真・東方夜伽話

発情日和

2018/07/29 08:27:31
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発情日和

空賀青

※誰てめえ
※ネチョが薄い・本番まで遠い
※原作との矛盾・自己設定・自己解釈あり
※環境要因としてのオリキャラ?要素あり
※拙作「Let's raise the white flag.」の続きですが、単体でも読めると思います
※マジで誰てめえ
以上、ご注意ください

 ぐ、と本棚に押しつけられる。「こら、小鈴」止める間もなく口付けられた。ちゅ、ちゅう、と唇が食まれて背筋に甘い震えが走る。まずい、と脳裏で警鐘が鳴った。
 自分たちの他は誰もいないとはいえ、ここは鈴奈庵で、現在好評営業中である。母屋には小鈴の母もおり昼食を作っているはずだ。背の高い本棚と本棚のあいだに引きこまれたから、一応の死角になっているといっても、何時誰がやってくるか分からない。
 こんなところを誰かに見られたら、相手によっては大変なことになる。情に応えるわけにはいかない。小鈴だってそれは分かっているはずなのに。尤も、最近の彼女は、覚えたての色事に夢中になっているのか、隙あらばぺたぺたぺたぺたと触れてきて、色々な意味で心臓に悪いことこの上ないのだけれども。
 押しのけようと両手で小鈴の胸を押すが、うっとり目を閉じる彼女はびくともしない。どころか、阿求の手をそっとつかみ、手のひら同士をぴたりとくっつけた。そのまま本棚の支柱の部分に縫いつけられ逆に身動きが取れなくなる。唇をぺろりとなめられて甘ったるい声がもれてしまった。
 頑なに口を結ぶも、ねだるようにぺろぺろなめられると肌が粟立ち力が抜ける。少しでも熱を逃そうとわずかに開いた隙間から熱くぬめった塊が押しこまれた。とっさに身を引くと本棚が軋んだ音を立てる。いけない、と重心を戻すと、その動きを受容と勘違いしたのか小鈴は嬉しそうに喉を鳴らした。縮こまる舌に吸いついて煽るようにちろちろくすぐってくる。背中がゾクゾクした。
「ん……ふっ、ぅ」
「む、ちゅ……んっ」
 舌先で口内を探るようにくすぐられ、視界がじわりと滲んでゆく。最初はおっかなびっくりだったのに、阿求の反応した箇所をいちいち覚えているらしい小鈴は、回を重ねるごとに舌使いが巧みになっていた。こんなことに抜群の学習能力を発揮するのではなく、普段の生活、もっというなら妖魔本や妖怪との付き合い方でこそ活かしてほしいと、切実に思う。
 別の生き物のように絡みついてくる舌での愛撫を受けていると徐々に体の力が抜けていってしまう。上あごをつつかれ膝が折れそうになる。
 いちど口を離した小鈴は、くたりとして息をつく阿求を見、色めいた瞳を楽しそうに輝かせた。
 結んでいた手を彼女の背中に導かれ、腰のあたりをしっかりと抱えられる。阿求よりも少しばかり背が低い小鈴にそうされると、体勢的に、顔を逸らすことも身を離すこともできず、ただ彼女の求めを受け止めるしかできなくなる。せがむような口づけから逃れられない。
「っは……小鈴、こんなところで、んぅっ」
 再び吸いつかれる。話を聞く気もないらしい。
 潜りこませた舌で弱い箇所を丹念に刺激されるたび、思考回路がぼやけ、身体は浮かされたように現実感を無くしていく。
 膝に力が入らなくて小鈴に縋りついたら、満足げに喉を鳴らした彼女は、阿求をゆっくりと床に座らせた。そっと頬をなでられるのが心地よくてまぶたを閉じる。舌がこすれあうのが気持ちよくて阿求からも欲してしまった。理性はそんな自身を咎めるが止められない。恋い慕う相手から求められて、覚えたばかりの快楽を与えられて、それでも小鈴を振り切れるほど、己はできた人間ではない。
 緩やかな快感に浸っていると、不意に、胸元に手が添えられた。疑問に思うが蕩けた思考では冷静に考えることができなくて、まぁいいか、と背に回した手に力をこめる。伸ばした舌を唇ではむりと食まれて腰のあたりがじんじんする。
 だが、明らかにふにふにと胸をまさぐる感覚に、ぼやけていた阿求の思考は強引に引き戻される。慌てて目を見開き、寄せられている体を強く押した。今度は素直に口づけをやめた小鈴は、不思議そうに「ん?」と首を傾げている。いや、ん? じゃない、ん? じゃ。
「なにを、っは、けほ、こほっ」
 叱ろうとしたのに息がきれてうまくできなかった。空気が足りず頭がくらくらする。唇を重ねた回数だけならもう指の数はたやすく超えたのに、相変わらずうまく息継ぎができないのは何故だろう、とどうでもいいことをぼんやり思う。
「あー、ごめん、大丈夫?」
 労るように背中をなでられ、肩を上下させながらも呼吸をくりかえしていると、ようやく息が落ちついてきた。ふぅ、と安堵のため息をついて、「では改めて」と言わんばかりに阿求に触れようとする小鈴の手をガシッとつかむ。
「なに、この手は」
「え?」
「え? じゃなくて。なにする気よ」
「言っていいの?」
「まわりを見なさい、まわりを!」
 あっけらかんとした言葉に鋭く返す。
 まわり? と周囲を見渡した小鈴は、整然と並べられた古めかしい紙のにおいにようやく現状を思い出したようだったが、「まぁいいじゃない」とにっこり笑った。よくない。大事なことなのでもういちど言うが、
「よくない」
「だぁってスイッチ入っちゃったんだもん。お母さんは母屋だし、お昼時なんて誰も来ないわよ。……たぶん」
「多分、じゃない。いいかげん正気に戻りなさい。だいたい、ここのところあんた、落ち着きないわよ。発情期の猫じゃないんだから、もう少し節度をもったらどうなの」
「……阿求だってけっこう乗り気なくせに」
「なんか言った」
「ナンデモナイデス」
 ぶー、と唇を尖らせる小鈴にため息がもれる。
 たしかに、小鈴は、気に入ったものや興味を持ったものには一直線になる気質だが、それにしたって限度というものがある。付き合うこちらの身にもなってほしい。もちろん阿求とて、小鈴に触れたいと思うし、触れられると満たされるが、もう少しでいいから分別をもってくれないと身が持たない。精神的にも、肉体的にも。
