真・東方夜伽話

早苗の芝は青い

2015/07/18 22:07:44
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早苗の芝は青い

喚く狂人

うだつのあがらない中年男、趣味は痴漢。ある日、大人しそうだからと手を出した少女は、とんでもない淫乱だった。
早苗というその少女は、男を通報するどころか、むしろ誘ってみせる。自ら行為をねだる少女を前に、中年の理性がもつはずもなく――。

 少年時代、満員電車に乗る奴は頭がおかしいと本気で思っていた。あんなぎゅうぎゅう詰めになっている中に放り込まれるなど絶対に不快だと。
 成人してずいぶん経ち、腹のたるみと頭髪の薄さとが気になり始めた今でも、その認識は概ね変わっていない。人混みが不快なのは、普遍の真理なのだろう。だが一方で、半端に空いているよりましだと思うようにもなっていた。運次第で、よい思いができるからだ。
 今日のエモノは大当たりだった。小柄な娘だ。まとった制服とぶら下げた鞄が、近くの学生であることを示している。鞄には東風谷早苗と刺繍がされている。名前なのだろう。
 彼の左手は、早苗のスカートの内側へと潜り込んでいた。尻を、年齢相応なデザインの下着越しに、掌で撫で回していた。柔らかで弾力ある瑞々しい感触が伝わってくる。
 ――おっと! 
 車両が駅に停まった。周囲に気取られないよう、さりげなく手を引っこめた。扉が開き、人の流れが生じる。逃げられるかと思ったが、早苗は降車せず、人混みに紛れて移動することもなかった。彼は理由を知っている。大事な身体を誰ともわからぬ輩に触れられて、怯え、足が竦んでいるのだ。だが、そういう反応はこちらの思う壺だ。触ってくださいと言っているようなものではないか。
 早苗の後ろ姿からは、内気そうな印象を受ける。こういう娘は逃げない。いいカモだ。怯えて身を竦ませる少女に追い打ちをかけるように、首筋に顔を近づけ、若い香りを嗅ぐ。シャンプーのフローラルな香りが鼻孔をくすぐった。カエルとヘビの髪飾りは、アニメのキャラものだろうか。
 車両が動き出し、周囲が落ち着いたのを見計らって、再びスカートの内へ手を忍ばせた。プロのスリのように何気なくやる器用さなどないが、それでも周囲はまるで気づかない。生まれつきの陰の薄さが、人生も四十台半ばになってようやく味方している。
 魅力的なカーブに沿って、手を這わせていく。思うがままに手を動かし、年頃の娘の、風俗でいくら積んでも絶対に触れないだろうぴちぴちした張りのある肌を存分に堪能する。
 ズボンの中で、一物がはち切れそうなほどに膨らんでいた。鼻息が荒くなるのをさっきからこらえている。間違っても、目立ってはいけない。幸い、こんな中肉中背の中年男にわざわざ目を向けたがる輩も、そうはいなかった。
 それにしても、奇跡のような尻だ。尻というのは、余分な肉があっても足りなくても、すぐ台無しになる。そのうえ乳房以上に形崩れしやすく、実に難しい部位なのだ。しかし、目の前のこれは、そんなことは知らんといわんばかりに完璧な形を保っていた。年相応の魅力あふれる曲線、華奢な身体つきの割にむっちりとした、弾力を備えた肉付き。好みにぴったり一致していた。いや、こんな可愛らしく綺麗な尻を好まない男など居るまい。
 彼女は何もしない。可哀想に、怯えているのだろう。思う壺だ。すん、すんと、彼女にだけ聞こえるよう音をたて、もう一度うなじの香りを楽しんだ。
 若い娘の髪の香りというのは、まったくたまらない。今すぐチャックを下ろし、モノをこの娘の太腿に押し付けてみたい。先程から、そんな強烈な欲求にかられる。彼は小心者であるが、一方で強欲であり、かつ身の程知らずだった。下着という布越しでは、次第に満足がいかなくなってきた。なんでもいいから直に触れたい。そのような欲望が、鎌首をもたげていた。
 それを実際に実行するには、たいへんな決心を要する。今まで痴漢を働くにあたっては、どんな気の弱そうなカモ相手だろうと、せいぜい下着越しに触れるだけにとどめていた。小心者たるゆえんだ。だが、もう我慢ならなかった。多少のリスクを犯してでも、触る。
 深呼吸し、注意深く周囲に視線をやる。金曜ともなると、皆疲れを漂わせている。少しでも睡眠時間を稼いでみたり、携帯ゲームに熱をあげたりして、周りなど気にかけない。これはいける。ノミの心臓を破裂しそうにさせながらも、彼は自らのリビドーに従った。彼女を守る小賢しい布のさらに内側に、手を滑りこませる。
「おっほ……」
 慌てて口を閉じる。幸い、運良く電車の音に紛れ、誰にも聞こえなかったようだ。迂闊だが、無理もない。別れた嫁の垂れた尻か、風俗嬢の手垢にまみれた尻しか知らない彼にとっては、現役の女子高生のぴちぴちの桃尻は、それくらい価値のあるものだったのだ。
 掌から、彼女の肌の温もりが伝わる。たまらない。下着が軽く締め付けて窮屈なのが、逆に良かった。曲線に沿って指を這わせていく。朝風呂でも浴びてきたのか、彼女の肌はややしっとりしており、指先に吸い付くほどの潤いがあった。採れたての林檎を思わせるほどすべすべとしている。前嫁のボロボロだった肌とは大違いだ。
 女の肌とは、本来こういうものなのか――カルチャーショックすら感じていた。欲望の昂ぶるまま、現役女子高生の貴重な生尻を、噛みしめるように揉みしだいた。柔らかく、一方で弾力にあふれている。矛盾しているようではあるが、それが彼の正直な感想だった。感触といい、弾力といい、まるで男を誘うためにあるようだ。
 こんな大人しそうな見た目で、なんて娘だ。それとも、若い娘というのは皆このような尻をしているのだろうか。だとしたら、学校という場所はとんでもなくけしからん場所だ。やりたい盛りの男子どもは大変だろう。毎日が勃起との戦いであるに違いない。
 これはもっと触り、どれだけけしからん身体なのかを暴いてやらねばなるまい。周りに気づいた風はない。また、早苗にも動く気配はない。身体とそれ以外を隔てる壁の内側にまで侵入を許しているというのに。生唾を飲む。なんと好都合なことだ。
 ごめんよと、目の前の哀れな犠牲者に心中で謝罪する。こんな中年男に痴漢されるのはさぞ怖くて不快なことだろう。でも君が悪いんだ、こんなけしからん尻で満員電車に乗り込むなんておじさんのような男を誘惑しているようなものだ。痴漢されて当然、自業自得だし、逆におじさんは、悪い娘にたぶらかされた被害者だ。
 搗きたての餅を丸めるような手つきで、ゆっくり、崩れそうなジェンガからブロックを抜くような慎重さでもって、中身の詰まった丸肉を揉みしだく。なにせ女子高生の貴重な桃尻だ。これくらい丁寧に扱ってしかるべきだろう。
「んフーッ、フゥウ」
 そうだ、丁寧に扱うべきなのだ。自らに言い聞かせる。掌の内にあるものを思うがまま乱暴に弄びたいという欲が、ぐつぐつと湧き上がっていた。そんなことをすれば、いくらなんでもバレる。バレれば人生おしまいだ。だから駄目だと自らを説き伏せる。しかし、彼はそもそも自分に甘い、己を律することの苦手な人間だった。痴漢など働くくらいには。いけないという考えは次第に、まあ大丈夫だろうという都合の良い楽観に変わっていく。
 大体、こんなけしからんケツをしていることがまずいかん。人生の先輩として、大人をからかっているとどんな目にあうか、教えてやらねばなるまい――訳のわからない理屈を並べて、自分を納得させていく。そういう使命を負ったのだから、仕方がないのだと。
「くんっ」
 ムニリと、アンパンを握り潰すように、左尻を揉み潰す。無反応だった早苗が、初めて反応した。電車の音に掻き消されるほどか細い吐息だったが、彼は聞き逃さなかった。
 なんだその反応は、おじさんを誘惑しているのか! 制服を着て学問に勤しみ、放課後はカフェで学友とお茶するような身分のくせに、一丁前にそんな反応で誘ってくるなど、小学生が化粧をしたり髪を染めたりするようなものだ。マセおってからに! 
 女体を好きにし、リアクションを引き出した感動などに溺れている場合ではなかった。激昂に近い興奮にくらくらとしつつも、彼は決意を新たにする。ケツを揉まれて生意気にも感じている助平な娘に、そんなことをしたらどうなるか思い知らせてやる――下の口に。
 親指と中指とで尻たぶを割り開く。何をされるか察したか、早苗はまたも小さく震えた。だが、男という狼の前でそんな子羊のような反応を見せるなど、逆効果でしかない。実際彼は、その震えに焚き付けられた。開かれた僅かな隙間へ、人差し指を差し込んでいく。目指す場所は一つ、男なら皆興味をもつ秘めやかな部分、汚れを知らぬ無垢な裂け目だ。
「んっ?」
 不意に、その動きが遮られた。見れば、腕を掴まれていた――早苗がこちらを見ていた。
 息を呑む。マズイ逃げなくては。だが、手を引こうにも、彼女は腕を離そうとしない。かといって下手に振り払えば、周りにばれてしまう。それも駄目だ! 
「人生、終わらせたくないですよね?」
「え、えっ?」
 彼女はこちらへ身体を寄せ、吐息で耳元へ囁きかけた。言われたことの意味を測りかね――これだけ動揺しては、何を言われても理解できなかったろう――問い返す。
「もし私が騒いだら、あなた、痴漢で捕まりますよ。そしたら、人生おしまいですよね。そうなりたいですか? 他の犯罪者に囲まれて、塀の中で過ごしたくはないでしょ?」
 血の気が引くとはこのことだ。心臓が凄まじい速度で打ち始め、呼吸は浅くなる。膝が震え始めた。逮捕という言葉が脳裏をよぎり、涙が出そうになる。貯金もろくになければ、キャリアがあるわけでもないのに、犯罪歴がつく? どうしたって生きていけるまい。
 ぶるぶると、首を横に振る。そうでしょうね、と返ってきた。
「じゃあ、次の駅で降りるから、黙ってついてきてくださいね」
「え、し、仕事が」
 この電車は始業時刻にギリギリ間に合う一本で、途中下車すれば間違いなく遅刻する。ただでさえ今の上司――年下だ――には嫌われていて、評価を随分と下げられているのに。だが、早苗は有無を言わさなかった。もう一度、「人生、終わらせたくないですよね」と囁いてきた。がくがくと頷いた。それ以外に道もない。ばれてしまった以上、自分はもう犯罪者だ。両手に縄がかかるかは、彼女が通報するかどうかにかかっているのだ。
 車両が速度を緩める。彼女は手を放す。三角形の布切れの内から、彼は手を引き抜いた。先ほどまでの幸福感は、綺麗さっぱり失せていた。少し前の自分を殴りたくて仕方ない。いつものように下着の上から触るだけにとどめておけば、こんなことにはならずに済んだ。
 電車が停まる。扉が開く。彼女はこちらを省みもせず、人の流れに従って降りていく。逡巡した。このまま発車するまで動かなければ案外逃げられるのでは? 
