真・東方夜伽話

どうかSyokusyuと発音してください。

2015/02/12 22:43:27
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どうかSyokusyuと発音してください。

喚く狂人

九天の滝の滝壺でにとりが見つけたのは、なんとも形容しがたい謎の生物だった。
嫌がる生物をどうにかして持ち帰り、その生態を調査しようとするにとり。生物は本性をあらわし、にとりの尻に逆襲する。

 九天の滝の滝壺は、私のお気に入りの場所だ。流石の河童も、これだけの水流の中を泳げる奴は少ない。天狗などは言うまでもない。ここは一種の穴場だった。
 研究に煮詰まったときは、ここを訪ねることにしていた。何もかも掻き消すような轟音に耳を傾けて、全身を揉みくちゃにするような激しい水流に身を任せていると、凝り固まっていた思考がリフレッシュされる。壁を打破できるような良いアイデアは、そういう状態のときに浮かんでくるものなのだ。
「ああもう、なんなんだよもう」
 ……でも、今回ばかりはうまくいっていなかった。一旦水上に顔を出した。泳ぐのにもいい加減うんざりしていたから、水の上で仰向けになった。ふてくされていた。ふてくされもする。アイデアの神様ってやつは、幻想郷の神様以上に気まぐれだった。この河城にとり様が悩んでるんだ。いい考えの一つや二つくらいくれたっていいだろ。
 いろいろとやる気も失せてきて、しばらくそうしていたのだけど、岸に妙なもんが落ちてることに気づいた。紫色をした、なにかだ。赤ん坊くらいの大きさだ。そんな毒々しい色をしたもの、この辺に自然に転がってたりはまずしないから、目についた。
「土蜘蛛か?」
 舌打ちする。あいつら、ああいう訳のわからないものをそこら辺に捨てては、川を汚していくんだ。地底に大人しく封じられてりゃあいいものを、近頃はまたこっちに出てきているようで、まったくいい迷惑というやつだった。
 泳いで近づき、岸に上がる。そいつは紫をベースに、暗緑色のまだら模様をところどころに浮かべていた。近くで見るとなおさら、自然のものとは思えなかった。
「なんだこれ、気持ち悪いなぁ……」
「きゅい」
「おわ!」
 興味本位で指先でつついてみると、それは水に濡れたゴム同士の擦れるような音をたてて震えた。思わず身を引いた私をよそに、それは体をくねらせる。
「い、生き物なのか」
 少なくとも、土蜘蛛の残したゴミというわけではないらしかった。いわれてみれば確かに、山蛭なりナマコなりを大きくしたような姿だった。色以外は。でも、それにしたってこんなやつ、山の中じゃあ見たことない。いや、山の外でも見たことない。
 ……で、私というやつは、見たことないものに対して、たいへん興味を抱くのだ。これはまあ、エンジニアというか、技術オタクの性みたいなものだった。
「お前なんなんだ。新種? それとも外から来たのかな、それか変わり種? それにしたって、元がどんな奴なのかも想像つかないけど」
 細長い胴体を両手で掴んで持ち上げ、しげしげと眺める。そいつは嫌がるように身を捩るけれど、私はお構いなしだった。好奇心の前には、そんなの気にしてられない。
「なんでそんな色してるんだ? 警戒色とかかな、見るからにやばそうな色だもんな。毒とかあるのか? お前みたいな色してるやつって大体毒あるもんな、私ら妖怪って大抵の毒は効かないわけだけど、その辺どうなの、対処できるの」
「きいいいっ」
 そいつはいよいよ嫌がって、じたばたし始める。私は止まらない。
「どっち側が頭なんだ? 何食って過ごすんだ、草? 土? 小動物? それとも魚とか貝? そもそも口はどこについてるんだ、それっぽいのは見当たらないけどなあ。ああ、気になるなぁ、すんごい気になるなぁ!」
 私はもう、こいつの虜になっていた。調べに調べないと気が済まない。でも生物の生態なんて一朝一夕で分かるようなもんじゃないし、機械みたいにバラして戻して終わりというわけにもいかない。貴重なサンプルを殺すわけにはいかないだろう。
 これは長期的な調査が必要だ。工房に連れ帰って、観察することにしよう。そうだ、それ以外にない。そうと決まれば、善は急げだ。