 けれど、こちらの様子を気にした風もなく、小鈴は阿求の頬に手を添える。だけでなく、指先でふにふにとつまんだり、よしよしとなでたりする。「こら」と咎めてみてもどこ吹く風で、挙げ句、阿求の頬を両手で挟んでぐにぐにともみしだいた。
「ちょっと、小鈴」
「えへ、変な顔ー」
「……あんたねぇ」
 そんなに屈託のない笑顔を浮かべられると、毒気も抜けるというか、つられて笑いそうになるというか、まぁいいかなばれなければ、という気持ちになってしまうというか。
 いやいやいつもこの流れで押しきられてしまうのだから、と首をふろうとした阿求だったが、それよりも早く顔を固定され口付けられた。静かに伏せられるまつげが長い。言動がぶっ飛んでいるから忘れがちだが、顔立ちは整っているのだ、小鈴は。
「っふ、ん」
 くちゅりと差し入れられた舌を押し返す気力は残っていなかった。ねだるように舌をつつかれ、歯列から上あごのざらついた部分まで丁寧にこすられる。心地よい感触に頭の中が霞んでゆく気がした。
 華奢な肩に縋るように手を回すと唇が放される。阿求の唇を指でそっと拭った小鈴は、きっと物欲しそうな目をしてしまっているのであろうこちらを見て、嬉しそうにまなじりを綻ばせた。互いをくるむ色濃い空気とあどけない表情がアンバランスなのに、震えるくらいゾクリとした。
 阿求の肩に手を添えて少し乱れていた髪を整える。そのまま手の甲で髪を持ち上げ、露わになった首筋にキスを落とす。
 仮にも急所に触れられるのは、いくら相手が小鈴とはいえ身の緊張を禁じ得ないけれども、阿求はそっと顎をそらしてさわりやすいようにしてやる。小さな舌が首筋をぺろりとなめ、唇でやわやわ噛まれるだけで、腹の奥に鈍い重みが溜まっていく。かすかな刺激にも声がもれそうになって慌てて口を引き結んだ。
 首筋への愛撫を受けながら、小鈴が袴の裾に手をかけたことに気づいたが、押しとどめる気にはなれなかった。丁寧なと言えば聞こえは良いけども、じれったい刺激をゆっくりゆっくり与えられて、その先を知っているこの身はもどかしい熱を抱き始めている。もっと触ってほしい。その一念が阿求を支配していた。
 肩に回している手に力をこめる。顔を上げた小鈴は阿求を見て愉快そうに頬を綻ばせた。得意げな微笑が気にくわなくて肩をたたくも、力が抜けているので痛くないのだろう、なだめるように顔を寄せてきた、小鈴の吐息が肌をなでる感触にすらも腰が疼く。
「っもぉ、」物欲しそうな声がこぼれてしまった、その時である。
 ──チリリン、と来客を告げる鈴が鳴った。
「っ──!?」
 一瞬で正気が戻ってくる。
 ハッと互いを見やり、慌てて身を離そうとしたが、阿求の体からは変に力が抜けてしまっているのでうまく距離が取れない。くたりと座りこむ阿求をかばった小鈴は、どうしたものかと目をグルグル回していたけれど「小鈴ちゃん、いるー?」の声に肩を跳ねさせた。霊夢だ。
「こっち来させないで、時間稼いで」
 最大限抑えた鋭い小声で指示を出す。わたわたと頷いて、「は、はーい、いらっしゃいませー!」立ち上がった小鈴を見送り、阿求は長い息をついた。中途半端な刺激にひりつく体を無視し、音を立てぬよう深呼吸をくりかえす。
「今日は、どうしたんですか?」
「このあいだ、人を丸呑みにした蛇の話をしてたでしょ? 蛇騒ぎも落ちついてきたし、たぶん平気だと思うけど、どんな内容なのかいちおう確認しておこうと思ってね」
「ああ、わかりました。雑誌のやつですね。探してくるのでどうぞおかけください」
「よろしくね」
 人を丸呑みした蛇、と内心で首を傾げる。
 蛇、と聞くと真っ先に連想するのは道成寺や肥長姫だが、人を丸呑みというと大蛇の満腹草だろうか。小鈴が雑誌と言ったし、そんな事件があったという報告も受けていないから、外の世界のことだろうと思うけれど、あちらにもそんなに巨大な蛇がいるのか──いや、今はそんなことを考えている場合ではない。
 ついつい、いつものように沈思しそうになった阿求は、慌てて髪飾りを直し服装を整えた。本棚にもたれかかっていた半身を起こして、床に手をついて立ち上がると、どうにかこうにか歩くこともできた。足取りは若干覚束ないが、自宅まで帰るだけなら問題ないだろう。
 ふう、と息をつき本棚から顔をのぞかせる。こちらを認めた霊夢が片手を上げ、持っていたカップを見て「これ、あんたのだった?」と頬をかいた。たしかにそれは、小鈴が煎れてくれた紅茶だったが、ほとんど口をつけられていない。
「かまいませんよ。でも、冷めているでしょう」
「まぁね」
「あ、阿求、あんたへい」
 わたわたとこちらを見る小鈴が余計なことを言うよりも早く、キッと睨んで黙らせる。勘の良い霊夢の前でボロが出ては事だ。
「このあたりに置いたはずなんだけど」と本を持ち上げたり降ろしたりしている小鈴には構わずに、適当な本を二、三冊ほど見繕う。帳面に題名と日付を書きこんで、賃料をその脇に添える。「あったー!」と雑誌を両手で持ち上げた小鈴の頭に本を置いた。
「借りていくわ」
「えっ? ああ、うん、毎度あり。霊夢さん、ありましたよー。これの二十一頁です」
「ありがと。ちょっと読ませてもらうわ」
「はーい。って、失礼しました。お茶いれてきますね!」
 まったく、落ち着きがない。忙しなく母屋に駆けこんだ小鈴に思わず苦笑を浮かべてしまった。
「ゆっくりでいいわよー」と手をふった霊夢は、早速とばかりに雑誌を開いたが、ふと、暖簾をくぐろうとした阿求に目を向ける。相も変わらず無感動でまっすぐな瞳に、心の奥底までさらわれているような心地になって、阿求は微笑を浮かべた。
「邪魔して悪かったわね」
「なんのことでしょう?」
 首を傾げたら霊夢はふっと笑んで肩をすくめる。
 ひらひらと適当にふられた手に軽く会釈を返し、今度こそ暖簾をくぐって外を出た。涼やかな秋風が頬をなで、高く澄んだ青空が目に眩しい。爽やかな晩秋の空気に、半端にくすぶっていた身の熱が冷やされていくようで、阿求はふぅと息をついた。
「……敵わないわね」
 ぽつりと呟き歩を進める。その足取りは心地よい気候に似つかわしくないほど重かった。


