙くんと

Romy

女装霊夢、女装魔理沙、オリキャラ女。苦手な方はご注意あれ。
初出:例大祭13

第一章 霊夢くんに、しちゃう

 里のはずれの神社、そこの巫女様とはちょっとしたお知り合い。霊夢ちゃん……いいや、霊夢くんはオトコのコなのに、何故か巫女さんをやってる。里ではみんなが女の子だと思ってるけど、わたしは知ってる。以前行水をしているところに出くわして、見てしまったんだ。その体にはしっかりとオトコのコの証がついていることを。以来、里の同じくらいの男の子なんて全く見る気がなくなって、とにかく霊夢くんの声が聞けるだけでいいからとわたしは毎日神社へと足を運んだ。そうして、少しずつ仲良くなれていったんだ。
 最初は「毎日よく来るわね」ぐらいだったんだけど、その内に「また来たの?」と離れに上げてくれたり、わたしがご飯を持っていって一緒に食べたり、色々なお話を聞かせてもらったり。
 そして今日。お家に泊めてもらうんだ。霊夢くんはひとりで暮らしているから当然ふたりっきりなんだけど、周りはみんな女の子だと思ってるから誰も心配しない。巫女様と一緒ならむしろ安全だ、とまで言う。
 ふたりっきりの夜、一体どうしよう? ご飯を食べたら、お風呂? そのあとは、……そのあとは。ぞくぞくした。頬がかぁっと赤くなる。どきどき胸が高鳴って、体が熱くなっていく。
 知ってる。知ってるよ。いやらしいことだ。布団の中で体に触りあって、口付けて、それから……!
 今からこんなに、ばかみたいに心踊らせている。楽しみ、という気持ちを溢れさせないよう押し留めながらわたしは神社に急いだ。

「……、で……、だぜ」
 石段を一段飛ばしで上った先、境内には既に先客がいた。黒い格好をした女の子が霊夢くんと喋ってる。すごく楽しそう。
「あ、来たの」
 霊夢くんがわたしに気付いていつものすまし顔で迎えてくれる。
「霊夢くん、その子だれ……?」
 見慣れないその女の子に若干の警戒心を抱きながら、挨拶を飛ばして訊ねてみる。
「ん、そういえば初対面だっけ。魔理沙よ。霧雨魔理沙」
 魔理沙と紹介された黒い女の子は、整った歯を見せて笑った。言葉遣いも相まってなんとなく男の子っぽい子だな、と思った。
 わたしも自己紹介して、よろしくね、と言ったが、内心では少し複雑だった。霊夢くんと楽しそうに話していたのが気になった。それに、男の子っぽいって言ってもすっごく可愛い。
「どうしたのよ? 難しそうな顔して」
 微妙な表情が表に出ていたのだろう。霊夢くんがいつの間にかわたしの顔を覗き込んでた。
「な、なんでもないよっ。ね、お家入ろう? 風、冷たいしっ」
 複雑な気持ちも、霊夢くんの顔が予想以上に近かったせいで吹き飛んでいた。わたしは取り乱すのをごまかすようにそう提案していた。
「そうしようぜ、霊夢」
 幸い、魔理沙ちゃんも同調してくれてこの場はいったんお流れになった。

「ねー、霊夢くんー。お味噌どこー?」
 晩御飯の用意の最中も居間のこたつでぬくぬくしている霊夢くん。
「それはあそこにあったはずだぜ」
 魔理沙ちゃんは勝手知ったるとばかりに戸棚から目当てのものを探し当てる。
「あ。ありがと……」
 わたしはまたも複雑な気持ちになる。魔理沙ちゃんがこうも詳しいってことは、前々からこうしてたってことだから。
「……」
 わたしの様子を見て、魔理沙ちゃんもやりずらそうに頬を掻いてしまった。でも……
「あいつ、ものぐさだろ? ……いつも聞いてるぜ。世話してくれる子がいて、大助かりだって」
 そんな言葉を掛けてくれて、わたしは自分の勝手さが嫌になってしまった。
「ありがと……」
「へへ、元気出たみたいだぜ」
 素直に言えたお礼の言葉に、魔理沙ちゃんも笑ってくれた。わたしもつられて、えへへ、と笑った。
 魔理沙ちゃんは、すごくいい子だった。

 今日は魔理沙ちゃんも一緒に泊まることを知ったのは、わたしたちが晩御飯を食べ終えて(ついでにちょっとだけお酒を飲んで)その後片付けも終わったあとのことだった。本当はふたりっきりがよかったんだけど、ご飯も終えてすっかり魔理沙ちゃんと打ち解けていたわたしもその方がいいように思えた。でも、わたし以外の女の子に声をかけたのには少し複雑。霊夢くんは表向きは女の子だから仕方ないんだけど。
「ふたりだけじゃ寂しいし、呼んでおいたのよ」
「そうだぜ。寂しいからーって」
「いつもひとりなのに?」
「う、うるさいわね。いいじゃない。たくさんいた方が楽しいでしょ」
 なんだか霊夢くんらしくないなあ、と思ったけど、酔っ払っているからかもしれない。何せ霊夢くんはお湯割りをもう四杯は飲んでて(内一杯は一口しか飲めなかったわたしの飲み残し)顔がほんのり赤い。六杯も飲んだ魔理沙ちゃんも似たようなものだった。
「ま、どうでもいいか。それより、お風呂入ろうぜ」
 入る……じゃなくて、入ろう。
「何きょとんとしてるんだ? 一緒に入ろうぜ。霊夢も」
 わたしがどう誘おうかとやきもきする暇もなく、魔理沙ちゃんがさも当たり前のようにみんなで入ることにしてしまったのだった。

「あー……。我が家我が風呂ながら、極楽ね」
「じじくさい巫女だぜ、まったく」
 目を閉じて脱力する霊夢くんに、魔理沙ちゃん……いや、魔理沙くんが呆れた顔をしている。といっても、いつものことらしくて霊夢くんも気にしてない。
 わたしも、三人入ってもまだ足が伸ばせる広い湯船に浸かって極楽気分を味わえて……いなかった。魔理沙くんが呪文一言、薪要らずでお風呂を沸かしたのにも関わらず。
 そう、魔理沙「くん」だ。男の子っぽいな、というわたしの何気ない感想は大当たりだったのだ。魔理沙くんも、霊夢くんと同じ。女装したオトコのコだった。
 裸を見られるのが恥ずかしくて、裸を隠しもしないふたりを見られなくて、わたしは湯船の隅でもじもじ身体を隠して向こうを見ていた。
「なんだよー、そんな隅っこでっ」
「きゃっ!」
 それを見止めた魔理沙くんが後ろから飛びついてくる。瞬時に身体を硬くしてしまう。横を向くと、釣り目がちの大きな瞳がこちらを見ていた。息を呑む。
「こっちこいっ、……それっ。霊夢も手伝え手伝え」
「そ、そんな……! 恥ずかしい……」
 結局霊夢くんは手伝わなかったものの、酔っ払った魔理沙くんの力にはたまらずわたしは浴槽のまん中に引っ立てられた。
「おー、おっぱい……」
 ぐっと顔を近づけた魔理沙くんが妖しげに呟いた。間違いなくわたしと自分との身体の違いについてだ。身体をかばう自分の腕を、わたしはとても心細く感じた。
「霊夢もわたしも、まったくないからなー」
「こら、つっつくな」
 魔理沙くんが自分の胸に、ついでに霊夢くんの胸を触ってため息をついた。ふたりとも白い肌の上に桜色のぽっちがあって、ついじっと見つめてしまった。
「な、触っていいか?」
 魔理沙くんは顔を近づけるクセがあるのかもしれない。これじゃあ……断りづらい。ううん、迷ってるんだ。このふたりなら……少しぐらい。わたしは今日神社まで来るとき、いったい何を考えていたのか。
「霊夢からもほら、な!」
「……困ってるでしょ」
 話をふられた霊夢くんをみる。
 魔理沙くんの冗談めいた態度がわたしの背を押す。
「そうだ! 霊夢のちんちん触るのと交換で!」
「ばか。何で人のを。触らせるならあんたのにしなさい」
 そこまで真剣に考えるまでもないのかもしれない。
「……いいよ。触っても」
「あんた、まさかあたしのあれに……」
 酔ったふりして、
「うん、ちょっと触ってみたかったの」
「な……」
 ……飛び越えてしまえばいい。
「えへへー。そいじゃ、触っちゃうぜ」
「うん……」
 そう。たいしたことなんて何も無かった。人の指だけど、別に、なんてこと。
「れ、れいむれいむれいむ、やらかいぜ。れいむもほら、ほら」
「騒々しいわね、もう」
 大はしゃぎする魔理沙くんに呆れた様子の霊夢くんと目が合う。
「……それじゃ、ちょっとだけ」
 すぐに視線をそらされてしまったけど、嫌な気はしなかった。
 恐る恐る近づいてきた指が、わたしの小さな胸についに触れた。持ち上げるようにやわらかさを確かめて、指で淡く揉んで、手のひらでぐ、ぐ、と押した。
「あーっ! 霊夢ちんちん立たせてるぅ」
 そんな風に霊夢くんの指を見つめていると、魔理沙ちゃんが急に叫んだ。
「う、うるさいっ。しかたないでしょう。……それに、あんただって」
「ちょこっと触っただけの霊夢に言われたくないぜ」
 本当だ。魔理沙くんが波打たせるから分かりづらいけど、みなもの下に不自然に上を向く肌色がある。立ち上がった魔理沙くんのものもおなじ。
「霊夢の触るって、約束だったよな……?」
 魔理沙くんがとても冷酷な顔をして、笑った。触る、という言葉にわたしはつばを飲み込んだ。
「あんたが勝手にしたんでしょうにっ」
「れーいーむー? 無理すんなってぇ。触ってほしいに決まってるよなぁ?」
 魔理沙くんが楽しそうに霊夢くんを追い詰めている。
「ばかっ。あほっ。そんなわけ、ないわよ」
 霊夢くんの顔、真っ赤だ。わたしの方をちら、と見て、もっと赤くなった。
「じゃあ……」
 目尻に涙さえ浮かべて言い返す霊夢くんにくるりと背を向け、魔理沙くんはわたしに向き直る。
「悪い。霊夢、どうしてもだめだって。だから……代わりにわたしので勘弁してほしいぜ」
「ちょ、ちょちょ……え!?」
 さっきまでの楽しそうな態度から一転。急にしおらしくなって、もじもじと体を揺らして見せた。小さな声で「優しくしてほしいぜ」なんて。
「絶対にだめっ!」
 霊夢くんも一転。急に慌て出して、魔理沙くんを派手に引きずり倒した。
「どあほっ。どすけべっ」
 お風呂に沈めて、べしべしと引っ叩きまくる。
「いた、げほっ! やめるのぜっ」
「あんた、どうせ変なことする気でしょっ」
 魔理沙くんがどざえもんごっこを始めたころ、霊夢くんがわたしに向き直り咳払いする。
「ほら、さっさと触りなさい。……ちょっとだけだからね」
 そこはもう既にくんなりして、頼りなく垂れ下がっているばかり。いまの騒ぎの間に元に戻ってしまっていたようだ。
「……わ~」
 両手を伸ばし手で包むように触れる。触れた瞬間、霊夢くんがひくっと跳ねた。
 男の子の、見たことはある。下品、やらしい、汚いって、霊夢くんのそれを見て、もう言えなくなっちゃった。見慣れないものへの感心、押し込めていたそれが顔を出す。
 触り心地は乳牛のおっぱいみたい。ほんのり温かいところも瓜二つ。おしっこが出るところは切れ込みのようになっている。魚のくちびるみたい。指で撫でると、霊夢くんが「あっ」と声を上げる。
「ごめんなさいっ、痛かった……?」
 慌てて顔を上げると、霊夢くんが口元に手をやり横を向いていた。絞るような声で「平気よ……」と返す。わたしはそれでほっとしつつ、より慎重にまた触り始める。里の同い年の女の子たち。どの子だって、こんなことしたことないはず。ちょっぴり優越感を抱きつつ、男の子への、霊夢くんへの好奇心を満たしていく。
 左手でたまたまの入った袋を触る。だらりと垂れ下がっているそれを、猫の顎を撫でるようにさすった。軽く握ると、中に本当に玉のようなものが入っている。
「なんかかわいい……」
 率直にそう口にすると、霊夢くんは「ばかっ」て言う。でも、逃げたりはしない。わたしは人懐っこい猫にそうするみたいにちゅってしてあげた。どうして平気でそんなことができたんだろう。けど、そんなに汚いことをしているとは思わなかった。
「れ、れいむく……わ、なになに……!?」
 なお霊夢くんをにぎにぎとしていると、急に霊夢くんが育っていく。手の中で大きくなっていくさまは、本当に育っているとしか言いようがなかった。下を向いていたおちんちんが頭を持ち上げていく。どくどくという血の巡りの感触が強くなる。手のひらに伝わる熱も、手を温められるくらい大きく。
「ほほー。れいむ、ちんちんさわさわされてこーふんしたんだなあ?」
 水死体の真似をしていた魔理沙くんが、霊夢くんの後ろからひょっこり顔を出した。霊夢くんは不意を突かれてあわあわと狼狽えるだけ。顔が真っ赤なのは、のぼせたからじゃ絶対ない。今なお、さすってあげると切なそうに跳ねさせているから。
「しゃせーさせてやろうぜ」
 耳慣れない言葉を口にした魔理沙くんの手が這い登る。脇腹から、おっぱいへ。桜色のぽっちを指で弾くと霊夢くんが腰砕けになる。
「手で筒っぽ作って……そうやって、しごいて」
 霊夢くんは「こらぁ……」だとか「やめなさいって」と言いながら、無抵抗だった。熱でうなされているように息をつき続ける。
 倒れそうな霊夢くんを魔理沙くんが支える。わたしは魔理沙くんの言うとおり、指で作った輪っかを霊夢くんにひっかけ、前に後ろに動かした。紅葉のように赤い先っぽは腫れてるようで痛そうなのに、霊夢くんの漏らす声は悩ましげ。
 一度行って戻るたび、霊夢くんのがひくつく。神秘的な巫女さまが持つとてもとても生々しい体のはたらき、この手いっぱいで感じ取る。感じたことも、見たこともない知らないことを、きっと大人がみんなしてることをわたしはしてる。こわいのか、わくわくするのかは分からない。
「れいむ、れいむ……」
 うわ言を漏らす魔理沙くんが霊夢くんのお口に吸い付いていた。わたしはお日様を直接見てしまったよう。強烈な有様が目に焼き付いて離れない。
 わたしが見とれている間、手の動きは止まっていたのに霊夢くんは絶え間なくおちんちんを引きつらせ続けた。くちゅくちゅという音、みんなが憧れてやまないことがら。綺麗な男の子どうしの、見る者の目を奪い息止めさせる行い。
 目を閉じ味わっていた魔理沙くんがわたしの視線に気付いたみたい。口を離すとわたしに笑いかける。
「どうだ? わたしも霊夢のちんちん触りたい。交代しようぜ」
「いいのっ?」
 願ってもみなかった機会が舞い降りた! わたしははやる気持ちで立ち上がった。前を隠すことさえ忘れてる。霊夢くんがぎょっとした顔になってそれに気付いたけど、魔理沙くんと代わるのが楽しみでどうでもよくなっていた。
「……あんたも、たいがいすけべ」
 霊夢くんのほっぺに手をそえる。なめらかでお餅のようにやわらか。さっき魔理沙くんを見ていた。何のためらいもなかった。
「んー……、んっ、んっ」
 くちびるを押し付ける。やわらかいものどうしが潰れ合う。驚くほどしっとりしている。魔理沙くんには感謝してもしきれない。何度も何度も、押し当てすりつけ、吸い付いた。
 霊夢くんが控えめに舌を差し出したから、それに吸い付いたり、舌を当てたり。そうすると体の奥が温まり、じくじくと疼く。
「おっぱい……また触っていい?」
 ためらいがちの霊夢くんの手がわたしの腕のあたりに触れる、触れないのあわいで留め置かれている。わたしはとても優しい気分になって、もう一度ちゅうをした。
 霊夢くんの手が恐る恐ると伸びる。膨らみも半端なわたしの胸に手のひらを当て、その感触を知ろうとする。
「あ、うっ」
 霊夢くんがわなないて、わたしは下を見た。すると、また魔理沙くんがびっくりするようなことをしてる。霊夢くんのおちんちんを頬張って、頭を揺らしている。
「へっへー、硬くなってきた。きもちいーか、れいむ?」
 そのまま一心不乱だったとしたら、別の感想を抱いていたかもしれない。けれど魔理沙くんは楽しそうに笑ってる。先っぽの切れ込みを舌でくりくりとほじると、霊夢くんがぶるぶるぶるっと震えて、立てなくなりそうになる。わたしが慌てて抱きとめ支える。そうしたあと、霊夢くんを抱きしめてしまったと感動が一杯になる。
 魔理沙くんは巧みだった。自分にも同じものが付いているからかもしれない。根元をおさえ、真っ赤に熟した先っぽを露わにして、それをぱっくり頬張ってしまう。くちびるの位置から見て、喉の奥まで飲み込んでる。左手も絶え間なく、きっと、たまたまを揉んでるんだ。霊夢くんはたまらなさそう。もう、ちゅうをする余裕もない。けど、わたしは置いてきぼりがいやで無理やりこっちを向かせて押し付けた。口元をぺろぺろと舐めた。味が溶け出す。霊夢くんのと、残っていた魔理沙くんの。ちょっと慣れないそれらを舐めとったら、わたしの味を塗り重ねる。
 魔理沙くんの攻めに耐え、霊夢くんも応え始めてくれる。考えが飛んじゃうくらい激しくわたしの中を探る。前歯や歯ぐき、舌の広いところ、霊夢くんが這うと味が残りにおいが溶け出す。それがわたしをぼうっとさせる。霊夢くん。憧れの、綺麗なおとこのこ。
 休んでいた手も騒ぎ出す。おっぱいを確かめる。もにゅもにゅとこね、こちらでも霊夢くんが夢中になる。霊夢くんがわたしを欲しがり、あくせくと動き続ける。
「んっ……!」
 霊夢くんの手の片方、やにわにわたしのお股を包む。触るだけ、中指で表面をなぞるだけ。わたしがおとこのこを知りたいように、霊夢くんも女の子を知りたいんだ。
「はぁ、はぁ……! それ、魔理沙……、だめ、それ……すごい……!」
 けど、霊夢くんの言葉が一気に幻想から引き戻す。わたしをまさぐりながら、魔理沙くんの名前を呼ぶなんて。
「魔理沙くん、わたしもそれやりたい。……かわって」
「えー、もうちょっとで出そうなんだぜ?」
 残念そうに抗議する魔理沙くんを無視して、押しのけるように霊夢くんの前に陣取る。ぱくっとしようとして気付いて、お湯をかけて魔理沙くんの痕跡を洗い落とす。
 それから、満を持して霊夢くんを食べる。口の中いっぱいに霊夢くん。味はしない。かすかにおしっこのにおい。でも、汚いとは思わない。硬く、熱い。息づく。大切にしたいって気持ちが胸にあふれる。
「ひ、それ……」
 根元までくちびるを進めると、喉の奥に当たる。さすがに苦しいけど、霊夢くんの嬉しそうな声がしたからしばらくこのまま。喉をこくこく動かすと、霊夢くんが震え始める。すごかった。霊夢くんにあげてる。わたしをもらった霊夢くんが気持ちよくなってくれている。喉の違和感をこらえながら、鼻でふごふご息をする。このかっこわるい音が聞こえてませんように。
 一度吐き出すと、わたしのつばで霊夢くんはぬるぬる。でも大丈夫、すぐ綺麗にしてあげるから。くちびるでこそぎ、舌でなめとる。魔理沙くんがしたみたいに、さきっぽをくりくり、かちかちのおちんちんを手で握ってしゅにしゅにと、大根の土を落とすようにこすった。
「霊夢くん、きもちいい……?」
「うっ……きもち、いい……ね、ね……もういちど、ぱく、って……!」
 目をうるうるさせた霊夢くん。はしたないおねだり。もちろん叶えてあげる。今度は溜めておいたつばをたっぷり塗って、とろみの中で舌でぺろぺろくりくり、霊夢くんがびくびくっと口の中で暴れる。楽しくてしょうがなくて、見上げて霊夢くんに笑いかけた。
 たまたまも嬉しいみたいだから手を伸ばすと、先客がいた。さっきから魔理沙くんがいないな、と思ったら、後ろに回っていたようだ。脚の間から手だけ前に出して、霊夢くんを包んでいる。お尻に顔を近付けて、何をしているのかと思ったら、またも信じられないことにお尻の穴をぺろぺろと舐めていた。
「はぁん……ぁあ、ね、そろそろ……ねっ……」
 霊夢くんが必死になって何かを伝えようとする。その何か、ぴんと来なくて霊夢くんを見る。
「しゅにしゅに、続けて……もう、だめ出したい。ねえ……、ねぇっ……!?」
 いつも刃物のような眼差しをする霊夢くんが、切羽詰まって懇願している。わたしは言われたとおり、輪っかで霊夢くんをこすった。赤いこわばりが手の中を行き来する。より、限界を超えて大きくなる。
「……んっ、ああっ……ん、んん……」
 膨らみ、少し萎んでまた膨らみ、その繰り返しの何度目か。遂に、霊夢くんが何かを超えてしまったようだった。
 まるで壊れてしまったように、震えが激しくなりすぎ怖いくらい。
「つづけて……つづけて、やめちゃ……いやぁっ」
 そう焦がれられ、わたしは鞭打たれたように続けた。がむしゃらに、痛いんじゃないかという遠慮を押し込み。そして、石のように今までとは段違いに硬くなってほんの少し後、男の子にしか起こりえないことがわたしの目の前で起こった。
 ぴゅっ! とおちんちんの先から白い何かが吹き出てくる。おしっことは違う、ねばつく何か。間近で見ていたわたしの顔に。眉間へ、鼻へ、くちびるへ。生温かで妙な匂い、味のする霊夢くんの何か。勢いがなくなっても、後から後からにじみ湧き出て手に滴る。
「なに……? なに? 霊夢くん……?」
 霊夢くんは魂が抜けてしまったように肩を落とし息をついてる。
「霊夢、女の子に手でいかされたー! えっちいのっ」
 お尻を舐め続けていた魔理沙くんがからかう。いかされた? いくってなに? この、白いおしっこを出すこと?
「うっわ、凄いでたなー。やっぱ、好きな女の子に手で搾られるのって効くんだな」
「好き……? 好きって、霊夢くんが?」
 この白いのは置いといて、魔理沙くんのたった一言に頭が考えをめぐらし始める。
「ん。お泊り誘ったけど、勇気でないって。だからわたしも来たんだぜ」
 あっけらかんと魔理沙くんが経緯を話す。わたしは気が気でない。白いのを拭いもせず頬を抑える。
「れいむくんが……れいむくん、が……」
 魔理沙くんが「そんなんあと」ってわたしの手を引いて、まとわりつく白いのに舌を伸ばす。
「……くぅ~っ! 巫女精子、えっちい味ぃ……」
 じゅるっと啜って、よく噛んで味わっているようだ。わたしもつられて、くちびるにのったままのを舐めとってみる。けど、言うほど美味しいとかはわからなくて、ただただしょっぱいと味のしないの中間だった。でも、すごいにおいをしていることはよりよくわかった。嗅いだことのないにおい。けど、くせになって何度も嗅いでしまうような。
「ばか……。そんなの、やめてっ、もう……!」
 へなへなだった霊夢くんが幾分元気を取り戻したみたい。わたしにへばりついた白いのを指で拭ってくれる。
「……引いたでしょ。嫌いになってくれていいわよ」
「そんな……ぜんぜん。わたしだって、霊夢くん好きだよ! 好きじゃなかったらこんなのしてあげない。泊まりに来たりだってしないもん!」
 霊夢くんがまっすぐ見つめるわたしの目を、ちら、ちら、と盗み見るようにしている。普段はきりりとしているのに、いまは照れ屋さん。
「へっへへ~。カップル成立めでたいめでたい! ほれ、キスしろキスしろ! せ~っぷん! せ~っぷん! それ!」
 魔理沙くんはきっとお酒が抜けてない。上機嫌に囃し立てている。
「ばかまりさっ……ちょっとはこっちのことも考えなさいよ……」
 霊夢くんがぶつくさ言ってる。でも、本当に嫌気がさしている風とかじゃない。きっとわたしと同じ。
「霊夢くん……しようよ。もっかい」
 魔理沙くん、ありがとう。
「う~、するわよ。するわよぉ!」
 大好きだよ、霊夢くん。



第二章 霊夢くんと、しちゃう

 わたしの目を霊夢くんは見てくれない。お風呂で最後に甘口をしてからそう。
 魔理沙くんは騒ぎ過ぎたのか、お酒が回っていたこともあって倒れるように寝てしまった。寝息は聞こえない。布団を頭まで被っている。
「わたしたちも寝よ」
 本当はもうすこしだけ遊びたかったけど、魔理沙くんを起こすのも悪い。霊夢くんがろうそくの火に息を吹き付け、そして部屋は真っ暗になった。
 神社は人里のはずれにある。当然周りにお家はない。だからとても静かで、葉が風でこすれる音がいやに大きく聞こえる。慣れない枕とお布団もあいまって、わたしはなかなか寝付けない。
 無心に目を閉じていると、とつぜん布団の中に何かが入ってくる感覚がした。けれどわたしはあまり驚かなかった。なぜなら、それが霊夢くんの手だって最初からわかっていたから。
 寝返りを打って、霊夢くんの手を正面から捕まえる。お風呂から上がってそんなに経ってないから、ぽかぽかと温かい。
 闇の中で何かがきらめいた。それは霊夢くんの目だ。
「そっち……行っていい?」
 霊夢くんがうなずいたのか、枕のこすれる音がすぐにした。わたしは布団をめくり、体を滑らす。温かい霊夢くんの布団の中へ。
「れいむ……くぅん」
 すぐさま、霊夢くんがひしとわたしを抱きしめてきた。思いがけないほど熱くて、積極的で、わたしの声はとろけてしまった。
 暗い中で、お互いのくちびるをお互いのくちびるで探し合う。鼻やあご、ほっぺたと巡って、ついに重なる。好きだって気持ちが蓋を壊して溢れでて、胸の高鳴りは張り裂けそうなほど。ちゅくちゅくという音がとてもいやらしくて、でもそれが聞きたくてうんとたくさん、向きや傾きを変えてした。
「んっ……ん」
 ひとしきり感触を味わいぬいたあと、霊夢くんがしきりに頬ずりし続ける。腕にももっと力が込められて、わたしは霊夢くんのなすがまま。ほっぺただけじゃない。霊夢くんの、さっき触った熱い場所もわたしの体に突きつけられ、お腹にぺっとりと押し付けられている。
「またさっきの……白いおしっこ、出したい?」
 わたしが小さな声でたずねると、霊夢くんがいやいやをする。でも、押し付け方がもっと大胆になった。大人びた霊夢くんが見せるこどもっぽい仕草に、わたしは深い好意を抱いてしまう。同時に、こんなに綺麗な霊夢くんを夢中にさせてることに自信を持つ。
「霊夢くんのしたいこと、していいよ。わたし、霊夢くんとなら……」
 きょう、神社に歩いて来るまでに考えていたことが叶う。こうして、お布団の中で一歩おとなに近いことをする。
 頬を当てていた霊夢くんが止まる。「うぅ」と小さなうめく声。そしてその直後、歯がぶつかり合うほど激しい口付けをしてくれた。顔に当たる鼻息は荒い。霊夢くんの腕は震えてる。くちびるを離した後、歯をかちかち鳴らし震え続けてる。男の子だって、怖いんだ。初めてすること。今までしてきたどんな遊びの延長線にもない、まったく初めてのことなんだから。
「霊夢くん、落ち着いて……。わたしのことこわい?」
 いつもは諭される側なのに、いまはわたしがお姉さんみたい。優しい気持ちがどんどん溢れてくる。
「れいむくん。わたし、れいむくんのこと、すき」
 このあたたかくて湧き立つ気持ちをわけてあげよう。さっきのお風呂でのできごとがある。ずっと言いたかった自分の気持ちをもう気後れ無く吐き出せるんだ。声となって出て行く感じが気持ちいい。わたしが霊夢くんのこと、こんなに好きなんだ! って誰にも気兼ねなく言える。
「えへへ」
 霊夢くんの言葉でのお返事はない。でも、夢中というか必死というか、離れたら落っこちて死んじゃうみたいにぎゅっとわたしにしがみつく。体も熱を持って汗ばむほど。もっと好きって言ったら、どうなるんだろう。最後には破裂しちゃうのかな。試してみたくなる。
「すきだよ霊夢くん。だぁいすき」
 耳元で、絶対聞き間違えないようにゆったりとささめく。霊夢くんが耐え切れずに抱きしめ方を変える。すると胸どうしがぴとりと重なって、霊夢くんの本当に破裂しそうな鼓動が伝わってきた。わたしが霊夢くんにどきどきするように、霊夢くんがわたしにもどきどきしてる。男の子だって、どきどきする。当たり前のことなのにちょっとだけ感動してる。
 さっき霊夢くんとそうしたみたいに、霊夢くんの色んな所にくちを当てる。ほっぺのやわらかさや、産毛のくすぐったさ、鼻のかたち、まつげとまぶたごしのまなこの丸み、眉、そしておでこと、霊夢くんの顔のつくり、その感触を知っていく。あの凛々しくて、まっすぐ見続けていたらくらくらするあの綺麗な霊夢くんを、こうしてとても近くに感じられる。おでこどうしをこちりと当て、息をつく。
「うぅ、ううう」
 霊夢くんの声はちょっと大きい。わたしは慌てて「しーっ!」と止めた。
「魔理沙くん、起きちゃう」
 そう言って気付いたか、霊夢くんはこくこくとおでこを当てたまま首を縦に振った。
 間が生まれる。その間も吐息が顔に吹きかかる。ちょっぴりくすぐったい。息も、距離感も。霊夢くんの手はまだ震えてる。歯も鳴り止んでない。
「れいむくぅん……」
 だから、わたしのほうから抱きしめてみる。霊夢くんのからだがびくっとして硬くなる。それを解すように、頭や背中をうんとなでてあげた。わたしが安心してることを、頬ずりして教えてあげる。
 震え続けるくちびるにわたしのを重ねた。あわくはさんだり、軽くなめたりして少しずつ溶かしていく。霊夢くんの胸に手を置くと、突き破りそうだった勢いが収まっていく。もちろん、程度の問題で霊夢くんのどきどきは止まってない。
「いいよ、さわっても」
 霊夢くんもわたしの胸に手をおいた。でも遠慮がちで、指先がのるだけ。だから、空いた手を重ねた。心臓にいちばん近いところにしっかり霊夢くんの手のひらを押し当てた。
 わたしの鼓動、霊夢くんの鼓動。いのちのありか。微妙なずれ。時々、同じ瞬間に重なる。
「もんでみたい?」
 わたしの手の下で、霊夢くんの手がにわかにもぞつく。霊夢くんのわたしへの興味が心地いい。かすかな霊夢くんのお返事を聞いて、わたしは膨らみのほうへ霊夢くんの手をいざなう。
 広げた手でさすったり揉んだり。気持ちよいというよりはくすぐったい。だからなのか、男の子に体を任せているという事実に怖さみたいなのは感じない。
 わたしもしてみる。霊夢くんのおっぱいを寝間着の上からさする。すると霊夢くんの大きな息の塊がわたしに吹きつけられた。感じてるんだ。素朴にそう思うとともに、感動してる。
 襟の隙間から手を差しこむ。平たくなめらかな肌が、わたしが触れたことで粟立っている。小ぶりなぽっちはツンとして硬くなっている。そっとつつくと、また霊夢くんが息を吐く。くちびるどうし、触れてはいないけど指一本も入る隙間がない。当たる吐息の熱や勢いで霊夢くんの様子がすぐにわかってしまう。
 霊夢くんも直接触り始めた。少し汗ばんでいて温かい手。もみ方がちょっと露骨でやらしい。霊夢くんは遠慮を少しずつなくしていっているようだ。口付けも求めてくる。わたしに吸い付きながら、両手を使ってわたしのおっぱいを触る霊夢くん。もう、震えはなくなってる。
 その夢中ぶりを見て、わたしは手を下ろしてみる。するとやっぱり、霊夢くんはまた元気になっていた。寝間着ごしにさすると霊夢くんが脚をもぞつかせる。押し付けるようにすると、舌と手が止まって面白い。
「きもちいい……?」
 霊夢くんは恥ずかしいと静かになってしまうようだ。いじらしくて、そういうところが普段の様子とあいまってかわいらしかった。
「赤ちゃんみたい……かわいい」
 ずりずりと霊夢くんが布団の中に潜る。わたしの寝巻きをはだけさせて、口を寄せた。ぽっちに吸い付く様子は大きな赤ちゃん。霊夢くんはこういうことをしてみたかったみたい。それはそうか、男の子だもんね。
 片方をちゅくちゅく吸いながら、片方をこねる。わたしは赤ちゃんにおっぱいをあげたことなんて当然ないけど、きっといまみたいに愛しくて守ってあげたくなるような温かい気持ちになるんだろう。霊夢くんが誰にも傷つけられないように、わたしは霊夢くんの体に手を添えた。
「れいむくん、いいこいいこ」
 霊夢くんのお父さんやお母さんを見たことがない。遠く離れて暮らしているのか、それとも既に亡くなってしまったのか。それはわからない。どっちにしたって霊夢くんがさみしくないわけない。それなのに巫女さまとして立派に務めを果たさなくちゃいけない。誰かが――わたしがこうして抱きしめて、辛さやさみしさをやわらげてあげたい。支えてあげたい。
 おっぱいをやめた霊夢くんがうずまるようにわたしを抱きしめた。ぎゅっとくっつくあたまをなでる。していることはたったこれだけ。けれど、ずっとずっとしてた。その気になれば、夜が明けるまでしつづけられそう。
 そうしなかったのは、改めて霊夢くんがわたしを抱きしめたから。今度は覆うように強く。わたしの華奢さと霊夢くんの隠れた強さがよくわかる、そんな抱きしめ方。
「んっ」
 そうかと思うと、おでこどうしを当てて何か言いたげ。
「ん?」
「……んっ」
 探り当てたわたしの手をとんとんと叩きながら、霊夢くんが何かを訴えようとする。男らしさはもうどこかへ行っちゃったみたい。と思いつつ、こういうところは男の子らしいかもしれないとも思う。
「おしえて? れいむくんのきもち」
 もうみなまで言わせなくても分かる。けど、やっぱり直に聞きたい。「ね?」と念を押すと口ごもられてしまう。だから、腕をさわさわとなでたり「ききたいな」と促したり。こうしてあれこれ試すのがまた楽しくてこそばゆくって。
「す、す……」
「す?」
「……き」
 切れ切れ。これがきっと霊夢くんの精一杯。でも、わたしはいじわるしたくってあえて何も言い返さず黙ってた。
「……、う、……う、う」
 霊夢くんがどんな顔をしているのか、猛烈に見たかった。霊夢くんはきっと、初めて人に好きって言ったんだと思う。不安で不安で、しょうがないんだ。「がんばって」と助け舟を出してあげる。
「す、き」
 消え入りそうな声だけど、確かに届いた。霊夢くんの素直な気持ちがゆったりと心に染み入り響いてく。
「わたしもっ」
 よく言えました、とばかりにちゅうをした。すぼめたくちびるを当てる可愛らしいそれ。と言っても、激しさはすごい。何度もする。好きって気持ちをこすりつけるみたいに。わたしだって、霊夢くんのことが大好きなんだから。
「ね、もっと言って。すきって。わたしもたくさん言うから。霊夢くんのこと、大好きだからいっぱい好きって言いたいの」
 夜の闇の中なのに、世界がきらめいて見えた。霊夢くんのほっぺに触れる、その存在を確かめる。
「すき……」
 まずは霊夢くんから。改めて言われて、心に体当たりでもされたみたい。霊夢くんにしがみつく。脚も出して、霊夢くんの脚に絡ませた。
「れいむくん、だぁいすき」
 布団の中でもぞもぞ動くと、霊夢くんとわたしの肌とかじかにこすれて、気持ちよさに身震いする。嬉しい気持ちが止まらなくって、それで抱きしめ直すのをやめられなくてもっと気持ちよくなって。同じことを何度も何度も繰り返す。
 しきりにそんなことをしていると、急に霊夢くんがわたしを捕まえる。それでわたしはようやく収まる。
「その、……いいのよね」
 腕を掴む手。身体に……もう濡れている場所に伸びる手から優しさが薄れていて、どきりとする。
「うん……。やさしくしてね」
 そういうと、霊夢くんがはっとして力を緩めてくれた。「ごめんなさい」と謝る霊夢くんに「大丈夫だよ」と返す。
 少し間を置いて、まずは口付けから。霊夢くんがゆったりと差し込んできたものを迎える。男の子のつばの味。一部とはいえ身体を預ける感じ。さっきとは逆に、わたしのほうが震えてきちゃった。
 霊夢くんがお口を離したときにはすっかり力が抜けて、ぼんやりと霊夢くんの次を待った。その霊夢くんは恐る恐る、といった様子でわたしのあそこに触れている。今年の夏ごろ生え始めたおけけの辺りに手を置いて、指先でちょんちょんつつくだけ。
 こんなところをおとこの子に触られちゃってる。その事実だけで奥から何かが染み出てくるのを感じる。いやらしい気持ちとともに。霊夢くんにぜんぶをあげたいって気持ちとともに。
「ふっ……ん」
 興奮から声が漏れてしまいそうなのを慌てて抑える。魔理沙くんが起きだしたら大変。このいまが終わってしまうなんて、絶対にいやだ。
「れいむくんっ……」
 霊夢くんがついにわたしの滴りを見つけてしまう。男の子が大きくしてるのが恥ずかしいと思うのと、きっと同じなのかもしれない。こうして、興奮してることを知られちゃう。
 指ですくってから、霊夢くんは早かった。すぐに布団の中へもぐる。布団を、わたしの寝間着をかきわけて、そこへ。わたしのやらしい気持ちの源へ。
「ぅーっ……!」
 予想はしていた。でも、想像と実際はぜんぜん違う。霊夢くんがわたしのあそこをぺろぺろと味わっている。両手で口元を抑える。掛け布団を引いて押し当てた。声を漏らさない自信がない。異様な現実に、それだけで叫んでしまいそう。
 お布団の中の霊夢くんに促され、膝を上げる。霊夢くんが脚の間、わたしの脚を抱えて続きをしてくれる。それはくまなくという感じ。気持ちいいところも、そうでないところも関係なく霊夢くんは舐めてくれる。ぬらつきがすくわれ、霊夢くんのつばが塗り広げられていく。霊夢くんは夢中みたい。毛布の中からちゅるちゅるという吸い付く音がするから。
 舌を尖らせた霊夢くんがおしっこの穴の下、奥へ繋がるところを探り始める。きっと、おとこの子が一番知りたい女の子の身体の場所。
 指を入れたことはある。霊夢くんの顔を思い浮かべながら、中の気持ちいい場所をぐいぐい押してみたことも。霊夢くんの硬くなったおちんちん。今までどうやってあんなふにゃふにゃなのを入れるんだろうって思ってたけど、きょう霊夢くんのを見て疑問は解けた。あれなら負けずに入れちゃえる。
「霊夢くん、もうかちかち……?」
 布団をめくり、中の霊夢くんに聞く。すると元の場所に戻ってきて、わたしの手を引いた。熱い霊夢くんのかたち。
「これが、入っちゃうんだね」
 よく見えないけど、いまきっと目が合ってる。わたしは息を呑んでる。霊夢くんと。霊夢くんと……、霊夢くんとって。
「わたしはだいじょうぶ。……霊夢くんは」
「……だいじょうぶ」
 あとは無言で霊夢くんがわたしの上へ。霊夢くんが布団についた手と手の間にわたしの身体がある。
「ちゅーしながら……! ちゅーしながらっ」
 脚の間に霊夢くんが来る。ぺとりと当たって、その熱に期待と恐れが爆ぜる。そのどっちもが、くちづけを欲していた。
 霊夢くんは応えてくれる。押し当てつつ入り口を探しながら、わたしの口をふさぐ。霊夢くんの焼けたようなおちんちんが入り口の上を滑る。そっちはおしっこの、戻っても行き過ぎて、そっちはお尻の穴。わたしは手を伸ばす。
「き、て……れいむ、く……ん」
 あてがう。先っぽが当たる、はまりこむようになってる。目をきつく閉じた。霊夢くんにしがみつく。
「う、う……れいむくん、れいむくん……!」
 ひろがる、入ってくる、削られるようでもある。霊夢くんに、大切な何かをささげたという実感。失ったというひとしおの悲しみ。
「あ……あ、あったかい……なか……、す、ごい」
 わたしを感じる霊夢くんはとても気持ちよさそうで、なにか報われたような、悲しさのなかこの痛みに意味があるんだって思う。
「れいむくん……いたいよ、……でも、うれしいよう」
 首筋に汗がにじむ。身体が燃えているよう。霊夢くんのごつごつした熱いものが食い込んで、そこから燃えている。
「すきぃ……! すきって、言ってぇ……っ」
 さっきうんとされた霊夢くんの気持ちの表現が再び繰り返される。頬ずり、抱きしめ、くちづけの雨、今度は気持ちを伝える言葉も一緒。受け止めるわたしと霊夢くんとの一体感がどんどん高まっていく。それは痛みを引かせる魔法のようでもあった。広げられる違和感を痛いって勘違いしただけなんじゃないかとも思えてしまう。
「ずっと、こうしてたいな……」
 霊夢くんを全身でいっぱいに感じながら、そして霊夢くんも気持ちいいなんて、夢みたい。
「……あたしも、こうしてたい」
「えへ、すきだよ、れいむくん……」
 抱きしめたり、くすぐったり。密着しながら霊夢くんといっぱい仲良くする。そうしているさなかも、霊夢くんは動きを止めない。少しずつ動かし方を大きくしていく。
 霊夢くんが中で行ったり来たり。体の中が押しのけられる不思議な感じ。気持ち良いかはよくわからないけど、一生懸命な霊夢くんが可愛く思えてくる。
「きもちいい? わたし、れいむくんとちゃんとできてる?」
「できてる……! あったかくてっ、にゅるにゅる……」
「しっ……。魔理沙くん、起きちゃうからね……」
 感極まった霊夢くんが大きな声を出しそうだったから、くちびるに指を立てた。すると霊夢くんがわたしを覆うように、抱き潰すようにより密着してくれた。でも、いやらしい体の動きは止めない。わたしのなかを味わいながら、耳たぶに吸い付く。耳元で霊夢くんの激しい息遣いの風切り音がする。
「れいむくん……れいむくん……」
 声が大きくならないよう気をつけながら、霊夢くんの名前を繰り返す。すると霊夢くんが口付けしてくれて、しばらくそのまま味わいあい続けた。
「そろ、そろ……」
 それが途切れたのは霊夢くんが切羽詰まってきたから。あの、白いおしっこが。魔理沙くんがセイエキだって教えてくれたものが出そうになったみたい。
 霊夢くんがいきおい激しさを増していく。我を忘れたみたいに、駆け抜ける。怖いという気持ちが頭を持ち上げようとする。でも、気持ちよさに向かって一生懸命に頑張る霊夢くんの顔を思い浮かべて抑えこむ。セイエキを出したくてたまらないんだって。そうやって、女の子と赤ちゃんを作りたくて、たまらないんだ。霊夢くんとわたしの赤ちゃん。それは目が回るような想像。霊夢くんと、ケッコンするってことだから。
「れい、む……く、んっ……!」
 激しさが最高潮に達したとき、遂に霊夢くんが弾ける。私の中から飛び出て、滴を飛ばす。温かなねっとりしたものがお腹や胸に。
「そと……?」
 出されてもよかった。覚悟とかはわからないけど、受け入れてたと思う。けど、霊夢くんはその一線は守ってくれたようだった。はぁはぁと息荒い霊夢くん。その気遣いが嬉しくなって手を伸ばした。
 労うようにくちを重ねる。霊夢くんに、初めてをあげちゃった。こんな素敵で夢みたいな初めてをしてもらえちゃった。
「霊夢くん……きもち、よかった?」
 わたしが素敵って思ったみたいに、霊夢くんにとっても素敵な初めてだったらいいな。
「とても……! ……ごめんなさい、痛かったでしょ」
「ううん。いいの。最初、ちょっとだけだったから」
 わたしが笑うと、霊夢くんもようやく安心してくれたみたい。
「……わたし、頑張ったよ。だから」
 もう随分と目が慣れてる。にわかに差す月明かりがあるから、霊夢くんの顔がほんのうっすらだけど見える。
「いいこ。……ありがとう、とてもきもちよかった」
 霊夢くんに褒めてもらえて、わたしはくねぐねと身をよじった。霊夢くんが口付けをくれたり、ちり紙で身体を拭いてくれたり、ご褒美に夢心地。
 それに浸っていると、霊夢くんの手つきが妖しくなってくる。
「もういっかい、だめ……?」
 おっぱいをこねながら、そっと耳打ち。「いいよぉ……!」と返すと、霊夢くんがまたぎゅっとしてくれた。
 霊夢くんとわたし、また繋がれる。元気でいやらしいことに興味津々な霊夢くん。そんな霊夢くんが大好きなわたし。
 その晩、霊夢くんとその後もう二回して、ひとつになれる素敵なことをうんと楽しんだ。



