真・東方夜伽話

道具の半生

2016/08/17 03:04:16
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道具の半生

RingGing

 レミリアが男を道具にする話です

 サディスティック、またマゾヒスティックなシーンを含みます
 行為はほとんどありません またいわゆる挿入、セックス描写はありません
 身体的な障害を描いているシーンがあります
 倒錯的、フェチズムが好きな方向けです 

 
 
 はじめ、私は、お嬢様が誰かを『連れてきた』のだと思った。車椅子に乗せられた、一人の中年の男。ひどく痩せていて、全身に力は感じられず、長く伸びた髪は一度も現れていないかのように垢まみれで。お嬢様が連れてきた誰かは、一体誰なのだろうと私は訝しんだ。
 メイド長が私を選んだ。誰でも良かったのだろう。替えはいくらでもいるのだから。メイド長が私をお嬢様に差し出し、お嬢様は、私に一室を与えた。私は掃除を言いつけられ、やがてその部屋には一つの、変わった形の椅子だけが運ばれてきた。そして部屋の隣には、メイド長の力で、シャワー室が設置された。用意されたのは、それだけ。誰かが暮らす部屋というには、あまりに異様だった。
 最後に、お嬢様自身が、さっきの車椅子の男を連れて、部屋へお越しになった。お嬢様は部屋の中へ男を押してお入れになり、車椅子から男を突き落とされた。
「今日から、ここが、あなたの部屋よ」そうお嬢様は男に言った。それから私を振り返り、「あなたは道具を管理して、けして外へは出さないように」
 と、言った。男は最初から、人扱いなどされていなかった。お嬢様は最初から、男を道具としてこの館へ連れてきたのだ。それも仕方のないことかもしれない。お嬢様は吸血鬼の姫、人の心知らぬ冷たい貴種の落とし胤。男は哀れだった。立ち上がれもせず、這いつくばったまま。
 男は、館へ連れられてから一時間もしないうちに、お嬢様のための道具になった。

「あれを見た時、私はびびっと来たの。これを持ち帰って、私の道具にしようと」
 お嬢様はうきうきした様子で、語られたそうだ。
「道具に足はいらないし、手もいらない。私のために奉仕する舌があればいい。身体もいらないけれど、仕方ないじゃない? 生きていくためには必要なのだもの」
 くすくす、お嬢様は笑う。「けれど、ある程度は仕方のないこと。その不便さも、生きている品物だと納得するためには必要なもの。山頂からの綺麗な景色には登山が必要不可欠なように」

 お嬢様は残酷だ。半身不随の男を見て、自分の道具にすることを考えられたらしい。私には理解のできない思考の形。
 ところで、私のことだが、私は種族的には妖精だけど、一時期人間を友人として暮らしたことがある。妖精には個別の意識はなく、全体意識のようなものだけがある。けれど、私は人間と暮らし、人間と同じに扱われた記憶があるせいで、私には個別の意識のようなものがあり、人間には憐れみや同類意識を感じてしまうことがある。
 メイド長から言わせれば「人間くさい」そうだ。だから、私は厳密には妖精ではないのだ。妖怪や妖精は精神性からできている。人間が妖怪になりたいと思えばなれてしまうように、妖精だって、人間の生活をすれば、考え方が伝染してしまうものなのだ……。

 だから、私が見る男は実に哀れで、てひどい扱いを受けているように見えた。
 だが、話はそう簡単ではないらしい。下半身が不随になっている男の腰の骨も、そして握力が極端に弱い手首の腱も、人為的に損なわれたものであるらしい。聞くところによれば、男は精神薄弱で、家を出ることもなく、ずっと地下で暮らしてきたという。男が貧しい家の生まれであれば、少なくとも身体は健康に育ってきたことだろう。男はなまじ裕福な家に生まれたばかりに、表には出さない子供として幽閉された。背の骨を折られ、手首の腱を切られた。
 ここまでの仕打ちはあるのだろうか。男はまともに口を利かなかったが、狂しているような部分はなかった。少なくとも穏やかであった。他人に迷惑をかけるとは到底思えない。
 おそらくは、幼い頃に、どこかがおかしいと決めつけられてしまっただけなのだ。当人に罪はなくとも、男は、存在しているだけで迷惑だと思われてしまう存在だったのだ。
 無数の価値観があり、子供にこうした仕打ちを行う考えというのも、あるのだろう。世には子供の道を全て、親が決めてしまうということもあるという。手首と腰の自由を奪うのも、同じことではないのか。それとも、この親が単に異常であるのか。
 男の事情など、何も知らない。
 そして、私が知っているのは、男の家が没落し、男は放り出されたということのみだ。男は、お嬢様が連れて帰らなければ、死んでいた。逆に言えば、死んでもいい、お嬢様が持ち帰っても、誰も困らないから、持ち帰ってきたのだ。それはお嬢様の都合でもあり、男の都合でもあった。
 死ぬのと、ここで管理されるのと、どちらが良いことか、私には判別がつかない。このように生き続けるならば、むしろ死なせてやるのも慈悲だとさえ思える。