「そうだな、私が呼び名をつけてあげようじゃん。二十三号なんてどうかな」
 それだのお前だの呼ばわりじゃ不便だし、かといってペットみたいな名前をつけて変に情が湧いても困る。その辺を考えた実利的な呼称だった。最近取り組んでる機械の試作品が二十二にまで積み上がってたんで、そこからとって二十三号だ。
「よしよし、お前からしたら災難かもしれないけど、よろしくな、二十三号」
「ぎっ、きぃ、ぎゅぃッ」
「そう嫌がるなって――って、うわァ!」
 二十三号の背中が――多分そっちが背中側だ――ぱっくりと開く。中からずるっと、何本も飛び出してきたのは……これは、触手か? 私の腕くらいの太さで、長さは私三人分くらいだろうか。唐突すぎて、思わず放り出してしまった。石に叩きつけられ、二十三号は短く鳴いた。
「お、おお……スゴい! これスゴい! ねぇどうやってるのさそれ!?」
 地面に落ちた二十三号に詰め寄る。触手が飛び出た瞬間とはちょっと違う驚き――感動とか興奮に近いものが私を包んでいた。だって、どう考えたって外側の体積より大きい物が中に収まってるって、普通に考えて物理的に無理だ。それをこいつは可能にしてる。これはなんとしても、仕組みを調べなくっちゃ。それさえ分かれば、私の発明はものすごく進歩するはずだ。だって、部品がどれだけ空間を占有するのかっていう厄介な問題を、大幅に軽くできるんだから。
「ああぁあ早く連れ帰って調べないと! すごいよこれ、いや本当すご……あれっ」
 テンションを上げまくっていた私の右腕を、二十三号から生えた触手の一本が絡め取った。そのまま持ち上げさせる。続いて左腕も。万歳みたいな格好にさせられた。
「え、あの、ちょっと」
 気づいた。……これ、まずくない?
 私というやつは、夢中になると状況を客観的に捉えられなくなってしまうらしい。悪い癖だ。今はそこに水を差されて、ちょっと頭が冷静になってきていた。そもそも二十三号はどうして、こんなごつい触手を出してきて、私を捕らえたんだ?
「ギッ」
 二十三号は短く鳴いた。その声は、さっきまで出してたのとはだいぶ違っていた。彼の生態なんて全然知らないけど、それでも、鳴き声の意味は推測がついた。威嚇だ。
「ちょ、ちょ、待ってよ、待ってって、ねえ」
 よくよく見てみれば、触手はどれもこれも、私の方に向けられていた。妖怪退治に乗り出した人間が武器を向けてくるのと同じものを感じた――まずくないか、という推測は、確信に変わる。私の悪い癖が、二十三号を怒らせた。そして二十三号は多分、私が思ってるよりずっと強い生き物だ。……彼は今、私に害意を抱いている。
 逃げなくちゃと思った。そのためには拘束を振りほどかなくちゃならない。右手に力を込める。けど、ぬるぬるとした触手は見た目よりずっと頑丈かつ強靭で、まるでびくともしない。もう一度、全力でやってみる。駄目だった。
「わ、悪かったって、もう無茶言わないからさ、私。連れて帰るとか言わないから。だから機嫌直してよ、ね、ね?」
 河童は大して強くない。というか、妖怪全体から見ると弱い。だから兵器も作るし、光学迷彩なんかも用意するのだ。だけど今、そういうものは全部、工房に置いてきてしまっていた。そういうわけで、私は半ば必死になって、二十三号をなだめていた。拘束を緩めさせることすらできないあたり、単純な力でいえば、こいつは私以上だ。例えばこのまま持ち上げられて、地面に叩きつけられたりでもしたら……、だ。
「ひぇ……っ」
 触手の一本が頬に触れる。ねとぉ、と、生理的に嫌な感触がした。つるりとした体表は、得体のしれない粘液に覆われていた。生暖かい。
 何をするつもりなのか、と思った途端、触手は思い切り振り上げられ、私めがけて振り下ろされた。
「きゃぁッ!」
 我ながら似合わない悲鳴だったと思う。でも、いきなり服を全部切り裂かれたら、そうなるのも当然だった。私だって女の子で、人並みの羞恥心くらいある。
「この、何すんだよお! ばか! ばーか!」
 このやろう、私のお気に入りの水泳着を。状況も忘れて思わず罵った。腕の自由がきいたら、気の済むまでぶん殴ってやるところなのに。
「あ、ちょっ、触んないでよそんなトコ!」