第三章 魔理沙くんに、されちゃう

 霊夢くんと一層親しくなれてから数週間経った。やることはあまり変わらないけれど、霊夢くんが前よりもとても近くにいる。些細な距離感が心地いい。それに、帰る前に必ずキス――ちゅっと口付けることを、外の言葉ではそういうのだと霊夢くんが教えてくれた――をしてくれるようになった。お泊りの機会は来ていないけど、そういう雰囲気になって、してしまったこともあった。
 今日ももちろん神社に来ていた。朝ごはんをかきこんで、家のお手伝いを手早く片付けて駆け足で。石段も慣れたもの。鳥居をくぐって霊夢くんを探す。
「霊夢くーんっ!」
 普段ならここで「来たの」と顔を出すはずなんだけど、声が返ってこない。時々霊夢くんはお昼寝をしてることがある。今日は来るのが遅かったし、もしかしたらそうかもしれない。
「霊夢くん?」
 おうちの中に入って呼ぶも、もぬけの殻で誰もいないみたい。
「出かけちゃったのかな」
 明日も来るねって言ったのに、と言いつつも霊夢くんにだって用事はある。だって博麗の巫女さまだ。妖怪退治で出かけることはこれまでだってちょくちょくあった。勇ましく飛び立つ様が格好いいと惚れ惚れしていた。でも今となってはふたりの時間の邪魔でうらめしい。
 おこたはまだ温かい。もうちょっと早く出ていれば一言ぐらいは話せたろうに。わたしは熱の残ったこたつに足を入れ、ため息を付いた。座るところはいつも霊夢くんが座ってる座布団の上だ。
 机の上のみかんを食べるか食べまいか迷っていると、引き戸を開ける音がした。帰ってきた、と身体を跳ね起こす。
「おーい、れいむー」
 でも、次に聞こえたのは魔理沙くんの声。
「霊夢くんならいないよ。お出かけしてるみたい」
 玄関で待っていた魔理沙くんに霊夢くんがいない旨を伝える。それを聞いた魔理沙くんは何か知ってるみたいで「出し抜かれた」と頭を抱えていた。
「何でも北の方に妖怪が出たんだ。霊夢と一緒に見に行こうって思ったんだけど、先に出てたなんて。里のやつらに頼まれたのかな」
 魔理沙くんはつまらなさそうに箒を置く。「行かないの?」と聞くと、「いまごろもう退治されてるよ」と玄関に腰を下ろした。
 そういえば、魔理沙くんと二人っきりになったことがない。あれからも結構神社で会う機会があったけど、こうして霊夢くん抜きの状態は初めてだ。
「魔理沙くんって、箒で空を飛んでるの?」
 前々から気になってたことを聞いてみる。里で洋服は珍しい。魔理沙くんは霊夢くんとともにちょっとした有名人なのだ。
「そうだぜ。まあなくても飛べるけど」
「わたしも使ったら飛べるかな」
「……やってみるか?」
 ふたり箒を見ていたところで、魔理沙くんがわたしに振り向く。
「いいよいいよっ。わたし、そんなのできないよ」
「やってみなきゃわかんないぜ? わたしだって、むかしは飛べるなんて思ってなかったし」
 魔理沙くんがわたしの手を取り立ち上がる。わたしは手を引かれよろめきながら草履を履き、魔理沙くんとともに表に出た。
「まずまたがる。そんで、自分が浮く姿を思い浮かべる。すると浮く」
 いつも傍らにある箒を手に、実演して見せてくれる。当たり前のようにやっているけれど、やっぱり普通の人にはできない技だった。
「……魔理沙くん、もしかしてからかってる?」
 箒にまたがり、目を閉じる。でも何も起こらない。それは全く当然の結果でしかなく、傍から見たらすごい間抜けなはずだ。
「かしてみな」
 一向に地面から離れないわたしのもとへ魔理沙くんがやってくる。出された手にわたしは箒を返す。
「こっちきて」
 箒の柄の真ん中ぐらいに魔理沙くんはまたがり、わたしを見やってあごをしゃくる。
「うしろ?」
 一緒にまたがれという合図だ。
「振り落とされないようにちゃんと捕まってろよ……!」
 竹箒のこもになっているところにお尻を預け、魔理沙くんの肩に手を載せる。それからあっという間もなく、わたしたちは宙に浮き上がってしまった。
 箒がおしりを持ち上げる感覚、足が地面を失う感覚。まだわたしの腰ぐらいの高さしかない。けれどぐらついた瞬間とても怖くなり、魔理沙くんのお腹に手を回してしがみついた。
「大丈夫そうか?」
「平気……! でも、ゆっくりね。はやくしちゃ、やだよ!?」
 わたしの怯え混じりの声に魔理沙くんは「りょ~かいっ」と軽い返事をして、さらに高度を上げていく。神社の屋根は小さくなり、周りを囲む林の全体が見えるほど。広がる田んぼと畑、そして向こうに里の家々が小さく点々としている。
「すごい眺め……」
 身体は魔理沙くんにひっつかせながら、顔だけ乗り出し怖い気分も忘れて世界を見入った。魔理沙くんはいつもこれを見てるんだ。なんだかずるい。
 きっと自分なら毎日見ても飽きない。てくてくと自分の足で歩かず遠くに行けるということ自体がとても楽しいはずだ。
「霊夢と一緒に空飛んだこととか、ないのか?」
「魔理沙くんとが初めて」
 一緒に飛ぼうと言う発想がそもそもなかった。飛べるってすごいなとは常々思ってはいたけれど。
「すこし回ってみるか?」
「いいのっ?」
 わたしが後ろではしゃぐ様子に、魔理沙くんもちょっぴり得意げ。
 魔理沙くんに捕まって、わたしは今まで行ったことのある場所全てと、そして行ったことのない道の先にあったものを見た。霊夢くん達と知り合っていなければ、きっと一生見ることは叶わなかったはずの眺めを。
「まだ戻ってないか。ま、帰ってくるまで待とうぜ」
 ひと通り回って神社に降り立ったものの、霊夢くんの姿はまだ見えなかった。魔理沙くんとわたしは勝手知ったるものでおこたに入って体を温めた。
 目ざとくみかんを見つけた魔理沙くんがひとつ手に取り剥き始める。わたしはその手つきを眺めてた。几帳面に白いくずを取り、魔理沙くんは一粒ひょいと口に運ぶ。
「な、霊夢と……どんな感じなんだ?」
 ふた粒目を取りながら、魔理沙くんが口を開く。
「お風呂であったことみたいなのとか」
 あのとき、魔理沙くんと一緒に霊夢くんといやらしいことをしたんだった。思えば、あれが全てのきっかけだったから、魔理沙くんには感謝してもしきれない。
「ちょっと……。ちょっと、だよ」
 本当はもっと先のことを何回かしてるけど、そこまで明け透けに言わなくてもいい。
「お風呂入った後、ふたりでえっちしてたろ」
 わたしが俯きがちにぼかしてみると、魔理沙くんが楽しそうな声で秘密の出来事があったのを言い当てた。
「どうして……!」
「や、声とか音とか。逆にどうしてバレてなかったと思ってるんだぜ……」
 わたしはへなへなと崩れた。他人に聞かれたら死んじゃうようなこと、たくさん言い合ってた気がする。
「なあ。霊夢とえっちするのって、どんな感じ?」
 その声音は意外なほど真剣で、茶化すような感じはまったくなかった。
「……魔理沙くんって、もしかして霊夢くんのことが?」
「うん? そうだぜ」
 わたしの恐れは的中で、魔理沙くんは実にあっけらかんとうなずいた。
「だ、だめだよ。霊夢くんはわたしの! というか、魔理沙くんと霊夢くんは男の子どうしでしょ!?」
「男どうしじゃどうしてダメなんだ?」
 思わず叫ぶと、魔理沙くんがやはりけろっとして聞き返してくる。
「だって……だって、……その」
 わたしたちが信じている常識を不思議に思う魔理沙くんに対して、わたしは答えを言い得ない。
「それに、霊夢を取ろうってわけじゃないぜ。だってわたし、どっちも好きだもん」
「……え? どっち、も?」
 ということは、霊夢くんと。
「わ、わたし!?」
 霊夢くんがうんと頑張らないと言えないことを、魔理沙くんはとても簡単に言ってしまう。
「そっちはわたしのこと、どう思ってるんだぜ?」
「えー!? 嫌いじゃないけど……。恩があるって思ってるけど……好きかって言われると……」
 魔理沙くんが身を乗り出してる。あの大きな目でしっかりわたしを見てる。
「わたしは好きだぜ」
「魔理沙くんだけの問題じゃ……! それにわたしには霊夢くんが」
 いつの間にか魔理沙くんが隣に来てる。手を取られ、間近で目を覗き込まれる。霊夢くんにはない積極さ。
「ふたりとも好きになれば万事解決だぜ? わたしみたいに」
「そんなの、だめだよ……」
 魔理沙くんの提示はとても甘美で、もし本当にそうなれば文字通りなんでも上手く行きそうではあった。でも、わたしの常識がそんなこと起こりえないって一蹴してる。
「だめかどうかは、してから決めようぜ」
 顔を逸らすわたしをこちらに向かせ、魔理沙くんが、わたしのくちびるを奪っていた。
「ちょ、ちょっと……! 魔理沙くん、冗談でもこんなこと――!」
「冗談じゃないって」
 さすがにわたしも怒ろうとするんだけど、目と鼻の先で見る魔理沙くんの真剣な様子に挫かれる。
「何回か会って霊夢がどうして好きになったかわかったし、霊夢だって楽しそうだし、そんなふたりが好き。だから、ふたりにわたしのこと、好きになってもらいたい。仲間はずれはやだぜ」
「魔理沙くん……」
 どうやら本気なのだ。わたしの目を真っ直ぐ見つめ、一生懸命訴えてくる。ぎゅっと手を握る魔理沙くんの手をわたしはむげに振り払うことなんてできなかった。
「だから」
「……だから?」
 身体を離した魔理沙くんが、辛そうな顔をして言葉を続ける。
「わたしと、えっちしようぜ」
 それが一転、とても楽しそうないつもの笑顔に戻った。
「なに言ってるの、もうっ」
「いいだろいいだろ~? な~? お近づきのしるしっ」
 可愛げたっぷりにお願いする魔理沙くん。うっかり騙されそうになるけど、そんな挨拶がてらみたいにする人はいないと思う。
「霊夢とはして、わたしとはしてくれないんだ。ぶぅ。いいぜいいぜ。そんなら霊夢とえっちするから」
「そもそもできないでしょ、そんなのっ」
「本当にそう思うか?」
 不敵に笑う魔理沙くん。わたしは気圧される。魔理沙くんはあの晩、霊夢くんにごく自然にキスしてた。霊夢くんも、そこまで嫌がってなかった。
「わたしとしたら、霊夢くんとはしないのね?」
「するけど」
「もうっ!」
 魔理沙くんは自分に素直すぎると思う。わたしの駆け引きなんて全然関係ないみたい。
「……わたしさ、これでも結構真剣なんだぜ」
 わたしが拒絶の色をますます濃くすると、魔理沙くんが突然しゅんとなった。
「三人が三人とも他の二人が好きっていう関係になれたら素敵だなって。……ひとりを取り合うのはやだ。三人がみんなふたりとも好きってなら、誰も悲しくないだろ?」
 小さな子みたいに膝を抱え込む魔理沙くん。
「ね、わたしも魔理沙くんのこと、好きになるよ。霊夢くんも、きっと魔理沙くんのこと好きだよ」
「ほんと? 信じていい?」
 思っていたより遥かにちゃんとした考えに、わたしも不憫な気持ちを抱き始めていた。魔理沙くんに告げてあげる。少しだけ、魔理沙くんの言ってることに心動かされてしまった。霊夢くんを独り占めしたいって気持ちや、霊夢くんに独り占めされたいって気持ちはもちろんある。その二人で作る輪の中に、例えば魔理沙くんが入ったとしても、許せてしまうような気がする。
「……やっぱり」
 俯いた魔理沙くんが何かを呟く。わたしは聞き取れなくて、顔を寄せて聞き返す。
「やっぱり、わたし好きだ」
「まりさくん……っ、待って、ね、ねぇ!? んぅっ……!」
 それがいけなかった。顔を上げた魔理沙くんは覚悟を決めていた。一息に飛びかかられて、後ろに押し倒された。ほっぺたをしっかり抑えられて、強引に口付けられてしまう。
「ぷ、はぁっ……! 魔理沙くん、落ち着いてっ? ねえったら!」
 しゃにむにしがみつく様子は駄々っ子みたい。わたしはこういうとき、どうしたらいいのか分からない。魔理沙くんは確かに嫌いじゃないし、むしろ元気で可愛い子だなと思ってはいた。でも、霊夢くんがいる手前、そんな感情を持つということは出来ないわけで。
「魔理沙くん……」
 ようやく身体を離してくれた魔理沙くんの表情。わたしのこたえを静かに待つ。
 霊夢くんは、魔理沙くんを許してしまうわたしを許してくれるかな。それでも好きって言ってくれるのかな。わたしも魔理沙くんも、一緒に好きになってくれるのかな。
「……少しだけ。途中まで。……だからね」
 わたしの言葉を聞いた魔理沙くんの表情が、一気に、見てて吹き出しそうになっちゃうくらいぱっと明るくなった。
「魔理沙くんってば……!」
「えへへ、へへへへー」
 大きく広げた腕でわたしを、男の子の力で抱き寄せて頭に頬を載せた。
 おっかなびっくり照れつつ少しずつの霊夢くんとは魔理沙くんは違っていた。大胆に舌を差し込んで、まだ霊夢くんも触っていなかった口の奥の方まで探ってきた。魔理沙くんのにおい。霊夢くんとは違うにおい。さっき食べたみかんのにおいも混じる。差し込み方は強引だったけど、舐める舌使いは優しい。異質な感覚にわたしは体を支えられない。端的に言えば、魔理沙くんのキスはとても上手なのだ。わたしと霊夢くんが探り探りやっているそれとは大きく離れている。
「だいじょうぶか? もうちょっとしてもいい?」
 口を離した後の魔理沙くんの目は優しかった。普段のやんちゃな表情とは打って変わっていて、わたしはキスの余韻もあいまってどきりとする。わたしのためらいがちな許可に、今度は浅いところで魔理沙くんは舌を留めてくれた。
 霊夢くんに負けないくらい魔理沙くんだって綺麗だ。そんなおとこのこに、お口の中を味わわれてる。魔理沙くんの舌は楽しげで軽やか。霊夢くんの大切に、大切にといった感じしか知らなかったから、いたずらっぽい動きに戸惑う。
 魔理沙くんの手は絶えずわたしを撫で続ける。裾から忍び込まれ、腕を直接さすられてぞくぞくと粟立つ。手は進む。二の腕の脇と接するところ、指でくるくる撫でられると息が乱れてしまう。じわりといっぱい出てきたつばを、魔理沙くんはわたしから吸い出し喉を鳴らして飲んでしまった。
「……おいし」
 目をしっかり見てにこやかに褒めてくれた。「女の子とするの初めてだから、ちょっと緊張してるぜ」と照れくさそう。
「男の子とは……したことあるんだ」
 不思議じゃないけど、驚くべき事実ではあった。そういえばお風呂でおっぱい触った時に大はしゃぎしていたっけ。
「やわっこいし、いい匂いするし……いいな、ほんものの女の子って」
 髪に顔を埋めて、魔理沙くんがわたしを香る。霊夢くんもよくする。男の子はこうするのが大好きみたいだった。
「やっぱり、えっちな気分なの?」
 霊夢くんがそうだから、と魔理沙くんに触るとやっぱりそこは燃える薪のようになっていた。
「なるぜ、そりゃ。こうしてくっついてるんだから……っ!」
 きゅっと握ると、魔理沙くんがぶるぶると頭の天辺まで震えを突っ走らせた。それで我慢できなくなったのか、わたしの耳にかっぷりと食いついた。味を溶かしだすようにつばをまぶして、吸ったり舐めたりと求められる。
「くすぐったいよぉ、まりさくぅん……!」
 魔理沙くんが首筋に降りていく。歯の硬さを感じる。肌をひっかくように甘く噛まれる。ちゅうちゅうと吸われて、そこはおっぱいじゃないよ、と教えてあげた。
「おっぱい、……触ってもいーか」
 顔を上げた魔理沙くんは自信なさそうにしてる。男の子はおっぱいが好きなのが知られるのが恥ずかしいんだろうか。すこし優越感。わたしは魔理沙くんも霊夢くんも持ってないものを持ってるってことだから。
「……さわりたい?」
 ちょこっとだけ、いまの立場を使ってみる。
「うん。……だめか」
 おっぱいに釘付けになってる魔理沙くんをうんと眺めて、その後に「いいよ」と告げた。魔理沙くんは脱がすわけでなく、身をかがめてまずは顔を寄せてきた。
「やわらかぁ……っ」
 服の上から頬ずりして具合を確かめてる。魔理沙くんは猫っぽいなと思ったのは間違いだったみたい。ぎゅっと抱きしめると、魔理沙くんは大人しくなって静かに息をしてる。
「好きだぁー……」
「わたしも好きだよ、魔理沙くんのこと」
 その好きは小さな子に言ってるみたい。腕の中でいい子にしてる甘えんぼの魔理沙くんに、わたしは頬を載せる。
「あそこ、舐めてみたい。女の子の、すっごい気になる」
 でも本質はえっち。男の子はしょうがない。わたしは笑って、着物の帯を抜いた。
「お風呂入ってないから……ちょっとにおうかも。ごめんね」
「ううん。ぜんぜんだぜ。……いいにおい。わたし、このにおいすき」
 魔理沙くんがわたしの身体を露わにすると、ツンとしたおしっこのにおいが立ち上る。でも魔理沙くんは気にしない。どころか夢中でにおいを鼻に集めてる。魔理沙くんに気に入ってもらえて、わたしは嬉しいやら恥ずかしいやら。
「ん……!」
 目を閉じた魔理沙くんが、そっとわたしのそこにキスをする。帯びているおしっこ混じりの湿りを意に介さず。少しずつ舌を使い、それを薄めるように魔理沙くんは味わっていく。
「しょっぱいけど、……おいしい」
「やめてよ、もう……」
 わたしのあそこの前で笑顔の魔理沙くん。とてもいやらしい取り合わせだった。魔理沙くんはまた楽しそうに舐めるのを始める。ふやけるくらいたっぷり魔理沙くんのつばが塗りつけられ、溶かし出された味は魔理沙くんの舌に載り、ついには魔理沙くんの中へと飲み込まれていく。わたしは大切な場所をぺろぺろされる気持ちよさと恥ずかしさに身を任せ続ける。嬉しい気持ちで顔がにやつきそうなのを口に手をやってごまかした。
「そこ、きたないよお……」
 魔理沙くんはお尻の穴にまで興味を塗り広げてく。霊夢くんもそうしたがる。男の子は女の子のお尻も好きなんだ。魔理沙くんにいいようにどんどんと大切なところを知られていってしまう。霊夢くんに初めてをあげたときのことと重なる。
 お尻の清めをうんとされて、でも魔理沙くんは止まらない。女の子にするのは初めてなんだって言ってた。やってみたかったこと、知りたかったことがたくさんあるんだろう。
「んっ……やぁ、そ、こ……!」
 いちばん気持ちいいところ。優しくゆったり、たっぷりのつばとともに。霊夢くんのやり方とは違う、でも負けないぐらい気持ちいい魔理沙くんの、魔理沙くんなりの丁寧さ。大切にされてる。知りたいことがたくさんあっても、そこを守ってくれる。痛いどころかいっぱい気持ちよくしてくれる。
 舌ではじいて、吸って。その繰り返しの間隔が詰まってく。わたしはもぞもぞ腰をよじらせて、耐えるでなく気持ちよさを味わう。口を離されたとき、とても名残惜しかった。
「指入れるぜ」
 魔理沙くんが中指を立てる様をぼうっと見てた。あてがわれたとき、目を閉じた。霊夢くんと何回かしているから、指ぐらいすんなり呑んでしまう。時々わたしは思ってしまう。男の子がえっちなのは、女のからだがえっちだからじゃないかって。しっとり濡れて温かく男の子を待ってるわたしの身体が、霊夢くんや魔理沙くんをおかしくしちゃってるのかもしれない。
 中に入ってくる感覚。指の一本でも、わたしのえっちな気分をますます高める。男の子にいいようにされちゃう、受け身的な……どうにでもしてという気持ち。
「ここ?」
 魔理沙くんは初めて指を入れるのに、すぐにわたしが気持ちいい所を見つけてしまう。男の子にそうするときと同じなのかな。そもそも、指を男の子のどこに入れるんだろう。
「そ、こ……あっ」
 霊夢くんもまだ見つけてないところを、魔理沙くんは的確に押した。身体がふわりと浮く。魔理沙くんはわたしの顔をじっと見ながら、位置や当て方、力加減を探ってく。気持ちよくて勝手に声が漏れる。目を開けていられない。
「一緒にしちゃ……や、だぁ……!」
 中をうんとせめながら、魔理沙くんは敏感な場所にくちびるを当てた。その吸い方もさっきより強い。中で指を曲げるのに合わせて刺激される。たまらない。
 こたつ布団のはしを掴む。脚がゆらゆらと揺れる。気持ちいいの波が次から次へとせり上がってくる。お腹の下がきゅうきゅう縮むような、それが魔理沙くんを求めてやまないような。
 だんだん、気持ちいいで体の中が詰まっていくような、それで何かが押し出されるような感覚。それが弾けなかったのは、魔理沙くんの指が疲れたのか止まってしまったから。指が抜かれる。その感触に思わずまた変な声を出してしまった。
 魔理沙くんの口元はどろどろ。それを手の甲で拭う。目は笑ってない。大きくなった部分が白いエプロンを下から持ち上げてる。魔理沙くんが慌ただしく脱ぎ捨ててあらわにすると、わたしに狙いを定めているみたいだった。
「だめ……まりさくん、途中までだって……!」
 わたしだって必死なら、魔理沙くんも必死だった。わたしに覆いかぶさって、うるんだ目でわたしの目を食い入るように覗き込んでる。
「こうやって、すりすりするのは……!?」
 すっかりぬかるんだ入り口に、魔理沙くんが熱いものをこすりつけている。やけどしそうな興奮、魔理沙くんの強すぎる気持ちをじかに感じているみたい。
「それなら……」
 繋がりたいって気持ち、決してわからないわけじゃないよ。でも、わたしにはやっぱり霊夢くんがいるから。
「んっ……ん、まりさ……くぅ……ん」
 気持ちのいいところにしっかり当たる。守りたいという気持ちにひびを入れる。わたしはかぶりを振って引っ張り込もうとする何かを追い払う。
「んく、……ん、ひん……」
 キス。魔理沙くんと、大切な場所をこすり合わせながら。もう、ここまで来たら何を守ってるかなんてわからなくなっちゃう。一線を超えてないだけで、もう全然霊夢くんに申し訳が立ってない。でも、つながってないという事実にわたしは縋る。
「む、り……」
「だめ、……だめぇ! まりさくん、だ……めっ……!」
 魔理沙くんの熱っぽい口付けに気を取られていたら、魔理沙くんが入り口にあてがってしまった。口ではだめって言ってるのに、おかしいな。身体はよろこんでうねってるみたい。
「抜いてっ……抜いてぇ……っ!」
 ちっちゃな子みたいにいやいやして、魔理沙くんに懇願する。でも抵抗らしいことはしてない。叩くなりなんなり、してない。
「あったかい……、きもち、いいよぅ……」
 わたしの上で魔理沙くんは夢心地。深々と挿しこんで、わたしにぴっとり覆いかぶさり、抱きしめた。
「ばかあ……、ばかぁ……!」
 悪いとは思ってはくれてるのか、頬を撫でる手がとてもとても優しい。キスも、いまなお嵌り込む熱いかたちも。
 舌を絡めながら、魔理沙くんがわたしに夢中になっていく。さっき見つけた弱いところにいっぱい当てて、いやでもわたしが気持ちよくなるようにしてしまう。霊夢くんの動き方とは違う。奥のほうをいっぱい味わって、ひとつになれてる感じを楽しんでる微笑ましいそれとは。
「なか、きゅっとしてきた。きもちいい」
「知らない……っ」
 中ってこんなに気持ちいいんだ。魔理沙くんに教えられちゃうなんて。魔理沙くんはずるい。優しくして、気持ちよくして、抵抗できなくして、好きだってずっと耳元で言い続けて。これじゃ、まるで……。
「わたしのこと、好きって言って欲しいぜ」
「まりさくん、なんて……!」
 とろとろと次から次へ濡れさせてるんじゃ、説得力なんてない。挿し込まれる舌を押し返そうともしてないんじゃ。頭のなかにいるのは、どうあがいても魔理沙くん。
「今度からはさ、霊夢と一緒にしようぜ。霊夢とわたしと三人で、しよ」
 それはすごい悪魔的とも、霊夢くんとも魔理沙くんとも幸せになれる天才的なひらめき、方法にも思えた。
「わたし、霊夢とも、ちいともしたい。……恋人えっち。好きって言い合いながら。幸せえっち」
 魔理沙くんの目はとてもとても真剣で、わたしは息を呑んだ。そして、ゆっくりと頷いた。
「すき……。もう、わたしげんかいっ……好き、すきっ」
 それを見届けて、魔理沙くんは駆け出した。軽やかだった動きは激しく、浅いところでぶつけるみたいに。わたし自身の興奮がそれを許す。霊夢くんもそう、男の子は出したくなるととても必死。それを見つめてあげたくなる。他の誰かだったら絶対死んでも嫌だけど、好きな子のなら、いくらでも。
 魔理沙くんの抱擁が固くなる。そんなにぎゅっとしなくても、わたしは逃げない。
「なかに……!」
「……え、ま、待って、なか、ダメ……! 待って、待ってぇ!」
 それは霊夢くんにも許したことがない、ずっと守り通していること! だから当然魔理沙くんも外に出してくれるものだと思い込んでいたのだ。
「だめだってぇ――!」
 でも、もう遅かった。魔理沙くんが引き絞るような声を漏らしてすぐ、中でびゅくびゅくという震えが起こった。そのあまりの生々しさに総毛立つ。
「好き、くぅん……、好きぃ……っ!」
 魔理沙くんのとても幸せそうな声や、奥に奥に塗りこむしぐさとは裏腹に、わたしはぽろぽろと涙をこぼしてしまう。魔理沙くんの赤ちゃんができたらどうしよう。魔理沙くんとケッコンすることになっちゃう。霊夢くん、ごめんね――。
 嬉しさが極まってしまったのか、魔理沙くんがわんこのようになってじゃれつくみたいにいっぱい好きだよってことを教えてくれている。涙たまる目元への口付け、くちびるで涙を拭う。
「気持ちよかった……! ありがとう……えへへ、ずっと好きだぜ」
 キスやお礼はずっと止まらない。魔理沙くんのまぶしい笑顔とは裏腹に、大変なことになっちゃった、という思い渦巻く。
「やめてって言ったのに。赤ちゃんできたらどうしよう……」
「心配ないぜ。わたしいつでも安全日なんだ」
 それは魔理沙くんが男の子だからだよ、と指摘するのも野暮なので魔理沙くんのキスを押し戻してほっぺをつねった。
「ちり紙取って」
 素っ気なく魔理沙くんに命じる。拭くぜ、と進み出てくれるけど自分で拭くからと断った。
「なーあ、怒らないで欲しいぜ」
 魔理沙くんが遠慮なく出したものを処理してるあいだじゅう、魔理沙くんがまとわりついてくる。その目からわたしがどうして怒っているのか本当にわかっていない様子がわかった。
「いふぁいへ……」
 両頬をつねり、しっかり目を見た。
「……ごめんなさい」
 素直に謝って、申し訳なさそうな顔をする魔理沙くん。「反省した?」と念を押すと「うん……」と小さく返事をする。
「嫌いになった……?」
 上目遣いにそんなことを言われて、笑っちゃった。魔理沙くんは本当にくるくると表情を変える。ぽんぽんと頭を撫でると、ぱっと笑顔が花開く。
 魔理沙くんはいつもまっすぐだ。その「好きだぜ!」って元気に言える素直さに免じて、今日は許してあげることにしたのだった。
「また、しような!」
 と思った矢先、そんなことを言うもんだから。やっぱりよくわかってないのかな、と肩を落とすのだった。