 甘い考えだった。見透かしているぞと言わんばかりに、早苗はこちらを振り向く。心臓ごと鷲掴みにされたように感じ、閉まりかけの扉から弾かれたように飛び出した。車内に残ったサラリーマン達から非難の目を背中に浴びせられ、はたと気づく。出る必要は全くなかった。頑なに降りない方が賢かった。これでは、半端に心証を悪くしただけだ。
 振り返った。時既に遅しで、電車は既に動き始めていた。いっそ、走って逃げようか。いや、どっちにしろあの娘が騒げばお終いだ。駅員に追い回されるようなことになったら、逃げ切る自信はない。大人しくついていくしかないのだ。
 少女が平然と、すたすたと歩いているのに対して、彼は買って三日ほど経ったもやしのように萎れていた。元々見苦しい男がそのようにしおしおになって歩いているため、すれ違う人々は虫を見るような目でこちらを見てくる。犯罪者である己を蔑む視線に思えた。
 それほど呆然としていたために、どこに連れていかれているかなど、全く頭になかった。扉の閉まる音で、ようやく我に返った。目の前に早苗が立っている。その後ろには、よくある洋式便器が置かれている。どこだろう――ああ、ホームのトイレの個室だ。
 彼女はこちらをじっと見つめていた。素朴ながらも可愛らしい顔からは、どんな感情もうかがえない。何故こんなところに連れ込んだのか分からないが、怒っているのは間違いあるまい。嫁入り前の大事な身体をべたべたと触られて、怒らないはずがない。
 無言に耐えかね、後ずさる。背が扉にぶつかる。鍵がかかっている。公衆便所の鍵など、ちょっとスライドさせれば簡単に外せるはずだが、逃げられないという印象を強く受けた。
「あなた、痴漢、ですよね」
 この痴漢め、卑劣漢め、死ね――くらいのことを矢継ぎ早に喚きたててくれた方がマシだった。だが、早苗は驚くほど無表情で、抑揚なく言う。返答に詰まった。確かに自分は痴漢だ。しかし、頷くのは躊躇われる。どのように答えれば少しでも彼女の機嫌を損ねず、あわよくば通報されることなく切り抜けられるだろう? 少なくとも、そのまま肯定するのが正解だとは思えなかった。
「痴漢ですよね」
「それは、そのぅ」
 二十は下だろう小娘相手に、しどろもどろになっていた。どう言い訳する? 満員電車だったから手が当たった? いや、スカート越しに触るくらいならまだしも、下着の内に手を突っ込んでおいてその言い草は、いくらなんでも無理がある。もうちょっと、説得力のある言い訳は――そんな機転を利かせられるなら、女房に逃げられてなどいないう。
「電車の中で人の身体をべたべた触って、こっちが抵抗しなかったら、直接触ったりして。これが痴漢以外の何だっていうんですか? 言い訳は聞きませんよ?」
「す、すみませんでした。仕事に行かなくちゃ、警察は勘弁して下さい、ごめんなさい」
「仕事? 人にこんなことしておいて、仕事ですって? 無責任すぎません?」
「ごめんなさい! すみません、許してください、勘弁して下さい、もうしません」
 声に批難の色が入ったのを感じ、慌ててへこへこと頭を下げた。何言ってるんだバカと自らを責めるが、一度口を出たものは引っ込められない。思えば仕事でも、しょっちゅう舌禍を招いている。そのせいで、四十も半ばになって、未だ肩書の一つもついていない。
「信じがたい人です。人をこんな風にしておいて……ほら顔を上げて、見て下さいよ」
「すみません、すみません、すみませんんんッ……えっ、は?」
 言われた通りに顔を上げる。場違いな、素っ頓狂な声があがった。幻覚かなと、疑わずにはいられなかった。
 少女はそこに立っていた。灰を基調としたタータンチェックのプリーツスカートの裾を指先で摘み、持ち上げながら。照り映えるような白い太腿と、楽園をつつましく覆い隠す淡い色の布地が、彼の視界に映っている。布の一部は、色を濃くしていた。ぐっしょりと湿っている。何故? まさか、お漏らししたわけではあるまい。――いや、何故といえば、それ以前にだ。
 何故彼女は、こんな姿を自分に見せているのだ? 
「痴漢に遭うだなんて、久々です。そうでなくても近頃はご無沙汰でしたし……おかげで、身体が出来上がっちゃって、下着が台無しですよ、もう」
「え? あ、は、はあ」
「大体なんです? 女のコに対して、あんなねちっこくていやらしい触り方。あんな風に触られたら、女のコはだれだって、発情、しちゃうに決まってるじゃないですか?」
「え、あ、うん?」
「こんなじゃ、授業なんてマトモに受けてられません。責任、とってもらいますからね」
「あ、あのォ、その、話がさっぱり、何がなんだか」
 彼は混乱した。彼女の言葉が、宇宙語のように思えた。分かる範囲で考えるに、恐らく自分の希望的観測による勘違いではあろうが、怒っていないように思える。もしかして、もしかしたら、通報を免れるのでは? 
 どうかそうであってくれと思いつつ、尋ねる。
「つ、通報、しないのかい?」
 質問すること自体が彼女の機嫌を損ねないことを祈りながら、恐る恐る尋ねた。早苗は考えるように、顎に片手を当てる。輝かしい太腿や魅惑の布地が、半分見えなくなった。人生の瀬戸際であるというのに、彼はわずかに落胆を覚えた。
「通報ですか。そういえば、今まで三人ほど、痴漢さんを警察に引き渡しましたねぇ」
 またしても自らを殴りたくなった。気が弱そうに見えるからとターゲットにしたのに、全くそんなことはなかった。人を見る目がなさすぎる。彼の、いくつもある欠点の一つだ。
「だってあの人たちったら、へたっぴだったり、上手なくせに最後までするのは拒否したり、無責任なんですもの。……あなたは、そんなこと、ないですよねぇ?」
 がくがくと頷いた。話は理解できていないが、彼女の機嫌を損ねれば警察行きになるのだけは分かる。よろしい、と早苗は頷いた。
「それでいいんですよ。その方があなたにとっても得なんですから、そうでしょ?」
 話がまるで見えなかったが、また頷いた。よく理解しないままに頷いて後で問題になるのは彼のお家芸であり、この歳になっても直っていなかった。
「うふふ。じゃあ早速、鎮めてもらいましょうか。正直もう、我慢できないしぃ……っ」
「え、あ、はっ?」
 幻覚を見ているのかと、再び疑った。無理もない。少女は制服の前を大きく捲っていた。磁器を思わせる白さと滑らかさを両立させた腹、くりっと可愛げに窪む臍。衣服の上からでもわかるほど豊かな乳房に、下着と同じ薄桃色をしたブラジャーが露わになった。
 一体何がどうなっているのかわからなかったが、それでも視線は、その魅力溢れる二つの丘に吸い寄せられる。男の哀しい性だが、とはいえこれを相手にしては仕方ないことだ。
 少女の双丘は、身体の華奢さと相反してたっぷりと豊かで、見るからに柔らかであった。一流のパティシエが腕によりをかけて作ったマシュマロですら足元にも及ばないだろうし、あれを思い切り揉みしだけるとなるなら、億単位の金を積む男だって居ておかしくはない。ブラに包まれ谷間がくっきりと強調されているのが、また凶悪だった。子供の頃は隙間があれば指を突っ込んでみたくなる馬鹿ガキだったが、あの頃に戻りそうだった。
「ウゥっ」
 痛みを感じ、腰を引いた。一物がズボンに抑えこまれていた。ここまで激しく勃起したのは久しぶりのことだ。嫁を抱いたときも、ソープに行ったときも、痴漢の最中ですら、これほど海綿体に血が集まったことはない。自分にまだこれほどの精力が残っていたかと、驚かずにはいられなかった。目の前の光景には、それくらいの視覚的威力があった。
「どうしたんですか? 早く、あなたがしたい限りのコト、してくださいよ、痴漢さん?」
「えっ、それってその」
「もう、察しの悪い人ですね。あなたがあんまりやらしく触るせいで、高ぶっちゃって、収まりがつかなくなっちゃったんですってば。ここなら、奇跡的に誰も来やしませんから……あなたの汚らしい欲望で、早く私のこと、めちゃくちゃにしてくださいよ。ね?」
 ――夢か? 
