真・東方夜伽話

魂魄輪姦し

2017/11/04 18:20:07
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魂魄輪姦し

喚く狂人
 夜風にさらされた妖夢の肉体は、少女から大人に移り変わる途上にあるようだった。凜とした顔立ちと裏腹に、体は丸みを帯びつつある。完全に平たかった乳房はわずかながら膨らみ始め、丘のような風情となっている。腰は、初潮を済ませた頃から、子をなす用意を整えるように左右に広がりつつあった。陰毛はまだ生えかけといったところで、産毛も交えながらふんわりと茂っている。薄っぺらだった尻はほどよく皮下脂肪を蓄えつつある。
 華奢なボディラインながら、日頃の鍛錬により、鍛えられるところは鍛えられている。すらりとしながらも力強さのある腕、割れてこそいないものの腹筋の存在をうかがわせる腹、必要とあらば鞭のようにしなって大地なり敵なりを蹴るだろう脚がそれにあたる。尻にしても、新たに蓄えられた脂肪は、大臀筋によってしっかり支えられていた。
 ともあれ、彼女の一糸纏わぬ姿には、健気な美しさがある。それだけに、双丘の先端が尖り、秘部がぬかるみつつあることは、体の初々しさとは対極の淫靡さを醸し出していた。そして、そういう姿をさらすには、この場所はいささか不適切だった。というのも、ここが屋外であるからだ。
 雪は降っていなかったが、この時期の夜の人里はやや冷える。路地裏の行き止まりゆえ、風のないのが幸いだった。しっかり着込んでおかないと風邪をひいてしまいそうな中で、反対に彼女は脱衣していた。靴以外のすべてをだ。
 ため息を一つつく。自分でも驚くほど熱かった。吐息だけでなく全身がだ。気温の低さと裏腹に、体はひどく火照っている。
 こんなところに人目があるとは到底思えないが、もしかすると誰かに見られているかもしれない。今すぐやめるべきだ。己の中の理性が警告する。
 真っ当な意見だと妖夢自身思う。けれども彼女は耳を貸さず、路地の入り口に向かって歩いていく。後ろから見れば、小ぶりな尻がわずかに左右にくねるのを楽しめるだろう。
 路地の出口に立った。一歩踏み出せば、大通りだ。こんな時間に人通りもないだろうが、だからといって全裸で徘徊していいことにはならない。
 喉がからからになっていることに気づいた。こんなに緊張するのは久々、いや初めてだ。反対に、腹の奥は熱く潤んでいた。
 とんでもなく危険なことをしようとしている。路地裏で脱衣し、ここまで歩いたことも危ないのに間違いはないが、危なさの程度がまるで違う。通りに出れば、本当に、どこに人の目があるかわかったものではないのだから。
 もし見られていたとして、失われるものは大きい。社会的信用、白玉楼の名声、魂魄の名、損なわれてはならないあらゆるものに泥を塗ることになる。だが、どうでもよかった。それよりも、この体を目の前に広がる危険領域にさらしたら、どれだけ気持ちがいいかということのほうが、よほど重要だった。
「えいっ」
 やめろ馬鹿という常識からの声を思い切り無視して、勢いをつけて一歩を踏み出した。何一つ隠すもののない体のすべてを、だだっ広い公共の空間にさらす。途端、全身の毛がぶわりと逆立ったように感じられた。叫び、走り出したくなる衝動が体の奥からむくむく湧いてくる。
 これだ、これを求めていたのだ。これがかつて味わっていたもの、このごろ味わえなくなっていたものだ。
 ふと、風が通り抜けた。ただの風だが、爽快感はいつもの比ではなかった。自分の体をそのまま突き抜けていくかのようで、達してしまえそうだった。膝がかくつく。
 今のは悪くなかったが、いつまでもじっとしていられない。自分には目的がある。より大胆な目的が。足を踏み出し、歩き始める。
 一歩前に進むごとに、誰かに見られているのではないかという思いが強くなっていく。魂魄のものとして鍛えられた感覚が、大通りに視線はないと告げてはいるが、もしかしてという疑いを拭い去ることはできない。
 覚えるのは、もちろん恐怖だ。そしてそれ以上の、解放感だ。簀巻きにされてもがいていたのを、解かれたような感覚だ。それこそ彼女が求めていたものだった。
 魂魄妖夢は、露出狂だ。
 そういった嗜好に目覚めたのは、ずっと昔のことだった。原体験は、今でも彼女の中に焼き付いている。
 厳格の権化のような祖父が、何を思ったか川辺に水遊びに連れて行ってくれた。服の下に水着を着ていったのだが、当時小さかった妖夢はもちろん、祖父も考えが回らず、替えの下着を忘れてしまった。
 結局下着なしで帰ることになったのだが、衣服のうちで体を剥き出しにしていることに、当時の妖夢はえもいわれぬ解放感を覚えた。明らかに、下着による束縛がないということだけが理由ではなかった。彼女は、得体の知れないドキドキとむずむずを覚えていた。
 むずむずは、帰ってからも、それどころか床に就いてからも、収まることはなかった。毎日必ず、決まった時間に眠りに落ちていた彼女が、その日ばかりは眠れなかった。
 その日、彼女は初めての自慰をした。行為の意味は知らない。それでも、むずむずするところに触ればどうにかなりそうだと、本能的に感じたのだ。結果的には、正しかった。
 当時の妖夢に、性知識などろくになかった。教える者がおらず、教わる必要もなかった。それでも、これはいけないことだと、当時の妖夢は感じていた。お股を触るなんて汚いということ以上に、なにかいけない理由があると、なんとなくでもわかった。
 魂魄妖夢は実に良い子で、してはいけないことはしないし、もししてしまったとしても、ちゃんと大人に報告して、しかるべき罰を受けていた。大人に隠し事をしたのは、それが初めてのことだった。
 性嗜好の歪みが決定的になったのは、そんな経験もすっかり忘れたときのことだった。蔵の掃除をしていて、見つけてしまったのだ。祖父の持っていた春本を。
 頁の隅々まで、今でも鮮明に思い出せる。絵巻の中では、裸の女が屋外で男と交わっていた。まともな性知識もないまま読むにはあまりにも不適切で、過激な内容だ。
 なんとなくだけど、これは読んではいけないものなのではないか――隠されていたからというだけでなく、彼女はそう感じていた。それでも頁をめくる手は止まらず、進むごとに、あのむずむずを覚えた。その後妖夢は、人生二度目の自慰をした。
 股ぐらを弄る行為が、春本に載っていたことに類するものだと分かる程度には、その頃の妖夢は聡明さを得ていた。そのうえで、やはり大人には秘密にした。主や祖父に話せるようなことでないと思ったし、黙っていることが、とても甘美に思えたのだ。
 いけないことだが、大人に秘密にしていると楽しい、どきどきする素敵なもの。妖夢の抱いた、性行為に対する印象だった。後になって正しい知識は学んだのだが、第一印象はそうそうひっくり返らない。彼女はすっかり、禁断の果実の虜になっていた。
 その後、彼女は、二種の経験から形成された嗜好に従って、露出を行うようになった。露出しては、部屋に戻って自慰をした。繰り返すたびに、魂魄妖夢から脱却できるように感じた。生真面目な庭師であり、西行寺幽々子の従者である己からだ。
 その頃になると、彼女も己を客観視できるようになっていた。水辺の体験で覚えたあの解放感が何からの解放かといえば、そういう肩書きだ。主の従者として期待に応えなくてはという思いは、知らず知らずのうちストレスになって妖夢を蝕んでいたのだ。生まれてこのかた冥界暮らしで、ろくな娯楽を知らない彼女にとって、露出は唯一のストレス発散方法だった。
 しかし、露出もだんだん効かなくなってくる。当然だ。魂魄妖夢という日常から逃れるための行為も、繰り返せば結局は日常になる。要するに、マンネリだ。
 飽いては刺激を取り戻すため、行為はどんどん過激化していった。最初は自分の部屋で下着姿になるだけだったのが、裸になるようになった。次いで白玉楼の廊下に出るようになり、庭に下りはじめた。部屋での自慰が外での自慰に移り、下着なしで人里を歩いたりもするようになった。
 依存症患者のように、妖夢は際限なく行為をエスカレートさせていった。その終着点が、今回の、深夜の露出徘徊というわけだ。
 今までのことを思い出し、快感に酔いしれながら進むうちに、いつしか大通りから随分外れてしまっていた。道は狭く、左右に立ち並ぶ家――このぼろを家と呼べるなら――は今にも崩れてしまいそうだ。
 歩いているうちに、いわゆる貧民窟にさしかかっていた。里の恥部と言い換えてもいい。住民にモラルと呼べるものは存在せず、特に夜は最悪だ。彼女のような美少女が一人で、ましてこのような姿で歩く場所ではないし、なにをされてもおかしくはない。
 今すぐあの路地裏に戻り、大急ぎで服を着てとっとと帰るべきだと、理性はさっきからずっと告げている。全く正しいと、彼女自身大きく頷きたいところだ。けれども、そこで受け入れられるようなら、最初からこんな無茶苦茶はやっていないのだ。
 足は止まらない。もはやリスクなしには快感を得られない。快感なしで魂魄妖夢であり続けたら、きっと自分は窒息死してしまう。
 そう、無茶苦茶をして肩の力を抜かないと、息苦しくてしょうがないのだ。そしてただ歩いているだけというのは、無茶苦茶と呼ぶにはいささか甘かった。
 彼女は足を止める。帰ろうと思ったわけでもない。足がすくんだわけでもない。もっととんでもないことを始めようと思っただけだ。
「ンッ……」
 脚を、わずかに開く。隙間へ、手を伸ばしていく。目標は、すでに涎を垂らしつつある、秘部でぬらぬら輝く肉の真珠だ。
 指先でつんと触れる。ぴりりとした感覚が、背骨を通じて脳みその後ろあたりに響く。最初に触る部位としては、いささか敏感すぎるかもしれない。しかし、このキツいくらいの刺激がかえって好ましくも思え、行為を続ける。
 近くの壁に背中を預け、指先で肉豆を転がす。くりくりと弄くるたび、膝がかくかくと震える。誰かに見つかるかもしれないからと声は抑えていたが、それでも喉の奥から甘い吐息をこぼれ落とさずにはいられない。
 口元を手で塞いで消音代わりにしながら、自慰行為を続ける。とん、とん、とん、とんと、リズムよく淫核にタッチする。日々の自慰によってすっかり大きくなった豆は、刺激に合わせてソリッドな電気信号を送る。人を虜にする魔力のある快感に、妖夢は次第に、ここがどこかということも忘れて没頭していく。
 ずるずると、背中が擦れるのを感じた。膝の力が抜けてきている。快感が高まっていることの証左だ。立ったままではいられないと、座る。両脚を大きく広げた蹲踞の姿勢だ。誰が見ているわけでもなくとも、そういう品のないポーズをとるのが好きだった。下品だということは、魂魄妖夢から離れているということなのだ。
「くッ、んぅ」
 再び指を伸ばす。今度は淫核ではない。そのそばにある沼――女汁にまみれた裂け目へ、指先を潜り込ませる。
 とろとろになっていたそこは、大した苦もなく異物を受け入れる。ただし、一定以上の侵入を許さなかった。指先が何かに阻まれ、それ以上奥に進めなくなる。そこには、彼女の純潔の証、処女の証拠たる膜が存在していた。
 このような行為に及んでおきながら、彼女はいまだに処女だった。別に積極的に保っておきたい理由はない。ただ喪失の際は痛く、出血もすると聞く。魂魄妖夢としての仕事に支障をきたすといけないので避けているだけだった。
 そういうわけで、膣の開発は、本人の異様な性的嗜好のわりにはあまり進んでいない。代わりに彼女は、別の穴で楽しめるようになっていた。
 秘裂から指を引き抜く。そこからさらに、後ろに向かう。背徳の穴、彼女のアナルへ。
 両脚を開いたことで寄せられていた尻たぶを、指先で割り開く。外気に触れたそこは、ひんやりとした感覚にきゅうと収縮した。