第四章 霊夢くんが、されちゃう

「真剣なんだ」
 僅かに開けた押し入れからふたりを覗く。魔理沙くんは霊夢くんを呼び出し、好意を打ち明けている。
「……ええと」
 それを受けた霊夢くんは頬を赤らめ、もじもじと――など全くしていない。いつものちょっと呆れ顔の霊夢くん。
「知ってた」
 それはそうだった。だって魔理沙くん、あのお風呂の一件の時にごく自然に霊夢くんとキスをしてたのだ。今更すぎている。
「で、なんなの。あんた、目的は?」
「すっげー霊夢とえっちしたい!」
 言うが早いか、霊夢くんがお祓い棒で魔理沙くんをひっぱたいた。
「叩くならカドのところじゃなくて平たい所にしてほしいぜ……」
「あんた、結局下半身じゃないの」
 頭を抑えうずくまる魔理沙くん、溜息をついてそれを見下ろす霊夢くん。きっとわたしが知り合う前から、ふたりはこういうやりとりを続けて来たんだろう。
「じゃあせめてふぇらしたい……」
 魔理沙くんはめげない。三人の輪をつくるため、多少の痛みはいとわないようだ。
「あっ……こら、やめろっ!」
 曲げた脚のバネを利かせ、魔理沙くんが霊夢くんに飛び込む。霊夢くんはかわす間もなかった。押し倒されてしまう。そうしておちんちんの辺りにほっぺたを押しつけまくる魔理沙くんになす術をなくす。
「巫女ちんちん、いいにおい……。あの子が独り占めなんてずるいぜ。わたしにもしゃぶらせろ!」
「あ、うっ……!」
 下着の隙間からおちんちんを引っ張り出し、魔理沙くんが勢いよく頬張った。男の子同士、友達同士。でも、女の子の格好をしたもの同士のいやらしい有様に、わたしは目が離せない。
 ちゅこちゅこという魔理沙くんのつばがよく絡む音がする。霊夢くんの声も小さくない。ちら、と横目に魔理沙くんがこっちを見る。嬉しそうに笑いかける。わたしはどうしてだろう、少し嬉しかった。わたしが素敵だなって思ってるものを、喜んで口にしてくれてるのが嬉しいんだ。
 わたしは持ってない。けど、魔理沙くんは持ってる。その巧みさに、わたしが絶対ひっくり返せない魔理沙くんの強みを感じる。舌で裏筋をくすぐり、たまたまにかぶりつく。わたしがやったとき霊夢くんは怖いって言ったのに、いまはどうしたの? とろけてる。押し入れから飛び出して一緒にしてあげたくなる。
「や、やだっ……。歯、立てないでっ」
 赤くて猛々しいのにちょっとの痛みにも怯える霊夢くんの繊細な先っぽに、魔理沙くんが歯を当てている。霊夢くん。普段見せてくれる表情と全然違う。口でしてる時、温かくて包み込むような眼差しなのに、いまは女の子になっちゃったみたい。
「んー……」
 魔理沙くんが奥深くまで呑み込んでる。霊夢くんは喉まで入れると、すっごくすっごくよろこぶ。あったかくってとろとろで、溶けちゃいそうなんだって。気持ちまでぐずぐずになるぐらい。
 わたしならもう苦しくて吐き出す頃合いになっても、魔理沙くんは喉を使って霊夢くんを溶かし続けている。ようやく戻しても空気を求めるようなことはせず、頭を揺らして口の中で霊夢くんを揉みくちゃにした。
「霊夢の舐めてたら……わたしも」
 口を離すと魔理沙くんは膝立ちになる。スカートをかきあげ、三角形の下着からこぼれるおちんちんを霊夢くんにしっかり見せつけた。自分の、興奮のしるし。
「さわって」
 手を引くようなことはしてない。けど、霊夢くんはまるで何かに引っ張られでもしているかのように魔理沙くんのものに手を伸ばす。強張りに手を重ねる。魔理沙くんはゆったり息をついて目を閉じた。人に触ってもらうあの感覚。わたしだって、いつもそう。
 下着の上から霊夢くんがさする。魔理沙くんがぐっぐっと押し当てて気持ちよさそうにおとがいをそらしてる。普段霊夢くんもそうしてるように。
「もう、だめだ……すっごくえっちしたい。いいだろ、れいむ? ここまでしてくれて、やだってのはないぜ?」
「ま……待ちなさい。わたしにはあの子が……」
 魔理沙くんのひどく直線的な誘いに、霊夢くんがうろたえつつもわたしのことを出してくれた。わたしは押し入れの中で泣いちゃいそうだった。今度、いっぱいいっぱい仲良くしたい。
「関係ないぜ。わたし、女の子じゃないもん」
 下着を下ろした魔理沙くん。まっすぐ上を向いたそれを霊夢くんに突きつける。
「いまは霊夢が女の子、だろ?」
 霊夢くんの目が一気に濡れてしまった気がした。いつもは男と女の真ん中にいる霊夢くんが、女の方に足を踏み込んでしまったようだった。
「んっ……あぁ……」
 キスの受け方が弱々しい。魔理沙くんの舌に抵抗してない。ほぐれつつ受け止めてる。わたしが霊夢くんにされてるときに感じる「どうにでもして」という気持ちにきっとなってるんだ。
 それはわたしが見たことのない霊夢くん。目を皿にしてわたしは息をひそめた。
 手際よく魔理沙くんは霊夢くんを四つん這いにさせる。剥き出しのお尻を突き出させる凄い恰好。霊夢くんのお尻をこちらに向かせて、霊夢くんが見てないのをいいことにわたしに向かって笑顔を向ける。
「ひ、ひろげないでよっ……!」
 共犯を楽しむ魔理沙くんが、霊夢くんの恥ずかしい場所をうんと見せてくれた。梅干を頬張ったときみたいにきゅっと窄んでて、しわがある。魔理沙くんがつつくとひくひく縮こまる。垂れ下がる袋の裏側も見えてしまう。それを、お乳を搾るみたいに握って霊夢くんのあられもない声を引き出してしまう。
「霊夢、目閉じてて。そうしたほうが気持ちいいし、怖くないから」
 と、魔理沙くんが真剣そうに霊夢くんに告げた。経験豊富そうな魔理沙くんだからこそ言えることなのかもしれない。……すぐ、その真意がわたしを押し入れから出すための口実なのだとわかるのだけど。
 魔理沙くんの手招きに応じ、慎重に音をたてないように押し入れを開け、ふたりのそばにやってきた。
「ひああ」
 霊夢くんがいぶかしむ前に魔理沙くんは手を打ってしまう。お尻の穴に口を寄せて、舐め始めた。たまたまも一緒に揉む。おちんちんを握りしめる。霊夢くんはたまらないみたいで、突っ伏す腕に悲鳴を漏らし続けてる。霊夢くんはこんなに可愛い声を上げるんだ。今度、自分でもやってみたいって思うけど霊夢くんは許してくれるだろうか。
 ひとしきり魔理沙くんが舐めると、顔を上げて、呼びかけられないからわたしに目配せ。
(いいの?)
 霊夢くんを見て、魔理沙くんをもう一度見ると、魔理沙くんが肯いた。わたしは交代したのに気付かれないようにそっと霊夢くんのお尻の前に来て、まずはキスした。「んっ」と霊夢くんが一声。魔理沙くんがしてくれたと勘違いしてるのかな。
 舌でくにくにと押してみる。よく考えなくてもここはうんちを出すところだとわかっているけど、可愛いって気持ちのほうが大きくて全然平気。お尻の穴で気持ちよくなっちゃう霊夢くんがすっごくえっちで、わたしはどんどんドキドキを高めてく。
 ずっとそうしてられそうだったけど、魔理沙くんに肩を叩かれて顔を上げた。指に白い傷薬のようなものをつけた魔理沙くんが、それを霊夢くんにあてがう。すべりが助けられ、きつく萎んで拒むようだった霊夢くんの身体が、魔理沙くんの中指を少しずつ呑んでいく。霊夢くんの息はさらに荒く。押し広げられてはいるけど、指一本程度じゃ苦しそうな様子はない。
「霊夢のなか、きゅうきゅうしてる。感じてる? えっちだなー、れいむ」
 魔理沙くんがゆったりと指を出し入れし始める。元からゆっくりしようとしているのもあるけど、霊夢くんが締めつけるからゆっくりにならざるえないのもあるのかもしれない。
 いつもなら「しょうがないでしょ」って怒るのが霊夢くんだけど、いまは泣いているみたいな声を漏らすばかり。指を引き抜かれると、一際跳ねた声を上げてしまう。
「仰向け。目、開けちゃダメだぜ?」
 魔理沙くんはわたしがいるのにも構わず霊夢くんに上を向かせようとする。さすがに目で魔理沙くんに「絶対気付かれちゃう!」って伝える。でも、魔理沙くんは笑いながら「大丈夫だぜ」と口だけ動かす。そりゃ、霊夢くんに目を閉じててとは言ったけど、別に目隠しをしてるわけじゃない。なおもわたしが慌ててるのを見かねてか、魔理沙くんがエプロンのポケットから鉢巻らしき白い布を取り出した。
「霊夢、ちょっとごめんな。これで目開けても平気だぜ」
 手際よく霊夢くんの目の上に巻いて、目隠ししてしまう。それでようやくわたしも胸をなでおろす。
 冷静になって、さて。目隠しされておちんちん丸出しの霊夢くんが横たわっている。魔理沙くんがまた指を忍び込ませる。霊夢くんにされているとき、わたしもこんな感じなのだろうか。でもここまで息を呑むほどの雰囲気にはならないと思う。くんなりした茎の先からは透明な滴の珠。薄いお腹は上下し、渦巻く男の子のそれじゃない興奮が伝わる。
 わたしが霊夢くんに釘付けになっていると、魔理沙くんが肩をちょいちょい叩く。あごで指図して「やってみな」って。わたしは驚いて声を上げそうになって、魔理沙くんに口をふさがれた。
(だいじょうぶ、もうすっかりほぐれてる)
 指をくいくい動かし、霊夢くんが周りの音どころじゃないようにして、わたしにささめく魔理沙くん。
(お腹の裏にこりこりしたとこあるから、そこ押して)
 そう伝え終えると、魔理沙くんが指を抜く。霊夢くんは抜かれ際が弱いんだろう。どうしても声を抑えきれないみたい。
 魔理沙くんが身を引く。わたしは恐る恐る霊夢くんのそばへ。霊夢くんが息を弾ませながら待っている。いざ指を伸ばそうとして、引きつれると怖いから指をなめる。中指、いちばん長い指で霊夢くんを奥まで知っちゃうんだ。
「ひ」
 あてる。
「んぁ」
 力を入れる。爪の先ほどがもぐりこむ。
「ふぁ……ん」
 きゅっとすぼんで抵抗する。構わず押していく。
「んぁあ……ああ」
 すると、途中から引き込まれるみたいに指が根元まで呑まれてしまった。霊夢くんのひどくいやらしい体の働き。女の子にだってこんな仕組みはない。
 霊夢くんのなか。あたたかい、が先立つ。根元は締め付けられてるけど中は広い。うんちが通るところだって考えがよぎるけど、なめらかなさわり心地や、触れた指先から感じる霊夢くんの血の巡りが気にさせない。
 霊夢くんのお腹を見た。わたしの指はそんなに長くない。へその裏なんてぜんぜんで、おちんちんの真裏あたり。試しに指を動かすと、おちんちんの先からつっとまた一しずく。普通じゃ触れないところから気持ちよくさせてあげてるんだ。そう思うと、がぜんもっとしてあげたくなる。
 さっき言われたこりこりした場所を探してみることにした。目一杯やったら傷をつけそう。慎重に、お腹側を指を戻しつつ探してく。だけどそれらしいのが全然見つからないし、霊夢くんも声を上げるどころか落ち着いてきてしまって、魔理沙くんに聞こうと思ったあたり。
「……っぃん」
 指が押し出されそうになるほど戻したところ、思っていたよりずっと浅い所に霊夢くんのえっちな芯の部分があった。
 もう一度試しに軽く押すと、やっぱり霊夢くんが声を漏らしてしまう。魔理沙くんの方に振り返る。だまって、うんうんと肯いてる。わたしは嬉しくて、目を輝かせてまた霊夢くんを見た。動かす、喘ぐ、動かす、また喘ぐ。ちょっと長めに押すと、霊夢くんの背がぐうっと持ち上がる。
(ここもここも)
 魔理沙くんが横から霊夢くんのおちんちんを指差した。わたしはお尻に夢中で一緒にいじるなんて考えもしなかったけど、一緒に触ったら中からも外からもきっと気持ちよくなれる。とても素敵な気がして、迷わず霊夢くんの茎を手に収めた。
 女の子になり切っているからか普段と変わらない軟らかさだけど、こりこりをくいくい押しながら揉んであげると、少しずつ硬さを持って行く。ひくつくとお尻の穴も一緒に動いて指を締めあげる。えっちな仕組み。可愛いなって思うと同時に、とても悔しかった。わたしにはおちんちんがない。霊夢くんのお尻に入れてひとつになれない。わたしは霊夢くんからもらうことしかできない。
 硬くなりきってはいないけど、霊夢くんは十分すぎるくらい気持ちよくなってしまっているみたい。こりこりは弾力がなくなって、力が入ったときは外側のおちんちんより固いくらい。お尻が締まると指を中に引っ張って押すのを助ける。霊夢くんの体が指を、いいや、おちんちんを欲しがってるんだ。もしも、もしもわたしが男の子でおちんちんを持っているなら、きっとおへそに張りつくぐらい大きくしてしまっているはずだ。濡れてほぐれるかわりに。この濡れも、いつもとは違う感じ。欲しい、じゃなくて奪いたいって気持ちで濡れてる。敏感な芽の部分が張ってる。こすりつけたくなる。
 そうやって夢中になっていたから魔理沙くんがいつの間にかすっぽんぽんになっていたことに気付かなかった。わたしが立ち尽くしたものを見てぎょっとしていると、手を払う動作をした。わたしはすぐ意図を察して指を引き抜く。抜け際のちゅるん、と押し出される感じが面白くてもう一度感じてみたかったけど、魔理沙くんが押しのけんばかりにいきり立っていたから大人しく場所を譲った。
「れいむ、入れるぜ……」
「う……うん」
 魔理沙くんがぴとりと当てると、霊夢くんが固まる。ぎこちない足の開き方、くたりと露わなおちんちんがあるのに、怖れているような、恥じらっているような、期待しているような様子が霊夢くんを男の子に見せていない。
「力抜いて」
 それはどうも難しい要求みたいで、霊夢くんはもどかしく身じろぎしている。霊夢くんがすぼませてしまっているみたいで魔理沙くんはなかなか入れることが出来ない。塗りこんだ脂ですべるのを繰り返す。わたしは固唾を呑んで見守る。もともと声を上げてはいけないこともあるけれど、霊夢くんが本当に女の子になってしまう瞬間を前に真実声を出せないのだ。
 もう何度目か入れようとして滑らせて、魔理沙くんが息をひとつ目を閉じる。入れようとするのをやめた様子に気づいて霊夢くんが不思議そうにする。
「あっ……!」
 その次に起こったことを見て、わたしはつい声を出してしまった。
「んっ、ん……ちゅ」
 べたっとカエルのようになって密着した魔理沙くんが、霊夢くんのくちびるを溶かしている。そして緩んだ一瞬をついて、もぐりこむ。
「いたい、……いたいっ……!」
 それはさすがに性急すぎたのか、霊夢くんが手を彷徨わせて苦悶した。
「れーむのなか、……きつきつっ」
 迎える霊夢くんの中の様子を、魔理沙くんがわたしに聞かせるように漏らした。わたしはその熱を、その感触を、さっきの指の心地を頼りに再現する。あの締まり方から考えて、やっぱりまだ魔理沙くんのものは大きすぎたみたい。
 魔理沙くんの下、霊夢くんは息弾ませ痛みをいなそうとしている。額には汗が浮いている。魔理沙くんは励ますみたいに首筋に舌を這わせてる。お腹のところへ手を伸ばし、何やらもぞつかせている。何をやってるのか覗き込んだら、霊夢くんのおちんちんを摘んでもてあそんでいた。
「ひくってしてる。霊夢はおちんちんもおまんこも可愛いぜ」
 あえてお尻って言わない。耳から入る言葉で霊夢くんを錯覚させてる。
「痛いのに……うぐ、中は、ァ……きもち いっ」
 いま霊夢くんはどっちなんだろう? 魔理沙くんの手に合わせて霊夢くんの表情が引き絞られる。男か女か。どっちでもあるし、どっちでもない。境にある線の上で揺れている。
「動くぜ……」
 胸同士はくっつけたまま、魔理沙くんが始めだす。突いては引く、いやらしい、まぐわう所作を。豊かな金髪を揺らめかす必要はない。小ぶりのお尻だけ波打つように動かして、霊夢くんを味わっている。魔理沙くんが首筋にキスするのをやめちゃった。空いた片腕で霊夢くんを抱き寄せてる。おちんちん、気持ちいいのかな。ひとしきり動いて中にこすりつけるように腰をまるく揺らし、密着したまま波打つ。少し色の濃い魔理沙くんのお尻の穴がぴくぴくとしてる。
「んっ、ん……」
 わたしが魔理沙くんのお尻や、ふたりがまさに繋がっているところを目を見張りながら眺めている間に、ふたりは熱い口づけを交わし始めていた。息が交錯し、舌同士を溶かしあうゆったりとした重ね方。うごめきあう舌が見える。魔理沙くんが目を閉じているように、きっと目隠しの下で霊夢くんも目を閉じているはずだ。魔理沙くんの腰つきも合わせて穏やかになって、ひとつに重なる今この時に没頭している。わたしなんてこの場にいないみたいに。それが悔しかったりしないのは、ふたりが男の子同士だからなのかもしれない。大好きな男の子を抱く男の子もまた、まだ霊夢くんほどじゃないけど好きって気持ちを抱いているから? でもやっぱり、霊夢くんがわたしを忘れて魔理沙くんの背中に手を回している状況が、わたしの心の奥にちくちくとした痛みを生んだ。
「れいむ、……先、イっていいぜ。そのあとわたしも出したい……!」
 一体感の中で魔理沙くんは切羽詰まってきちゃったみたいで、目を固く閉じたまま身体を起こした。腰だけ動かして霊夢くんの中をこねる所作はそのまま、おちんちんの中ほどから先っぽを埋めて動きをせわしなくしていく。利き手は霊夢くんのおちんちん。茎を握り、身体の動きに合わせる。
「霊夢もほら、一緒にしごいて? 霊夢が一番気持ちいいときに、びゅううって!」
 魔理沙くんの手を止めるか止めまいか、ためらいがちにさまよっていた霊夢くんの手を魔理沙くんが引いた。一緒に霊夢くんの七分立ちのおちんちんを手にする。魔理沙くんの手は霊夢くんの手に覆いかぶさり、しごくのを手伝ってあげている。
「ん、ぐうぅう、ぎもぢ、い、……これっ」
「しまって、きたぁあ……っ」
 うめきながら霊夢くんがおとがいをそらすと、魔理沙くんもたまらないみたいで仰け反ってる。身体が離れても、一体なのは変わってない。同じ身体だからなのか。わたしと霊夢くんで、こんなことができるかな。
 霊夢くんの半開きの口が閉じ、背中が持ち上がっていく。いっぽうで手の動きはますます激しく。大きさで言えばそうでもないのに、わたしと仲良くしてるときよりずっとずっと悶えて、遂にビクン! と手づかみした魚みたいに大きく跳ね上がった。
「れいむ、……んくっ、ん、ん……」
 直接霊夢くんとつながっていた魔理沙くんは決壊が近いことがわかっていたみたい。遂に、の一歩手前で器用に背中を折り曲げ、霊夢くんの先っぽをくちびるで包んでしまう。曲げられる限界まで曲げて、より霊夢くんを奥まで導こうとしている。霊夢くんはしゃくるたびに脚を派手にばたつかせてる。全く予想もつかなかったみたい。思わずして魔理沙くんのお口に包まれてしまった。ただ、身体は止められないのか手は休みなくしごき続け、魔理沙くんにうんと吐き出してるようだ。
「あふ、口の中、……れーむのにおいでいっぱい……!」
 魔理沙くんの顔が明確に楽しげになった瞬間。それは霊夢くんのほとばしりを感じた瞬間だったんだろう。熱心にくちびるを動かしてちゅるちゅると吸ってた。一滴もこぼさない。魔理沙くんが口を開けて初めてわたしは霊夢くんの白雫を見たんだから。
 口いっぱいに含んだ魔理沙くんが満足気にまたぴっとり霊夢くんにくっついて、頬ずりしてる。そうしながらちょっとずつ喉を鳴らして飲んでいく。
「れいむの精子のにおい……」
 霊夢くんは息も絶え絶えで恥ずかしがる余裕もないみたい。魔理沙くんの恍惚とした言葉を耳元で囁かれても。
「わたしも、れいむに精子あげたい……。もう……いくぜ。れいむ、好きっ……好き好きっ」
 わたしにだってわかるよ。霊夢くんが一生懸命射精してくれたときの気持ち。大切なものをもらえちゃった。わたしだったらぎゅっとしたりキスしたりする。魔理沙くんなら、いまこうしてるみたいに射精してお返しするんだろう。
「受け……とめ、っ……!」
 すごくすごく露骨な動きはいやほどの激しさを撒き散らし、そして奥まで叩きつけてぶるるるっと震えながら止まった。その瞬間だけは、一瞬が引き伸ばされる。横で見てるわたしも、つながる魔理沙くんと霊夢くんも。音もなく魔理沙くんは絶頂してる。霊夢くんの体の奥へ届かせるみたいに、抱き寄せ、抱きつぶし、挿しこんで、注いでる。霊夢くんもそれに呼応するように呻きひとつ漏らさず魔理沙くんをしっかり受け止めた。腕を回して構わないってことを教えてあげている。
「気持ち、よかったー……。ありがとな、霊夢。んむぅー」
 それは長く続いたようで、やっぱり一瞬のことだったよう。辛そうにも見える快楽に歪んだ顔をお日様のような笑顔に変えて、魔理沙くんが霊夢くんにお礼を言う。ひとつ子どものような口付けを落とし、頬ずりする。霊夢くんにもわたしと同じことしてる。魔理沙くんはきっと根っからの人好き、まぐわい好き。わたしはむき出しのお尻にきつい視線を突き刺しておいた。
「……はぁ、もう……お尻、広がっちゃったじゃない」
 魔理沙くんが身体を離すと、霊夢くんの言った通りぱっくり口を開けたお尻からどろりと白いものがこぼれ出た。時間をかけてそれがまた閉じる様子が生々しい。男の子って感じじゃない。
「拭いたげるぜ」
「いい。自分でやる。赤ちゃんみたいでいやよ」
 ふたりの熱の余韻に混じる気安いやり取りが微笑ましくて、横で脚を抱えながら聞いていた。霊夢くんに気付かれるかもって危機感をすっかり忘れてた。それがいけなかった。あっと言う間もなく霊夢くんが目隠しに手をかけ、自ら外してしまったのだ!
「え?」
「れ、霊夢くん……」
「うげ」
 三人がめいめい間抜けな声を出す。わたしは固まり、魔理沙くんはしまった、という顔を。そして霊夢くんは、みるみるうちに赤くなっていく。爆発するって本能が察して、目を閉じる。
 そのあとすぐ、霊夢くんの悲鳴が聞こえた。

「いつから見ていたの」
「魔理沙くんを棒で叩く前辺りから……」
 最初からじゃないの……と霊夢くんが器用にも落胆しながら怒っている。わたしは苦笑いも出来ず隣の魔理沙くんの顔を見た。
「あんたが黒幕?」
 次は魔理沙くんに視線を向ける。その切っ先はわたしのときより数段も鋭い。余裕そうだった魔理沙くんも乾いた笑みをただただ顔に張りつかせるばかり。
「落ち着け、霊夢。わけがある。わけが無ければしないって」
 霊夢くんのこめかみがひくり、と動いた。たたっ切る前に聞いてやらんでもない、といった風情だ。
「わたしな、霊夢のことが好きだし、ちーも好きだし……どっちも好きで、ふたりどっちとも仲良くなりたいんだぜ」
 その言葉を聞いて、後ろ手に多分お祓い棒を構えている霊夢くんが怪訝そうに片眉を上げる。わたしも唾を呑む。
「わたし、どっちも好きだ!」
 はなしの核心だ。わたしが素敵だなって思ったことを、霊夢くんはどう思うんだろう。
「だから、霊夢とえっちして、その前にちーとも……ひっ」
 魔理沙くんはさすがに快楽先行が過ぎると思う。色々、説得力のある素敵な考え全てをすっ飛ばし事後報告だけしてしまった。
「アホまりさっ、帰れーっ!」
 むべなるかな、神社に烈風と雷鳴が轟くのだった。



第五章 魔理沙くんが、されちゃう

 境内の掃除をしている霊夢くんの後ろ、わたしはどう話しかけたものかと気をもんでいた。
「いいわよ。ひとりでやる」
 掃除道具を手に取る霊夢くんに「手伝わせて」と言って、けんもほろろに断られてしまった。魔理沙くんを追い返した後、霊夢くんはむすっとした顔のままだ。
 魔理沙くんの計画は脆くも崩れ去り、残された私たちの間柄にも爪痕を残した。乗ってしまったわたしの自業自得。
「したって、本当なの?」
 霊夢くんが背中でわたしに訊く。わたしは返事を喉に引っかけまごつきながら、短くうなずいた。
「はぁ……」
 ため息とともに、さっさっと石畳をこする音が止まる。こちらに振り向いた霊夢くんはもう不機嫌な顔をしていなかった。でも、感情が読み取りにくいという点ではむしろそちらのほうが怖かった。もしかしたら、わたしも出て行けって言われるんじゃないかって。
「魔理沙としたのはわたしも同じだから、……あんまり怒れないじゃない」
 さらにもうひとつため息を落とす霊夢くん。
「……怒ってないの?」
「怒ってない。怒るとしたら魔理沙と、あと自分に少し」
 相手がいるのに別の子としちゃったから、と霊夢くんが続ける。わたしから目をそらして、箒の先を見てる。
「無理やり……されたんでしょ?」
 顔を上げた霊夢くん。どうやらわたしのことを心配しているみたい。それは恐る恐る、縁からそっとなでて芯には触れないようにする言い方。
「ええと」
 返事に窮する。無理やりといえば無理やり。同意があったといえば同意があった。途中までは許してた。許してなかったのは最後だけ。
「たぶん、霊夢くんと殆ど同じ」
 手をいじくりながらうつむいて、わたしは言葉を濁す。最後何が起こったか、さすがに霊夢くんに抵抗なくは言えない。雲をつかむような言い方になってしまって、霊夢くんが首を傾げるのが見えた。
「結局いいよって言っちゃって……。だから霊夢くんがもしもわたしに悪いことしたなって思ってたら、それは違うの。気に病まないで」
 わたしと霊夢くん、同じ後ろめたさを抱えてる。
「魔理沙くん、最後にわたしたち二人共が好きって言ったでしょ。あれ、嘘や冗談じゃないみたいなの」
 顔を上げてそう切り出すと、霊夢くんがこちらに背中を向けてしまう。
「魔理沙くんが霊夢くんのこと好きってのは気付いてたし、霊夢くんだって魔理沙くんのこと好き……ううん、嫌いじゃないっていうのも。わたしも魔理沙くんのこと、いい子だなって思ってた。だから三人で仲良くって言われて凄く……きっと共感したんだと思う」
 それはこちらの言葉を聞きたくないからというわけじゃない、そう信じて続ける。息継ぎ時が分からず、みっともなく一気に言葉を吐き出した。
「……いくらなんでも、やり方ってのがあるのよ」
 一言、霊夢くんがそう漏らして再びこちらを向いた。浮かべる表情に難しいそれはない。
「魔理沙をこらしめなくちゃね。協力……してくれるわよね?」
 にこやかに言う。わたしもそれにならって、返事をした。