 そう思ってしまうほどには、何から何まで信じられないことだった。目の前の少女は、クラスで一番――いや、学年、いやいや学校で一番のマドンナ的存在のはずだ。異性など向こうから言い寄ってくるだろうし、自分のようなしょうもないおっさんなど、眼中にもないはずだ。それが、なんだって? めちゃくちゃにしてくれだって? まるで、狐か狸にでも化かされたような話じゃないか。
 頬をつねる。痛い。夢ではない。夢では、ないのだ。
「さ、どうぞ」
 促される。生唾を飲む。目の前の柔らかな肉鞠に、触れていいのだ。だが、本当にいいのだろうか? 彼は躊躇う。これが躊躇わずにいられるものか。こんな綺麗なものに触るなどと、ガラスケースに飾られた美術品に泥だらけの手でべたべたと触れるようなものだ。
「……ああもう、じれったい。こんな場所じゃ誰かにバレるかもとか、そんなつまらないこと考えてるんじゃないでしょうね? 大丈夫だって言ってるのに。シてくれなくちゃ、通報しちゃいますから、あなたに選択肢なんてないんです。ほらっ」
 ためらう間に、しびれを切らしたらしい。こちらの手を取り、己の胸に重ねてきた。
「おおおぉっ……」
 ブラ越しに触れただけだが、確かな体温と柔らかさが伝わる。震えるような弾力もだ。前嫁の垂れた乳とは全く違う。これはなんというか――おっぱいだ。そういう幸せな響きの言葉で呼ぶべきものだ。半ば強引に触らされたが、幸福感に包まれた。
 これが、これがおっぱいか。
「どうです? これが私の、自慢の胸です。……でもまだ満足してないですよねぇ?」
「えっ」
「直接、触りたくないです?」
 直接。その言葉に、生唾を飲み込んだ。動揺につけ込むように、早苗は言葉を重ねる。
「ぷるぷるした、とぉっても柔らかぁいおっぱいです。風俗なんかじゃ絶対見られない、天然ものですよ。先っちょは綺麗なピンク色。いま、ぴんってやらしく尖っちゃってます。見たいですよねぇ? あなたにはその権利が、そして義務があります」
 ごくんと、喉が鳴る。頭の中には、下着による束縛から解き放たれた、生まれたままの乳房のイメージがよぎっていた。彼の想像力では細かなところまでは思い描けなかったが、きっと素晴らしいものであろうことは間違いなかった。
 もはや、仕事などどうでも良くなっていた。どうせもう間に合わないしという言い訳も加わり、天秤はあっという間に、目先の欲求の側に傾いた。
 義務なんだからしょうがないんだ、そうだ。己に都合のいい言葉を、心中で垂れ流す。
「まあ、あなたが見たくないって言ったところで、聞いてなんてあげないんですけどね」
「お……おおおおッ」
 早苗は背中に手を回す。ふつっ、と、小さな硬い音がした。それがホックを外す音だということは、彼にもわかった。たわわな果実がその戒めを解かれ、真の姿を露わにする。
 感嘆の声は少しも大げさなものではなかった。この視覚的芸術を前にして、そのような反応を見せずにはいられる男など、この世のどこにいるものか。
 ブラという枷を失った途端、柔らかな肉は、今までどれだけ窮屈だったか訴えるように、ぷるん! と勢い良く弾んでみせた。スプーンの背でプリンのてっぺんを叩いたとき以上に幸せな震えをがあるなどと、彼は初めて知った。
 そして露わになった乳房は、彼が想像していたものなどはるかに凌駕していた。正直、いくら豊かであるとはいっても、多少はブラで寄せているのだろうと思っていた。だが、それは間違いだった。ブラはむしろサラシのように、たわわなる肉を抑えこんでいたのだ。
 そしてその形も、下着などない本来の姿の方がよっぽど美しかった。アダルトビデオのパッケージの加工に加工を重ねられた乳もまあ見た目は良いが、それでもこの天然ゆえの美しさにはかなうまい。なんら飾らず、不自然でなく、歳相応に素朴であるというのに、奇跡のように美しかった。
 それだけでも十分すぎるほどに魅力的だ。しかし、それだけでは終わらない。滑らかな曲線の先端は、白から桜、桃色へとグラデーションをなしている。彼女が口にした通り、ぴんと尖り、硬くしこっていた。嬲られるのを心待ちにしているかのようだ。
「どうですか? 現役女子高生の、生乳は」
「あ、あ、あああ」
 手が伸びていく。触れたいなどという大それた考え、彼は抱いてはいなかった。あまりにも恐れ多かったからだ。しかし、無意識――女の肉体を求める男の本性、美しいものを希求する人としての本性――が、それを求めずにはいられなかった。
 やがて、丸々とウインナーのように太った指が、ふっくらと柔らかな肉に触れる。
「おおおっ」
 涙がこぼれそうになった。感動の涙だ。彼の知る中で一番柔らかいものといえば、豚の角煮の脂身だとか、シャープペンのグリップだとかだった。たった今、記録は更新された。
 それでいて、そこは、自らの形を変えんとするものを押し返すことを忘れない。結局は脂肪の塊であるはずだというのに、脂身などとは比べ物にならない弾力で指を押し戻してくる。二つの要素が重なって得られる感触は、彼を夢中にさせるに十分すぎるものだった。
 もはや彼女が何か言う必要などなかった。その感触が雄弁に語り、彼を誘惑した。男として、逃れられるはずもなかった。指で触れるだけでは満足などできない。両の掌で双丘をそれぞれ包み込み、むにゅりむにゅりと揉みしだき始める。
 指が沈み込み、豊かな乳肉はビーズクッションのように自在に形を変えていく。一方でしっかりとした弾力で指を押し返してもくる。掌が幸せだった。一日中こうしていても、全く飽きないだろう。風俗嬢の乳など、これに比べたらスカスカのスポンジだ
「あ、はっ、ぁんっ」
 夢中になっているところに、彼女はある種容赦なく追撃をかける。わずかに開いた唇の隙間から、小さな声を零してみせたのだ。媚びたようでいて繕ったところのない声。身体を巡った感覚によって自然と出た声、嬌声だ。
 己の手が、早苗を――自分では本来、話しかけることすら許されないような高嶺の花を――棚から牡丹餅の形であるとはいえ、痴漢のような卑劣な手段でなく、許可を得て愛撫した上で、感じさせた。それは彼に、明確な変化をもたらした。端的にいって彼は、自信を得た。自分の愛撫で女が感じるということは、男にとっては何よりの承認なのだ。
 彼は、自信をつけると調子に乗るタイプだった。目を血走らせ、柔肉を手垢がつくほどの勢いで揉みしだきながら、まだ足りないと分不相応にも考える。足りるわけがなかった。これほどの肉体に合法的に触れる機会など、少ない月収をどれだけ崩しても得られるはずがないのだから。骨の髄までしゃぶり尽くさないでどうする――そう、しゃぶるのだ。
「んぢゅっ、ンぢゅるるる」
「はっ、あぁっ、はぁん……!」
 甲虫が木の蜜に引き寄せられるように、彼は顔面を魅惑の山に近づけていく。たらこのような太い唇を開き、ぴんと尖る魅力的な先端に吸い付いた。じゅるじゅると唾液の不快な音を立て、赤子のようにしゃぶり立てる。随分と醜悪な赤子もあったものだ。とはいえ、彼に自らの姿を気にする余裕などなかった。彼女の肌は、そして乳房は、うっすらと甘い、煮詰めたミルクのような味がした。それが少女の味なのだ。その味は、彼を虜にした。
 一方の早苗は、女の象徴とでもいうべき場所の一つを汚らしい中年の涎まみれにされていながら、まるで嫌がる様子を見せなかった。それどころかさらなる行為をねだるように、熱い吐息と切なげな声をあげてみせた。阿呆を釣る餌だ。彼はまんまと釣られた。彼女の思う壺だが、彼からしても、思う壺にはまった方が得なのだ。
 口中で、舌がタコの足のようにうねっている。さくらんぼのヘタを舌で蝶結びするのが、彼の数少ない特技の一つだった。本人と同様なんの役にも立たないと揶揄されてきたが、ここにきて役に立っていた。舌先でもって、それこそ小さなさくらんぼのような乳首を、転がして回す。その加減に応じて曖昧な声を漏らすものだから、さらに熱が入る。
「あっ、はぁ! んっ、ふぁん、くぅ」
 口は一つ。吸うだけでは片乳しか愛撫できない。痴漢を誘いなどするどうしようもなくけしからん娘には、それでは不十分だろう。片手を伸ばして、寂しげだった乳を相手してやる。早苗の声が、よりはっきりとしたものに変わっていく。彼はどんどん調子にのる。蛸のように吸い付いていた乳房の先端を、前歯でこりこりと甘く噛む。パン生地を捏ねるように揉みしだいていた側の乳首を、指先で摘みつつ軽く引っ張り、ピンッと弾く。
「あぁんっ、そんな、乳首っ、両方なんてぇ」
 彼の自信は、傲慢さの域に達しつつあった。ここまで彼女が感じているのは、もちろん本人の淫らさもあるだろうが、それ以上に自分が巧いからに違いない。なら、もっと色々しても許されるはずだ。気持ちよくしてほしいという欲求を満たしてやっているのだから。
「ぢゅぱッ」
「んあ……あれ? やめちゃうんですか?」
 吸い付いていた最高級のマシュマロから、名残惜しいが口を離す。散々吸いたてられたそこは、ほんのりと朱に染まっている。己の唾液でぬらぬらとぬめっている様を見ると、もう一度しゃぶりついて、今度は蕩けてなくなるまで舐め回したくなる。だが、堪えた。
 彼女の背後に回りこみ、身体を、とくに腰を密着させる。ふわりと、石鹸の香りが鼻をくすぐる。男の理性を削り、本能を掻き立てる香りだ。たまらなかった。
「あっん、今度はそっちから、ですかっ」
 左手で、再び乳房を愛撫していく。触れれば触れるほど、夢中になる柔肉だ。しかし、いつまでもここばかりに囚われていてもいけない。触るべき場所は他にもあるのだ。
「はっ、あぁ、そっちも、触ってくださるんですねっ」
 腰から、彼女の下腹へと右手を伸ばす。彼の意図するところを理解したらしく、早苗は自らスカートの裾を摘み上げ、脚をわずかに開いた。その隙間に、素早く手を忍ばせる。
「あぁ、んは」
 内腿を、つつ、と人差し指でなぞる。くすぐったさゆえか、開いていた脚がもじもじと擦り合わされようとする。彼の手がつっかえとなり妨げられる。脚の間、秘められるべき場所に、中指で下着越しに触れた。じっとりと湿っている。その下にある割れ目の存在が、布というフィルタを通してもはっきりと感じられた。
「あぁんっ、そこぉ……」
「おいおい、触りにくいじゃぁないか」