 また触手が伸びてくる。今度はゆっくりと。それは私の肌に――服に隠されていた内側、さらけ出された胸に、乙女の胸に! あろうことか、直接触れた。身をよじるけど、それくらいじゃ当然、逃げられやしない。
「うわ、ちょ、気持ち悪い、塗りこむなぁっ」
 触手は身にまとった粘液を、ぬちゃ、べちゃと音をたてて私の胸に塗りつけていく。あっという間に、膨らみ全体がどろどろにされてしまった。気持ち悪い……。
「んぁ、やめ、ろよっ、おい、なぁっ」
 くすぐったくって、妙な声が混じる。くすぐったさだ。それ以外の何かじゃない。
 やめろって言ってるのに――むしろ言ってるからか、二十三号は、よくわからないその行為を、やめるつもりはないみたいだった。それどころか、どんどんしつこく、ねちっこくしていく。
「く、この、誰か、ねぇ、誰かっ」
 助けを呼んでも無駄だって、自分自身よく分かっている。ここに滅多に人が来ないことも、叫び声なんて水の落ちる轟音がかき消すことも、私はよく知っている。それがここを好む理由だからだ。それでも、それくらいしかできることがなかったのだ。
「ぁ、く、ぅう、ふぅうッ」
 奥歯を噛み締めて堪える。そうでもしないと声が漏れてしまいそうだった。それが何の声なのかなんて、考えたくもない。
「やめろよぉ……いい加減にしろよぉ」
 切り裂かれ残骸となってしまった服を、触手が剥いで水の上に放り出す。私の肌を隠してくれるものは、もう何一つない。相手は人型ですらない何かだけど、そんなの相手でも、肌を晒すことには抵抗を感じた。羞恥に、顔が熱くなる。……いや、熱くなってきてるのは顔だけじゃない。さっきからさんざん我が物顔で弄られてる胸も、じんじん痺れるような感覚と一緒に熱を持ち始めていた。ぬるぬるにされた先っちょが、充血して尖り始めている。それが意味するところは、もう誤魔化せないだろう。くやしいことに、こいつに弄られて、私は気持ちよくなってしまっていた。
「はっ、く、ぅあ、なんなんだよその――あっ!」
 二十三号が、触手の先で乳首を弾いた。それだけなのに、びりっと、電気が走ったように感じて、声を飛び出させてしまった。明らかにおかしい。確かにこいつの行為は、ただの触手のくせして、まあそれなりに上手ではあった。……けどだからって、こんなちょっとした刺激ですら、震えてしまう気持ちよさに感じられるなんて。
 多分、私の身体のほうがおかしくなっているんだ。おかしくされてるんだ、こいつが塗りたくってる、ねばねばした気持ち悪い汁に。……そして二十三号は、そういう厄介なものを、こともあろうに胸以外にも塗りたくるつもりみたいだった。
「う、やめ、やめてって、ば」
 逃げられっこない状況なのが、主観的にも客観的にも分かる。だから抵抗の声は、どうしたって弱くなってしまう。いや、そうなる原因は、状況の悲惨さだけじゃない。胸から伝わるじわじわした熱が、切なさが、私を懐柔しに来ていた。甘い顔をして、抗おうって考え自体をどろどろに溶かしていく。そうはさせるかって思ってみても、身体の方が素直すぎた。私を裏切って勝手に期待している挙句、お腹の奥をきゅうんと熱くさせていた。
「あ……あ、や、やだぁ」
 粘液をたっぷり絡めた触手が、私の身体を這い始める。その汁に催淫作用でもあるだろうことは、もう考えるまでもなく明らかなことだった。そんなものが、ずちゃ、くちゃと音をたてながら、肌に塗りこまれていく。首に鎖骨、肩、腋、腕、手首に掌。胸にも追加で塗られて、それでも足らずに二十三号はさらに下に進んでいく。お腹に、下腹、腰に、股。だいじなところや、お尻の谷間にまで入り込んでくる。それから、太腿に膝、ふくらはぎに脛に足も。とにかく全身、偏執的なくらい丁寧な仕事だった。
「はっ……く、ふぅ、ンッ、あ、はぁ」
 全身、粘液でどろどろにされていく。やらしい気持ちになる毒で、全身どろどろに。
彼は私の敏感でだいじなところを特に汚そうとしているみたいで、胸の尖りとか下の入口とか、そういうところへ念入りに触手を這い回らせていた。……けど、私が満足できるだけの快感は、決して与えてはくれなかった。
「う、ぁ、あああ……ッ」
 体表から内側めがけて、炙られるような熱さが広がってく。出て行く先なんてどこにもなくって、熱は身体の中で反響しながら、際限なくどんどん昂っていく。思わず身悶えしてしまう。したところで、何一つ楽にならない。効果てきめんっていうのは、こういうときに使う言葉なんだろう。瞳孔が開いて、汗が浮かぶのが自分でも分かる。