 言うまでもないことだが阿求は記憶力が良い。見聞きしたことを忘れない求聞持の能力を除いても、普段から意識して"記憶"の力を使っているからだろう、体感するもの、例えば、一度しか食べたことのない珍味や、興味本位で葉に触ったらぱっくり切れた指先の痛みといった、求聞持が直接働かないはずの対象への記憶力も優れていた。
 一度だけでもそれなのだから、なんども繰り返して「体が覚えた」感覚は、他の人間が想起するのと同じか、それ以上の鮮明さを持って思い出すことができる。否──
「……あつい……」
 ──思い出してしまう。

 中途半端なところで切り上げられた行為の残り火は、自宅に戻る頃にはすっかり落ちついたかのように見えた。家人と話をし、机に向かって書き物をしていても大人しくしているように感じていた。
 けれど、薄暗い寝室で、ひとり冷たい布団に潜りこむと、小鈴のぬくもりを思い出してしまった。高めの体温が、楽しげで意地の悪い微笑が誘い水となり、日中の記憶を呼び起こした。鮮明な映像としてのものだけでなく、細い指先や、柔らかい唇や、肌をなぜる吐息が阿求の身を苛んだ。
 それでも、昨晩はどうにか堪えて眠りにつくことができた。しかし、強引に無視して眠りについた悪影響か、起き抜けからこちら、阿求の下腹部はじりじりとした熱を孕み続けている。頭の中が小鈴でいっぱいになっていても、表情を取り繕うことは慣れているので不審を問われることはなかったが、衣服で隠された秘所が物欲しそうに震えるたび、どうしようもない羞恥心と罪悪感を抱いてしまった。
 こういう時は他のことに没頭して全力で気を逸らすのが良い。そう結論づけた阿求は、肌が切れそうなほど冷たい水で顔を洗い、幾分かしゃっきりした頭で書庫にこもることにした。
 大半は覚えているとはいえ書庫の蔵書は膨大だし、阿求が集中できるようにと、家人は滅多なことがないかぎり放っておいてくれる。理性の制止を無視して勝手に欲情する淫猥な身体を、鎮めて収めるには良い環境だろう。
 そう、思っていたのに。
「……にが」
 持ちこんだ濃いめの緑茶を口に含む。一瞬だけ気が晴れたが、すぐにどろどろとした熱が襲ってくる。文机に広げた巻物は、先ほどから一行たりとも読み進められていない。阿求は両肘をついてため息をついた。その吐息すらも熱っぽいことが腹立たしい。
「……だから、あんなところでするなって」
 書庫に満ちる古びた紙と褪せた墨のにおいが性急な愛撫を呼び起こす。鈴奈庵と稗田邸書庫、規模も造りもちがうのに、大量の本が保管されている静謐な空気はおんなじで、いもしない小鈴を身近に感じてしまう。視界の端には、外からの呼び出しと阿求の気晴らし用を兼ねた小さな鈴が揺れていて、彼女の髪飾りと重なった。
「ばか。小鈴の、ばか」
 本のもとに居る小さな鈴。ここには、彼女を偲ばせるものがありすぎる。
「…………。ばかは私か」
 冷静になろうと言いながら、無意識に小鈴を求めるような真似をしてしまったのだから。
 傷めないよう巻物をよけ、文机に体を預ける。堅く冷たい木の感触すらもが身をくすぐってじれったい。正座をしていたつもりなのに、いつの間にか内ももをこすりあわせていたことに気が付いて、壁に頭を打ち付けたくなった。身体のほうは、そんな自分の反応に興奮混じりの背徳感を覚え、いっそう秘部が潤ってしまっているのだけども。
 吐息混じりのうめき声をもらしてみても、燻る熱は一向に楽にならない。気分転換に庭を散歩することも考えたが、頬は熱を持っているし、ずくりと疼く体には僅かな衣擦れも刺激になってしまう。今の状態で人がいるところに行くのは悪手だ。
 これはもう、やむを得ないのではないだろうか。
 九代目阿礼乙女としての自分は、そんな結論を冷ややかなまでに情けないと断じる。けれど、たかだか十年そこら生きた程度の小娘としての自分は、思いついた誘惑を振り払えない。
 そして、小鈴と想いを通じ合わせてから、阿求はひどく俗っぽくなってしまって──いや、まどろっこしい言い訳はよそう。小鈴に教えられた快楽に、阿求は夢中になっている。それは途方もなく嘆かわしい事実であり、どうまやかそうとしても揺るがない真実だ。
(いちど、だけ……一度だけ、だから)
 自分自身に言い訳をして目を閉じる。まぶたの裏に、さして苦労もせず小鈴の姿が浮かび上がってきた。実体のない小鈴が阿求を見、常日頃の朗らかなものとはちがう、艶めいた微笑を浮かべる。
『──阿求』
 緊張で少しかすれた声が耳の奥に響く。それだけで頭の中を揺らされたような刺激が走って、阿求は身を震わせた。
 記憶に焼きついた小鈴が手を伸ばす。昨日、彼女に触れられた場所。布越しに胸に手を当てると、刺すように甘美な快感と、それを上回る強烈な違和感が襲ってきた。
 冷や水をかけられたかのように思考が冷える。たまらず目を見開いた。胸元に当てた手を見る。全体的に痩せすぎの、骨っぽい手。小鈴の手ではない。己に触れているのは小鈴ではない。痛いくらいに実感してしまう。
 唇が震えた。
「…………どうしろってのよ」
 今にも泣き出しそうな声に、たまらず顔を覆ってへたりこむ。書物のにおいも、密やかな空気も、阿求を呼ぶ声もこちらを見るまなざしも、完璧なのに。阿求の身をじっとり愛撫するのに。
「めんどうな、能力を」
 肝心の刺激が致命的なのだ。欲してやまないぬくもりではない。どんなに小鈴を真似ようとしても、この身体は僅かな違和感に気付いてしまう。知らんぷりをして騙されてやることができない。
「……小鈴」
 思わずこぼした名は、どうしようもないほど情欲に濡れているくせに、幼子のように頼りなく震えていた。

 ***

 鈴奈庵には、受付と本の陳列を一緒にしたいわゆる"売り場"の他に、(小規模ながら)製本するための印刷室、内容や状態から売り場に陳列しづらいものを保管している倉庫がある。
 倉庫の鍵は親が管理していたが、最近になって「そろそろ良いだろう」と小鈴にも予備が渡された。喜び勇んで探っていたら艶書のような掘り出し物を見つけたこともあり、以来、定期的に倉庫に通って中身を整理しつつ物色しているのだ。うまいこと使われているような気がしないでもないが、きっと気のせいだろう。
「これは外の世界の雑誌ねー。……ん? 普通にきれいなのに、なんでここにあるのかしら」
 笑顔の少年が表紙の雑誌をパラパラとめくる。見た感じ状態は良いし、内容も、服装に関することや休日の過ごし方といったものなのだから、読み物として貸し出して問題ない気がする。
 たまたま見落としたのだろうか、と流し読みをしていくと、冊子の中にまた紙でくるまれている箇所があった。いわゆる「袋とじ」というやつだ。表面には「閲覧注意!? ちょっとエッチな女子のひみつ♡」との文言が書かれている。
「あー、これが理由かな?」
 倉庫には、売り場に陳列しづらいものが置いてある。幼い子どもから年のいった老人まで、幅広い客層が訪れ物色する本棚に、春本の類を置くわけにはいくまい。そうした本は倉庫に保管され、外回りをする父が中心に取り扱っている。この本もその類かもしれない。
「どれどれ」
 既に開封されている袋とじを開く。ここの鍵を渡されたのだから見ていけない道理はないだろう。
 それに、阿求と関係を持って以降、こうした方面にも興味津々な小鈴である。なにか役に立つことが書かれているかもしれない。
「なになに……ひとりえっち?」
 特集は前後半の二段組だった。
 前半は女性の自慰行為について。後半は、あなた(読者を想定しているのだろう)が恋人の自慰を見るにはどうすれば良いか。いずれも、少し前までの小鈴なら、まともに読みもせず顔を赤らめて雑誌を閉じた内容だ。
 目に付く本を乱読してきたので知識としては知っているが、ならばすぐ自分の身に置き換えられるかというと、そんなことは決してない。興味が無いとは言わないけれど、そうしたことを考えるのは、恐ろしさに似た居心地の悪さがあった。
 加えて、恋人同士(に限らない内容もあったけれど)の行為を読んでいると、脳裏には何故か阿求の姿がちらついて、言葉にできない後ろめたさも感じていた。彼女もいつか誰かとこうした行為をするのかと夢想し、言いようのない胸の痛みと腹の底が沸きたつような興奮を覚え、大慌てで首をふった回数は覚えきれない。美しく気高い友人を、頭の中とはいえ下卑た興味で穢してしまうのが嫌だった。
 こうした様々な葛藤を、今の小鈴は冷静に捌いてしまえる。そんな自分の変化が誇らしいような、つまらないような、複雑な気持ちを抱えながら文字を追う。へぇ、と感嘆の声が落ちた。
 エストロゲンだのセロトニンだの、意味不明な単語がいくつもあったが、大意として自慰行為は女性に良い影響を及ぼすらしい。女性らしさが増す、精神的に安定する、などの単語は、なるほど、魅力的だ。そのうち自分でも試してみようかなと思う。
 同時に、小鈴とさほど歳も体つきも変わらぬ阿求が、あんなにも上品な色香をまとっているのは、自分を慰める術を知っているからではなかろうかとも推測する。彼女が暮らす環境や知識の幅広さを考えると十分にあり得ることだ。だとするとあの初々しい反応はなんだ、という気もするが、自分で触るのと人に触られるのはちがうらしいし。小説からの知識だけれど。
 可能性に思い至ると、次に湧いてきたのは渇望に近い強烈な好奇心だった。阿求はどのようにして自慰に耽るのか。なにを想い、どんな風に自分の体に触れるのか。なまじ彼女の乱れる様子を知っているだけに、想像しただけで下腹部が熱を持った。
 その感覚を適当にやり過ごしながら、ずばり言及されている後半部にも目を通していく。特集内容の実用性に感謝したくなる。
 特集で言われているのは大まかに分けてふたつだった。ひとつは、相手の理性が弱まっている時を狙うこと。もうひとつは、相手に恥をかかせないこと。
 他にも、言葉巧みに誘導するだの、縁切り覚悟で土下座するだのあったが、それらは現実的では無い。小鈴が阿求を言葉で誘導なんて無理だろうし、縁切りなど論外だ。
「なるほどねぇ」
 頑張ればいけるような気がしてきた。計画と呼ぶには淫靡が過ぎるけれども、努力をする価値は十分にある。
 さて、どうするか。
 雑誌を前に考えこんだ小鈴だったが、「小鈴、ちょっと」カラリと戸が開けられて飛び上がる。
「お、おかあさん!? び、っくりした、開ける前に声かけてよ!」
「どうせまた本を読んでいたんでしょ。それよりも、ちょっと頼まれてくれない?」
「……本読んでるんだけど」
 雑誌を物陰にそっと隠しながら唇を尖らせる。だが、母はさして気にした風も無く、手に持った帳面を示した。
「これ見たら、こないだ稗田様の御本家にお貸しした本、期限が近いのよ。あんたちょっと行ってきて、返せるものがあったら受け取ってきなさい」
「ええー? なんで私が」
「阿求さまにこの量を持ってこさせる気?」
「ぅぐ」
 奉公人らが読むとして、先だって阿求(とお竹)が借りていった本や巻物は、その数優に二十を超える。読むのは阿求だけではないということで期限を長めに設定したけれど、忙しい彼・彼女らに鈴奈庵まで運びに来いというのはあまりに愛想が無いだろう。
「……しかたないなぁ」
 これもお得意様へのサービスというやつだ。雑誌を置いてあった棚に戻して、小鈴は渋々と立ち上がった。