「はっ、く、はァッ」
 もう片手の人差し指を唾液で濡らし、肛内に忍び込ませていく。背骨を引き抜くような独特の快感に、詰まった吐息が漏れる。そこは排泄するための場所で、異物を入れるためにあるのではないのだぞと体が忠告してくるが、無視だ。
「んっ、は、ぉ、あ、んぅ」
 膣の代わりにずいぶん使われてきた穴は、異物を素直に受け入れるような反応を見せる。粘り気のある体液が分泌され、潤滑油代わりとなる。指を抜き差しし、直腸壁をぬぷぬぷと擦って快楽を得る。浣腸もしてあるし慣れっこなので、汚いとは全く思わない。
 猫背になり小さく丸まるようにしていた。傍目には、野糞の最中にいきんでいるように見えなくもない。行為の異常さはそれ以上だろう。このような場所で、真っ裸で尻穴自涜に励むなど、全くまともでない。まともでないからこそよい。魂魄妖夢から遠ざかれる。
「はっ! あく、ん、ふぅ! はっ、ァ、ん」
 声を抑えようと努力はしているが、他人に言ってもおそらく信じてもらえまい。嬌声は当初と比べ、より大きく、はっきりしたものになっていた。誰かに聞かれる危険性も理解してこそいるが、だからといって抑えられるものではない。少なくとも、己を嬲り続ける以上は。彼女はただ、いけないことによる快感に没頭していく。
「よう、楽しいことしてるじゃねぇか?」
 没頭しすぎて、他人が近づいていることに気づけなかった。水をかけられたかのように、跳ねるように立ち上がる。
 いかにもごろつきといった風情の男たちが、見えるだけでも三人。こちらを取り囲んで、じりじりと近づいてくる。
 ここに立ち入ったとき、理性に警告された事態が、現実のものとなった。彼らは自分を、性欲の餌食にせんとしている。
「こんなとこでそんな格好とは、かわいい顔してずいぶんな変態ちゃんだな? 一人じゃ寂しいだろ、俺らが遊んでやるからよ、ちょっと顔貸せや、な?」
 恐れていた事態が現実になってしまったが、まだ取り返しがつく。彼らが自分の正体を知っているとは思えない。すぐに逃げて、今後二度とここに近づかなければ、問題はない。肝心の逃げられるかどうかだが、可能だ。相手が彼らだけとは思えないし、多分そこらの物陰にもっと隠れているだろうが、所詮ごろつき、烏合の衆だ。丸腰であっても、魂魄の者として鍛えられてきた自分が遅れをとることはありえない。
 というわけなのだが、逃げるつもりになれなかった。
「それは――どういうことをして、遊んでくださるのですか?」
 そのようなことを聞く始末だった。男たちは顔を見合わせると、ニヤニヤと笑い始める。こいつチョロいぜとか、いっちょまえに期待してやがるだとか、そういう意味のこもった目だった。
「そりゃもちろん、言うまでもねぇ、俺たち全員で可愛がってやるんだよ。ちょうどいいだろ、こんなところで一人でオナるより、よっぽどイイ思い出にしてやるよぉ」
 男は無遠慮に妖夢に近づくと、首筋から頬にかけて舐めあげる。顔をまじまじと見つめ、こりゃ上玉だぜと呟いた。
 何してるんだ逃げろ馬鹿と、理性は告げている。このままいけば滅茶苦茶にされるぞと。本日何度目かの無視を決め込んだ。こっちはむしろ、滅茶苦茶にしてほしいくらいだった。自分はもう、魂魄妖夢でいること飽き飽きしているのだから。
「素晴らしいことに聞こえます。それでは、私と遊んでくださいますか?」
「嫌だっつってもお前で遊ぶつもりだったけど、そういう態度なら話が早い。いいぜぇ、その素直さに免じて、一生忘れられない経験にしてやるよぉ」
 提案を受け入れるなり、男に腕をつかまれる。彼はそのまま歩き始める。残りの二人が左右を固めるように並ぶ。さらに、そこらに隠れていた連中が後ろについた。逃がさない構えだ。前方は比較的手薄だが、おそらくどの道に入っても行き止まりなのだろう。ただのごろつきの割には、ずいぶん考えている。似たような手口で、何人も食い物にしてきたのだろう。これから、そのうちの一人にされてしまうのだと考えると、どうしようもない恐怖と、それと同じくらいの期待が胸を満たす。
「はッ、あ、あっ」
「朝までたっぷりヤッてやるからな、楽しみにしてろよ」
 ぞろぞろと進む集団の中で、ただ一人妖夢だけが裸身をさらしている。道中、男たちは時折無遠慮にこちらの体に手を伸ばしては、乳房や秘部に触れ、尻を撫で、揉む。異性に触れられるなどというのは、これが初めてのことだ。声を荒げて拒むべき場面で、しかし彼女は心地よさげな声を上げ、身を任せるばかりだった。
「こんなカワイコちゃんのくせに、中身はとんだ露出狂の淫乱ときた。見た目によらねぇもんだな」
「あっ、あ、はっ、ンッ」
 秘唇にぴったり指を這わされ、くちくちと擦られる。自ら望むように腰を押しつけるが、絶妙に物足りない。彼らの愛撫のすべてがそうだった。わざとなのだろう。これからする行為への期待を高めさせているのだ。
「ほれ、着いたぞ」
 そう言って、彼らは立派な――ほかのあばら屋に比べればいくらかはという意味で――家の前に立ち止まる。ぞろぞろと着いてきた連中は、二三人どころではない。両手の指で数えても足りない。道中に潜んでいたのが合流してきたのだろう。妖夢一人を食いものにせんと、股間のものを衣服の下でおっ立てている。
 彼女の目の前で、あばら屋の扉は開かれるときを待っている。もちろん、開けるわけにいかないのは承知している。開けば自分は純潔も、魂魄妖夢として培ってきたものも失い、女として滅茶苦茶にされてしまうだろう。
 もはや勝てないのなら仕方ない。だが、仕方なくないのだ。連中の頭数は増えたものの、しょせん雑魚、逃げようと思えば逃げられることに変わりはない。だから、ここから一歩踏み出すのは、状況も何も関わらない、完全に自分の意思によるものということになる。そういう意味でも、踏み出せば取り返しがつかない。
 戻るなら、今しかない――重大な選択を前にして、彼女はあっさり決断する。もちろん、戻らない。どういうことをされるかは想像に難くない。理不尽で身勝手な暴力に晒されることを考えると、足がすくみそうになる。けれども、それ以上に彼女は期待をしている。彼らなら、魂魄妖夢をめためたにできるだろうと言う期待を。
 だから彼女は、扉を開き、彼らのねぐらへ自ら足を踏み入れた。
 男たちはそれに続き、ぞろぞろ入室する。全員が入ったのを見計らい、扉が閉められた。閂をかける念の入れようだ。邪魔が入らないようにというより、獲物を中から逃がさないようにということだろう。
 ただでさえ狭い小屋は、男たちが皆入ったことで、さらに狭苦しくなっていた。調度の類いは置かれておらず、中央に粗末なぼろ布団が敷かれているだけだ。そこに立たされる。男たちにぐるりと取り囲まれる形だ。
「もう股濡らしてやがる。相当期待してやがるぜ、こいつ」
 言いがかりなどではなかった。彼女の秘部は、とめどなく淫蜜を滴らせていた。腹の奥が疼いては、粘っこい汁を分泌している。
 そのようなことを他人に指摘されるのは、言うまでもなく大恥である。しかし彼女は、興奮を覚えていた。露出を誰かに見られたなら身の破滅だと考えていたが、ここでいう身とはほかならぬ魂魄妖夢のことに他ならない。自分を縛り付けるものが滅んだら、小気味よい気分になるのは当然のことだった。
 彼らは下卑た目でこちらを見つめている。これから、こいつらに弄ばれるのだ。こんな、最低の相手に。けれども妖夢は、彼らに対し信頼を覚えていた。悪いほどよい。悪さこそ、魂魄妖夢を貶めるために必要な要素なのだ。
 無造作に手が伸びてくる。黒ずんだ無骨な手だ。白く滑らかで無垢な乳房に触れ、全く遠慮なしに揉みしだいてくる。我が物顔とはこのことだった。この小屋に足を踏み入れた時点で、彼らの所有物として弄ばれることは運命づけられている。
「ひんッ!」
 両親指と人差し指が、性的興奮にぴんと尖っていた先端をキュッとつねり、引っ張る。刺激が走り、高めの声が漏れ出る。性感帯を他人に触れられるのは初めてのことだったが、自分で同じことをするよりずっと明確な快感がある。魂魄妖夢うんぬんの話を横に置いておくにしても、悪くない。
「敏感じゃねぇの、いいね、こっちはどうだよ?」
「あっ! ひ、はっ、あ、あ、あ、ッ」
 股間に手が伸ばされる。貞操の危機を感じながら、しかし彼女は、拒まない。
 男の指が、ぬかるむ肉の沼に浮かぶ真珠に触れる。ぴんっ、ぴんっと、リズムにあわせ軽く弾く。そのたび、頭に電気ショックを受けたように感じ、思考が中断させられる。
 やはり、自分で触るのと他人に触られるのとではまるで違う。気づけば、さらなる行為を望むように彼の手に腰を押しつけていた。男はがぜん、やる気になったようだった。
「く、は、ァッ、あぁああッ、は、ひっ、あぁッ……!」
 膝が、体が震える。男は指先で、秘核をつねっていた。相当気を遣った、優しい手つきではあったのだが、極めて敏感な女の弱点にとってはそれでも甚だしすぎるほどで、目の裏でちかちかと火花が散るように感じられた。
「どれ、こっちの具合はどうだァ?」
「あぁッ……」
 甘く蕩けた声がこぼれる。先ほどの、歩いている間の愛撫では、秘唇を撫でられるだけにとどまっていた。それが、膣内にまで入り込もうとしている。どうして胸を高鳴らさずいられるだろう。
「へへへ、おぉーキツキツだ、たっぷり可愛がって、ユルユルのマンコに作り替えてやるからな……ァ?」
 それが当然の権利だと言わんばかりに、彼は中指を妖夢の最も大切な裂け目へ潜らせる。濡れた媚肉の締め付けを楽しみながら、ゆっくりと奥へ進む。そして、疑問符を浮かべた。
「こりゃあ……こいつ……膜があんぞ?」
 ごろつきどもの雰囲気が変わる。へらへらと弛緩した空気が急に引き締まる。おいマジかよ、もっとちゃんと確かめろと、指を差し込んでいた男に目で語る。
 男は検査でもするような手つきで、妖夢の狭い穴の浅くを探る。純潔の証をなぞられ、彼女は小さい吐息をこぼす。性感帯を弄ばれる快感と、彼がほんの少し間違えれば純潔を喪失することになるという恐怖によるものだった。
 指の侵入を阻む膜をひとしきり撫で回し、その存在を確かめたのち、彼は指を引き抜く。
「間違いねぇ、コイツ処女だ!」
 男たちにどよめきが広がる。その目には異様な興奮が浮かんでいた。性的なものであり、ありえない奇跡を目の当たりにしたときに見せるものだった。
「おい、どうなんだ、言ってみろ、処女だろお前」
「はい、おっしゃるとおりです、私は処女です」
 男たちのどよめきがさらに大きくなる。マジか、という声が聞こえてきた。
「おぼこのくせしてこんなことしてたのか! ガチの変態かよ! 終わってんな!」
「最高じゃねぇか、忘れられねぇ処女喪失にしてやるから楽しみにしてろよぉ!?」
 彼らは口々に妖夢を罵る。今まで浴びたことがないような見下した目が、あちこちから注がれている。素晴らしい反応だった。やはり見立ては間違っていなかった。魂魄妖夢を貶めるのに、彼ら以上の適任はいない。
「いやしかし、バージンだってんならこっちは弄らねぇほうがいいな。ブチ破るんなら、チンポで破ってやったほうが嬉しいだろ、お前も?」
 どういった手段を提案されようとも、それは受け入れるべきでない。理解していながら、彼女は首を縦に振る。陵辱による処女喪失、なんとも素敵ではないか。
「へへ、おぼこちゃんよ、今日はこっちでもロストバージンさせてやるから、今のうちにケツ穴解しといてやるよ」
「あッ」
 尻たぶを割り開かれる。どこを触ろうとしているかは言葉から分かったので、自ら腰を突き出す。そういう細かな動作が、彼らをやる気にさせると分かっていた。彼らをやる気にすれば、より魂魄妖夢は汚されるからだ。
「オラ、ケツ穴の感覚はどうだよ、気持ちいいだろぉ?」
「はっ! あ、は、あぁッ、ひっ、お、はぁ」
