真・東方夜伽話

スレイヴ・オブ・ミッドナイト

2018/02/11 15:11:12
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スレイヴ・オブ・ミッドナイト

喚く狂人

ホフゴブリンタグ使ってんの俺しかいねーじゃねーの

「では、十六夜咲夜。私の従者としてふさわしくなるべく、今夜も学んできなさい」
 伝え、レミリアは鉄扉を閉めた。真面目な咲夜のことだから、明日の朝に迎えに来るまで、男どもの慰み者になり続けることだろう。それが研修であると信じて。
「悪い奴だなぁ? 人を騙すなんてよぉ」
 扉が閉められたのを見計らって、廊下の陰や近くの部屋から、ホフゴブリンたちがぞろぞろと集まってきた。馴れ馴れしく、肩に手を置いてくる。
 彼らの言葉は事実だ。研修と称した輪姦劇の目的は、咲夜にかつて説明したようなことでは全くない。
 もちろんこちらにも言い分はある。彼女の信じる完全だの瀟洒だのというのは、かつて己が嵌まっていた過ちと同種の、全く間違った考えだ。正されなくてはならないが、あの手の勘違いは、口で説明したって駄目だ。一度価値観を打ち砕かなくては、どうにもならない。かつて、自分がされたように。
「お前みたいな嘘つきは、罰を受ける必要があるよなぁ?」
 ホフゴブリンが顔を近づけ、頬をれろりと舐めてくる。夏場のドブ川のような匂いがする。彼の言う通りだ。善意でやっていることだが、騙しているのに変わりはない。人を騙すことは正しくないことであり、糾弾されねばならない。
「今日も、俺らが正してやるよぉ」
 周囲から向けられるのは、とびきり下卑た視線だった。ああ、そうだ。己に向けられる視線には、畏怖や尊敬ではなく、こういった感情がこもっているべきだ。
 ホフゴブリンには感謝してもし足りない。どうしようもなく愚かであった自分に、正しい道を根気強く教え、導いてくれているのだから。
 そのことへの感謝を忘れないよう、挨拶くらいはして当然だ。
「皆様。この私、レミリア・スカーレットは、誇り高い吸血鬼などと名乗りながら間違った生き方を続けてきた、まったく愚かな女です。さらに己の従者まで騙し、利用するなど、言語道断のことです。こうまで性根が腐った私を正すためには、やはり皆様のお力をお借りするしかありません。今夜もどうか皆様のお力で、おチンポで、私をあるべき道に導いてくださいませ」
 床に膝を、手を、額をつける。いわゆる土下座の体勢だった。館外の者が見れば、目を疑うだろう。あのレミリアが、ホフゴブリンなんかに頭を下げている! と。
 しかし、彼女は本気だ。自分はどこまでも浅はかで、間違っていて、ホフゴブリンらによってのみ正されうるのだと信じていた。
「いいぜ、俺らは寛大だからな」
「ありがとうございます」
 向けられる目は、目の前の女をどう踏みにじってやろうかという意地悪な考えで満ち満ちている。それでもレミリアは、彼らの寛大さを信じ切っている。こんな無価値な女の更生に付き合ってくれるなんて、聖人のようだと。
「よし、じゃあ、まずは脱げ」
 常軌を逸した要求だ。ここは廊下で、誰が見ているとも分からない。だのに、肌をさらせというのだ。
 覚えるべきは反感だが、レミリアが得たのは恍惚だ。衆人環視の下で、産まれたままの姿になる。それはまさに、己にとってふさわしい行為であるように思えた。
 ようやく立ち上がり、自らのドレスに手をかける。見せつけるように、時間をかけて己自身から剥ぎ取っていく。隠れていた肌を衆人環視の下へ露わにしていく。
 女らしい部位の強調された肉体ではない。外見年齢相応に起伏が少なく、はっきりいってセックスアピールには欠ける。ただし、魅力がないという意味ではない。むしろ溢れている。だれもが目を釘付けにされ、賞賛せずにいられない、無垢な美しさがあった。本人は自らのことを、汚れないなどとは欠片も思っていないが。
 日光を天敵とする吸血鬼であるため、肌は雪に晒した縮のように白く、滑らかだった。ごくごく僅かな擦り傷の一つすらもない。月光にかざせば、血管が透けて見えそうなほどだった。
 首はくびれば折れてしまうだろうほどに細く、儚い印象を与える。鎖骨はうっすらと輪郭をうかがわせている。伸びやかに肩へと向かいながら、広背筋との間に窪みを作っている。もしここに雨露が溜まれば、甘露となることだろう。
 乳はほとんど平坦で、ところどころ胸郭が窺える程度に肉付きが薄い。注視すれば、肉体本来の輪郭とは別に、柔らかな肉が稜線を描いているのが窺えるだろう。揉みしだく楽しみはない。だが、鑑賞し、今後どのように花開いていくか想像する楽しみを提供している。
 低い丘の先端、乳輪は、地肌の色白さもあって、かなり薄い色合いだ。淡く、桜を思わせる。乳首も体格相応に小さく、控えめに主張している。
 そこには、明らかに場違いなものが取り付けられていた。金色の、ピアスだ。リング状で、鈴がぶら下がっている。呼吸のため胸が小さく上下するたび、ちりっ、ちりっと音を立てている。甘い、だが絶対に絶頂できない程度の快感を、レミリアは覚えていた。鈴には凶悪な呪術が込められており、乳房に快感を与え続けていた。なだらかな肉体にピアスがぶら下がっているのは、あまりに淫らだ。この女は純なるものではまったくなく、このようなものを取り付けられるのがお似合いの浅ましい輩だと、喧伝しているかのようだ。
 シルエット全体の凹凸のなさを裏付けるように、腹にもほとんどくびれがない。胃下垂気味のなだらかな輪郭を描き、ぽっこりとしている。すべやかで、剥き身のイカを連想させる。中央では、可愛らしくくぼむ臍が鎮座している。
 さらに視線を下に向かわせると、当然、腰に行きつく。だが、外見年齢にふさわしい、穢れを知らない秘部を見ることは、誰であっても不可能だ。なぜならば、冷たい金属の輝きが、彼女の下腹を戒めているのだから。
「おっ、ちゃんと言いつけ守ってたんだな」
「もちろん。貴方たちの言うことだもの」
 着けられていたのは、下着ではない。貞操帯だ。ロックとなる南京錠が暗い輝きを放っている。華奢な体つきに対して相当ごつく、異様に見える。他ならぬ彼らに、着けるよう命じられたものだった。
 純潔を守るためではない。彼女は既に、処女ではない。矯正のため、とのことだった。お前のような雌犬に躾をするのは、こういうものでも使わないと無理だ、という理屈だ。主張を裏付けるように、レミリアの太腿に、溢れた雌蜜が滴っている。発情した、ツンと鼻を刺すような匂いが漂っていた。
 そういう事情だったので、レミリア自身はこの拘束具の鍵を持っていないし、所在すら知らない。鍵を外すのはいつもホフゴブリンだ。彼女の性の自由は、本人からすら遠ざけられている。
 ともあれ、冷たい金属の拘束具を除けば、彼女の肉体は全てがホフゴブリン達の視線にさらされている。品定めするような目で、無遠慮に見つめられている。強い羞恥と、それ以上の高揚を覚える。もっと見てほしいと感じていた。
「へへッ、いいザマじゃねぇか」
「んっ、あは、んぅ」
 乳房を、無遠慮に触られる。ちりりん、と鈴が音をたてる。遅れて、甘い声が零れた。こうした小さな一歩の積み重ねが、僅かずつながら、己を正しい道へ進めてくれるのだ。
「よし、そんじゃあホレ」
「あっ……」
 無防備な身体に手が伸びる。首輪が嵌められた。むやみやたらとごつい。誇り高いなどと自分で言ってしまうような、浅はかな雌にはお似合いだ。
 ホフゴブリンたちが歩き出す。首輪からはリードが伸びている。ついていこうとすると、膝裏を蹴られた。思わず姿勢を崩し、床に手をつく。
「お前、なに勘違いしてんだ?」
 溜息をつかれた。理由は分からないが、彼らを失望させたのに間違いはあるまい。理由を探るが、思い当たらない。
「勘違いというと?」
「首輪ってのは、どんな生き物に着けられるもんだ? え?」
「ああ……」
 わかりやすいところで、犬や猫だ。言わんとするところを察した。なるほど、二本足で歩くものが、首輪など嵌めているはずもない。なのに、自分は嵌められている。ということは、実は自分は、四つ足の生き物だったということだ。
「分かったらホレ、さっさと行くぞ」
 ぐいと、リードを引っ張られた。地べたに手や膝をついたまま、歩を進めていく。乳首に取り付けられた鈴が、ちりん、ちりんと音を立てる。石の床は冷たく、硬い。誰も彼もが、自分を見下ろしている。恍惚を覚える。こうして尊厳を失うことで、あるべき姿により近づいていくことができる。
 今のように下卑た目に晒されていると、一年前のことを思い出す。彼らに感謝することになった日、己の過ちを初めて自覚した日のことを。
 寝入っていたところを、ホフゴブリンらに襲われた。吸血鬼としての誇りというのが間違った考えであり、己が浅ましい雌に過ぎないということを、一晩中、入れ替わり立ち替わり教えてもらった。五百年ほど生きてきて、あれほど鮮烈な経験はない。穴という穴に何十本という肉棒をねじ込まれ、何百発という精を植え付けられるのは、長い生の中でガチガチに固まった固定観念を打ち砕くには十分だった。
 そうして価値観が砕け散って、アイデンティティが崩壊したところに、彼らは正しいあり方というのを授けてくれた。代わりに純潔を差し出すことになったが、どうせあのまま保っていたところで宝の持ち腐れである。むしろ喜ばしいくらいだ。
 それからは、毎日がこんな具合だ。ホフゴブリンに媚びて教えを請い、雌として更生させてもらう日々。誇りも尊厳もずいぶんと失ったが、引き換えに得たものを考えれば、ずっとずっと成長できた。
「あぁッ……」
「なんだ、歩いて感じてやがんぜ、コイツ」
 地べたを這い回る現実と、甘美な記憶とに、甘い溜息が零れる。はたから見れば、彼らが嘲笑う通り、歩きながらよがっているようにしか見えなかった。貞操帯の内側から蜜が溢れ、太腿を滴り床を濡らしていく。
「ヒンッ!」
 汚してるんじゃねぇと、尻に平手を打たれる。身体が跳ねる。折檻としての一発だったのだろうが、今の彼女にはむしろ褒美であった。とろとろと溢れる汁は留まるところを知らない。
「あら……レミィ? 楽しそうなことをしてるのね」
 角を曲がりばなに、声をかけられる。見上げる。立っていたのはパチュリーだ。一年前、ホフゴブリンに力を貸し、レミリアを輪姦劇に叩き込んだ張本人だ。
 友人であるとは認識していたが、あの夜以来、無二のという接頭語がついた。過ちをたしなめてくれるような友は貴重だという。ああまで間違っていた愚かな自分を根気強く説得してくれた彼女は、最高の恩人にして最高の友だろう。
 そして、偉大なる先輩でもある。彼女は正しく生きている。彼女の生き方を学ぶことが自分の成長にも繋がると、レミリアは確信していた。
「よう、魔女様よ、相変わらずエッロい身体しやがって」
「ふふ、ありがと、ンッ、あはッ、あぁ」
 受け答えの言葉は、最後まできちんと発音されなかった。くちゃっ、くちゃっと、口を開けてものを噛むような音がする。ホフゴブリンは何の気なしに、パチュリーの剥き出しの淫裂へ指を伸ばし、滑り込ませていた。挨拶代わりに手を軽く上げるような気軽さだ。
彼女の方も、文句を言ったりはしない。むしろ彼らにはそうする権利があるというように受け入れ、自ら腰を突き出してみせる。
 ぴっ、ぴっと、しぶいた淫蜜がレミリアの顔面に滴る。羨望を抱く。あんな風に弄られたら、きっと気持ちがいいだろう。ああして教え諭されるときは、天国のようにも感じられるのだ。