 ほんの数メートル先に、さっき九天の滝から落ちてきたばかりの、冷たく清い水がたたえられている。そこでさっきみたいに泳ぎ回れば、全身を覆ったこの粘液を洗い流して、頭を冷やすことだってできるだろう。でも、二十三号がそんなこと許すはずなかった。そうなると、水も責め苦の一つになった。目の前にぶらさげられてるのに、手に入らない。これほど辛いこともそうないだろう。
「うう、ぅう」
 妖怪は頑丈だ。ちょっとくらいの痛みじゃ動じない。でもその反面、精神的な苦痛には弱い。こうして焦らされるのは、叩かれたり締められるのより、よっぽど効く。
「んぅ……!」
 私の中に嫌悪感はほとんど残っていなかった。代わりに飢えが私を満たしていた。二十三号は時々、乳首や割れ目を、決して満足できない程度の微妙さで刺激してくる。それは私の渇きをひどく煽った。中途半端が一番つらいんだ。
「もう、やめてよぉ……」
 二十三号はしつこく、今度は背中から腰にかけて粘液を塗りたくっていた。そんな曖昧な刺激だけで、私の身体はぞくぞく震えるようになっていた。でも、満足なんてちっともできてはいなかった。口から零れたのはさっきまでと同じような言葉だったけれど、その意味は全然違う。触るのをやめるんじゃなくて、焦らすのをやめてって。
 私の言葉に反応したんだろうか、二十三号はぴたりと動きを止めた。そして両腕の拘束をといた。膝もくたくたになっていた私は、自分の体を支えることもできずに、地面にくずおれる。
「……お、おしまい?」
 二十三号はそれ以上なにもしてこようとしなかった。解放されたらしい。どうやら、私の言葉は通じていたみたいだ。確かに彼はやめてくれた。――触るのを。でも、私が欲しいのはそれじゃない。こんな半端なところで投げ出されるくらいなら、いっそ何もされない方がマシだった。辛いなら、すぐ側の水に潜って、この毒を洗い流してしまえばいい。そうしたら何もかも元通りにできる。……でも、そんなこと、できるわけなかった。目の前のごちそうをみすみす逃せるやつが、どこにいるだろう?
「あ、の」
 やめないで。たった五文字発音するだけでいいのに、私の喉が零すのは、蚊の鳴くような声だけだった。この期に及んで、羞恥心なんてものを覚えるなんて。
「きぃい」
 二十三号は小さく鳴くと、また触手で私の手を取った。でも今度は、捕らえようとしているわけではないらしかった。彼はそのまま、私の手を導いた。――とろとろになった、私自身のそこに。
 彼がどういう意図で私を解放したのか、わかった。放り出したわけじゃなかった。……自分自身を慰めろって、そういうことだ。
 もちろん、恥ずかしい。相手はそもそも人語すら理解できてないだろう相手だけど、見られてるってことに変わりはない。でも、そんなこと、もう関係がなかった。もう限界だった。あれも恥ずかしいこれも恥ずかしいじゃ、何も出来ないじゃんか。
「ん、くふ」
 指を、裂け目まで伸ばす。硬くなってきていた豆に、人差し指の腹で軽く触れる。
「あくぅ……!」
 ちょっと、ほんのちょっとつんって触れただけなのに、私の身体は私自身が驚いてしまうほどはっきりと反応していた。私だって自分ですることはあるけど、こんなになることはまずなかった。二十三号の毒は、私が想像しているよりずっと、私の身体を冒していた。
「あっ、く、ひぅ! は、っ、あぁ、あっあっ」
 目の前の二十三号のことなんて、忘れてしまっていた。もう止められない。だって、気持ちいいんだもの。私のそこは、指が出入りするのに合わせてくちゃくちゃと音をたてる。待ちに待ったものに喜んでいるのが、音からも分かる。頭のなかは、幸福感でいっぱいになっていた。
「あぅ、はっ、あ! や、あ、はぁっ、あ、ああっ!」
 恥ずかしいとか、そんなことはもう、ほとんど頭のなかから消えていた。だって、どうせ誰も来やしないし、大声あげたって水の音がかき消してくれるし。だから私は、気持ちよさにもっともっと没頭していった。
 私はエンジニアだ。で、エンジニアってのは、一度知りたいと思ったことについて、とことん突き詰めないと気がすまないやつだ。私もそうだ。もっとこの気持ちよさを調べなくっちゃ、気がすまないんだ。