「……あん?」
 男は指の腹で妖夢の肛門に触れ、ぐりぐり押し込むように刺激してくる。肛内に侵入し、腸壁を撫でてくる。
 彼としては、そんなのは無理だ! と嫌がらせたかったのだろう。それだけに、素直に快感を感じた妖夢の反応は、彼にとって予想外のもののようだった。
「はっ、く、ァ、お、ッくぅ、はぁ」
 確かめるような手つきで、指は腸内をまさぐる。甘ったるい快感に腰がくねる。彼女の反応に、男は確信を得たようだった。
「お前、こっちは開発済みなのかよ、前はバージンのくせして。終わってんな」
「ひ、はッ、ぉ、ッく、おぉッ」
 陸に打ち上げられた魚のように、指は腸内で踊る。ぐちょぐちょとねとついた音が響き、そのたびに喉が震え、品のない声が飛び出す。
「はぁッ! あッ、ひ、ぇあ、はっ、あぁッ」
 男たちは妖夢の身体のあちこちを、思い思いに弄ぶ。乳房を揉みしだき、先端をつねり、淫核をこねくり回し、秘唇を擦りあげる。それらすべてによい反応を返す妖夢を、大いに面白がっているようだった。
「んはっ、ちゅる、ッ、ふぅっ」
 開いていた口に指を指しこまれ、舌を撫で回される。自分から、ねだるように吸い付く。歯茎から口壁にいたるまで、感触を楽しまれる。
「ッ、く、ちゅぷッ、ふッ! ンッ、くッ、んんッ!」
 淫裂から、とめどなく汁があふれては太腿を滴り、粗末な敷物を濡らしていく。もはや立っていることも困難になり、男たちに支えられている状態だ。
 このままいけば、もう少しで達してしまうだろう。衆人環視の下で、それもこのような下郎どもの見ている前で、自分はオーガズムに至ってしまうのだ。そのような甘美な想像に酔いしれる妖夢だったが、現実はそれを裏切った。
「よぉし、ここまでだな」
「んはッ、は……え?」
 男たちのうち、最も厳つい一人――それがおそらく兄貴分なのだろう――が宣言すると、手は潮のように引いていった。思わぬところで取り残された妖夢には、疑問符を浮かべることしかできなかった。
「なんだ、イかせてもらいたかったのか? 俺たちみたいなクズに? どうしようもねぇお嬢ちゃんだな」
 ニヤニヤと笑いながら、男は告げる。性的な意味でなく、いやらしい目だ。
 楽しげな男たちと裏腹に、妖夢はひどく裏切られた気分になっていた。あのまま達してしまえていたなら、他者からの愛撫による初めての絶頂によって、魂魄妖夢を少なからず貶めることができていたに違いなかったのに。期待していたものを得られなかったばかりか、強い身体の疼きが残るばかりではないか。
「そう恨めしそうな顔すんなよ、俺たちもなにもイかせてやらねぇって言ってるわけじゃねぇんだ。ただ、お嬢ちゃんだけが一方的に気持ちよくなるんじゃ不平等ってもんだろ。――イかせてほしかったら、ほれ、満足させやがれ」
 小屋は元々、男臭さに満ちていた。両手に余る人数が狭い中で寿司詰めになっているのだから当然だが、その臭いがさらに濃くなったように感じられた。彼らが下衣を下ろし、一物を露出させたのだ。
 妖夢の喉から、小さな悲鳴がこぼれた。勃起したペニス。祖父の春本で形こそ知ってはいたが、本物を見るのは初めてだった。
 ソレらは、思っていた以上の異形で、とても人体の一部とは思えなかった。怪物が寄生しているのだといわれた方がよほど納得できる。そして、あきらかに凶悪だった。あんなものが膣に入ったりするとは、到底思えない。度重なる露出行為ですっかり淫乱になっていた妖夢をしても、本能的恐怖を覚えずにはいられなかった。
「おいなんだよ、今更ビビッてんのか? コイツを死ぬほどブチ込まれるんだってのは、分かっててついてきたもんだと思ってたんだがな。まあ、そんなこと思ってませんでしたなんて謝られたところで、今さら許してもやんねぇけどな」
 妖夢の初々しい反応に、男たちはずいぶん気をよくしたようだった。そういう女にねじ込むのが好きなのだと、表情は語っていた。
 ただ、実のところ、怖いと思っているのは半ば演技だった。いや、もちろん本物の肉棒は恐ろしいものに思える。想像以上だ。だからこそ良いのだ。汚らわしく、歪で、化け物のようであるほど、魂魄妖夢には不釣り合いということになるのだから。
 彼女は初心な少女のようにおびえつつも、内心、それの素晴らしさに感じ入っていた。
「そら、いつまでもびくびくしてても始まんねぇだろ。しゃぶれ」
 男は妖夢を跪かせると、端的に命じた。
 眼前に肉棒がずいと突き出される。醜悪な肉塊が、視界に大写しになる。雄臭さがむわむわと立ち上り、嗅覚を刺激してくる。間近で見るだに、やはり人の体とは思えなかった。こんなモノに、口をつけろというのだ。信じられない話だった。
 彼らには知るよしもない話だが、妖夢は生まれてこのかた、接吻というものをしたことがない。おぼこなのは膣のみでなく、唇もだ。
 ファーストキスの相手が、思い慕う殿方でなく、誰とも知らない男の男根。最低の話だ。
 だから、最高だった。
 つい先ほどまでおびえていたのもどこへやら、今すぐにでもしゃぶりつきたい気持ちでいっぱいだったのだが、妖夢はどうにか自制する。壺や巻物がいくら素晴らしいとしても、家主の許可も取らずべたべた触るやつはいない。こんなに素敵なものを弄るなら、持ち主に一言断ってからでなくてはならない。
「では、おっしゃるとおり、しゃぶらせていただきます。よろしいでしょうか?」
「おう、よろしいぜ、ほれ、さっさとしろ」
 そのように断りを入れるのは、いかにも魂魄妖夢的だ。本人が自覚すれば顔をしかめるだろうが、この場合は結果オーライというものだろう。問いは、彼を興奮させたのだから。
「ありがとうございます。では、失礼いたします……」
 突き出された赤黒い棒に、艶やかな唇を近づけていく。二つの粘膜の距離は数センチ、数ミリと、近づき、そしてとうとう接触した。
「ッ――」
 越えてはならない一線を越えた。そう感じた。
 裸を見られたことも、彼らについていったことも、体を好き放題まさぐられたことも、越えてはならない一線と感じていた。間違っていたと悟った。それらは、忘れてしまえば別にどうということはない。だがこれは違う。ファーストキスの喪失は、文字通りに取り返しがつかない。
 覚えたのは、意識がトびそうなほどのエクスタシーだった。彼らに、深く感謝する。
 舌を伸ばし、亀頭を舐める。舌先をカリ首に沿って這わせ、さらに肉竿の根元に向かう。味は良いとは間違ってもいえないし、臭いも実に酷い。感覚が馬鹿になりそうだ。こんなものをしゃぶるなどと、狂気の沙汰だ。だから、実行する。
「えぁ――は、んむっ」
 大口を開く。祖父がいた頃なら、食事の最中にそんなことをすれば、湯飲みの茶をぶちまけられているところだ。お前の孫娘はとんでもなく下品なことをしているぞと、この場にいない男を嗤いながら、彼女はソレを口内に迎え入れる。
 途端、舌を痺れさせるえぐみと、鼻を麻痺させる臭気が、それぞれ突き抜けていった。薄荷などよりよほど目が覚めそうな強烈さだった。
「んふ、ッ、くぷ、ぢゅるっ、んっ、ふ、ンむっ」
 妖夢はそれを、一発で気に入った。もっと味わいたいという衝動に突き動かされ、口淫を開始する。くぽっくぽっと唇から空気の音を響かせ、唾液の音をじゅるじゅると立てる、品のないフェラチオだ。
「おっ、おお、いいぞぉッ」
 誰かから方法を学んだわけでは当然ない。春本に載っていたのを見たことがある程度で、ほとんど無我夢中でやっているにすぎない。それでも男は気に入ったらしく、唸るような声をあげ、腰を震わせる。
 実際のところ、技術的には並、せいぜい初めてにしてはうまいねくらいのものだった。しかし、熱意が違う。脅されて嫌々ではなく、やる気に満ちあふれての行為なのだから、身の入りようが違うというものだ。多少の技巧が劣っていようと、情熱がいくらでも欠点を補った。
「うひひ、楽しそうだな、おい、こっちもだ」
「何言ってんだ、コイツを見つけたのは俺だぞ、俺の方が先だろうが」
 そのような熱心な行為を目の当たりにして、黙っていられないのは周囲の男たちだった。我先にと妖夢に肉棒を差し出し、ある者にいたっては柔らかな頬に亀頭をぐりぐりと押しつけまでする始末だ。
 困ったのは当の妖夢だった。このような場合、どのように奉仕すればいいのか、彼女は知らなかった。なにせ、口は一つしかないのだ。
「なんだ、変態のくせして知らないのか? こういうときは、順番に次々しゃぶるんだ。ほれ、やってみろ」
 見かねたか、男が助け船を出す。告げられたそれは、非常によい考えに思えた。実際的であるし、なにより、複数の殿方に同時に奉仕するというのがとてもふしだらだ。貞淑であるのが魂魄妖夢なので、対極に位置する行為は大歓迎だった。
「くぽっ――んぁ、はむっ」
 奉仕していたモノから口を離した。凶悪に思えていたものは今や唾液にまみれ、どこか可愛さを覚える様になっていた。このようなものを可愛いと思えてしまうほど、己が堕落したということだ。達成感を覚えずにはいられない。
 すぐ、横から差し出されていたモノを愛し始める。先ほどまで口淫していたものと比べ、細長い印象がある。そして汗の匂いが強かった。ちゅうちゅうと吸い付くようにしながら、先端から根元にかけて唇で扱いていく。唾液をまぶし、雄の味を楽しむ。
 口内で感じる熱さに夢中になって、ついついそればかりに奉仕してしまいそうになるが、それではいけない。自分には、差し出されている両手の数で足りないペニスすべてを満足させる義務がある。一つのものに執着していては、義務は果たせないだろう。名残惜しさを感じながらも、口を離して次のモノに奉仕する。
 こうしてみると、ペニスというのは一人一人形や匂いが異なるのだということが分かる。これから自分を可愛がってくれるものなのだから、それぞれちゃんと覚えたいと感じた。彼女は勉強熱心なのだ。
 とはいえ、じっくり研究している暇などなかった。次々しゃぶり始めたものの、根本的に手が足りていないのだ。同時に奉仕できる数が一人まででは、無理もない話だった。
「あぁもう、じれってぇな、その両手は何のためについてんだ? あ?」
 刀を握り主をお守りするためと、普段ならば答えたのだろう。息苦しさを覚えながら。そんな答えはくそ食らえだった。
 彼の示唆するところは、もちろん理解できた。なるほど、考えてみれば、一つの手段に執着する必要などどこにもありはしなかった。つくづく、彼らはいろいろなことを教えてくれる。賢者のように思えた。
 両手を伸ばす。手近なモノを、それぞれ握る。彼女自身の唾液に濡れていたそれらは、にちゃりとねとついた音を立てる。
 握った矢先に、放してしまいそうになった。火にかけた薬缶に触れたときと同じ反応だ。指先で触れるソレはあまりに熱く、火傷しそうに感じられた。無論、そんなはずはない。ただ、皮膚の内側で蠢いている欲望が、彼女をしてそのような錯覚を抱かしめたのだ。
「おぉっ、ほ、おぉ、いいぞぉ」
 気を取り直してそれに触れ、扱き始める。手首のスナップをきかせ、竿の根元から亀頭にかけて指を滑らせる。にちゃっ、にちゃっと音がする。ペニスの音に、聴覚を犯されているように感じる。
 男は間抜けな声をあげる。満足げな反応であるのは間違いなかった。春本に載っていたのを思い出しながらの、見よう見まねの性奉仕だったが、やはり熱心さと好色さが技巧を補っていた。
「ぢゅるっ、んふ、ぷぅ、んっふ、んぅ、くぷ。ぷはっ、あむっ、んぢゅる、んふぅ」
 次から次に竿に手を伸ばし、指を絡めて扱き立てる。時には亀頭を手のひらで撫で回し、また睾丸を指先で弄ぶ。そうして、己の手にペニス臭を染みつかせていく。
 彼女はかなり夢中になっていたが、その間も口奉仕をやめることはなかった。やめては本末転倒というものだ。舌先で鈴口や雁首を舐め回しながら、唇や口壁で竿を刺激する。唾液をたっぷりとまぶし、ぢゅるぢゅると吸い上げる。口端からこぼれる唾液が顎にまで滴る。頬には誰のものとも分からぬ陰毛が張り付いている。