 羨ましいといえば、パチュリーの身体もだ。彼が指摘するとおり、非常に肉付きが良い。ホフゴブリンに力を貸すようになってからは特にだ。ペニスを悦ばせるため、身体のほうが変わっていっているのだろう。乳房も腹回りも腰も尻もはちきれんばかりに豊かで、
 嫉妬してしまいそうだ。なにせ自分ときたら、このようなちんちくりんであるから。
 まさに男に尽くすためにあるような極上の肉体が纏うのは、黒光りするボンテージだ。サイズも面積も小さく、たわわな肉は溢れてしまっているし、乳房や秘部が剥き出しだ。彼らが触れやすいように、という配慮だろう。良い考えだ。正しく生きる限り、女の肉体は隠すためでなく、さらけ出して使われるためにあるのだから。手足を覆うロンググローブやピンヒールのサイハイブーツが退廃的だった。
 肉体を飾るのはそれだけではない。紋様とピアスもだ。顔から足までびっしり刻まれた幾何学模様は呪印で、性欲と性感を増強させる効果をもつ。さらに、耳鼻唇乳首に臍にクリトリスにラビアと、あらゆるところにピアスが取り付けられている。こちらもやはり同種のエンチャントが込められている。
 常人ならば発狂ものだというのに、平然としていられるのだからすごい。正しく生きられている者は、あれだけのものを刻まれても、狂ってしまったりはしないのだろう。もっと精進しなくてはならない。
 だが、なにより目を引くのは、やはり腹だ。全体的にたぷたぷとした曲線を描く彼女の輪郭において、風船のように張り詰めている。中に、子がいるのだ。もともと広く濃かった乳輪は、妊娠の事実を証明するように、大きくなり黒ずんでいた。
「ずいぶん、大きくなったわね」
「ええ。もう七ヶ月よ。早いものね」
 言って、パチュリーは生命を育む己の腹を撫でる。瞳は慈愛に満ちていた。父親は分からない。一日に数えられないほど膣内射精を受け止める生活なのだから、分かるはずもない。ただ、少なくともホフゴブリンとのハーフになることは明白で、それさえ分かれば十分だ。紅魔館の住人として、彼らの繁栄に貢献できること以上の幸せはあるまい。
 自分もこれまで三桁以上の精を受け止めてきたが、ついぞ子を授かる幸福にはあやかれていなかった。吸血鬼は極端に孕みにくいのだ。羨ましいし、眩しく感じる。
「アッ、はンッ、んぅ、あっ、あぁ」
「ヒヒッ、ガキの分なんて残してやらねぇよ」
「んッ、そんなの、だめよぉ」
 こぼれんばかりの両乳房を、ホフゴブリンが根元から先端にかけて揉みしだく。そこから、薄ら黄ばんだ母乳がとめどなく溢れ、乳肉全体を濡らしていく。さながら牛の搾乳だ。くっちゃくっちゃと、彼は品のない音を立てながら両乳房に舌を這わせ、甘露を舐め取っていく。母性でなく、一匹の雌としての欲望が、パチュリーの媚びた声に現れていた。
「あぁ……ッ」
 うっとりとした呟きを、レミリアは零す。すぐ、恨めしいものに変わった。友人の痴態を目の当たりにして、指は反射的に己の股ぐらへと向かっていた。当然、無慈悲な金属の壁に阻まれる。
「またサカりやがって。だからお前にはソレ着けてんだよ。分かってんのか?」
「あんっ! ……申し訳、ございません」
 もちろん、見逃すホフゴブリンではない。咎められ、後頭部を踏みつけられる。思わず、甘ったるい声を零してしまう。かけられる重みに逆らうことなく、床に額をつけ、謝罪する。愚かなことをしてしまった。彼らが更生のために頑張ってくれているというのに、当の本人が浅ましく欲望を貪るなど、思いやりを無駄にしているではないか。
「まったく。おい魔女様よ、この馬の手綱とってやってくれや」
「手綱……ああ、そういうこと、分かったわ」
「あうぅッ」
 頭上で、何らかのやりとりが交わされる。すこし遅れて、ずしりと重みを背中に感じた。パチュリーが、横向きに乗っかってきたのだ。四つん這いの不安定な姿勢で、彼女のような豊満な肉体を支えるのだから、かなり負担がある。それでも支えていられるのは、吸血鬼の膂力のおかげだ。
「レミィは小柄だしどうかと思ったけど、案外悪くないわねコレ。ほらレミィ」
「ンッ、んぅ、ちゅる、んっ」
 彼女は足を浮かせ、ブーツを口元に差し出してくる。舌を伸ばし、舐める。ただの靴に過ぎず、味もへったくれもないが、恍惚がレミリアを満たす。
 しばらくそのように口奉仕していたが、ホフゴブリン達が歩き始めたので、彼女もついていく。
 背中に柔らかさを感じている。友人の尻と太腿の肉だ。ホフゴブリン達が好むのも分かるというものだった。欲望うんぬんを差し引いても、むっちりとして弾力があり、感触が心地よいのだ。
「何してるの? もっとしゃきしゃき歩きなさいな」
「んッ、んぅッ、ぅう」
 人ひとり乗せているのでペースが落ちるのは当然だ。だが、友人はそれを許さない。ぐりぐりと、踵で腹を圧迫してくる。ピンヒールなのもあって痛い。奥歯を噛んで堪える。親友に対して、容赦のないやつだ。いや、友だからこそ、こうして遠慮なく駄目出しができるのだろう。ありがたいことだと考えなくては。更生のためには、こうして近い者にこそ踏みにじってもらうべきなのだ。自分が咲夜にしているのと、同じことだった。
 叱咤によって、手足の動きはいくらか速まった。ホフゴブリン達の歩みにはついていけている。それでも、パチュリーは満足していないようだった。
「ちょっとレミィ。やる気ある? 足蹴にされるだけじゃ刺激不足なのかしら。なら、こんなのはどうかしら」
「えッ、ちょッ、痛っ、あぅううッ」
「ひひッ、なんだ、いい豚顔だぜ、お似合いだ」
 鼻腔に、フックが引っかけられる。そのまま、ぐいと上に引っ張られる。すっと通った鼻が、醜く歪められる。
 己の目鼻立ちには少しばかり自信があった。これは自尊心を踏みにじられているに等しい。だからこそレミリアにとっては、素晴らしいことであった。プライドだとか誇りだとかいうものは危険だから、隙あらば捨てていくべきだ。そういうものを凝り固めてきたせいで、五百年も生きてきて思い上がりを正してもらう羽目になったのだから。
「まだ遅いわね」
「アッ!?」
 吸血鬼の優れた聴覚が、小さい、しかし鋭い風切り音をとらえる。一瞬後に、破裂音が響いた。同時に、痛みが彼女を襲う。
 鞭で尻を打たれたのだ。ちょうど、馬にするように。突然のことに硬直してしまう。それが気に入らなかったのか、パチュリーは追撃を加えてくる。
「これでもまだ足りないの? 駄馬だこと。もっと頑張らないと、お尻がお猿さんみたいになるわよ? それとも、もっと叩いてほしいのかしら」
「アッ! はっ、あッ、んぅッ!」
 ぱぁん、ぱぁんと、臀部を鞭打たれる。執拗だった。叩かれる痛みの他に、ひりつくような熱を覚え始める。鏡で見れば、それこそ猿のように赤くなっていることだろう。
 叩かれるたび、レミリアは悲鳴を上げる。甘いものが混じっていた。一年間の更生を通じて、苦痛を快感として受容できるようになっていた。腹の奥が疼くのを感じる。手足を夢中で動かし始める。
「あら、駄馬にしては上出来ね。罰よりもご褒美で伸びるタイプなのかしら? なら、そうね、人参をくれてやるとしましょうか」
「ん? ああ、なるほどねぇ、んじゃこういうのはどうだよ」
「んむぐッ、ふぐッ!? ンッ、ぐぅ、ふぅうううッ」
 何かしらの目配せが行われた気がした。すぐ傍のホフゴブリンが、腰布を解く。こともあろうに、それを、たった今まで己の陰茎と直に接していたそれを、レミリアの鼻と口を覆うように巻き付けてきた。突然のことだったので、思わず息を吸い込む。
 汗で湿っている。衛生観念の薄い彼らが、毎日洗濯などするはずもない。腰布も、一週間は平気で穿きっぱなしにされる。当然、染みついた匂いは強烈で、えげつがない。まして彼女は吸血鬼、嗅覚は他の種族よりもずっと優れている。感じた臭気は、すさまじいの一言だった。
「ぁがッ――」
 一瞬、思考が吹き飛ぶ。脱力しそうになったのを堪えたのは、とっさながら素晴らしい判断だった。今崩れれば、パチュリーを巻き込む。もうじき母になる身体に、衝撃を与えるわけにはいくまい。
 目がぐるんと回る。脳味噌を直接、金槌でブン殴られたようなものだった。普通なら、ここからえずくなり、嘔吐してしまうなりするだろう。しかし彼女は違う。強烈なエクスタシーに満たされていた。
 丸一年間ホフゴブリンと交わり続けてきたレミリアの肉体は、彼らに関する諸々で、条件反射的に欲情するようになっている。そんな彼女にとって、ペニスや汗や垢、排泄物の匂いのたっぷり染みついた布きれというのは、どんな媚薬よりも劇的な効果を及ぼす。
「んっふぅううううッ……」
 くぐもった呼吸音を零す彼女の瞳は、蕩けきっていた。似たような目をしている輩を探すなら、阿片窟を訪ねれば良い。明らかに、トリップしている。
「どう? レミィにはこういうのがお似合いだと思ったのだけど、気に入ってくれたかしら?」
 言葉もなかった。がくがくと、狂ったように首を上下に振りたくる。刺激的な臭気が鼻孔から脳髄に抜け、脳味噌を腐らせてくるように感じられる。こんな素敵なものを味わわせてくれたからには、奮起せずにはいられない。
「ホレホレ、人参が欲しけりゃもっと頑張れよォっと」
 腰布を解いたホフゴブリンが、見せびらかすように己のペニスを眼前に突き出してくる。素敵な香りが漂ってくる。腰布から漂う激臭も最高だが、やはり本物が纏うそれとは比べものにならない。しゃかしゃかと、手足を動かす。吸血鬼の膂力を発揮するならここだった。あと十センチほども顔を前に出せば届きしゃぶれそうな位置にあるとなれば当然だ。
「うへっ、こいつマジで追いかけてきやがる。ウケるけどヒくわぁ」
 もっとも、その分だけホフゴブリンも腰を引いてしまう。必死に追いつこうと努力する。つん、と、ときおり布越しに肉幹が鼻先へ触れる。僅かな接触にすぎなかったが、発破をかけるには十分すぎるほどだった。
「ンッ、ふぐッ、んふぅッ、ん!」
 全裸で歩き回るには肌寒く、また石床は冷たかったが、彼女は大いに火照っていた。全身に汗が滲んでいる。性的興奮が原因の一つであるのはいうまでもないが、定期的に叩き込まれる鞭によるものも大きい。
 日頃扱ったこともないだろうに、パチュリーの鞭さばきは大したものだった。的確な一撃が叩き込まれるたび、パシィッ、ピシィッと小気味よい音が響く。レミリアの臀部は真っ赤になっていた。ひりつき敏感になっているそこを、ホフゴブリン達が好き放題に撫で回してくる。確かな快感に脱力してしまいそうになるが、堪える。根性を見せないと、目の前のペニスが遠ざかってしまう。
 そのような有様であったから、お馬さんごっこをしながらではあったが、目的地までたどり着くのにさほど時間はかからなかった。謁見の間だ。レミリア何人分ほども高さのある、巨大な扉が目の前に現れる。部屋の用途が用途なので、意匠も相当に凝ってある。
 ごぉんと、重たい音をたてて扉が開かれる。一同、ぞろぞろと奥へと進んでいく。館の権勢を示すように、立派なつくりだった。咲夜によって拡張されているのを差し引いても、馬鹿でかい。
 奥は数段高くなっており、きらびやかな椅子が安置されている。玉座だ。一体のホフゴブリンが座っている。肘をつき、こちらを見下ろしている。彼が紅魔館のホフゴブリンにおける、頭だった。
 悪魔の館にわざわざ参謁しようとする者もいないので、この部屋が使われたことはほとんどない。ないが、だからといって勝手に座って良い道理もない。しかし、誰一人として、彼のことを咎めない。なんで咎められるだろう。紅魔館の主として、正当な権利をもってそこに座しているのだから。