「あはっ、ン、だってぇ」
 裂け目に沿って指先を動かす。すりすりでなく、くち、くちと音がする。こちらの動きに合わせるように、早苗は腰をくねらせる。だって、という弁解の声は、さらなる行為をねだる媚びたものになっていた。
 まったく、本当にどうしようもなくいやらしい娘さんだ。お望みの通り、もっともっと辱めて、大人を誘惑するとどういうことをされてしまうのか、その身にしっかりと刻んでやらなくては。それが、オトコとしての義務というものだ。
「あっ、はぁ!」
 くにっと、人差し指と親指で、布の上からでも存在が分かるほどぷっくり膨らんでいる豆を軽くつまむ。くねっていた腰が、びくんと跳ねる。
「おやおや、ぐっちゃぐちゃじゃないか? これは汗かな?」
「アンッ、分かってるくせにぃ」
「んん? 分からんなぁ。こんなに汗が出るなんて病気かもしれないな、触診してあげよう」
 言いつつ、彼女が何かを言うより速く、下着の内へと手を滑り込ませた。
「おッほ」
 手の甲、掌ともに、じっとりとした感触を覚えた。下着があれだけ湿っていて、その内側が濡れていないはずはなかった。自分の行為が彼女を感じさせたという、何よりの証拠だ。
「なんだ、可愛い顔して随分毛深いじゃないか」
「あっ、その、それはその」
 掌に感じたふさふさとした感触のことをからかう。彼女の陰毛は、この歳にしてはなかなか生い茂っているようだった。そしてここもまた、じっとりと濡れそぼっていた。
 人差し指と中指を、彼女の唇にぴったり這わせる。そこは本物の口のように、涎をだらだら垂れ流していた。女子高生の、本物の陰唇だ。腹の底から、気色の悪い感動の声が漏れ出た。中学の頃に女子に聞かれ、それ以来口をきいてもらえなくなった声だった。
 しっかり、触診してやる――内側まで。指を、唇の内に潜り込ませていく。彼は目を見開く彼女の秘部の内側、みっちりした襞は、侵入者を奥へ奥へ引きこむように蠢いている。前嫁も、風俗で抱いた女も、これほどのモノはもっていなかった。こんな、果てしなくはしたない膣は。
 まさに名器、それも極上の名器だ。激情を覚えた。まだ学生のくせして、こんなマセた肉穴、なんという、なんという――言葉が見つからない。形にならなかった言葉は、代わりに行動となって具体化される。
「あはッ、あぁッ! やァッ、急に激しっ、あっくぅ……!」
 くちゃくちゃくちゃくちゃッと、生肉か何かを口を開けて咀嚼するような音が、個室の中に響く。ねじ込んだ二指を、水をかき分けるイルカの尾びれのように動かしているのだ。早苗は一際高い声をあげ、電気に打たれたように身体を震わせ、背を弓なりに反らす。そういう反応一つ一つが、彼の怒りとも喜びとも判じがたい感情を煽り立て、さらなる行動に掻き立てる。
「そっちもッ、なんてぇッ、あはッ、気持ちいいっ……!」
 彼女が震えれば、そのたわわな乳房もふるん! と揺れてみせる。彼はそれを、空いた左手で鷲掴みにした。やりたいように、ひたすら揉みしだき続ける。技術などない乱暴な手つきだ。それでも、彼女はたまらないといった声をあげてみせる。この娘は、一体、どこまで――。
「ぢゅるッ、んむふうぅ」
 早苗は、さながら沼のようだった。こちらが愛撫すれば、さらに愛撫したくなる反応を返す。行為はどんどんとエスカレートしていく。だがそれは、反応のみに限った話ではない。例えばうなじから漂う若い娘の香り。嗅げば嗅ぐほど、下半身を刺激される。彼はそこに、鼻息荒く吸い付いた。骨付きカルビの骨に残った欠片を削ぎ取るように、唇でもむもむと食んでいく。ほんのりと汗の味がした。他人の汗など不快なものだと思っていたが、違った。これは甘露だ。
「ちょ、っと、どこ舐めてるんですっ、かぁ」
 これは流石に想定外だったのか、抗議してくる。構いはしない。これはいわば仕置きなのだ。学生の度を越したいやらしさに対する、仕置き。仕置きをするのに、本人の意向を介在させる必要はない。彼は無視し、首筋から肩にかけて、所有の証でもつけるように、舌で唾液の跡を残していく。ねっとりとした、中年男の香り漂う唾液を。
 その間も、両手の運動は忘れなかった。片方は掻き回し、片方は揉みしだく。粗雑ながらもねっとりとした手つきだ。意図してのことではない。生来の性格がにじみ出ているのだ。
 二人の身体はぴったりと密着していた。早苗の身体は熱く、白い肌はほんのりと朱に染まりつつあった。興奮しているのだ。うっすらと汗ばみ始めているのが、またたまらない。
 むろん、興奮しているのは彼女だけではない。彼もまた、これ以上なく昂っていた。しかし彼の場合、それはもっと分かりやすい形で現れた。つまり、勃起という形で。
「ンンンンッ」
 彼は無意識の内に、それを早苗のすべすべした太腿に押し付けていた。勃起するということは、射精したいと身体が訴えているということだ。射精するには、一物への刺激が不可欠だ。両手が離せない――離したくない――状態で刺激を得るには、それくらいしか手段がなかった。
「あはっ、硬ぁい。これじゃ、あんっ! 辛いでしょ?」
「フーッ、フゥウーッ」
 豚じみた鼻息が返答だった。もはや辛抱ならないと、言葉以外の手段で伝えたのだ。
「いいですよぉ、私で、発散してくださって」
 彼女の片手が、自身のスカートから離れる。それは彼のズボンへと向かう。慣れた手つきで、チャックを外す。白魚を思わせる指が、ブリーフの社会の窓を開き、その内に仕舞い込まれていたモノに触れる。
「ッオ」
 それだけで彼は身体を跳ねさせた。腹肉がたぷんと揺れる。現役の女子高生の指が、一物に触れている――それ自体が辛抱たまらない事実だった。睾丸から上り詰めてくる感覚を、必死になって抑える。触られただけで射精するなどと、いくらなんでも男として情けなさすぎる。それに、勿体ない。早苗のような美少女が相手してくれるなどと、人生を何回やり直そうが、万札を何枚積もうが手に入らない、まさに奇跡のような機会だ。できることなら少しでも長く楽しみたかった。悪くいえば貧乏性だが、この状況で彼と同じ思考に至らない男はいるまい。
「凄いですねえ、ビクビクって脈打って……コレから、白くてねばねばしたのが、たぁっぷり射精してくれるんですよね? ふふ、楽しみ、んはっ!」
 そんな決意を揺るがそうとするかのように、早苗はこちらの耳に悪魔じみた囁きを流し込む。そうはいくかと、ぬめぬめとした蜜まみれの淫核を、親指で潰すように刺激してやった。
「さ、お好きにどうぞ?」
 引っかかりつつも、早苗はそのまま、大砲のように硬く上向いたそれを、チャックの間からボロンと取り出した。ソレは、持ち主である彼自身驚くほど赤黒く充血していた。一刻も早く中身を解放せねば、爆発してしまいそうだ。だが、まだ駄目だ。できる限り、可能な限り我慢してからでなくては。
 腰をぐいと突き出し、モノを彼女の太腿にぴっとりと押し付ける。身体の最も敏感な部分で感じる彼女の肌は、肉は、やはり文句のつけようもなく最高だった。気を抜いたら、こうしているだけで射精してしまいそうだ。
 彼はそのまま、腰をずりずり動かし始める。汚れない乙女の肌に、ペニスが擦りつけられる。鈴口から滲み出ていた我慢汁が、ぬりゅ、ぬりゅと、白い肌の上に塗り広げられていく。それは潤滑油のような役割を果たす。
「ンッ、あっ、あっあ、はぁあっ」
 その間も彼は、両手の動きを止めはしなかった。腕は自立した生物であるかのように蠢き、彼女を責め続ける。実際、意識しての行動ではなかった。一種の野性が、彼にそのような行動を取らせていた――飼いならされた畜生のような外見の彼にも、野性が存在したのだ。
「フーッ、フゥうっ、フゥウウッ」
 上がる鼻息は、狂犬病に罹った夏場の犬を想像させるものになっていた。一種異様な興奮が、彼を包んでいた。それも当然のことだった。早苗のような美少女に、汚い己の、特に汚らしい部分を押し付けているのだ。興奮せずにいられるはずがなかった。
 けれども、それだけのことをしているというのに、彼はなおも満足していなかった。欲望は、そもそも底のない泥沼なのだ。太腿では足りない――彼の行動はエスカレートしていく。
 乳房から手を離し、淫裂から指を引き抜く。自由になった両腕で、愛の蜜でぐしゃぐしゃになった布切れを、太腿の半ばまでずり下ろす。
「あっ、脱がせちゃうなんてぇっ」
「何言ってるんだ、これだけ汁まみれになってるのに、穿いてる意味なんてもうないだろっ。ほら、便器にもたれかかりでもして、早いところ尻を突き出すんだ」
 怒っているような口調だった。怒っているわけではないが、焦燥じみたものに駆られているのは間違いなかった。そんなぁ、と彼女は呟くが、素直に指示に従う。そら見たことか。この娘も、なんだかんだと言いながらも、ペニスに汚されたがっているのだ。望み通りにしてやる。スカートを捲り上げ、もはや守る者もない剥き出しの臀部を露出させる。とろとろの秘貝からいやらしい涎が滴る様も、薄灰色のおちょぼ口がひく、ひくと収縮している様も、丸見えだ。うっすらと汗ばんでいるのがまた卑猥だった。
「まったく、電車の中で節操なく男を誘惑してるのは、このケツかっ。おじさん釣られてつい痴漢しちゃったじゃないか。人を犯罪者に仕立て上げるだなんて、なんて悪いケツだ。二度とこんなふしだらなことができないように、マーキングしておいてやる。そうすれば他の男も、うっかり誘惑されたりしないだろ」
 言いつつ、現れたむっちりとした尻肉の谷間に、赤黒く膨らんだペニスを挟み込む。ホットドッグのウィンナーのようだ。
「へっ、へっへっ、へぇっへっへへへ」
 自分で聞くだに下衆な笑い声が漏れる。これが笑わずにいられるものか。目の前には、若くぴちぴちとした娘の、健康的でむっちりと肉のついた、奇跡のように滑らかな丸い尻がある。これはいわば、キャンバスだ。何も描かれていない、キャンバス。今からそれに、己の欲望の絵の具をめちゃめちゃにぶちまける。少し後ろめたさのある、しかしワクワクする行為だ。
「おおっ」
 腰を動かしていく。喜悦の声があがる。中身のしっかり詰まった肉は、乳房よりもはっきりとした弾力でもって、ペニスを押し返してくる。やはり前嫁とは大違いだ。あれの尻は垂れていてスカスカで、弄ったところでなんの楽しみも見いだせない代物だった。