 道具は手首を切られていて、握力が極端に弱い。スプーンさえ握ることもできず、トレイに乗せた食事を、道具は顔を突っ込んで食べる。お嬢様に言わせれば、それも、道具としてふさわしい性能だ。指を使える必要もないし、力が無ければ逃げることもない。下半身のこともそうだ。安定して座ることのできない道具は、重い身体を、上半身で引きずって動くことしかできない。道具は一日の全てを、床に横たわったまま過ごした。部屋の調度品は椅子が一つあるきりで、それも男が座るための椅子ではない。
 逃げることも、立つこともいらない。道具として扱われることの他は。

 私は一日の全てを、道具と共に過ごした。食事を日に三度運び、トイレに行くこともできないので、排泄はシャワー室でさせ、私は排泄の終わった道具の下半身を洗った。排泄のたびに下着を脱ぐこともできないので、下半身には何もはかず、上半身にシャツを着ているだけの姿で、道具は一日中横たわっていた。意味もなく部屋の中を這いずり、時には壁を意味もなく引っ掻いた。
 扱いについては、道具が元々いたところと大差はないだろう。表に出せない子供という境遇に、私は、もっとひどい扱いを見てしまう。

 数日に一度の頻度で、お嬢様が道具の部屋を訪れる。来る時には前もって、妖精メイドがそのことを伝えに来る。お嬢様が来ることを聞くと、私は椅子を部屋の中央へ運び、道具をそこへセットする。座席に空いた丸い穴に道具の頭をはめこみ、腰を縛って固定する。
 お嬢様が、簡単な羽織りだけの姿でお出でになる。私に手伝わせ、お嬢様は洋服と下着を全て脱いで、一糸纏わぬ姿になる。私は部屋の隅へ引き下がり、お嬢様は道具のついた椅子の上へ跨がられる。道具の舌が届くようにお嬢様は腰を突き出し、道具にそこを舐めるように促す。やがて道具の舌とお嬢様が触れ合う、粘った音と、さえずるような、お嬢様の声が混じって聞こえてくる。
 お嬢様は、道具にはもちろんのこと、私が見ていようと感じることや、声を出すことを、恥ずかしがる気配はない。私も、お嬢様にとっては、この館に置かれている道具の一つに過ぎない。お嬢様は種族も立場も違う者に、恥じらいを見せることはない。
 お嬢様の口が開かれて、喉の裏からこぼれ出るような声が、一拍おいて途切れ、またこぼれる。一定の間隔を置いて、声は少しずつ早くなってゆく。声はそのまま、道具へ指示を行う指先を兼ねている。道具は良い道具たろうとして、お嬢様を導いてゆく。
 やがてその突端へ達する時、お嬢様は道具の頭を激しく掴んで押しつけ、両足を痛いほどぎゅう、と締め付けになる。くったりと力を抜くお嬢様を、道具は唇で、その火照りを冷ますように、ゆったりと触れる。この辺りの呼吸を伺うに、道具は優秀な道具であったらしい。
 お嬢様が満ち足りるまでそれは続けられ、ことが終われば、お嬢様は簡単な羽織を身につけて、部屋へ戻ってゆく。時には歩くことさえ気怠いほど消耗した場合には、メイド長を呼んで、身体を運ばせることもある。自室に戻られたお嬢様は、汚れた身体を自分つきのメイドに拭わせ、大抵の場合は、そのままお眠りになる。
 私はお嬢様を見送って、道具の身体を椅子から外し、椅子を片付け、道具の唾液と、お嬢様のこぼした蜜水を、綺麗に洗い清める。道具もまた、同じ姿勢でいることにくたびれて、床に伏している。

 道具の下半身はどうなっているのだろう。お嬢様に奉仕させていただく時、道具もまた興奮状態にあるはずだ。道具の下半身は、正常な男性と同程度の機能は保っているのだろうか。それとも、だらしなく倒れている足のごとく、萎えたままであろうか。
 どちらにせよ、お嬢様はその下半身に慈悲を与えてやることはない。道具自身も、自らの手で慰めることもできない。放出されず、脳で留め置かれている昂ぶりは、どこへ行くのだろう。脳へ溜め込まれる興奮とは、どのようになるのだろう。放出できないことで、やがて壊れてしまうことはないのだろうか。
 それとも、もう、壊れてしまっているのだろうか。