 彼の姿をとらえた途端、腰が砕けそうになる。一年前の甘美なる思い出がフラッシュバックした。高慢極まっていた己に一番槍を下さった方、レミリア・スカーレットの純潔を奪ってくださった方が、彼だった。つまり、過ちを最も熱心に正してくれた恩人だ。館の主の座を、せめてものお礼として譲り渡したのだ。その程度で恩返しができたとは、欠片も思っていないが。
 階段の下まで進み出る。背中が軽くなった。パチュリーが下馬したのだ。主人を前にして馬に乗りっぱなしでいるほど、彼女は非常識ではない。
「ご主人様。貴方様の忠実なる僕にしてホフゴブリン様皆の協力者、パチュリー・ノーレッジが恐れ多くも参りました」
 彼女は跪き、述べた。自らの言葉を、欠片も疑っていないようだった。心の底からの忠誠が、声色からうかがえた。
 深々と頭を垂れるパチュリーと対照的に、レミリアは四つん這いの姿勢を崩さず、無言であった。顔面に巻いていた腰布こそ解いたものの、微動だにしない。当たり前だ。何かする許しを、得られていないのだから。
 生き様を正してもらっている最中の未熟者が、主人と言葉を交わす資格など有しているはずもない。挨拶をする権利すら持っていないのだ。この場に混ぜてもらえるだけ御の字というものだった。
 もちろん、いつかは認められたいと考えている。己の存在意義を思い知ったあの夜にしてもらったように、また逞しいペニスで貫いていただきたいと考え、日々努力をしている。より淫らに、より下品に、より浅ましく成り果てて、女としての正しさを完成させている。
 咲夜に関する諸々も、その一つだった。彼女を穴に仕立て上げて、ホフゴブリン達に捧げるのだ。彼女ほどの女であれば、特にホフゴブリンに対しては、宝石などよりずっと価値があろう。認められれば、主への正式な謁見がまた一歩近づくというものだった。
 本人には知らせていないわけだが――まあ、悪魔に忠誠を誓った以上は、どういう風に扱われようが、覚悟は決めているはずだ。顔と身体はよいのだから、役に立ってもらうだけだ。
「くだらねぇ挨拶とかいいからよぉ、さっさとこっちに来いっつうの。暇なんだよ、ここ」
 パチュリーの言葉に、ホフゴブリンは興味なさげに鼻を鳴らす。腹をぼりぼりと掻いた。どうでもいいと言わんばかりだ。己の言葉を無下に扱われたにもかかわらず、パチュリーはかしこまりましたと恭しく呟く。
「ちょっと行ってくるわね、レミィ」
 一歩一歩踏みしめるように、玉座へ近づいていく。かっ、かっと、ヒールが硬質な音を立てる。階段を一段一段上るたび、豊満な尻がむちっ、むちっと揺れる。二人に同行してきたホフゴブリンたちは、それを下から、堂々と覗き込んでいた。
「失礼致します――んふッ、ちゅる、ぢゅっ、んぅ」
 とうとう彼の下にたどり着いたパチュリーは、しなだれかかるようにしながら、唇を重ねた。唾液の音が響きわたる。重ねられたリップの隙間から、赤い舌がちろちろと覗いている。二本の舌は抱擁するように絡み合い、互いの唾液を交換していた。
 またしても、友人に対して羨ましさを覚えた。自分はご主人様に対して、あのように奉仕させてもらえる段階に至っていない。自分のような虫けらでは仕方ないこととはいえ、彼女との間にできてしまった大きな差を実感せずにはいられなかった。もっと頑張らなくてはという思いを、再確認する。
「んふぅう、ぢゅるっ、んぅ、ぐぷっ、ぢゅるッ、ずぞッ、んふぅう」
 パチュリーは玉座ごと抱くようにして、彼に熱烈に絡みついている。聞こえてくる音はねっとりとしており、接吻がいかに情熱的なものであるかを伝えてくる。性的興奮を示すように、全身に刻み込まれている紋様が薄く発光している。
 無意識のうちに、喉を鳴らしていた。口が疼いている。当然だ。あんなものを見せつけられたら、自分もしてみたいと思わずにはいられない。
「ヘッ、雌の顔になってんぞ、立てよ」
 抱いた願望は、幸いすぐに叶えられることとなる。肩を抱かれ、立たされる。眼前に、ホフゴブリンの顔があった。何をされるのかは明白だ。期待するように口を開く。
「あぇぁッ」
「魔女様のと違ってお前のは目立たねぇけど、こういう見えねぇとこにあんのは、それはそれでエロいな」
 すぐに唇を重ねることにはならなかった。彼は口内に指を突っ込み、親指と人差し指でこちらの舌を軽く引っ張ってきたのだ。
 彼が言っているのは、レミリアの舌に刻み込まれた淫紋のことだった。パチュリーのそれと同種で、舌の先から腹にかけて複雑な模様を描いている。指で触れられた途端、燐光を放つ。
「ああぁッ……」
 やはり友人はすごいと、認識を新たにする。あれだけの紋様を刻み込んで、平然としていられるのだから。自分など、舌にいれたコレに触れられるだけで、軽く達してしまいそうになっているというのに。
「あ? なんだぁ? 膝がカクついてるんだが? まさかちょっと触られて感じてんのか、そんなんでこれからもつのかぁ?」
「あぇぁ、あっ、んむぅッ、んふぅッ――んッ、ぢゅるッ、んぅう」
 こちらが恍惚に浸っている間に、彼は容赦なく唇を重ねてきた。夏場のドブ川を思わせる臭気が、口腔になだれ込んでくる。快いものでは、間違ってもない。だというのにレミリアは、瞳を蕩かせる。キスも、何度してきたか分からない。この臭いが性的興奮を喚起するように、彼女の中で条件付けが済んでいた。
 ぢゅるぢゅると、音を立てて唾液を啜られる。代わりに向こうの唾液を流し込まれる。口内で転がして、風味を楽しむ。くっ、くっと、喉を鳴らして嚥下していく。吸血鬼として暴れ回っていたころは、数え切れない人間から血を奪ってきたが、そのどれよりも甘美であるように感じられる。
 舌が忍び込んでくる。歯茎や口壁、口蓋と、口腔内のあらゆるところを這いずり回る。こちらも舌で歓待する。絡み合わせ、口で快楽を貪る。
「んふぅッ、んぅうッ、ンッ、んぅう……ぢゅるッ、んむぅうッ、ふぅっ」
 喉の奥から、快楽を示す甘い声がしきりにあふれ、くぐもった音となって響く。指先で愛撫されただけで感じてしまうのだから、接吻などすれば、大いに快感を覚えるのは当然だった。膝はかくかくと震えているし、貞操帯の奥から蜜がとめどなくあふれてくる。
 腰に手を回され、ぐいと抱き寄せられる。気持ちが昂ぶってきたというよりも、そうしないと倒れそうだったので、見かねてといったところだろう。
「ぶはぁッ。なんだよお前、自分ばっかヨがりやがってよぉ」
「ぷはっ……はぁっ、ああ……ごめんなさい」
 ホフゴブリンが口を離し、呆れたように言う。とはいえ、仕方ないところではあるのだ。血を啜る都合か、吸血鬼の口腔というのはかなり敏感だ。そこに淫紋が加わったことで、レミリアの口は性的な弱点となっている。口交などすれば、腰砕けになるのは当たり前だった。
 彼女は華奢な肩を上下させ、乱れた呼吸を整えようとしている。頬はすっかり紅潮しており、熟れた林檎を想像させる。
「立ってらんねぇんなら、しょうがねぇ。座ったままでもできることをさせてやんよ」
「オッ、いいねぇ」
 同行していたホフゴブリン達が、へたり込む彼女を取り囲む。次々に、腰布を解いていく。内側に収められていたものが、ぶるん! と跳ねながら姿を現す。
 ペニス。雄が雌を屈服させるために用いるもっともえげつない武器。亀頭は赤黒くエラは大きく張りだし、肉幹は丸太を思わせるほどに太く硬くかつ反り返り、血管が蛇のようにぐねぐねと這い回る、グロテスク極まる凶器。それが、彼女を取り囲む。
「あっ、はぁぁああッ――」
 むわりと、男の臭いが嗅覚を刺激する。反射的に、唾液が溢れだす。法悦の溜息が零れた。吐息には、大好きなものに囲まれていることの幸せが、大いに現れていた。
 よりどりみどりだ。しかも今度は先ほどと違って、首を伸ばしても届かないということもない。このような幸運に巡り会えたことに、感謝しなくてはならない。神でなく、己が主、ホフゴブリンに。
「いただき、まぁす、あむぅうぅッ」
 誇りだとか品格だとか、そういったものはまやかしに過ぎない。だが、マナーとか行儀だとかの中には、真実も含まれている。なにかを口にする前にいただきますを言うというのは、その一つだ。
 大口を開き、差し出された陰茎を一息に咥え込む。肉棒をいただくときは、しっかり根元まで。それが、彼らから教わった作法だった。途端、舌に刻まれた淫紋が反応するのを感じる。己に快楽を与えてくれるモノがやってきたと、分かっているのだ。
「んぅうッ……」
 鼻から深く息を吸い込む。当然、肺になだれ込む空気は、ペニスの臭いに汚染されている。本物からむわりと立ち上る、雄臭さに。
 目の裏がちかちかしてきた。腰布も悪くなかったが、やはり本物が一番だ。鼻腔が彼の陰毛に埋もれているので、吸気は濃厚な汗の匂いを纏う。くらくらするほどに素晴らしかった。
「んむッ、ぢゅるっ、んぶっ、ぐぷっ、ぐぽっ、がぽっ、んぢゅぅ」
 唇で亀頭に、竿部に吸い付く。頭を前後させて、しゃぶりたてていく。彼女の小さな口ではなかなか全体を愛するのも難しいので、時折絡め手を混ぜる。たとえば口壁を使って、歯を磨くように肉棒を擦るとか、口腔だけでなく喉まで使ってみせるとかだ。
「おっほ、いいねぇ、フェラチオもだいぶ板についてきたよなぁ」
「もう血よりチンポ吸うほうが似合ってんじゃねぇか? それって吸チン鬼かな、いや吸マラ鬼? 吸ペニ鬼か?」
「知るかよ」
 見下した言葉が周囲から投げかけられる。言われる本人にとってみれば、賞賛以外のなにものでもなかった。彼らに尽くすのが、己の存在意義である。生きている意味を満たせていると実感できているのだから、これほど幸せなこともない。
「んッ、ぢゅぱっ、んふぅッ、んむっ、んぅう」
「おほッ、いいねぇ、もっと掌つかえ、掌」
 いつまでも一人に尽くし続けるのはよくない。それがホフゴブリンのペニスであるなら、等しく奉仕する義務が己にはある。しゃぶり立てていたものから口を離す。興奮から粘度の高まった唾液が、唇から亀頭にかけて糸を伝う。
 一呼吸つく暇も惜しいのだというように、すぐ別のモノを迎え入れる。先ほどのモノに比べればやや細いが、長く、そして何より素晴らしいことに、匂いが強い。鼻から息を吸い、またトリップする。ホフゴブリンというのは、どうしてこんなにも素敵な香りがするのだろう。
「おほっ! すっげ、イイわぁ」
 一年間の訓練によって、どのペニスの好みがどんなであるか、ある程度は把握している。この竿は、裏筋を舌先で舐めあげられるのが特に好きだったはずだ。記憶を頼りに実行に移す。正しかったらしく、彼はぞくぞくと腰を震わせる。
「ぢゅるぅッ、ぢゅぷっ、んむッ、んふぅう」
 彼らのモノはあまりにも太く、小さな口で迎え入れようとすると、顎を限界まで開く必要がある。あふれる唾液を飲み込むこともできないため、口腔の端から涎が滴り、顎や鎖骨に滴っていく。
 尽くすべきモノの数が多いので、口だけでは効率が悪い。両手もしっかり使っていく。指を絡め、手首をしならせながら、次から次に竿を扱き立てる。カリ首に溜まった汗や垢が、ニチッ、ニチッとねとついた音を立てる。手を動かせば大胸筋も少なからず動く。乳首に取り付けられたピアスの鈴が、ちりんっ、ちりんっと音を立てる。
「へへへへ、こういうのはどうだあ?」
「ンッ、ふッ、ぢゅるっ、ん! んぅ」