 屋敷を訪れ、門衛に用向きを伝えると、運の悪いことにお竹が玄関口に現れた。自然と肩が強張ってしまう。稗田邸における最古参の奉公人のひとりであり、年若ながら女中頭として敏腕をふるう彼女とは、小鈴とて長い付き合いになるはずだが、冷淡で厳しい印象がいつまでたっても苦手なのだ。
「阿求様でしたら、調べものをされるそうなので、書庫に籠もられておいでです」
「あ、じゃあ、読み終わってる本があればもって帰り」
 お竹から冷然と睨まれぴぃっと悲鳴を上げそうになる。
 なんだろう、なんだろういったい、「この木偶の坊はなにを言っているのかしら空気を読みなさい少しは」とでも言いたげなまなざしは。空気を読んで、気を遣った結果の発言なのに。
「お客様をお通しもせずに追い返したとあっては、わたくしが叱られます。どうぞこちらへ」
 ハキハキと言いきったお竹は背を向け歩いて行く。あれ、と立ち尽くす小鈴をふり返り「早くなさい」と声を張る。
 慌てて小走りで追いついて横顔を見るも、その表情は常と変わらぬ無表情だ。いつもなら、小鈴が訪ねてきても、阿求の邪魔をするなと渋い顔ばかりする女中頭の反応に、頭が疑問符で埋め尽くされた。どういう風の吹き回しだろう。
 細長い廊下を抜け、中央の庭に面した縁側を抜けていると、お竹は「最近」とふり返りもせずに呟いた。出し抜けな言葉に一瞬反応が遅れるも、「えっと、はい?」どうにか相づちを打つことに成功する。
「最近、阿求様は、以前にも増してお美しくなられました」
「は? はぁ」
 唐突な主人自慢に面食らった。
 だが、気の抜けた返事に頓着せず、お竹は前を向いたまま続ける。
「面持ちもずいぶん柔らかくなられて、余裕を得られたようにお見受けします。もともと思慮深く温厚な方でしたが、その優しさをご自身にも向けてくださるようになりました。なにかごぞ」
「優しい……阿求が?」
 辛辣な言葉や小馬鹿にしたようなまなざしが脳裏をちらついて、どうにも実感が湧かない。たしかに、お竹たちを大切にしているのは見ていて伝わってくるし、小鈴を含めた僅々の例外を除けば誰に対しても礼儀正しく猫を被るから、阿求の人望は厚いけれども。
「優しいかなあ」とひとりごちると、お竹は立ち止まってこちらを見た。しまった軽率な発言だった。おまけにお竹の言葉を思いっきり遮ってしまった気がする。慌てて姿勢を正して弁解しようとするも、それよりも早く「たとえば」と指を立てる。
「あなたによくないことが降りかかったら、阿求様は、持てる力をすべて使ってご助力されるでしょう」
「ええと、はい」
「それは、優しさではないと?」
 抑えられているが鋭い言葉に、悲鳴を上げて逃げ出したい心地になる。どうしてこんなことになってしまったのか。口が滑ったからか。
 カコーン、と庭に響いた鹿威しの音に「自業自得」と言われたような気がした。
「その、阿求が助けてくれるのは、そうだと思います。今までも、たくさん助けてもらいましたし……。それってべつに、阿求が優しいからじゃなくて、友だちだからじゃないかなぁって」
 お竹のまなざしが鋭くなった。びくぅ! と身を震わせる小鈴に「というと?」と続きを促してくる。もう勘弁してほしい。
「えっと、だから、友だちが困ってて、自分にできることがあったら、助けるじゃないですか。私だって、阿求がなにか困ってたら手伝いたいって思います。それだけじゃないかと……」
 理屈が通ったことを言えているのか分からなくなってきて尻すぼみになる。
 亀のように首をすくめて上目を向ける小鈴を、お竹は何故だかマジマジと見つめてきたが、やがて、ふっと目元を緩ますとまた歩き出した。まごつきながらも後を追う。
 横に並んで窺っても、こちらを見もしなければ、応えるでも叱るでもない。なんだったのだろう。さっぱり分からない。こういうところも苦手なのだ。
「……阿求お嬢様は」
 久しぶりに聞いた呼び名に顔を上げたら、その横顔は穏やかな微笑を浮かべていた。数えるほどしか見たことがないお竹の笑顔に、珍しい、と内心目を丸くする。これ以上やぶ蛇をつつくのは嫌なので、無言を貫いたけれども。
「阿求お嬢様はおきれいになられました。きっと、これから、さらに。喜ばしいことです。とても」
 困った。かみしめるような言葉自体は理解できるのに、意味も、意図も、さっぱり分からない。
 困惑顔になっているであろう小鈴を、お竹はちらりと見て、こちらをからかうように片目を閉じた。初めて向けられる気安い仕草に思わず足を止めてしまうが、不言実行の女中頭は、小鈴の反応を気にも留めずにさっさと歩いて行ってしまう。急いで追いついて見上げても、その横顔は既に凜とした無表情に戻っていて、先ほどの笑顔は夢か幻か、と混乱してしまう。
 結局、お竹はそれ以上なにも言わなかった。