 * * *

「こらっ、どういうことだこのっ! ……くそ、外れない」
 魔理沙くんは結構腕の立つ魔法使いらしくて、霊夢くんはしっかりと準備をしていた。
「生半可な緊縛符だと引きちぎっちゃうでしょ。息をしっかり吹き込んでおいたわ」
 さすがは魔理沙くんと言うべきか、のたうつぐらいはできている。わたしなんて御札をかざされただけで首を横に振ることもできなかったのに。
「はめられたっ!」
 身体の自由を奪われながら、見下ろすわたしたちに魔理沙くんが吠える。でもどこか芝居がかってて若干楽しそうだった。今から何が起こるか、多分予想が付いているんだろう。
「よくもやったな、この!」
 わたしが気付いたように霊夢くんも魔理沙くんの様子を察したようで、両足首を掴んで股間を足でぐりぐり押しつぶした。男の子がよく興じている電気あんまだ。
「あだだっ! 洒落になってない、潰れるっ! ひぃっ」
「ちいもほら。乳首つねるとかきんたまにデコピンするとか。どんどんやっちゃいなさい」
 悶絶する魔理沙くんを気に留める様子もなく、霊夢くんがこちらを見上げ、顎をしゃくる。
「ええと……」
 特に魔理沙くんに恨みだとかは抱いてないので、わたしは困ってしまう。なのでひとまず服をはだけさせて、乳首を軽くきゅっとつまんでおいた。
「こんなときに何感じてんのよ。変態」
 魔理沙くんは器用だった。おちんちんをぐりぐりされて下は苦しみ、ぽっちをつままれて上では少し気持ちよくなっている。
「うぁ……ひう」
 口元を歪ませる魔理沙くんを見て、霊夢くんはなにか思いついたのか電気あんまをやめ、一度部屋を後にする。すぐ戻ってくると、手には筆が二本。まだ使っていないのか毛は白くふさふさだ。
「はい、あんたの分」
 魔理沙くんをはさんでわたしの対面に座り、筆を手渡してくる。受け取ったわたしは要領を得ない。
「う、ひっ」
 けれどすぐに霊夢くんが筆の穂先で魔理沙くんのぽっちをいじめ始めたから、わたしも倣って反対側をくすぐり始めた。魔理沙くんがたまらず暴れるので霊夢くんが緊縛符の力を強めて押さえつけた。
「ひ、ひ……っく、ん」
 色の薄いぽっちが周りの肌を粟立たせつつ先を尖らせている。それはくすぐったさから来ているのか、気持ちよさから来ているのか。魔理沙くんの涙と白目と半開きの口で彩られた壮絶な表情から読み取るのは難しかった。いずれにせよお仕置きにはなっているみたいだけど。
「ひい、ひい……」
 魔理沙くんが壊れそうになった頃合い、霊夢くんは筆を放り捨て、乱暴に魔理沙くんをうつ伏せにした。「脱がして」と短くわたしに命じる。装束の一部が盛り上がってるのが見えた。わたしは息を呑みつつ、魔理沙くんのスカートと下着を引き下ろした。
 再び魔理沙くんは仰向けにされる。なすがままの筆責めに息は絶え絶え、目は天井の少し手前辺りを見ているようだ。つまり何も見えてない。おちんちんも天井を見ている。握られるのを待っているように時々ひくつく。
「このっ」
 でも、霊夢くんは握ってあげなんかしない。白い足袋で包まれたあんよで魔理沙くんの陰の場所を踏みつけた。
「ふぅう、んん……ぁ」
 魔理沙くんは押し付ける快感にとろけた声を出している。服を着て二本の足で立つわたしたちと、全裸でもてあそばれる魔理沙くん。変な優越感に笑いが漏れそうになって驚いた。霊夢くんはというと、すごくにこやかだった。楽しげに魔理沙くんを苛ませ続ける。
「あんたも踏む?」
 苦笑いをしていると、水を向けられた。足を離されて魔理沙くんが微妙に名残惜しそうにしていたし、踏んであげることにした。
「こう?」
「踏み潰してもいいわよ」
 体重を乗せないように加減してみる。魔理沙くんのおちんちん、足で触ると湯たんぽみたい。
「もしかして踏まれて嬉しいの?」
 力が弱かったのか魔理沙くんのほうから押し付けてる。男の子は押し付けるのが本当に好きみたいだ。わからなくもない。好きな子にひっつきたいって気持ち。すりつけたくなる感じ。
「なに感じてるの、変態」
「ぎゃうっ」
 霊夢くんが左手を上げると魔理沙くんがぴしゃりと海老反りになる。緩めていた呪縛を締めあげたみたい。霊夢くんが頑張りすぎているせいでわたしはいじめるのに腰が引けてしまう。それに足だと加減が難しくて本当に踏み潰しそうなのだ。
 わたしの心配そうな視線を認めて霊夢くんも手を下ろす。魔理沙くんの背中がへなへなと落っこちる。わたしもひとまず安心する。一応お仕置きだけどあまり苦しめて後に引きずるのは嫌だから。
「さすがにこのまま準備なしに入れるのは勘弁してあげるわ。だから……」
 魔理沙くんを見下ろしつつ腕組みしていた霊夢くんが、かがんで魔理沙くんに話しかける。入れるっていう不穏な言葉が聞こえた気がする。
「だから自分でほぐしなさい」
 魔理沙くんの鞄に手を突っ込み霊夢くんが「何でこんなもの持ってきてんのよ」と呆れつつ中身を床に放り出す。
「これ、なに……?」
 転がる透明な瓶、取っ手のついた数珠のようなもの。瓶は脂が入っているとして、もうひとつはなんだろう。多分入れるんだろうけど、どうしてそういう形をしているのか。
「使い方なら魔理沙がよく知ってるでしょ」
 呪縛を解くためか指先で空を切りながら霊夢くんが答える。自由になって魔理沙くんが一息ついている。そして瓶と取っ手付き数珠を拾い、瓶の中身を数珠に垂らす。
「逃げようとしたらちんこ切るわよ」
「逃げないし、冗談でもやめて欲しいぜ……」
 いつの間にか持ちだした錆浮く裁ちばさみを霊夢くんが手にしている。大きなはさみを前に魔理沙くんのものが縮こまってしまっていた。
 霊夢くんがはさみを床に置くと魔理沙くんが目を閉じてしゃがむ。ちょうど用を足している時のような姿勢で、わたしは直視しづらい。自らおちんちんを握って、もっと目のやり場に困ってしまう。まるで本当に厠の中でそういうことに耽っているみたい。
 しゃがんだ状態から膝を床に落として、魔理沙くんは手慰みを続ける。茎を揉んでいるうち、育っていく。赤い先端が半ばほど皮につつまっている。生々しい興奮を手に収めつつも、魔理沙くんの顔は悩ましげ。ときどき長い息をつく。気持ちよさを感じている証。
 おちんちんを左手に持ち替え、魔理沙くんは指先を舐めた。その手を前から、おちんちんを素通りしてそのさらに下へ。間違いなく、お尻の穴へ。右手の指先がせわしなく動いている。腕の震えで察せる。左手がゆったりおちんちんを揉む。両手を使って魔理沙くんが自らの身体に快感を送り込んでいる。その表情はいつも元気な魔理沙くんとは似ても似つかない。眉根が寄り、頬はやや赤らみ、薄く開いた口から息が漏れている。きっと、熱く湿ってる息が。
 その熱はわたしたちにも届いてる。お腹の奥がきゅっとして、わたしも濡れてきてしまった。むずむずとして、気持ちいいのをちょうだいって囁いてる。隣の霊夢くんも似たようなもの。強張りがあからさまだった。目を皿にしていて、わたしが様子を窺っていることに気付いてない。
「んくっ……」
 手が進むとともに、魔理沙くんが肩を跳ねさせた。多分、指が入ったんだ。おちんちんを揉む手が止まってしまった。項垂れて、背を丸めるように魔理沙くんがさらに耽っていく。
 そして知りたかったことを始めるみたいだ。お尻を弄っていた右手を抜き、目を閉じたまま彷徨わせ数珠をつかむ。
「入れるところこっちに見せて。わからないわ」
 薄目を開けて魔理沙くんが数珠の濡れ具合を見ていると、霊夢くんが乾いた声で命じた。魔理沙くんは返事をしないし、それらしい反応もしなかったけど無視したわけではなかったみたい。背中を見せて、こちらにお尻を向けた。丸いふたちの丘の間で魔理沙くんのすぼまりがきゅうきゅうと息づいている。そこに魔理沙くんが数珠をあてがう。
「ふぅ……、あう」
 珠のひとつひとつがお尻の穴を乗り越え、中に呑まれていく。魔理沙くんの声が断続的に漏れる。数珠を持つ手が震えてる。
 さすがに全部は長すぎで入れられないみたい。二の腕と同じくらいの長さの数珠の、半分くらいまで入れて魔理沙くんが手を離した。異物感がたまらないのか、荒い息遣いがむこうを向いているのに聞こえてくる。
「これ、どう使うの? 教えて?」
 霊夢くんのいじわるが止まらない。魔理沙くんは壁に背を預けて座り直した。お尻を前に突き出すようにしてる。潜り込んだ数珠や半ばほどの大きさに戻ってしまったおちんちん、魔理沙くんの恥ずかしい場所が全部見える。
「これはぁ……あ、あ、あなるぱーるって言ってぇ……」
 数珠の取っ手を再び掴んだ魔理沙くん。連なった珠がおしりを出たり入ったりする。どうしてそうなっているのか、魔理沙くんの様子を見てわかってしまった。
「目を見て言いなさい」
 目を閉じてうわ言のように説明している魔理沙くんに霊夢くんがぴしゃりと言いのけた。魔理沙くんは一度口を、何か言いたげにむずむず動かして、目を見開いた。霊夢くんじゃなくてわたしの目を真っ直ぐ見てきた。
「あなるぱーる、こうやって……出し入れすると、きもちいい……」
 魔理沙くんがわたしの目を見ているのなら、わたしは魔理沙くんの目を通してさらに奥底を覗いてるんだ。普通の男の子ならあり得ない快を味わう、あり得ないほど綺麗な男の子の奥底を。
「珠が乗り越えるときがすごい……こうやって、あぁ……あっ」
 押し黙るわたしを見て伝わらなかったと思ったのかもしれない。目を頑なに逸らさず魔理沙くんが「あなるぱーる」の気持ちよさをより具体的に伝えてくれた。
「おちんちんも一緒にするときもちいいの?」
 視界の外で魔理沙くんがおちんちんをまたいじくり始めた。この機に乗じて質問する。わたしは持ってないから、それがどんな風に気持ちいいのかずっと気になっていたのだ。
「なか、じんじんしてっ……おしりといっしょだと、き、きもちいくてっ」
 何度も目を閉じて感じ入りそうになるのをこらえ、魔理沙くんが言葉に変えて快感をわたしに教える。多分、普通にわたしとしてるときとは感じ方が違うんだろう。男の子の部分を触っているのに、男の子の感じとは程遠いというか。でもわたしと同じという感じもしない。不思議な不思議な、魔理沙くんたちの気持ちよさ。
「そんな一生懸命、恥ずかしくないの?」
 右手も左手もせわしなく、どんどん刺激を増やしていく魔理沙くんを霊夢くんが笑いながらなじった。昨日しおらしくお尻をあげていたとは思えなくて少しおかしかった。
「そっちがやらせてるくせにぃ!」
「何か言った? ほら、今どんなふう? ちゃんと言ってくれないとわからないわ」
 わたしがやってきたことで霊夢くんと魔理沙くんの仲は変わってしまったんじゃないか。そういう恐れを抱かなかったわけじゃなかった。でもそれは杞憂だった。ふたりの仲はそんな華奢じゃなかったんだ。わたしはそれが嬉しくて、場違いとは思うけど安心して笑みがこぼれた。
「きもちいいの?」
 わたしも霊夢くんの真似をする。無邪気に質問した。
「訊かれてるでしょ。答えなさい」
「おちんちん触ると、……中もびくってして一緒になってもう……気持ちよくて、あっ……いきそ……ぅ」
 魔理沙くんは切羽詰まってきてしまったみたいで、激しく動かしては止め、動かしては止め、あなるぱーるを咥えこむお尻、寄せた眉をひくひくさせている。
「ああそう。じゃあ手を止めなさい」
 案の定、霊夢くんに止められてしまう。燃え尽きそうだったのに水をかけられ、魔理沙くんは残念そうに燻ってしまう。しおらしくおちんちんから手を離し、あなるぱーるをちょっとずつ、暴発しないように抜いていった。やっぱり気持ちいいのか声を漏らしつつ。
「歯立てたらびんたよ」
 取り上げたままにするほど霊夢くんは冷たくない。そのかわりのものを突き付ける。もうはち切れんばかりのおちんちんを。魔理沙くんは一瞬目を丸くし、恐る恐るといった様子で口にする。くちびるをぴとりと密着させ、口の中のしずくをまぶす。まぶしたそれらを舌で、くちびるの裏で舐め取り、迎える準備を整える。霊夢くんは声こそ上げていないけど、閉じたまぶたが時折ひくついている。袋を揉まれて息をついている。
「んく、ぁ……」
 ふたつのふぐりを口に丸ごと吸い込んでしまう魔理沙くんの必殺技。霊夢くんのおちんちんがびっびっと跳ねる。透明な粒がにじみ出る。それを認めた魔理沙くんはもちろん遠慮なく舐めとってしまう。すぼめたくちびると先っぽの切れ込みで口付けする。それをどんどん深め、先っぽだけを包み込み、くちびるで何度も咥えなおしている。霊夢くんの腰をしっかりつかんで。
「うう、まりっ……さ、あ……ぅ」
 口の中を見ることは出来ないけど、きっと魔理沙くんは激しく舌を動かし続けている。霊夢くんの弱いところを何度もすり立てているはずだ。わたしが何度も行為を重ねて見つけた場所を魔理沙くんも知っているみたい。
 霊夢くんを見上げながらもぐもぐとし続けていた魔理沙くんだったけど、一度口から出す。出す時もくちびるを隙間なく密着させ続けて、最後の最後まで気持ちよくさせる。赤い先っぽがしっとり濡れ、光を照り返している。
 何度か肩を弾ませ息を整え、魔理沙くんが霊夢くんに改めて視線を送る。霊夢くんは得心が行ったのか頷いた。わたしも何が起こるのかわかって唾を飲んだ。
 目を閉じ、魔理沙くんが口を開ける。おちんちんを咥え、その長さを想像しにくくなるほど顔を進めていく。遂に根元までくちびるを至らせ、鞘のように霊夢くんを包み込んでしまった。
 喉を使った行いが始まる。魔理沙くんが苦しさに表情を崩しながら、奥のぬらつき、熱を使って霊夢くんを溶かしていく。それは一見、身を投げ出してやっているようにも見えなくもない。けれど魔理沙くんはしたいからしてる。大きくなった魔理沙くんのおちんちんがそうだって教えてくれてる。
「魔理沙くん、自分でして見せて。霊夢くんのしたまま……そう」
 そばにしゃがんで魔理沙くんにささやく。魔理沙くんは目を閉じたままでこちらを見ることはなかったけど、わたしの言葉通り自分のものをさすり始めた。わたしはその手に自分の手を重ねる。可愛くて、ふたりの輪に入りたくて、魔理沙くんの気持ちよくなるやり方を知りたくて。
「……ぅ、ぷはぁっ」
 深々呑んでいた魔理沙くんが一度吐き出して息をついている。目を見合わすと口角を僅かに上げる。やわらかくて、いま一緒に握っているものとの落差にどきりとする。硬さもやわらかさもどっちも持っている魔理沙くんにあてられたような気がした。
「んっ……」
 わたしが怯んでいる隙に魔理沙くんにくちびるを奪われてしまった。舌を使わない、閉じ合わさったくちびる同士を押し付けあう親しみのこもったキス。不思議とどきどきが落ち着いていく。目を開けて、まつげを揺らす魔理沙くんを見て気付く。そうだった。魔理沙くんはこういう子で、変に構える必要なんてない。
「魔理沙くんこっちも」
 顔を離し、立ち上がる。魔理沙くんの目の前で裾をたくし上げた。見上げる魔理沙くんはわたしと視線を交わして、こくりと頷いてくれた。そして霊夢くんにしたみたいにわたしの腰を捕まえて、まずは舐めとってしまうみたいに力を込めて。
「こっちも忘れないの」
 放り出されてしまった格好の霊夢くんが、魔理沙くんの手を引いて自分のを握らせる。魔理沙くんは見なくてもどうやるのがよいのか知ってるみたい。すぐに霊夢くんが満足そうに魔理沙くんの頭に手を置いた。
 こうして立った状態で男の子に舐めさせるのは、単純な気持ちよさ以外の部分も満たされていくことのようだ。捕まえた蚊の羽をもいで飛べなくさせたり、跳んで逃げようとする蛙の足を掴んでのたうち回らせたり、そういう意地の悪い、本当はしてはいけない悪いことをしたときに感じる気持ちが広がっていく。
「そこっ……! もっと、ね? もっと……!」
 ぴらぴらの部分や入り口のところ、なんてことない……とは言えないけれど遠いところばかりを舐めていた魔理沙くんが、遂にわたしが一番して欲しかった場所を口に含んだ。もう他はよくてそこに集中して欲しかったから、魔理沙くんを捕まえて引き寄せ、自分からも押し付けた。魔理沙くんが変な声を出すけど気にしない。おちんちんを喉まで入れるよりかは苦しくないはず。
「む」
 再びこねくり始めた魔理沙くんの舌におとがいを逸らしていると、霊夢くんが袖を引いてきた。
「ん」
 こちらに身を寄せてきて、奪われた。やにわにおっぱいに手を重ねて、じっとりと瞳を覗き込んでくる。
「やきもち?」
 わたしが呟くと霊夢くんは驚くほどあっさりあさっての方を向いてしまった。わたしは噴き出すのを抑えるのに必死だった。自分はいっぱい気持ちよくなったのに、いざわたしがされてるのを見て機嫌を悪くする、そんな子どもっぽいところに。
 こちらに向けたほっぺに好奇の視線を注がれているのに気付いたみたい、霊夢くんが気まずそうに目を泳がせた。
「……そろそろ欲しくなってきたでしょ。お尻こっち向けなさい」
 誤魔化すように魔理沙くんを急き立ててる。わたしに強く出られないから魔理沙くんが割りを食っているようだった。
「う~……やさしくな」
 当然聞こえてないふり。魔理沙くんのてらてらしているお尻に霊夢くんはおちんちんを当てる。魔理沙くんがびくっと跳ねて、固くなる。入ってくる、そう思うと身が固まるのは男の子もきっと同じなんだ。わたしがそうであるように。
「はぁ……あう」
 ふたりの声が重なる。頭の天辺からつま先までも。一番弱い所どうしを溶け合わせて。
「どうして奥までとろとろなのよっ、……このすけべっ」
 進めるところまで進んだ霊夢くんが波打った。目をきつく閉じて息をひとつ。魔理沙くんの中の具合のよさに呆れてるみたい。お尻をはたく乾いた音が鳴り、魔理沙くんがのけぞる。
「だって久々でっ……うう、おちんちん……」
 魔理沙くんは右目と左目で別の所を見ている。目の表情と口の表情もばらばら。お尻の中の霊夢くんに狂ってる。
「ほら、ほったらかしじゃかわいそうでしょ」
 霊夢くんがわたしの手を引く。魔理沙くんの前に座るよう促される。さっきの続きってことだ。ちょっとはしたないけど、気持ち大きめに脚を広げ魔理沙くんに晒した。涙を浮かべさえしている魔理沙くんが健気に舌を使ってくれる。
「うう、ううう」
 でもそれも覚束ないものだった。霊夢くんがおちんちんいっぱいを使って中を調べてる。引くと魔理沙くんの頭が持ち上がり、押すと押さえつけられるように下がる。
「がんばって。ちゃんと舐めて、ね?」
 感じてしまって歯を打ち鳴らす魔理沙くん。頭をそっと撫でて、目を合わせる。さっきそうしたみたいに、腕を回してわたしを捕まえさせる。のけぞったりして逃せられない快感は全て震えにかわったようで、太ももで頭を挟んでるからよく伝わってくすぐったい。
「ひんっ……」
 舌が動かせない時は吸い付いてわたしを困らせる。脚の間の金髪をすくう。やわらかい髪が指の間からこぼれる。前を見ると、霊夢くんが目を閉じ魔理沙くんの中を味わっている。魔理沙くんが男の子だからなのか、わたしは妙に悔しいとかそういう気持ちは起こらなくって、静かにそれを見ていられる。男の子に夢中になっている霊夢くんの顔。いつもわたしに頬ずりしてる時もあんな顔なのかな。
「きゅうきゅうしてる……! どすけべおすわんこっ」
 霊夢くんの動きが激しくなってきている。魔理沙くんがたまらず背を逸らす。もうわたしに構っていられる余裕が無いみたい。
「そんな激しくすんなってええ、こわいっ……こわいからぁあ」
「うっさい。どうせっ……こっちしごかれるときもちいいんでしょっ」
 片腕で霊夢くんが魔理沙くんの体を引き、ふたりで膝立ちになる。もう片手は魔理沙くんの男の子の場所。入れられているさなかはお休みしていたのか、だらんとしている。そこを霊夢くんが握り、指を動かし育てていく。
「あっ……あっ、いい……うう」
 腕をぴんと伸ばし、魔理沙くんが身悶える。霊夢くんは腕でしっかり魔理沙くんを捕らえて逃さない。おちんちんと手で、魔理沙くんをおかしくしていく。
「魔理沙くん、気持ちいいの? おちんちんも、お尻も……?」
 あまりの光景にわたしは目がちかちかしてる。躊躇もなく訊いてしまった。魔理沙くんの耳には届かなかったみたいだけど、霊夢くんが耳元で「聞かれてるでしょ」と冷酷にささやいた。
「う、なか、なかぁ……じんじんっ……してて。きゅっとしたときっ……きもち、きもちいい……っ!」
 霊夢くんに絡め取られてしまっているかのよう。魔理沙くんは気持ちいいの波の中で溺れていた。
 魔理沙くんの顔をずっと見てたから、手を引っ張られてびっくりした。霊夢くんの手だ。一緒にしようって誘ってる。
「魔理沙くん……!」
 それはふにゃふにゃとかちこちの間。オスとは違う興奮に戸惑うおちんちんの硬さ。でもしゅにしゅにと手でしごける硬さはある。止めどなく先っぽから滲むしずくで手がすぐべとべとになる。おちんちんと繋がる中身の部分を押されているからかもしれない。わたしはこれを使って魔理沙くんの先っぽを包んでいじめた。
「あーッ……、ア、ああッ……」
「おしりのびくびく……すごいことになってる。もうイくの? イきたいの……!?」
 硬さもそれなりになってきた頃合い。霊夢くんの声も余裕が無い。霊夢くんは駆け登り始めた。それにつられて魔理沙くんの声も高くなっていく。
「ふ……あ……、ま、り……さぁ」
 そうして、まず霊夢くんが上り詰めた。何度も打ち鳴らしていた音がやむ。奥の奥まで押し込んで、ひねって中に擦り付けるように。塗りこむように。魔理沙くんのお腹の中に。音もなく霊夢くんが震えてる。
「どくどく……してるよお……!」
 霊夢くんの射精を魔理沙くんは喜んでいるみたい。感じて歪んだ表情の中に喜色を見つける。霊夢くんは出してる最中も手を休ませてない。魔理沙くんも上へ上へ押し上げられ続けてる。
「出しちゃダメっ……!」
 決壊する。そんな予感がわたしにも走ったとき、霊夢くんはなんと魔理沙くんのものを思いっきり握りしめてしまった!
「あーっ! ああっ……やめ、やめてっ……壊れる、壊れちゃうってぇ!」
 魔理沙くんが絶叫してる。イってるのに出ない、出さずにイってる。目の前でわたしが見てるのを忘れてるかのように。その顔は男の子? 女の子? どっちでもあるようでどっちでもなく、どちらもあるようで? その有り様をわたしは説明できない。魔理沙くんがいまどこに在るのかがわからない。
 霊夢くんが体を離すと魔理沙くんは力なく前に倒れてしまう。当然わたしが受け止める形になる。
「ふうう、ひどいぜ……。せーえき、どっか行っちゃったぁ……!」
 色々と経験豊富そうな魔理沙くんでもこんなことは初めてのようだった。
「ふつうにエッチしたらお仕置きにならないでしょ。……もっかいイけばいいじゃない。今度は邪魔しないわよ」
 魔理沙くんの後ろで余韻にひたる霊夢くんが言いのける。霊夢くんは魔理沙くんには強い。
「魔理沙くん、ほら。もっかいしようよ。そうすれば今の分も出てくよ」
 さすがに素っ気なさ過ぎと思ったので耳元でそう告げた。べそをかいてた魔理沙くんが顔を上げる。
「いい機会だからお尻の触り方教えてあげたら? あんた好きでしょ?」
 魔理沙くんの背中を撫でてなだめていると霊夢くんがまたすごい思いつきをする。男の子の中に指を入れたことはある。……霊夢くんに。当然霊夢くんは知らない。知ったらまた変にこじれるだろうから言わないけれど。それはともかく、わたしとしても触り方を知らずに触るのは嫌だ。人の体の中だもの。傷つけたらって思うと気持よくさせてあげるのもままならない。
「いい? 魔理沙くん」
 さすがに断ると思ってたのだろう。わたしが気乗りした様子を見せたもんだから魔理沙くんが目を剥いている。
「わーったよ……うう、ふたりそろって……」
 捨て台詞を吐いて魔理沙くんが腰を下ろす。恥ずかしい場所を全く晒す格好。そしてわたしの左手を取り、考えなおした様子で右手を取り直した。そして用を足して紙で拭うかのようにわたしの手をお尻まで持っていく。
「中指……んっ」
 立たせた指が魔理沙くんの中に抵抗なく呑まれていった。魔理沙くんの熱に包まれる。手の甲を持つ魔理沙くんの手の温かみとは較べるべくもなく生々しい。
「あーっ、そこそこ……こりこりしてる、と、こぉ……!」
 わたしの手をつまみ、魔理沙くんが手ずから芯へと導いてくれた。触れた途端強く指を締め付けられる。意外と余裕そうだったのに、一気に表情を崩している。何がどうなってこんなになってしまうのか、わたしにとって男の子は不思議でいっぱいだ。
「そのまま、……そのぐらいで……!」
 指先をくいくいと動かして押し続ける。もう魔理沙くんの手は添えられてるだけだ。空いた手で魔理沙くんは自らを慰め始めた。
「魔理沙くん……反省した?」
「したぁっ……! したしたぁ!」
 よがりながらだから真意は見えにくい。でもまあ、わたしはもう怒ってない。あとは霊夢くんがどう言うかだ。
「あとで霊夢くんに謝ろう? わたしも一緒に謝るからね」
 さっき霊夢くんが奥に出したものが降りてきた。指に絡んで、絡むどころか指が魔理沙くんの中で完全に浸かってしまってる。ほのかに霊夢くんの熱が残ってる。ねとねととしたそれに助けられつつ、魔理沙くんの中を知っていく。
「んあああ……」
 外側も知りたくて、ぶらんと垂れる袋を手で包んだ。少しひやりとしてるのを温める。優しく揉むと魔理沙くんが嬉しそうに指をきゅっと締め付ける。さっき出し損ねたのはどこに行ったんだろう。もしかして、この中に戻っちゃったのだろうか? しっかり絞ってあげなくちゃいけない。
 ふにふにと、こりこりと。魔理沙くんが硬さを増していくのが中の様子でわかる。押してもへこまなくなったし、血が止まってしまうぐらい中がきつくなってきた。こうやって霊夢くんから絞ったんだ。魔理沙くんがどうしてやらしいことが好きなのか、好きになってしまったのか答えが分かった気がする。
 きつく目を閉じた魔理沙くんの手の動きはますます激しくなっていく。ちょっと心配になるくらい。男の子はこれだけ頑張らないとだめで、これだけのことを女の子の体の中でするんだ。事実と事実が糸で結ばれ、驚きを覚えてしまう。
 入り口は不規則にひくつき、指で触れる魔理沙くんの快感の根源は硬くなり、包むふたつのふぐりは持ち上がって撃ちだす準備を始めてる。そしてそれは断りもなく唐突に始まった。絶頂に突入する男の子の中を知る。
 鋭く締まったお尻が迷いなく指を引きこんだ。包み込んでいた中が膨らみ、指先は自由に動く。こりこりした場所を追いかけるとそこは石のように硬くなってる。左手、もてあそぶふぐりは勝手に持ち上がり、また降りてを繰り返す。おちんちんを見ると、もう射精は始まってた。白い塊が先から溢れてる。勢いはもうさほどじゃない。でも、一滴一滴がすごい大きい。さっき出し損ねたものと、新しく出てきたものと。魔理沙くんの胸は白いまだらになってる。ふわりと甘い香り。いろんな感覚が一挙押し寄せて追いつかない。だからなのか、ひどく生々しいのにどこか神秘的で、けれど出てくる言葉ときたらひとつ。
「まりさくん、気持ちいい……?」
 その質問に魔理沙くんはお尻で答えた。ぶわあっと中が膨らんで、根元を締める。
 次第に軟らかくなっていく。中も外も。指を抜くと、わたしの指の形に変わっていたお尻の穴がゆっくりと元に戻っていった。その様を見ていると中に出されたことへの仕返しができた気がして、魔理沙くんにちょっと優越感を持つ。
「もう……だめ」
 ぜえぜえと魔理沙くんが息を弾ませていて、二回分の射精の激しさを物語る。精は鎖骨まで届いている。出し始めを見られなかったのは勿体なかった。
「あんたの言ってたことだけど」
 霊夢くんが呟きながらやってきた。吐き出したものを拭ってあげる。まずは指から、そして胸へ。
「もうこんなことはしない。それが守れるのなら」
 言葉をそこで切って、指にちょっとついたのを霊夢くんが口に含む。
「それって……!」
「……体中どろどろ。お風呂入って洗いましょうよ。それで、上がったらご飯にしましょ」
 魔理沙くんが跳ね起きる。わたしも身を乗り出している。
 ほんのかすか笑う、よく見る霊夢くんの顔。それをわたしたちに向けて、霊夢くんは行ってしまった。
「よかったねっ、魔理沙くん」
 残されたわたしたち、顔を見合わせる。魔理沙くんはまるで黄金でも降ってきたみたいな顔をして、何度も何度もわたしに頷いた。



第六章 霊夢くんと、もっとしちゃう

「霊夢、ちー。これ!」
 まだお昼前、霊夢くんと一緒に宙に浮く練習をしていると魔理沙くんがやってきた。手には淡い黄色の袋。楽しそうにそれをわたしたちに差し出した。
「お菓子?」
 鼻をすんすん鳴らした霊夢くんが身を乗り出して魔理沙くんに訊いた。わたしも鼻を近づけてみると、確かに甘い香りがする。今まで嗅いだことのないような、鼻のなかを覆っていくおいしそうなにおい。
「クッキー。咲夜にもらったんだ」
「ちょろまかした、じゃないでしょうね」
 魔理沙くんの説明に霊夢くんが一度伸ばした手を引っ込めた。魔理沙くん、そんなに手癖が悪いのだろうか。
「お手伝いしたからお礼にもらったんだよ! 食べきれないからお裾分けしようと思ったけど、いらないならいいぜ」
 失礼な物言いに魔理沙くんが頬を膨らませる。ちょっとあざとい仕草だけど、魔理沙くんがやると可愛く見える。そう見えるのを知っててやっても許せてしまいそう。
「冗談よ。お手伝いするなんて偉いじゃない。魔理沙偉いわ。素敵」
 食べ物にありつけなくなりそうからか、霊夢くんがほめ言葉をまくしたてている。霊夢くんはやはり男の子だからか食いしん坊。さっきからクッキーが入った袋しか見てない。
「へへへ、もっと言ってもいいんだぜ?」
 魔理沙くんは得意げに胸を反らしてる。ほんとう、脇から見てると面白いふたり。わたしも霊夢くんと同じ調子で魔理沙くんを褒めてあげる。
「そいじゃあ、魔理沙様の勤労に感謝してありがたく食べるんだぜ」
 ちゃぶ台の上で口を縛る紐をほどき、広げた。クッキーという言葉を聞いたことがないから当然どんなものかは知らない。けど、においや霊夢くんの様子からしてたいそう美味しいものなんだろう。白ときつね色の中間の色したまるい板、おせんべいみたいだけど違う。ひとつ手に取りまじまじ眺める。ぽろぽろ粉が落ちる、焼いたばかりなのか温かい。
「ん、おい……んぐ、む」
「詰まるって。飲み込んでから喋ったほうがいいぜ」
 その間に霊夢くんはひょいひょいと食べ進めている。左手で次のクッキーを持ち、飲み込んだらすぐ次をほおばる。些細な香りさえ逃すまいと顔は真剣そのもの。それにくすくす笑って、わたしもクッキーをかじってみる。
「おいしい……。あまくて、しっとり」
 甘いものは滅多に食べられないごちそうだ。今まで食べたお大福のあんこや皮とは違う甘味、風味が口の中に広がる。さくさくとした触感は舌に乗ると唾液が染みてしっとりとしたそれに変わる。もう一度それを味わいたくて、手に残るかじりかけをほおばる。
 魔理沙くんがしげしげとわたしを見ていた。霊夢くんも食べる手を止めてこっちを見てる。わたしは何が起こったのか分からなくてふたりの顔に視線を行ったり来たり。ふたりはそれに気付いて顔を見合わせる。
「すごい顔してた」
「してたわね」
「え? ええっ!?」
 たしかに「すごく美味しい!」って思ったけど、そこまで?
「やー、そこまで喜んでもらうとあげがいがあるぜ」
 魔理沙くんが面白そうに笑ってる。霊夢くんはまだ目をぱちくりとさせてる。
「ほら、こっちのも」
 目が合うと、霊夢くんが自分の前にかき集めていた一山を切り崩し、こっちによこしてくれた。
「れ、れいむが食い物をひとに分けてる……!」
 それは空から魚が降ってくるような珍事みたいで、魔理沙くんが目を見開いて指までさして驚いてる。
「う、ありがとう霊夢くん……。そ、そうだ。お母さんにも分けてあげなくちゃ」
 霊夢くんの様子には断らせまいという気迫が感じられたので素直に受け取った。美味しくっていくらでも食べられそうな気もしたけど、お昼ご飯もあるし残った分を持って帰ろう。
「里にゃクッキーなんてないもんな」
 横で見ていた魔理沙くんが呟いた。クッキーが何でできているか。それは小麦粉、牛乳からつくるバター、卵、お砂糖……普段食べられないものばかり。
「里の外にはこういうものがいっぱいあるんだね……」
 手に取ったクッキーを眺める。粉の一粒さえしっかり味あわないともったいない気がする。
「わたしの分も持ってっていいぜ」
 魔理沙くんはまだ一枚も食べてないけど、こころよくわたしにクッキーを譲ってくれた。貰ってきてくれたのは魔理沙くんだし、さすがに悪いと遠慮していると「ちょくちょくもらうから」と笑う。
「ありがとう……大切に食べるね」
 魔理沙くんはそのあとすぐ用事を思い出したらしく慌ただしく飛び立ってしまった。
「やば、にとりから実験に付き合ってくれって言われてたんだった……! すぐ行かなきゃ。じゃなっ!」
 せっかく三人揃ったのにちょっと残念だなとは思うけど、霊夢くんとふたりっきりというのもそれはそれで悪くない。お昼を食べ、またふたりで練習を始める。向かい合って手を握る。真剣な中にかすかなくすぐったさがある。
 知り合ったはじめはいつも巫女さまの表情を張り付けていた霊夢くん。でも今は威厳にひとさしの親しみがこもってる。こっちが見ているのに気付いた霊夢くんが返す視線。そこにそれを見出す。
 拝殿をぐるぐると回っていると、裏手の軒下に燕の巣があるのを見つけた。
「去年ぴいぴいうるさかったのはこういうことだったのね」
 今はもぬけの殻だけどもしかしたら戻ってくるかもしれない。地面に降り立って霊夢くんと並んで巣を見上げている。燕の巣は縁起がいい。そっとしておいてあげよう。わたしと霊夢くんは顔を見合わせた。
「最近、あったかいね」
「そうね。春っぽくなってきたわ」
 きょうは朝は寒かったけど、よく晴れたお陰でいまはもうすっかり暖かい。
 わたしはこの冬と春の間が一年で一番好き。手もかじかみ身を縮こませるような元旦よりも、この季節の変わり目のほうがより一年の始まりという気がする。四季を言う春夏秋冬だって春が一番最初だ。
 さあっと風が吹き抜ける。温かく乾いた風が杜の葉をさらさらとこすり鳴らす。裾に入り込んで膨らむようになびかせる。
「霊夢くぅん……!」
 霊夢くんをまだ知らなかった頃もこういう風に吹かれてはわくわくした。そして今も。霊夢くんの手を取り、つないだ。腕を引き、抱きつくように絡んだ。肩に頬を当て、上目に霊夢くんを見つめる。
 霊夢くんの喉が上下する。唾か息かを呑んでいる。霊夢くんは簡単にどきどきし始めるからついつい狙ってこうしてしまう自分がいる。
 あてた頬から霊夢くんの体温を感じて、わたしも遅ればせながらどきどきし始めてくる。例えば仮に魔理沙くんがこうしたら霊夢くんは「ひっつくな」って言うはずだ。霊夢くんは戸惑いながらも何も言わず、ただただわたしを見つめ返している。わたしが一目見て恋に落ちたそのおもてで。
 もうとっくに一線を超えてしまっているのに、今なおこうして新鮮なときめき巻き起こる。それはそうか。そういうことをしたって言っても、まだ片手の指で足りるくらい。ほんとうに時々。それも精一杯勇気を出して誘う。断られたらって怖がりながら。信用してないわけじゃないけど、やっぱりまだ好きって気持ちの弱い部分が根を張ってる。
 霊夢くんがわたしの頬に手を添えた。最初の頃はお互いどうしていいか分からなかったけど、いまは随分上手になってる。
「ん」
 でも、顔を離した後どういう顔をすればいいのかはまだまだ。笑いかけると霊夢くんは固まっちゃう。それが面白くて、かわいくて、きゅんと胸が高鳴る。好きって気持ち噴き出す。それを、霊夢くんのほっぺに。くちびるで産毛をかんじる。かすかに開いたくちびるから、息を漏らして染み込ませる。
 それはあまりにも熱っぽすぎたかもしれない。もうちょっと恥じらいを抑えて楽しくくすぐりあうつもりだったのに。
「んーっ……」
 霊夢くんに火をともしてしまったようだ。熱い思い流れ込む。重ねたくちびる、挿し込まれる舌の熱。さっき一緒に食べたクッキーの味と混じる、霊夢くんの体の奥のにおい。ほっぺをしっかり掴まれて動けない。霊夢くんに与えられるままだ。
 それが終わると息つく暇なく抱きしめられた。その性急さや力強さ、そして息を吸えてなかったからかもしれないけど、わたしはくらくらとしてしまう。あるいは霊夢くんの熱がうつってしまったのかもしれない。こうして求められて、どこもかしこも投げ打って預けたくなってしまう。大切にしてくれるならキスしても、どこを触っても、なにを塗りつけられても。
「と……ごめんなさい、まだ日が高い内から」
 ふたり熱に没していくかと思いきや、冷静さを取り戻したのは霊夢くんが先だった。
「いいの……。こうされるの好きだから」
 目を開け、わたしも少しずつ体から熱を飛ばしていこうとする。だけど、気まぐれに放った言葉が霊夢くんには思いがけないものだったみたい。
 俯きがちになった霊夢くんに腕を掃くようにくすぐられている。本当はちょっと名残惜しかったんだ。わたしは待ってあげることにした。顔を覗きこむ。何のことかわからないふりはしない。
 何度かこちらを見た後、霊夢くんは口付けを求めてきた。もちろんあげる。今度はゆったり、お互い気持ちや感触を渡しあう。舌先でくすぐりあい、ぴりぴりと頭の芯がはじける。口の外でも肩を撫であったりして、激しすぎない熱に浮いていく。
 霊夢くんはまた遠慮してる。しなくてもいいけど、けれどこの遠慮が心地いい。図々しくないからあげたいって思える。手がおっぱいのふちでとまってる。二の腕から乗り移るか移るまいかでためらってる。
「さわりたい……?」
 舌をひっこめ、つぶやく。目は見ないであげる。霊夢くんに恥ずかしいおねだりをさせる。させることができる事実に二本の足で立っていられなくなりそう。
 霊夢くんがしきりにほっぺにキスしてくる。でもだめ。それじゃ伝えたことにならないよ。指でとんとんと淡く叩いて霊夢くんにそうじゃないでしょ、と伝えた。
「うう……」
 うめく霊夢くんの顔。羞恥に表情はぎこちない。
「おっぱい、……触ってもいい?」
「さわりたいんだ?」
 わたしは許しを出したいんじゃない。霊夢くんがどうしたいかを直に聞きたいんだ。
「さ、さわ、さわり、た い……!」
 恥ずかしさで濡れた目でわたしを見てる。直視し続けたら、きっと目が焼き切れるか胸が破裂して死んじゃうかもしれない。
 霊夢くんの手を導く。おっぱいと手で挟む。いいよって言ってもよかった。でも声が震えると思ったから、こうした。目があった霊夢くんに笑いかける。さっきからそうだけど、いま霊夢くんはどういう顔をしていいかわからなくなってる。困った顔さえできないみたい。
「んっ……ん」
 だから助けてあげることにした。キスするときの顔は知ってるから。期待と恥ずかしさにまみれてしまった表情を和らげる。
 くちびるどうしが濡れながら重なり、こすれあう。霊夢くんにならあげたいし、わたし自身も霊夢くんが欲しい。霊夢くんを取り込みつつ、霊夢くんもわたしを取り込む。混ざって、同じになるまで混ざり続けたい。
 おっぱいがくすぐったい。霊夢くんはきっともっと、心の底では猛烈に欲しがってるかもしれない。手つきに遠慮があること、なんとなくだけどわかる。そういうところがいじらしい。もっと激しくっても構わない。霊夢くんのこと、嫌いになったりしない。霊夢くんがわたしのこともっと好きになってくれるなら、何をされても、何をしてあげても。
 水あめのようにどろっとした気持ち。こぷりと湧き出た泡はじける。甘い香りが頭の中に充満する。クッキーとは違う。霊夢くんの口の中の香り。
「あう……」
「いいよ……? このまま……ね?」
 じわあっと、壁からも天井からも水あめが滲み出た。霊夢くんのごまかしようのない興奮のしるし。硬い、熱の源。綺麗なはずの霊夢くんが持つやらしい気持ちのありか。流れ込む熱が手の冷えを押し返し、血を巡らせる。
 霊夢くんは息まで熱くなってる。首にかかったそれは重ったるく鎖骨まで降り、そこを湿らせる。
 わたしのおっぱいを揉むのに合わせて霊夢くんのかたちが息づいている。この怖いぐらいの硬さが霊夢くんにやわらかさを求めさせている。くちびるだって、そのひとつ。
 霊夢くんは自分から腰を使いそうな必死さでわたしをまさぐり始めた。普段の素気なさや巫女さまの表情を捨てて、ただただ――。
「好き……?」
「ううっ……すき、すきにきまってるじゃないのっ……!」
 好きな子にぶつけたいって気持ちを満たしてる。わたしのこと、わたしのおっぱいやつばや手が欲しくてしょうがないって思いを。おちんちんから恥ずかしい滴を涙のように垂らしながら。
 赤く乾いた先っぽが濡れてはすぐ熱によって乾いていく。どんなにあげても、霊夢くんは飲み干してしまう。
「わたしも好きだよ……霊夢くんのこと。えっちなところも、ぜんぶ……!」
 黒い円らな瞳を覗く。霊夢くんと覗きあう。きっとわたしが甘い気持ちをうんと満たしているように、霊夢くんもこんな気持ちでいっぱいなのだろうか。そうであって欲しい。そうであったら。霊夢くんも、わたしが同じことを考えてるのを望んでいたら。見つめあったまま近付いて。鼻が当たり、くちびるまでも。視線は瞳の奥の奥。舌の動きを思い描きながらあまくち。目をどうやって閉じればいいのかさえ忘れる。見ているものがぼやけ、潤いを補う涙が溢れ、ぼやけがにじみ、霊夢くんのまつげすら見えなくなる。口惜しくて、ぎゅっと手を握りこんだ。霊夢くんがキスしながら喘ぐ。歯同士ががちりと当たる。
「そろ、そ、ろ……」
 巻きつくように霊夢くんがうなじに鼻を寄せてきた。今度はにおいが欲しいみたい。そしてそのにおいを香りながら……。おっぱいを揉む手も激しい。興奮するための材料をいっぱいいっぱい、わたしから得ようとしてる。わたしの小さなからだで、霊夢くんはおかしくなってしまってる。
「いいよ。……霊夢くんが欲しいもの、あげるね」
 手。激しい手。打って変わってやさしい気持ち。だめなところも情けないところもぜんぶ受け止めてあげられる、わたしが霊夢くんのことを好きって気持ち。
 出す直前の一番硬くなる瞬間が好き。体の中で、いまは手の中で爆ぜる霊夢くんの生々しい震えが好き。飛び出る滴に包み込む手のひらを叩かれるのが好き。精の温かさや尊さが好き。イってる最中の霊夢くんのすすり泣くような声が好き。恥ずかしくて気まずそうにしてる顔が、頬ずりしたくなるほど大好き。
「終わった……?」
 気が抜けてしまった霊夢くんをよそに、わたしはまだ気持ちを注ぎ続ける。むしろ霊夢くんが弾けちゃったことでより気持ちが盛り上がってしまってる。とびかかって、抱きしめて、ああそれから。力いっぱいこすりつけたい。ほっぺたも、胸も、お腹も、腕も、脚も、大切なところも、何もかもを。
 それをしないのはどろどろになった手で霊夢くんの服に触るのがためらわれたから。巫女さまの服が汚れるのもそうだし、何より霊夢くんががんばって出してくれたんだから。
「あったかい……」
 指と指の間にひっつくような粘りが垂れる。切った桃のような色。どろりと垂れて、地面に落としてしまった。土の上に白く濁る。道を歩いていても絶対見られないだろう光景。
 霊夢くんが声にならない声を上げてる。出すまでの夢中さが消えて、いつもの恥ずかしがりな霊夢くんに戻ってる。同い年の子に手でいかされてしまったという事実に叩きのめされているみたい。
「手が……」
「いいの、霊夢くん。謝らないで」
 どうしてそんなに霊夢くんは申し訳なさそうにするんだろう。わたしはいまこんなに嬉しいのに。
「ほめて……ほしいな」
 そういう風に畏まられたいわけじゃないの。喜んでほしくて、それでもっと親密になりたいって思っているから。
 霊夢くんの胸に肩をすりよせる。手と霊夢くんの間に体を入れる。短くうなずいた霊夢くんの手が、まずはおろした服を上げてからわたしを包み込んだ。
「その……、ん」
 わかるよ、ありがとうって言うのが恥ずかしいんだ。霊夢くんは必死に肌の触れ方、眼差し、口付けで伝えようとする。一言いえば済むのに。でも、軽々しい一言よりずっとずっと。純粋だって思う。貴重で得られがたいもの。押し寄せる霊夢くんの気持ち、受け止めてるというより風のように当てられるがまま。
 いつまでもこうしてたい。そう思っていたら、霊夢くんの様子がちょっとおかしくなっていく。触り方が変わってく。また、変な気分になってしまったみたい。
 思い切って倒れるみたいに霊夢くんを背中で押した。嫌じゃないよって。霊夢くんは意外だったみたいで手を止めてしまったけど。顔だけを振り向かせて、霊夢くんのほっぺにちゅっとくちびるを落とす。そしてここじゃなかったら……と耳打ちをした。