 それでも同時に尽くせるのは三本で、あぶれた肉棒に申し訳なさを感じていた。そこへ、助け船が出される。彼らの方から、レミリアに竿を擦りつけ始めた。さらさらとした髪やぷにぷにとした頬、汗をかいた腋窩、平たくもわずかに膨らんだ乳房などに、己の欲望を擦り込むように肉棒を押しつけていく。尽くすべき相手に動かせてしまう自らの至らなさを恥じつつも、彼女も身体をくねらせ、己の肉体で彼らを悦ばせていく。
「ぢゅっ、んむっ、ぷはっ。ぢゅぷっ、ふむぅ」
「ヒヒッ、おいチンポ中毒ちゃんよぉ、アレ見てみろ、アレ」
「んむぅッ――?」
 口を離しては別のモノに吸い付き、口を離しては別のモノに吸い付く。唾液にまみれた亀頭を掌でこねくり回しながら、指先で竿部を扱く。そのようなことを繰り返している内に、ホフゴブリンが玉座を指さす。そういえば友人はどうなったかと、目をやる。
「んッあ! あはっ、すごいぃッ、すてきぃッ、おチンポ、チンポすごッ、あひッ、おほ、ひぃッ、はぁ、いいッ、いぃーッ!」
 玉座の上で、肉の塊がくねっている。パチュリーが、背面座位の形で、玉座に座るホフゴブリンと交わっているのだ。ここからだとそれなりに距離もあるが、吸血鬼の視力は、ピアスの施された肉貝がぎりぎりまで押し広げられ、ホフゴブリンの規格外のペニスを受け入れている様をはっきりととらえていた。
「あっはぁッ、あひぃッ、んああ! あっはぁッ、奥、奥がいいのぉッ、あああッ! いいッ、ひぃッ、チンポぉッ、おチンポ、もっと抉ってぇッ!」
 せねばならないことも忘れて、見とれてしまった。失態であるが、仕方がない。友人の乱れる様には、万人を見入らせるほどの淫らさがあった。
 パチュリーが腰を振るのに合わせて、ホフゴブリンが下から突き上げている。太腿と尻肉とが打ち付けられて、ぱんッ、ぱんッと弾むような音を立てる。全身の肉が、ぶるんぶるんと震えている。
 後ろから回された手が、乳房を鷲づかみにしている。搾り取るように揉みしだくたび、薄ら黄ばんだ母乳が、びゅくッ、びゅくッと溢れだす。突かれ悶えるたびに、からんっ、からんっと、乳首のピアスに取り付けられたカウベルが乾いた音を立てる。
 子を孕んだことで剥き身のゆで卵のようにつるりと膨らんだ腹は、下からの抽送のたびゆさっ、ゆさっと揺れている。子への影響が心配になりそうなものだが、そんなことは誰も気にしない。ホフゴブリンからすればそれより射精することであるし、パチュリーにとってみても、彼らに尽くせることが優先だ。
「あはぁッ、いぃッ、いぃッ、あぁぁッ、もっと、もっと抉ってくださぃッ、パチュリー・ノーレッジの淫乱駄目グズ孕みおマンコズゴズゴしてくださひぃぃいッ!」
 狂ったような声が、レミリアの聴覚深くにまで染み入る。友人が何を感じているか、よく分かる。至福だ。体位が体位なので、顔がよく見える。雌として産まれたことの悦びと幸せが、ありありと浮かんでいた。
 きっと自分も、己の高慢を思い知った夜、彼に純潔を奪われながら、あのような表情を浮かべていたに違いなかった。あれほどのペニスをねじ込まれているのだから当然だ。
 自分にも、ああいうことをしてほしい。そのためには、それにふさわしい存在になるしかない。努力をせねばならない。努力して、またあの素敵なおチンポを、ブチ込んでもらうのだ。
 彼女は、目標のために頑張れるたちである。二人のセックスが発破となって、口淫は先ほどよりさらに熱が入ったものとなる。
「んぢゅるっ、んふぅッ、ぢゅぽッ、ぐぽっ、んぐっ」
 食道にまでペニスを迎えて、粘膜をつかったディープスロートを、自ら披露してみせる。舌が竿を、何度も舐め回しては擦れる。それだけで、イッてしまえそうな快感が彼女を満たしていく。
「おっほ、いいねぇ」
 小さな身体でペニスをいっぱいに頬張るさまは、彼らの下半身を確実に刺激していた。ご褒美だと言わんばかりに、平たい胸に手が伸びる。当然のように撫で、揉みしだいてくる。
「んふぅッ! んくっ、んむぅ」
 限界ぎりぎりまで欲情している肉体であるから、わずかな刺激であっても相当なものに感じられる。喉の奥から、くぐもった声があがる。それは肉棒をちょうど良い具合に刺激しているようだった。
 先端は今までの調教の中で散々嬲られたことで、乳房のサイズに不釣り合いなほどピンと尖っている。いかにも弱点、と言うべきところを、キュッとつねり上げられる。身体が跳ねる。ちりちりと、ぶら下がる鈴が音を立てる。
 そのように指で弄ばれるのも快感であったが、何よりも良いと感じられるのはやはり、ペニスを擦りつけられることだった。己は男根のためにあるのだから、男根そのものによって愛撫されることが至上の喜びであることは言うまでもないことだ――いや、語弊があったか。最も良いのは、男根に貫かれることであるからして。
 ともあれ、身体のあらゆるところにペニスの臭気を擦り込まれ、手垢のつくほど身体を弄ばれながら、彼女は喉奥まで使って口淫し、娼婦も顔負けの手淫を行い続けていた。それほどまでに熱心であれば、すぐに終わりはやってくる。
「オッ、おおッ、出るぞ雌犬、オラッ、全部飲み干せよッ――おおおッ!」
「んゴッ――!」
 頭を掴まれる。ぐいと引き寄せられ、反対に腰が突き出される。雌そのものになっていたレミリアの顔面に、下腹が思い切りぶち当たる。鼻筋が醜く潰され、鼻腔が陰毛に埋もれる。口腔を肉棒は思い切り貫き、喉を小突き上げる。反射的に胃がせり上がる。と同時に、彼は射精を始めた。
「ぐッ、ぶッ、んんぅううッ――……!」
 口腔は人体でも特に敏感な部位の一つだ。だから、肉棒の脈動をはっきりと感じられる。根元から先端にかけて膨れ上がっては、ポンプの要領で白濁を送り出していく。どぼっ、どぼっと、次から次に鈴口から濁液が解き放たれていく。食道をべとべとと汚しながら、胃袋へと直接注ぎ込まれていく。
 なんとまぁ、濃厚なことだろう。まるで餅だ。腹のあたりに重みを感じる。スペルマにぎっしり詰まった子種の重みだ。この身は彼ら専用であるので他の種族の精のことなど分からないが、それでも、他種ではこうはいかないと断言できる。
「あー、すっげぇ喉締まる。コレだよコレ、コレがいいんだよなぁ」
 身体ががくがくと震えている。視界が明滅する。口腔も喉もペニスに埋められれば、呼吸などできるはずもない。しかもスペルマをどぷどぷと注がれ、エクスタシーに浸っていれば、意識が遠のくのは当然のことだった。
 そんなのは、ホフゴブリンからしてみれば、知ったことではない。ただ自分の快楽のために、腰をぐりぐりと押しつけるだけのことだ。熱い風呂に肩まで浸かったような、いかにも心地よさげな声を零していた。
 常識からいえば、反感を覚えて当然、なんなら口腔にあるモノを噛みちぎってもいいくらいの扱いだ。無論、覚えないし、噛みちぎりもしない。己はこのように扱われるべきものなのだから。用途通りに使っていただいて、なんで不満があったりしようか。
 危険な状態にありながらにして、レミリアは手淫をやめていなかった。当然だ。彼ら全てに奉仕するために、己は存在している。たかだか口内射精を受けたくらいで、他のホフゴブリンへの奉仕をやめていいはずもない。
「オッ! オッ! なんだコイツ、急にすげぇやる気出してきやがって!」
 恍惚のために、奉仕にはさらに熱が入っていた。しゅこしゅこと激しく、根元から先端にかけて扱きあげていく。どんな商売女であっても、こうまで熱心には出来まい。
 口腔にねじ込まれていたペニスがひとしきり射精を終え、引き抜かれる。ぎりぎりまで吸い付いていた唇が、便器にラバーカップを使ったときのように、ぬぼんっと間抜けな音を立てる。
「へっへへ、射精した射精したァ」
「んぼぉッ――」
「へへへっ、雌犬根性が身についてんなァ! どれ、そんなにチンポが好きなら俺からもザーメンぶちまけてやるよ、そのぶっさいくな顔をもっと台無しにしてやるぜ、ぎゃはは!」
 欲情して蕩けている表情はそれはそれで美しくあった。だが今は、不細工な顔という表現通り、酷いものになっている。酸素欠乏と引き換えの恍惚によって、半ば白目を剥いている。目尻からは涙が零れ、鼻水もいくらか垂れている。口端からは涎が滴り、ホフゴブリンの陰毛がへばりついていた。
 そこへ、鈴口がむけられる。躊躇うことなく、手淫を続行する。胸の高鳴りを覚えていた。レミリア・スカーレットの今の立場を示す化粧を施してほしくてたまらなかった。
「オラッ、受け取れ!」
「あっはッ――」
 手も、口と同じくらいに敏感な部位だ。だから、射精の兆候をはっきりと感じることができる。会陰が収縮し、肉幹が膨れていく。目蓋を閉じて、その瞬間を待ち受ける。
 勢いよく解き放たれた濁液が、放物線を描いて宙を舞う。物理法則に従って、レミリアの左頬あたりに着弾していく。べちゃべちゃと、こめかみから口端、おとがいのあたりまで、広く汚していく。
「おいこっちもだ、感謝しやがれよぉっ」
「次は俺だッ」
 白濁に汚れる彼女のさまが呼び水となったか、男達は次々に射精していく。穢らわしい欲望が雌の顔をデコレートしていく。欲望を受け止める存在だということを示す、化粧を施していく。額に目蓋、鼻筋、頬に、べちゃべちゃと白濁がぶちまけられる。唇や鼻筋に沿って、濁液がふりかけられる。精液でパックされているかのような有様だ。
 男達はそれで満足しない。なにもかも汚してやるのだといわんばかりに、次々汚濁をぶちまける。ウェーブのかかった艶やかなショートヘア、絞めれば折れそうな首、鎖骨の浅い窪みに、なだらかな肩、たおやかな両腕に、汗の滲む腋窩、平たい乳房、ピアスに飾られる乳首――彼女の上半身で、およそ射精を免れたところはなくなった。
「ああぁッ、あっ、アッ、あぁんッ――」
 呼吸をすれば、鼻が曲がりそうなほどの精臭が肺に流れ込んでくる。口を開けば、ゴミ箱にちり紙を投げ込む感覚で、男達が精を放り込んでくる。隅々まで汚しきられたこのさまの、どこに尊厳があるだろう。
 あまりにも惨めな己のさまに、エクスタシーを覚える。びくっ、びくっと身体が震え、膣奥から愛液があふれ出す。どこにも触れられることもなく、絶頂を迎えていた。
 レミリア・スカーレットは淑女である。礼儀作法はきちんとしなくてはならない。恍惚に浸りながらもなお、自らの仕事を忘れはしない。手近なモノに自ら顔を向け、竿が役割を果たした後には、唇で吸い付いて、尿道に残った残滓まで吸い出していく。
「んむっ、ぢゅるっ、んぅう」
「おほッ、いいねぇ」
 一年前には、こんなことはできなかった。彼らに正してもらう中で教えてもらい、今や何も言われずとも実行できるほどになった。そうこうしている内に、玉座から声が聞こえてくる。
「あはぁああッ、射精きた、ザーメンきた、孕み子宮に濃厚ザーメンきたっ、あはぁぁッ、ぶちまけてぇっ、汚してぇッ、パチュリーの淫乱腐れ孕みマンコにお精子注いでぇッ、赤ん坊にミルクちょうだいッ、あっはぁあああッ!」
 耳穴にいくらか白濁が流れ込んでいて、音もあまり聞こえない。それでも、友人の声を聞き逃すはずはない。甲高い、欲望に狂いきった声だ。知恵者たるパチュリー・ノーレッジが上げるものとは思えない、しかし今の彼女の存在意義を考えればこれ以上無くふさわしい声色だった。
 きっと今、彼の濃厚極まる白濁が、友人の胎の中へ注ぎ込まれているのだろう。性行為の本来の目的を考えれば、既に孕んでいる彼女への膣内射精は無駄でしかない。むしろ、子のことを考えれば危険ですらあろう。
 だが、そんなことを考える必要はない。紅魔館の女は全て、ホフゴブリンへの奉仕のために存在している。尽くせさえすれば幸せなのだから、他に何を心配する必要があるだろうか?