 男とは、言葉は交わさなかった。お嬢様から、道具とは言葉を交わさないよう、言い含められていたからだ。

「あなた。その道具と言葉を交わさないようにね」
「は、はい」
「道具にとって何よりも重要なことは、反抗をしないこと。わかるわね」
「はい」

 道具とは、男のみを指して言われたのではない。私もまた、道具なのだ。道具は道具として愛されも、躾けられもしよう。道具としての本分を逸脱して躾けられたり、放り出されるならまだしも、悪ければ殺されてしまうことさえあるだろう。例えば、道具に情けをかけ、逃がしてしまうようなことがあれば。
 メイド長の冷たい瞳。……お嬢様に知られなくても、気配を察せられただけで、お嬢様に先んじて、メイド長の判断で処分されてしまうだろう。お嬢様に先んじることが、メイド長の最も重い責務なのだ。お嬢様に知られることよりも、メイド長に知られることのほうが怖い。
 もっとも、それらは取り越し苦労だった。道具は、時折呻き声をあげるだけで、意味のある言葉を発することはなかった。私は道具の人格は考慮することなく、業務を続けていればよかった。

 お嬢様は道具を大事に扱われた。道具もまた、本分を踏み外すことはなかった。道具として使役されることを嫌がったり、拒否したりするようなことはなかった。むしろ、お嬢様の様子からすると、むしろ使役されるのを待ち望んでいたようにさえ見えた。それほど激しく、お嬢様にむしゃぶりついて、お嬢様へと悦びを与えていた。そのことが、道具自身の悦びであるようにすら見えた。
 道具に自由はなく、お嬢様は休憩したい時は腰を引くだけで良かった。道具は、自らお嬢様に食いつくことはできず、腰を離されれば届かない舌をいっぱいに伸ばし、与えられた時には、与えられるがまま奉仕をした。
 道具は、道具として立派に勤めを果たした。勤めに疑問を思うこともなければ、そもそも自分がどのように扱われているかということさえ、道具は考えていないように見える。道具は本来そうだ。自分が何のための道具かなど、思いをやることはない。私や、他のメイドたちも同じだ。本来、思考などはいらないのだ。言われるがままに動く。比較的人間的思考を得ている私と違い、他の妖精メイドたちは、何も考えずに命令されるがまま働いている。

「咲夜もよくしてくれるけれどね。優しくて、リードが巧みで。けれど、時には獣のように求められたい時もある。それに、咲夜は道具とは違うわ。道具には道具の味わいがあって、いいものよ」
「何より、一人でゆったりと感じられるから、いいのよ。道具には気を遣わないもの」

 そのように、咲夜様……メイド長と言葉を交わしていた、という話を、妖精メイド同士の噂で聞いた。妖精メイドも食事や睡眠を取るけれど、それは館の人がしているから真似をするだけのものだ。それでも、とりあえず食事はあり、そのための休憩もある。食事の際、噂話でそのようなことを聞いた。
 ふうん。メイド長も、嫉妬などをする時もあるのだ。だけど、嫉妬に狂ってあの道具を壊したりなどはしないだろう。メイド長は完璧であろうとし、その完璧さこそ自分の存在意義と思っているのだから。お嬢様に逆らうことなど、考えようとしないに違いない。

 お嬢様が腰を深く突き出して、仰向けに口を大きくお開きになって一際かん高い声をあげ、それから身を揺らして、長い吐息を吐かれた。道具もお嬢様も、息を荒くしていて、身体を道具からお離しになったあとも、しばらくそのままの姿勢のままでおられた。
 お嬢様が私を手招いた。合図を見て、私はお嬢様に歩み寄った。ピンク色に上気した肌の上に、うっすらと汗をかいている。私はお嬢様の身体に長布を巻いて、汗を拭った。お嬢様は額のあたりにかかる髪に触れた。髪も汗で、僅かに湿りがある。

「あなた。櫛は持っている?」
「え、いえ。ここには、ありません」
「そう。ここには何もないものね」
「あ、私のものなら、ありますが……」
「それで構わないわ。軽く梳いてくれる?」

 私は言葉に詰まった。そんな提案などしなければ良かった。私の、粗末な櫛で髪を梳いたなどと知られれば、どんな災いがあるか。それよりも、お嬢様の髪を梳くということにさえ、私は戸惑った。髪を整え、お嬢様の毎朝の用意をするのは、メイド長一人の仕事だ。他の者に髪を触れさせたという話さえ聞いたことがない。私程度の者が、触って良いものか。
 しかし、お嬢様がお待ちになっている。私は覚悟を決めて、櫛をエプロンのポケットから取り出し、お嬢様の髪にかけた。引っかけでもしたら、と怯えながら、お髪に櫛を通した。お嬢様の少しカールした髪は、櫛の上を気持ちよく流れていった。
 お嬢様は心地よさそうにしていた。私のことよりも、先ほどまでの道具の奉仕が心地よかったのだろう。その、心地よい快感の残滓の中にお嬢様はいて、その快感を邪魔しないよう、私は優しくお髪に触れた。
 お嬢様の隠された部分へ、道具がまた舌を、押し当てたようだった。「あ」と細く、可愛らしい声をお上げになって、お嬢様の身体がぴくんとはねた。お嬢様は激しく身体を動かすことはなかった。ゆったりと和らいだ気分のまま、柔らかく感じておられた。
 道具とお嬢様の距離感は、私には分からない。お嬢様が密着させて、身体を押しつければ激しく、させたくない時は腰を引いて離す、という約束というか、使い方があるようで、お嬢様の気持ちは、その動作で伝わるようだった。道具はお嬢様の感情を、その使い方で感じ取って動いていた。
 お嬢様はやがて椅子から降り、下着もつけず、薄い肌着を一枚羽織って、出て行った。肌が見えることを気にはかけもされない。だが、メイド長は素早く察知して、お諫めされる。お嬢様の肌着は、廊下へ出るとすぐに、開きっぱなしだったボタンが全て留められていた。メイド長が時を止めてしたのだ。お嬢様はそれに気を掛けられた風もなかった。