「んぐうぅッ」
 顔面が男の下腹にぴったり密着するほど、モノを深く咥え込む。愛していたモノはやや短めではあったが、それでも亀頭が扁桃のあたりにまで達し、えずく。むろん苦しいが、それ以上の幸福感があった。鼻から入り込む空気は陰毛の密林を通って汗の匂いを帯び、味覚は肉棒の味でいっぱいになっている。腹の奥がきゅうきゅうと疼くように感じられた。
「おぅッ、ほ、射精る、射精るぅッ」
 そのように、手でも口でも非常に熱心に尽くしていた彼女であるから、男たちが限界を迎えるまでにそれほど時間はかからなかった。
 親指と人差し指で輪を作って扱いてやっていた男が、最初に音を上げた。自らの一物を摘まみ、銃口を妖夢の顔面へ向ける。
 射精するつもりだ――彼女でなくとも、状況と彼の台詞を考えれば分かるだろう。他人の体液を、それも人間が放つなかでも特に汚らしい体液をぶちまけられるという状況だが、彼女は避けようとしなかった。それどころか、口奉仕に無理が出ない程度に顔をそちらへ向け、来たるべき汚濁を自らの顔面で受け止める構えを整えてみせた。
「う、う、うぅッ!」
 男は呻くと、身体を跳ねさせた。それが引き金だった。鈴口から勢いよく、白いものが放たれる。それが白いものだと認識するころには、濁液は彼女の顔面に着弾していた。
 断続的に放たれる白濁は、べちゃり、べちゃりと、余すところなく妖夢の額を、鼻筋を、頬を汚していく。彼女は嫌がるどころか、恍惚とした表情を浮かべながら受け止めていく。人生初めての手淫で、人生初めての顔面射精を受けた。化粧すらろくにしたことのない肌に、男の精がぶちまけられていく。気色の悪い生暖かさで、鼻の曲がるような悪臭を放つ、欲望の塊が。
 鼻から息を吸う。肺に流れ込む空気は、精臭をたっぷり纏っていた。夏場に放置された生ゴミほどの臭気に、しかし彼女はエクスタシーを覚える。ぞくぞくとしたものが腹の奥から上ってきて、秘部からはとろとろと愛液が滴った。
 これが、精液。なんとたくましい粘液だろう。
 こんなものを、口や膣で受け止めるとなったら、一体どれほど素晴らしいことか。
「ぢゅるるッ、んふっ、んぷ、ッくぷ、ぢゅぽッ」
 百聞は一見にしかずという。今まで、性行為の快楽について考えることは多かったが、これに勝るほどのものでもない。人生で初めての手淫、初めての顔面射精、初めての精液を受けたことは、彼女にこれ以上ないほどの性行為へのモチベーションを与えた。口淫は輪をかけて熱心なものになる。熟練の娼婦でも、これほどやる気を見せることはそうないだろうと断言できるほどに。
「あっ、おぉッ、射精る、射精すぞ、おい、口で受け止めろぉッ」
 最大の性感帯をそれほど熱心に弄くり回されれば、どのような偉丈夫も長く耐えられるはずがない。男は居丈高ながらもどこか情けなさのある声で――快楽の前には誰しもそのようになってしまうのだろう――そう命じる。妖夢の肩をがっしり掴むと、逃げるなよと言わんばかりにぐいと引き寄せる。
 そのようなことをしなくとも、逃げるつもりなど毛頭なかった。妖夢でなくとも、同じくらい発情した女であれば、今の彼の呻きを聞いて離れようと思うはずがない。射精――人生で二度目に受ける射精は、人生で初めてのフェラチオでの、初めての口内射精になる。どうか口腔を思うまま汚してほしいと、彼女は媚びるようにモノを根元から舌先で舐めた。それが、呼び水となった
「くぉッ、おぉおおッ――!」
 男の睾丸がぎゅっと縮まり、会陰がきゅうと収縮する。口内のペニスの根元が膨張し、先端にかけて広がっていく。膨らみが鈴口に至ったと同時に、それは解き放たれた。
「んっふぅ……ッ!」
 最初に感じたのは、舌を刺すような苦みだった。次に、顔を歪めずにいられないほどの、しかし惹きつけられずにいられない臭み。溶岩のような粘液が、ごびゅっ、ごびゅるっと放たれては、口腔のそこかしこを汚していく。
 それは喉壁にまで至り、生理的反応として横隔膜がせり上がってくる。一方で彼女は、深い悦びに浸っていた。腹の奥がきゅううと疼く。
 その感覚は、オナニーの最後に覚えるものと酷似していた。しかも、甚だしさも質も、こちらの方がずっと上だ。彼女は絶頂したのだ。性感帯に触れも触れられもしていないというのに、今までにないくらい気持ちいいオーガズムに、彼女は至っていた。
「んはっ、んっふっ、ふくぅ、んっふぅッ……!」
 全身をビクビクと震わせつつも、彼女は惚けてばかりではなかった。魂魄妖夢として、複数の困難な状況に対応する訓練を受けてきたのが役立った。エクスタシーに身を焼かれながらも、性奉仕をやめることはなかったのだ。口内射精が終わればすぐさま別のモノをしゃぶり、顔面射精が落ち着けば、別のモノを扱いていく。
「おお、射精る、うぉおッ、顔こっち向けろ淫売ッ」
「おあッ!? やっべ、これやべぇ、うぉおおッ」
 男たちは、次から次に精を解き放っていく。顔でも口でも、複数人の精液がちゃんぽんになっていく。男たちはそれだけに飽き足らず、彼女のさらさらとした銀髪や、可愛げな耳、胸や背中にまで白濁を垂らしていく。奉仕すれば奉仕するほど彼女はどろどろになり、魂魄妖夢が地に堕ちていく感覚にうち震える。
「んはぁッ……」
 絶頂が落ち着くころには、髪にはたっぷりと白濁が絡まり、顔は精液で洗顔したようになっていた。口内には両手に余る人数分の精液が溜まっており、頬がハムスターのように膨らんでいる。
「へへへ、いいザマじゃねぇか、お似合いだぜ」
 おまけの一発と言わんばかりに、男の一人が自らモノを扱き、彼女の顔面にぶちまける。もはや目も開けられないほど汁まみれになっていた魂魄妖夢だったが、ちゃんとそちらへ顔を向けた。魂魄妖夢として身につけた気配察知のなせる技だった。忌々しい技術の一つだが、このように使い彼らに尽くせるのなら悪くない。
「どら、口あけてみろ」
「えぁ」
 せっかく射精してもらった精液をこぼさないよう、また彼らによく見えるよう、ぐっと上を向いてから大口を開ける。その内に、十発分で済まない欲望のスープ、地獄のような汚濁が溜まっている。
 彼らはわらわらと寄ってきては、欲望を煮詰める大鍋のようになった口内を面白半分に覗き込む。口々に汚ぇなと言い放つ。明らかに彼女をあざ笑っていた。
「もうすっかり肉便器ちゃんじゃねぇか、え?」
 あげくの果てには、そんな言葉まで投げかける始末だった。
 肉便器。女を人と思わない思想から生まれる、最低最悪のレッテルだ。そのようものを貼られる屈辱、貼られても仕方ないような様になり果てた自らの情けなさを思う。普通は自決を試みてもおかしくないが、もちろん妖夢は、そのようなことは考えない。
「あふ、あふぁ、んぅうっ」
 伸びた手が――白濁まみれの手が、秘裂をなぞっていた。入り口浅くを、指先でちゅぷちゅぷとえぐる。肉便器という言葉から、その肩書にふさわしい行為を――セックスを、それも男が性欲を解消するために行う自分勝手な陵辱を連想して、昂ぶってしまったのだ。
 便器というのは道具で、道具というのは使われてなんぼだ。早く、使ってほしかった。
「ん? マンコが寂しくて泣いちまってんのか? ハメてほしいんか、あーん?」
 頷きたいところだったが、そうするとせっかく彼らからもらった貴重な子種が垂れ流しになってしまう。幸い、彼には返答するまでもなく伝わったようだった。
「そうかよ、本気でそう思ってんだったら、口ん中のザー汁全部飲み干すくらいのことは余裕でできるよなぁ?」
 足下を見たような声色からするに、こちらがそれを嫌がると思っているのだろう。大抵
の場合においては、その判断は間違ってはいない。あるいは、今までに彼らが食いものにした女は、実際に嫌がったのかもしれない。
 しかし妖夢は違う。飲み干せと言われて、嫌悪感など抱かなかった。この濁液を口中に溜めていたのは、十億を優に超える精子が口腔内で泳ぎ回る感覚を楽しみたかったからだ。もったいなさすら覚えるくらいなのに、どうして嫌がるだろう。
「んぐっ、ぐ、んぐ――」
 喉を鳴らして、嚥下していく。ゆっくりとしたペースだ。彼らとて、一気飲みを望んでいるわけではないだろう。それに、こうも粘っこいものを一気に飲みなどしたら、間違いなく喉を詰まらせる。ただでさえ、餅を丸呑みしているような気分なのだ。
 熱いものが喉を通り過ぎ、胃まで落ちていくのが分かる。粘度が高いのでなおさらだ。無数の精子がうじゃうじゃと、食道を我が物顔で陵辱していくのがはっきりと感じられる。こんなにも元気だと、喉が孕んでしまうのではないかと思わずにはいられなかった。
「ぐふっ――げぷっ」
 たっぷり一分ほどはかかったろうか。彼女は命じられた通り、口の中の白濁を、きれいさっぱり胃の中に収めきった。品のないげっぷが飛び出した。胃が重たい感じがする。
「信じらんねぇ、マジでやりやがった。吐きもせず。とんでもねぇな」
 興奮、それも性的なものというより、一流の大道芸を見たときのような純粋な興奮が、彼らの間に広まっていた。
「あの、もうよろしいでしょう? 続きを、お願いできませんか?」
 吐息が精臭を帯びているのを感じながら、彼女は自ら敷物の上で仰向けになり、大きく脚を広げてみせる。彼らに秘貝を見せつける形だ。裂け目の縁に両手の指をかけ、開く。ねちゃぁ、と音がしたのは、度を超した興奮によって粘っこくなった女汁によるものだ。
「続き、続きねぇ、ヒヒッ」
「あぁぁあんッ!」
 黒ずんだ太い手が伸び、割り開かれた淫裂に指を挿入される。処女膜を傷つけぬ程度の浅いあたりを、くちゃくちゃと軽く擦られる。それだけで、妖夢は甚だしい嬌声をあげ、背筋を反らして感じてみせた。秘唇から、ぷしゅっ、と雌汁が噴き出す。焦れているのは自覚していたが、これほどまでとは自分でも予想外だった。
「こんだけやって続きとなったら、そりゃもうココにブッ込んでやるしかねぇな。ひひ、嬉しいだろう?」
「あぁッ――」
 単純にはいと答えるには、複雑な心境だ。ポジティブでない感情も覚えている。恐怖や悲しみ、怒りに苦痛などだ。それでも、嬉しいか嬉しくないかと尋ねられれば、圧倒的に嬉しいことは間違いない。
 ココにぶっ込む、それはつまり、セックスだ。セックスをすれば、己はいよいよ純潔を喪失するだろう。ペニスにキスしたとき、取り返しがつかないことをしたと感じた。だがあれは、別に何か失われるわけではない。気分の問題でしかない。
 その点ロストバージンには、物理的に喪われるものがある。素晴らしいのは、喪われるもの――貞操が、実に魂魄妖夢的であるということだ。
 魂魄妖夢的なものを、快楽を味わいながらかなぐり捨てられる。大歓迎だ。
「あぁ、どうかお願いです、おちんちん、おちんちんここにください、挿入れてください、思い切り突っ込んで、お好きなだけずこずこして、ずぼずぼして、奥の奥でザーメン全部びゅーびゅーしてください、私のここっ、ザーメンお便所にしてぇっ」
 彼女のような美少女が懇願する様は可愛らしいものだが、言葉は一つとして可愛らしくなかった。品性も知性もまったくない、快楽狂いの雌の言葉だ。
 閨において、まして現在のような特殊な状況において、正しいお願いの作法というのがどのようなものか、妖夢は知らない。だが、祖父の春本のおかげで、なんとなくどういう方向で攻めていくべきなのかは推測できた。それが、今の言葉を生んだ。
 連れ込んだ女を屈服させ、これだけの言葉を引き出したのだ。満足してよさそうなものだが、彼らは頷かなかった。
「骨組みはなんとかなってるが、言葉遣いがなっちゃねぇ。いいか、俺の言うとおり繰り返せ。まずガキじゃねぇんだから、おちんちんは無えだろ。チンポって呼べ」