 尽くしている内に、周囲の男達も、ひとしきり絶頂したらしい。満足げな溜息が聞こえてきた。
「ふぅ、射精した、射精した」
 頃合いを見計らって、床に手をつき、額をつける。この国に古来より伝わる、謝意を述べるための座礼、土下座だ。
「皆様、このたびは貴重なお精子を、私のような無価値で無意味な女にぶちまけてくださり、誠にありがとうございます。これからも誠心誠意、ホフゴブリンの皆様のおチンポにこの身体で、この穴で尽くさせていただく所存ですので、ムラムラしたときはどうぞ私をお使いくださいませ」
 子種とは、非常に貴重なものである。男にしか作ることができず、貯蔵量にしてもごく僅か。彼らは図抜けた絶倫であるが、この事実に変わりはない。
 貴重なものをいただけたのだから、お礼をするのは当たり前。これもまた、一年間で身につけた礼儀作法だった。
「もっと頭擦りつけろ頭ァ。ホントに分かってんのかァ?」
「あぁんッ……んむぅ」
 後頭部に、重みがのしかかる。額が押しつけられ、唇が床と接吻する。踏みつけられたのだ。ぐりぐりと押しつけられる。たまらない屈辱に、秘部から蜜があふれる。石床に滴り、お漏らしでもしたような水たまりを作っていく。
「まあ、お前がそういう挨拶ちゃんと出来る奴だってのは俺らもよぉく分かってンよ。ホレ、ザーメンまみれで汚れちまったから、綺麗にしてやろうじゃねぇか」
 干したばかりの布団に包まれているくらい心地が良かったので、かけられた重みがどけられたことには若干の寂しさを覚える。けれども、心はすぐ、別の悦びに満たされることとなった。
 綺麗にしてやるという表現で普通に想像されるのは、風呂に連れて行くだとか、最低でも桶に汲んだ水をかけるくらいのものだろう。けれども彼らは、さらに下を行く行為で、彼女の尊厳を奪い取っていく。
 何本ものペニスが、土下座したまま微動だにしない彼女を取り囲む。鈴口が向けられる。何をされるか察したレミリアは、ほう、と熱い溜息を吐く。期待が込められていた。
「あッ、んぁ……ッ」
 蕩けるような甘い声が漏れる。びちびちびちびちと、耳にへばりつくような水音が響く。彼らはレミリアめがけ、排尿していた。濃い黄色をした液体が、勢いよく彼女へぶちまけられ、しぶく。滑らかな髪や傷一つない肌に纏わり付く白濁を落とし、引き換えに自らでもって汚していく。
 排泄物を浴びせられている。辱めという言葉ですら足りないようなことをされてなお、レミリアは恍惚を覚えていた。このように扱ってもらうことこそ正しいことだと、知っているからだ。どうせなら顔を上げて大口を開け、放たれる尿をごくごくと飲み干したいくらいにすら思うが、今は感謝を示しているところだから堪える。こうした我慢も、正しくあるためには必要だ――などと考えつつ、時折舌を伸ばして、顔のあたりまで滴った露を舐め取るあたり、抜け目がない。
「あはぁ」
 やがて、おぞましいシャワーが終わる。綺麗にするというお題目であったが、白濁は中途半端にしか洗い流されず、しかも体中尿にまみれたせいで、むしろさらに酷い有様になっている。全身から、ツンとした特有の臭いが立ち上っている。誰もが恐れる吸血鬼が、誰もが顔をしかめる様になり果てていた。
 けれども、彼女がついたのは、満足を極めたような吐息だった。全身に彼らのぬくもりを感じる。こんなにも素晴らしいことがあろうか?
「あはっ、いい姿ね、レミィ。んぁッ、素敵だわ、あっ! 今まで見た中で一番素敵」
 壇上から、声をかけられる。パチュリーは頬を上気させ、ふらつきながらも、ホフゴブリンの頭の隣に立っていた。先ほど膣内射精を受けたばかりの膣口を、彼の手が掻き回している。白濁混じりの愛液を散らしながら、彼女は甘い声を零していた。
 理論家であるところの友人は、感傷的な表現を好まない。そんな彼女から素敵という表現を引き出したのだから、自分はきっと、よくやったのだろう。己の成し遂げたことを、レミリアは噛みしめる。
「それで、レミィ。ご主人様が、こっちに来るようにですって。おめでとう」
「嗚呼……」
 こっちに来るように。
 その言葉が意味するところを、分からないレミリアではない。認められたのだ。己が正しい道にあり、研鑽を積んできたことが。
 強烈な達成感に、涙がにじむ。彼に正しい道を教えていただいて、一年。ようやく、努力が認められた。
「ホレッ、兄貴が来いつってんだから、早く行っとけやカス」
「は、はイッ」
 ぱぁんと尻肉に平手を打ち込まれ、慌てて立ち上がる。目元を拭う。ふらつく足を支えながら、玉座への段を一歩一歩踏みしめる。全身から、アンモニアの香りが漂っている。
「アッ、はっ、あんっ、んぅッ、んはぁ」
 玉座の横で、パチュリーは相変わらず膣穴を手で愛撫され続けていた。自ら身を委ねるように脚を開き、腰をくねらせている。激しい性交の間にかいたのだろう汗が、まるまると膨らんだ孕み腹を、つぅ、と伝っている。こちらを見る瞳には、色欲と、そしてなにより慈愛が込められていた。よかったわね、と、口には出さずとも語っていた。
「ずいぶんいいザマになったじゃねぇか、え?」
 片手で頬杖をついたまま、彼が聞いてきた。舐め腐った、挑発するような口調だった。恭しく、頭を下げる。
「ご主人様に教えていただいたからこそです。一年前は、本当にありがとうございました」
「おうおう、そうだろうなぁ、お前の覚えのわりぃクソマンコをわざわざ使ってやったんだから、一生かけて感謝しやがれや。手始めに、ホレ」
 彼は僅かに脚を開き、自らの股ぐらを指さす。先ほどまで激しく性交し、思い切り膣内射精した肉棒は、まるで萎えていない。だが、愛液と精液でまみれ、情けない姿になってしまっている。
 清めねば。
 気づけば、跪き、彼の股ぐらに顔を埋めていた。条件反射である。膣穴で汚れてしまったペニスがあれば、しゃぶって綺麗にしなくてはならない。彼らによって執拗に擦り込まれた、作法だった。
 咥える寸前になって、止まった。主は己のペニスを指さしただけだ。しゃぶれと命令したわけではない。考えを汲んだつもりでいたが、それが彼の意に沿っているのだろうか?
 彼を見る。物欲しそうなツラしやがってよぉ、と嘲笑いながら、頷いた。OKだ。大口を開き、ソレを迎え入れる。
「あはっ、んぢゅるッ、んぅう、ぐぽぅ、がぽっ、んふむぅ」
 ホフゴブリンというのは、背の低い種族だ。対して、その肉棒は規格外である。赤子の腕ほどもある。
 彼はその中でも選りすぐりだった。ペニスのサイズでもって、群れの頂点に立ったのかと思われるほどだ。女を貫き、陵辱し、誇りを踏みにじり、尊厳を奪い取り、子宮に種を植え付けて、徹底的に雌として躾けることに特化している。女であれば、どれほどの不感症であっても、堕ちずにはいられない。
 そんなモノを自ら望んで咥えるのだから、意識が飛びそうなほどの恍惚に浸るのは当然のことだった。ぢゅるぢゅると唾液の音を立て、舌を使って男根に奉仕する様に、かつての紅魔館の主としての威厳などどこにもない。そこにいるのは性欲に狂った一匹の雌に過ぎず、だからこそ玉座に近づくことを許されたのだった。
「んむぅッ、んぢゅるッ、ぐぷぅッ、んむぅ、ふむぅ」
 頭を激しく前後させ、口全体をペニスのための性具として使う。口端から涎が滴り、がぽっ、がぽっと空気の抜けるような音がする。激しいフェラチオであったが、その実、極めて丁寧だ。当たり前だ。コレは、己を女として目覚めさせてくれたモノ。ホフゴブリンに平等に尽くす義務があるとはいえ、感謝を込めて特別扱いするのが当然というものだった。
 今までに教わった技巧を駆使し、肉棒に尽くしていく。一年間毎日何十何百本としゃぶりたてて磨かれた、高級娼婦も真似のできない舌技・口技だ。紅魔館においても、右に出る者はいないと自負している。
 友人の愛液と、その膣内に放たれた精液を、たっぷり味わいながら嚥下する。セックスという行為を味わっているかのようで、頭がくらくらしてくる。欲深い彼女がそれで満足するはずもなく、自分もこの肉棒に穿たれたいという欲を強烈に覚えていた。
「おっほぉ、イイねぇ。すっかりチンポ中毒になっちまって、なんだっけ? 永遠に紅い幼き月? って感じじゃ全然なくなってんなァ。ヒヒッ、舎弟どもに食わせまくった甲斐があったって感じか? オイ、今どんな気分だ、ええ?」
 楽しくてたまらないという声が、上から降ってくる。どんな気分か。フェラチオの最中なので答えて差し上げることはできないが、言わずとも伝わることだろう。最高である。
「雌犬がよぉ。おいパチュリー、手伝ってやれ」
「かしこまりました」
「んごぼッ!?」
 友人が、側頭を掴んでくる。そのまま、己の頭を前に突き出した。他人の頭であるからこそ容赦がなく、当然、肉竿が食道にまで入り込んでくる。
 めりッ、と、体内から嫌な音がした。イラマチオなど今まで何度したか覚えていないが、これほどのモノでとなると、初めてだ。元々小柄な彼女は喉も相応に小さく、キャパシティには限界がある。コレは、それを上回っている。
「がふッ、ぐぶゥウッ、オゴッ! ぐぼッ、がゴッ、ぉごッ!」
「あぁ、レミィ、いいわ、苦しそうなその顔、素敵。ねぇ、もっと見せてちょうだい?」
 頭が前後されるたび、細い喉に、何かが蠢く。内側から圧迫する肉棒が、シルエットとなって浮かび上がっているのだ。ひりつくような苦痛に、目尻に涙が浮かぶ。目があらぬ方向をむく。
 親友の無様に嗜虐心を刺激されたのか、パチュリーは掴んだ頭をより激しく動かしていく。ゴリッ、ゴリッと、亀頭が食道を抉り、粘膜が削り取られていく。
「ぉほぉ、いいぞ雌豚。もっとやってやれ。その犬ッコロも望んでらァ」
 彼の声には、確かな快感と愉悦が現れている。今までになくキツい口辱だったが、彼が気持ちよくなっているという事実だけで報われる。自分の使命を、果たせているのだから。
「ご主人様、私にもおしゃぶりのお許しをいただけませんか?」
「おっ、なんだ、ダチがしゃぶってんの見て我慢できなくなったか? どうしようもない淫乱だな」
「はい、私パチュリー・ノーレッジは脳味噌までチンポ漬けの淫乱孕み雌豚です」
「あっそ。ならタマでも舐めてろよ雌豚が」
「あぁんッ、ありがとうございますッ」
 ぱぁんッと、思わず尻肉が疼くような破裂音が響いた。パチュリーがスパンキングを受けたのだ。音からするに、だいぶ強烈なやつだろう。痛みを与えられながらにして、彼女は瞳を蕩かしている。このあたりはやはり、ホフゴブリンに躾けられてきた者ならではだ。
 彼女はレミリアの頭を掴み前後させながら、自らもかがみ込む。こちらに顔を近づけて、頬に軽く口づけてきた。
 そのまま、濃厚な汗の臭いを放つ陰毛の茂りへ顔を埋める。その奥の奥、膨れ上がった睾丸に、ちゅっ、ちゅっとリップサウンドをあげながら口づけていく。
「おッ、いいぞぉ、ったくこの色狂いどもが、チンポときたら目の色変えやがる」
「がぼッ、ぐぶぅ、んぐッ! んゴっ!」
「んふッ、ぢゅるっ、んんぅ! んむぅ」
 二人揃って、乳房を愛撫される。ぶら下がるピアスから、ちりんちりん、からんからんと、小気味よい音が鳴る。ちょっとした演奏会のようだった。
 なんと素晴らしい主であることかと、感動すら覚える。ペニスに奉仕する機会をくださっただけでなく、性感まで与えてくださる。自分が紅魔館の主だったころ、部下達にこれほど細やかな気配りができただろうか? 否だ。やはり、主の座を譲ったのは正解だった。彼の方がずっと、支配者としての適性がある――女を支配する者としての適性が。
「そぉら雌犬、お待ちかねのチンポ汁の時間だ、たっぷり味わえよォッ!」
「ごッ、がぼッ、ぐッ、ぶッ、んぐぅうううッ……!」
 ペニスの脈動が激しくなっている。どれほど立派なモノであっても、絶頂の兆候というのは変わらない。彼女はそれをはっきりと感じ取り、頬を窄めて射精を待ち受ける。
 パチュリーもまた、主の射精が近いことを感じ取ったのだろう。掴んだレミリアの頭を、思い切り前に突き出した。人のことをペニスを扱くための道具だと思っていなければ、できない行いだ。事実であるので、特に反感は覚えない。ホフゴブリンの前では、どんな女も等しく道具だ。