 後日になって、メイド長が私の元へ現れた。

「あなた。お嬢様の髪を梳かせていただいたそうね」
「はい。お嬢様にそう命じられたもので。その場に櫛が無かったので、私の櫛を使わせていただいて……」
「櫛を出しなさい」
「櫛を?」

 はあ、とメイド長は溜息をついた。

「あなた、何も知らないのね。本人の一部があれば呪いはかけられるのよ。櫛に付いたお嬢様の髪は回収します。あなたの服も確かめたいところだわ。出しなさい」

 私が櫛を差し出すと、メイド長はそれを持って、しげしげと見た。そして、櫛をハンカチで包むと、恭しくそれをしまった。

「この櫛は没収します。後で新しいものを支給しますからそれまで我慢なさい」

 哀れにも、櫛は連れて行かれてしまった。お嬢様の道具たる私としては、同じ道具の末路を見てしまって、哀しい気分になった。少なくとも捨てられず、どこかで誰かに使われていればいいけれど。


 後日になって、小ぶりな衣装箪笥が道具の部屋に置かれた。少しの着替えと、それから少しの化粧道具が置かれた。どうやらメイド長の意向が働いているようだ、と私は想像した。それから、お嬢様はことがお済みになると、私に髪を梳かせるようになった。

 道具が先に下ろされ、お嬢様を見上げている日があった。身体を離され、床へ下ろされた道具は、お嬢様を見上げていた。自身で立ち上がり、腰を据えることもできない道具は、自らの力で、お嬢様の隠れた部分へ舌を伸ばすことはできない。道具は、お嬢様を見上げていた。
 私は一瞬道具を見てしまった。道具が見上げている目を見てしまった。私はよそ見をしている自分を戒め、お嬢様の髪だけを見るように努めた。だけど、心は道具の方を見ていた。
 道具にとってお嬢様は、道具を拾い上げた全能者だ。再び元の路上へ放り出されるかも、生死でさえも、全てお嬢様の意のままだ。
 道具はどういった感情を持って、お嬢様を見るのだろう。圧制者を厭う時の目でもってお嬢様を見るのだろうか。けして越えられぬ障害として。それとも、絶対さというものに、侵せざる神聖さを見出すのだろうか。言葉で道具を扱い、視線で余人を制す、美しき女主人。麗しき威風を纏うドミナ。あるいは不敬であると知りながら、親愛の情さえ抱くものだろうか。
 道具は両腕に力を込めて、お嬢様へと這いずりを始めた。部屋の隅に座られているお嬢様と、部屋の中央に転がされている道具では、少しの距離があり、下半身の自由のない道具が這いずるには余程の時間がかかる。お嬢様は道具を見ているのかいないのか、私に髪を委ねたままでおられた。
 やがて、道具が手をいっぱいに伸ばし、お嬢様の足に触れようとした。下半身の力がない道具は、手を伸ばすと、身体は前へ行かない。手はいっぱいに伸ばされても、届かなかった。手を床へつけば身体は前へ出るのに、それさえ分からないようだった。道具の背中には青筋が浮かび、いっぱいに力を振り絞って伸ばした。その手が、ようやく、お嬢様の身体へ触れようとした。
 その、震える指先が、いっぱいに絞られてお嬢様の小ぶりな爪先へ触れようとする瞬間、私は思わずそちらを注視し、髪を梳く指が止まった。
 お嬢様の足が、その手を蹴った。
 その残酷さ、お嬢様の冷たさ。道具の指は私の指と同じように止まり、お嬢様はその二つの指の間を擦り抜けて、床に立った。お嬢様は肌着を身につけると、さっさと部屋を後にした。