「まったく、おじさんのちんちんをグイグイ押し返して、生意気極まりない尻だ。これはもう、念入りにお仕置きして、教育してやらなくちゃなぁ」
「あんっ、はい、お願いします、私のおしりを教育してぇっ」
 言われずとも――両腕で左右の尻肉をしっかりと掴み、寄せる。強調された尻の谷間に一物を挟み込んで、ずりずり扱いていく。先走りやほんのり浮かぶ汗だけでは流石に潤滑油として不足で、摩擦はやや強めだったが、それがかえって刺激となって良い。
「あっ、はぁん、んァっ、は、あぁっ」
「くぅぅッ……」
 こちらの動きに合わせるように、くびれた腰がくねる。喉から、詰まった呻き声が上がる。こみ上げてくる射精感を、一生懸命耐えていた。まだだ、まだ勿体ない。第一、教育してやるなどと言ってしまった手前、早々に達するわけにはいかない。
 とはいえ、それは相当に難しいことだった。彼が今相手しているのは、場末の風俗の安い女などではない。この歳で男を誘うために生まれたかのような輪郭をしており、しかし素朴さを失わないという奇跡の塊のような肉体をもつはしたない少女なのだ。こうして言葉という形に落とし込むだけでそそられるというのに、実際に相手をするとなったら、これはもうアダルトビデオのベテラン男優でもそうそう長くはもたないだろう。
 そう考えると、彼は非常に健闘しているといえた。性的な面どころか人としてなんら長けたところのない男がこれだけの忍耐を見せるなど。とはいえ、それも限界だった。
「クソッ、この、尻めっ、なんて尻だ。この、クソぉぉおっ」
「あはぁぁっ、硬っ、熱っ、あぁぁ」
 恨み節を唱えるような絞り出す声とともに、汗ばむむっちりした肉の狭間でペニスをしごき続ける。親の仇に刀でも突き刺すかのように。とめどなく溢れるカウパーが、ぬるぬるとした快感をもたらしてくる。ただでさえ縁ギリギリまで水を溜め込んでいたコップに、水がさらに注ぎ込まれていく。
「ウッウッ、でっ、でっでっ、射精るうぅうっ」
 それは勿体ない――とは思うものの、どうにもならなかった。持ち主からお預けを食らいまくった肉体がしびれを切らして暴走でも起こしたか、腰が勝手に動くのだ。へこへこへこへこと情けないストロークで肉棒を扱きあげ、込み上げてくるものをそのまま吐き出さんとする。
「ふぅぉオッ、おっおっぐうぅうう」
 奇声に近い呻き声を上げ、歯を食いしばりながら、体奥よりこみ上げてくるものを抑えんとする。しかし、どれだけ頑張ってみたところで、鉄砲水を一人で止められるはずもない。迫る激流は仁王立ちする彼をあっさりと飲み込み、押し流す。
「うぉオッ、おおおおお――ッ」
 睾丸が動くのを感じた。玉袋が、会陰が収縮する。それらはポンプのように男の滾りを尿道へと送り込む。粘つくものがせり上がってくる。ここまできたら、もう止められるはずがない。
「アあぁぁあ射精るゥ、射精るぅううオァアアア」
「あぁっ、射精してください、いいですよっ、私のお尻、真っ白に汚しちゃってぇっ」
「くぬゥ……おっおっ、おっほぉおおおッ!」
 ここが駅のトイレであることも忘れ、喚きたてる。とはいえ、そうなるのも仕方のない事だ。四十年あまりの人生でなかったほど気持ち良い射精を経験していたのだから。
 どっ、どっ、と、重量級のバイクのエンジンのようにペニスが脈動する。それに合わせて、ぼびゅ、ぼびゅると、彼の精液が放物線を描いて放たれていく。独特の匂いを放つ男の粘りが。白濁は彼の今まで出してきたなかでも一二を争うほどに濃く、ぎとぎととしていた。どれだけ気持ち良い射精をしているかを、端的に表していた。
 自分は金をドブに捨てていたんだな――そのような考えが、ふっと脳裏をよぎった。前嫁はもちろん、性のプロであるはずの風俗嬢ですら、これほどの射精は経験させてくれなかった。ということは、今まで彼女らに払ってきた金は無駄だったということではないか。もっとも、だからといって彼女らを責めるのは流石に厳しすぎるだろう。あちらが駄目だったのではない。早苗が素晴らしすぎるのだ。
「あはっ、熱くて汚いの、べちゃべちゃって、あぁん」
 白い砲弾は物理法則に従い、早苗の肌に着弾していく。無数の精子が皮膚の細胞一つ一つに群がり、卵子に対してそうするように陵辱していく。己の悪臭を刻みつけるように。
 自分自身のデリケートな部位をうだつのあがらない中年男の体液に汚されているというのに、彼女は嫌がるどころか、むしろ熱く蕩けた喜悦の声をあげてみせる。たっぷりした尻がくねり、射精された白濁は丸肉のあちこちを汚す。一部にいたっては、捲り上げていたスカートにまで絡みつき、繊維の隙間にまで入りこんでいく。
「おおおっ、おっお、ほッ、ふぅウーッ……」
 やがて、火山の噴火のようだった射精も、ようやく収まっていく。満足気な溜息が漏れる。汚れ一つなかった丸い尻は、今や彼の欲望にどろどろにされていた。その様を見ているだけで、萎えかけていたペニスは再び男の姿を取り戻す。
「はっふゥ。まったく。なんていやらしい尻だ。おかげで、年甲斐もなく濃いの出しちゃったじゃないか。悪い尻だよ本当に」
「あは……っ、ごめんなさい、私の悪いお尻が、あなたの精液搾り取っちゃいましたぁ」
 溜息を吐きながら、スカートの裏地で一物を扱き、尿道に残る子種を搾り出す。服を台無しにされているというのに、彼女は悦びに浮かされた声で、へりくだった言葉を述べてみせた。
「こんなにケツ肉をヒクつかせて、ケツにぶっかけられてイッたのか、学生のくせして?」
「やぁ、イッてなんていませんよぉ、私そんなやらしくなんて」
「嘘をつくんじゃぁない!」
「あぅあ!」
 びくっ、びくっと痙攣していた地球儀のような肉毬に、軽く平手を食らわせる。嘘への罰だ。――実際のところどうなのかは知らない。だが、自分がそうと言ったらそうなのだ。これほど特別な女を好きにできる自分は、やはり特別であるに違いないのだから。
「知らないおじさんを誘ってこんな所に連れ込むくらい淫乱で、しかも嘘つきときたもんだ。嘆かわしい限りだよ。矯正するのが大変だ……ほら、なァにをいつまでもケツを突き出してる。ケツにぶっかけてもらった礼を寄越さないか」
「礼……?」
「分からんのか、下着を寄越せと言ってるんだ。いいだろう? どうせもうグシャグシャで、何の役にも立たなくなってるんだから。そうだろうが」
 こってりした白濁に塗れる尻を揉みしだきながら、反論を許さない口調で言う。理不尽かつ無茶苦茶な要求だったが、彼はそれを当然と考えていた。自分は特別であり、その貴重な子種を恵んでやったのだから、それくらいの礼はあって然るべきだろうというわけだ。
「はいっ……はしたないことになってる私の下着でよろしかったら、どうぞお使いください」
 早苗は抗議しなかった。従順に頷き、彼の高慢さを煽り立てる。文字通りどろどろになったパンティを、するすると下ろしていく。彼女を守るための布切れは、他ならぬ彼女自身の手で、男に手渡された。嗅ぐ。けしからん雌の香りがした。男のペニスを勃起させる香りだ。
 この娘はこの後、また電車に乗るのだろうか。下着もなしに、このいやらしい匂いを周囲にむんむんとまき散らしながら、くたびれたサラリーマンやら、やりたい盛りの男子学生どもに囲まれて? それはもう、一種のテロだ。彼らからしたら災難だろう。そんないやらしい娘と乗りあわせてしまったが最後、もう興奮して、勃起せずにはいられまい。
「はっ、そんなスケベな匂いを振りまいて、何人からオナペットにされるだろうな」
「あぁん、そんなこと、言わないでください」
「何今更清純ぶってるんだ、メス犬め」
 言わないでくださいという言葉とは裏腹に、彼女の声は雌の悦びに濡れていた。まるで娼婦――いや、それ以上の淫らさだった。
「あは……じゃあ、おじさま。次は、メス犬の早苗の、いやらしいおまんこに、欲しいです」
 早苗の瞳は、性の悦びに対する期待以外の何も映していない。何を望んでいるかなど猿でも分かることだったが、彼はあえて、分からないふりをする。
「はて、何が欲しいんだ。近頃の若者は、相手に伝えようという努力をしないからいかん」
「そんなの、決まってるじゃないですか。おちんちんです、おじさまの、おちんちん」
「ほぉーう、こんな中年親父のモノが欲しいのか。浅ましい娘だ。それで、そんな頼み方で、人が頼みをきいてくれるとでも思っているのかね?」
「そんなぁ、意地悪言わないでくださいよう」
 早苗は科をつくり、甘えるように囁くが、彼は首を横に振る。躾は厳しく行うものだ。
「セックスするときは服を脱ぐ。それが当然だろうが。その上でちゃんと頼めたら、私のコレを、ブチ込んでやらんでもないぞ」
「こんなところで、脱ぐだなんて――あはっ」
 誰が来るとも分からない、駅のトイレの個室。そんなところで全裸になるなどと――だが、彼女は、嫌がっているわけでない。えへらとだらしなく笑う顔を見れば、誰でも分かることだ。
 事実早苗は、嬉々として生まれたままの姿になりはじめる。ボタンを外し、ホックを外し、身にまとっていたものを、タイル張りの床に落としていく。ぱさ、ぱさ、と、小さな音がして、彼女は公共の場で、あられもない姿になった。
「おぉ……」
 その姿の見事なことには、世界の頂点に立ったような気分になっていた彼でも、感心せずにいられなかった。口から、溜息が零れた。
 乳房や尻といったそれぞれのパーツは、先ほどから目にしてきた。それらだけでも十二分に素晴らしかった。しかしこうして、ひとつの裸身として見てみると、単体で眺めるのとは比べ物にならない魅力があった。
 くりくりとした丸い瞳を象る二重まぶた、長い睫毛にすぅっと通った鼻筋、餅を連想させる柔らかそうな頬、唾液で湿り艶を放つ唇。顔を形成するあらゆる要素が、雌の表情を形作る。細い首から歳相応の可愛げな肩が左右へ伸びていく。乳房は興奮ゆえかうっすら上気しており、最初に見たときよりさらに奔放な曲線を描いているように思えた。それでも肌は透き通るようで、薄青の静脈が走っているのがうっすらとうかがえる。先端は、散々苛められたためかこれ以上ないほどに充血しており、ぴぃいん、と、やや上向いて、はしたなく自己主張していた。腰のくびれた曲線と魅惑的な臍は、グラビアアイドルのそれと比べてすら軍配が上がるほどに悩ましげで、直感的な美しさを備えている。そこから更に下ると、煙のように濃い陰毛が生い茂っている。木々の葉が朝露を帯びるように、愛の蜜でじっとりと濡れていた。しかしそれは決して下品ではなく、むしろ夏の夜の街灯のように、男という蛾の視線を引き寄せる。そして、そのすぐ下に存在する秘裂は、貫かれるのを今か今かと待ち受けるように、ひくひくと収縮を繰り返している。おびただしく滴る蜜は太腿に小川のような筋をつくり、ぬらぬら輝いている。
