真・東方夜伽話

少女魘夢

2017/04/20 19:27:43
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少女魘夢

曲がり桜
蓮子の秘めた性欲を知るに至ったのは、とある夢がきっかけだった。
私は元々、他者よりも生々しい夢を見る癖があった。紅いお屋敷のクッキー、竹林の鳳凰、忘れられた宇宙の密林ーー。
ある夜眠りにつくと、私は自分の意識がどこか遠くを漂っていることに気づいた。それは慣れたことだったから、いつものように流されるままに意識を夢の空間に委ねていた。

目の前には蓮子がいた。蓮子はワイシャツ姿で寝ていた。
ここは蓮子の部屋だ、とすぐにわかった。床に山積みになった本の配置も、脱ぎっぱなしのジャケットも、一昨日私が訪れた時のままだ、とぼんやり思った。部屋は薄暗かった。

蓮子はもぞもぞとしきりに寝返りを打っていた。薄手の毛布が床に落ちて、真っ白な脚が暗がりの中に浮かび上がった。
そして、脚がおもむろに開かれた。

「ぁ…………」

蓮子の指が開いた脚の間に伸びた。その時私はようやく蓮子がワイシャツ1枚しか身につけていないことに気がついた。

「あっ、あっ、あっ」

蓮子の指が往復した。幾度も指に擦られて其処からは蜜の滴る音が聞こえてくるようだった。蓮子の吐息が熱を増して、『境界』のこちら側の私の耳すら温めた。

「ふゃあああ」

蓮子はだらしなく弛緩した脚を小刻みに震わせ、狂ったように指で擦り続けている。もう片方の指はワイシャツの隙間に滑り込ませていた。ワイシャツの胸元の裏側がもごもごと動いている。おそらく乳首を弄っているのだろう。

「メリー、メリー」

唐突に蓮子が叫んだ。反射的に手を伸ばす。それが名前を呼ばれたことに対する返事なのか自分でもわからなかったが、そうすることが当然のように思えた。

私は蓮子の指を押し退けると、そこに変わりに自分の手を強く押し付けた。びくん、と面白いように脚が跳ねるので、私は手のひら全体でそこを揉んでやった。蓮子が声にならない嬌声を上げる。また揉む。さらに悲鳴のような嬌声。また揉み、撫で上げ、摘まみ、擦り続ける。

「あ、あぁあああア!ひゃあ!はふぅ!」

両手が空いた蓮子は今は両方の手で乳首を弄っていた。ワイシャツは捲れあがり、上気した肌は桃色に染まっている。
ダラダラと秘蜜を流しながら蓮子は歓喜の声を上げた。

「あぁ、メリー、イく、私イくの」

その言葉を聞いた瞬間、境界がぐにゃりと歪み、私は再び果てしなく揺蕩う夢の世界に放り出された。


その夢を見た翌日、蓮子はいつものように遅刻をして学食のカフェテラスに現れた。
蓮子の様子に変わったところは無かった。当然だ。私の見た夢はあくまで私自身の夢の中の出来事で、現実の蓮子となんら繋がりはないのだ。そう考えるべきだろう。

あの蓮子がどこかで存在しているかもしれない蓮子だなんて、そんな保証はどこにもない。


また夢を見た。

ヴヴヴ、と小さな振動音に気づく。目の前には蓮子。いつかの夢と同じだ。

「ふぁぁぁぁ……ん」

違うのは、そこが脱衣場であること。また、蓮子の手に白く長いマッサージ器のようなものが握られていることだ。

「ひぁっ、あ、あ」

蓮子は下着1枚で立っていた。片足を洗面台に上げて、いびつな新体操の選手のような格好になっている。ヴゥゥーン……とマッサージ器の咆哮。マッサージ器の先端は蓮子の下着に押し付けられていた。
蓮子の下着があまりにも濡れに濡れているため、器械が壊れないだろうかと思ってしまう。

「はぁ、ア、はぁーー、んっ」

蓮子は立ったまま、必死に快楽を享受していた。蓮子の片足が覚束なく揺れて身体を支えている。前屈みになったかと思えば、ピンと大きく胸を反らせて身体を震わせる様子は、まるで大波に揺られる頼りない小船のようだ。

「ひぃぃ……ぁあ……あぁあ、ア、あひぃ」

そんな様子を見ていると、ふいに掛けるべき声が浮かんできたように思えた。

「蓮子、イキそうなの?」

『境界』を越えた声は、確かに彼女に届けられたようだった。

「あん!あ!あぁ!イキ、そう…っ!」

蓮子はがくがくと頭を揺らしてイキそう、イキそうと何度も呟いた。私はそんな蓮子を制すように、境界に向かって囁く。

「ダメ、まだ駄目よ。私が眠りにつくまでは、ずっとそうしていて頂戴」

「やぁぁぁぁ…っ!無理ぃ……!」

ヴィィィィ、と無機質な音がより一層大きくなったような気がした。蓮子の腰はびくん、びくん、と跳ね続けている。

「メリーお願い、イカせてぇ……無理、無理なのぉ」

私が黙っていると、蓮子は私の存在なんて最初から無かったかのようにまた蜜戯に没頭し始めた。

「あぁぁあぁ~!あんっ!あんっ!あんっ!無理ぃ!あぁ!あーっ!無理、無理…」

「蓮子っ…!」

「あんっ!メリーの言いつけ破っちゃうよぉ!あんっ!イイのぉ!それもイイのぉ!」

蓮子の腰がより一層弾けた。

「ふぁぁぁぁぁぁぁーー!イクぅぅぅぅ……っ!」

長い余韻の後、蓮子は身体を二つ折りにして脱衣場の床に崩れ落ちた。全身から力の抜けた蓮子は、両手で股間を押さえてうずくまり、尻を突き出す格好になっている。

あっさりと一方的な遊戯を見せつけられて、もともとこれは蓮子の夢なのだから仕方がないとは思った。しかし、私の心の奥底にどこか不満が残っているのは確かだった。膨れ上がった不満は境界を歪め、理さえも徐々に侵食していくように広がる。次の瞬間、私は目が覚めていた。