「チンポ」
「よし。それからここじゃねぇ、マンコだ」
「マンコ」
「いいぞ。その二つは『お』を付けてもいい」
「おチンポ、おマンコ、ですか?」
「頭いいなお前。ほれ、それで今みたいな台詞言ってみろよ」
「お願いします、おチンポ、おマンコにぶち込んでください、セックス、セックスお願いします、処女膜ぶち破って、おマンコの形変わるくらい思いッ切りズボズボして下さい、お腹の中たぷたぷになるくらい思いっきり膣内射精して、セックスお便所の妖夢にお精子恵んで下さい、お願いしますぅッ!」
 おちんちんもここも、口にするには大概な言葉だった。だが、おチンポおマンコというのは、それ以上をいく。発音するたび、己の知性ががりがり削られていく気がした。だが、それでいいのだ。知性とはすなわち、魂魄妖夢的なものであるのだから。ゆえに、言葉の最後の方は、半ば己の言葉に感じているような有様だった。
「はっ! お前マジで頭空っぽだな。処女のくせに。一体どうやって育てられたらそんなことになるんだかわかんねぇが、まぁいいや。お望み通り突っ込んでやるよ、ここにいる全員が満足するまで終わんねぇけどな」
「ありがとうございますッ」
 お願いを聞いてもらえるのだから、感謝しなくてはならない。軽薄に笑う彼らと裏腹に、妖夢は本気で頭を下げていた。
「よっしゃ、ほれ」
 ともかく、これで乱暴に組み敷かれ、脚を広げられ、気絶するほどねじ込んでもらえる。期待する妖夢だったが、彼はただ横になるだけだった。当惑する妖夢に、男の方がむしろ不思議そうな表情を浮かべた。
「おい、なにボケッとしてんだ? せっかく挿入れてやるっつってんのによ。とっとと跨がれよ、役目だろ」
 知っている。騎乗位というやつだ。足下を見た要求だ。この期に及んで、女に自ら腰を振らせるなど。ほかの大抵の体位と違い、騎乗位は女側から働きかけるやり方だ。それで交われば、名実ともに、自ら純潔を捧げたこととなるだろう。こんな最低の連中に。
 まったく、なんというナイスアイデアだろうか。皮肉でなく、妖夢は本気で感動する。挿入してくれるばかりか、そのような深慮まで授けてくれるとは。
「ありがとうございます。失礼いたします」
 妖夢の感謝の言葉に、男はどこか拍子抜けしたような表情を見せた。どこまで見下せば嫌がるか、チキンレースをしているようだった。底抜けなのだから甲斐のない話だ。それでも、彼女がけなげにも自分に乗っかるのを見、明らかな興奮を浮かべる。
「あ、ん、ん――」
 男の下腹の上に跨がる。勃起したモノを指先でつまむと、自らの膣口へ導いた。秘唇に亀頭を押し当てる。人体がどうすればこうなるのか不思議に思えるほどの熱さと硬さだ。手で触れたときも似たようなことは感じたのだが、比較にならない。よりセックスを連想させる部位で触れているからなのだろう。
「んっ、は、ん」
 腰を、ゆっくりと下ろす。それで挿入ると思っていた。だが亀頭は陰唇をつるりと滑る。指で触れられるより大きな快感を覚えたし、彼女にとって新たな発見だったが、今ほしいのはそれではない。
 本人がこれだけ堕落しても未だ純潔を保つ狭穴に、このような立派なモノは不釣り合いなのだ。ペニスを指でしっかり固定し、ようやく、凶器の先端が入り口に挿入り始める。
「はっ、あ、あ、あぁっ」
 太く、雄々しく、たくましい。口や手で触れてきたので理解してはいたが、女の部位で受け入れていくことで、より深くそれを実感できた。蕩けるような法悦の声を上げながら、妖夢はゆっくりと、間違ってペニスがつるりと抜けてしまうことのないよう慎重に、腰を落としていく。
 ペニスの侵入は押しとどめられる。膣道半ばに存在する、純潔の証たる粘膜によって。ごくりと、喉を鳴らさずにはいられなかった。いよいよ、その瞬間を迎えるのだ。大抵のことには冷静に対処できる妖夢でも、これには緊張を覚えずにはいられなかった。
 ここに連れ込まれるときに言われたとおり、一生忘れられない経験となるに違いない。であれば、より素晴らしい形で迎えたいと思うのは、当然のことだ。おっかなびっくり腰を落として、じわじわと膜を破るのは、なんともふさわしくないように思える。きっと、その情けない処女喪失について、後々になって思い返しては赤面する羽目になるだろう。
 あるべき形とは、その反対。自らの最も大切な部分に宿る魂魄妖夢の象徴を、思い切りぶん殴るようなのが最適だ。
 よって彼女は、一にの三で、一息に腰を落とした。
「アッ――!」
 はじめに覚えたのは、痛みだった。反射的に全身が硬直するような鋭い痛みと、遅れて訪れるじくじくと響く痛みだ。
 苦痛には慣れているつもりだった。稽古として、祖父からボコボコにされてきたからだ。しかしそれは体外からの痛みだ。このような、体の内側から響く痛みには未だ耐性がない。彼女はそのことを、この土壇場になって知った。
「あっ、は、あぁっ――」
 けれども、悪いことばかりではなかった。あくまではじめに覚えたのが痛みであったというだけで、全体の印象としては素晴らしいものだった。
 これ以上の悦びは何をしても得られないだろう恍惚が、彼女を満たしていた。肉体面と精神面、両方でだ。
 膣道の処女膜より奥は、初めて異物を迎え入れた。突然の闖入者に驚き、きゅうぅぅときつく収縮していた。けれどもすぐに、それがペニスだと気づく。己を蹂躙し、屈服させ、至高の快楽を与えてくれるものだと理解する。己の中にとてつもない熱を孕んだ鉄の棒をねじ込まれて、彼女は一つ直感を得ていた。これは、歪んだ形で育った己の異常性欲を、完膚なきまでに満たしてくれるものに違いなかった。
 こんな暴力的なモノを一番大切で一番敏感なところに挿入れるのだから、セックスとは間違いなく気持ちいいものであるに決まっている。動いたらどうなるか考えるだけで、今から絶頂してしまえそうに感じた。
 一方で彼女は、精神的にも大いに満たされていた。もちろん、処女をおよそ最低な形で喪ったことによってだ。
 ただ喪えばいいというものでななく、より悪い形でなくてはならなかった。でないと、魂魄妖夢を汚せない。見初められ互いに慕い合うようになった殿方との初夜で迎える喪失ならば、きっと魂魄妖夢だっていずれは迎えるに決まっているのだから。
 重ね重ね、彼らには感謝しなくてはならないだろう。これで自分は、魂魄妖夢からまた一つ、脱却することができた。
「ッおぉー……ッ、イイ締まりだ、さすがに処女マンコ、初物はなんだって最高だな」
 男は肩まで熱い風呂に浸かったような、腹からの吐息をこぼしている。自分の体でそのようになってくれたことに、彼女は加えて感謝する。
「あ、ンッ、はぁんッ! あぅ、はッ、あぁっ、すご、んんぅッ!」
 感謝は、形にしなくては伝わらない。この場合は、腰の動きという形で現れた。彼女は誰にも言われることなく、自分から動き始める。
 腰のくねることときたら、娼婦のようだった。初めての性交にしては上出来すぎるほどだろう。女の本能が、そのようにさせたのだ。
 ぐちゅッ、ぐちゅッと、結合部から音が響く。剛直が膣を穿つたび、というよりも肉壺が肉棒をしゃぶるたび、淫蜜がしぶく。破瓜の血が混ざっており、赤味を帯びている。
「ひぁッ、はぁ、ンッ、くはぁッ、あぁ!」
 嬌声が、次から次に飛び出す。動けば彼らに快感を与え、感謝の意を示すことができる、彼女はそのように考えていた。間違ってはいないが、抜け落ちていたことがある。
 性交とは相互の行為だ。相手に快感を与えるということは、自分が快感を受けるということでもある。動けば動くほど、エラが膣肉を抉り返し、性感が脳髄に直接響く。
 性交の快感は、妖夢にとっては初めてのものだった。免疫はまるでない。腰の動きが、ぴたりと止まる。腰が抜けてしまったのだ。
「あ、ひ、はっ、あ」
 こんなことではいけないと、どうにか動こうとするものの、脚にも腰にも力が入らない。急に膣穴奉仕を放棄した妖夢に、男は不満を抱いているようだった。
「おい、何してんだ? サボッてんじゃねぇぞ」
「すみません、すぐに動きますから」
「いいよもう、こっちが好きにやらせてもらやいいんだろ」
 視界がぐいんと動いた。男が不意に起き上がり、反動を使って妖夢を押し倒したのだ。
背中に床の硬さを感じた。敷物があるとはいえ、こんなぼろでは緩衝材としては今いちだ。
「それ、覚悟しろよオラッ」
「あの、あッ!? はッ、ひあッ、あッアッ、はぁぁあッ!」
 両脚を持ち上げられる。当初想像していた体位、正常位だ。男は苛立った表情で、容赦なく腰を打ち付けていく。パンッパンッと平手打ちするような小気味よい音が響く。それと同時に、妖夢の喉から悲鳴のような嬌声が飛び出した。
 それは今までに味わったことのない快感だった。セックスから生じるものではあったが、跨がって奉仕しているときとは質も量もまるで違う。
 あのときはこちらが主体だった。受け止められる限界を超えないよう、気づかぬうちにペース配分をしていた。けれども今は違う。主体は彼だ。こちらのことなど考えず、ただ彼自身が気持ち良いように、好き放題に肉穴を抉り返してくる。腰と一緒に、受け止められないほどのエクスタシーを叩きつけられ、経験の浅い彼女はただ翻弄されるばかりだ。
「なんだオイ、一人目から早速ヘバってんのかァ!? これから何十人って男に犯されるってのに、そんなんで持つのかよ、それともヘバれば許してもらえると思ってんのかァ!?」
 ピストンには容赦がなかった。体重の乗った刺突を、次から次に叩きつけられる。膣穴を突かれるたび、そのストロークがそのまま脳味噌にまで直接響くように感じる。膣穴を抉られるたび、魂魄妖夢が抉れていくように感じられた。
 幸福感が心を満たす。これこそがセックスというものなのだと、彼女はやっと理解した。先ほどまで自分がしていた腰ふりあんあんは、まるきりおままごとのようなものだった。
「あぁッ! はッ、あ、やぁぁんッ!」
「はん、ドエロい声出しやがってよ」
 己の声が、己のものとは思えない。剣の稽古のおかげで無駄に凜々しくなってしまっていたのが、甘く媚びる蕩けたものになっていた。彼の言うところの、ドエロい声だった。ドエロくなるほどにこの性交が素晴らしいということだ。分かっていたことだが、改めて認識する。素晴らしいといえる根拠を与えられたことで、快楽はさらに高められた。
「はひッ、あぁ、あぁッ! はぁん、ひはぁ!」
 膣道の奥の奥を、ペニスは執拗に突いてくる。もはや障害物――膜――は破られたはずだが、亀頭はコッ、コッとなにかにぶつかっている。いや、これはぶつかっているのではなく、行き止まりにぶちあたっているのだ。
「あくッ、あぁぁッ! ひッ、アォッ、あっ、くぅんッ!」
 ぶちあたるたび、目の裏で火花が散るような刺激が走り、身体が跳ねて男に抑えられる。上がる声は、まるきり雌犬のそれだ。
 膣肉をカリで耕されるのも素晴らしいが、この小突かれる感覚はそれ以上に好みだった。彼女は脚をばたつかせて、女として得られる最高級の感覚に身もだえする。
「オッ? なんだ、ここがいいのか? ポルチオも開発済み……なわきゃねぇか、おぼこだもんな、ってことは素でコレかよ! 締まり具合もとんでもねぇし、つくづく救えねえド淫乱だな、お前! ホレ、そんなにイイならいくらでもくれてやるよ!」
「あぁぁああッ!」
 男はさらに調子づいて、ピストンにメリハリをつけてくる。亀頭がすっぽ抜けてしまいそうなほどあさくまで引き抜いたかと思いきや、思い切り腰を突き出して妖夢の子宮口をハードヒットする。濡れきった声を上げ感じることだけが、妖夢に許される反応だ。
 その様は確かに、淫乱と呼ばれても仕方のないものだ。先ほど処女を散らしたばかりだというのに、子宮口をガンガンと叩かれて感じている女を、天性の淫乱以外のなんと呼べというのか?