 お昼に布団を引くというのも変な感じ。閉め切った部屋は障子越しに光が入って赤味がさし、夜の暗さとは違う薄暗さだった。
 手を洗ってるうちに幾分だけ熱が冷めて恥じらいが戻ってきてしまった。お布団の上、向かい合って座る。霊夢くんもわたしも正座して。変なの。初めてじゃないんだけど、やっぱりまだきっかけを探してる。でもこうやって初々しいのも楽しい。いつぱったり転ぶか。うずうずしちゃう。
「あ……」
 膝を軸に体を上げ、霊夢くんがこっちに寄った。肩を抱く。さっきのこともある。大胆に。くちびるを、手は胸を。裾から差し入れ直接。手は汗ばんで湿ってる。繊細そうな霊夢くんが見せる男の子の力に体が受け入れる準備を始めてしまう。
 しっかり回された腕でお人形のように抱きかかえられている。わたしが霊夢くんのものだって暗に伝えられているよう。
 霊夢くんはそんなこと思ってないのかもしれない。でも、霊夢くんに気に入られてるってことはほんとうみたい。寄せられた鼻でしきりににおいを確かめられているから。
 仲良くするんだから。肌を重ねるんだから。こうしてにおいを知ろうとするのは当然のことなんだろう。わたしだって霊夢くんのにおいが好き。よく干したお布団にも似たお日様のにおい。霊夢くんのにおいを知ってる人はきっと殆どいない。なぜならそれはとてもかすかで、よく鼻をくっつけないとわからないから。
 霊夢くんはうなじや首筋の味も確かめると、おっぱいにうずまって一息ついた。さっきの激しさはなりをひそめて静かに感触を味わっている。夢中になっている霊夢くんを見ていると女の子に生まれてきてよかったな、なんて思う。まだ小さいけど、大人になったら大きくなるかな。顔をしっかりはさめるくらい大きければ霊夢くんも喜んでくれるかな。……けれどお母さんの姿を思い浮かべた途端、しょんぼりした気分になった。
「ごめんね、ちっちゃいでしょ」
 大きくなる見込みなし。将来性の無さに思わず霊夢くんに謝っていた。
「ううん……やわらかくて気持ちいい……」
 霊夢くんは頬ずりして慰めてくれた。強い力。目を閉じた顔は人を疑うことを知らないんじゃないかってぐらい無垢でいたいけ。
「れいむくんっ……」
 一挙、かあっと熱くなる。ほっぺどころか肩まで赤くなっているかもしれない。上がった熱が霊夢くんにばれちゃうかも。胸の奥が跳ねに跳ね始めたことも。
 霊夢くんが、かわいいんだ。腕の中に強く強く引き込んで守ってあげたい。抱きつぶして、胸にめり込むぐらい抱きつぶして包み込んで誰にも渡したくない。
「ドキドキしてる……」
 霊夢くんが戸惑ってしまうくらいわたしは盛り上がってしまってる。何か些細な一言で胸が張り裂けそう、そんな予感がする。その一言がどんなことなのか、わからないけどそんな気がするのだ。
「ちい……」
 投げかけられたそれは虚をつくようでいて、しかし求めていた何か、それが空けていた穴にぴたりとはまりこむ。名前を、呼ばれたかったんだ……! わたししか指し示さない言葉を、響きを。霊夢くんから聞きたかったんだ。
 霊夢くんの頭にほっぺをのっけてしばらく抱きしめていた。霊夢くんはじっとそれを許してくれる。頭が真っ白。一分か、半刻か、それ以上か。時間の感覚が飛んでいた。
「ごめんね、わたし……すごい嬉しくって」
 居眠りから覚めるようだった。でも霊夢くんのやわらかい視線が夢じゃないって否定する。
 霊夢くんがもう一度頬擦りをして、今度はおっぱいを口にした。舌で転がして、唾を塗って、目を閉じて吸ってる。心底安心してるのか、可愛いの一言さえかけるのがためらわれるほど。わたしも何だか安らいでしまう。目を閉じて息をひとつついて、真っ黒になった頭の中でひとつの単語が瞬いて、すぐはっとする。
 し あ わ せ。
 だめだ。霊夢くんの邪魔しちゃだめ。でも、飛び出したいくらい恥ずかしい。好きな男の子におっぱいあげて、それで幸せさに打ち震えるなんて。身動きできないせいで熱が高まりすぎて倒れてしまいそう。表情もきっとすごいことになってる。お願い霊夢くん、まだ夢中でいて。目を開けたりしないで。
「あ、う」
 残念ながら、わたしの願いはまったく通じなかった。わたしが小刻みに震えてるのを怪訝に思ったのか、霊夢くんがこちらをまっすぐ見上げてた。じかに霊夢くんの目を見てしまう。もう、何も言えない。
 押し黙るわたしを見て霊夢くんがほほ笑む。何も言わずわたしを布団に横たわらせた。手をつき見下ろすまなざし。見つめ返したら、くちびるを塞がれた。
「ひあ」
 くちびるが降りていく。首筋へ、おっぱいの間、骨っぽいところを通っておへそで止まる。耳を当てて、体の中の音を聞かれる。
 そんなことをしても何も聞こえない。聞いてるわけじゃないのかな。単にほっぺたを当てたいだけ?
「この下に赤ちゃんの部屋があるんだなあって。……ほら、あたしたちは違うでしょ」
 霊夢くんの意図が分からず恥ずかしさも幾分引いていた。見つめていると霊夢くんが照れた様子で顔を離した。霊夢くんとわたしは違うかたちを持ってる。霊夢くんはことさらそれを気にする。わたしも気にしてる。気になる。知りたい、感じたい。違うかたちどうし感じあいたい。
「いいよ……霊夢くん。気になるところ、いっぱい触って。それでいっぱい、わたしのこと……っ」
 身を起こして霊夢くんの手を取る。肌の色は同じくらいなのに、わたしのより少しごつごつしたつくり。お腹に当てる。その下にある、霊夢くんが持ってないものを一緒にさする。霊夢くんにこれからあげる場所を。
 こうしてお腹をさするのって、なんだか夫婦みたい。まだお腹の中に赤ちゃんなんていないのに。でも、霊夢くんの温かい手でなでられると、中が息づくみたい。霊夢くんが顔をあげる。無意識に目を閉じていた。にわかに突き出したくちびるに、重ねてもらうのを期待して。
 くちびるに押され、またわたしは布団に体を預けた。霊夢くんの手が触れる。わたしの、女のかたちに。染み出ていたものが霊夢くんの指を濡らしてしまった。まだまだ奥からにじんで来る。霊夢くんがくちびるを動かすたび、もっともっと。
 指がゆったりと敏感な芽をまさぐってる。指の腹や節でこねくるように。びりびり、きゅうっとして霊夢くんの手で考えがまとまらなくなっていく。
 霊夢くんにしがみついて霊夢くんから与えられるまま。霊夢くんの手、もうきっとべたべただ。霊夢くんの手が離れて行くのが名残惜しい。
「れ……む、く……」
 ちょうど、指のあいだで糸を引くわたしの滴りを眺めていた。もうどうしようもなく隠しようのないわたしの興奮のしるしを。霊夢くんは躊躇のかけらも見せず、だから止める間もなく指を口に含んでしまった。目を見張るわたしを一瞥し、濡らした指をまた当てる。今度は入口のところ。まずは表面をくるくると。わたしの気持ちを戸惑いから欲しいに変わるまで待ってるんだ。
「れいむくん……いじわる、しないで」
 指の先、爪ぐらいは入ってる。そこで止まってる。入れるなら、はやく入ってきて。はやく霊夢くんを教えて。腰をゆらゆらと動かしてる。まるで誘ってるみたい。おねだりしてるみたい。
「んん~~っ!」
 舌を突き込まれるのと、指を差し込まれるのが同時だった。一も二もなく霊夢くんをより感じたくて腰をよじり、舌を迎える。巫女服の裾を掴んで引き寄せる。
「は、……あ、れいむくん……?」
 それが続かなかったのは霊夢くんがとても落ち着いていたから。いまだって、静かにほっぺたにくちびるを寄せて。
「いたくない?」
「うん、へいき……」
 変なの、こんなすごいところに指を入れられて、入れさせて? 入れてもらいながら、素に戻っちゃった。それがとても恥ずかしくて、手で顔を覆う。
「……いまの顔、かわいかった」
 お願いだから耳元で追い打ちなんてかけないで。嬉しいって気持ちが体に走って、中に入り込む霊夢くんの指に教えてしまうから。何もそんなところから教えることにならなくてもいいでしょ。
 霊夢くんのさすり方はとにかく優しくて慎重で、壊れ物でも扱うみたいで、わたしの知ってる霊夢くんと寸分も違わない。激しくしてもいいよって言ってもしないのが霊夢くんで、でも欲望に負けて結局しちゃって、申し訳なさそうにわたしに謝るのもまた霊夢くん。いやらしい、むさぼりたいじゃない。うれしい、あげたい。
 だんだん体が開いていく。霊夢くんひとり分、霊夢くんのために。
「もう、だいじょうぶ……だから」
 霊夢くんが指を抜いたところで、勇気を出して言ってみた。まだしたいことがあるかもしれないと思いつつ。
「えと……そうね、うん……」
 わたしの言葉に霊夢くんが明らかにまごついてる。やっぱり、まだだめ? そうなるかもとは思ってたけど、実際そんな風だとやっぱり心が痛まずにはいられなかった。
「ちがうのっ。入れたい、……入れたいんだけど」
 わたしの顔を見て慌てた霊夢くんが巫女服をはだけさせる。体の前側が全部見えて、理解した。霊夢くんのがどうしたことだろう、小っちゃくなってて元気がない。
 体を起こして、それをまじまじ見つめる。理由がわかると痛みは引いた。へたりとうなだれるそれに「しょうがないなあ」と手を伸ばす。
 先走りか、さっき出したものの残りか。皮の中はぬるぬるでいっぱい。剥いてみると生々しいにおいが鼻を衝く。それは霊夢くんも同じだったみたい。顔を寄せるわたしを押し戻そうとする。
「霊夢くん?」
 また遠慮してる。魔理沙くんにはしないのに。わたしはまだそこまで近付けさせてくれない。
「あのね。わたしはこれでもあなたを大切にしたい。だから……あんまり舐めさせるだとかそういうのはだめ。嬉しいよりもこんなことさせてる、奪ってる汚してるって思いの方が強くなっちゃうからっ……!」
 させられてなんてないよ。自ら差し出してるし、あげてる。ううん。あげてるってのも変だ。わたしが上ってわけじゃない。
「わたし、霊夢くんのこと好き。好きだから気持ちよくなってもらいたい。だからしたいの。霊夢くんだってよくわたしにしてくれるでしょ。お返ししたいの」
 霊夢くんと目の高さを合わせる。そりゃ、魔理沙くんに比べたら下手っぴかもしれないけど。
「霊夢くんはきたなくなんてないよ。汚かったら好きにならないもん。それに……汚れてるんならわたしが綺麗にしてあげる」
 そらしがちだった目線を何度かこちらを向け、霊夢くんは目を閉じた。
「信じる……。ううでも、全部は納得してないっ」
 そうして、わたしが口をつけることを許してくれた。やっぱり巫女さまだからか変なところで慎み深い。
「するね」
 鼻を近付けると強くにおう。それを口のなかに溶かし出すところから。ふにゃふにゃだから根元まで全部を簡単に迎えられる。舌と口の中の上の部分で包む。そうして温めて、霊夢くんを育ててく。霊夢くんがひそかに好きなたまたまも手でふよふよもてあそぶ。男の子の、霊夢くんのかわいいところ。
 大きくなるのに合わせてくちびるが開いていくのが面白い。熱も増していく。硬く張って、舐めがいが出てくる。裏筋の部分や切れ込みをなぞると霊夢くんが目をきゅうって閉じる。弱いところを探すのも面白い。霊夢くんをもうちょっと困らせてみたい。
「ん……もう、大きくなったからいいでしょ……!?」
「だめ。まだまだしたいもん。霊夢くんのこと、知りたいんだもん」
 くびれのあたりをしっかり捕まえ、含んだり舐めたり、吸ったり。口でできること、思いつく限りやってみる。霊夢くんがわたしのおっぱいにいっぱい好きなことをしたみたいに、わたしだって霊夢くんのおちんちんに好きなことをしてみたい。
「ぜんぜん、汚くなんてないよ」
 おちんちん。見慣れないかたち。目のないお魚みたい。この切れ込みから霊夢くんは毎日おしっこしてる。かすかににおいがある。おしっこは確かに綺麗じゃないけど、わたしだってしてる。それで汚い、臭いっていうのは不公平。
「ん……」
 先っぽにちょん、とくちびるを。
「大切なところなんだから、ね?」
 顔を離し、霊夢くんに笑いかける。真っ赤になって口元を抑えた霊夢くんが、遅れて何度か、首を縦に振ってくれた。
 かちかちになった霊夢くん、わたしももう準備はできてる。沈黙が降りて、多分ふたりで察した。次のこと。
「お、……お布団の中、入ろっ」
 わざと大きめの声を出して、わたしは布団の中に滑り込む。霊夢くんがいつも使ってるせんべい布団。寝汗のにおいでいっぱいの。はだかで入ると、色々なところがこすれていやでも変な気分になってしまう。
 ふしぎ、さっきは自然と入れようってなったのに。そのためにお口でしたのに。いまはもうちょっとこのままなんて思ってる。布団に入ってきた霊夢くんに抱き着いて、肌をすりあわせる。温かくてびりびり。
「いちゃいちゃ……する?」
 嫌ってわけじゃないんだけど、久々だからわたしも緊張してる? どんな感じで霊夢くんを迎えてたんだっけ? 取ってつけたような疑問で、いまの気分になってる理由からは遠い感じ。でも、こうして抱きしめあって確かに胸のどきどきは高まっていってる。
 霊夢くんがそわそわしてる。わたしが踏ん切りがつくのを待ってる。
「わたしが上になるねっ……」
 仰向けになってもらってわたしはその上に。胸とお腹をべったり密着させて、霊夢くんの顔を上からのぞき込む。重なった胸からわたしのどきどき、きっと伝わってる。
「れいむ、くん……」
 つかむ。五本の指でしっかり。先っぽ、当たっちゃった。もう切れ込みのところはわたしの中。
「うう、う」
 人差し指が当たるところまで入る。口のところが広がる。霊夢くんのいちばん太いところを乗り越えようとするところで止まってる。霊夢くんが足をもぞつかせてる。背中の掛け布団が波打つ。
「ちょっとずつ、ね……」
 人差し指を離す。指の幅だけ霊夢くんが奥へ。中が霊夢くんの先っぽを感じる。
「れいむくん、れいむくぅん……」
 中指。またひと幅。奥が切ない感じ。霊夢くんが欲しいって体が泣いていななく。
「好きって、言って……?」
 残りは小指だけ。あとちょっとで霊夢くんと完全にひとつになれる。まだひとつになってない部分が霊夢くんの声を求める。
「すき……」
 霊夢くんが耳元でささめく。頬擦りして、わたしに腕を回して捕まえた。それから小指を離して、完成する。わたしも霊夢くんに抱き着く、しがみつく、中をぎゅっと縮めて中へ中へ引きこんで、ほんのちょっとでも触れ合う場所を増やす。ぽやぽやと頭の中は恋の色。霊夢くんのことでいっぱい。
 お腹をすりあわせようとしてるのか、気持ちいいところに当てようとしてるのか。強く引き寄せあって霊夢くんの顔が見えないのをいいことにわたしはぐりぐりお尻を振った。難しい言葉だけど、卑猥に。密着してお尻だけ動かしてる。中をこすり合わせて気持ちよくなるための動き。奥まで霊夢くんを迎えて、外側の芽をこすりつける動き。霊夢くんの腕の中でちょっと怖いぐらい気持ちよくなってしまって、でも霊夢くんの腕がしっかりわたしを包んでくれるからか安心して続けてしまう。安心すると欲しくてしょうがないっていう激しい気持ちが和らいで、霊夢くんと仲良くしたいなって気持ちが芽吹いてくる。
「れいむくん、きもちい……?」
 恥ずかしがってえっちの最中は喋らない霊夢くん。でも質問すると小さな声で答えてくれる。わたしもそれに合わせて小さな声で訊いてみる。耳元で、訊いたあとすぐ耳たぶに吸い付いてみたり。
「よかった。さっきから自分のきもちいいところばかり当てちゃってたから……」
 わたしの言葉を霊夢くんが目を丸くして聞いてる。さてはわたしがそうなってるなんて、まったく思ってなかった?
「きもちいいね……、れいむくん」
 そう言ってまた倒れこむと霊夢くんが戸惑いがちに受け止めてくれる。のぼせきっていた空気が少し普段に戻ったかもしれない。この甘くてこそばゆい距離感。慣れない新鮮な。
「照れてる? かわいい、れいむくん」
「こういうの弱いの、知っててぇ……!」
 涙目になってる。いっぱいいっぱい照れさせてどうなるかも見てみたいかもしれない。でもこれ以上いじめるとすねちゃうかな。
「ね、今度は霊夢くんが動いて。わたしいっぱい頑張ったよ」
 だから交代。霊夢くんが押し込めている気持ちを教えてもらうんだ。
 真面目な顔をすると霊夢くんも照れるのをやめて頷いてくれた。ふたりでつながったまま居場所を変える。ちょっとやりづらい。布団がめくれて中の空気と部屋の空気が混じる。
「んっ……」
 ようやく位置を変えて、霊夢くんは動き始めた。まずは口付け。舌の広いところを重ねあう。体のほうは奥から入口までゆったり、深く長く。そうすると霊夢くんが本当に奥まで、指が届かない場所まで入ってくることがよくわかる。
 霊夢くんの繋がり方は「確かめる」といった感じ。きっと、わたしと霊夢くんとの間を結ぶものを。
「いいよ。べたあって。くっついて……」
 重くしちゃいけないとか思ってるのかな。腕二本で体を支えるのも大変そう。優しい動き以外にも細かいところでこういう気遣いがあって嬉しい。
 こうして霊夢くんの体の下、霊夢くんに捧げてるって思うと、まるで霊夢くんのものになったみたい。もっともっとわたしを味わってほしい。食べられちゃっても構わない。ちょっとくらい激しくされても。
 でも霊夢くんはまったりと中の行き来を楽しんでいる。髪の毛に鼻をうずめにおいを嗅いで。夢中になってもらえてる。
 わたしも霊夢くんのからだを楽しむことにした。腕を回して背中の強さや肌のなめらかさを。黒い髪の根元に隠れた汗のにおいを。じわじわと下から這い上る快美感とともに。
 次第に霊夢くんの腰使いが早くなっていく。そろそろ我慢が出来なくなってきちゃったみたい。手をつないで、指を一本一本絡めて、キスでお互いに息を吹き込みあいながら、高まっていく。霊夢くん、なんて綺麗なんだろう。素敵だった。霊夢くんにあげたいものを全部あげてる。手をつなぐのもキスするのも、えっちするのも、好きな人にしてあげたいこと。それ全部。目を閉じるわたしに入り込むのを許すただ一人の人。
「ね、ね……」
 キスをやめ、でも顔は近付けたまま霊夢くんがわたしを呼ぶ。
「きょうはこのまま出させて。……あの子に、先越されたまんまはいや」
 魔理沙くんに先を越されちゃったこと。大事な時まで取っておこうって決めてたこと。
「れいむくん……いい、よ」
 口の形で声はなく「そ・の・ま・ま」と伝えた。霊夢くん、目見開いてる。想像しちゃったんだ。こんなに激しくしてる最中に言われちゃったんだもんね。動きが途端にねちっこくなっちゃった。奥まで入れてくいくい捻ってる。そこに出したくて、たまらなくなっちゃったみたい。わたしもわたしで霊夢くんに出してもらって、体の中を霊夢くんに染めてほしくて一緒になって体を波打たせた。
 浅いところで霊夢くんが駆け出し始める。頑張る霊夢くんを見届けてあげたいのに、気持ちよさがそれをさせてくれない。必死に霊夢くんにしがみついた。中が閉じようとして、自然と霊夢くんを気持ちよくさせようとしてるみたい。戻ろうとする霊夢くんにも、入ろうとする霊夢くんにも抵抗する。
 霊夢くんの夢中は最高潮、わたしはその波の中ぼうっと目を閉じ漂う。頭の中がちかちかしてる。終わりが来てしまうのが名残惜しいのと、自分のからだを霊夢くんが飲み込まんばかりに欲しがってるのと。揺れる、揺れる。本当はこんな難しいこと考えてない。ただただ、霊夢くんに与えられる感覚を目を閉じながら感じ入るばかり。
「うーっ、う……? れいむ……くん?」
 ひときわ強くまぶたの裏が瞬いて、霊夢くんの激しい動きは止まった。身体の奥、嬉しそうな震えが鈍く伝わってくる。霊夢くんは声もなくわたしの中へと注いでる。届けてる。
「終わった……んだね」
 転んじゃってお母さんにひっつく子どもみたい。霊夢くんの様子はまるでそんな風で、慰めるみたいにわたしは霊夢くんを撫でてあげる。こうやってわたしで感極まってくれたんだから。
 顔を上げた霊夢くん、注がれるぽやあっとした視線が心地いい。霊夢くんはきっと心の底、天井にいたる隅々まで使ってわたしとえっちしたんだ。きょうは外に出すって気遣いも忘れてしまって、空っぽになってる。キスをしても恥ずかしがらない。引き寄せるとぐったり力が抜けて霊夢くんの重みが身体にのしかかる。
 不思議だね、いまのほうがよりひとつになれてるなあ、なんて思っちゃうなんて。和やかで穏やかで、ただこうしてくっついてるだけの時間。きっともうしばらくしたら霊夢くんが戻ってきちゃう。それまで、うんとこの時間を楽しまなくちゃ。

 ずっとお布団の中だったから汗がすごいことになってて、あのあと霊夢くんとふたりでお風呂に入った。霊夢くんはずっと顔を赤くしたままで、とにかくわたしが何もしなくて済むよう必死で、霊夢くんには悪いけど面白くてしょうがなかった。ひとつになって、これでわたしが平気になったかというと全然そんなことないみたい。
 風呂椅子に座って伸ばした脚を洗ってもらうのってお殿様にでもなったようで、また今度霊夢くんにお願いしてみようかな、なんて。
「じゃあね、霊夢くん」
 お風呂上り、髪も乾いた頃合い。わたしはお家に帰ることにした。きょうは泊まるって言ってないし、お菓子もしけちゃう。
「家まで送ってくわよ」
「いいよいいよ、いつも一人だから平気」
 境内へ上がる石段の下、霊夢くんとまた明日のご挨拶。もう何度も神社に遊びに来てる。日は落ちかけているけど、家に帰るまでは大丈夫そう。
「そう? ……とにかく、気を付けるのよ」
「はーい」
 帰り道を心配する霊夢くんの表情はもう巫女さまのそれに戻ってた。妖怪を退治する強い巫女さまの。
「じゃあね……きょうは、嬉しかったよ」
 わたしはもうそれを一瞬で同い年の男の子の顔に変えてしまえるんだ。
「クッキーのこと。霊夢くんの分まで、ありがとねっ」
 霊夢くんは見事に墓穴を掘ってしまって、恥じらいの赤をさらに深めてしまう。
「もちろん……、……ね?」
 自分でもいじわるだなあって思う。すっかりもてあそぶのが板について。固まる霊夢くんのほっぺにキスをして、走り出した。振り返って手を振って、また明日。
 そのままあぜ道を駆けていく。きょうは嬉しいことがいっぱいあった。霊夢くんの視線や、手や、胸やお腹、男の子のからだ。混じりっ気ない気持ち。わたしへの気持ち。
「あ」
 浮ついた笑いをしながら走り続けていたら、急に変な感じがして立ち止まる。その変な感覚が走った場所に手を伸ばす。
「垂れてきちゃった……」
 さっきの残り。奥過ぎて全部かきだせなかったのがいま走ったせいか出てきてしまったみたい。
 低い西日に当てて、指ですくったものを見てみる。本当にこれで赤ちゃんができるのかな。ひとの身体って、ときどき持ち主の自分たちの感覚にそぐわないはたらきをする。きょうしたことも、いずれわたしが迎えるだろうことも。
 またひとしずく、こぼれ出た。手拭いもないし、指ですくってそこらに捨てるのも霊夢くんに失礼な気がしてできないし。服で拭いたらお母さんにどう誤魔化せばいいのか。あぜ道の真ん中、赤い夕日が落ち行く中わたしは考え込んでしまう。

――だいじょうぶさあ、おれが

 咄嗟に後ろを振り向いた。今まで聞いたことのないような低い声。低すぎて耳どころか身体さえ震えるような。突然、ざあっと風が吹く。草々の頭をさあっと撫でて、夜の入り口を不気味な騒々しさで包んでしまう。もうお日様は頭しか出てない。赤みがさした空はもう地平線の近くにしかない。
 わたしは急に心細くなった。今すぐここを立ち去りたかった。声の主の正体なんて知りたくもない。

――まてよお

 待たない。追いかけてこないで。早歩きを駆け足に変えても声は追ってくる。
「やあっ!」
 ろくに足元も見えないせいで、石に躓いてしまう。
「いつつ……」
 足の指がじんじんと痛む。ついた手のひらも。でもそんなの気にしてる場合じゃなくて、すぐ立ち上がって走り出さなくちゃ。でも、進む先に見えてる黒い影に向かって走り出せるわけ、なかった。
「た、たす……たすけ――んくぅっ!?」
 影は驚くべき速さでわたしの目の前に移動して、叫ぼうと開いた口を塞いでしまった。それは手じゃない。人ではないもの。田んぼの水のような冷たさ。怖気だつ。

――巫女の力。おまえを食って、巫女の力をもらう

 大きい蛙が、田んぼの主みたいな蛙が喋ったらきっとこんな声を出すかも。そんな声でそいつはわたしに語り掛ける。
 影は口だけじゃなくわたしの身体にまとわりついて自由を奪った。転んで倒れた身体を縛り上げる。それから、その姿を露わにしていく。わたしは塞がれた口で息を呑んだ。
 そいつはやはり、蛙のおばけ。その背丈はゆうに大人ふたり分。頬まで回り込む大きな口、その舌はどういうわけか三枚。うち一枚がわたしを捉え、宙ぶらにしてる。

――巫女だけじゃない、ぐひひ、魔法使いの霊力もある

 こいつの狙いは多分、きょう出された霊夢くんの精なんだ。こいつはわたしを食べることでそれを取り込もうとしてるんだ。霊夢くんにこんなことをしても返り討ちだから、わたしを狙ったんだ。こうしてひとりになるのを待って……!
 うかつだった。なんて馬鹿なことをしでかしたんだろう。あのとき霊夢くんが送るって言ってくれたのに! やつの顔が、気色の悪い顔が近付いてくる。舌を引っ込めてるんだ。わたしを飲み込もうと。せっかく、霊夢くんと結ばれたのに。こんな、こんな蛙のお腹の中で死ぬなんて。ちょっとのことで防げたかもしれないのに。悔しくて、悲しくて涙が止まらない。ごめんね、霊夢くん。
「霊夢くん、助けてぇーっ!」
 口に放り込みざま、開放された口で叫んだ。もう遅いってわかってるのに、何にすがったのか。

 ああでも、奇跡って――起こるんだ。

「叭ッ!」
 聞き入った草さえ切り払われてしまうほど鋭い叫びがわたしを救った。落ちると思った蛙の口のまだ外にいる。
「霊夢くんっ!」
 ああやっぱり、霊夢くんは来てくれた! すぐ駆け寄りたい。でも、地面を蹴ることもできないししつこく絡む舌が逃げるのを許さない。
「あんた、何者? 人間に、この子に手を出して……どうなるか分かってるでしょうね」
 冷たい刃のような霊夢くんの声に風さえ吹き止んだ。

――動くな。こちらにはこの小娘がいるぞ?

 その一言に霊夢くんが二の足を踏んだ、ような気がした。その一瞬を逃さず、蛙が舌の一枚を飛ばした。飛ばしたと思うほどの速さで突き出し、霊夢くんを小石のように吹き飛ばしたのだ。
「ぐ……っ」
 霊夢くんはもろに一撃を受けてしまい、一度地面にぶつかって、もう一回跳ねてうつぶせで地面に叩きつけられた。わずかな月明かりの中、起き上がる霊夢くんの様子に目をこらす。
「んんーッ! んふっ、んん、んー!」
 口を塞がれてるし無駄だから叫ばない、なんて判断ができる場合じゃなかった。わたしの霊夢くんになんてことを。立ち上がる霊夢くん。でも立ち上がるだけで何かをすることができない。わたしが捕まっているばかりに。
 蛙を見た。許せない。わたしならまだしも、霊夢くんにまで。視線を突き刺し続ける。心の中で、こいつに対する怒りを積み上げていく。

――うぐ、うぐぐ……小娘、何を

 体をよじって、まさに心沸き立ったそのとき。何がどうなったのか、わたしにも判らない。とにかく巻き付く舌が突風でも吹いたかのように弾き飛ばされ、わたしは踏み固められたあぜ道の地面に落っこちた。尻餅をついて、痛みに目をつむったのは一瞬。すぐ蛙のほうへ意識を向けた。
 蛙は舌をおさえ、うめいている。苦痛だけじゃなくわたしが舌を弾いたことにうろたえているようだ。

――おのれぇ!