 くっりくりっと、いろんな尖りを指先で苛める。自分の身体だからこそ、躊躇いも遠慮もなかった。わけがわからなくなるような気持ちいいのが身体を駆け巡って、私はがくがく震える。これが、私の欲しかったものだった。
「はっ、あん、ふぁ、はぁ、あああ……んッ」
 眼前に、触手が一本突き出されていた。他のとは様子が違う。ちょっとだけ赤味が強くて、先端はくびれていて小さな穴が空いている。その姿は、私にあるものを連想させた――男の人の、おちんちん。これは、あれにそっくりだった。考えてみれば、二十三号だって生き物だ。生殖器がついてても、不思議でもなんでもない。もちろんこれが彼のおちんちんだなんて証拠はないんだけど、そうだって私は確信していた。だって、見ててこんなにもどきどきするし、お腹の奥がきゅううってなるんだもの。……女の子は、やらしいきもちになったら、そうならずにいられない。おちんちんは、女の子をやらしいきもちにさせるものだ。
 そして私は、彼がどうしてそんなものを見せていたか、ちゃんと理解していた。今私がなにをしなくちゃいけないのかも、ちゃんと。したことはないけど、きっと上手にできるはずだ。だって私、こんなにもやらしい気分になってるんだもの。
「いただきまぁす」
 二十三号のおちんちんは、咥えるには太すぎた。それでも私は口を一杯まで広げて、それをやっと口の中に迎え入れる。
「んくっ……」
 二十三号のおちんちんは、彼の他の部分と同じように、粘液でべっとべとだった。唇も顎も、すぐべとべとになる。それだけじゃない。彼の中だってそうだ。女の子を女の子にしてしまうあの危険で魅力なお薬を、私は舌で、粘膜で味わっていた。それは意外なことに、蜂蜜を煮詰めたくらいに甘かった。頭がくらくらしてしまう。そのくらくらは、自分のしてることがどれだけ恥ずかしいことかとか、ふしだらなことかとか、そういう道徳的なことを私に忘れさせた。頭からそういうことが消えて、その代わりに入ってきたのは、もっとほしい、気が済むまで味わいたいという思いだった。
「あぷ、はむ――ん、くちゅ、ふむ、んんぅ」
 頭を前後させて、彼のを唇で扱く。舌を這わせて、とろとろとあふれる魔法の蜜を舐めとっていく。おいしい。私は今、とっても幸せだ――おちんちん舐めておいしいとか幸せとか、まるで変態だ。まぁ、でも、変態と言われて反論する余地なんてない。こんな得体のしれないやつ相手にこんなことしてる時点で、十分すぎる変態だ。
 妖怪は精神的な生き物だ。だから、自分がどういう存在下認識することは、そのまま自分の行動に色濃く影響する。変態だって認識したら、変態らしく振る舞うんだ。
「んむふっ! む、くぅ、ふぅうッ!」
 口から摂取した媚薬で、私の身体はもっと火照る――それどころか燃えてるみたいだった。ああ、河童は水に棲む妖怪だから、こんなに熱いのはだめだ。早いところ、冷まさなくっちゃいけない。でも水じゃ駄目だ。それは河童のやり方であって、変態のやり方じゃあないもの。
 ちゃんと、私向けの手段はあった。二十三号がくれていた。両腕が自由だ。それで、身体の敏感なところをまさぐっていく。痛いくらいに尖った乳首をぴんっと弾いて、沼みたいになってる割れ目を掻き回す。きもちいい。……けど、これじゃまだまだだ。もっともっと、気持ちよくなりたい。イきたい。何もかもわからなくなるくらいに。
「んふぅうっ! う! んっう、う、ン、ふ、むぅううっ!」
 問題解決のために妥協してるようじゃ、エンジニアの名折れだ。私はただひたすら、きもちよくなることに没頭する。私の身体は楽器みたいになっていた。くちゃくちゃってやらしい音に喘ぎ声が華を添える、そういう楽器だ。我ながら、今してる演奏は、結構いい出来なんじゃないかって思った。
「じゅぶ、くむ、んっ、ふ、んんむ、あぷっ、……んふぅ」
 自分の気持ちよさはもちろん大事だけど、片手落ちじゃいけない。彼のを悦ばしてあげることも、私はちゃんとやった。唇で吸い付いて、ぬるぬるする幹を扱いていく。舌先で先っちょをくりくり弄る。それはたまにびくん、びくんって震えた。……ほら、ちゃんと上手にできてるじゃんか?