 私と道具は同じものだ。私も道具も、同じ親愛をお嬢様に見ている。
 だからこそ、道具への振る舞いが私には残酷なことと思われた。あのようにすげなく扱われることを。そして、それを許すも許さないもないことを。
 あれは道具への戒めでもあれば、私への戒めでもあった。そのことに、私はお嬢様が立ち去られた後で気付いた。
 私は私自身へ温情を願うことも許されなければ、道具へと同情を示すことも許されない。
 私は自由な存在であるはずだ。館を出ることも。けれど今日も明日も、私は道具の部屋を掃除し、食事を与え、排泄の手伝いをする。……どうしてか? そのように扱われることを許容しているからだ。
 以前、人間と暮らしてきたことには、事情があった。人間は友人ばかりではなく、時には敵となり、支配者となることもあった。私もまた、道具と同じく、道具として扱われたこともあった。それを考えれば、館での暮らしは、まだしも人間的になる。
 ここは安定しているし、ここを出たとて、天国はない。どこにも天国などないと知っているのだ。私もそうだけど、全てのものは、常に何者かの隷属に置かれていなければならないのだ。
 お嬢様。冷たい目をした幼き美貌の人。支配者に美しい人を選んで、悪い法もない。美しさには常に尊さが伴う。美しき者は、何をしたとて許されるものなのだ。美とは絶対的な象徴なのだ。本能的な感覚が、それを許すのだ。
 自然と人の間、いくつかのところを渡り歩いた私が辿り着いたのは、ここだった。ここが終の住まいとなるかは分からないが、私はここにいて、ここを離れたくないと思っている。


 扉の開く音がした。お嬢様がここを訪れる報せは届いていない。メイドの誰かが、間違えて開いたのか、と私は思い、振り向いた。凍えた風が吹き、私の血は凍り付いた。
 妹様がいた。機嫌を損ねれば死は免れない。妹様はきょろきょろ見回し、私を見た。

「あれ? 見たことない部屋だ。ここは何?」
「こ、ここは、道具の部屋です。妹様」
「道具?」

 ここには誰も入れてはならないと命令されている。けれど、妹様を私が留められるはずもない。妹様は部屋へ入ってきて、辺りを見回した。

「あれ。変わった生き物だね、これは何?」
「ど……道具です、妹様」

 妹様は道具を見つけて、道具を突つきはじめた。ああ、壊してしまいませんように。私は背中に隠した鈴を、小さく振って鳴らした。非常用の呼び鈴、メイド長に持たせてもらったもの。たちまちのうちに、メイド長が現れて、妹様の背中に立った。

「妹様。こちらはお嬢様の大切なお道具の室でございます。触れられませんよう。それよりも、咲夜と遊びましょう」
「やだ。この道具は何? お姉さまは、何に使っているの」
「それはお嬢様に直接聞かれませ。さ、妹様。美味しいおやつを用意しますよ。お嬢様にそのことを聞きに行くのも、良いかも知れませんね」
「ふぅん。これで、遊んじゃ、いけないってわけ。じゃあ、聞いてあげる。でも、お姉さまには、答えてもらうからね」

 妹様は腹いせに、メイド長の腹部を強く叩いた。けれど、加減している。吹き飛びはしない程度の力具合。妹様も、メイド長はお嬢様の大切な道具の一つで、壊したら怒られるということを知っているようだ。だけど、平気でいられるはずはない。
 妹様は部屋を出て行き、メイド長は私をぎろりと一睨みして、部屋を後にした。妹様は天災のようなものだ。どうか、お嬢様がそのことを加味して、罰をお与えになりませんように、と祈った。
 幸い、罰も叱責も何も、私のところに来ることはなかった。

 やがて、妹様が道具を使うようになったということが漏れ聞こえてきた。お嬢様の道具ではなく、メイド長に命じて取って来させた、妹様の道具だという。
 妹様は取ってきた道具をすぐさま遊び倒して、壊して使えなくしてしまわれる。動くから面白いのに、動かなくなっては人形と一緒だ。妹様はそれが気に入らず、次々と新しい道具を取って来させた。

「フラン、あなたは良い主人にはなれないわね」
「どういうこと!」
「道具を使い壊していては、良くないわ。大人は、道具はきちんと綺麗に使って、一つのものを大切にするものよ」

 お嬢様と妹様の間で、そういう会話もあったそうで、けれど、妹様は改めることもなかった。

 そういったことがあった上でのことだったから、妹様がお嬢様の道具を使われる、という連絡が来た時には、私は緊張したものだ。お嬢様が付き添われるということで、私は普段通りのままにすれば良いと言われても、緊張することに代わりはない。妹様がちょっと不満を持てば、私はそのまま死んでしまう。恐ろしいことだった。
 お嬢様が妹様を連れられて、道具の部屋へと来られた。

「いいこと。私がしていいということのほかは、してはいけないのよ」
「分かったってばあ。お姉さま、この道具はどう使うの?」
「私がいつもしているようにさせてあげるから。勝手はしないのよ」

 道具の用意は済んでいる。お嬢様は妹様の上着も下着も全部、脱がせて、私にお渡しになり、妹様を椅子の上へ上げさせた。

「これでどうするの? お姉さま」
「あとは道具の好きにさせれば良いわ。きちんとできなかったら、叱ってあげるから」
「ふぅん……」
「あ、だめ。髪の毛を掴んで引っ張ったら。そうやって遊ぶものじゃないのよ」