翌日は一面に墨滴を垂らしたかのような濃い闇の中にいた。もちろん夢の中での話だ。自分の姿さえ認識できないほど暗いのに、不思議と蓮子の動きだけは鮮やかに把握できた。

「ンふー……っ……ン、!」

ボール型の拘束具を口に加えた蓮子が息を漏らしている。蓮子は最初の夜と同じように自室のベッドの上にいた。足はM字に大きく開脚され、膝が頭の横に付くほど腰を持ち上げている。足首の先がベッドの脚の上部に縄で繋がれているから、それ以上下半身を下げることが出来ないのだろう。
固定されているのは脚だけではなく、腕も同様だった。背中の後ろにきちんとまとめられて縄がかけられている。
ピンと立った乳首の先にはカプセル錠剤を大きくしたかのような器具が結わえ付けられ、蓮子の呼吸に合わせてふるふると揺れていた。

ン、ン、と蓮子が焦れったそうに腰を揺らす。何も触れていないはずの秘穴はトロトロと蜜を垂れ流してシーツに染みを作っている。私は蓮子をじっと見つめながら言った。

「蓮子、あなたは気持ち良いことを求めているのね。そしてそれを私に伝えようとしているのね」

蓮子が陶酔した目を向けて頷く。私は蓮子にゆっくりと近づいた。

「ごめんなさいね。私には境界を破るほどの力はないみたい。だからこれまで通り、傍観者に徹するわ」

つぅ、と人差し指でゆっくりと蓮子の秘所をなぞると、そこに細長い器具の先端を差し込んだ。

「ンふぅ!」
「すごいわ蓮子。どんどん呑み込んでいってしまうわ」

柔らかく埋まっていく振動器具を眺めて私は感心した。器具は驚くほど滑らかに、無抵抗の門に深々と進入していった。

「ン!ンッ!ヴゥゥ!ヴゥふぅ!」
「ここまでかしら」

器具の根元までがすっぽりと蓮子の中に入っていったのを確認すると、私は器具がずれないように下着を履かせようとした。しかし蓮子の脚は固定されているから、下着が通らない。さてどうしようかと思っていると、あるものが目に入ったので私は躊躇いなくそれを器具の上から押し当てた。

「ふッ……ぅン…!」

カチリ、と音がしてそれは蓮子の股間に収まった。いわゆる紐パンのような形状をしている。紐パンと決定的に違うのは、紐の部分が金属製のベルトのようになっていることだ。

「キレイにはまったわね」

私はベルトを引っ張って、その拘束下着が全くはずれる気配のないことを確かめた。ベルトが引っ張られる度に蓮子はくぐもった声を上げて腰を跳ねさせた。私は蓮子に言った。

「さぁ、好きなだけ気持ち良くなりなさい。だけど今度こそ、私が眠りにつくまでよ」

ヴヴヴヴ、ブブブブブブ、ーーー。私が告げた瞬間、蓮子に取り付けられた器具が一斉に唸り出した。乳首の先の器具、蓮子の中に埋められた器具すべて。

「ヴぅくふぅぅぅぅーーーーーー!」

蓮子は腰をしならせ愉悦を受け止めた。私はおもむろに口の拘束を外してやる。

「めりぃ、駄目、これ駄目え。壊れちゃううう、あふ、私のあそこ壊れちゃううううぅぅぅ」
「蓮子、すてきよ」
「ふぅ、あ、あひぃ、あひぃぃぃ、メリー、メリーぃぃ」
「蓮子、もっと見せて」
「あんあああああ!メリー!ひぃ!イクぅ!イクぅぅぅぅ!」
「もっとよ」
「ひぁ!ゃ!まっ…!ああああああああー!やぁーー!イクイクイクイクイクイク、イクぅぅぅぅ!イッてるぅぅぅぅ!イッてるのにいい!」
「私が眠るまで、よ」

ヴヴヴヴ、ヴヴヴヴヴヴ……。
器具の振動音、蓮子の嬌声、何もかもがどこか遠い世界の出来事に感じられた。

古来、夢とは、人が人を想うあまりに魂が万里を越えて訪ねてくるものだと伝えられていた。しかし現代では、夢を見るのはあくまでも自分の自由意思だ。夢に出てきた人物が必ずしも自分のことを想っているとは限らない。

ー果たして、想っていたのはどちらだろうか。

この夢はどちらが夢見た夢なのだろうか。どこから来た願望なのだろうか。それとも、単なる現実の延長なのだろうか。
蓮子がまたイク、またイクと叫ぶのを何回聞いたかわからなくなった頃、私はゆっくりと眠りに落ちていった。
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