 またも一物に痛みを感じた。今度はズボンに抑えつけられているわけでもないというのに。海綿体が充血しすぎているのだ。彼のペニスは、あれほど射精したはずだというのに、未だに硬く反り勃ち、心臓の鼓動に一拍遅れて、びくっ、びくっ、と震えていた。早苗の裸身には、それだけの視覚的威力が備わっていたのだ。
「オナペットになるためみたいな身体をしおって。ほれ次、ちゃんと頼んでみなさい」
「はい。私東風谷早苗は、いやらしい身体つきで男の方々を誘惑して回る、どうしようもなくはしたないメス犬の女のコです。全身が発情してしまって、もうセックス我慢できないからっ、あは、おじさまのおっきくてたくましいそのおちんちん、早く私のぐちゃぐちゃのおまんこにぶち込んでくださいぃいっ」
 人に頼むときは顔を見ろ。と言いたくなる。彼女の視線は、ペニスに注がれていた。それはそれで気分がいいので、許してやることにした。
「ふぅーむ。少しばかり節操がなさすぎるが、これはこれで良かろう。しかし、おちんちんという言い方はいかんな。君のような娘はチンポと言うべきだ。わかったね?」
「あは、チンポ、おチンポぉっ」
「そうそう、君にはそれがお似合いだ。さて、熱心にねだられたことだし、くれてやるか」
「あ、待ってください、その前に」
 かしゃんと音がした。早苗が、個室の鍵を外したのだ。彼女はそのまま、扉を軽く押した。秘め事の行われていた空間が、その外側へと曝け出された。
「おい……何してる」
「あは、だってこの方が興奮するんですもの。大丈夫ですよ、多分奇跡的に誰も来ませんから。それに、見られたって、誰も通報なんてしませんよ。私が保証します」
「何?」
「他人がしてるホンモノのセックスを間近で見られるだなんて、普通ならありえませんもの。わざわざ通報して見られなくするだなんて、当たりの宝くじをドブに捨てるような真似ですよ。そんな馬鹿な人、居ないと思いますけど?」
「……はは」
 笑いがこみ上げてきた。いったいどれだけ淫乱なら、こんな気の狂ったようなことを真顔で言えるのだろう。――上等だ。
「そうだろうな、そうだろう。君にはピッタリのプレイだな、それは。精々、知らん男どもに見てもらうがいい。私も協力してあげようじゃないか」
 今までの彼であれば、尻込みしていたことだろう。しかし今の彼は違った。特別である己が通報などされるはずがなかろう、されたとしてもお咎めなしで済むに決まっていると根拠なく考える。彼は、自分の根拠を必要としない男だった。
 便座の蓋を上げ、どっかと座り込む。大きく開いた脚の間で、勃起したペニスが塔のようにそそり立っている。女を貫く瞬間を、今か今かと待っている。
「あぁん……」
 協力という言葉が何を意味しているのか、早苗は持ち前の淫らさでもってすぐさま理解したようだった。いきり立つペニスを握り、彼に背中を向けるようにして、ゆっくりと腰を下ろす。いわゆる、背面座位の姿勢だ。誰かが来れば目が合う。淫らにとろけたメス犬の顔を見られるというのに、彼女は恥じも嫌がりもしない。むしろ、それを望んでいるようですらあった。
「挿れて、挿れちゃっていいですよね、もう我慢、できないのぉ」
 淫らな門に亀頭が押し当てられる。早苗はなおも腰を下ろしていく。ゆっくり、ゆっくりと、亀頭が彼女の膣内へと飲み込まれていく。
「うふふ、ただの人間じゃありえないくらいのおまんこ、楽しんでくださいね」
「は、ただの人間じゃない、か」
 それは確かに、そうかも知れなかった。そもそも状況からいってありえないのだ。これだけ騒いで、未だに誰も気づいた様子がないなどと。狐か何かに化かされていると考えたほうが、まだ自然なくらいだった。でなければ女神の加護だ。彼女は女神であり、そのおかげで全てが都合よく進んでいるのだ。いずれにせよ、人でないのなら、この並外れた肉体も頷ける。
 ――いや、馬鹿げた考えだ。早苗の何たるかについて奇しくも正解に近づいていたのだが、彼は首を振った。この科学の時代に神などあるはずもないし、そんなことは正直どうでもいい。相手が神だろうと人だろうと、こんな美少女とセックスができるのだ。それこそが重要なことであり、確かなことといえば、とにもかくにも早苗の肉体が素晴らしいということだ。
「は、あぁっ、あぁん……」
 乙女の秘めやかな聖域が、中年男の脂ぎったペニスに蹂躙されんとしている。だというのに、彼女は法悦の溜息を吐きながら、自らそれを受け入れていく。赤黒いグロテスクな亀頭が秘貝の内側へ潜り込んでいく様は、なんとも淫靡であったが――しかし、それだけでは満足しない者が、ここにいた。
「なにをチンタラ、しとるんだッ」
「あっ、はぁぁぁッ!」
 こんなペースでは日が暮れてしまうだろう。焦れた彼は、思い切り腰を突き上げた。尻肉と腹肉とがぶつかり合い、ぱちんッと音を立てる。一瞬遅れて、早苗の嬌声が弾け、タイル張りの床や硬い壁の中で反響した。
「あっは、おチンポ、おチンポきたぁッ」
「どうだぁ、中年おじさんのチンポの味はぁ。コレが欲しかったんだろう?」
「おいしぃっ、気持ちいいのぉっ、そうっ、おちんぽ、ずっとおチンポ欲しかったの」
「ははは、恥も外聞もなしか。ほら、そんなにチンポがいいなら、腰を振らないか」
「はいっ、はひぃいっ」
 ぐちょっぐちゅっと、濡れた肉を掻き回す音がリズムよく響く。くびれた細い腰がうねり、肉穴は自身の咥え込む淫棒を無数の襞で愛撫する。あはっ、あはぁんと、彼女の口から言葉にならないよがり声がこぼれ落ちる。
「おいおい、そんな腰使いで男が満足すると思ってるのかい? まったく、ド淫乱のくせして、何もわかっちゃいないんだな。ほら、手伝ってやるから、もっと腰を振るんだッ!」
「アはぁああっ!」
 どちゅッ、ぬヂュぅッと、抽送の音がよりえげつないものへと変わる。肉と肉とがぶつかる軽い音もそれに加わった。彼が下から腰を突き上げ始めたのだ。ガタッ、ガタッと、ピストンのたび、便座が鳴る。外から、ホームに電車が入る旨の放送が入り込む。騒がしい交響曲だ。指揮棒はペニスだった。雄々しき肉杭が狭き坑を貫き、押し広げるたび、ソリストである早苗はバイオリンを思わせる高音で喘ぐ。もっとも、これほど淫らに鳴くバイオリンなど、この世のどこにもありはしないだろうが。
「んはぁッ、いい、このおチンポいいのぉおっ」
「ぬッ、ふぅ」
 姿勢を深く落とし、こちらの太股に尻肉を密着させながら、腰をグラインドしてくる。亀頭がぐりぐりと、少女の隘路の奥の奥、秘密の小部屋への入り口を刺激する。早苗があげたのは、たまらないと言わんばかりの声だった。ここが公共の場であることなどすっかり忘れ、快楽のことしか頭になくなった声だ。
 一方、彼の喉からこぼれ落ちたのは、聞き苦しい呻き声だった。早苗の肉穴が、あまりにも良すぎたがゆえに出る声だった。
 彼女の膣内はひどく暖かく、ぬるぬるといやらしくぬめっていた。膣壁はきゅうきゅうと、ペニスが嬉しくて仕方ないのだとでもいうように締め付けてくる。肉襞は自立した生物であるかのように亀頭や肉竿を抱き締め、彼女が腰を動かすたび、カリや竿へぬるるるンと絡みつく。
 間違いなく名器だ。それも、極上の。彼の貧相な語彙では、そう表現するので精一杯だった。これがヴァギナであれば、今まで自分が貫いてきたのはなんだったのだろうか。そう思わずにはいられなかった。前嫁のモノなど、コレに比べれば犬のクソにも等しく思えた。
 それだけに、耐えなくてはならなかった。ただでさえ彼女のような美少女を貫いている上に、この穴だ。気を抜けばあっという間に射精てしまいそうだ。そんなことになれば、男としてのプライドは再起不能なレベルで折れてしまうだろう。
「このっ、スケベなッ、淫乱娘めッ。腰を振りたくって、どれだけチンポが好きなんだッ」
「んあぁぁぅ!」
 耐えなくてはならない。だが、だからといって動かないのは、馬鹿者のすることだ。こんな機会、残りの人生でもう一度得られる可能性はまずない。精一杯味わわないでどうするという話だ。だからこそ、太い腰を浮かせ、彼女を下から突き上げる。ぐぢゅり、ぐちゅりと、耳に残るような水音が響く。早苗は悦びに身を震わせてみせた。こんなことをすれば、射精までの猶予は確実になくなっていくだろうが――相手に先にアクメを迎えさせれば、何も問題ない。
「乳もぶるぶる揺らして、なんだこれは、牝牛のものまねか? そら、乳搾りの時間だ」
「あっ、は、んぁあッ! そんな、突きながらだなんてぇっ」
 ゆさゆさと突き上げるたび、双乳はぷるん、ぷるんと卑猥に揺れていた。両手で鷲掴みにし、思うがままに揉みしだく。何度触れても、その素晴らしさには飽きがこないように思われた。もちろん、その間もピストンを止めることはない。止められるはずもなかった。旨い料理を口にしてもっと食べたいと思うのと同様、この女のはしたないメス穴をもっと味わいたいと、彼自身のペニスが彼に訴えていた。そして男とは、ペニスの訴えには逆らえない生物なのだ。
「どうだァ、どうだぁ、コレがいいんだろうがァ。マン汁が溢れてきてるぞォ」
「あッハ、ああぁッ! ほ、おっ、おほぉっ、んアっは、はっひぃいッ」
 白い喉から溢れるのは、気でも狂ったような嬌声だ。そうなるのも当然だった。彼女は今、女として最も重要な部分――奥の奥の小さな部屋を、男の象徴たる剛棒でもってコツコツコツとノックされているのだから。女である以上、本人の好むと好まざるとに関わらず、そのようにされて屈服を覚えずにいられるはずもない。彼の言葉通り、大口を開けてぱっくりと雄棒を咥えこんでいた秘貝は、抽送のたびぶちゅ、くちゅっと愛の汁を床へ撒き散らしていた。
「ははは、とんでもない間抜け面になってるぞ、世間様に見せられるのか、それ」
「んぁッ、おぉっ、ほ、へぁ、んぃいいッ」