 鼻先が陰毛に埋もれる。濃密な汗の匂いにトリップしかけたところに、追い打ちをかけるように、欲望が解き放たれた。
「ぐぶぅうッ……!」
 どぷどぷと、マグマのような濁液が、口中に、食道に、次から次に注ぎ込まれていく。
 口内射精など何度受けてきたか分からないし、だから受け止める心構えも出来ているつもりでいた。それでも、驚愕せずにはいられない。彼のスペルマは、今まで味わわせていただいたものとは一線を画していた。量、濃度、熱さ、臭い、どれをとっても、他のホフゴブリンでは足下にも及ばない。まさに女を堕落させるためのエキスだ。
「んむぅうううッ……」
 麻薬を吸った後のように、顔が蕩けきる。音を立てて、つきたての餅かと思うほど濃厚な汚濁を飲み下していく。非常識な量の射精を処理するにはそれでも追いつかず、口端からあふれ出る。
「ちゅっ、んむぅ、んふ、んぅう」
 勿体ないというように、パチュリーが舌を這わせ、舐め取ってくる。自分は、良い友人をもった。尽くすべき相手にこのように共に尽くせる仲間がいるのは、心強い限りだ。
「ッぐぶっ……おぶッ……んぐッ、ご、ぶぽっ」
 余韻まで含めて、たっぷり数十秒。その間ずっと、気が狂いそうなほどの恍惚に浸り続けていた。ようやく肉棒が引き抜かれたときには、レミリアの全身は脱力しきっていた。すぐに気を取り直す。主の前で、だらけた姿を見せるわけにはいかない。
「うん、今のはなかなか良かったぞお前ら。特にレミリア。いい口マンコに育ったじゃねぇか。努力のたまものだなぁ?」
「ありがとう、ございます」
「褒美をやるよ。コイツが何か分かるか?」
 褒められるだけで、小便を漏らしてしまいそうなほどの喜びが駆け抜ける。しかし、それ以上の喜びが彼女を満たすこととなる。
 彼の指が摘まんでいるのは、暗金色の鍵だった。息を呑む。それは、己を戒める貞操帯の鍵だ。外してやる――そう言われている。外して、何をするか? 考えるまでもない。使われるべき形で、使っていただけるのだ。
 頑丈極まる南京錠の鍵穴に、先端が差し込まれる。かちり、と音がした。彼女の性を彼女自身から遠ざけていた、重厚極まる拘束具は、乾いた音を立てて床へと落下した。
 むせかえりそうなほどの淫臭が、むわりと立ち上る。金属の内でずっと焦らされていた、秘裂から漂っている。
 レミリアの肉体は、過激な装飾が舌や乳首に施されているとはいえ、基本的には大人として花開く前の、少女らしいものである。だからこそ、下腹の有様は、体つきと異様なまでにマッチしない。
 うっすらと産毛のように生える陰毛は、淫蜜にまみれてぐちゃぐちゃになっている。幾度となくホフゴブリン達の肉棒を受け止めてきた秘唇は、肉体の外見年齢とかけ離れて熟し切っている。ぐぱっ、ぐぱっと、水揚げされたばかりの鮑のように収縮しては、ねっとりとした涎を白痴のように滴らせている。肉付きの薄い尻は、散々鞭やスパンキングを叩き込まれたことで、猿のように赤くなっている。
 肉付きの可愛らしさに比べて、なんと退廃的なことか。
「嗚呼……」
 この世のありとあらゆるしがらみから解き放たれたかのような気分だ。かつて紅魔館の主として生きていたころ、誇り高き吸血鬼などという間違った考えに染まりきっていたころには、決して味わえなかったものだ。
 早速、疼ききった雌穴を弄くりたかった。だが、我慢する。もっと素晴らしい時間が、このすぐ後に待ち受けているのだ。お菓子の食べ過ぎで夕飯が入らなくなるような真似は、避けるべきだった。
「ありがとうございます、ご主人さまぁ」
 舌っ足らずな、甘えた声だった。かつてのレミリアを知る者が聞いても、彼女だとは思わないだろう。彼は頷く。
「それからよぉ、てめぇのダチからもプレゼントがあるんだとよ、なぁ?」
「パチェから?」
「昔の貴方だと壊れてしまいそうだったから、できなかったんだけど……今なら、大丈夫そうだし、最高の瞬間を迎える友達への、はなむけだと思ってちょうだい」
 臍の下あたりに、手が添えられる。魔力が注ぎ込まれる。この感覚を、レミリアは知っている。かつて、己の舌に、同じ術が施された――淫紋。
 注ぎ込まれる魔力に、身を委ねる。それは己の体内を巡り、魂を捕らえ、変質させる。より色好みへ、つまり、ホフゴブリンに尽くすのにふさわしいように。手が離れたとき、そこには、蝙蝠とハートを掛け合わせたような紋様が刻み込まれていた。
「完成よ、効果は……むぐ、ンッ、んむぅ、んぢゅ」
 語られるまでもない。卵巣が強烈に、燃えるように疼いているのを感じる。女を苗床に仕立て上げ、子をなすための機械とするようなものであるに違いなかった。
 もしかすると、いつまでもホフゴブリンの子を孕むことのできない自分を、気遣ってくれていたのかもしれない。どちらにしても、最高のタイミングで、最高のプレゼントをしてくれた。
 感謝の気持ちをこめて、口づける。もちろん舌を差し込む。ホフゴブリンの教育を受けてきたレミリアにとって、バードキスなどありえない。
 パチュリーは話を遮られるのを嫌っていたはずだが、このときばかりは大人しく受け入れた。しばし舌を絡ませあい、親交を深めていく。唇が離れたとき、互いの顔には笑みが浮かんでいた。
「それじゃあ、レミィ。いっぱい楽しんでね」
「ええ、ありがとう、パチェ」
 パチュリーが、階段を降りていく。挨拶を交わし、主に向き直る。自ら腰を突き出し、蕩けきった秘唇に指をかけ、割り開く。膣奥に、ねっとりした視線が注がれるのを感じながら、口上を述べる。
「ご主人様、ご覧下さいませ、私レミリア・スカーレットは、ご主人様の逞しいおチンポを望んで股をこのように濡らす、どうしようもないクズの雌犬でございます。どうかこのはしたなくいやらしい犬ッコロを、ご主人様のペニスで徹底的に躾けて、永遠の忠誠を誓わせてくださいませ、お願い致しますッ……あはぁッ……」
 口にしているだけで、達してしまえそうだった。膝がかくかくと震え、立っていられなくなりそうだ。まだだ。まだいけない。本当に素晴らしい瞬間はこの後だというのに、こんなところでイッてしまっては、なんのために今まで頑張ってきたか分からなくなってしまう。
「いいぜ、なら自分で腰下ろせよ、自分で。ダチがヤッてたのと同じ体位でな、ヒヒッ!」
 顎をしゃくられる。意味するところは一つ、許可だ。寛大さに感動すら覚えながら、彼に背を向け、ゆっくり、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「アッ――」
 ちゅっ、と音がした。亀頭と陰唇とが触れあったのだ。貞操帯の内で蒸れに蒸れ、焦らされに焦らされた秘裂は、ほんのわずかな接触でも悦び、結果として口づけるような音をたてていた。
 ホフゴブリンとは、何百回、何千回とセックスしてきた。だから、それだけの接触で分かる。このペニスとの交わりは、それら全てを上回る経験となるだろう。一年前の初めての夜すら塗りつぶすような、鮮烈な経験となるだろう。
 戦慄すら覚え、喉が鳴った。だが、躊躇は、一瞬で終わった。己は奉仕するために生きている。なら、この腰を下ろす以外に、すべきことなどあろうはずもなかった。
「ッ――あ、ひ」
 一息に、細い腰を落とす。ずぶんッ! と、勢いよく、肉竿が膣肉を割り開く。ゴッ、と、子宮が小突き上げられる。
 もっと声が出るものだと思っていた。今までのセックスより気持ちいいのなら、そうなって当然だった。だが、間違っていた。あまりに過ぎた感覚を叩きつけられると、逆に声が出なくなるものだった。喉が引きつって、上がったのは小さな悲鳴一つだった。
「あ、ひ、おかえりっ、なさッ、い」
 いつか主とまた交われたなら、絶対に言わなければならないと思っていた。この肉体は、肉棒を収めるべき鞘である。かえってくるべきものがかえってきたのだから、言うべき言葉が他にあるだろうか。収まるべきものを歓迎するように、淫紋が暗く輝いた。
「アッ、あッ――ひぃいいいいいいいッ!」
 言えたことが、緊張の糸を緩ませたのだろうか。途端に、すさまじい快感の波が襲いかかる。絶叫する。全身を逸らし、ヨガり狂う。竿を咥え込んだ淫裂から、濃密な雌汁が音を立てて噴き出した。
 彼女は絶頂していた。挿入しただけでだ。己の間違いを正してくれたモノをもう一度迎えることができたという感動を差し引いても、ソレはあまりに立派すぎたのだ。みちみちと音が聞こえるほど膣肉を押し広げられ、挙げ句の果てに子宮口を小突き上げられて、ただでさえ快感に飢えていた膣が達さないでいられるはずもなかった。
「オイオイどうした!? まさかもうイッたとか言うんじゃねぇだろうな!? 張り合いってもんが、なさすぎんぞ、オイッ!」
「あひぇッ!? いひッ、あぉッ、ォひぃいいいッ!」
 ごちゅッ、ごりッ、ぐぼっと、己の体内から、一度聴けば耳にへばりついて離れないような音が響く。
 膣穴をほじくられている。彼が、下から激しく突き上げてきている。絶頂している状態でそんなことをされて、正気でいられるはずもない。レミリアはただただ悶え、世界の終わりでも迎えたのかというような悲鳴を垂れ流す。
 目の裏がバチバチと弾け、意識が揺さぶられる。あの夜、思い上がりを正され、一年間のセックス漬けの生活を経て、正しいあり方というのが分かったつもりでいた。だが、違った。大間違いだった。自分はペニスというものを、全く理解できていなかった。できたつもりになっていただけだ。
 本当の肉棒というのは、快感をくれるものではない。ただ女を蹂躙し、踏みにじっていくもの、圧倒的なまでの、征服者だ。
「ひへぇッ、あひぃッ、すごっ、すごひぃッ、ちんぽぉッ、おちんぽォ、いいのぉッ、あひぇッ、おマンコ、おマンコずぼずぼぉッ、いぃいいいッ!」
 腰をくねらせる。下品に喘ぐ。感謝の意を、せめて伝えるために。彼は大いに気に入ってくれたようで、下からのピストンを一層激しくしていく。与えられる快感に、膣穴をきゅうきゅうと締め付けては、身体をのけぞらせてヨガり狂う。快楽の無限ループだ。
「へへッ、だらしねー声あげやがって、おいレミリアよぉ、お前はなんだよォ、言ってみろよォ!」
「はひぃッ、わたっ、わたしはぁっ、ホフゴブリン様のッ、性奴隷ですっ、おチンポを扱いて、お射精していただくための道具でぇっ、皆様のおザーメンを啜って生きていくっ、それさえあれば生きていけるぅッ、ひぃいッ、穴ッポコですぅうッ!」
 飛び出した言葉は、ずいぶんと長いものだった。口上を考え述べるだけの余裕が、今の彼女にあろうはずもないというのにだ。剣士が何万回と型を繰り返した結果無意識に技を放てるのと同じように、二十四時間三百六十五日にわたる濃密なセックスライフが、彼女にその言葉を吐かせたのだ。
「そうかよそうかよ、ところで周り見てみろや雌犬」
「んはァッ――?」
 言われ、玉座の下を見る。ホフゴブリン達が、こちらを見つめていた。玉座に跨がり淫らに腰を振る己を、見つめていた。自らが性奴隷に過ぎないという宣言の、証人となろうとするかのように。
 彼らの間に、パチュリーが跪いている。涎を垂らしながら、股間のモノを次々にしゃぶりたて、両手や豊満な乳房でもって竿を扱き立てている。向こうも、こちらを見ていた。
 目が合った。視線は語っていた。こちら側へようこそと。
 正しいあり方を知ってから、彼女にずっと憧れていた。一緒にホフゴブリンに使われたこともあるが、向こうの方がずっと彼らを満足させていた。肉体の豊かさゆえか、技術ゆえかと、理由に悩んでいたが――やっと分かった。
 ここだ。アイデンティティをどこに置くかだ。彼女は、自らを性奴隷と認めていたのだ。
 意地の悪いことだ。協力者などと自称して。そういう立場ならそういう立場だと、言ってくれればいいのに。おかげで答えを見つけるまでに、一年間もかかってしまった。