「おい気持ちいいか、言ってみろよ、気持ちいいか、おいっ」
「はひ、いいです、きもちいい、きもちいいです、おチンポ、奥がんがんされるのいいっ、もっと、もっといっぱいズコズコしてくださいぃッ」
 赤裸々すぎる告白だが、言わない手はなかった。猥褻なことを口にすることそのものが気持ちいいし、なにより言葉にしないと思いは伝わらないのだ。その機会をくれたことを、有り難く感じていた。
「そうかよ俺も気持ちいいよお前のマンコはマジ最高だ喜べッ、そんなお前にいいもんをくれてやるッ、子宮カッ開いて待ってろよッ」
 抽送のペースが上がる。いいもんというのが何であるか、分からない妖夢ではなかった。性交に関して経験の浅い彼女でも、本能で理解できる。射精が近いのだ。
 どこに射精されるかなど、考えるまでもない。ご馳走を前にして涎があふれるように、腹の奥から蜜があふれだすのを感じた。
「おら、言ってみろ、どこに射精してほしいんだ、言わないとくれてやんねぇぞッ!」
 茶番だ。仮に見当違いのところを口にしても、なんなら無言を貫き通しても、最終的に行き着くところは変わらない。だが、そういうことではないのだ。女が自ら求めてくるというシチュエーションを、彼は欲しているのだ。それが女を屈服させたという証になり、ひいては彼の満足に繋がるのだろう。
 彼を満足させれば、きっとより濃いのが、たくさん出るに違いない。これまで散々よくしてくれた礼もしなくてはならないし、妖夢が言うことは一つだった。
「はひッ、膣内です、おマンコのなかに精液くださいっ、お精子、ザーメン、処女だった妖夢の変態おまんこに膣内射精してっ、子宮のなかにびゅるびゅるどぷどぷ注いでッ、私のことイかせてくださいぃッいッ!」
 へりくだった言葉だった。こんな見下すべき、地べたを這いずり回っているような連中に、自分はへりくだっている。いや、見下すべきという前提が間違っている。自分は既に、それより下にあるのだから。見上げて、崇拝して、お情けを乞うことが、自分に許された行為なのだ。
「あッは――」
 そのような存在になり果ててしまった――なることができたことに、妖夢は深い精神的満足を覚える。満足は、手の動き、指の動きとなってあらわれた。すなわち、オナニーだ。クリトリスを、乳房を弄び、虐める。膣抉りの快感で十分すぎるほどだというのに、なおも快感を求める。女の性欲に、限りなど存在していなかった。
「いいざまじゃねぇか、上等だ、子宮ザーメン漬けにしてやるっ、覚悟しろよぉッ」
 抽送はこれ以上なく速くなっていると考えていたが、間違いだった。もう一段階ギアが上げられた。摩擦の甚だしさといえば火がついてしまうのかというほどで、床をべとべとに濡らすほどにあふれる淫蜜のおかげでそうならないで済んでいるようなものだった。
 当然、妖夢が受ける快感も同じくらいに甚だしいものとなる。クリトリスなどこねくり目先の快楽を得ようとしていた自分が馬鹿だったと思えるくらいの、強烈な性感が走る。
「はひッ、あはぁッ、あっく、ひぃいいッ!」
 上がる声は悲鳴だった。少しならば美味しい塩気も度を超すと体に悪いと感じるように、何事も加減というものがある。彼女の華奢な、経験の浅い肉体で受け止めるには、これはいささか過ぎたものとなっていた。
 しかし、彼女はそれでも胸をときめかせていた。物事は、過程が素晴らしいほど、結末も素晴らしいものとなる。これほど激しい過程の結末となるほどなのだから、膣内射精というのは大層素晴らしいに違いないと期待していた。
「よっしゃ、射精すぞ、射精すぞオラッ、マンコで飲み干せ――おぉおおおッ!」
 槍を突き立てるように、肉棒が一番奥にねじ込まれる。子宮口に鈴口が密着した。
 根元から先端にかけて、肉棒が膨張していくのを感じる。先ほどの口奉仕の間に学んだ、射精の兆候だ。来る。そう感じる暇もないまま、それは始まった。
 膨れに膨れたペニスが、限界を迎え弾ける。ものが破裂すれば衝撃は全方向に拡散するものだが、今回は違う。指向性をもっていた。つまり、密着した鈴口から、どくどくと、一滴余さず子宮の奥へ注がれていったのだ。
 彼女の感覚は、それを腹の奥での爆発と捉えた。体のうちで炎が燃えているようだった。睾丸から一斉に解き放たれた汚らしい欲望が、何者の侵入も許したことのない神聖な小室を堕落させんと泳ぎ回っているのだ。自身の一番大切なところの、そのなかでも最も大切なところに、下衆の汚濁を容赦なく注がれている。
「ッ――ァ」
 それに対する彼女の反応は、無だった。いや正確には無ではない。ただし少なくとも、きっと獣のような声が出てしまうに違いないと思っていた彼女の予想は、的外れなものとなった。あ、という小さな声がこぼれただけだった。快楽が思っていたより小さくて拍子抜けしているのではない。その逆だ。予想を遙かに上回る快感の前に、押し潰されたのだ。
 背が反り返り、額にかいていた汗が珠となって散る。腕や脚はありえないほど痙攣し、全く制御がきかない。目の裏が白熱し、思考が吹き飛ぶ。ただきもちいいということしか分からない。
 甚だしいほどの絶頂だった。肉体だけではなく、彼女の精神もオーガズムに至っていた。心は、喜びに満ちていた。最低な形で処女を喪い、最低な形で、子を宿された。それも、自らねだりまでしてだ。どれだけ落ちぶれたか、言葉にもできないほどだ。これではもう、自分は、魂魄妖夢を名乗ることはできない。魂魄妖夢から解放されたのだ。
 目尻から、涙がこぼれた。それは強烈すぎる感覚を処理しようとするための生理的反応であり、魂魄妖夢の死を悼む悲しみの涙であり、くびきから放たれた名もなき淫乱少女の誕生を喜ぶ、喜びの涙だった。
「ッはァー……いや、射精した射精した」
 男はぶるりと震え、満足したといわんばかりの溜息をついた。仕事を終えたペニスが、膣から引き抜かれる。
「おい、初っぱなから膣内射精してんなよ、汚ぇじゃねぇか」
「別にいいだろ、どうせ上半分はドロドロだったんだからよ。んで次は誰にすんだ?」
 男たちが何か、勝手なことを言っている。妖夢は完全に呆けており、かつ惚けており、聞こえていなかった。初めてのセックス、初めての膣内射精は、彼女のような小娘の意識を吹っ飛ばしてあまりある衝撃をもたらしていた。
 ぐったりとしている妖夢だったが、そんな中でも、唯一動いている部位がある。指だ。あれだけのエクスタシー地獄を味わったというのに、まだ足りないというように、先ほど膣内射精を浴びてどろどろの膣内をくちゃくちゃとかき回していた。
「おいコラ! 何寝てんだ、あ?」
「あくぅ!」
 パァンと、小気味よい音がした。同時に、顔が思い切り左を向く。ひっぱたかれたのだ。鋭い痛みに次いで熱がじんじんと頬を訪れ、意識が覚醒する。
「あ……っと、その、申し訳ありません」
 混濁する意識をまとめて、最初に飛び出したのは、謝罪だった。叩かれたことへの怒りはなかった。魂魄妖夢ならともかく、無名の淫乱娘であるところの自分では、怒るなんてとても恐れ多いことだ。まして相手が、自分を苦しめていた肩書をぶち殺してくれた恩人ともなればなおさらだ。だから彼女が覚えたのは、そんな恩人の目の前でぐうすかと寝ていたことへの謝意ばかりだった。
「申し訳ねぇと思うんだったら、ホレ、床でも舐めてろ。お前のマンコが頑張らねぇから、大事なザーメンがこぼれちまってんだろ?」
 見れば確かに、秘部から滴った収まりきらない精液が、床にこぼれていた。
 男たちは下衆そのものの笑みを浮かべ、こちらを見下ろし、見下している。屈辱以外のなにものでもない場面で、妖夢は彼の発言を、名案だと感じていた。
「では、失礼いたします」
 来たときよりも美しく、というのは普遍的な道徳だ。まして汚したのは自分なのだから、綺麗にするのは当然のことだ。床に這いつくばると、舌を伸ばす。愛液まじりの精液を、ぺちゃぺちゃと音を立てて舐めとっていく。
「おーおー、マジでやってんのかよ、雌犬が」
 突き上げた尻を足蹴にされる。それでも妖夢は怒らない。確かに、まるで犬のようだ。それも躾のなっていない馬鹿犬だと、自らに対して考えていた。
 己は魂魄としても未熟者だったが、どうやら犬としても半端らしい。
 精進しなくては。
「ほーれ、口がお留守になってんぞー、頑張れよー」
「あぁんんぅッ」
 決意した矢先から、ぶれそうになる。先ほど達したばかりの肉貝に、男は当然のように指を挿入し、遊び感覚でかき回していた。彼らにはそうする権利がある。妖夢が相対的に堕ちた今、彼らのほうが立場は上なのだから。
「すげぇマン汁。なんだこいつ、マン汁で脱水して死ぬんじゃね?」
 何も大げさな表現ではない。くちゃっ、くちゃっとかき回されるたびにあふれる汁は、男の手をべとべとに汚すばかりか、床に滴って大きなシミを作るほどだった。彼女の性的興奮が、意識が飛ぶほどの絶頂を経てもまるで衰えていないことの証拠だった。
「まだこいつはヤり足りねぇみてぇだな、それならホレ、リベンジチャンスだ、今度は俺にまたがれよ」
 先ほど交わったのとは別の男が、仰向けに寝そべる。ペニスは雄々しく天を指しており、横から見ると凸のシルエットに見える。
「あッ――」
 ふらつく脚を支えて、どうにか立ち上がる。彼にまたがり、剛直を秘唇にあてがった。小さく声が漏れる。
 これが挿入れば、一晩にして処女を喪い、さらに二人の男性と関係をもったことになる。なかなかない経験だろう。しかも彼らの言葉によれば、このあと自分は「全員が満足するまで」「ユルユルのマンコに作り替えられるまで」「朝までたっぷり」「何十人って男に犯され」「死ぬほどブチ込まれ」るのだ。「一生忘れられない経験」になるのは間違いない。なんと素敵なことだろうか。
「では、失礼いたします……」
 とはいえ、妖夢も馬鹿ではない。これからのペニスよりも、まずは目の前のペニスだ。
 腰を下ろしていく。今度は先ほどのような失態を犯すことはなかった。一度肉棒を咥え、味を知った肉穴は、すんなりソレを受け入れる。
「あっはァッ……」
 先ほどのモノよりも太めで、しかも長い。反りは少ないので膣肉を抉る適性は低めだが、その分奥を突く能力には長けている。子宮口を小突かれる悦びに目覚めた妖夢にとっては、相性のよい肉棒だといえた。
「あっ! んっ、はあっ、あぁんッ!」
 挿入するなり、男が下から突き上げてくる。推測は当たっていた。彼女の体格ではソレを収めきるに足りず、コツコツと肉穴の奥を小突かれる。女としての幸福が、背骨を通じ脳にまで伝わってくる。これがイイのだ。
「はっ、あぁんんっ、あッ、は、あ、あっ、イイッ、あぁんッ」
 まだまだうら若き乙女ながら、上がる声は、欲望に火がついた熟女よりも淫らだった。魂魄妖夢から完全に解放されたことによって、彼女はより積極的に、貪欲に、男を求めるようになっていた。