 やがてお嬢様がするように、妹様は道具の口へ股を突っ込んで、道具の舌が妹様に触れたようだった。妹様は「んぅ」と声を漏らして、身体を震わせた。

「なんか変だよ、何もしちゃだめなのぉ」
「そうよ、フラン。身体を任せなさい。したいようにさせたら良いの」

 道具は、上に乗っている者が変わっても、その奉仕ぶりに変わりはないようだった。道具には、お嬢様と妹様の区別すらつかないのかもしれない。けれど、誰が乗っていようと、同じことだ。道具は、上に誰が乗るか、選ぶ権利はない。当たり前のことだ。道具は、使われるまま、使われているものだから。
 やがて妹様は気分に乗り始め、お嬢様に文句を言った。

「お姉さま、近くにいないでよ。あ……集中、できないでしょう」
「分かったわ。フランの好きにして。でも、壊しちゃいけないからね。首を折ったり、爪を立てたりしては、だめよ」

 そう、お嬢様は言って、私のところへとお下がりになった。私はお嬢様と二人並んで、道具が、妹様をお慰めになるのを、見ていた。緊張もあるし、不思議な気分だった。

「でも、時には良いものね。道具が奉仕している姿を見るのも。面白いわ。股の間を覗き込めたなら、道具の必死な顔も見れて、もっと楽しかったでしょうけれど」

 私は答えるのを躊躇った。ひとりごとかもしれないし、失礼を言ってはと、思ったのだ。お嬢様は私を見て言った。

「ああ、私もしたくなったわ。ねえ、あなた。フランを帰したら、また来るから。用意をしておいてちょうだい。ね?」

 はい、と私は答えた。それが精一杯だった。妹様は身体を揺すり、道具に興じるのに夢中でおられた。妹様も、道具の使い方を覚えられたようだった。
 妹様が満足するのを見て、私とお嬢様は歩み寄り、妹様に椅子から降りていただいて、用意をし、部屋から下がられた。そして、お嬢様は私に命じた通りに、再び部屋へと訪れ、満足ゆくまで、道具をお使いになった。常よりも不思議と、お嬢様は楽しげにしておられた。

 妹様はお嬢様を見習って、自分の道具を大切にされた。お嬢様は、道具をすぐに壊すならば、もう取ってきてはいけない、とお命じになったそうだ。そのこともあるのだろうけど、乱暴にして壊すよりも、その方が楽しい、とお思いになったことだろう。
 それでも、妹様は乱暴なお方で、時には興が乗りすぎて壊してしまうこともあるという。けれど、それも、数年に一度という程度で、道具を新しく調達するのに問題はないそうである。


 幸いにも数十年の時を、つつがなく、私は館で過ごすことができた。妖精の入れ替わりは激しい。弾幕勝負の流れ弾で撃たれて消える妖精は、また蘇って館で働く者もあれば、それっきりの者もいる。単に放り出された者もいれば、妹様の手にかかって殺される者もいる。妖精は死に怯えないが、一度死んだところへは、不思議と忌避する気持ちが働くもののようだった。
 私がここで安寧に暮らしていられるのは、この道具のためかもしれない。道具も年老いたが、元より力仕事などではない。老いのために、その機能が失われるということはなかった。
 何の気まぐれか……お嬢様は、道具と食事を共にすると言い出した。

「あの道具にもたまにはおいしいものを食べさせてあげましょう。そうすれば、もっと働くかも」
「でも、お嬢様。道具にはきちんとしたものを食べさせてあります」
「いいのよ。もっといいものを食べさせてあげて。それと、道具がどのように食事をするのか、興味があるわ。一度見ておきたいの」

 そういうことで、いつもとは違い、道具の部屋にサービスワゴンは走り、銀皿に乗った料理が饗された。お嬢様はテーブルにつき、道具はいつものとおり床の上。お嬢様が見ている前で、道具は手掴みで料理を貪った。その料理が上等か下等かなどは、考えもしていない。

「荒々しいものね。スプーンは使わないの?」
「道具は……スプーンを持てません。それだけの力がないので、手か、顔を突っ込んで……」
「これにとっては、食事は味わうものではなくて、お腹に入れるものなのね。一口ずつ食べたら、少しは美味しく感じるのじゃないかしら。ね、あなた。次の料理が来るまでに道具をテーブルにつかせて」
「はい。お嬢様」

 お嬢様も、自らの料理に手をつけた。作法通りの手順で食事をお進めになる。道具の前で無様な姿を見せるわけにはいかないのだろう。威儀を見せることも、主人たる作法なのだ。
 道具が、自分の料理を平らげた。私は道具の手を拭き、椅子に座らせて、腰を椅子へ結びつけた。道具はお嬢様と向き合って、困惑しているように見えた。お嬢様は道具をじっと見つめられた。アルカイックスマイルに似た微笑み。
 道具はスプーンを使えない。私は道具の脇に立ち、道具のためにスプーンを運んだ。道具は目の前に差し出された食事に大きく口を開け、口の中へ入れられるがまま咀嚼して、飲み込んだ。お嬢様の言いつけ通り、私は急がず、ゆっくりと一口ずつを進めた。
 お嬢様は道具の様子をじっと見られていた。お嬢様は道具を眺めながら、食事を続けられた。作法は守っておられても、明らかに道具の仕草を座興として食事をしていた。
 道具は楽しんでいただろうか。何も、分からなかったに違いない。食事は食事でしかない。
 それっきり、お嬢様は道具と食事をしたいとは言わなかった。お嬢様が道具に与えた温情は、一度きりの温情となった。