 恨むつもりにはならなかった。そのへんを差し引いても、彼女には感謝しかない。それに今や、同じ穴の狢、というか同僚だ。一緒に頑張ろうという思いだけがあった。
「あはッ、あはぁッ、みてぇッ、見てくださいぃッ、惨めなレミリアのおセックス見てぇっ、おチンポ扱いてくださいぃぃッ!」
「ヘッ、雌犬が、おいもっと腰振れ腰ぃッ!」
「わざわざ見てやってんだ、つまんねーことしてんじゃねぇよダボが!」
 腰をくねらせ、上下させる。ごりゅんごりゅんと、体内を抉られる。ホフゴブリンからの視線が、罵声が、浴びせかけられる。性奴隷として生まれ変わった自分を、言祝いでくれているかのようだった。
「ヒヒッ、やっと自分の分際ってもんが分かったか? なら生まれ変わるためのトドメ、くれてやるか、ありがたく受け止めろよぉッ!」
 彼の意味するところが、分からないレミリアではない。言葉を解釈するだけの余裕は快楽づけの脳味噌にはない。それでも、激しくなるピストンを感じていれば、考えるまでもなく明らかだった。
 射精が、近いのだ。
「はヒッ、くださひぃッ、私の子宮にザーメン注いでッ、どぷどぷ注いで膣内射精してッ、種付けしてッ、私のことぉッ、パチェみたいに孕ませてくださヒッ、貴重なお精子恵んでッ、ぶちまけてッ、なかだししてくださいぃいいいッ!」
 懇願するまでもないことだ。極端な話、仮に悲鳴をあげて否定していたとしても、この後に待ち受ける結果は変わらなかっただろう。それでも、述べる。無価値な奴隷である己は、呼吸するようにへりくだらなくてはならない。
 全く無意味な行為ではなかった。媚びた言葉によって、彼のピストンはより一層早くなっていく。ごちゅごちゅと、子袋が幾度となく突かれる。変形してしまうのではないかというほどの勢いだった。その勢いが頂点に達すると同時に、種が解き放たれた。
「あひッ、あッ、はっ――あぁぁぁああああああッ!」
 純潔を奪ってもらったときも、膣内射精は受けた。けれどもあのときは気が動転してしまっていて、せっかくのスペルマを味わうことができなかった。
 それからずっと、受け止めたいと、注いで欲しいと願ってやまなかったスペルマが、ようやく注ぎ込まれた。どぶどぶと、既に二度射精しているにもかかわらず濃厚きわまる粘液が、子宮をぱんぱんに膨らませていく。含まれる何億何兆という精子が縦横無尽に泳ぎ回り、レミリア・スカーレットを屈服させていく。
 思考も記憶も何もかもグズグズに腐らせてしまうような恍惚が神経を焼く。身体は反り、裏返った嬌声が上がる。汗が珠となって散り、雌穴は淫蜜を間欠泉のように噴き出した。絶頂だ。五百年間生きてきた中で、最高の。
 他のホフゴブリンとどれだけ交わっても子がなせなかったわけを、ようやく理解した。吸血鬼が孕みにくいからとかいう、つまらないものではない。このときのためだ。彼からの膣内射精を受け止めるこのときのために、胎を空けておいたのだ。
 大切にとっておいた子宮を、今、全身全霊で彼に捧げている。証明するように、淫紋がピンク色の輝きを放った。
「あはああッ、あぁあんッ、ああッ、ああぁあぁあああッ、ああぁぁぁあぁッ」
 あがる声は、赤子の産声のようだった。実際、産声だ。彼女は、新たに生まれたのだ。誰もが恐れる吸血鬼から、見捨てられるべき性奴隷へと。
 目尻から、一筋の涙が流れた。この世に生を受けたことを、喜んでいた。
「あひぁッ、あはっ、ああ……あは……ッ」
 やがて射精が終わり、絶頂の波も引いていく。痙攣していた肉体が、ぐったりと脱力する。体力の全てを使い果たしてしまっていた。もはや、指一本持ち上げることすら億劫だ。
「へッ、ノビちまってよぉ、そんなによかったか? え?」
 問いかけに、答えることすらできない。ただ小さな肩が呼吸のために上下していることだけが、彼女がまだ生きていることを伝えている。彼は舌打ちする。
「使えねぇやつだなァ」
 雌穴から、肉棒が引き抜かれる。絶頂の余韻にまだ浸っている膣肉は収縮しており、亀頭が抜ける瞬間には、ぐぽんッ! と風呂の栓を抜くような音を立てる。
 体格に対して、注ぎ込まれた白濁は相当な量だった。せき止めるものを失ったことで、収まりきらなくなった子種があふれてもおかしくはない――のだが、そうはならなかった。当然のことだった。彼女は、性奴隷なのだ。スペルマを注がれるためにあるモノが、せっかく射精してもらった種を零すなど、あっていいことではない。意識が半ば吹き飛んでいるとしても、そこは絶対だ。
「おい起きろよ」
「あひぇッ!?」
 奇妙な悲鳴と共に、彼女は覚醒する。口に手を突っ込まれ、舌を引っ張られたのだ。淫紋を入れている身にとっては、たとえば淫核を思い切り愛撫されるのに近い。強烈な快感が、彼女を快楽の海から呼び起こしていた。
「何終わったつもりでいんだよ、まだ締めにゃ早ぇんだよバカが。こっちがまだだろうがよぉ」
「あッ……は、申し訳、ございませんッ」
 ぐりッ、と、指が押し当てられたのは、薄い尻肉の谷間、秘めやかな背徳の穴だった。
 もちろん、そちらでの経験もある。だが、彼に穿たれたことはなかった。今日ここでほじくってもらうことで、三穴すべてを征服してもらったことになる――生まれ変わった記念としては、最高だ。
 けれども、体力の切れた彼女は、もはや腰を浮かせることすらままならない。どうしたものかと思案していると、太腿の下から手を差し込まれ、持ち上げられる。
「使えねぇなァ。どぉれ、これならテメェが動かなくても問題ねぇだろ」
「あはッ……」
 背面座位をそのまま持ち上げた姿勢になる。いわゆる駅弁の形から、女の前後ろを逆にしたような体位と言い換えてもいいだろう。
 足が、ぶらぶらと垂れ下がる。確かにこれなら、自分が動く必要はない。しかしこれでは、本当に、道具のようではないか――本望だ。
 尻たぶを掻き分け、尻穴に剛直の先端が押し当てられる。三度の射精の後だというのに、まるで萎えていないどころか、むしろ硬く熱くなっているように感じられる。己の肉体でここまで勃起していただけていることに深い悦びを覚え、挿入をねだる。
「はやく、早くおチンポねじ込んでください、レミリアのケツマンコを、ご主人様専用のチンポ扱き穴に仕立て上げてくださいぃッ」
「はッ、無様にケツハメ乞いやがって、そんなにアナルセックスがしたいかよ」
「したいっ、したいです、だから早く、おチンポぉッ」
 もはや指一本動かすのも怠いと思っていたというのに、腰をくねらせて肛門性交を乞う。瞳には、欲情の色しかない。そうかよと彼は呟くと、レミリアが望むとおり、腰を思い切り突き上げ、反対に腕は引き下げる。肉棒が、薄灰色のおちょぼ口を割り開き、思い切り侵入する。
「ッは――ォッ、ほぉおおおおおッ!」
 もともとアナルセックスの経験を積んできている。肉棒が精液と愛液でぬるついており、抵抗もほとんどない。それだけに、痛みはほとんどなく、強烈な快感が全身を駆け巡る。背骨を引っこ抜くような、脳髄を腐らせて駄目にするような快感だ。
「はひぃッ、おひッ、ぉッ、ほぉッ!? ひぃいいッ、チンポッ、おチンポあついぃッ、あぉおおおおッ!」
 容赦ないピストンがすぐさま開始される。ペニスが抜き差しされるたび、ぶぼッ、ぬぶぼッと、粘っこい音が肛門から響いている。
 直腸で感じる彼のモノは、火傷しそうなほどに熱く、硬い。目を白黒させ、受け入れることしかできない。ただでさえ先ほどの膣性交で消耗している彼女は、これだけでいっぱいいっぱいだ。そこに、追い打ちがかかる。
「レミィ、とっても楽しそうねぇ?」
「アッ、は、パチェ、ッ、それ、もしかして」
 友人が、目の前に立つ。こちらが性交している間に彼女も楽しんでいたのだろう、綺麗な髪に顔、乳房に両腕が、白濁でどろどろになっている。黒ずんだ乳首からは、薄ら黄ばんだ母乳がだらだらと滴っている。
 だが、問題はそんなところではない。レミリアの目は、友人の股間に向けられていた――ブーメランのように反り返る、凶悪極まるイチモツが、そびえ立っている。
 ましてそれが、己の膣口に押し当てられたとなれば、恐怖すら覚えずにはいられない。アナルセックスですら気が狂ってしまいそうなほどの快感を覚えているのだ。このうえ、二本差し? そんなことをすれば、本当に壊れてしまう。
「オッ、なんだ、お前がコイツを使うのか? 面白そうだな、いいぞ、やってみろよ」
「あはぁッ、この雌豚におセックスのお許しをくださり、ありがとうございます。誠心誠意、レミィのおマンコをズボズボいたします」
「え、ご、主人様ァッ!?」
「あ? なんだお前、性奴隷風情が口きいてんじゃねぇぞ。せっかく友達がチンポ生やしてくれてんだからよォ、黙ってハメられとけや!」
 ホフゴブリンが手を回し、膣口を割り開いてくる。パチュリーは色に狂った獣の瞳で、こちらを見つめてくる。せめて心の準備をさせてほしい――と口にする暇すら与えず、ソレは膣内に挿入された。
「あぉおおおおおおおッ!」
「あっはぁぁあッ! レミィのおマンコぉッ!」
 獣そのものの嬌声が、二つ響き渡った。謁見の間のだだっ広さにもかかわらず反響するほどの声量だった。彼女らの覚えた快感を表している。
 先ほどまで散々ほじくり返されていたことで、膣穴は極めて敏感になっている。そんなところに容赦ない挿入を受けたのだから、覚えた性感は意識を揺さぶるほどのものだった。瞳はあらぬ方を向き、視界の内で火花が弾ける。
「あはぁッ、すごっ、レミィったらこんないやらしいおマンコで今まで生きてきたの? こんなのおチンポ悦ばせるためにあるようなものじゃない、けしからんにもほどがあるわよ、お仕置きが必要だわ、大人しくズボられてなさいよ、ほらッ、ほらッ、ほらッ、ほらッ、ほらほらほらほらほらほらほらァッ!」
「あおぉッ、いひぃッ、あッ、あぁぁあッ!?」
 狂ったような呟きを垂れ流しながら、パチュリーは腰を振りたくってくる。重たい乳房が、妊娠線の浮かんだ腹がゆさゆさと揺れている。凶器と評すべきペニスが抜き差しされ、ぼぢゅッぼぢゅッと秘裂が音を立てる。
 その間も、アナルを埋める肉棒は休みなどしていない。むしろピストンの速度を上げ、レミリアをさらに狂わせようとしているかのようですらある。二種類の抽送が時には協力し、時には反目することで生じる快感は、彼女の小さな身体で受け止められるようなものではない。ただただ声をあげ、全身を痙攣させることしかできなかった。
「あぁあぁッ、なんてザーメンゴミ箱に向いてるおマンコなのッ、嫉妬しちゃうッ、このッ、レミィッ、もっと気持ちよくなりなさいよッ、ほらッ、ほらァッ」
「あぉッ!? ぉッ、ぉおッ、んぅうううッ、うううぅううううぉ!」
 ペニスの与えてくる快感に狂ったパチュリーは、わけの分からない理屈を振りかざしてくる。お前が妬ましくてしょうがないのだというように、腰を振り立て、さらに口腔に指を差し入れ、舌をなぞってくる。
 淫紋が刻まれているため、レミリアの舌は、膣や肛門、乳首に淫核と並ぶ性感帯だ。このように乱暴に撫でられなどすれば、当然それだけで悶えてしまうほどの快感に襲われる。これで、三箇所の責め。だが、それだけでは終わらない。
「おいおい、そっちばっか集中してんじゃねぇぞクソ奴隷、俺の! チンポを! 優先しろボケが! 聴いてんのかコラァ!」
「ぉ、ぃイおおおおッ!」
 平たい乳房を、鷲づかみにされる。乳首を、括りだすようにつねり上げられる。ちりんちりんと、鈴が暴れる。
 痺れるような性感が全身を駆け、筋肉が痙攣する。これで四箇所の責め、もはや荒波の中で揉まれているようなものだ。彼女でなかったとしても、そうそう堪えられなどしない。
「オッ、ぉおッ、なんだ急に締めてきやがって、そんなによかったのか、そらそらッ、どうなんだァ、おい!」
「あはぁぁッ、すごいぃッ、レミィのおマンコすごいぃッ、もうきちゃう、でちゃう、レミィにのおマンコに早漏膣内射精キメちゃうのぉ、あはぁぁああッ」
 抽送はさらに速くなっていく。何一つ考えることのできない状態で、しかしレミリアの脳裏には、これから起こることがあった。射精だ。しかも、おそらく、二人同時の。