「あとで差し入れを用意させます」と言い置いて、去って行ったお竹を見送る。
 土蔵造りの書庫の入り口には阿求の文机にくくられている鈴につながる紐が垂れていたが、小鈴はそれには手を伸ばさず、まずは入り口に手をかけた。鍵はかかっていない。少しも迷わず頑丈な戸前を開ける。
 一歩入ると、慣れ親しんだ板と漆、古い書物の匂いが小鈴をつつんだ。全体的に据わりが悪い稗田邸においても、幼い頃から通い詰めたこの場所には自宅と相違ない居心地の良さがある。
「阿求、いるー?」肩の力を抜きながら、靴を脱いで上がりこむ。応える声はない。とはいえ、集中している時の彼女は、こちらの呼びかけを平然と無視するので、構わずに奥の方へ足を進める。
「あーきゅー」
 棚のあいだを進み、明かり窓のひとつの近くに設けられた本が読める一角を目指す。文机と座布団の他に、季節に合わせた毛布も備えられているこの場所は、筆記用具と小型の行灯を持ちこめば第二の書斎になるのだ。
 板張りの床をぺたぺた歩いていくと、ようやく阿求の背中を見つけた。文机に身を預けてへたりこんでいる。
 一瞬、目に映っているものが理解できなくて歩が止まる。次いで、血の気がサーッと音を立てて引いていくのを感じた。
「ちょ、」もつれるように駆け寄って脇にしゃがむ。「阿求、阿求?」肩をつかんで揺らそうとして、あまり刺激してはいけないのではとすんでの所で思い直し、軽くたたく。
 幸い、ん、と声をもらした阿求はのろのろと身を起こした。その事実に腰が抜けそうなほど安堵するが、ぼんやりとこちらを見る目はなんだか熱っぽい。頬も赤い。具合が悪いのだろうか。
「どうしたのよ。体調悪いの? 部屋に戻る? それとも、お竹さん呼んでくる? あっ、松おじいさんのほうがいい?」
 思わず矢継ぎ早に投げかけてしまった言葉に返事はない。ぼんやりと小鈴を見る阿求は、気怠げなままこちらの頬に手のひらを当てると、不意に泣き出しそうに顔を歪めた。何かを言おうとして口を開き、声なき声で呟いて、諦めたような泣き笑いを浮かべる。
「……なんで、あんたは」
「えっと、阿求? ほんとうにどうし、え、ちょっとまってまってなにたおれ、ぅひゃあぃったあ!」
 いったい何がしたいのか。わけも分からず押し倒されて、したたかに打ち付けた後頭部と背中が痛い。ゴン、と響いた鈍い音に、けれど、阿求は構うことなく浮かされたような目でこちらを見据えている。普段なら、ぶっきらぼうな口調と丁寧な手つきで怪我をしていないか確認するだろうに。
 なんだかんだ世話焼きな友人のらしくない姿は、しかし、それだけで終わらなかった。
「小鈴」
「ったた……なによ、もう」
「小鈴」
「いや、だから、なに?」
 もどかしそうに、切なそうに表情を歪めているのに、肝心の用件を言おうとしない。熱の籠もった声で名を呼ばれると、あらぬ気持ちになりそうなのだが、昨日もそれで怒られたのだしここは辛抱すべきなのだろう。
 辛抱すべき、なのだろうが。
「……小鈴」
 甘えるような、ねだるような声音を受けると、どうも我慢が利かないというか。
 半ば強引に阿求と気持ちを通じ合わせてからこちら、穏やかな日常の下に潜んでいる利かん坊な熱情は、ほんの僅かな火種で小鈴自身も驚くほど簡単に燃えさかってしまう。我ながら辛抱が利かないと思うものの、大人びた友人の、あんなに艶麗で初心な姿を知ってしまっては、理性が働かないのも仕方がないだろう。阿求は小鈴を落ち着きがないと評したけれども、こちらを煽って惹きつけているのはどこの誰だ、と思う。
「……怒らないでよ?」
 投げ出されていた両手に力をこめて抱き寄せる。髪飾りをそっと外し口付ける直前に、阿求がふにゃりと情けない笑みを浮かべたのは気のせいではあるまい。


 わずかばかりの冷静さを取り戻した阿求がやったのは、未だ物欲しげに震える身をこちらに任せることではなく、「もっと」と乱れた服をはだけさせようとする小鈴を押しのけ、毛布にくるまることだった。
「ええー?」
 そりゃないでしょう、と不満を上げた小鈴に「ちょっとだまって」と言い置き、もこもこの塊と化す。中途半端な「おあずけ」に、向ける先を見失った欲動がじりじりと身を灼くのを感じた。
 ようやくつかまってくれたはずの彼女が、おそらく小鈴はさほど気にしていない様々なことに気を取られ、怯え慌てるように腕の中からするりといなくなってしまうのは今に始まったことではないが、それにしたってこの仕打ちはあんまりだ。第一、小鈴が取り除いてやれたのはほんの一握りの熱なのだから、情はまだその身を焦がしているだろうに。
「阿求ってば」
 もこもこの塊に触れると面白いくらいにびくりと震えた。逃げようとするのを捕まえて、端を探り当てどうにか頭のあたりを引っ張り出すと、真っ赤になった阿求は目の端に涙を浮かべていた。小鈴を認めてぐずぐずと顔を覆う。
「いやだ、もう」
「こっちの台詞よ。いいかげん観念しなさいって」
「だって、こんな……」
 うー、と泣き顔になる阿求をどのように宥めればいいのか分からない。思いっきり脱力したいような、もう何も考えられないように気をやるまで責めたてたいような、なんとも言えない気持ちがこみ上げてくる。
 だが、耳まで真っ赤にしていっぱいいっぱいになっている彼女を見ると、そのどちらも選ぶのは憚られたので、小鈴は阿求を抱きしめた。
「阿求、あんた、ものっすごく面倒くさい」
「わかっ、わかってるわよ、そんなの」
 私だって自分に呆れてるわよ、と心底しょぼくれた声で言われて、そうでしょうねえ、と頷く。てっぺんが見えないほど遙か高いプライドと、それを支えて尚あまりある勤めと努力を重ねている阿求なのだ。こんな姿、他の誰にも、もしかしたら自分にだって見せたくないだろう。
 でも、だからこそ、
「そういう顔見せてくれるの、うれしいけど」
「……やめてよ、慰めとか」
「ちがうって、ほんとうにうれしいのよ。お利口さんなあんたのこんなに面倒なとこ知ってるのなんて、私だけでしょ? 特別感あっていいじゃない」
 阿求が沈黙した。物言いたげにぐりぐりと肩口に額を押しつけてくる。
 痛い痛いと苦笑しながら、あやすように背中をなでながら小鈴は続ける。
「私はあんたの友だちで、恋人なんだからさ。今さら取り澄まそうったってそうはいかないわよ」
 ぐりぐりが止まった。背中に腕が回される。「生意気」とすげないお言葉を授けられたが、その言葉尻が柔らかく緩んでいたのは錯覚ではないだろう。
「それで?」少しだけ身を離し、照れくさそうに尖っている唇をちょんとつつく。
「いったいなにがどうしたの?」
 教えてくれても罰は当たらないでしょう、と笑んだ小鈴の肩口に、阿求は再度額を押しつけた。