 悔しげに叫ぶ化け物。霊夢くんはそれを見逃さない。躍りかかる舌どもをひらりとかわし、お札から姿を変えた針を殺到させる。わたしがしゃがんで避けるその上。月の淡い光を照り返し、針は走る線となってきらめき、夜の入り口を引き裂いて飛んでいく。蛙の体はたちまち針だらけ、白いお腹は裁縫箱の針刺しのようになった。

――グオ、オ……

 苦悶の声を上げるも、倒れない。踏みとどまった。でももう地面を蹴って飛び出していた霊夢くんにどうすることもできない。霊夢くんの突き出した拳が横っ面にぶち当たり、蛙の巨体がふわりと浮いた。そのまま田んぼに落ち、大きな音と水しぶきを上げる。
 それを見届けた霊夢くんが矢のようにわたしのもとにやってきた。いつものゆるりと飛ぶ姿からは考えられない速さ。
「大丈夫!?」
 いまなお座り込むわたしの側に屈んで問いかける。わたしはその手に体を触れられて余計力が抜けてしまった。霊夢くんが本当に来てくれた。嘘じゃない。さっきまで一緒にいた好きな人が助けに来てくれたんだ。
「ごめんなさい、わたしがちゃんと付いていれば……!」
「ううん、違うの……違うの。わたしがひとりで飛び出して! 里の外には妖怪が出るって知ってたのに……」
 だけど物事そう単純にいかなくてわたしたちはお互い罪悪感に駆られて謝罪をつくした。ほんとうは助けてくれてありがとうって言いたいのに、わたしから出てくる言葉は霊夢くんのごめんなさいを否定するものばかり。

――愚かな餓鬼どもめっ!

 顔を突き合わせて不毛なやりとりをしている後ろで、倒されたはずのあいつがまた立ち上がっていた。霊夢くんの表情が歪む、急いでお札を飛ばそうとした。したのだが、間に合わない。
「あううっ……!」
「れいむく……やだあっ……! やめてよっ!」
 いつの間にか周りを囲んでいた舌に霊夢くんは足払いを食らい、手も突けずに引き倒された。足首に巻き付いた舌に宙づりにされて、他の舌も殺到して締め上げられる。わたしも似たようなもので冷やりと湿る舌に巻き付かれ地面から遠ざけられてしまう。
 こいつ、やられたふりをしてたんだ。わたしが霊夢くんと長々話なんかしなければ……! また、わたしのせいで。
「離してっ! 離しなさいよぉっ!」
 縛り上げる力で腕が体にめり込みそう。でも口は塞がれてないからわたしはありったけの声で叫んだ。……周りに人は住んでない。わたしの声は闇をたたえる空に吸い込まれるばかり。さっきの凄い力ももう出てくる気配もない。

――無駄だ。田の泥の中。おれの場所だ

 霊夢くんは必死にもがいてる。手を使わずにできる呪文も口を塞がれては使えない。もうこのまま、こいつに食べられるしかないの? せっかく霊夢くんが助けに来てくれたのに。

――小娘に付き合って、巫女まで馬鹿になったようだな

 笑い声を押し殺すように嗤う。その言葉に怒りが湧いて、でもそれもすぐしおれた。いまばかりはこいつの言う通り。悔しささえもう起こらない。

――食らう機を伺っていたのだ。まさか、娘にうつつを抜かすとは。お前には感謝してもしきれんぞ

 ついにゲコゲコと笑いだす。こいつは前々から霊夢くんの力を狙ってたんだ。わたしがほとんど毎日通るこの田んぼの中で。わたしは目を付けられていたんだ。
 わたしって、本当になんなんだろう。もう悔しくて前も見えないよ。ごめんね、霊夢くん。わたしがあなたと出会って、近付こうと思ったばかりに。

――お前の中の力、感じるぞ。礼だ。まずはお前から食ってやる

 大きく開いたあいつの口が近付いてくる。今度こそ、だめみたい。あいつのお腹の中に、霊夢くんと仲良くおさまっちゃうんだ。ああでも、霊夢くんと一緒ならいいのかな。お母さんも、ごめんね。いつもいつも家にいなくて。ごめんね。

 次に訪れた感触は、あいつの喉を通る感触……ではなかった。
「でぇえいっ! っと。うっわー、でっかい蛙だなー!」
 舌の拘束が緩まり、またわたしは地面に落っこちていた。でも今度は田んぼの中だから泥が受け止めてくれた。と、そんなことより。落ちている間に聞こえた元気な声、その主はどこへ?
「魔理沙様を呼ばずに蛙と3Pだなんて悪趣味だぜ」
 どうやら蛙の後ろから思いっきり蹴りを食らわせたらしい魔理沙くんが月を背に笑っている。
 もう闇に包まれていた田んぼ道に、緑や赤、黄色といった明かりがたくさん瞬く。魔理沙くんが箒に乗って星くずを撒いている。そのおかげで同じく田んぼに落ちていた霊夢くんを見つけることができた。
「魔理沙くんっ、助けてえっ! 霊夢くん、霊夢くんがあっ!」
 霊夢くんはまだげほげほと急き込んでいる。二度も奇跡は起きている。もう次は起こらない。魔理沙くんにすべてを託す。
 空中で止まった魔理沙くんが蛙と対峙する。星くずに照らされた茶色いあいつは細い瞳で忌々し気に魔理沙くんをねめつけている。
「この間から変な視線は感じてたんだ。化け蛙っ、成敗してやる」
 エプロンから石のようなものを取り出し、蛙のほうにかざした。蛙は眉を――いや、眉はないからあったらきっとその辺りを――ぴくりと動かし、なんと横に飛び跳ねた。あの巨体からは想像もできない俊敏さ。着地した衝撃で田んぼの水がざあっと辺りに降り注ぐ。魔理沙くんの星くずのいくつかが落ちて、辺りが幾分暗くなる。
「逃がさないっ!」
 生じた暗がりの中を縫うように霊夢くんが跳躍していた。背を見せる蛙に針とお札を何本も投げつける。動きを止めた蛙の周りをびゅんびゅんと飛び回り、光の縄で拘束する。蛙は縛り上げられ、寸胴の体を無理矢理反らされてうめいた。
「霊夢、そのままーっ!」
 光を集めるのをやめていた魔理沙くんが霊夢くんに手を振った。わたしのそばに降り立ち、肩幅以上に開いた足でしっかりと踏ん張る。
「ちーや霊夢を食おうなんて。……馬鹿な蛙だぜ。田んぼの中にずっといて、外のことなんて全然分らなかったんだろうな」
 また再び腕を突き出し、動けない蛙に狙いを定め、また光を石に集めてく。わたしにも、何かできないだろうか。そういえば、さっき自分は狙ってやったわけではないけど舌を吹き飛ばすことができた。あの力を魔理沙くんに分けてあげることができないか。
「危ないから後ろにいたほうがいいぜ」
「わたしの力も使って。あの蛙に、思い知らせてあげるんだから……!」
 右手首を掴む魔理沙くんの手にわたしの手を添えた。わたしの表情を見て魔理沙くんはもう止めようとはしなかった。
「思い浮かべて。力を注ぐ自分を。……そうだぜ」
 以前魔理沙くんと初めて空を飛ぼうとしたとき言われたこと、今ならわかる。あいつへの怒りを力に変えて、その力を傾けた急須を思い浮かべ魔理沙くんに注ぐ。
「食らえっ!」
 いくぜ、と魔理沙くんが目配せして前を向き直った瞬間――。吸い込まれる光が消え、光の奔流が腕先からあふれ出す。極彩色の道が蛙の影さえ消し飛ばし、その輪郭を真っ白に変えた。
「よくも……、よくもよくも、……よくもっ!!」
 激しい風に髪をなびかせながら、わたしは叫んだ。卑怯な真似をして霊夢くんまで食べようとするなんて。生まれてからこれまでないほどの怒りを声に変えて。
「はぁ、はあ……」
 程なくして、光は細まり消えた。魔理沙くんが腕を下ろすとわたしは急に体が重くなってその場にへたりこんでしまった。
「大丈夫か? 気持ちは分かるけど本気出し過ぎだぜ」
 光の源になっていた石をしまい、魔理沙くんが手を差し伸べてくれた。でもその手に掴まっても立てなくて、結局おんぶしてもらって、消えてしまった蛙がいた場所へ急いだ。
「どうやら文字通り田んぼの主みたいね」
 泥にまみれて疲れた様子の霊夢くんが、腹を向けて水に浮く蛙を見下ろしている。蛙は消えたわけじゃなかった。本来の、蛙らしい大きさに戻ってしまっただけみたい。それでも見たことないほど大きくて、大人が両手を使っても手の上に収めることはできなさそう。
「あたしの針が効いてなかった。……まだ死んでないみたいだから記憶を読んでみるわ」
 どうしてかしらと訝しむ霊夢くんが白いお腹に手をかざす。わたしたちは邪魔しちゃいけないと口をつぐんで霊夢くんを待った。
「何かわかったのか?」
 霊夢くんがかざす手をぴくりと動かすのを見て、魔理沙くんが身を乗り出した。
「なんというか、……これ話さなくちゃだめ?」
「なんだぜ。気になるから隠すなよ」
 こちらを見上げた霊夢くんは何か苦いものでも口にしたような表情で、魔理沙くんの言葉を受けてなお言うべきか迷っているようだ。
「あんたと昔ここでよく遊んでたの、覚えてるでしょ」
「ん? ああ、めだかとかおたまじゃくしとか捕まえてたけど……」
 魔理沙くんがわたしをおぶさりながら上を向いて思い出し始めた。ふたりの昔のこと、わたしがいないから興味はあるけど少し複雑。
「それで、おしっこしたくなってそこいらでよくしたでしょ」
 うんうんと魔理沙くんが肯く。そういうところはふたりとも女の子の格好をしていても男の子っぽい。
「この蛙、あたしのを頭からひっかぶったのよ」
「うええ、えんがちょ……」
 ぴくりともしない蛙をさも汚いという風に魔理沙くんが身を引かせた。
「まさか、それで恨んで?」
 話の腰が折れそうだったのでわたしが代わりに霊夢くんに訊いた。頭からおしっこをかけられて、まあ普通なら怒るよね。でも食い殺したくなるほどなのかな。
「そういうわけじゃないみたい。こいつの記憶はそれを境に濃くなってる。多分、おしっこから霊力を得たのよ。それで他の蛙を出し抜いてここの主にまでのし上がったみたいね」
 霊夢くんが立ち上がり、集中を解いた。蛙を蹴飛ばすわけでもなく再び見下ろしている。
「ふーん。そいで、霊夢の力が元だから霊夢の術もさして効かなかったと」
 魔理沙くんの推理に霊夢くんはゆったり頷く。
「わたしが狙われたのは……」
「あたしの……博麗の巫女の体液を得ていたから。あなたはもう、あなたが考えている以上に霊力をその身に宿してる。でもその使い方がわからない。……だから狙われたの」
 こちらを見る霊夢くんの目は優しいものでも温かいものでもなく、ただただ申し訳なさに染まる薄灰色のそれ。
「魔理沙、神社まで連れてってあげて。あたしはご両親に一言入れてくるわ」
「待って。わたしんちに行くならわたしも……!」
「結界を張っている神社が一番安全なの。こいつはもう大丈夫だろうけど、そそのかされたのがまだ出てくるかもしれない」
 そう言われて言葉を飲み込んだ。また霊夢くんの助言を退けて窮地に陥ったら目も当てられない。
「わかった……。はやく、帰って来てね」
 わたしの言葉を聞き、霊夢くんが夜空へと遠ざかり、その姿を小さくしていく。
「なんか大変なことになっちゃったな」
 それをふたりで見送って、魔理沙くんとともに神社へ戻り始めた。
「魔理沙くん、どうして助けに来られたの? 妖怪の山に行ってたんじゃ」
 魔理沙くんの背中に揺られながら、わたしは訊ねていた。神社のすぐそばだから霊夢くんはまだわかるけど、魔理沙くんが駆けつけられたのは奇妙だった。
「ん? ああ、用事が終わってまっすぐ帰ろうかなって思ったんだけど……神社に寄ったらもしかしたらふたりがえっちしてるかもなーって」
 絶体絶命の窮地を救ったのは、魔理沙くんの煩悩によるものだったみたい。
「それでなんだ、途中でふたりが蛙に捕まってたからさ。泡食ったぜ」
 間一髪助けられてよかった、と魔理沙くんが呑気に言ってる。本当、あそこで来てくれなかったらどうなってたことか。
「もう、大丈夫だぜ。わたしもいるし、霊夢もいるから。ちゃんと守ってやるからさ」
 魔理沙くんにしがみついて、わたしは嗚咽を漏らし始めていた。気勢を張っていたのがなくなって、糸が切れてしまった。わたし、さっき一歩間違ったら死んじゃうところだったんだ。霊夢くんともう永遠に会うことができなくなってしまうところだったんだ。こうして生きているのは本当に偶然、幸運なんだ。
 泣き声を背中に染み込ませ続けるわたし。魔理沙くんはもう何かを話すこともなく静かに、神社へとわたしを連れて行ってくれた。



第七章 みんなで、しちゃう

 社務所に戻る頃には嗚咽も引いていたけど、鏡を見なくても酷い顔をしているとわかる。魔理沙くんはそれを見ても何も言わず、水を汲んできて摺りむいた膝やら足やらを洗い、魔法で治療してくれた。魔理沙くんの手から温かい気が注ぎ込まれ、血はすぐに止まり見る見るうちに傷が塞がった。
「泥だらけだしお風呂入ってこいよ。多分これでもう染みないと思うし」
 髪の毛まで泥まみれのわたしを見て魔理沙くんがお風呂を勧めた。とはいえ家主の霊夢くんもまだ戻ってきてない。先に一人だけというのも気が引けた。
「あいつはそんな小さいこと気にするような奴じゃないぜ。いいから入った入った」
 わたしが遠慮した顔をしていると、魔理沙くんは砕けた笑みを見せる。魔理沙くんだって泥だらけのわたしをおぶって服が汚れてるのに、それを気にする様子すら見せない。自分のことばかりの自分がちょっと嫌になる。
 結局、魔理沙くんに従いきょう二度目のお風呂をいただくことにした。湯船にはお湯が張ってあったけど、泥を落とすだけにしてしっかり温まる前に出た。まだ外にいる霊夢くんを思うとそんな呑気にしてられなかった。
 脱衣所には泥だらけになったわたしの服の代わりに、白い寝間着が置かれていた。いつも霊夢くんが来ているものと同じものだ。箪笥の木のにおいがするから霊夢くんのものというわけではないみたい。
 寝間着を着て戻ってみると、霊夢くんが既に戻っていた。その姿を見て、駆け出していた。霊夢くんが倒れそうになるのも気にせず飛び込んで、わあわあと喚いた。
「れいむ、くっ……、れいむくん、れいむくんっ……! 死んじゃうかと思った……、もうだめかもって……! よかった、ほんとによかったよぉ……!」
「そんな簡単に死なないわよ。博麗の巫女をなんだと思ってるの」
 わたしの体当たりめいた抱き着きにも霊夢くんは倒れず受け止めてくれた。田んぼの泥のにおいだけど、気にせず泣きついた。
「あなたが助かって本当によかった」
 霊夢くんが泣きじゃくるわたしの頭を撫でてくれる。
「魔理沙も。ありがとね」
「腹の中から助けるとなると泥だらけじゃすまないもんな」
 窮地を救ってくれた魔理沙くんにも、霊夢くんがお礼を言う。魔理沙くんはやはり何でもない、といった感じで冗談を言っている。
「わたしからも……ありがとう、魔理沙くん」
 頭を撫でられて人心地ついて、魔理沙くんにここまで一言もお礼を言ってなかったことに気付いた。命の恩人で、神社までおんぶしてもらって、けがを治してもらって、着替えまで用意してくれたのに。
「ほんとうにありがとう……わたし、なんてお礼を言ったら」
「いいっていいって。照れるだろ」
 魔理沙くんは手を突き出したり頬をかいたりと忙しい。その様子を見ていると自然に笑顔になってくる。霊夢くんのほかもうひとり、わたしの好きな男の子の姿。冗談が好きで不真面目そうでいて、その実謙虚で気配りができるしっかりした子。
「それにしてもどうして通りかかったのかしら。にとりとの実験が終わったら真っ直ぐ家に帰るものとばかり」
「やー、……ふたりとエッチしたいなあと思って」
 ここで嘘でも「嫌な予感がした」とでも言えば格好良くおさまるのに、正直に申告しちゃうのが魔理沙くんらしい。さっき聞かされたことなのにおかしくてわたしは堪えきれなくて笑い出した。
「ま、それでこうして助かったんだから魔理沙のすけべ様様ね」
 霊夢くんも呆れつつ表情を崩してる。魔理沙くんも照れたように笑ってる。
「さてと」
 ひとしきり笑って、霊夢くんが座布団に腰を下ろした。ぴっちりした正座。わたしと魔理沙くんも顔を見合わせそれにならう。
「ちいのご両親にはしばらく帰れないことを告げたわ」
 ふたり足をそろえたところで霊夢くんが切り出した。わたしのお父さんとお母さんと話したことについて。
「お父さんお母さんは、なんて……?」
「お願いします、と言われたわ」
 胸をなでおろした。ここですぐ帰せだとか食って掛かってくれなくてよかった。二度と神社には近付くな、なんて言われることになるかもしれないと思わなかったわけじゃない。
「あなたが危険な目に遭ったこと、包み隠さず話したわ。……親元を離れている間、わたしがどんなことがあっても必ず守り抜くことも」
 霊夢くんがまっすぐわたしの目を見てそんなことを言う。畏れずにはいられない神秘をまとう巫女さまの目じゃなくて、わたしの心の奥を跳ねさせる男の子の目をして。
「ほかには……何か言ったの?」
「特には。詳しく訊いたりも。……っ、だけど丸っきり無関心そうってわけじゃなかった。これは本当よ」
 霊夢くんが急に慌てて付け足した。ともかく、あのお喋りなお母さんが黙ってるなんて。……もしかしたら、霊夢くんは今の目をしていたんじゃないのかな。家に帰れるようになったら霊夢くんとのこと、全部話してあげよう。たぶんお母さんなら認めてくれるはず。
「……今回は全部あたしの落ち度。危険な目に遭わせて本当にごめんなさい。魔理沙が来なかったら助かってなかった。あなたを守り切ることもできなかった……」
「やめて! やめてよっ……。日が暮れかけてるのわかってて送ってもらうの断った、わたしの自業自得だよ……! それに霊夢くんだって危ない目に遭ったんだから! それだって元を正せば……」
 俯いた霊夢くんがまた自分を責め始めてしまう。わたしが何を言っても取り合ってくれない。わたしだって譲れない。非を感じてるのに霊夢くんに全部背負いこませるなんて。
「ううん、あたしと関わったばかりに。自分の立場も忘れて浮かれた結果がこれなのよ」
 自嘲するように霊夢くんが笑った。霊夢くんが遠くに行ってしまうようでわたしは闇の中に放り出されたよう。まるで、まるで一緒にいるのがだめなことみたいに言わないで。わたしが好きになったから、わたしは霊夢くんとこうしてる。これまで感じた嬉しい気持ちだとかそれが全部うそだって言われているみたい。
「うがあああ! もうっ!」
 わたしが次の言葉を叫ぶ直前、魔理沙くんが大きな声を出してわたしたちの間に割り込んだ。
「なんなんだっ! お前ら好きどうしなんだろ!? なんでそんな風に遠慮すんだぜ。ちょっと迷惑かけてもいいじゃんか! 好きならそれぐらい受け入れられるし、信頼して受け入れてもらうぐらい、いいだろ!?」
 わたしたちを交互に見て、硬く閉ざした心の蓋を叩く。押し隠した本音を掴み出して代弁しようとしている。
「わたしは霊夢もちーも、どっちも好きなんだ。仲良くしてくれないと辛いぜ……」
 わたしと霊夢くんを抱き寄せ、涙目になってふくれてる。
 ちょっとやそっとじゃ魔理沙くんの腕は引きはがせそうにない。しゃにむに魔理沙くんはわたしたちを引き留め、繋ごうとしている。
「本当はあなたにお守りを渡して金輪際会わないって手もあった」
 霊夢くんがひとつ息をついて口を開く。遠くのほうを見て、ぎょっとすることを言う。けれど続きがあった。
「でも、わたしにはできないみたい。だから、これから先ずっと……あなたを守るわ」
 目をこちらに、照れくさそうに。魔理沙くんを受け止めながら、息を呑む。その言葉の解釈をめくるめく勢いで始め、だけど言葉通り受け取る以外けっきょく出てこない。何か。何か言わなくちゃ。
「わたしも……! 霊夢くんと一緒にいられるんなら、……例え何度この先死にかけたって、会えなくなるよりずっといいよ! それに信じてるもん。霊夢くん、絶対わたしを守ってくれるって。迷惑……、ううん。例え霊夢くんが嫌って言っても絶対わたしは霊夢くんのそばにいるからっ!」
 わたしがそうであるように、もう霊夢くんはわたしを遠ざけることができなくなってしまっていたみたい。そうだよね。もう、ひとつになってしまったあとだもの。
 霊夢くんが微笑んでいる。くちびるの端をほんの少し持ち上げている。わたしが一緒にいたいって願いを聞いた、これが答え。
「お、プロポーズか? もしかしてプロポーズかっ」
 仲直りの雰囲気を察した魔理沙くんが顔を上げた。鼻が赤いけど、笑顔が戻ってる。やっぱり魔理沙くんはこうしてたほうがいい。もうこの子を泣かせちゃだめだ。
「ぷろぽーず?」
「結婚してくださいって言うことだぜ」
 魔理沙くんが気持ちよく言い放つ。はっとして霊夢くんを見る。もういつもの霊夢くんに戻っていて、頷くわけでも魔理沙くんを叩くわけでもなかった。
「そうなの?」
「……、えと、う……ああっと」
 言葉を濁しつくす霊夢くんを見つめていると、みるみる額に珠の汗。もう、その様子で色々と答えになっているんだけど、霊夢くんの声と言葉で聞いてみたいじゃない。
「うー、う」
 左胸、いのちのありかに手を置いた。やはりそこははち切れそう。
「……、うん……」
 どうにかこうにか首を縦に振れた霊夢くん。途端に、わたしのなかいっぱいに花咲く。黄色白色、せきちく色。舞い散る花びら、幸せのかけらたち。
「はい……!」
 結婚、この人と。おままごとじゃない。おままごとの中めいたふわつきはあるかもしれないけど。
「なー、盛り上がってるところ悪いんだけど、なーあ」
 間にいる魔理沙くんを尻目に見つめ合っていた。魔理沙くんが何かを訴えてくる。
「わたし、がんばったぜ。ふたりを助けた」
 霊夢くんとふたりして頷く。
「だからさあ? ご褒美に……三人で、な? な?」
 魔理沙くんはやっぱり快楽一直線。でも、そういう常にぶれないところがほっとするというか。だからこそ求め方に怖気だつものを感じないというか。
 それは霊夢くんも同じ。顔を見合わせお互いに苦笑い。
「わかったから、離れなさい。わたしは体洗ってくるわ。待ってて」
 すんなり霊夢くんが了承したので魔理沙くんが「やったー!」と喜んでる。おやつでももらうみたい。
「ふふふふ……」
 霊夢くんが部屋を後にして、ふたりになった途端魔理沙くんが不穏な空気を醸し出す。その様はまるで飢えた狼、もといオスわんこ。
「きゃあ」
 押し倒されそうになって、わざとらしく悲鳴を上げてる。
「待てえ!」
 身を翻したわたしは逃げ込むふりして寝室に駆け込んだ。つまずいたふりして布団の上に。「助けてー」なんて言って、鬼ごっこはこれでおしまい。哀れわたしは捕まって、魔理沙くんに食べられてしまう!
「さあ、観念しろぅ」
「おーたーすーけー……っ」
 こちょこちょと魔理沙くんからのくすぐり攻撃。負けじとわたしも。魔理沙くん、めっぽう弱いみたいであっさり布団に突っ伏してしまう。
「よくもやったな!」
 魔理沙くんの反撃、必殺の口わざ。予期せぬ照れくさい頬への口撃に表情を緩まされる。
「隙ありっ」
 そして寝間着をひん剥かれ、あっという間にはだかにさせられちゃった。魔理沙くんも自ら服を脱ぎ捨て、同じくはだかに。下着をおろして現れた強張りが目を引く。
「さてと」
 けど、本当に襲ったりはされない。正面に脚を折って座り、魔理沙くんがわたしの肩に手を置く。
「んっ……んー」
 キスされちゃった。斜めにくちびるを割る深めの。口を離した後、魔理沙くんが舌なめずりして見せる。
「やっぱ女の子って違うな。……霊夢には悪いけど、先に始めちゃうか」
 魔理沙くんは同意を求めたわけではなかったようで、さっそく首筋にくちびるを当ててきた。皮膚の薄いところを舐められる感触や、頬に当たるやわらかな髪の毛やその香りにわたしはすっかり大人しくなる。
「あの蛙の言ってたこと……。もしやきょう霊夢とえっちしたな~?」
 脇に手を入れてさすりながら魔理沙くんがこっちを見上げた。這い上る性感に鳥肌を立たせながら、わたしは図星に目を泳がせるしかない。
「わたしが一番じゃなくてもいいぜ。でも……仲間外れにはしないで」
 茶化すような雰囲気から一転、魔理沙くんの声音がとても真剣で弱々しくなった。
「だいじょうぶ……安心して。魔理沙くんのこと、好きだよ」
 もしかして魔理沙くんの普段の態度は半分虚勢なんじゃないだろうか。そうだとしたら、こうして真面目な顔を見せてくれるのは喜ぶことなのかもしれない。
「嘘だったら傷つくぜ」
「嘘じゃないよ。ほんとうだから……ね?」
 小さな子に言い聞かせるみたいに。頭に手を置いて。
「んー」
 ひっつく様子にいやらしさは感じなかった。わたしにきょうだいはいないけど、もし弟がいたらこんな感じなのかな。でもこうやってはだかで抱き合う姉弟なんていないか。
「さわっていい?」
 ささやかな膨らみしかないけれど、魔理沙くんにも興味を持ってもらえてるみたい。いいよって言うと嬉しそうに魔理沙くんは頬擦りして、ぽっちを口に。
「いっ……」
 この濡れてしまう感触にはまだ慣れない。くすぐるような舌使いにこそばゆい気持ちよさが這い上る。指先で触れるか触れないかの触り方に変な声が漏れてしまう。
「くすぐった……!」
 四本の指が膨らみをなぞった途端、耐え切れず身をよじっちゃった。魔理沙くんはなぜか得意げ。でももうその触り方はやめて、手のひらいっぱいでさするように揉み始める。
「まりさくん……」
 その手もすぐ止まった。舌を使うのもやめて、魔理沙くんが静かにおっぱいを吸っている。ちゅくちゅくと。味もしないし、何も出ないのに。霊夢くんのときと同じ奇妙な夢中さで。
「……あ、……あー! うわあ、ごめっ……いまのなし! なしだから!」
 ふと目が合った途端、魔理沙くんが猛烈に恥ずかしがり始めた!
「えと……? いいんだよ、もうちょっとぐらいおっぱいしてても」
 もしかしてわたしの前で赤んぼみたいになったのが恥ずかしかった? そう訊いてみたら「見なかったことにして」の一点張り。わたしは意地悪にほくそ笑む。思わずして魔理沙くんの弱点を知ることができたかも。
「恥ずかしがらなくてもいいのに。ほら、おっぱい吸うの好きなんでしょ。いいんだよ……?」
 うろたえる魔理沙くんを引き寄せる。熱いほっぺが胸の間に当たる。
「うぅ……ちー、前から思ってたけどけっこう肝が太いぜ……」
 魔理沙くんが口惜しそうにしてる。……魔理沙くんの指摘について薄々感じていたので「そうかなあ」と自分ごとごまかした。
「きもちいいよ、まりさくん」
 今度は吸うんじゃなくて舐めたり転がしたり。よしよしと頭に手をのせると「むう」っと不満げな声を出す。
「次わたしの!」
 ついに身体を離して、今度はわたしが魔理沙くんにしてあげる番。
「こんな感じ?」
 そういえば男の子のぽっちって触ったことはあるけど口にするのは初めてだ。魔理沙くんのは親指の爪ぐらいの大きさしかなくて、色も健康な爪の色。舐めている内に硬くなるのは同じだけど、それも控えめ。
「ん?」
 見上げてみると、魔理沙くんが口元を抑えてる。この前いじめたときもそうだったけど、魔理沙くんはここが弱いのかも。
 まっ平だから揉むというよりこねるように魔理沙くんのお胸をまさぐる。男の子のおっぱいを吸ってるというのも変な感じ。それは魔理沙くんにとっても同じなんだろう。きっと、霊夢くんにも。今度してみようか。
「きゃうっ」
 ふーっと息を吹きかけてみると魔理沙くんが変な声を上げる。上手だけど敏感なものだから魔理沙くんはされる側になると弱いみたい。
「ぜーったいわたしより助平だ……」
「そんなことないよ。魔理沙くんには負けます」
 どうだか、と魔理沙くんは投げやり気味。
「口でしたい。……寝て?」
 けれどやらしいことをしたくなくなった、というわけじゃないようだ。
「魔理沙くん、口でするの好きだよね」
「女の子の、けっこう舐めがいあるんだもん」
 これまで通り口付けから始める魔理沙くん。まあ確かに霊夢くんのと較べたらというところはあるけど、わたしにするのも好きみたい。
 表に既ににじんでいたものを魔理沙くんが丁寧に舐め取っていく。入口を舌でぐりぐりされると、身体がそわそわと騒ぎ出す。霊夢くんのわんこが好きな人の顔を舐めるようなそれとは違う。魔理沙くんは気持ちいい場所とそうでもない場所をちゃんと知ってる。そうでもない場所を舐め続けて切なくさせられていって、気持ちいい場所を触られたとき、どうにもならなくしてしまう。
「あう、う……吸っちゃだ、め……」
 快感の芯を魔理沙くんは口に含んで、中で激しく舌を動かし続けている。魔理沙くんに魂まで引き出されそう。自分の手でもこんなに気持ちよくできない。手を握ってるのか開いてるのかもわからなくなる。
「う、うう……あ、う」
 身体に火をつけられた。魔理沙くんの口が離れてもまだ燃えてる。
「やっぱ霊夢としたんだ……中に霊夢の残ってる」
 魔理沙くんの指摘がさらに燃え上がらせる。霊夢くんとしたっていう動かぬ証拠。でも、どれだけ洗っても落としきれないほど奥に霊夢くんが痕を付けたってことでもあるんだね。
「ん……、やらしいけど……やさしい味。れいむ、ほんとにちーのこと好きなんだな」
 すする魔理沙くんの声は嬉しげ。そこには一筋のねたみもない。奥からこぼれるものを次々吸出し、舐め取っていく。さっきのおっぱいじゃないけど、赤ちゃんみたいにお乳代わりの霊夢くんの精を飲んでいる。わたしは大事な場所をぐいっと開かれて気が気じゃない。
「美味しかったあ……。まだ奥にあるみたいだけど、届かないや」
 それをうんと味わった後、口の周りをべたべたにした魔理沙くんが顔を上げる。わたしはずっと大事なところを吸われたり開かれたりされ続けてへろへろだった。
「いま入れたら、霊夢とも……」
 見上げる魔理沙くんの目が妖しい炎に揺れている。わたしの体と、そこに残された霊夢くんの痕跡。そのどちらにも魔理沙くんは反応している。おちんちんはすっかり立ち上がり、一点わたしの濡れた場所を狙ってる。
「入れたくなっちゃった?」
 それに息を呑まなくなる程度にわたしも経験を積んでる。魔理沙くんに覆いかぶさられつつも、こうして訊ねてみる。
「そっとね……」
 霊夢くんに悪いことしちゃってるなと思いつつ、当てられた魔理沙くんのかたちを感じる。そっと、入りやすいようお尻を持ち上げると魔理沙くんがぬぷぬぷと潜り込んできた。何度しても肌が泡立つ、体の一部が境を失い溶け合うこの一瞬。体がぶつかるまで分け入って、魔理沙くんが顔をゆがませている。わたしも似たようなもの。魔理沙くんに満たされた中の感触を味わう。
「この前は嫌って言ってたのにして……ごめんなさい」
 顔を近付けて、この前のことについて魔理沙くんが謝ってきた。
「気にしてた?」
「うん……ちゃんと謝らなくちゃって」
 もうわたしはそのことを気にしてないし、この前のお仕置きでぜんぶ水に流したのにね。胸の奥がくすぐったい感じ。
「大丈夫だよ」
 そう言って、魔理沙くんとくちびるを重ねる。まずはしっとり、穏やか。しだいに舌が出始めて、魔理沙くんも体を動かし始める。浅いところの弱い部分をくいくいと押して、行き来してこすって、止まったわたしの舌を吸いだしてそっちも舌でくるくるこすっていく。
 霊夢くんとのえっちがふたりで溶け合いひとつになろうとするえっちだとしたら、魔理沙くんのえっちは気持ちよさと楽しさに溢れるえっち。弾ける笑顔と人懐こい頬擦りと、声を漏らさずにいられない上手さ。
「ちー、わたし、ちーのこと好き……きもちいいしあったかいし、優しいし、かわいいし……」
 気後れなくこうして褒められるのも。
「あう、うう……まりさく……ん、どうしてっ……そんなにっじょうず、なの……? そこ、ダメだって……ばっ」
 魔理沙くんが親指で芽を触り始めるからもう何がどうなっているのか。
「なか、きゅううってしてきてる……。ちー、もういきそう?」
「たぶ……ん、……あ、あ」
「そっか。霊夢にちゃんと見てもらおうな!」
 その一言で、喘ぎ声が止まる。目を開ける。にっこりしてる魔理沙くん。横を見ると、正座する人の姿。上へ視線をずらしていくと、その正体は霊夢くん。
「ま、待って待って待って待って! 止めてとめてぇっ!」
「知らないっ……! いっちゃえ!」
 霊夢くんの顔が怒った風じゃなくて観察を決め込んでいる様子なのがなお恥ずかしい。興味深げに眺めないで。
「ふう、うう、見ない、でっ……ぃん、ひい、んぁあっ……」
 抑えても、むだだったみたい。余計にわななきを増やすだけ。霊夢くんの前でそれはそれは派手に絶頂してしまう。たぶん、わたしが入れられてる霊夢くんをこっそり見たバチがあたったのかも……。
「やりすぎよ」
「止めなかったのが悪い」
 嵐は去って、ふたりがわたしを囲んでやり取りしている。お風呂から戻った霊夢くん。わたしたちと同じではだか。きょう二回も出したのにわたしたちの交わりを見て大きくしてしまってる。
「変わって。あたしもしたい」
「ええーっ。もう出したいのに」
 魔理沙くんはわたしが苦しくない程度のはやさでまた腰を使い始めている。奥のほうを使い、霊夢くんの残りと混ざりながら少しずつ高まっていっている。
「あんたはあたしの中で出すの。それでいいでしょ?」
「ぐぬぬ……それも捨てがたいかも」
 動きを止め、魔理沙くんが腕組み考え出す。そして目を開くとずるりとわたしの中から出て行った。
「……いいわよね?」
 一応、わたしに尋ねてくれる霊夢くん。もしかしたら、霊夢くんはわたしを守ってくれたんじゃないだろうか。それはわたしのためなのか、霊夢くん自身のためなのか。それはわからないけど。わたしがうなずくとまだ魔理沙くんに広げられたままの場所に霊夢くんが戻ってきた。
「れいむ、くぅん……」
 較べるのってすごい失礼かもしれないけど……、霊夢くんとこうするとやっぱり安心してしまう。媚びた声がにじむように出てきた。
「ちいの中……ねっ、きょう出した感覚が忘れられなくて……。また……だめ?」
「いいよぉ! 何度でも、霊夢くんがしたいなら、わたしっ」
 すぐさま馴染んだ中が強烈に霊夢くんをひきとめている。体はもう知ってるんだ。わたしにはこのひとだよって。霊夢くんにはここだよって、伝えてる。
「絡みついて、きてる……ちいのなか、するたびにすごくなってる気がする……」
 中の様子を褒められてもなかなか素直に喜べない。霊夢くんが気持ちよくなってくれるのは嬉しいけど、ここで喜ぶと自分の体がいやらしいって言われて喜んでるみたいになってしまうから。
「あったかくて、きゅうきゅう……って」
「そのへんでもう、やめてようっ」
 なかをうねらせて喜んでるのがばればれ。
「んーっ、んー……」
 ごめんごめんと謝って、霊夢くんのしかた、やりかたを始める。深くわたしのなかに挿しこむ。抱き寄せ、目を閉じ、そうして完成する。わたしはもう霊夢くんの一部となってる。
「ぽけーっとしてる。れいむくん」
 覆いかぶさる霊夢くんの反応が鈍い。でも体だけはくにくにと奥の方を味わってるのがちょっと面白かったり。きょう二回目なのに、霊夢くんは本当に幸せそうにえっちしてる。その気持ちが肌を通してわたしにも伝わってきている。
「ううっ」
 霊夢くんが小刻みな動きをやめてぶるるっと震えた。
「いきそうになっちゃった……」
 照れくさそうに。まだ溶け始め。もったいない。焦っちゃだめだよ、霊夢くん。
「座りながら……?」
 こういうときは姿勢を変える。抱きかかえられ、わたしは霊夢くんの脚の上に。向かい合って座る。しっかり繋がりながら。
「あー、あうぅ」
 当たるところが変わってまた違った感じ。自分の重みでより深く。それにわたしが下にいるときよりずっと強く抱きしめることができる。
「これ、好きかも……」
 わたしに起こってることは霊夢くんにも同様に起こってる。あるいはひとつになっているからかもしれない。
「わたしも……えへへ」
 口付けと、抱擁と。行っては戻して。霊夢くんは熱さを、わたしはにじむぬかるみを。お互いに塗り付けあって、高めいく。
「霊夢くん、もう……出ちゃいそう?」
 さっき既にそうなってる。なかをえぐってしまいそうなほど霊夢くんが張りつめている。霊夢くん自身の動きも必死。
「気持ちよくしてあげるね」
 ほんとうはきょう、あのまま上にいつづけて霊夢くんに出してもらってもよかった。だから今度はそうする。わたしが霊夢くんを気持ちよくしてあげるんだ。手じゃなくて、つながったまま、つながった場所を使って。
「寝て、楽にして……?」
 より動きやすいよう、霊夢くんに後ろに倒れてもらう。わたしが完全にえっちの手綱を取り、仲を深めてく。
 手を繋ぐ。キスができないし、からだ同士がくっつくわけでもないのに、すごい特別な感じ。一緒って感じ。
 気持ちいい所に当てると中がきゅうきゅうってして、霊夢くんも多分……いっぱい気持ちよくなれてる。
「ちい……ちー、もう……う」
 夢中の度合いが過ぎて、霊夢くんの様子に気付けなかった。
「れいむ、くん……?」
 動きを止めると、中の霊夢くんがびくっびくっと膨らんでは萎んでる。下くちびるを噛んで、わたしの手を強く握りこむ。
「あ……」
 それは辛いからってわけじゃないのはわかってるけど、安心させてあげたくなる。下ろした腰をぐりぐりと揺すってわたしのほうからすりつける。霊夢くんが塗り付ける動きをするかわり。お尻にくっと力を入れると、中も一緒にしまって霊夢くんの射精を手助けできる。
「はー……きもちよかったね、れいむくん……」
 ぺったりと倒れこんで、頬を寄せる。わたし自身もいっぱい動いたからけっこう疲れたというのもある。霊夢くんなんてきょう三度目。……でも、横でお預けになってる人はそんなの関係なくまだ元気。
「わたし、寂しかったんだぞ!」
 耐えかねた魔理沙くんに霊夢くんの上からどかされ、霊夢くんを取られちゃった。……あれ、魔理沙くん出したいんじゃなかったのかな。そっちはおちんちん。
「んく、ちーと霊夢のが混じってて……えへへ~」
 霊夢くんの残りだけじゃなくて、まとわりつくわたしのも味わっていた!
「ちーの奥の方ってこんな味なんだ……」
 てらてら光る霊夢くんのかたちをくちびるで拭い、舌を這わせて頬張って。魔理沙くんはふたり分を一緒に知っていく。
「入れるんじゃなかったの」
「見てたら、してもらいたくなっちゃった。れいむ、はやく立たせて立たせて」
 ちょっとお気の毒。霊夢くんは出して間もないのにまた次をねだられている。魔理沙くんが普段の大きさに戻っちゃったおちんちんをちゅうちゅう吸ってるんだけど、なかなか思い通りにいってない。
「むー……、お尻向けとくから、復活したら入れるんだぜ?」
 魔理沙くんは口で大きくするのは諦めてしまったみたい。顔を離し、こっちを見た。
「えと、わたし?」
「こっちもお掃除したげるぜ」
 もう外野かと思ってたんだけど、魔理沙くんはそれを許さない。三人揃わないとだめみたい。
「恥ずかしいよー……」
 座って脚を開いて、白く溢れる場所を魔理沙くんに見せてあげなくちゃいけない。
「わぁ、出したてっ」
 おやつ感覚で大切な場所から生々しい行為の痕をすする魔理沙くん。押し込んだ舌ですくいとって、んくんくと飲み込んでいる。
「……どんな味がするの?」
「れいむがちーのこと好きっていうしょっぱい味と、ちーが霊夢のこと好きっていうすっぱい味がする」
 興味本位で訊いてみると、魔理沙くんがお尻を振りながら教えてくれた。魔理沙くんのえっちなことに対する感性は微笑ましくて好き。
「舐めてたらまたちーに入れたくなってきたかも……」
 お腹に顔をうずめて求める仕草は霊夢くんにも似ていてほっとする。奇抜なところに隠れる素朴なところとか、これからもっともっと探していきたい。
「あ……」
 目を細めて魔理沙くんの髪を手ですいていると、復活を遂げた霊夢くんが膝立ちでやってきた。すぼまりもあらわにお尻を振る姿に興奮しちゃったのかもしれない。
「準備できてるから……いいぜ、そのまま――っ!」
 当ててから、霊夢くんが入れきるまではほとんど時間がかからなかった。魔理沙くんが言い終わる前には霊夢くんは魔理沙くんにうずもれて、その背中に覆いかぶさっていた。
「ううっ……」
 乾いていた魔理沙くんの目が一気に濡れる。女の子の気分に一挙引いて行ってしまったのだろう。うねうねと腰を波打たせ、霊夢くんに媚びているよう。お尻を振って霊夢くんをなお誘ってる。
「魔理沙のなか、熱くて……焼けちゃいそ、う……っ」
 抱きしめるとわかる、魔理沙くんの体温の高さ。なかは当然熱の極致。おちんちんをすっぽりくるまれて、霊夢くんがその熱に感じ入らないわけないのだ。
「まーりさくんっ」
 脇で見てようとしてたのを引きずり込んだのは魔理沙くんだ。だからわたしがおっぱいいじっても構わないよね?
「っ……締まった。きもちいいのね、まりさ?」
 ぽっちの周りをくるくると渦を描くように。渦は次第に核心へと近づき、遂に触れてもそれはほんの指先、かするように触れるだけ。
「んあああっ!」
 なのに魔理沙くんは面白いぐらい跳ねちらす。
 今度は腋から。ゆったり動く霊夢くんに合わせて指でたっぷりさすると、目をきつく閉じた魔理沙くんがいやいやをする。まっすぐ乳首を目指して、肌とのあわいを指で駆け抜ける。するとどうだろう。女の子になってるはずの魔理沙くんのおちんちんが大きくなっていってしまう。
「ちょっとぐらい歯立てても平気じゃない?」
 顔を寄せてぽっちの先を舌でさすっていると霊夢くんが恐ろしい提案をさらりと述べる。けどちょっと面白そうだなって思ってしまう。……やっぱり魔理沙くんの言う通りわたし肝が太い? かりっと、軽くはさんでみる。
「くふ……」
 痛いのか気持ちいいのか魔理沙くんが眉をゆがめて戸惑ってる風にも見えた。やっぱり刺激が強い。上の歯と舌ではさむのがちょうどいいみたい。ツンと尖ったぽっちをわたしは舐めたり吸ったり、反対側は指先ではじいたり。お尻でしている霊夢くんと一緒に魔理沙くんを快感へいざなっていく。
「ちーのなか、入れてみたい……! れーむとちーのあいだ……えっちしたいっ」
 こりこりとくにゅくにゅの間ぐらいのおちんちんも可愛がっていると、魔理沙くんが切羽詰まったように叫んだ。入れられてる魔理沙くんがわたしに? 霊夢くんと顔を見合わせる。お互いきょとん顔をして。でもそれも束の間。すぐしょうがない子だねって笑いあう。
「だいじょうぶ? 入れられそう?」
 ちゃんと入るか怪しい硬さではあるし、霊夢くんとも繋がってるからやりづらい。
 どうにか腰を落とした魔理沙くんのものをつまんで、わたしの場所にあててみる。表面どうしをなぞり、淡い快感で挿入の期待を高めてく。
「立ってきたあ……」
 すすりきれなかった霊夢くんのものが絡んだせいか魔理沙くんの硬さが戻ってくる。
「まりさくん……どう?」
 霊夢くんの精にも助けられ、魔理沙くんがにゅるんとわたしのなかにおさまる。硬さで食い込まれるのとは違う、柔軟な中がやさしくくるんであげるような、そんな繋がり方。
「れーむのと、ちーのが……あっあ、からんでる……」
 魔理沙くんの表情が目に見えてゆがむ。
「あーっ、あーっ……れいむだめぇ!」
 待たされていた霊夢くんが繋がるのを見届けるや腰をうねらせ始めた。先っぽを魔理沙くんの奥にこすりつけ、心地よさそうに目を閉じている。
「奥まで締まってきたぁ……まりさのえっち」
「だってだって……わたし、う、ちーもれいむも……好きなんだもん……うああ、大好きぃ……!」
 そんなに好きなわたしと霊夢くんと同時に繋がっている。それが魔理沙くんをおかしくしているみたい。
 霊夢くんが動くと魔理沙くんも一緒に動いてしまう。魔理沙くんは強制的におちんちんも気持ちよくさせられちゃう。わたし自身も、なかをさすられるうっすらした気持ちよさに目を細める。
「まりさくん……、ちゅーしよ」
 キス。日向ぼっこみたい。このじんわりとした心地よさが好き。激しいとキスどころじゃないもの。
 魔理沙くんのお口をちゅくちゅくと吸っていると、魚のようにびくびく震え、のけぞった。
「あ……まりさ、イったの?」
 入れている霊夢くんの方がよくわかるみたいで、あうあうとうめく魔理沙くんの顔を覗き込んでいる。
 硬さを失った魔理沙くんのおちんちんが押し出されたので、あそこに手を当ててみる。イったみたいなのに、出てる感じがしなかったから。
「もう、イくなら言いなさいって」
 キスしてたから無理だったんじゃ、と思いつつ、中に潜らせた指先に魔理沙くんが出したものはついてなかった。
「あれ? ほんとうに魔理沙くんいっちゃったの?」
 魔理沙くんは霊夢くんに手で顔を振り向かされ、キスをされながらぱんぱん打ち付けられていた。わたしが抜けたことで霊夢くんもやりやすくなったみたい。
「れいむ、せーじょういっ……! 女の子みたいに、してっ!」
 魔理沙くんがいいようにされているのを見ていると、疑問も飛んでいく。
 霊夢くんが身体を離すと魔理沙くんはぐったりと布団に突っ伏して、のろのろと仰向けになる。脚をあられもなく開いて、霊夢くんが入れやすいよう袋やおちんちんを手で上を向かせておさえた。それが男の子が男の子にしてもらう時の作法なんだろう。
「ふうう、うううああ……」
 再び霊夢くんとつながる。霊夢くんがなかをつっつくたび、魔理沙くんの決して小さくない声で部屋がいっぱいになる。魔理沙くんは布団の端をつかんだり、いやいやしたり。こうして女の子の真似をしてることでも興奮してるのかもしれない。
「ここ……?」
「そこ、そこぉっ」
 全部は入れず、浅い所で細かく霊夢くんが行き来している。霊夢くんも魔理沙くんの気持ちいいところに気付いたみたい。自分と同じ体ということもあるのかも。わたしにしているときよりもじっくり魔理沙くんの顔を見ている。
「やだっ……こっちは」
「いいじゃない。怒らないから出しちゃいなさいよ。我慢しないで」
 またこれまでどおり霊夢くんが魔理沙くんのものを握って上下にしごいている。魔理沙くんは快感に流されそうになりながらどうにかそれを止めようとしていた。
「だって、まだ出したくないっ、霊夢に出したいからぁっ……!」
 その言葉を聞いて、霊夢くんがはっとして手を放していた。
「なによ……もうどうでもよくなったとばかり」
 ちょっと照れてる。やっぱり霊夢くんも入れてもらいたいって気持ちがあるんだ。
 そわそわとしだしちゃって、もう魔理沙くんに打ちつけられなくなっちゃったみたい。
「交代……。するんでしょ」
 魔理沙くんから引き抜くとお尻を向けて、ほんの少し持ち上げる。魔理沙くんは少し名残惜しそうだったけど、おちんちんを何度か握って大きくすると、霊夢くんに没頭し始めた。
「れいむ、そんなに自分から動くなってぇ……」
「ずっとお預けして……こっちの気持ちも考えないで」
 お尻をすりつけながら言う憎まれ口が可愛らしい。わたしもああして言われてみたい。照れてばかりの霊夢くんもいいけど、積極的な霊夢くんも見てみたいかも。
「あ……さわるの?」
「うん、一緒にいきたい」
 お尻を上げて布団に突っ伏す霊夢くん。魔理沙くんは目を閉じて集中しながら引いては入れてを繰り返す。片手は床につけて体を支え、もう片手は霊夢くんのおちんちん。わんこの交尾にも似ていて、でもそこだけ変で目が離せない、男の子どうしのえっち。細い腰、細い体、細い腕。でもしなやかで、息の熱さに甘ったるさはなくて。こんな素敵なことが目の前で行われてるなんて、信じられないぐらい。
「れいむ、待って……! わたしもいま……!」
 手綱のように霊夢くんの絶頂までを調整し、魔理沙くんが追いつこうとしている。霊夢くんはきつく目を閉じ、口も一文字に閉じ、あごをそらして魔理沙くんを待っていた。
「もうっ……だめっ、だめだめだめ……!」
「わたしも……っ、出ちゃう……。れいむ、好きっ……!」
 激しい気持ちの交換の末。絶頂のいななきがぴたりと重なり、ふたりはどうしようもできない渦に突っ込んでいく。量こそ少ないけれど、きょう四度目なのにねっとり濃い精を魔理沙くんに押し出されるように絞りだす霊夢くんと、その霊夢くんに思う存分出し狂う魔理沙くんと。男の子って、ずるい。こんなにわかりやすく絶頂のかたちが見えてしまうなんて。好きな人を自分のおつゆで染められるってどんな気持ちなんだろう。好きな人の手で出させてもらうって、どんな気持ちなんだろう。それがすっごく嬉しいはずだって思えるから、わたしはふたりに色々してあげたいって思うのかな。
「うー……ん」
 しばらく繋がったまま余韻にふけっていたけれど、霊夢くんのほうが先に崩れてようやく体が離れた。そのままぐったりとして、寝息を立て始めてしまった。
「きょうはいっぱいしたからね……」
 とりあえず出したものを拭って、お布団をかけてあげる。魔理沙くんも満足したのか、体を拭いてわたしと同じ白い寝間着に袖を通す。
「ごめんな、最後らへん蚊帳の外で」
「そんな、いいよっ。その前にいっぱいしてもらったから……」
 膝を抱えて座り、霊夢くんが起きないように小さな声で。魔理沙くんの中には順番だとか、そういうものはないみたい。わたしと霊夢くんどっちもが魔理沙くんを好きでいられて、そしてお互いにそれを許してしまうのはこういう人柄だからなんだろう。
「ちーと霊夢、ずっと一緒にいるんだろ?」
「うん……結婚しようって言われたから、きっと」
 いまも目を閉じれば克明に思い出せる、霊夢くんの言った「これから先ずっと」自分の体を抱きしめる。幸せに体が浮かんでいきそうで。
「じゃあわたしも一緒だぜ」
 魔理沙くんはわたしのお婿さん? それとも霊夢くんのお嫁さん? 多分どっちも。ときどき霊夢くんのお婿さんにもなれる。それならわたしのお嫁さんにもなれる?
「ちーのお嫁さんかあ……ちょっとなってみようかな」
「えー? どうやって?」
 くすくす笑いあう。この三人なら何にだってなれそう。でも、わたしは霊夢くんのお婿さんになる気はないよ、魔理沙くん?