「んふぅ、くぷ、ンッ! んぅ! ぅ、むっ、んンン、くぅ、ふむぅ……!」
「ぎぃぃッ」
 二十三号がまた鳴いた。彼の言葉なんて分かりようもないけれど、それがどういう意味かは、手に取るように分かった。私の口で、気持ちよくなってくれてるんだ。
 そうやって良い反応を示してくれると、こっちも嬉しいしやる気になる。やる気になって一生懸命やれば、沢山の汁を取り込むことになって、私自身も気持ちよくなる。
「んっ、ぅ、んっんっんっんぅうッ、ンッ、ンぅうう!」
 お腹の奥がきゅんきゅんする。腰が浮いてきて、代わりに指の動きがどんどん速くなっていく。終わりが近づいてるのが分かる。待ち遠しさと惜しさ、両方を覚えた。
 そろそろ限界なのは彼も同じみたいだった。口の中でおちんちんが膨らんできてるのがわかる。それが何の予兆なのかなんて、考えるまでもないことだった。まもなく来るんだろう瞬間に、私は心躍らせる。
 そして、それは来た。
「んくぅッ……!」
 口の中で爆発が起こった。誰も傷つけない、それどころか幸せにする、優しい爆発だった。おちんちんがびくっびくって脈動する。それに合わせて、とびきり熱いのがびゅくびゅく口の中に流れ込んでくる。濃くて、粘っこくて――そして、他の何にも比べられないくらいおいしかった。ちょっと苦くて、しょっぱくて、生臭くて、女の子を馬鹿にしちゃう、それが二十三号の精液の味だった。なんでそんなのをおいしいと感じるのかって、今の私が変態になってるからだ。次から次へと注がれるそれを、こくこく飲み込んでいく。もう口の中いっぱいで、そうでもしなくちゃ口が破裂してしまいそうだったからだ。二十三号のは、匂いも味もたまらない。たまらなかったらどうなるのかって、簡単なことだ。――私も、イッちゃうんだ。
「ん、く、むっ、ぷはぁっ、あは、あああああああっ……!」
 背中が反った。いきおい、それから口を離してしまった。白いいやらしいのが勢いよく飛び出して、私の身体を汚していく。いや、汚すなんて表現、二十三号に失礼だ。これはお化粧。変態のための立派なお化粧だ。
 顔や胸を飾り立てながら、私はイッていた。やっぱり、一人でするときなんかよりずっとよかった。全身を、電気が駆け抜ける。私の身体のあらゆるところを打って、痙攣させる。でも、それは苦しくなんてなかった。むしろ、桃色のふわふわした雲に包まれているみたいに柔らかくて、優しかった。
「はぁ、んぁ、くぁっ、あはぁぁあ……ッ!」
 心の底から気持ちよくて、声が止まらない。ぜんぶ、滝の音がかき消してくれた。でも、滝がなかったとしても、我慢なんてできっこなかったろう。そんなことを気にしてる余裕なんてなかった。鉄砲水に巻き込まれたときに、服が汚れるだとか考えていられないのと同じだ。鉄砲水と違って、この気持ちよさはとっても素晴らしいものだったけれど。
「ひっ、く、あぁっ、はぁ、ぁぁ……」
 できれば、ずっと味わっていたかった。でも、そうもいかなかった。山を登ったら、当然、下りるときもくる。私の身体も、頂点を越えて、山を下りはじめていた。
 全身で荒れ狂ってた快感が、体の末端にたどり着いてはすうっと抜けていく。硬直していた身体から、その反動みたいに力が抜けていく。残るのは、溜まってたものがすっきり落ちたような感覚だった。疲労感はあったけど、それは心地よい疲労感だ。余韻っていうのは、こういうののことをいうんだろう。
 ……でも、それでもまだ足りてはいなかった。というか、もっとひどくなっていた。私はようやく、自分の間違いに気づく。世間一般がそう捉えるのと同じように、私は欲望を、火のようなものだと考えていた。水でもかければ消えるだろって。違うんだ。身体の疼きは、自慰なんかじゃ癒せたりはしないんだ。ホントの行為が――男の子と女の子の行為がなくちゃ、消えてくれはしない。
 岸辺で、ころんと仰向けになる。そのまま脚を開く。恥ずかしいトコが丸見えだ。……それでいいんだ。見せてあげてるんだから。二十三号の触手は、興奮したみたいにぐねぐねって蠢いていた。もっと見ていいよって言う代わりに、指先で割り開いてあげる――私の、とろっとろの穴を。まだ、だぁれも受け入れたことのない、初めての穴を。……好きな人ができたらあげよう、なんて思ってたりした。でももういいや。本当に気持ちよくしてくれる相手が見つかったのに、なんでそんなこと考える必要があるだろう?