 ぐちゃっ、ぐちょっと、肉棒が入り込むたびに、女汁が音を立てる。結合部では、掻き回された汁が白く粘った泡となっている。彼女は体中汗まみれで、白い肌が光を反射してきらきらと輝いていた。
「くぅん、あはぁッ、いぃ、あはぁんッ」
「おっほ、すっげェなこいつ、締まる上に腰使いもすげぇ、当たりだぜこりゃぁ」
 当たりなどという今更の感想をこぼしながら、男はヒュゥッと口笛を吹いた。冷やかしのようだが、そうではない。
 実際、彼女の腰使いは、とてもこれが二回目のセックスとは思えないものだった。普通その程度の経験での騎乗位は、単純な上下動ができれば及第点だ。ところが彼女は、上下どころか前後左右にまで腰をくねらせていた。男を悦ばせ、より濃い子種の排出を促し、さらに視覚的にも大変淫らという文句の付けようのない動きを見せつけていた。
 もちろん、誰かに教わったわけではない。本能によるものだ。快楽を求める貪欲さや、子種を求める雌の欲望がそうさせていたのだ。ベテランの娼婦も顔負けだった。当然だ。彼女らは、生きるための手段として性交しているにすぎない。こちらは若さ由来の情熱で突っ走っているのだ。やる気のほどが違うというものだ。
「はぁッ、あぁッ、あぁんッ、きもちいいッ、きもちいいッ」
「おッ、うぉおッ、すげぇ、いやマジで、うぉおッ」
 いつしか彼女は、いくらか男を圧倒し始めていた。この素敵なおチンポでもっと気持ちよくなりたいという思いが、彼女をどこまでも淫らにさせる。
「へへへ、そんなにイイのかよ。けどよぉ、俺の方がもっと気持ちいいぜェ?」
「あはっ」
 そうして粘膜と粘膜を夢中で擦り合わせていると、不意に声をかけられた。上体を前に倒されて、後ろからのしかかられる。男・妖夢・男で、サンドイッチになっている形だ。
 男が何をするつもりなのかは分からない。けれども、もっと気持ちよくしてくれるなら、いくらでも受け入れたかった。
「してくださいッ、わたしのこともっとよくしてぇッ」
「よく言ったじゃねぇか、へへっ」
 思いは言葉にしなくては伝わらない。正直に口にする。男は、彼女の可愛げなヒップを、無骨な手で割り開いた。上下に動いて肉棒をしゃぶり立てる秘部が、あらわになる。だが、彼が用があるのは、そこではない。その上、外気にさらされてヒクつく、禁断の門だ。
「おめーはこっちも、開発済みだったよなぁ」
「アッ――」
 熱いものが押し当てられる。秘唇ではない。そこは既に占有されている。そこではなく、アヌスにだ。
 そこでの性交の存在は、当然知っている。祖父の春本に載っていたし、尻穴を開発してたいのは、読んだからに他ならない。
 しかし、まさか自分がすることになるとは思ってもみなかった。アブノーマルを極めたような行為であることは承知していたし、男の方が引いてしまうと思っていたのだ。
 だから菊穴は、背徳的な自涜に浸るためのさみしい穴になるだろうな、と覚悟を決めていたのだが――ブチ込んでもらえるというのなら、諸手を挙げて歓迎だ。考えてみれば、魂魄妖夢を汚し尽くしたい自分が、ここだけヴァージンのままでいるなど、おかしな話だ。
「あぁっ、おチンポ、あはッ、ください、妖夢のお尻の穴に、ちょうだぁいッ」
 嬌声混じりの媚びた声でねだる。彼ら風に言えば、「終わってる」様だった。男は大分気をよくしたようで、おねだりをすんなり受け入れる。
「おういいぜ、ブチこんでやる。ああでも、お尻の穴ってのは駄目だな。ケツマンコだ、覚えとけッ――オラッ!」
「あっはぁッ! ケツマンコにおチンポきたぁッ!」
 ぱぁんと、小気味よい音が響いた。下腹と尻肉がぶつかり合ったのだ。男は、焦らそうなどと全く考えていなかったらしく、妖夢のアヌスに一息で深々と挿入していた。
「かはァッ――」
 指や淫具で開発していたとはいえ、処女穴だ。括約筋がめりめりと悲鳴をあげ、直腸が限界まで広げられる。火かき棒を突っ込まれたらこんな感じだろう。
 下半身にものがみっちり詰まっている。催しておいて厠に長いこと行けなかったときの感覚だ。苦しさが出口を求めて腹の中をぐるぐるしている。
 挿入された瞬間にあがったのは悦びの声だったが、次に出たのは嬌声でなく空気だった。本来排出専門の場所に、大した慣らしもなくいきなり異物が入ってきたのだ。そうなって当然だった。
「はひ、アハァッ――」
 アナルセックスは想像と違っていて、思ったよりも大分苦しい。けれども、彼女の顔に浮かんだのは、悦びからくる笑みだ。
 尻穴すらも、性欲処理のための道具にしてもらった。三穴すべて征服された。これで己は、まごうことなき肉便器だ。
「おいおい、ケツ穴に夢中に、なるんじゃねぇぞッと!」
「イヒヒ、ケツハメにはまだちょっと早かったみてぇだな、まぁでも気にしねぇけど!」
「んぁああああッ!」
 慣れる暇すら、与えられることはなかった。肉便器の仕事は二十四時間三百六十五日、休日なしの休憩なし。近くに男がいれば、彼に消費されるべきなのだ。それが魂魄妖夢の代わりに妖夢が得た、新たなる肩書だった。
 両穴から、容赦ないピストンがたたき込まれる。前穴からはぼぢゅッぼぢゅッと、後穴からぬぼっぐぼっと、猥褻を極めた音が響いては、妖夢にこれ以上ない快感をもたらす。
 前穴から伝わるのは、神経をビリビリと痺れさせるような、女として得られるなかでも最高クラスの悦びだ。味わわされれば誰でも腰を振り、膣内射精をねだってしまうものだ。
 後穴から伝わるのは、背骨を蕩かし脳味噌を腐らせ人間性を堕落させるような、背徳の権化のような悦びだ。知ってしまったが最後、尻穴は排泄器から性器へと生まれ変わる。
「ひぃッ、あっは、おぉ、ほッ、アッ、オ、ォオッ、あぁあォッ!」
 先の騎乗位では優位をとれていた彼女も、これにはただ翻弄されるばかりだ。当然だ。一が二に増えたというような単純な問題ではないのだ。二種の悦びは互いに協調したかと思いきや反目しだし、まるで予測ができない。男たちの動きにコンビネーションがまるでないからだが、思わぬ作用をもたらしていた。一足す一が、十にも百にもなっている。
 タガが外れたゆえの淫らさがあるとはいえ、妖夢は所詮今日初めてセックスしたばかりの小娘だ。そのような複雑な快感をこれでもかと叩きつけられて、まともでいられるはずがない。上がる声には、今までのような可憐さなど欠片もない。まるで獣のようだった。
「おら、どうしたァ、さっきまでのエッロい腰使いはどこいったんだよォッ」
「突っ込んでるだけじゃ面白くねぇぞぉ、射精させたきゃ腰振れェッ」
「ひぃ、ぉはァッ、あっひ、ひぉッ、あぁあぁ、ぉアぁッ!」
 妖夢の反応に、男たちは勝ち誇ったように腰を振り立てる。彼女の下半身に、肉棒には決して勝てないという意識を刻み込んでいく。二度と先ほどのように、調子に乗ることのないように。駄目押しに乳首や淫核を摘まみ、彼女を容赦ない快楽地獄へ追い立てる。
 一方、妖夢の腰は、相変わらず娼婦を越えたくねりを見せていた。意識してのことではない。そんな経験も余裕もなかった。腰を振れば快楽が増す。ただでさえ持て余しているのに、これ以上増えられては困るというものだ。それでも、腰を振れという彼らの命令が、より正確には命令を受け入れた本能が、彼女に尻を振りたくらせる。こうすればより沢山慰み者にしてもらえる、より沢山、濃いのを射精してもらえる。それを学んだ本能のなす業だった。
「おっと、こっちが空いてるようだなァ――」
「アッ」
 快楽に悶えるあまり振り乱されていた頭が、両腕でがっしり掴まれる。眼前にペニスが現れる。嫌な予感がし、とっさに口を塞ごうとしたが、すでに遅かった。
「使わせてもらうぜっと」
「ごぼぉッ!」
 男はちょっと立ち小便しようというような気軽さで、妖夢の口に肉棒をねじ込んできた。口内に、ペニスが入り込む。それだけならフェラチオの折りに経験したが、あのときとは比べものにならない蹂躙だった。
 気軽なのは口調だけで、やり方はえげつないものだった。男は自身が腰を前に出すのと同時に、妖夢の頭を引き寄せていた。互い違いの動きによって、ねじ込まれる肉棒は容赦なく喉を突いた。そのまま止まることなく、ずるりと食道にまで入り込んだのだ。膣襞をめくり抉るためのカリが、食道粘膜を抉った。
「んごッ、ぉッ」
 そんなことをされて、苦しくないはずがない。反射的に男を引き剥がそうとするものの、両穴から突き上げられ、快楽に力が抜けてしまう。そうこうしている内に、口内の肉棒が抽送を開始した。
「おほっ、いい締まり。こいつ喉も最高だな」
「ごッ! おぐッ、ぉ、ぐッ、ぉおッ!」
 ごりっごりっと、およそ人体があげないような音が体内から響く。食道がペニスにより拡張されているのだ。そのような異物を迎え入れるようにできていない粘膜が、抉られて傷つけられていく。皮膚を剥ぎ取られるような痛みに悶絶するものの、男はそんなことはお構いなしにピストンを続ける。
 喉をほとんど塞がれているに等しいため、呼吸もろくにできない。わずかに出入りする空気は、強烈なペニスの臭気を纏っていた。口中を掻き回されているため、味覚も肉棒に支配されている。肉棒漬けだ。
「おごっ、ふぐぅッ、お、おッ、おぉおおッ」
 いや、肉棒漬けというなら、全身そうだろう。両穴へのピストンは、苛烈なイラマチオの最中も中断されない。むしろ喉陵辱に負けまいと、勢いを強めているようですらある。
 まるで、意識そのものをファックされているようだった。混濁する思考を、肉棒が埋め尽くしていく。彼女は目の端から涙をこぼし、半ば白目をむいていた。危険な状態だが、男の下腹の密林に顔面が埋もれているため、誰もそれに気づかない。
 新米肉便器に対する男たちの扱きは峻烈極まるものだった。彼女の自我の根底まで、己は男に奉仕するためにあるのだと教え込んでいるようだ。その甲斐あってというべきか、彼女の価値観は作り替えられつつあった。奉仕するべきものペニス、そのために使われるヴァギナ、その二つを組み合わせる素敵な行為セックスが、彼女の世界のすべてとなる。
「ぢゅるっ、んっふ、ぉグ、んごッ、ぢゅぷッ、んふぅ」
 気づけば彼女は、口腔を喉に至るまで蹂躙するモノに、従順に奉仕し始めていた。音を立てて唇で吸い付き、舌で舐めしゃぶるだけではない。下半身の交わりで腰を振っていたのと同じように、頭を揺らして、自ら喉粘膜を亀頭にこすりつけていた。
 そのことについて、義務を果たしているのだと、彼女は考えていた。いや何かを考える余裕などない。自我の根底にまで刻み込まれた雌犬としてのあり方が、妖夢にそのような行動をとらせていた。
 妖夢はもはや、つま先から頭頂まで、肉棒に使えるための存在と成り果てたのだ。
 それだけに、悔しいことが一つあった。周囲の男たちが、彼女の様をみてマラを扱いていることだ。自らの痴態で興奮してくれることは嬉しい限りだ。だが、本来自分が、あれを扱いて気持ちよくするべきなのだ。口や膣、アヌスがもっと沢山ついていないばかりに、同時に奉仕してさしあげられないことにこそ、悔しさを感じていた。