「記憶力が良すぎるってのも考えものねぇ」
「もとはと言えばあんたのせいでしょうに」
 むくれられたのでごめんごめんと額に口づけたら、いっそう気難しそうに口をつぐまれた。が、その頬は赤い。つっかえつっかえ説明された経緯と併せて考えても、怒りよりは羞恥心のほうが強いのだろう。小鈴は頬を緩ませる。
「なによ、鼻の下伸ばして」
「言いかた……そりゃだって、うれしいじゃない。私じゃないと満足できないなんて光栄だわー」
「そんなこと言ってない!」
 心外とばかりにぺちぺち叩いてくる。
 まあまあまあまあ、といなしつつ、小鈴は聞きながら思いついたことを口に出した。
「なら、ひとりでも満足できるように練習したら?」
「……は」
 手を振りかぶった格好のまま阿求が固まる。彼女の理性が返事をするよりも早く、小鈴はにっこりと笑ってみせた。自分を守るようにくるまっている毛布をそっとはがしながら、淫蕩な光を湛え生理的な涙で潤んでいる瞳を覗きこむ。
「だって、今のままじゃ辛いでしょ? 今日はたまたま来れたからよかったけど、またこういう風になったらどうするの? そのたびに私を呼ぶ? それでも、べつに構わないけど」
 問いかけるように言葉を句切る。意地の悪い質問だ、と心中で苦笑した。
 構わないと言ったのは本心だけれど、小鈴には小鈴の生活がある。困ったように眉を下げる彼女が、それを押してまで自分の欲求を通そうとすることなどあり得ない。
 予想通り口をつぐんだまま首を左右に振る阿求に「だったら」と小鈴は言い聞かせる。
「自分で気持ちよくなれるようにしないとね」
「でも」
「大丈夫よ、教えてあげるから」
 おそらく遠ざかろうとした阿求に被せて言う。かなり強引、というか無理がある理屈だと自覚していても、これを逃したら次はいつチャンスがあるか分からないのだ。困ったようにびくつく阿求の手を取り、指先にキスしてから袴の内側に導く。
 着乱れているとはいえ長襦袢・肌襦袢と重なった布地をまくり上げるのは少々骨だったので、先に帯を弛ませた。ほどほどに緩んだ布地をまくり上げ、ほっそりした太もものあたりまで露出すると、冷たい外気に阿求が身を震わせる。
「ここ、濡れてるのわかるでしょ」
「っ……」
 濡れそぼった秘所に細い指を触れさせたら、頬がいっそう赤くなり、怯えるように肩が跳ねた。大丈夫、大丈夫、と言い聞かせ、指の腹で秘裂をなぞらせる。
「ひ、ぅ」抑えきれない声や、阿求の指越しに垂れてくる愛液に我慢が焼き切れそうな気がして、支えていた手を静かに離した。途端に不安げな目が向けられたが、「離しちゃだめよ」と釘を刺したら存外素直に聞き入れる。
「たぶん、もう中に入れても平気でしょうけど、その前に少し上に手を動かして。阿求の好きなところ。わかる?」
「ん……ふぁあっ!?」
「それじゃ強いわよ。そこは敏感だから、もうちょっとやさしくなでるの。じれったいくらい」
「ふ、ぅぁ……小鈴、」
「うん、そう、上手」
 自然に口をついた褒め言葉に、阿求は表情をむずつかせた。
 恥ずかしそうに俯こうとして、己の秘所を自分で弄っている格好をばっちり目に映したらしく、耳まで赤くして目をつむる。赤い布地で隠されているので直接見ることはできないが、静かな空間に淫蕩に響く水音が、恥じらう彼女がそれでも手を止めていないことを伝えてきた。うなじのあたりがチリチリとするのを感じながら、小鈴はうわずった声で続ける。
「そのままでもいいけど、入れるところ、さわってみて」
「っは、……すごい、とろとろして、る」
「でしょ。それ指につけてこすったら、気持ちいいよ?」
「ぅ……んっ、あっ……や、これ、……すぐ、ふわって、っやあ」
「こーら、逃げないの」
 強い刺激に腰が引ける阿求をつかむ。達しそうになった時の癖だ。
 なにか良い手はないかと周囲を見回して、座椅子に目を付ける。力が抜けてくたりとする阿求を座椅子に座らせ、物欲しそうなまなざしににこりと破顔した。
「もうちょっとで気持ちよくなれたでしょう? もう一回」
「う……ま、まだ、するの?」
「これじゃ中途半端なままじゃない。当然よ」
 泣きそうになる阿求をそっとなでて、ぐらぐらと煮え立っている己の欲望には蓋をした。いつまで抑えられるかは分からないけれども、今は駄目だ。
 袷をくつろがせて肌襦袢のボタンも外してから、秘部を弄っていないほうの手を胸に当てさせる。くぅ、と鼻にかかった声がこぼれた。
「こんどは両方ね」
「そ、んなの」
「さわって」
 反論を封じると再度口をつぐむ。可哀想だろうかと良心が痛みながらも、羞恥心に震えながらも小鈴の言葉に従順な阿求を見てしまうと、心のどこかに眠っていたらしい嗜虐欲が変な具合につつかれてしまって、やめる気になれなかった。
「っふぅぁ、ん、……んんっ」
 くちくちと水音を立て、たまらないと目を細めながらも両手の刺激をやめない淫猥な様に見入ってしまう。口の中がカラカラに乾いている。こくりとつばを飲みこんでようやく、自分の心臓が痛いくらいに脈打っていることに気がついた。
「っ、こ、すず……こすず、ぁっ、これ、つよ……もっ」
「……ん」
 許しを求められ頷いたつもりが、かすれていてうまく言えない。んんっ、と喉を震わせて、もういちどゆっくり頷いた。
「いいよ、阿求。そのまま。逃げないで」
 小鈴の声が届くやいなや、顔だけでなく、胸元や太ももの肌までがいっぺんに赤くなる。いやいやをするように首をふりながら、阿求は小刻みに身を震わせる。息を詰め、全身をいっぱいに強張らせる姿を端から端まで、はじめからおしまいまで総てを見届けるのは、そういえば初めてだ。
 くたりと座椅子に身を預け、荒い息をこぼす阿求に、目の奥のあたりがチカチカとひりつく。弛緩しきった顔に近づいて、ちゅ、と軽くついばむと、思った以上に強い力で抱きしめられた。
「あきゅ、」
「おねがいだから、もう、ちょうだい」
 震える声できっぱり言われ、ぅぐ、と喉が変な風に詰まる。間近にある目は、いつもの冷静さも、閨を共にする時の羞恥心も失くしていて、情痴を孕みグラグラと揺れていた。呑みこまれそうなほどに逸っている欲情を感じながら、ぽつりとこぼす。
「なか、自分でもできるけど」
 たしかに己の声なのに自分が言ったという感覚がない。抱きついてくる阿求をなで、体勢を入れ替えて座椅子に落ちつきながら、小鈴はそんな自身を笑う。これ以上黙って見ている気などさらさらないくせに、よく言えたものだ。
 こちらの状態を知ってか知らずか、阿求はふっと切なげな微笑を浮かべると、首に手を回し口付けてくる。ねだるように差し入れられた舌に応え、邪魔な布地をまくり上げる。銀の糸がかかった唇をぺろりとなめて、阿求は小鈴の目を覗きこむ。
「あんたじゃなきゃ嫌なの。……わかってよ、それくらい」
 知らずのうちに口元が緩んだ。答えの代わりに口付けると、阿求は嬉しそうに喉を鳴らす。