 受ければ、間違いなく壊れてしまうだろう。だがもはや、止めることはできない。それに、性奴隷というものは、ブッ壊れているくらいがちょうどいいのかもしれない。ゆえに、レミリアは逃げない。自ら腰をくねらせて、子種をねだる。
「そうだっ、レミィ、これもあげちゃう、コレッ、コレッ、ほらぁッ」
「もがッ――」
 口腔に、何かしら突っ込まれた。布、のようだった。猿ぐつわだとか、そんなつまらないものではなかった。
 肺に流れ込む激臭。肺がひりつき、目から涙が零れてくるようだ。突っ込まれたものの正体を、すぐに悟った。腰布だ。それも、ホフゴブリンの頭目の。
 恍惚に、意識がぐらりと揺れる。
「オゴッ、ふッ、ぐぅ――ッ」
「あはははッ! 喜んでくれたみたいで嬉しいわレミィ! さあ、さあ、そろそろフィニッシュだからねッ!?」
「んん!? なんだよこの期に及んで締まりがキツくなりやがる、いいぞいいぞお前最高だよ腐れケツマンコ女がァ!」
 ごちゅぬぼずぐぼぢゅずぼぐぼぬぶりと、およそ聴いていられない音が垂れ流されている。狂ったような言葉と嬌声が混ざることで、最悪な交響曲が奏でられる。そして、最後の瞬間が訪れた。
「あっは、ごめんねレミィ出ちゃう、わたしの変態ふたなり精子レミィにどぴゅどぴゅ出しちゃうぅううッ、あっっはぁぁあああッ!」
「そらこっちも射精すぞケツ狂いの変態吸血鬼がァッ、ありがたく受け取れやッ――おおおぉおおおッ!」
「んぉおッ、ォッ、ぉ、ほぉおおおおおおおおおおッ――!」
 二本の肉棒が根元から膨らむ。勢いよく、最奥に叩きつけられる。そして、予想通り、同時に射精が始まった。
 膣内に、子宮に、無二の友人の遺伝子が注がれていく。濃密で、濃厚で、大量で、ホフゴブリンと比較してもひけをとらないほどだった。
 だがその精子が、レミリアを孕ませることはない。魔法で作られたペニスに由来しているからではない。子宮内にはすでに、ホフゴブリンの精子がたっぷり注ぎ込まれている。パチュリーの主でもある者の精子が。屈服した者の精子と屈服させた者の精子、どちらが強いかといえば明白である。彼女の遺伝子は、放たれるそばから虐殺されていく。そんなことなど知らぬ本人は、ただただ涎を垂らし、垂れた乳房と孕み腹と腰をレミリアにぐりぐりと押しつけ、乳首から母乳を噴きながら、濃厚なスペルマを放つ快感に涎を垂らすばかりだった。
 一方で、肛内にも白濁が注ぎ込まれていく。今日四度目ともなれば、少しくらいは薄くなったり、少なくなったりしてもおかしくないはずだ。だが、全くそのようなことはなかった。むしろ、さらに濃厚になっているようですらある。
 直腸の細胞一つ一つにいたるまで、スペルマが染み渡っていく。肛門が、腸壁が悦び、肉棒を締めつける。本来ならば奥から出口にかけて蠕動して異物を排出すべきところを、真逆の動きをして迎え入れていく。強烈極まる肛内射精によって、彼女のアヌスは、性器として造り替えられた。性奴隷に対しては、これ以上ないプレゼントだろう。
 二種類の射精を同時に受けて、当然、レミリアは絶頂する。意識には、何も存在していなかった。誇りや尊厳はとうにないからいいとして、人格もだ。
 考えてみれば、必要なかった。性奴隷とは人でなく、ただペニスを満足させるための道具に過ぎないのだから。不要なものをいつまでも持っておく必要などない。だったらこの際、捨ててしまおう。暴力的なまでの快楽の奔流に放り込めば、あとは勝手に、どこかへ押し流していってくれるだろう。
「へひぃいいッ、おぉひッ、あぉおおおおおッ!」
 突っ込まれた腰布が、口から飛び出した。狼の遠吠えじみた嬌声を垂れ流し、レミリアは全身をガクガクと痙攣させるばかりだ。全身から汗が、汁が噴き出している。涙に涎に鼻水で顔面はどろどろになり、見る影もない。しかし間違いなく、その表情は幸せだと語っていた。
「あひぃいっ、ひぃッ、ひぃッ、あぉッ、ほッ、おひぃいッ――」
「あはぁッ、おチンポ、おチンポからびゅるびゅる、きもちいッ、きもちいいのぉ……」
「かーッ、射精した射精した。なんだこいつら、気狂いみてぇな顔しやがってよぉ」
 絶頂は、数十秒ほども続いた。それでも、永遠ではない。パチュリーの膝が自重を支えきれなくなり、その場に尻餅をつく。快感の余韻浸る肉棒が、びくッ、びくんッと跳ねている。
 満足げな溜息を吐き、ホフゴブリンがレミリアをパチュリーめがけ放り捨てる。二人ともぐったりしており、起き上がる気配はない。文字通り精根尽き果てているのだ。呼吸による胸の上下が、唯一の動きだった。
 恍惚の海に浸るレミリアの頭に、声が響き渡る。
「兄貴ぃ、お疲れのとこ悪いんスけど、ちょっといいスか」
「あん? お前、持ち場はどうしたんだよ、研修担当だろ、今日は」
「そいつがやーっと終わったんで、連れて来たんスよ、……ひひッ、いーい具合に仕上がりましたよぉ、俺たちのメイド長サマ」
 ぼんやりとしていた彼女の意識が、それで覚醒した。目を見開く。見上げれば、そこに立っているのは、己の従者だった。
 輝く銀髪に、息を呑むような美貌、優雅な肩に腕、整った美乳、くびれた腰に、ぷりんとした尻、しなやかな脚――全て白濁にまみれ、汚れていないところはない。秘裂からも尻穴からもどろどろと子種を垂らしている。首には頑丈な首輪が嵌められ、リードによって導かれている。
「性奴隷見習い、十六夜咲夜と申します。本日は、ホフゴブリン様方の性奴隷として認めていただくべく、ご主人様に私の穴を堪能していただくために参上いたしました。色狂いのチンポ狂いの、つまらない無価値な雌ではございますが、どうぞ私めの穴をご賞味いただければ幸いです」
「ほーん、いいねぇ。あの高慢ちきど腐れメイドが、いい仕上がり具合じゃねぇか。いいぜ、これからこの俺様が、テメェのマンコをめくり返るまでほじくり返してやるからよぉ、覚悟しろや」
「あはぁッ、はい、どうか早くおチンポをください、もう疼いてしょうがないんです、早くぅ、はやくぅ、セックスしてぇっ」
 彼が従者を押し倒す。大きく広げられた脚に、亀頭が押し当てられている。今まで聞いたことのない媚びた声を咲夜が漏らす。這い寄って、顔を覗き込んだ。表情は蕩けきった、雌のそれだった。研修の果てに堕落した、完全で瀟洒だった女の末路がそこにあった。
「あ? なんだレミリア、テメェの出番は終わりだっつの……ああ、まぁアレだな。お前の大事なメイド、性奴隷としてありがたくもらっとくわ。お疲れさん」
「うふふ、先輩として、ご指導ご鞭撻のほどお願いしますね、レミリアさん」
 白濁まみれの顔で微笑む彼女は、お嬢様と口にしなかった。もう二度と、口にしないだろう。それはそうだ。彼女はもう主に捧げられた。自分も主のものだ。つまり、二人は、主の所有物として平等、共に性奴隷として等しい立場にある。
 だからこそ、より彼女と楽しみを分かち合い、絆を深めていける。喜ばしいことだった。
「ええ、よろしくね咲夜。一緒に沢山、ご主人様達におチンポズボズボしてもらいましょうね」
「はいッ。……あっはぁああッ! チンポきたぁああッ!」
「うぉッ!? なんだこのマンコ、襞がぞりぞり絡みついてきやがる、おおぉおッ」
 咲夜の肉貝が、肉棒を咥え込む。彼が腰を振りたくり、己の分際を彼女に教え込んでいく。ピストンを受け喘ぐ表情は、至福を物語っている。
「あはッ! んぅうッ、はぁんッ、いぃっ、ホフゴブリンチンポっ、いいのぉっ」
「あぁ――咲夜、素敵よ……」
「あはっ、おチンポ、おチンポゴシゴシ、あへっ、あへえ……」
 乱れる元・従者に見入っているうちに、パチュリーも、知らぬ間に起き上がっていた。どこか壊れてしまったのか、生えたままの己の肉棒を、がしゅがしゅと扱き立てている。顔に知性はなく、えへえへと曖昧な笑みを浮かべている。
「イヒヒッ、どいつもこいつも雌顔晒しやがって。んでお前ら、起き上がれるくらいになったんなら、今度は俺らの相手してもらうぜぇ?」
「はい、もちろんです。私たちは、そのために生まれたのですから。どうぞレミリア・スカーレットを、ご賞味くださいませ」
 ホフゴブリン達が、玉座のあたりにまで上っていた。己の肉棒を扱き始めていた。友人と二人揃って、取り囲まれる。何本もの肉棒が、眼前に突き出される。
 こんな日が、これからもずっと続くのだろう。自分は幸せ者だ――そんな考えを最後に、彼女の意識は淫楽に沈んでいった。
美鈴のやつhttp://easy2life.sakura.ne.jp/yotogi2/index.php/49/1516544555
咲夜のやつhttp://easy2life.sakura.ne.jp/yotogi2/index.php/49/1517231320
パチュリーのやつhttp://easy2life.sakura.ne.jp/yotogi2/index.php/49/1517759082

今回で一通り完結です 通して文庫本200P余裕で超えるんで同人誌にできたねコレ
おまけのフランドール編に入る前に他の作品何個か書き上げると思います
喚く狂人
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コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
これはすごい…
なんかもう、ひたすら最高でした。このシリーズはどれもツボでしたがその完結編に相応しい凄まじい抜き度。
今後この作品に何回お世話になるだろうか…
2.SYSTEMA削除
なんという力作。。これは前かがみにならざるを得ない。。。素晴らしいですねありがとうございました。
3.性欲を持て余す程度の能力削除
もう淫魔館に改名するべきですね(それかデカ摩羅館)
一年間にわたり調教され続けた体は貞操帯をつけていても隠せないこらえ性のなさがあふれて、吸血鬼の矜持も面影もないその堕ちっぷりから彼女が受けてきた調教の激しさがうかがえるッ。穴っぽことして可愛がられるうちにより淫らに変化していく体って字面だけでもやばいのに、懐胎してもなお捌け口であろうとする姿はエロいことこのうえない!
スパンキングばかりか鼻フックまでやられたところに受ける雄臭トリップにアヘるさまも、チンポ欲しさに四つ足歩行を頑張る情けない姿もたまらなく頭おかしい感が出ててほんと好き。見せつけられるフェラにさらに雌を催して奉仕する唇がチンポごとの好みを把握しているのもまたいい…
容赦もためらいもない妊婦セックスはボテ腹ならではの退廃さがあって、黒ずんだ胸の揺れと噴き出す色濃い母乳が淫らさに輪をかけて文字を拾う脳を刺激してくる。髪や体のいたるところを使われる遠慮のない自慰で汚された体を、排尿で洗浄されるえげつなさがこれまたたまらない
ふたりをはべらせるホフゴブリンには穴っぽこ以上の感情はないのに、うやうやしくする望まれるまま(もちろん自分も望むままに)性奴隷を演じるイカレ具合。キスみたいな音が鳴るほどにチンポを求める膣も、おかえりなさいなんて科白を吐いちゃうネジのぶっ飛び具合も淫乱さがうかがえてシコい
圧倒的な征服者のとおりの逆らってはいけないちんちんに穿たれて、受ける中出しに力尽きてもしっかりと子種を逃さない雌っぷりはさすがかもしれない。アナルまで蹂躙されて同じくらい凶悪なクリトリスチンポにまた膣を犯される幼い体も、自分が女であることを忘れたみたいに腰振るパチュリーもどっちも最高にドスケベすぎる!
ついに研修を終えたスケベ心丸出しの咲夜も混ざって、性奴隷のカーストに堕ちた紅魔館の今後がどうなっていくのか(おもに幻想郷での立場的に)、想像が膨らむ素晴らしさでした
しかし、やっぱりあったんですねフランドール…ああ、やっぱり彼らからは逃れられないのか!子宮がきゅんとしてドカーンされちゃうんですねちくしょう!(急いで脱いだ下着を畳みはじめる)
おまけが残っていますがシリーズの執筆お疲れさまでした。今回もドチャクソシコくて最高でした、ありがとうございました
予定されている次作も楽しみにしております(シコッ)