第八章 ふたりと、しちゃう

――お母さん。先日顔を見に来てくれてとても嬉しかったです。
神社での生活は毎日楽しくて仕方がありません。それもこれも巫女さまやそのお友達がいるお陰です。居候のわたしにとてもよくしてくれています。
身の危険はありませんし、巫女さまのご加護がありますので心配ありません。大丈夫です。
巫女さま……いいえ、霊夢くんのこと。帰ったらお話します。とても素敵な人です。
また家に帰れる日を心待ちにしています――

 霊夢くんの墨と硯を借りて、社務所のちゃぶ台でお母さんへの手紙を書いていた。風もなく日差しも穏やかで、開け放した縁側からの眺めは平和そのもの。
「書けたの?」
 筆を置く音を聞いて、霊夢くんがこちらを振り返った。どんな角度から見ても、綺麗なお顔。
「うん。この前来てくれたときのお礼」
 あの日以来家には帰ってない。寂しいわけじゃないけど、霊夢くんと魔理沙くんがそれをすっかり埋めてくれている。
「もうぼちぼち、いいかもね」
 手紙を折って包にしまいこむわたしを見ながら霊夢くんがつぶやく。神社にいる間、霊夢くんにわたしに宿った力の使い方を教えてもらっていた。妖怪を倒すとかそういうかっこいいのではなくて、悪いものの気配を感じ取るだとか、身を守る術を中心に。
「……もうちょっと霊夢くんと一緒に暮らしたいな」
「やっぱり親元が一番よ。それにいつでも泊まりに来れるじゃない」
 目を細めて微笑まれる。
「霊夢くんはわたしと離れてもいいんだ?」
「そうじゃないわ。……たとえ百里離れても大丈夫よ」
 わたしの不満のこもった質問に霊夢くんは余裕を崩さない。
「絆がある」
 別に手を触れられたわけでもないのに、どきりと胸の奥が跳ねた。外向けの巫女さまの顔のようで、でも視線は温かい。見えない何かでわたしたちはつながってる。霊夢くんはそれを信じてるんだ。

「霊夢のお婆くさい術じゃなくて、もっと派手なの覚えようぜ?」
 魔理沙くんは夜になったら自分の家に帰ることが多いけど、でも殆ど毎日顔を出してくれる。
「こうやって、ひゅー……どーんって。火薬のない花火」
 折った人差し指にもぐりこませた親指を弾くと、まっすぐ光の球が飛び上がり、屋根の高さあたりで弾けた。光の花がどんどんと破裂するように咲いては散る。けたたましすぎて鳥たちが大騒ぎで逃げ出していく。
「こらーっ!」
 大きな音を聞きつけ霊夢くんがすぐすっ飛んでくる。
「変な術を教えるな! 危ないでしょうにっ」
「えー? だってせっかく魔法が使えるなら面白いほうがいいぜ」
 わたしのことについてケンカしてるから、やや仲裁に入りにくい。わたしは横で曖昧に笑うばかり。
「どこ行くんだ?」
「祈祷よ。頼まれたの。……いない間にまた変なこと教えたら……」
 わかってるわね、と魔理沙くんをひとにらみして霊夢くんは里の方へ飛んで行った。わたしが来てからというもの、霊夢くんは何かにつけて巫女さまのお仕事で出かけることが増えた。目にする機会が増えただけなのか、それともわたしがいるからお仕事を増やしているのか。
「また難しそうな顔してる。気にしないでいいんだって。いつもぐーたらしてるんだから、たまには働かせないと」
 魔理沙くんにはいつも励まされてる。これでわたしひとり残されていたら、きっと悪い方向にばかり考えて霊夢くんを困らせてしまっていただろう。
「それよりさ、今度はアクロバットやろう」
 また新しい遊びを提案し、歯を見せて笑う魔理沙くん。霊夢くんの忠告は聞いてないふり。
「魔力を手と足の先から出して、……こうっ!」
 掛け声元気よく魔理沙くんが後ろに飛ぶ。背をそらして足を蹴り上げ、頭を軸に一回転。手で地面を受け止め、回ってきた足で軽やかに降り立つ。これだけでも拍手したくなるけど、これはまったく小手調べ。魔理沙くんの軽業はこんなものじゃない。
 膝を曲げて勢いよく宙へ、てっぺんでくるっと一回転を忘れない。落ちながらまたゆったりと回り、呼び寄せた箒を蹴ってとんぼを切りながら離れてく。落っこちそうになる帽子を押さえつつ、スカートをたなびかせながら着地。勢いで玉砂利を撒き散らしながら横滑りして、止まったところで背伸びして万歳。
「へへへ~、いやいやいや~」
 拍手して駆け寄ると魔理沙くんは演技っぽく照れる仕草をする。魔理沙くんは言っていた。魔法は毎日を面白おかしく、楽しく暮らすためにあるんだって。魔理沙くんの言うことにはいつも感銘を受けてしまう。前向きでとにかく明るい。
「さあさ」
「いやいや、わたしにはむり! くるっと回るなんて、怖くてできないよっ」
 拍手も終わると、魔理沙くんがわたしにも飛ぶよう手で促す。けどそれは無茶。まだ補助なしで飛ぶこともおぼつかないのに。
「うーん。じゃあまっすぐ飛び上がってみるところからやろ。勢いつけてさ」
「それくらいなら……」
 これまではそういう飛び上がり方はしてこなかった。小さな力から出し始めて、徐々にそれを大きくして浮き上がる感覚を掴めるよう霊夢くんと練習していたから。
「うーしょ、……えーいっ!」
 その場でしゃがんで、身体を伸ばす勢いも使って思いっきり上を目指した。それはいつもの感覚をはるか上回る速度と、そして高度をわたしにもたらした。下を見ると、いつのまにか魔理沙くんがすごく小さい。鳥居も神社も小さい。すごく高い場所にいる。
「え、あ……どうしよっ……!」
 それに気を取られたのがまずくて、上昇をやめてそのまま浮かぶことができずわたしはそのまま地面へ落っこち始めてしまった。慌てて手を振ったりするんだけど、集中してようやく浮けるか怪しい腕前のわたしにはどうすることもできない。
「あぶなー……」
 本格的に速度がつく前に、魔理沙くんに抱きかかえられて事なきを得る。
「ごめんごめん、まさかこんな飛ぶなんてな」
 さすがに焦った様子の魔理沙くんの顔を見て、ほっと胸を撫で下ろした。
 それにしても、これはどういう状況だろう。
「あーと……」
 普段は平気なんだけど、こうしてまだ霊夢くんにもしてもらってないことをされると、嫌に意識してしまう。魔理沙くんも魔理沙くんで素に戻った顔をわたしに見られて照れくさそうにあっちを向いてしまった。
 居心地が悪いようでまんざらでもない甘酸っぱい雰囲気のまま、わたしたちは地面に降りたつ。
「でもさ、いいジャンプしてたぜ。練習すればもっと上まで……」
「もうやんないからっ!」
 せっかくの雰囲気なんだからもうちょっと大切にしてよと言っても、こうしちゃうのが魔理沙くんなんだよね。

 夜はほとんど毎日何かをしてる。それはおやすみなさいのキスで終わったり、ぎゅっとするだけだったり、ぺたぺたとさわりっこをするまでだったり。わたしか霊夢くんのどちらかが我慢できなくなったら、しちゃう。お布団の中でいちゃいちゃしながら、だんだん熱を高めていって。その流れでひとつに。まるで温めあうように。
 きょうは魔理沙くんと三人揃ってお泊り。三人でお風呂に入ってもわたしは隅で縮こまらなくなった。堂々としてるものだから霊夢くんは目のやり場に困るみたい。
 三人並んで肩まで浸かる。そのうちわたしは熱くなってきて、湯船のへりに腰掛けて一息つく。
「まりさくん、えーと……」
 魔理沙くんがすっとわたしのもとに泳いできた。そしてお湯の中から手を伸ばし、ふにふにとおっぱいを揉み始める。表情も変えず極めて自然に。まだ霊夢くんもこっちの様子に気付いてないぐらい。
「だって見せられるとどうしても、んに」
 お返しに魔理沙くんの頬をつまむ。ふたりにこねられ舐められ吸われ頬ずりされ、気のせいかもしれないけどおっぱいが大きくなった気がする。
「好きだよね、魔理沙くん」
「うん……」
 魔理沙くんとは思えないほど恥ずかしがってたのにね。いいよ、というと魔理沙くんは膝立ちになってぽっちを口に含んだ。わたしはいやらしい気分になるような、温かい気分になるような。同い年の子におっぱいをあげてる奇妙な事実と、無心に吸う魔理沙くんの表情と。
「あ、霊夢くん?」
 合間合間にれろれろと舌を使う魔理沙くんの様子を眺めていると、霊夢くんがそばにやってきた。その様子は魔理沙くんをひったたくときのそれじゃなくて、……もしかして?
「もう、ふたりして……」
 これじゃ双子のお母さん。魔理沙くんの隣に膝立ちした霊夢くんが空いてる片方に吸い付いた。最近、霊夢くんが魔理沙くん化してるような。魔理沙くんのえっちないたずらを止めるどころかそれに乗っかることが多くなってきたかも。
 でも、そうやって霊夢くんが構ってくれて嬉しい。わたしに興味があるってことだもん。ふたりの頭に手を置いた。濡れた髪は梳きづらいから、撫でてあげる。
「……霊夢って」
 隣に霊夢くんが並んだのに気付いた魔理沙くんがじっと霊夢くんの横顔を見ている。
「おっぱい吸うときこんな顔するのかあ……しあわせそー」
「うっさい。あんたも似たようなもんでしょうにっ」
 こうやってけんかしているのを見てくすくす笑うのもお母さんっぽいかも。
「わあ、霊夢が怒った! ちー助けてっ」
 抱き着いて助けを求める魔理沙くん。……本当にお母さん扱いしてる? それを霊夢くんが引き剥がそうとする。
「こら、魔理沙くん。めっ」
 ふざけ始めたのは魔理沙くん。こうして注意すると霊夢くんが「ほら見なさい」と得意げ。「へ~い……」とすごすご魔理沙くんは離れてく。
「あ、抱きつきたかったんだね……」
 その空いた場所にかわりに霊夢くんが入ってきて満足げな顔をしているのだった。今度は魔理沙くんが「ずるいぞー!」と引き剥がしに。見かねて隣に座らせて、わたしが腕を回してあげる。
 ふたりとも満たされたように目を閉じてる。寺子屋の先生っていつもこんな風なのかなあ。霊夢くんも魔理沙くんも、思ってた以上に困った子。そんなふたりがふたりとも大好きなわたしも、多分困った子に違いなかった。