 さほど力はこめていないはずなのに、小鈴の指は根元までぬるりとくわえこまれた。ひっ、と引きつった声が耳元で落ちるが、苦痛の色はなく、甘美な悦びに満ちている。逃すまいと絡みついてくる膣壁は火傷しそうなほど熱い。どこかうつろな響きで自身の名がくりかえされるのを聞いていると、どうしようもなく凶暴な欲動がこみ上げてきた。
「っああ!?」
 その欲動に任せざらついた箇所をえぐる。淫らな悲鳴をこぼし、びくりと身体が跳ねるたび、むせかえるほど色濃い阿求の匂いが香り立ち、頭の芯まで蕩けていく。秘所から垂れた愛液が緑色の袴も濡らし、小鈴の太ももをぬめらせる。
「や、小鈴っ、ぃきなり……ふゃっ、つよ、いぃっ!」
 甘やかな非難を向けられても止められない。がくがくと強張る体を抱き寄せ、丹念に弱い箇所を撫でさすると、阿求は呆気ないほど簡単に頂に達した。
「ふあ、ぁ」焦点の合っていない目に笑いかけて、崩れ落ちそうになった体を板間に横たえる。乱れに乱れた着物や帯まわりに「あとで洗わなくちゃ」と呟くものの、その隙間からのぞく桃色の素肌に煮え立つような衝動が胸を突く。
「阿求、」
「……ぁ……ま、って、こすず……ちょっと、やすませ」
「阿求」
「ぃ、ぁあっ……」
 鎖骨から胸元を唇でなぞりながら、秘裂を指で割り開く。情炎に燃えるそこはもどかしそうにひくついていて、ふと思いついて中指だけでなく薬指も差し入れてみた。
「ひぃっ」
「ん、はいったね」
「やっ、ふと……やだ、おねがい、ぬいてっ」
「痛いの?」
「ぃたくな、けど……くるしっ、からぁ」
 は、ふ、と吐息混じりに懇願される。
 少しだけ首を傾げて考えたが、そも、最初の頃は指一本でも痛がっていたのだし、その時だって苦しそうだったし、二本の指を締めつける膣壁は嬉しそうにぐにぐにうねっているし、と判断して、指は抜かずに口付けるだけに止める。抜かない代わりに動かしもしない。阿求の体が慣れてくれるまでは、
「こっち、ね」
「ぁんっ!」
 充血し硬くなっている乳首をなめる。桃色の先を舌でつつき、たっぷりと唾液をからめて口に含んだら、阿求は快感から逃れようと身をよじった。
 きゅうきゅうと締めつけてくる膣壁に、薬指は伸ばしたまま中指だけ曲げ、弱い箇所をそっと押しこんでみる。「やっ」身が跳ねたせいで胸が唇に押しつけられる。間違っても噛まないよう注意を払いながら、胸と中の弱い場所を丁寧に愛していく。
「まって、まってぇ! や、ひっあ、やだぁ……ぅあっ、つよ、やあぁっ」
 じたばたと快楽から逃れようとする阿求を自身の体で固定し、丹念に刺激を続ける。やだ、やだ、とうわごとのように嬌声に混じる言葉は、求めるように押しつけられる腰や胸と正反対で、だから、小鈴は愛撫を緩めなかった。
 声にならない悲鳴を上げて阿求が打ち震える。痛いくらいに締めつけられた指の根元から、粘度のある愛液が噴きだしてくるのを感じた。二度、三度、と波打つように身を震わせ、淫楽に蕩けたまなざしは焦点を結んでいない。
 ひくつく秘所を刺激しないよう指を抜くと、ねばついた液がまとわりついている。陶酔に近い心持ちで口に含もうとした小鈴だったが、ひゅっと息を吸いこんだ阿求が咳き入るほうが早かった。叱りつけられたかのような勢いで頭が冷えた。
「わっ、あ、阿求!」
 慌てて体を横向きにし、汗ばんだ背中を宥めるようになでる。けほ、こほ、と幾度も咳きこんだ彼女は、幸いにして、弾みでむせかえったり喉を痛めたりすることはなかったが、それでも荒い息を重ねている。よくよく考えたら、休憩らしい休憩も挟まず何度も絶頂に押し上げてしまった。辛かったろうに。悪いことをした。
 眉を下げ、労りをこめて肌をなでていると、不規則だった呼吸が次第に治まっていく。ホッと息をつき顔を覗きこんだら、じんわりと涙で濡れた目は小鈴を認めてふっと綻ぶ。
「なんて顔、してんの」
「だって、その……無茶させちゃったわ。ごめん」
「謝らないで」
 床に手を突いて起き上がろうとする彼女を慌てて支える。こちらにもたれかかれるようにして座らせると、遠慮なしに身を預けてきた。未だ長く息をしながら小鈴の頬をふにふにとつつく。
「うれしかったのに。そんな顔で謝られたら、堪えるわ」
「……そ、そう?」
「そう」
 もうちょっと休ませて、と目を閉じ力を抜く阿求を、へどもどしながらも両手で抱きかかえる。言われた言葉の意味を考えて、理解して、小鈴はむずむずと口元を緩ませた。
「あんたって、けっこう、私のこと好きだよね」
「調子に乗るな」
「あたっ」
 即座に頭をはたかれる。けれど、脱力しきった手はへろへろで、これっぽっちも痛くなかった。

 ***

「ほら、早くしないと昼餉がなくなっちゃうわよ」
「そんなこと言うならちょっとくらいかわってよ! 気を遣うのよこれだけ上等だと!」
「その上等な着物に紅茶をこぼしたのはどこのどなた?」
「うぐ」
「いつもいつもおばさまに任せっきりだからこうなるのよ。貴重な経験と思ってがんばりなさい」
「私だって干すのは手伝ってるも、おっと」
 借りた浴衣にたすきを掛け井戸端にしゃがむ小鈴の言を、同じく浴衣の上から厚手の綿入れを着た阿求が鼻で笑い飛ばす。とっさに言い返そうとした小鈴だったが、腕にこめる力が強すぎたせいで洗濯板がガリッと音を立てる。慌てて肌襦袢を確認する。布地は無事だ。ホッと息をつく。
「……ほんとうに穴開けないでよ?」
「うん、えっと、気をつけるわ」