 でもそれだけじゃまだ足りない。なにかを人にしてもらおうと思ったら、ちゃんと言葉にしなくちゃ。だから私は、口を開いて、彼のことを誘う。
「ね、二十三号。私として? 私の初めての穴に二十三号のおちんちんねじ込んで、ぐちゅぐちゅってわけわからなくなるくらいたっくさん、たぁっくさん動いて、掻き回して、めちゃくちゃにして――私の穴が二十三号のの形に変わって、二十三号専用になったら、ご褒美にたっぷり白いの頂戴? びゅーっ、って、一番奥の奥で熱いの射精して、お腹の中の、女の子の一番大事なとこに沢山注いでほしいなぁ。そしたらお互いにいっぱいきもちよくなれると思うし、……女の子に種付け、できるよ?」
 最後、二十三号にメリットがあるみたいに言ったけれど――おためごかしだった。ホントは私が、女の子である私が、種付けを望んでやまなかったんだ。だってそれは、女の子にとってとっても幸せで、気持ちよくて――最高のことだっていうじゃないか。どうせ気持ちよくなるんなら、一番気持ちいいのがいいに決まってる。たとえそれで、新しい命が私に宿ることになっても。――っていうか、もうそんなこと、どうだって良かった。そんなことを気にするくらい理性的なままだったら、そもそもこんなことしちゃいないだろう。
「ぎぃいい」
「っ……あはっ」
 二十三号の鳴き声を、相変わらず私は理解できない。でも、意味は分かった。答えは、イエスだ。腕と足、それから腰に巻きついて私を宙吊りにする触手を見れば、誰だって分かる。今のは、宣言だ。私の底が開いたまま閉じなくなってもやめてなんてやらないぞっていう、傲慢な宣言。私はそれに、悦びとときめきを覚えた。
「あんっ」
 二十三号のおちんちんが、私の入り口に押し当てられる。くちゅっ、って小さな音がして、私は声を零した。期待に濡れた、我ながらやらしい声だった。女の子の声だ。だって、期待せずにはいられないじゃないか。二十三号のおちんちんは、また粘液でぬるぬるしていた。そんなのを、今まで誰も受け入れたことのない場所で受け止めるんだ。どんな風になってしまうか、考えただけでイッちゃいそうだった。
 ――でも。
「え、あの、え?」
 私の期待とは裏腹に、二十三号はそれ以上、立派なそれを前に突き出そうとはしてくれなかった。押し当てられたそれの先端は、少しだけズレて、別の穴の入り口――いや、出口に向けられた。
「え、待って、無理でしょそこは、普通に」
 だってそこは、入れるトコじゃなくて、出るとこだもの。
 二十三号は、信じられないことに、私のお尻に入り込もうとしていた。正直、彼が何を考えてるのか分からない。私は拒絶しようとする。そりゃまあ、河童は尻子玉を抜くとかいうけど――だからってそんなところでするなんて。
「ぎぎっ、きぃぃ」
 だけど、二十三号は許してくれなかった。身をよじって逃げようとする私を、触手は逃がそうとはしなかった。自分は間違ってないって、そう言わんばかりだった。
「んひっ――」
 ぴとっ、と、普段なら触りもしない場所に熱いものを押し当てられて、思わず変な声が漏れる。いや、これは――無理でしょ。前の穴は挿れられるための場所で、かつ産むための場所だけど、こっちは完全に出す専門、一方通行だ。そんなとこにこんな太いの入れたら、間違いなく痛い。裂けるかもしれない。私が欲しいのは気持ちよさであって、痛いのは御免だ。
「ま、待って、待ってってェッ」
 懇願するけど、二十三号は聞いちゃくれなかった。押し当てられたおちんちんが、ぐっ、ぐっ、って、ちょっとずつちょっとずつ私の中に入り込もうとしてくる。普通そんなところに何かが入ってくるなんてこと、ありえないのに。
「はっ、く、うぅうううううっ」
 ものすごく強烈な違和感を覚えた。あっちゃいけないことが起きてる感じだ。実際、これはあっちゃいけないことだろう。そんなとこに、おちんちん挿れるなんて。私はただ、奥歯を噛み締めて堪えるしかなかった。両手両足に腰まで取られた宙ぶらりんの状態じゃ、それ以外に大したことなんてできやしなかった。
 せめてもの抵抗に、私は限界までお尻に力を込める。そしたらちょっとは、侵入を拒めるかなって。でも無駄だった。二十三号のは粘液でぬるぬるだ。それが潤滑液の役割を果たして、私の門は簡単にこじ開けられてしまう。