 お嬢様が新しい道具を仕入れられた。お嬢様が自ら求めたのではなく、道具と同じように、たまたま拾われた男を道具に仕立てたのだろう。
 お嬢様は道具の元へは来られなくなった。それは、新しい道具のためではなく、老境に入った道具のためであった。道具は伏せる日が多くなり、一日じゅう寝ている日もあった。元々下半身が悪かったため、這いずって動くことには変わりがなかった。
 お嬢様はお嬢様なりに、道具を労られていたところがあったようだ。長年働かせてきた道具を、起こさせてまで働かせる気持ちはなかったようだ。新しく道具も手に入ったことで、そちらを使われるようになっただけのことだ。
 道具は、時折、お嬢様の使う椅子に触れるようになった。椅子の脚を、愛おしい者を抱き締めるように抱いて、そのまま微睡んで眠っている姿を見かけるようになった。お嬢様からの連絡は来ない。

 道具が脱走を図ったのは、そういった背景があった。明らかにお嬢様に会いに行こうとしたのだ。床を這う道具の手が、ドアノブに届くはずはない。おそらく、身体を扉に預け、全力で手を上に伸ばして、ドアノブを掴んだのだ。
 道具が扉を開けた瞬間に、扉に預けていた身体が外へと転がり出て、激しい音がした。私は慌てて捕まえて、部屋の中に引き戻した。道具は何事か呻いて、両手を伸ばし、扉の外へ出ようとした。許されるはずがない。私は、私に与えられた命令のため、私の道具としての責務のために、道具を部屋へと引き戻した。

 私は、メイド長へ事情を説明せねばならなくなった。

「道具はお嬢様に会いたがって、ああしたのです。道具はけして逃げだそうとした訳では」
「壊れた道具は、処分しなくてはいけません」
「お願いです。お嬢様へ伝えて下さい」
「話は分かりました。あなたにも謹慎を与えます。しばらく、仕事は別のメイドに任せます」

 道具は許された自由からはみ出した。だが、それはいけないことだろうか。お嬢様を求めて、一途な愛情を示した道具が処分されなくてはならないのか。
 道具は何のために生きてきたのか。のんきに眠っている道具は、これから待ち受ける運命を分かっているのだろうか?
 道具をそのまま自然に死なせてやりたかった。お嬢様に温情があるのならば、それだけを許してやりたかった。
 私は謹慎の身だ。メイドたちの共用の部屋を抜け出せば、私は咎めを受ける。今以上の。私は妖精だから、一度の死などはどうにもならない。何事もなかったようにそこらに生えてくるだろう。だけど、新しく生まれる私は、私ではない。経験によって、死を恐れない、妖精らしい私だ。人間らしい私、死に怯える私はいなくなる。
 私は私を失うことが怖い。
 お嬢様へ伝えるべきだ、と思いながら、私は怯えたまま日を送った。

「あなた。あなた、起きなさい。謹慎中だからと言って、いつまでも寝ていてはいけないわ。いつ呼ばれても働けるようにしておかないと」
「お嬢様。こんなところへ」

 お嬢様が私の寝床を訪れていた。

「咲夜から話は聞いたわ。どういったわけであれが脱走を起こしたか、詳しいところが知りたいと思って。あなた、話してくれる?」
「お嬢様、どうか聞いて下さい。あれはお嬢様に会いに行くためにそうしたんです。お嬢様に捨てられたと思って……」
「捨てられた? 異な事を。ああ、そういう風に思ったのね。人間の考えは分からないもの……」

 くす、くすくす、と、お嬢様は笑った。不気味な笑みだった。私は道具が殺されると思って、怯えた。

「お嬢様、どうか」
「元気なことは良いことだわ。あれが、まだまだ、自分を使ってほしいというのも分かったし」
「ああ。では、お嬢様」
「でも、外へ出ることは禁じられているし、それを破ったのは確かなこと。それなら、道具を修理してあげなくてはいけないわね。そうでなければ、長く使うことはできないものね」

 くすくす、くす、と、お嬢様は笑った。あれは加虐的な笑みではない。純粋な喜びのためなのだと私には思えた。

 私は仕事へ戻された。道具はお嬢様に連れられて地下へ行き、数日後に戻ってきた。身体に傷をいくつもつけて。そして、また元の通り、お嬢様は足繁く道具の元を訪れ、使われるようになった。道具は二度と、自分から出て行くようなことはしなくなった。
 道具が躾を受けて怯えたためではなく、お嬢様が道具の意志を知り、道具もまた、お嬢様の愛を受けるようになったからだろう。
 お嬢様は道具を愛しておられるのだ、と思った。それは所謂人から人への愛情ではなく、物を愛用するのと同じだけど、愛には変わりがない。もしも、お嬢様が道具を愛していないのならば、メイド長が言ったように処分するか、仕置きをするにしても、他人の手にお任せになっていたはずだ。お嬢様は自ら道具をお連れになり、自ら仕置きをなされた。地下へと行き、道具との濃密な数日間を過ごされた。
 お嬢様は道具を見てお楽しみになられた。仕置きでさえ、お楽しみにされてしまった。道具にとっては、お嬢様に愉しんで頂くということが、存在の全てなのだ。