 後ろから覗きこんだ彼女の表情からは、当初あった可憐さというものが一切失われていた。そこに張り付いているのは、肉欲に狂ったメス犬の顔だった。その色は、彼が腰を突き上げるたびに濃くなっていっているようだった。
 肉同士がリズミカルにぶつかり合う。腹肉が波打ち、尻肉が弾む。むにゅんむにゅんと胸肉を揉みしだき、己の手垢を摺りこんでいく。
 雄々しき剛棒が少女の聖域を蹂躙し、捲り返し、汚していく。着実に、早苗の穴を己の形へと作り替えていっている。なにせ彼女自身がそれを望み、自ら腰を振っているのだ。これほど楽な仕事もなかった。
「そらッ、そらそらそらそらッ」
「あッ! はひッ、あぁっオ、はぅあぁあッ」
「ッハハ、まるで猿だな。……それにしても誰も来ないな。こんなに近くに、生のセックスを見学できる機会が転がっているというのに、勿体ない奴らだよ。だから凡百なのだろうな」
 利用者の多い駅であるし、そのホームのトイレとなれば誰かしら立ち寄ってもおかしくないはずだが、幸か不幸かまだ誰も現れていなかった。彼はつまらなげに鼻を鳴らす。
「全く、つまらん、なっと!」
「ンハァっ!?」
 己の腰に跨っていた早苗の、両脚を下から抱え、ぐいと持ち上げる。そのまま、無理矢理に立ち上がった。日頃の運動不足など窺わせない力強さだ。馬鹿の一念というが、基本的に愚かであるところの彼が自信を持ったことで、自らの非力さをも忘れているのだ。
 抱え上げられた彼女を正面から見れば、ちょうど脚がVの字を描いているように見えることだろう。二本の直線の交点では、肉貝がペニスをぱっくり咥え込んでいる様が丸見えになっているわけだ。乳房がふるふると揺れるおまけ付きだ。
「えっ、ちょ、あの?」
 困惑する早苗をよそに、彼はのしのしと歩き始め、個室の外へと出た。
「何だ、居るんじゃないか」
 入り口のあたりに、数人の男どもがたむろしていた。スーツ姿の眼鏡に、だらしない服装の金髪、それから彼女と同じ学校の制服、等々。いずれにせよ、個室でコトが行われていることを知りながら覗きには来れなかった、臆病者どもだ。
 急に出てきた二人を見、彼らはたじろいだようだった。何人かにいたっては、あからさまにしまったという顔を浮かべ、退出しようとする。声をかける。
「なんだお前たち、半端者だな。見たいんだろう? 堂々と見ればいいじゃないか」
 男どもの脚が止まる。いいのか、という目がこちらに向けられる。
「勿論。大体、この娘は見られたいからこんな場所に男を連れ込んどるんだ。そうだな?」
「はひっ、私はあはァッ!」
 早苗が口を開いた瞬間、その身体を揺さぶってやる。串刺すペニスが肉穴を掻き回し、言葉は嬌声へとすげ変わった。
「おいおい、喘いでちゃ何を言ってるかわからんだろうが?」
「アはぁッ、私、東風谷早苗は、んぁ、電車の中でこのぉア! おじさまをッ、誘惑してぇ、やらしいカラダ、ッはぁ! 弄ってもらって、それでここにっ、は、ンんぁ、案なひっ、して、こぉしてっ、発情したメスおまんこ、突いてもらってるんですぅううっ」
「ハハハ、何言ってるのか分からんなこれじゃ」
 彼女が話している間も、彼は腰をしゃくりあげるようにして、早苗の穴を蹂躙し続けていた。彼女の真下にいやらしい蜜が滴り、跡となっていく。男たちは阿呆のように口を半開きにしていた。その顔は、今自分が見ているものが信じられないと語っていた。それでも目は血走り、目の前の痴態を網膜に焼き付けるのだとでもいわんばかりに目は見開かれているあたり、男の性とは傍から見ていて笑えるものだ。
「そら、もっと近くで見てやれ、なんなら、男とみれば私のような中年男のペニスでも咥えるこのどうしようもない穴を、鼻先がぶつかるほど近くでな。その方がこの娘も悦ぶだろうさ」
 彼の言葉に従うように、男たちはじわじわと近づいてくる。彼は王の気分を味わっていた。誰かが自分の言うことに従うなど、今までにないことだった。この頃はコンビニ店員に弁当を温めてくれと言っても、無視されることがあるほどだったから。腰使いにも、俄然気合が入る。
「あはァッ、んあっは、ひぃッ、んっくぅ」
「すげぇ乳だ……マジで揺れるんだ」
 男たちの一人が呟いた。伝説に残る理想郷を実際に目の当たりにしたような、感動を伴った声色だった。やはり、男なら誰であれ、揺れる乳に惹きつけられずにはおれないのだ。
「もっと揺らしてやろうじゃないか。そらッ」
「あはぁぁんっ!」
 腰使いに加え、抱えた彼女の身体を揺さぶってやる。運動エネルギーは倍、乳の震えも倍になった。当然、肉穴を掻き回すペニスの動きもそれだけ激しくなり、早苗の声もさらに高まる。
「おいおい、見られはじめてから、締りがグンと良くなったぞ、汁も溢れ放題だ。この淫乱が。おらっ、皆様にサービスしろ、サービス」
「はひぃいっ」
 舌はだらしなく、夏場の犬のように突き出されていた。へっ、へっ、と快楽に喘ぎながら、早苗は両手でピースサインを形作る。
「あへぁは、皆様っ、きょうは私早苗のほぉっ、生セックスをご覧いただきぃ、ありがとほっ、ございますぅっ、あはっ! 写真っ、撮っちゃっていいですからっ、私のスケベな姿ぁぁあっ、データにしてぇひあ! 後で、シコシコほぉっ……! して、くださひぃいいっ」
「だそうだ。ほれ、どこでも撮ってやれ。このだらしないメス顔でも、男を誘うためにある乳でも、チンポ狂いの淫乱な穴でも、どこでもだ。どうした? こんな機会、そうないぞ」
 男たちはしばし、躊躇うように顔を見合わせていた。しかし、理性に対して欲望が勝るのは世の常だ。次第に彼らは、デジタルカメラなり携帯なりを取り出しはじめた。かしゃり、ピピ、と、様々な電子音が鳴り始める。中には二人の間近にまで近寄り、彼が口にした通り、肉悦に狂う早苗の顔をでかでかと写す者も現れる。それを皮切りとして、彼らから遠慮が失われた。ヴァギナがペニスを咥え込む卑猥なショットを、レンズがぶつかりそうなほどの位置から接写する者まで現れる始末だった。
「あ、あぁ、東風谷さん……」
「うん?」
 そんな中で一人だけ、微動だにしない者がいた。学生服に身を包む、痘痕面をした冴えない男子だ。信じられないものを見たとでもいうように、呆然と立ち尽くしていた。間抜けな奴め、他の連中はコレが現実であると早々に認識して、機会を活かそうとしているというのに。――いや、何か様子がおかしい。
「おい、お前」
 早苗を抱えたまま、のしのしとそちらに近寄る。彼は返事をしなかった。薬の禁断症状でもあらわれたかのように、わなわなと震えていた。
「こ、東風谷さん、なんで」
「あはっ、あぁ、おんなじクラスのぉ」
「……ほぉーう?」
 それは驚きもするだろう。クラスメイトがこんなところでこんなことをしているとなれば。もっとも、その表情には、驚き以外のものも多分に含まれているようだったが。
 彼の顔がいびつな笑みを形作った。楽しいおもちゃを見つけた顔だ。
「お前、この娘に憧れでも抱いてたんだろう? ハハ、清楚な見た目にまんまと騙されおって、馬鹿な奴だ。お前が密かに慕情を抱いてた相手は、こんな中年男のチンポでも悦んで下の口に迎え入れる、淫乱の、変態の、どうしようもないヤリマンだよ」
「う、嘘だ、そんな、東風谷さんがそんな」
「嘘? 嘘か。なら本人に聞いてみるか? おい、どうなんだ、お前はヤリマンか?」
「はひっ、ヤリマンですぅっ、男のひとにおちんちんハメハメしてもらうの大好きなのぉっ、おマンコの中ズボズボされてないと落ち着かないくらいなのほぉおおッ!」
 言葉の終わり際に、子宮をコツンと突いてやる。早苗は面白いくらいの反応を返す。
「オナニーは? どれくらいの頻度でするんだ」
「週ななっ、週七れすぅっ」
「嘘をつくなと言ったろうが!」
「はひぃ! ごめんなさっ、ホントはもう分かんないのぉっ、朝起きてシて、学校でこっそりシて、帰ってからもずぅっとシてるからぁっ、回数とか分かんないいぃいっ!」
 男らの何人かは、今の発言を録画していたようだった。写真と合わせて、夜の楽しみに使うのだろう。一方の少年は、唇まで青ざめさせていた。――だが、それでも。
「おいおい、勃起してるじゃないか。なんだ、嘘だなんて言いながら、ちゃっかり興奮してるのか? そうだろうなぁ、好きな相手が乱れてるんだもんな、そうもなるよな……残念ながら、相手はお前ではないがな。おい、クラスメイトのチンポが辛そうだぞ、なんとかしてやったらどうだ? お前の責任だろうが」
「えっ! こ、東風谷さんが……」
 男とは現金なもので、あれほど信じられないという顔をしておいても、女が相手してくれるとなれば、期待せずにはいられない。少年は葛藤を浮かべた。彼女がシてくれる、でもそれで本当にいいんだろうか、そういう表情だった。――その葛藤を、彼がわずかに抱いた希望を、早苗は容赦なく打ち砕く。
「あはっ、それは嫌ァっ」
「……えっ」
「だってぇ、あなた、おちんちん小さいでしょっ? 水泳の授業っ、ああんっ! 水着ぃっ、見ればわかるもの。それに童貞の人って、なんかっ、後腐れありそうだしぃっ」
「ぼ、僕は」
「私がっ、あはぁ! 好きなのは、この人みたいに、上手で、いやらしくて、ねちっこくて、それからおチンポとっても大きい人おほぉッ! ……あなた全部違うでしょ?」
 少年の顔が、くしゃりと潰れた。苦笑した。彼女自身にとどめをささせるつもりではいたが、まさかここまで容赦ないとは。もっとも、このことで一人の少年がインポになろうとも、彼としてはどうでもよかった。少年からは昔の自分のような臭いがする。情けなく、疎まれていて、いつも一人で弁当を食っているような臭いだ。自分は特別であると判明したので、究極的には同族ではないのだが、それでも嫌悪を抱かずにはいられなかった。嫌いな奴がどうなろうとも、爽快でこそあれ、良心の痛むことはない。
「だ、そうだ。残念だったなァ、少年? お前の恋は、見るも無残に踏みにじられたぞ。……さぁて、そろそろ、射精してやるとするか。おい、どこに射精してほしいんだ。言ってみろ」
「あはっ、そんなのぉッ、決まってるじゃないですかぁっ」
「分からんね。直接口にしろ。でないと外に射精すぞ、いいのかそれで。あ?」
 高圧的に言うと、いやいやをするように早苗は首を振り乱す。