 きょうは妙に人気者みたい。お風呂から出たら一息つく間もなくふたりにお布団のところまで引っ張られていってしまった。
 三つのお布団が川の字に並んでる。その真ん中にみんなで腰を下ろして、さて。
「あっ」
 ここで二の足を踏んで出遅れちゃうのが霊夢くんで、わたしはまず魔理沙くんの口付けから受けることになった。
「ん……」
 肩をしっかり掴まれ、早くも舌を挿し込まれている。上の前歯の裏に魔理沙くんの舌が当たってる。そこをくすぐられてわたしはなす術がない。すっかり魔理沙くんの調子に引き込まれてる。霊夢くんの前なのに、ちょっと困っちゃうくらい。
「五日」
「いつか?」
「五日してない」
 口を離した魔理沙くんの目。静かに燃える炎のよう。わたしが何か言葉を発するだけできっかけを与えてしまいそう。組み敷かれて、そのまま好きなようにされてしまいそうな。
「んっ!?」
 また、魔理沙くんに塞がれた。強引で乱暴なのに、わたしのからだはそれをよしとしてる。じわり、体の奥がうずいて切ない。
「ひとりじめしないでよっ」
 きょうはこのまま魔理沙くんのされるがままかな、なんてぼんやり思っていると、霊夢くんがわたしたちの間に割って入ってきた。
「ごめんごめん、ついつい……」
 不満たらたらの霊夢くんの顔を見て、魔理沙くんが普段のおどけた様子に戻っていた。……とはいっても、いまのすごいやりかたはなに? 魔理沙くんが秘める情熱の一部を見てしまった思い。
 魔理沙くんに頬を膨らませて、わたしのほうを向き直る。真面目な顔。緊張してる? 咳払いなんてしちゃったから、気持ちが改まってしまったみたい。
「す、すき」
 言うことも照れくさければ、重ね方まで。くちびるの先どうし、淡くついばみ離れてく。でも舌を挿し込まれるよりもずっと心惑わせる。
「れいむくん、か わ い い……!」
 後にたなびくこの空気に耐えられない! どきどき、止まらない。どれだけどきどきしてるか、霊夢くんに教えたい。わたしが霊夢くんのことどう思ってるか、全部教えてあげたい。好きだって、声が枯れるまで言い続けたい。霊夢くんの耳が聞こえなくなるまで言い続けたい。熱くなった頬を抑える。この気持ちのやり場をどうしよう。許されるなら、叫びたい。
「れいむ、これを天然でするんだもんな……。おおこわいこわい」
「いったいなんのことよ……」
 わたしがひとり悶絶してる脇でふたりがやり取りしてる。あきれる魔理沙くんにいまいちぴんと来てない霊夢くん。
「三人でしてみようぜ」
「やりづらいでしょそんなの」
「待たされるのやだもん。ほらこっち!」
 しげしげ眺めるわたしを見て魔理沙くんがまたまた突飛な提案をする。わたしは手招きされてふたりとの間を詰め、座りなおした。
 魔理沙くんが顔を寄せてくる。わたしのくちびるの左半分だけ。霊夢くんが入る場所を空けてくちびるを重ねる。ほっぺたどうしも当たる。
「妙なことばかり思いついて……」
 そのまま待っていると、霊夢くんが渋々といった様子で加わってくれた。
 ふたりの鼻息が別々に当たってこそばゆい。わたしと霊夢くんはどうしたものか、ひとまず魔理沙くんが動くのを待っている。それを感じ取ったのか、魔理沙くんはわたしのくちびるをついばんで、霊夢くんにも同じことを。変わりばんこにやってみせる。ほっぺたもこすれて妙な微笑ましさがあった。
 魔理沙くんのお手本を見て、わたしも変に考えたりせず好きなようにやることにした。霊夢くんのくちびるを舌でさっと舐めてみたり、魔理沙くんがたっぷり舐めてくるのを捕まえてみたり。霊夢くんもそうしてくるから対処できなくなって、ふたりの舌が一度に入ってきたり。ふたりが突き出した舌をかわりばんこに吸ってみたり。ふたりからいっぺんにキスされてるよう。でも三人でするキスだから、霊夢くんの中を魔理沙くんとふたりで荒らしまわり、魔理沙くんにも同じことをしてあげる。誰を攻めるとかもなく三人で舌を出し合い、みんなで絡ませあう。どこに行けばこんな感覚を味わうことができるんだろう。
「は、……ちゅ、んっ」
 太ももを撫でていた魔理沙くんの手がじわじわと上がってく。いきなりあそこを触るとびっくりしちゃうからだろう。くちくちともう濡れているそこに指を這わせる。表面をなぞるだけ。でも、いやらしい気分は高まる。キスしながら触られてるって事実だけで。
 わたしも負けてられない。魔理沙くんのからだに手を伸ばす。やっぱり硬くなってるから、茎を握ってやさしく。魔理沙くんがもっとえっちな気分になれるように。霊夢くんにも。膝からじわじわと這い上って、ようやくと思ったら既に魔理沙くんがいる。手が当たると場所を譲ってくれて、たまたまのほうに行っちゃった。わたしたちふたりからされて霊夢くん、動揺してる。舌が止まっちゃった。
 下で何が起こっているのか霊夢くんも察したみたい。わたしのほうに手が。ぬかるむ場所にやってくる。既に魔理沙くんがいるけど、霊夢くんが来たとわかると手を引いてくれた。
 三人で口付けしながら性を触りあう、すごく不道徳な輪っか。みんながみんなを好きだからできる、素敵な輪っか。気持ちよくて仲良し。こんなに近い、近しい。
「……ちーの舐めたくなってきちゃった」
 舌を引っ込め口の中で残り香を味わい、右手に残るわたしの雫を舐め取りながら魔理沙くんが言う。
「この格好でなんてぇ……っ」
 魔理沙くんの手で四つん這いにさせられて、大切な場所ぜんぶをふたりの前に丸出しにしてしまっている。わたしだけこんな格好。ふたりの視線にじりじりとあぶられて、したくないのにひくんとうずく。
「霊夢も一緒に舐めよ?」
 快感の芯をさすりながら霊夢くんを誘ってる。わたしが耐えられなくてお尻をゆらゆらさせているの、きっと霊夢くん見てる。
「うー、うっう……!」
 ふたつの舌がおりてくる。前のほうは、たぶん霊夢くん。軽く舐めておつゆの味をまず確かめるから。後ろは魔理沙くん。いつもここに興味津々。舌が入ってきそうなのをきゅっと締めてそうさせない。
 すごい贅沢なのに、すごい恥ずかしい。きれいな男の子ふたりにお口でしてもらって。でもお尻の穴まで丸見えなんて。そこを丁寧にぺろぺろされるなんて。
「ちょっと舐めにくい……ちー、脚上げて」
「や、やだあっ……こんな、こんなの――!」
 魔理沙くんが力でもってわたしの脚を持ち上げる。まるでこれじゃ、おしっこするわんこそのもの。女の子が絶対取っちゃいけない姿勢。男の子の前ならなおのこと取っちゃいけないそれ。
「れいむくん、吸っちゃ……だめぇっ!」
 こんなときに気持ちよくしないで。これがいいことだって頭が間違えちゃう。どきどきしちゃう、はしたないのを見られるのが好きになってしまう。魔理沙くんの舌がのっているのに、ひくひくお尻を動かしちゃった。
「だいぶほぐれてきた。指もすんなり」
 すぼまりに当てた指に力がこめられると、押し広げられてからだが入り込むのを許してしまう。根元まで呑んだ魔理沙くんの指、中を満たされる感覚は前と似てる。昂る、霊夢くんにまで指を入れられて、際限なく。
「ちーのおしり、ほんとにかわいい……!」
「ばかなこと言わないでよぉ!」
「そんなことない。……かわいい」
 霊夢くんに言われると無下に否定できないのがわたしの弱さ。霊夢くんは冗談でそんなこと言わない。でもかわいいって言われて喜べる場所とそうでない場所がある。わたしのきれいじゃない場所だもの、かたちの見目好さに自信なんて持てない。
「そんなこと……ぐす、ないってぇ……」
 脚を上げたわんこの、しかもオスのわんこの格好を好きなひとの前でして。それをかわいいなんて言われて、恥ずかしさに潰れて涙が出ていた。
「泣いてる……れいむ、泣かせるなよなー……」
「だいたいがあんたのせいでしょがっ。……ごめんなさい、調子に乗りすぎたわ」
「ごめんな、ちー」
 わたしの顔を見てふたりが口々に反省の言葉を述べている。ひとまずわたしは脚を下ろしてもらって仰向けに。心配そうに見下ろすふたりの顔を見ていると逆に気の毒になってきてしまった。
「いいの……。だいじょうぶ、かわいいって言われて嫌だったわけじゃないから……ね?」
 変な格好のときに言われて混乱してしまっただけで、嬉しくなかったわけじゃない。それに、気持ちよくなっていたのも真実で。
「ほら、続きして……?」
 恥ずかしいけど、ふたりにそうおねだりをした。顔を見合わす霊夢くんと魔理沙くん。
「ちー、大好きっ!」
「あ、あたしも……すき」
 こくりと頷くのがふたり同時のこと。そこからは我先にわたしのところへ。晒しっぱなしのあそこにまた指を潜らせて、さっきよりも数倍丁寧に、やさしくなかを調べ始める。
「ううう、きもち……いい、ぃ」
 霊夢くんはお口も使ってる。中を押すのに合わせて吸ったり舐めたり。円を描くようにこねられるとたまらなくって、魔理沙くんの指をきゅうっと締め付けてしまう。それがより強いうしろの刺激となってこっちでも気持ちよくなってしまう。
「手つなご」
 それに気付いても魔理沙くんは何かを言うわけでもなく、さまようわたしの左手を握る。こうなると空いた右手がさみしい。けどすぐ霊夢くんの手がやってきてそれを埋めてくれる。
「ふたりとも、すき……っ! れいむくんも、まりさくんもぉっ……」
 髪を振り乱して叫んでる。こんなはしたない状態だけど、ふたりとも好きって言ってくれる。ぽかぽかと温まる。どこもかしこも。頬も胸も、脚も。こころも。
「う……、う~、う、ふぅうっ、んんっ……!」
 まるで柵でも乗り越えるように易々とイってしまった。体を跳ねさせ、あとは泥のように緩まっていく。目を閉じたまま、しばらく余韻に浸る。霊夢くん、魔理沙くんが手を放してもしばらく。
「あ、ごめんね……なんだか、いつもより……」
 後を引く幸せな感じが強かった。目を開けて放り出すには惜しすぎるほど。ふたりの視線も、話していたかどうかもわからないほど感じ入っていた。
「……その、きもちよかったよ」
 開いたままだった脚を閉じ、ごまかすように笑う。霊夢くんははにかんで、魔理沙くんは目をしばたたかせてる。
「さてと」
 そんなふたりを見ていると、やられっぱなしじゃいられなくなってくる。
「ふたりとも、寝て?」
 わたしだって負けてられない。ちゃんとお返ししなくちゃ。
 ふたり肩並べて寝かせ、股にちょこんと生えてるものを一度に掴む。ひとつでも貴重なのに二本いっしょなんてとても贅沢な気分。
「まず霊夢くんから……あむ」
 キスは出遅れるけど大きくなるのは霊夢くんが先。剥いた先っぽを口の中へと迎えてあげる。さっき熱心にしてくれたお礼。舌と口の上の部分でくるむと霊夢くんがほっと息をついてる。でもまだ今はこれだけ。離した口を垂れさがる袋のほうへ。縫い目のようなところに舌を這わせて根元をこりこり甘噛みしてみると腰がそわそわと行き場を求めるようにうねった。
 顔を上げると、まるで泣いてるみたいに霊夢くんの切れ込みからひとしずく染み出ているのが見える。
 それをくちびるで拭ってあげる。そこにためらいはない。くちびるに広がったそれを舐め取り、そこにほのかにのった霊夢くんの恥ずかしい味や香りを感じる。
「おいし……」
 わたしがそうなるように、霊夢くんだって濡れる。かたちが違っても変わらないところ。親しみを感じてより愛おしくなる。
 もう一度切れ込みに口付けたら今度は魔理沙くんのところへ。
 魔理沙くんは手強い。肩を寄せるだけで元気になる霊夢くんと違って簡単には大きくならない。
「あーむっ」
 濡らしていたけど、あえてそっちじゃなくてふぐりのほうを。両方とも口に含んで温めるように包み込む。こりこりしたふたつのたま。男の子の弱い所を好きなようにしてしまう。そうしていると、当たっている鼻から魔理沙くんのものが張りつめていくのを感じることができた。
「魔理沙くん、ここ感じるの?」
 口を離して手で掴んでみる。びっとおちんちんが跳ねると、たまは中に引っ込むように動く。
「や、やさしく……」
 感じるけど、怖いみたい。指で掴むようなことはしないで、手のひらで転がしたり揉んでみたり。
「あっ……、うぅ」
 ついでに霊夢くんのも。ぷりぷりしてて可愛らしいし、感じてるのをごまかすしぐさも愛らしかった。
「そろそろ……こっち?」
 四つのたまたまをいじりながら、中指を下ろしてふたりの入り口にあてた。途端にふたりともぴたりと動かなくなってしまうものだから笑いが漏れてしまった。
「魔理沙くん、どうしてこんなすんなり入っちゃうの?」
「だって好きなんだもん、おしり、触ってもらうのっ……ぉ」
 ちょっと押すだけで魔理沙くんのお尻はにゅむにゅむとわたしの指を吸い込んでいく。こんなに嬉しげに迎えてくれるなんて。魔理沙くんの方から熱心につぼませて、早く動かしてって言われてるみたい。
「霊夢くんはどう……? おしり、きもちいい?」
 答えられずにぎゅっと目を閉じてしまう霊夢くん。わたしも霊夢くんに指でしてもらってるときと同じ気分だったんだよ。嬉しい、恥ずかしい。でも嫌じゃない。もっともっと。
「ごめんね、手がふさがっちゃってるから……おちんちん、自分で気持ちよくしてもらってもいい?」
 ふたりの微妙に違うなかを感じながら、ふたりにそう告げた。ひとりずつじっくり気持ちよくしてあげるのもいいけど、いまはふたり同時で見たい。それに、ふたりが気持ちよくなるのを手伝ってあげてみたい。
「ほら、れいむくんも……気持ちよくなりましょ?」
 魔理沙くんはすんなりと手を伸ばして刺激し始めたけど、霊夢くんは握ったままで手が止まってる。顔を寄せて、その手に口付けて、舌を出して舐めてあげる。そうやって促してようやく、ゆっくりだけど霊夢くんが自分を慰め始めてくれた。
 霊夢くんの中、つるつるしてるけどしっとりしていて温かくて、ほんとうに女の子みたい。けど、指を曲げたら当たるものは男の子しか持ってないもの。くにくにと押してあげると、霊夢くんが悩ましげに腰を浮かせる。
「だめだよ、魔理沙くん?」
「ひっ……うう、ちーにそうされるとすっごいきもちいいんだもぉん……」
 早くも魔理沙くんが出しそうになっていた。指に幾度もひくつきが伝わってきたし、力こぶみたいにこりこりが硬くなっていた。指を止めると魔理沙くんがおとがいを逸らしてなんとかこらえられたみたい。そこから魔理沙くんは何回かしごいて止め、しごいては止め、と危険な綱渡りで遊び始めた。中はそのたびうねるしすぼまる。魔理沙くんの一番いやらしい瞬間がありありとわかる。
「はぁ、は、あ……ううっ」
 すすり泣くような喘ぎ声。まるでわたしが霊夢くんにひどいことをしているみたい。女の子にお尻の穴を好きなようにされちゃってる男の子の気持ち、どんなふうなんだろう。こうしてはしたないからだの仕組みを知られちゃうことや、自分を慰める様子を見られちゃうこと。
「れいむくん、だぁいすきっ」
 軽蔑するどころかますますわたしが霊夢くんへの好意を深めていっちゃうこと。
「こんなときに、言わないでよぉっ……!」
 霊夢くんがぞくぞくぞくっ! と震えた。わあっと中が広がったと思ったら、指の先までぴっとりくるんで離さなくなっちゃった。中のこりこりも石みたい。強く押してもびくともしない。霊夢くんが出しちゃいそうになっていきんでるんだ!
「いいよっ……! すきって言いながら、出してっ。見せて、いっぱい出してきもちいいとこ、見せて……!」
「ふううう、うう……すきすき、好きっ……、う、アァ……」
 感動しちゃうくらい、すごいかも。指一本に霊夢くんが男の子の仕組み全部を教えてくれた。血が止まっちゃうくらい締め上げて、痙攣に合わせてこりこりの器官は心臓のように跳ね上がるし、中はうねって熱々に吸い付いて離さない。もっと入ってきていいよって、そういうことなんだよね、霊夢くん。
 押されるように漏れ出た精。真っ白で濃厚で、飛ぶこともできず霊夢くんのお腹に垂れる。塊の丸みが波打って落ち、水たまりを大きくしていく。いやらしいのに、すごい神秘的。大切なものなんだって直感でわかってしまう。
 香りが鼻をくすぐる。いつもよりも魅かれてたまらない。ずっと香っていたい。酔っぱらっていい気分にでもなったみたい。青くさい男の子のにおい。汗のさわやかさじゃない、生々しい霊夢くんの性のにおい。
 隣の霊夢くんが飛んでしまったことで、魔理沙くんもあてられてそわそわしだしている。キスでもしたいのか、顔を寄せようとしてる。
 霊夢くんはまだ激しい絶頂から立ち直れてない。わたしたちに構わず息をついている。
「魔理沙くん、霊夢くんのきれいにしてあげて」
 ふたりに仲良くしてもらうのもいいかもしれない。魔理沙くんは霊夢くんのお腹にたまった精にくちを寄せる。すっかり口の中に集めてしまうと、嬉しいことでもあったような顔になる。
「おいしい?」
「うんっ……!」
 元気にお返事した魔理沙くんが、おすそわけと口移しで霊夢くんの精をわけてくれた。
「ん……」
 わたしにはまだ味わうのが難しい。味のしないそれが口の中に張りついた。でも、においは好き。口の中いっぱいに広がってすごくはしたないことをしてるって自覚してしまう。
 魔理沙くんがまた寝転がる。続きをしよう。お休みしていた指をまた動かして、魔理沙くんの快感のお手伝いをする。魔理沙くんは口に含んだものを転がして、それでますます興奮してるみたい。
「それっ……きもち、いいっ……!」
 ちょうど上に握りこむようにしごいたときに押すといいみたい。魔理沙くんが目に見えて震える。お尻の穴もわたしの指に喜びを教えてくれている。
 それはてきめんに効いているようで、我慢強いはずの魔理沙くんが早くも切羽詰まってきてしまっている。手を動かしては止め、動かしては止めて。一番気持ちいい瞬間を先延ばしにして、ここ一番のときを待っている。魔理沙くんはいったい、ここを押されてどんな気持ちよさを感じているんだろう。体全体で熱心にふける様子、押すのとしごくのとが繋がる気持ちよさ。想像が追いつかないけど、見ていて羨ましくなるぐらい気持ちよさそう。
「押してっ、……押してぇ、強くぅ、つよ、く……」
 不規則なひきつりの間隔が短くなり、ほとんど連続になっている。魔理沙くんがいよいよ待ったなしの領域へ飛び込んでいく。
「魔理沙くんごめんね、我慢して!」
 でも、わたしはあれを試してみたかった。決壊直前のひきつりを指先に感じ、このまえ霊夢くんがしたことを。
「あーっ……! ウア、ア……、こんなイかされかたばっか、……もう普通にイけなくなっちゃうってぇ!」
 吐出しを控えて踊る魔理沙くんのお尻の中。わたしは魔理沙くんのおちんちんを強く握りしめた。指の下で壊れてしまいそうなぐらい暴れてる。本当なら気持ちよく飛び出てく精子は逆流して、でもこりこりを指で押し続けてるからこっちには来られない。
「こわい……っ、だめだってばぁ!」
 魔理沙くんは半狂乱。でも快楽にのけぞってわたしの手を引き剥がすことはできない。
「がまんしてっ……!」
 本当に、魔理沙くんの精子はどこに行ってしまってるんだろう。
「ううう……、どうすんだよぉ……」
 罠にはまった獣のような震えがようやくおさまり、魔理沙くんが涙を浮かべてる。
「ばか、あほ、ちーのえっち、どすけべ……!」
 いったん指を抜いて、すぼまりの表面をなでているわたしに魔理沙くんが感じながら憎まれ口を言う。おちんちんの根元が埋まっているあたり、もしかしたらさっきの精液はここに逃げているのかな。指で押しながらさすると魔理沙くんはここでも感じちゃうみたい。
「霊夢くんも、もういっかい?」
「その、あたしは……」
 魔理沙くんの乱れっぷりを見て霊夢くんは元気になってしまったみたい。単純に魔理沙くんを見てそうなった? それとも自分がああされるのを想像しちゃったのかな。
「したいな……。だめ?」
「だめなわけっ! むしろしたいのはこっちのほうでっ」
 言葉を濁した霊夢くんに訊いてみると、大慌てで否定する。霊夢くんのそういうところが好き。嫌々してるわけじゃないってわたしに絶対そう思わせない。
「しよ。れいむくん。わたし、れいむくんといーっぱいしたいな」
 だからわたしは霊夢くんとしたいって思う。
「えへ、ちょっと……恥ずかしいね」
 霊夢くんの手を取って照れ隠し。こういうふうにそろりそろりと照れと向き合うのがとっても楽しい。霊夢くんもきっとそうだよね。嬉しそうな様子が身振り手振りと仕草で伝わる。
「んーっ、ん、っくふふ」
 ちょん、とくちびるを霊夢くんのくちびるにのせて、目を閉じたところで押し倒した。押し倒れてもらった、というべきかも。
 目と目、やりとり、伝え合う。いいよね? ――だいじょうぶ。
 当てる、ぬめってすべる、へこんだ部分、いりぐちに。期待しちゃう。入れる前からそわそわと。手で押さえて、下がる。
「はい……って」
 濡れた場所に分け入るもの。乾きと混じる、溶かすように濡らしてく。
 この馴染むまでのひととき。ひとつになり始め。心地よい違和感。頭の中は霊夢くんのことでいっぱい。もう何度目かもわからないのに。すればするほど夢中を深めてく。
「んん~っ、すきっ……」
 迎えてしまって体に火がついたみたい。体の奥から油のようにおつゆが染みた。
「ちいのなか、あ、あたたか、くて……」
 うわごとのように霊夢くんが言葉を漏らしている。わたしもそう。霊夢くんをどうしたいのかわからなくなるくらい好き。満ち足りない思いを体をぶつけることに変えて、霊夢くんとえっちなことをし始める。
「ぎゅうって、して……?」
 お腹と胸をべったりとくっつけ、耳元で息を吹きかけるようにささやく。霊夢くんにもっと引き寄せられる。抱き潰されても構わない。
「きもちいいの……、れいむくん、すごいよぅ……」
 お尻だけをうねうねと動かして、霊夢くんのかたちを気持ちいい所にいっぱい当てる。感じてる。霊夢くんに沈んでく。霊夢くんに溺れてく。ひとつになりたい。たとえどんなにはしたなくても、それをかなぐり捨ててでも。霊夢くんにわたしのはしたないところ、見て欲しい。そこに泥のように溜まる好きって気持ちを、掬って欲しい。身勝手かな。わからない。気持ちよさで頭が染まってしまう。
「しあわせだよう、れいむくん……」
 せめて、いまの自分の気持ちを包み隠さず教えてあげるんだ。わたしの中の思い。大きすぎてもう身体から出すこともままならないかもしれない。霊夢くんがここまで育てたこの思い。
「んっ、ふああ、んっ、んん……」
 しっとりとわたしのなかを霊夢くんがめぐった。舌は引っ込みっぱなしで役に立たない。だから、くちびるだけでうんと。うんと、うんと。びりびりという刺激がふわふわという浮き上がる感じに変わって、満たされていく。瞳を閉じても閉じなくても見ているものが同じに変わる。
「は、ぁ、……う?」
「だいじょうぶ?」
「ええと……?」
 気付いたときには、時間の感覚がなくなっちゃってた。霊夢くんとひとつになりながら、旅に出てたみたい。
「安心して。ちゃんと守るから」
「れいむくん……!」
 またまた力が抜けちゃった。ここはわたしの、家よりも安らげる場所なんだ。あたたかい、じわじわと心地いい。霊夢くんがいる。頬ずりをいくらしてもいい。キスだって。
「妬けるー……っ。わたしはぁ!?」
 脇に人かいることをすっかり忘れていたみたいで、魔理沙くんが眉を吊り上げてる。苦笑しながら手招きして、だだっこを落ち着かせるべくキスしてあげた。
「置いてけぼりにしてごめんね」
 深すぎないキスが今は心地いい。まだ霊夢くんの味が残っているところに、魔理沙くんの味がやってくる。こうすることでふたりの違いがより明確にわかる感じ。
「ふたりともすっごい仲いいんだもん……べたぁってしてふたりとも幸せそうで」
 わたしの口付けと霊夢くんの申し訳なさげな視線で魔理沙くんはしおらしくなる。仲良くしてるところが好きって言ってたけど、ここまでされてさすがにやきもちを焼いちゃうみたい。
「わー……こうして見るとますますえっちだぜ」
 どこに行くんだろうと思ったら、魔理沙くんがわたしたちが繋がっている場所に顔を寄せている。
「見られちゃってるね」
「ええ、でも……」
 いいかって。そこをぺろぺろとされても、気にしない。笑って舐めさせてあげる。わたしたちが仲良くしてるまさにその場所を気に入ってもらえてる。それで悪い気なんてしないもの。
 お尻を波打たせる。霊夢くんと気持ちよさを分けあいつつ、魔理沙くんにわたしたちの結ばれる恋のかたちを見せてあげる。感じる魔理沙くんのくちびる。好奇心のなかに大切にしているものへの優しさが混じっている、きっとそのはず。
「魔理沙くん、そっちは違うよ……?」
「違わない。ちーのここ、好きだから」
 魔理沙くんの興味は次々別の場所に移ってく。わたしがお尻を動かしてるから、まるで魔理沙くんのべろにすりつけてるみたい。
「あ……、ゆび……」
 自分でも驚くほどすんなり入っちゃう。意外に感じるほど気持ちよさを感じちゃう。
「霊夢のおちんちん、これだな」
 霊夢くんをくるむ、さらに外側から押されてる。魔理沙くんが入れているのはまた別の場所。例え魔理沙くんでも今のわたしと霊夢くんの間に割って入ることはできない。でも、ここがある。ここで霊夢くんとはまた別に魔理沙くんと繋がることができるかもしれない。
「ちー」
「……うん」
 できるかな? できるはず。霊夢くんも魔理沙くんもしてる。きっとわたしにだって。
 やさしくね、と念を押すまでもない。指を抜いた魔理沙くんがうんと優しい口付けをしてくれたから。ときどき見せる男の子っぽい仕種。そこから繰り出す魔理沙くんの必殺技。口は嘘をつける。けど同時に真実を告げることもできる。
「まり、さ……く……っ」
 二度目の初めて。まさにそれがぴったり。広がる痛みに覚えがある。今まで触ったことのない場所に何かが当たる恐ろしさも。でも、大丈夫。霊夢くんがしっかり抱きしめてくれてる。それにすぐ魔理沙くんも来てくれた。
「入っちゃった……。ちーのお尻。……わたし、霊夢と三人でずっとこうしてみたかった」
 背中に魔理沙くんの身体が重なる。ふたりの間、違う体温にあたためられる。
「すごい……ふたりいっしょに、ひとつになっちゃった」
 別々にふたりをくるむふたつの鞘。みっちりと身体の中が詰まってる。お尻がひくつくとよりはっきり感じる。
「魔理沙、……さすがに辛そうだけど」
「そんなことない……よ、霊夢くん。だいじょうぶ、このまま……したいの」
 ふたりを一度に感じてる。奇跡かな。この一体感をまだ感じてたい。
「あ……ふたりの、中で当たってる。わたしのなか、霊夢くんと魔理沙くんでいっぱい……」
 前半分は霊夢くんと、後ろ半分は魔理沙くんと。わたしというものが無くなってしまいそう。この消えてしまいそうな感覚、頭の奥がちかちか弾けてる。
「ん、ちゅ……好きだよぅ、ふたりとも……もう、わけわからないくらい……」
 霊夢くんと、魔理沙くんと。代わりばんこにちゅーをして、霊夢くんにふたりでする形で三人でキス。白く飛びかけの頭のなかがますます真っ白。
「わたしも好き……! ちーも、霊夢も」
 魔理沙くんは言葉と頬ずりで。
 霊夢くんはふたりまとめて引き寄せる抱擁で。
 みんな、みんなが好き。こうして繋がって、もう疑いの余地がなくなるほど確かめ合って。ふたりの間、守られながらわたしは振りきれてしまう。
「ふうう、ううう~っ、う、ふわぁあ……っ」
 生々しい震えをこれでもかとふたりになすりつけるようにして絶頂する。幸せを感じる許容量を軽く超えていて心のなかすらはち切れそうで、どこもかしこも燃え果てる。
「わたしも、もうっ……」
 自分でもわかるほど強烈に締め上げてる。さっき解放できなかったのを含めた、魔理沙くんの二回分の奔流がわたしの中に流れこむ。お尻の穴の圧迫に負けないぐらいおちんちんがいななき、膨らむ、撃ちだして、身体に染み込ませていく。
「ちーのうんちの穴……だいすきっ、なかにわたしの、うう、かけさせてえっ」
 ぐうっと腰を押し付けて魔理沙くんが喜びに我を忘れてる。後ろに行き止まりはない。魔理沙くんのためにお尻を上げると、熱いものが中に流れていく。あまり綺麗じゃない場所だけど、いやむしろそれだから魔理沙くんはこんなに興奮してるのかな。ほんとうはおちんちんを入れる場所じゃないというのもあるのだろうか。わたしも、そういう妖しい興奮のただなかだからきっと魔理沙くんもそうなんだ。
 魔理沙くんがおちんちんを捻る。中で押し付けるのは硬く突き刺さる霊夢くんのもの。霊夢くんも魔理沙くんのびくびくという震えを感じたんだろう。なんとも言えず、困ったふう。気持ちよくなってる子を見るとこんな顔になっちゃうよね。
「おつかれさま」
 片手でわたしのからだを、もう片手は魔理沙くんの頬にそえて、霊夢くんが魔理沙くんをねぎらう。軽く目を閉じてあいくちする。素気ないやりとりに垣間見える絆、その正体なのかもしれない。わたしも、仲良くしてるふたりが好き。わたしが好きな霊夢くんを魔理沙くんが好きなのが嬉しい、魔理沙くんが引き出すわたしの前以外での霊夢くんが愛しい。頼もしくて微笑ましいふたりの間にいられる安堵感。いろいろな気持ちが溢れていく。霊夢くんにすりよって、猫なで声で甘えてる。魔理沙くんの呼びかけに振り向いて、いっぱいお礼のキスももらう。わたしが霊夢くんにそうするように、ぎゅうっと抱きしめてから首筋までこすりつけるような熱心な甘え方。伝わってくる気持ち。純粋で汚れひとすじない。嬉しい気持ちをさらに上積みしてく。
「魔理沙くん、ぐったりしちゃった」
「思わず見入っちゃうぐらいしてたから……あんなに夢中になってるの初めて見るわ」
 わたしのお尻、そんなによかったのかな。霊夢くんよりも気持ちよかったとしたら、ちょっと鼻が高い。
「あ……霊夢くん、もうっ」
「魔理沙がしてるあいだ……ずっと待ってた」
 下から熱心に突き上げてくる霊夢くん。突き上げるというより、中にこすりつけるかな。そんな痛くさせるようなしかたじゃない。
「好きだよ、れいむくん……」
 大切にされてる。だから、わたしからも動いてあげるんだ。霊夢くんが欲しがってくれる。いっぱいあげよう。
「ね、……前が終わったら」
 頬を当てて、耳元で。
「後ろも……しようね」
 初めては魔理沙くんにあげちゃったけど、霊夢くんにも来てほしい。早まる霊夢くんの動き、わたしもとても楽しみになる。
「うう、ん……、きもちいいよぅ、れいむくん……」
 手をしっかりつないで、甘い恋人気分。もたらされる快感は幸せに直結して頭痺れさす。
 こうして上になるとどうしても自分の気持ちいところばかりになってしまって、でも快感がより強く一体感を高めてくんだからふしぎ。
「うねうねって、……くぅ、してる。……いきそうになると、女の子も同じなのね」
「うんっ……!」
 硬いもので中を押すようにえぐるように、淡かった感覚が深く長い痺れに変わっている。何も考えられないのが気持ちいい。霊夢くんを巻き込みながら、上り詰めてしまう。見ててほしい、わたしのイくところ、無防備なところ。
「……んっぅ、ぃいっ……っちゃ……、……ったぁ……」
 体全体が、脳みそまでしぼむように引きつりあげつくす。その真ん中には霊夢くんが居続けていて、それにしがみつくみたいにしてまばゆい感触に焼かれていく。
 欲しい、欲しい欲しい、欲しすぎて、霊夢くんが欲しすぎてどうなりたいの? 境を失うまで溶けたい。霊夢くん、抱きしめてもキスしても足りない、こうして繋がっても。こうして思いつめてしまう。
「れいむくん……おねがい」
 はげしくして、と。あたまがつかえなくなってしまうまで、とことん強くうちつけて、どうにもならない気持ちを霊夢くんの気持ちで沈めてほしい。……どうしようもないと思うけど、乱暴に物みたいに扱って、変なこだわりやつまらない意気地を吹き飛ばしてほしい。
「ほんき。……するからには、ほんき」
 心配げな瞳に火が。上下を違え、まだ燃える。霊夢くんとの……これは交尾。
 ぱんぱんぱんっ、と乾いた破裂するような音、そのたび怖いぐらい中に入り込む。考えは間違ってなかった。霊夢くんに、こうされたかったんだ。普段の素気なさも気遣いも全部取り払った、霊夢くんの剥き出しの男の子を満たしてあげる。きっとわたし、このために生まれてきたのかも。
 歯の硬さを感じるキス、わたしのおつゆを奪い取るように中をかき回し、あるいは自分のものを飲ませるように霊夢くんの舌が動き回る。わたしは目も閉じず、没頭する霊夢くんをぼんやり見ていた。
 くちびるが離れる。それは霊夢くんが切羽詰ってきたことのしるし。近い。染められちゃう、出されちゃう。奥の方で熱心に動いてる。おへその裏当たり、指を伸ばしても届かない場所。
「れーむ、くん……」
 抱きしめるというほどの力はこめられない。背中に置くだけ。覚悟とか、そういうのはいらない。されるがまま、がいい。奥を侵すちがうかたちに若干の期待と、恐れを抱いて。
「ち、い……」
 どっくん、どっくん。握った手の中で何かが動き回るような感触。慣れない感覚に目を見張る。霊夢くんが強く強くわたしに抱きついた。しがみつくように、こうしないと、死んでしまうかのように。
「やっぱり……っ、だめっ!」
 次起きたことに、わたしは泣いてしまいそうだった。
「れいむくんやだよっ……行かないで、やだよぉ……!」
 震えを感じたのも束の間、霊夢くんが出て行ってしまう。しっかり霊夢くんが詰まっていた場所に生じた隙間、それこそ恐ろしく冷え冷えとして、わたしはとても落ち着いていられなかった。
 次に感じたのは温かい何かがかかる感触。茂みの下、うるおう場所の表面に新たなあたたかさが生じた。
「ごめんね……でもだめよっ、そんな無責任なこと……っ」
 快感の誘惑を断ち切り、霊夢くんは中で果てることを遂に選ばなかった。わたし自身の無言の許しも、その場の雰囲気にも流されず。いま感じるあたたかさはそんな霊夢くんの努力の証なのかもしれない。芽に押し付けて茂みの中にびゅくびゅくと吐出し続け、霊夢くんの激しい一幕が終わった。
「その、……れいむくん?」
 ちょっと気まずい。激しくしたあとって、こんな感じなんだ。普段見せないところを見せてしまったからだろうか、あられもないところを見せてしまったからだろうか。
「やっぱりまだ中に出せない。赤ちゃんできても自分たちだけじゃ育てられない……だから」
「いいの。むしろありがとうだよ……、霊夢くんが恋人で、わたし……」
 抱きしめたら、抱きしめ返してくれた。やっぱり優しい。その優しさに溺れちゃう。でも優しくされると、乱暴にされてみたいってまた思って切なくなる。これを告げたら、霊夢くんに呆れられちゃうかな?
「待ってて。きれいにしてあげるから……」
 わ、と霊夢くんが声を出すほどわたしのそこはすごいことになってたみたい。ほとんど霊夢くんのせい。自分でしたことだからか、霊夢くんがいたたまれなさそうにしてる。
「お尻も……すごいことになってるわね」
 くすぐったくて身をよじっていたら、お尻からも垂れてきちゃった。……うんちしてるみたいで結構恥ずかしい。でも、霊夢くんにお尻を拭かれてお世話してもらうというのも。
「んっ、れいむくん、拭きかたやらしい……!」
 結構、悪くない。
「どんだけ出したのかしら、この子……」
「嬉しくてしょうがなかったんだよ、魔理沙くん。いつも三人でいるのが好きって言ってたもん」
 お腹に力を込めるとまだ流れ出る。ねばねばしたのがお尻を通ると、少し気持ちいいかも。
「あたしも好きだけど……。でもふたりっきりも……」
「わたしと魔理沙くん、ふたりっきりになってもいいんだ?」
 そうじゃない! と色をなす霊夢くん。起きちゃうよ、と口元に指を立てると納得いかない様子だけどひとまず静かになる。
「さっき言ったこと……」
 覚えてる? 前が終わったら。不満そうな顔があっという間に驚きと紅潮に変わる。霊夢くん、分かりやすくて……わたし以外の子にもてあそばれちゃだめだよ?
「れいむくんも、お尻で……したい?」
 こくこくこく、と興奮した様子。やっぱり、霊夢くんに欲しがられるってすごい心地いい。
 いくらでもいいんだよ。霊夢くんがしたいこと、なんでも受け入れてあげる。だからわたしのこと、いっぱい好きになってね。いつまでも、好きでいてね。


「いま、何時だろう……」
 あくる日の朝、じゃなくて多分お昼。交わり疲れて三々五々眠りについたわたしたち。起きたのはわたしが最初のよう。
 寝間着をひっかけてふすまを開け、ひとまず顔を洗いに行く。べたべたしてるところも軽く拭いておこうか。
 戻ってくると、射し込んだ光で霊夢くんが目を覚ましていたようだ。
「んん~……、ちい……おはよ……」
「おはよ、霊夢くんっ」
 寝ぼけ眼をこする霊夢くんに歩み寄り、かがんで朝の御挨拶。目覚めが悪いのか、目を閉じてうとうとしてる。黒い髪は寝ぐせでぼさぼさ、あくびをかみ殺しているのかもごもごと口を動かしている。
「髪、とかしてあげる」
 それを見て思い立つ。櫛を持ってきて、霊夢くんの後ろに座る。
 縛っていない長い黒髪を下から上へくしけずっていく。男の子なのに、とてもさらさらとしてよく流れる。手をくすぐる感触が気持ちいい。ほのかな青みがあって綺麗だし、お人形のよう。
「どうせお風呂入るのに……」
「いーの。わたしがしたいだけっ」
 いつもと違う縛り方をしてみたり。うなじの辺りで縛って前に流すと、いつもより女の子っぽさが増してかわいい。
「きょうはこの髪型にしてみたら?」
「リボンが結えない……」
 残念、却下だった。
「うー、……またわたし抜きで面白いことしてるな~?」
 髪の毛遊びの最中、魔理沙くんが起きてきた。まだ夢半ばだろうに、わたしたちを見て輪に入ろうとしてる。
「寝ぐせ直してあげてたの」
 そう教えてあげると、わたしもわたしも、と目を開けられないままお願いする魔理沙くん。座らせて、子猫のような髪の毛に櫛を入れる。
「ふわ~……、んぅ」
 寝ぼけながら気持ちよさそうにしてるのがまさに子猫。
「霊夢くん……? ほら、起きてー?」
 背中に重みがかかったと思ったら、霊夢くんがよりかかって舟をこいでいる。
「……しょうがないなあ」
 苦笑い。起きたときから楽しいことがいっぱいだ。三人の朝、きっとこれから何回も繰り返されていくのだろう。そんな毎日が訪れる予感がして、わたしは目を細めた。



エピローグ これからも、しちゃう

 お父さんお母さんに霊夢くんのことを話してからもうひと月以上が経つ。
 霊夢くんが女の子じゃないことを話したときのお父さんの驚きようといったら。いま思い返しても笑いがこみあげてきてしまう。
『ガキの頃おれたちが憧れていた先代の巫女も……男だったのか?』
 と、よき思い出にひびが入ってしまったようで頭を抱えていた。それを見て、お母さんもわたしも大笑い。霊夢くんは終始余所行きの澄まし顔でお父さんに本当はどうだったかを言わなかった。でも逆にそれが答えで、やっぱり博麗の巫女は代々女装した男の子たちが務めていたみたい。喋っちゃっても大丈夫なのかなって思ったけど、別に隠しているわけじゃないからと後で霊夢くんが教えてくれた。
 その晩は久々に自分の布団で眠った。自分の家はほっとするし、自由に帰ってよいことになってはいる。たけど、もう霊夢くんたちがいない夜は考えられない。手を伸ばしてすぐそこにいてくれないと、落ち着かなくて寝付けない。
 結局わたしは神社にいつくようになった。霊夢くんとふたり、魔理沙くんが来た日は三人で。たまに言い争いになってその場ではそっぽを向いても、夜同じ布団に入って手を繋いだら忘れてしまう。素直にごめんねって言える、言い合える。
 霊夢くんたちの近くにいつづけたおかげなのか、わたしの霊力はさらに高まっていった。まだ誰かが一緒にいないと怖いけど、空を飛んで出かけられるようになった。
 ぽかぽかと温かい日差しを受けながら、霊夢くんと魔理沙くんと三人でお空を散歩する。右手に霊夢くんの手を、左手に魔理沙くんの手を。しっかり握りしめて。
「今度はお空でえっちしてみようぜ」
 突飛な魔理沙くんの言動に、霊夢くんは呆れ顔、わたしは苦笑い。
「わっ!」
 魔理沙くんがぐっと引き寄せてきた。霊夢くんが怒って引き剥がしにかかる。「落っこっちゃう!」とわたしは揉みくちゃにされながら大慌て。
「きょうはどこに行くの?」
 眼下に小さくなったわたしの家が見える。顔を上げるとそこから何百歩と離れた山々の連なりが見渡せる。
「わたし、あっちに行ってみたいっ」
 もうわたしはこれらを見渡せる場所に来てしまっている。不安だとか、怖いだとか……。でもここは日向だから。そんな気持ちを芽吹かせない。
「行こうっ、霊夢くん、魔理沙くん!」
 ふたりとわたし、三人で飛んでいく。広い世界、足を付ける場所の無い空の世界。ひとりならすくんでしまうかもしれないけど、両側から手を握ってくれるふたりがいればまったく平気。きっと楽しいことがいっぱい待ってる。きっと、これからも。ずっとずっと。
 笑顔を返してくれた霊夢くんを見て、わたしはそれを疑わなかった。

(おわり)
同人再録です。読んだことある人はごめんなさい。
未だにこれを超えられない自分がいます。頑張らなくては
Romy
http://kazeken.web.fc2.com/
コメント




1.桜野はる削除
ご馳走さまです。
柔らかそうな肌が目に浮かびました。
2.桜野はる削除
ご馳走さまです。
柔らかそうな肌が目に浮かびました。