 阿求が人心地付いてから、最初に小鈴が取りかかったのは、板間や座椅子に漏れてしまった水気を掃除することだった。当然のことながら、阿求はひどく恥ずかしがって自分もやると譲らなかったが、まさか腰が抜けた彼女に床掃除をさせるわけにもいくまい。
 そうしてから、びしょ濡れになった彼女の衣服と、若干その煽りを食った自分の衣服をどうするか、という問題に直面したふたりの前で呼び鈴が鳴る。戸前を開けると、ふたり分の紅茶を用意したお梅が「差し入れです」と笑んでいて、そこで小鈴は閃いた。
 紅茶をこぼしたことにしてしまおう。
 その言い訳を阿求と共有し、ある程度時間をおいてから奉公人に着替えを所望する。訳を話すと、ならば私がとお梅がたすきに手をかけたが、実際に触られたらさすがに違和感に気付くだろう。「自業自得」と口裏を合わせて洗濯用の器具だけ拝借し、阿求の指示のもとふたり分の衣服に手を入れている小鈴だった。
「これで……よし。阿求、ひととおり洗ったわよ」
「じゃあ、襦袢も着物の横に干しましょう。今日が晴れていてよかったわ」
「ほんとよねぇ」
 水気を絞り、勝手口から出た先の洗濯干し場のほうへ移動する。屋敷への来客からは死角になっているこの一角には、奉公人と主の洗濯物が陽光を受けはためいていた。快晴の空の下、これだけの数が一気に干されているとなかなか壮観だ。
 肌襦袢二枚と長襦袢を折りたたみ、ぱんぱんと音を立てて皺を伸ばす。四角く薄くなった襦袢を小鈴から受け取った阿求は、丁寧に広げて何度か風を通し、袴や上掛けの横にかけていく。
 流れ作業を終え、風にはためく洗濯物が飛ばないよう止めて「これでよし」と頰笑んだ横顔は満足げだ。その横顔にふっと思い出した言葉があった。
「そういえば、最近あんた、きれいになったって」
「……は?」
 唐突な言葉に阿求が目を丸くする。彼女を驚かせられたことに気をよくしつつ小鈴は続ける。
「来るときにお竹さんが言ってたんだけど。阿求お嬢様の健やかな成長を喜んでたわよ?」
 からかうように言ってみたら阿求は顔をしかめて頬を染めた。「知らないわよ、そんなこと」とそっぽを向く態度が珍しく子どもっぽくて笑ってしまう。
「てれてるでしょ」
「てれてない」
「素直に喜べばいいのに」
「だから、てれてないって」
 はいはい、と手をふったらムキになったように頬を膨らませる。これ以上おちょくって機嫌を損ねたらことなので、「そんなことより、ほら、お昼!」と声を張った。
「もうおなかぺこぺこよ。今日のお昼ごはんはなにかしら」
「……まったく、調子がいいんだから」
 たすきをほどいて勝手口のほうへ向かう。ごはんごはん、と鼻歌交じりで歩く小鈴の横を、阿求は呆れたように歩いていたが、ふと「あんたはどう思うの」と尋ねてくる。
「なにが?」
「だから、お竹が言った、その」
「ああ、阿求がきれいになったかって? どうかなぁ……」
 宙を見据えて考える。阿求が。きれいに。
 わりと時間をかけて真剣に考えてみたが、どうにも実感が湧かなくて、小鈴はへらりと笑みを浮かべた。
「あんたは前からきれいだからねぇ。今さら言われても、あんまり実感湧かないわ」
「ああ、そ、……そ?」
「阿求?」
 歩を止めた阿求をふり返る。こちらを見る阿求は珍しくぽかんと口を開けていて、さてそんなに驚かせるようなことを言ったかと己の発言をふり返り。
「あっ」
 小鈴の頬が熱を持った。
「や、あのっ、ちがう、まちがえた、……いやまちがってないけど、まちがってないけど!」
 しどろもどろに弁解するも、心臓が変な風に跳ね回るせいで理由らしい理由を言えない。
 あわあわと身振り手振りで誤魔化そうとする小鈴に何を思ったのか、阿求はふっと噴きだして「はいはい、どーも」と微笑する。
 そうして、固まった小鈴を置いてすたすたと歩いて行く後ろ姿に、顔が爆発したみたいに熱くなる。「あー!」と小鈴は悲鳴を上げ、慌てて阿求に駆け寄った。
「ちょっと、あきゅ、今のなし、今のなし!」
「あらひどい。せっかくの褒め言葉を忘れろって?」
「いやっ、そっ、だ、だって! なにか、なにかちがうじゃない! 恥ずかしいじゃないこんなの!」
「私だってそこそこ恥ずかしいんだけど」
「私はもっと恥ずかしいの!!」
 さっさと歩を進める阿求を、早歩きで右に左に追い越しふり向きながら、どうにかして忘れさせようと説得を試みる。だが、阿求はこれっぽっちも聞いてくれず、挙げ句の果てに、小鈴の唇に人差し指をおいて黙らせたと思ったら、その指で自分の頭をとんとんと叩いて見せた。
「悪いけど、消去機能はついていないの。……ついていても消さないけどね」
 そう言って浮かべるはにかんだ笑顔はあんまり可憐で、うれしそうで、小鈴は言葉を奪われる。
「んー……!」と口元がむずついた。こそばゆいったらありゃしない。
「……もう! 阿求の分からず屋!」
 真っ赤になって叫んだ小鈴を、阿求はにこにこと見守っていた。
初めまして、もしくはお久しぶりです。空賀青と申します。
ここまでお読みいただきありがとうございました。お疲れさまでした

書く前
小鈴ちゃんを思って切なくなっちゃって自分を慰める阿求様ほしいぞ!!
書き始めて割とすぐ
誰か小鈴呼んできて早く

少しでも暇つぶしになりましたら光栄の至りです

(8.6追記)
>>1様
精進します(お言葉が有り難すぎて頭が上げられませんという気持ち)
(8.26追記)
>>2様
誤字報告ありがとうございます、修正致しました!またやってしまった!以後気をつけます!
そして、いつもご丁寧なコメントを頂き、本当にありがとうございます。土下座がやめられませんありがとうございます。
趣味を詰め込んだ結果キャラ崩壊甚だしい事態になってしまいましたが、楽しんでいただけましたら幸いです。
いい加減阿求様にひっくり返してほしいのですが、拗らせすぎのヘタレ発動コンボを食らいまして、一夜のクシナダを十杯程突っ込みたい気持ちでいっぱいです(暴論) コメントありがとうございました!
空賀青
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
最高です
(いつもあきゅすずをありがとうという気持ち)
2.性欲を持て余す程度の能力削除
店内でイチャコラはじめやがるなんてさかりすぎぃ!もっとやれ!(ビデオカメラを構える)
マイペースな小鈴に流されっぽい阿求だけど一度火がついたら収まらない彼女のほうが案外性欲って強いのかもしれませんねぇ。来たのが霊夢だからよかったのか悪かったのか、結局は察せられてしまっているのがなんとも。案外、彼女たちを囲む人妖のほとんどがふたりの関係を知っているのかもしれませんね(いいですね、いいですね、そうだと感づいて顔を赤らめる阿求ちゃん素敵ですねぇ……)。こりゃあそろそろ見つかるかお節介でそういった状況作ったり耳打ちで勧めてくるキャラが出てきそう(ボブは幻想入り出来ないこの身をひどく恨みました)
炙られた本能を冷ましたくても稗田の能力が邪魔して感覚の不一致に悩まされる阿求の切なさがぐっときました。覚えてるからたどるのは簡単だと高をくくっていたら、現実と頭のなかの小鈴が重ならない現象が起こるんですもん、なるほどっ!と百合レセプターがびこびこ反応して終始にやにやが止まりませんでしたw
外界のちょっとえっち本を読み耽る小鈴ちゃんの親が入ってきたときの反応が可愛い。初潮も迎えて多分自慰だってしていそうな彼女だけど、自分よりも好きな人を果てさせるほうが好きだったりするのでしょうか。唇と体温を重ねて甘い息遣いで耳がとろけていくのが好きっぽくても、自分だけが知っている阿求を眺めるのが好きってなってそう(自分の性欲そっちのけで)
お竹さんからすれば嬉しいような嫉妬ガン向けしたいようなと複雑かもしれませんけど、従事する立場からは動かないでしっかりとふたりっきりを許してくれているあたり、やっぱり認めているんだろうなぁという雰囲気が伝わってきてほっこりしちゃいました(小鈴本人が気づくのはさてどれくらいかかることやらw)。火照った体で自分だけを求めてくれる情欲にあてられて抑えられない年頃特有の衝動で口づけしちゃう小鈴ちゃんイイ…すぐにお預け食らわされちゃうへたれ場面はちょっと可哀想でしたがw
小鈴チャンスと言わんばかりに状況に付け入るところは燃えますねぇ、罪悪感もなく欲望のままにいっちゃうところがなんとも彼女らしい。ゆっくりと自身の女の部分を教えられて、拙いところもありながらも感じていく阿求が可愛くて、けれどやっぱり小鈴の指じゃなくちゃ満足できなくて、理性の利いていないような愛撫で達する阿求もやりすぎちゃった感であわてちゃう小鈴もどっちも最高すぎる。同性婚の本を幻想入りさせてこいつらくっつけようぜと触れ回りたいくらいです(変態)
しかし絶妙なタイミングで紅茶を持ってくることにボブは訝しみました。これはお竹さん壁にミミアリーで把握しているのでは???ボブはわけもわからずシコりまくった
記憶と現実との差違を克服できたのなら、今度は阿求が欲求不満を埋めるべくしてたけどやっぱり小鈴じゃなきゃいやで収まらないとかありそう……結局解決してないですねこれはセックスしかないですねぐひひ(ニチャァ)
今回もよき百合成分たっぷりでとても楽しめました、ありがとうございました
誤字脱字報告にて終わりたいと思います↓

昨日もそれで怒られたのだしここ辛抱すべきなのだろう。→ここは?