 私は、後で、気になっていたことをメイド長に聞いた。

「メイド長、どうしてあのことをお嬢様に伝えてくれたのですか」
「道具一つのこととは言え、私には判断できません。処分するにしても、私にお任せになるか、それともお嬢様ご自身の手で楽しむために殺すかは、お嬢様の意志です」
「そうですか。でも、ありがとうございます」

 メイド長は話は不機嫌そうに、足を踏み鳴らして行ってしまった。メイド長は本当に怖い方だ。メイド達は皆、メイド長が仕置きを好む加虐的な人であり、余裕のある時は、地下室に男を連れ込んで苛んでいることを知っている。


 ある時のこと、いつものように使われている道具が、お嬢様の足の間から顔を上げて、お嬢様に何事か囁いた。お嬢様は叱りもせず、戯れに顔をお寄せになって聞かれた。

「なぁに?この道具は喋るのね。面白いこと」
 ぼそぼそと、道具はお嬢様に囁いたようだけど、私には聞こえなかった。
「うふふ。可愛らしいことを言うのね。可愛らしいこと」

 お嬢様はくすくすお笑いになって、同じように、道具に愛撫をさせた。道具が何を囁いたのか分からないけれど、それから何か関係が変わるということもなかった。


 そして道具は、やがて、お嬢様の股の下で死んだ。道具は死期を迎えても、お嬢様をお慰めになることを止めず、また、命じられても嫌がるようなことはなかった。
 道具がいつものように、お嬢様をお慰めになった後、極度の興奮のために死んでしまった。お嬢様は道具が身動きをしなくなっても、そのままにしておられた。道具の頭を愛おしげに、撫でられて、やがて道具から降りて、私に一言、「壊れちゃった。捨てておいて」とお命じになった。




 道具は焼かれ、灰は、土の中に埋められた。お嬢様は道具が死んだあと、新しい道具のあるときはそれを使い、無いときは別の物で自らをお慰めになられた。
 そして、それきり、道具のことは、誰もが忘れ去った。道具の部屋は片付けられ、また元の空き室へと戻った。私は道具つきの任を解かれ、別の仕事へと移った。

 長いこと働いたが、幸い、私は死を迎えていない。死を怯えるのは、死を知らないからだ。自己を知り、自分を失うことを恐れるからだ。
 私は道具に過ぎない。館で働く道具だ。他の妖精たちと同じように、自己を失いつつ平然とはしていられないけれど、それでも道具だ。自己を持って働くのも、自己を持たず奴隷然として道具をするのも、おそらく同じことだ。だけど、私は自己を持っている。それだけが私の反逆だ。この館だけではなく、どこで生きていようと、それはきっと同じことだ。
 あの道具は自己を持たなかった。だから、おそらく、あれは最も道具らしい道具であったのだ。
 この作品を書いている途中、映画スター・ウォーズのキャラクタ-、R2D2の中の人が亡くなられたというニュースがあり、あれって中に人が入ってたんだと驚きました。今なら機械に複雑な動きをさせられても、大昔にそんな機材があるわけもなく、そういうことかと思いました。
 中の人は大人でありながら小人症という奇病で、逆にそれを活かして小さな機械として演じていたそうで、普通なら障害になることを逆にしていて、なんか、いいことだなと思いました。こういう風に適所にあてはまれれば良いのだろうけど、世の中なかなか簡単じゃないなあと思いました。興味のある人はケニー・ベイカーで検索してみてください。

 今回扱った内容は微妙に繊細な部分はありますが、あんまりそういったことを深く考えて書いたものではありません。単に、吸血鬼、及び女主人という属性を持つレミリアに、人間を道具として扱わせたかったので書きました。
RingGing
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
生きてる限りなにかに隷属しなければならないって部分がとても実感で、語り部である妖精メイドの人間臭さがより強調された瞬間でした。
妖精としてよりも道具としての自覚が強い印象がある彼女視点からみるレミリアは、書籍や原作とも違う絶対者な顔がひたすら前面にだされていてとても新鮮でした。けれど気ままで少し子供臭い態度がにじみ出ているあたりに愛を感じました。館で働いている妖精たちからすれば多少の違いはあれど、レミリアはこのように映っているのかもしれないなと思わされる良作でした。
とても面白かったです。
一カ所だけ誤字がありました↓
長く伸びた髪は一度も現れていないかのように垢まみれで→洗われていないかのように垢まみれで