「ダメェ、膣外射精なんてつまらないの駄目ぇっ! あっは、膣内に、早苗のやらしいスケベおマンコにぃっ、いやらしい膣内にぃ、子宮の中にびゅるびゅるって射精してぇ、おじさまの濃ゆぅいザーメンっ、たっぷり植え付けてえぇ!」
「見ろお前ら、自分から膣内射精をねだってるぞ! おい、そんなことしたらガキができるぞ、いいのか? その歳で孕んだらどうなるだろうなぁ、まあ間違いなく退学だろうな。そしたら人生滅茶苦茶だぞ? こんな中年親父に人生滅茶苦茶にされたいのか、えぇ?」
 ぐちょぐちょぐちょぐちょと肉棒でもって掻き回しながら、もう一度尋ねる。答えなど最初から分かりきっていた。特別である自分のペニスをハメられているのだから、子種を受けたいと思って当然だ。それでも、彼女自身に言わせることに意味がある。服従の宣言として。
「そんなのどうでもいぃのっ、だってザーメン膣内射精したほうが絶対気持ちいいんだから、膣内以外ありえませんんっ! は、はやく、射精して、おじさま、たっぷり、射精してぇっ」
「ははは! よく言った。しょうがない、そこまで頼み込まれたら、射精してやらないわけにいかないなッ、いいか、お前が頼んだんだからな、こっちはそれに付き合ってやっただけだ。そらッ、もっと締め付けろ!」
「んぁは、ォあッ、はひ、締めましゅ、ひぃいあはああぁっ」
 命令を下しながら、彼自身もスパートをかけていく。見るからに鈍重な肉体がどうやってと思うようなペースで何度も何度も腰を突き上げ、彼女を抉る。それはただのピストンではない。東風谷早苗という女を屈服させ、自分のための穴にさせる、そういうストロークだ。その証拠に、エラは肉襞を執拗に捲り上げ、嬲りたて、カリは穴を自分の形に作り変えていく。乙女の可憐な、しかしはしたない聖域を、自分専用にチューンナップされたオナホールに改造する。
 早苗は当然、嫌がらない。それどころか、命じられるまま、周囲に見せつけるように、細くくびれた腰を振り立てる。快楽に狂った嬌声は猿を連想させる聞き苦しいものとなっていたが、そこには奇妙な魅力があった。男を否応なく興奮させる雌としてのフェロモンが、空気の振動に混ぜられているのだ。
「うッ、ウッウウ」
 男の中の一人が、もう堪え切れないと言わんばかりの声を零す。ズボンから一物を取り出し、ゴシゴシと扱き始めた。一人が始めると、他の者もそれに従う。大の男共が情けなくペニスを扱きたてる様は異様で、ある種の宗教儀式の風情すらあった。とするなら、早苗は御神体で、彼は儀式を執り行う司祭だろう。
「よぉし、そろそろ射精すぞッ、おい、見てくださってる方々に挨拶しろ、挨拶ッ」
「あはっ、みなさぁん、わたしぃっ、今から種付けされますからぁあっ、それオカズにしてっ、おチンポ、シコシコっ、してくださいねぇっ」
 観客に対し言葉を投げかける様は、さながら流行りのアイドルのようだった。これほど淫らなアイドルでは、茶の間が凍りついてしまうだろうが。
 最後の挨拶の間もずぐずぐと早苗を耕しながら、彼はクライマックスへと向かう。
「射精すぞッ、射精すぞォッ、子宮に注ぎ込んでやるッ、オラッ、射精すぞ射精すぞ射精すぞオォオオオおおおおヌゥウウうううううううッ!」
「あへっ、くる、おチンポ膨らんだッ、しゃせいくる、濃厚ザーメン種付けくるっ、あっあっ、あっあっあっ、はっへぇああああああああッ――!」
 トドメとして、腰を思い切り突き上げ、逆に抱えた早苗の身体をぐんと引き下げた。正反対のベクトルは、彼女の奥、子をなすための部屋の入口でぶつかる。そして、射精が始まった。
 ぐびゅるるるるるるっと、鈴口から噴水のように、熱く沸き上がったスペルマが放たれる。ゴムも何も存在しない生のペニスから、何億何兆という精子が、彼女の子宮へ。それはあっという間に子宮内部を埋め尽くす。ぞぞぞぞぞぞと繊毛を蠢かし、奥へ奥へと向かう。男を誘うどうしようもなく淫らなメス犬・東風谷早苗の卵子を蹂躙し、子を成させるために。
「うおぉおおーッ、射精る射精る射精るゥゥウ」
 既に一度射精しているにも関わらず、その勢いは先をも上回るほどだった。何も不思議ではない。彼女のような少女に合法的に種付けできる機会など、まず今後一生巡ってこないのだ。だったらこのチャンスを活かす他にない。そのことを肉体が理解しているだけなのだ。
「あはあぁっ、来てるぅっ、ザーメンっ、お精子っ、中年親父の濃ゆいスペルマァひッ、んぉ、あへぇぁッ、熱っ、お腹のなかぁっ、射精てるぅッ、あついのぉおッ!」
 対する早苗は、これ以上ないほど濃厚な汚濁を自分自身の聖なる場所に注がれ、たまらないと言わんばかりの声をあげてよがり狂っていた。ビクンッビクンッと、身体は何度も痙攣する。背筋は反り、放埒な乳はぶるぶると震えてみせる。絶頂しているのが見るだけで分かる様だ。膣内はうねり、蠕動し、ペニスを根本から先端にかけてきゅうきゅうと締め付け、放たれる種の、精子一つをも無駄なく注いでもらおうというかのように搾り上げる。ただの人間ではまずできない、奇跡のようなうねりだった。
「グおぉッ、おおおおぅううッ」
 それだけの歓迎を受けては、頑張らないわけにはいかなかった。射精している最中も、睾丸は全力で精子を製造し、出来たものからすぐさま、早苗の膣内へと出荷していく。先ほど尻に吐き出してやったとき、今までで最高の射精だと思った。記録は早くも塗り替えられていた。今経験しているこれこそが最高だ。全身がペニスになったようにすら感じていた。身体の中身全てを、彼女の膣内に吐き出しているかのようだ。
「あーっ、あぁぁぁッ、ちんぽぉッ、おちんぽぉおお」
 早苗は半ば白目を剥き、さらさらとした髪を振り乱して、オルガスムが与える恍惚に浸る。その様は、アダルトビデオなどが見せるまやかしの性などとは比べ物にならないほどどぎつく、しかし雄の本能を狂おしいほどに掻き立てる。二人を取り囲む男たちは、自身の一物を扱き、携帯で動画を撮りつつ、固唾をのんで見つめていた。下卑た野次が飛びそうなものだが、誰もそんなことはしなかった。できるはずがない。東風谷早苗という稀代の美少女が、自ら淫らな言葉を吐き散らしながら、何の変哲もない小汚い中年親父に種を植えられる――その様子に、これ以上ないほど興奮し、また嫉妬していたのだから。
 そう、彼に向けられていたのは、無数の嫉妬の目だった。当然だ。誰もが三億円の宝くじを欲しがるように、誰だって早苗のような少女に種付けできる機会を求めている。それをこんな、うだつのあがらない親父が手にしているのだ。やっかんで当たり前というものだった。
「おぉおおおっ、射精しているぞ射精しているぞッ、ハハハハハハハハッ」
 対する彼は、最高に気分がよかった。今まで人が自分に向ける視線ときたら、蔑みだの嘲笑だの、そういったものだった。それが今やどうだ。こいつらは自分を羨んでいる。羨む感情は相手が己より優れているから存在する。つまり自分はこいつらより優れているのだ。今まで、自分が誰かより優れていることが一度だってあったろうか? 初めての優越感の味は、早苗の肉体ほどに美味だった。
「おおおっ、ぐぅお、ほぉ、おっおおおお、ほぅっ、おうっおうっ、おおぉお……」
「あはっ、はひぃ、あぅあ、へっあ、はひ、あぁはぁッ……」
 しかし、それほど心地よい時間であっても、永遠には続いてくれない。おそろしく長かった射精も次第に勢いを失い、やがて終わる。途端、脚がふらついた。なんとか早苗を落とさずに済んだが、体液の全てを吐き出すほどの射精の後ではそうなって当然というものだった。
「ッハハァ、どうだクソガキめ、お前の想い人は中年親父の種に汚されたぞ……おや」
 少年はいなくなっていた。耐え切れなくなって逃げ出したのだろう。つまらんと鼻を鳴らす。ペニスを引き抜いた。未だ締め付けていた膣肉が、きゅぷっ、と音をたてた。少し遅れ、秘門からとろりと白い粘りが零れ落ちる。彼女が中年親父のペニスに陥落した、何よりの証拠だ。
「おい、いつまで人に身体を預けとるんだ。自分で立て」
 抱えていたのは自分だということも棚に上げ、早苗を下ろした。絶頂の恍惚が身体を巡っているのか、彼女は自立できずふらつき、小便器にもたれかかった。
「さぁーて……出勤するか。おい、お前はこいつらの相手をしろ。お前が興奮させた男どもだ。お前が責任を取るのは当たり前だろう?」
「はひ、はひぃっ、みなさまぁ、わたし、東風谷早苗が、みなさまの勃起したおチンポ、責任もって、ヌキヌキ、させていただきますぅ……」
 男どもの空気がざわつく。早苗には下卑た視線が、そしてこちらには感謝の視線が、一斉に向けられた。彼は一瞬たじろぐが、よくよく考えて見れば感謝されて当然だ。こんないい女をくれてやったのだから。
 そして彼は、またも増長する。そうだ。自分は王のようなものなのだ。王である以上何事においても自分が優先されるべきである。とはいえ、たまには平民であるところのこいつらに、多少いい思いをさせてやるのも、為政者の努めであろう? 
「楽しめよォ、一般人共」
 そう言って彼はズボンを穿き直し、トイレを後にする。男どもの野獣めいた声と少女の嬌声とが聞こえたが、振り返らなかった。アレをくれてやったのは少し勿体ない気もするが、特別な自分ならアレと同じくらい良い女もすぐ見つけられるだろう。そんなことを思いながら。
 ――その後、早苗の奇跡を失った彼はノコノコ出勤してクビになり、さらに翌日には堂々と痴漢を働いて逮捕されたが、それは彼女の知るところにはならなかった。
こっちで公開するん忘れてた。
幻想郷は大概のプレイを受け入れるんですが、痴漢とはわりと食い合わせが悪いんですよね。電車ないですし。
早苗さんは蓮子ちゃんと並ぶ、貴重な痴漢要員です。書かずにはいられなかった。

ところでこの話はC88で頒布する「雌犬歩けば棒ハメられる」にも収録予定です。
特設はこちらな https://wameshiba.com/tokusetu-mesuinu/
喚く狂人
http://wamekuaeguononoku.wordpress.com/
コメント




1.桜野はる削除
最高でした。
2.性欲を持て余す程度の能力削除
相変わらずめちゃシコたまりませんでした
3.性欲を持て余す程度の能力削除
また貴殿か・・・最高です!