「お、おぉ、そろそろ射精るぞォッ」
「んふぅッ! んっ、ぐ、ぉッ!」
 次第に速度を増していたピストンが、明確に激しくなった。ぱんぱんぱんぱんぱんと、肉同士を打ち付け合う音が小屋内で反響する。
 それが男の射精の前兆だと、彼女は知っている。限界など知らないというように腰を、全身をくねらせ、三穴で肉棒に奉仕する。その動きたるや、人以外のとんでもなく淫らななにかであるとしか思えないほどだった。
「オッ、お、うぉッ、射精すぞ射精すぞ、胃袋孕めッ、おぉッ!」
「ぶぉごッ――」
 鼻が潰れる。挿入するときにしたように、男は自らの腰を突き出し、反対に妖夢の頭をぐッと引き寄せていた。ばちぃんと、肉同士が音を立てた。彼女の喉が膨らんだ。喉仏のようだ。食道内の亀頭がシルエットとなって浮かび上がっているのだ。
 喉と食道が、完全にペニスで埋められる。呼吸ができない。腕を振り回してもがくが、彼はお構いなしにそのまま射精する。
「ォッ――!」
 口は人体でも有数の、神経の集中する部位だ。触覚が非常に発達しており、口内のものの形の変化などは明確すぎるほどに感じられる。
 肉棒が根元から膨れていくのを、彼女はスローモーションで感じ取っていた。睾丸から来たるものがせり上がり、せり上がり、そして鈴口から解き放たれる。
 フェラチオであれば、放たれた濁液を味わうことができたろう。だが今回は駄目だった。亀頭は喉を通り越している。放たれたスペルマはそのまま食道を汚し、胃袋にどぷどぷと注がれていく。
 胃袋が熱い。解き放たれた女狂わせの欲望の作用だ。無数の精子が、卵子と結合し生存競争の勝者となろうと泳ぎ回ることによって生じる熱だ。当然、どこまで泳ごうとそれらが生き延びる道はない。胃酸によって消化されるのが宿命だ。
 しかし、無駄ではない。消化されるなら、その後吸収される。無数の精子のどれ一つとして、独立した生命となることはできないが、代わりに妖夢の一部となる。彼女の肉体のいくらかは、男の精液で構成されることとなった。
「よし俺も射精すぞ、イくぞ、ケツ穴引き締めろッ、――オラッ!」
「んおぉおおおッ!」
 馬を鞭で叩くような音がした。男が妖夢の尻肉に、思いっ切り平手を食らわせたのだ。苦痛と熱を感じ、尻肉に紅葉のような跡が残るが、今の彼女にはそれすら快感に思える。
 さらに彼は、摩擦で括約筋に火がついてしまうのではないかというピストンを開始する。最悪の場合排泄機能を喪失しかねないほどの勢いだ。そんなことは妖夢側の事情で、彼にとってはどうでもいいことなのだ。
「よっしゃ、イくぞイくぞイくぞイけイけオラァッ……おぉおぉおっ!」
「おぉおぉおおッ――!」
 そして、射精が始まった。直腸へ、熱く粘っこいものが注がれていく。
 まるでマグマのようだった。腹の奥が燃えているようだ。こんなものを射精されたら、二度と排泄できなくなるのではないかと本気で心配に思えてくるほどだ。だというのに、彼女の腸肉は、引き締めろと言われた言葉そのままに、男のモノをきゅうきゅうと締めていた。根元から先端にかけて、搾り取るような動きで抱きしめては、彼の射精をより良いものにしようと試みる。
 それは、排泄器官ができるようなことではとてもなかった。まるきり、性器のそれだ。彼女の尻穴は、もはや性器となったのだ。子をなすという機能はないが、そのぶん純粋に快楽を追求できる、肉棒しゃぶりが得意な淫乱おちょぼ口だ。自分という存在がどんどんどうしようもなくなっていくことを、妖夢ははっきりと感じていた。
「なんだ二人とも射精したのか!? なら俺も射精してやるか、ありがたく受け取って孕みやがれよオイ、そら、射精すぞ、射精すぞッ」
「んっ、ぐっ、ふぅっ!」
 そして最後に、膣穴だ。ただでさえ限界をとっくに越えている妖夢に、駄目押しをするかのごとく、ピストンを加速させていく。
 駄目押しとはいったが、セックスという行為から考えると、膣内射精こそが本命だった。ゆえに妖夢も、恋する少女のように胸をときめかせながら、売春婦も顔負けの腰使いで、男のより濃厚な射精を促していく。
 下半身で繋がり合った二人の動きはぴったりで、ちょうど腰と腰とが密着した瞬間に男は射精する。
「よっしゃイくぞイくぞイくぞイくぞぉおおッ――おおおおおおッ!」
「ッ――ぉ、んぅうううううううううううッ!」
 そして、本日二度目の膣内射精が訪れる。何度となく味わったあの前兆、根元から先端にかけての膨らみを伴って。
 ペニスが爆発するのも同じだったし、その後灼熱の欲望がどぼどぼと注ぎ込まれるのも同じだった。二回目であるということもあって、真新しさという点では口・尻穴・膣への三連射精の中で最も劣るだろう。
 だが、そんなことは全く問題ではなかった。むしろプラスだ。予習していたほうが授業の効果が高くなるのと同じように、二度目であるからこそ、膣内射精の尊さを明確に理解することができた。それがどれほど気持ちよく、どれほど素晴らしく、人格も人権も全て男に明け渡してでも受けるべきであるかということを。
 二度目であることが彼女をさらに昂ぶらせる理由は、それだけにとどまらない。新たに放たれた精液も、一度目と変わらず濃厚で、おびただしいほどの精子で構成されている。それら一つ一つが、先客に負けるなと言わんばかりの勢いで泳ぎ、先に射精された精子を追い落としにかかったのだ。ライバルがいる方が、物事は結果が出やすいという。生存を賭けた競争であるため、なおさらだった。
 二人分の精液が子宮の中でミックスされ争っているのが感じられる。己の子宮がひどく自分勝手な生存競争の舞台とされていることを、彼女ははっきりと感じていた。
「ッ――!!」
 男たちの三連射精を受けて、妖夢は、とうぜん絶頂していた。いくら度を超した淫乱といっても、先ほどまで未通だったのだ。単に膣に挿入されただけで惚けてしまうほど経験が浅いというのに、三カ所を貫かれ射精されたとなったら、まともでいられるはずもない。
 結果、彼女はあっさりと絶頂していた。ただしあっさりというのは、そこに至るまでの過程の話だ。オーガズムそのものは、まったくあっさりなどしていなかった。
 ただ快感がそこにあった。圧倒的な快感、全てを燃やし尽くすような快感だ。他の何であっても得られないほどの気持ちよさの前に、神経回路が焼き切れていく。
 何も考えられない。何かを考える余裕などどこにも欠片もない。絶頂は快感の波と表現されることがあるが、これはそのような生やさしいものではない。千の男に抱かれた女であっても全く対処不可能な、予測不能の大嵐だ。まして妖夢のような経験の浅い小娘では、どうこうできるはずもなかった。
 意識はピンクに、視界は白に染まる。脳は廃人まっしぐらの量の幸福物質をどばどばと分泌し、自らそれにどっぷりと浸かる。人格は歪み、性格は曲がり、ぎりぎり残っていた魂魄妖夢の残骸すらも消え失せる。
 快楽受容以外の感覚はもはやろくに残っていない。それでも、体内だけでなく、体中のありとあらゆるところが精液に汚されていくのが感じられた。錯覚ではない。周りでモノを扱いていた連中が、彼女の体に次々ぶちまけはじめたのだ。べちゃべちゃと熱いものが降り注ぎ、覚えるのは嫌悪感ではない。まるで風呂の中に入っているような安心感だった。そのように感じられるのは、堕落しきった本性のなせる業だった。
 これ以上ない幸福に包まれながら、彼女の意識は堕ちていく。
「ッ、――かは、ひっ、かひゅっ、はぁっ」
「お、やぁっと目ぇ覚ましやがった」
 気づけば、床に転がされていた。むせながらも、呼吸する。息が止まっていたらしい。あれほどの絶頂だから、そうなるのも不思議ではなかった。
「生きてるかァ? おい」
「あ、かふっ、はい、いきて、います」
 生きてはいるが、大丈夫ではない。意識は朦朧としていた。体力はとっくに尽きていた。彼女をそのようにした張本人たちは、悪びれる風もなくへらへら笑っていた。
「そうかい、そりゃいい。まだヤッてねぇやつが一杯いるからよ、へたばってもらっちゃ困るんだよなぁ」
「あぁッ――それは、失礼しました……んふっ、くぷ、んぅ」
 ぎらぎらした欲望の目が、無数に注がれているのを感じた。勃起したペニスに囲まれている。全員が満足するまで終わらないという言葉は、真実のものだったのだ。
 もはや奉仕する体力など残っていない。腕どころか指一本動かすのも大儀でならない。それでも彼女は起き上がり、手近なモノに口づけてしゃぶり始める。それが肉便器である自分の存在意義だからだ。義務を果たすためなら、体はいくらでも動いた。
 その日から、名もない可愛げな肉便器が、人里の貧民窟の住人に加わった。
冬コミ受かったんでスケベな本出します

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喚く狂人
http://twitter.com/wamekukyouzin
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
射精るぞ射精るぞ、濃厚な感想射精してやるからな、コメント欄孕めッ――オラッ(送信)
剣術の腕は半人前なのに房中術の腕は一夜にして達人級とは、こりゃあ妖忌どころかご先祖総勃ち間違いねぇや。華奢な首に浮かび上がる裏筋シルエットとか本エロすぎる
おチンポにどはまりしていくさまが最高でした。堅物すぎる性格でなにごとにも真面目に取り組んでしまいそうなイメージがそれを強調してくれてて、さらに適度に装飾された肉体描写が脳内をエレクチオンさせてくるデカマラチンポ(巧みな文章)、たまりません
精液が体を構成する一部になるどころか、このままいけば血液まで愛液と精液で構成されてしまうんじゃないかと思うほどの熱中ぶり。娼婦とは方向性の違う「生きるため」の情熱的身体使いや性への適応力、ゆるゆるマンコにされたら捨てられると妖夢は感づくだろうからそっちの鍛錬もきっと怠らなさそう。まさに肉便姫
朝勃ちチンポを一軒一軒起こしに回りそうなくらいのド淫乱。そのうち携えてる半霊体すら使って奉仕しそう(冷たくて気持ちよさそう)、妊娠して胸が膨らんだらきっと紅葉合わせもするに違いない。そう感じさせてくれる結末と堕落っぷりがとてもとてもよかったです
イベントに行って顔射(感想)できないことが心残りですが陰ながら応援しております、ありがとうございました
2. 削除
変態欲求で踏み外して堕ちていくまでの描写とプレイが最高でした!
3.性欲を持て余す程度の能力削除
丁寧ながらえげつない地の文の性描写が背徳感あってすごく良いです。
まだ少女でうぶな肉体なのにド変態というアンビバレンツさがテキストから滲み出てますな…