「かはっ、うぁ、くううっ」
 みちっ、みちって、肛門が嫌な感じで悲鳴をあげてるのを感じた。噛み締めてた口が勝手に開いて、喉の奥から乾いた息が零れる。気持ちいい、なんてことはなかった。どっちかっていうと、苦しい部類だった。
「はぁぁッ、はぁっ、はぁっ、……かはっ、あぁ」
 二十三号の動きが、一旦止まる。その間にどうにか呼吸を整えようとするけれど、全然駄目だった。お尻から、ぞわぞわした壊滅的な感覚が全身に広がる。こんなの、一年かけたって慣れられそうになかった。
「ぎっ」
「う、っ、動かさ、ないでぇっ……」
 ゆっくりと、二十三号は小さく動き始めた。私の懇願なんて、やっぱりお構いなしだった。首をぶんぶん振り回して、気を紛らわせようとする。動かせる場所なんて、それくらいだった。当然、そんなんじゃなんの誤魔化しにもならなかった。
 でも、そんな状態もちょっとずつ改善――それか悪化していった。慣れっこないと思ってたけど、二十三号にはそうさせる手段があった。例の粘液だ。
「はっ、くぅ、ふ、ぁ、うう」
 そもそも妖怪の身体は頑丈で、痛みや苦しみに対する耐性は高い。その上で、あの汁を、身体でも一番吸収力の高い腸に塗られたりなんてしたら? そりゃ、出すための場所が、挿れられるための場所に造り替えられてもおかしくはなかった。
 私を苛んでいた圧迫感は消えつつあった。いや、消えちゃない。姿を変えたんだ。きもちよさに。その二つは、全く違う何かじゃない。一つのものの同じ側面に対して、異なる捉えかたをした結果だった。辛いものを食べた時の舌のひりひりする感覚を、痛みと捉えるか美味しさを捉えるか、そういう違いに似ていた。
「あぁっ、あーぅ、は、くぅうっ」
 認めたくないことだった。そんなところにおちんちん挿れられて、よりにもよって感じちゃってるだなんて。だってそんなの、まるで変態じゃないか――あれ? 私は変態だった。じゃあ、これ、何の不思議もないことなんじゃ?
 気づいてしまえば、後は早かった。心にわだかまっていた抵抗感は、あっという間に失せていった。代わりに、お尻の気持ちよさをもっともっと沢山って我がままな声が、心の中でこだましはじめる。
「あはっ、ンッ! ひん、ぁ、くぅんっ」
 私の声は、呻き声から喘ぎ声へと変わっていく。色っぽい、やらしいそれになる。私の変化に気づいたのか、二十三号はさっきより大きく、大きく動き始める。ぬちゅ、ぬっちゅと、粘っこい音がする。私のお尻の穴が、造り替えられる音だ。その悦びに、私は媚びた声をあげる。彼の動きに合わせて、やらしく腰をくねらせる。それくらいは、この素晴らしい気持ちよさを教えてくれた礼として当然ってものだ。
「あっはっ! はぁ! あぅあ、ひっ、く、ンンンッ!」
 私はすっかり、新しい気持ちよさに没頭していた。おちんちんが出入りするたび、背骨を引っこ抜くような気持ちよさが全身に走る。前の穴を弄った時の、全身に電気が走るようなようなびりびりする感覚とは全然違う。身体を暖かい泥の中に沈めて、どろどろになるまで煮こむような、そういう、力の抜けてしまう気持ちよさだ。
 ……そうしてお尻の快感を堪能していたのに、不意に我に返ることになる。
「あっ」
 マトモに動いてなかった頭が、冷水をぶっかけられたみたいにクールダウンした。私のお腹の中で、二十三号のが何かにぶつかった。腸壁じゃない。もっと柔らかい。
 腸の中にありえる異物なんて、一つしかない。それが何なのかなんて、考えるまでもないことだった。それがそこにあるのは、不思議なことでもなんでもない。だって、お尻って、それを出すための場所なんだから。
「ちょ、うぁ、やだ、ちょ、ちょっと待って、ホントに」
 それがそこにあるのは当然なのだけど――そんなこととは関係なく、恥ずかしい。だって、うんちなんて。私は身をよじった。でも、二十三号は離してくれない。それどころか、そんなの気にしないって言わんばかりに、また動き始めた。私を辱めようとしてるのか、さっきより動きを大きくしていく。
「あぅッ、や! ひんっ、待って、や、やぁ、んぁ、ホントにッんんんぅう!」
 辱めるのが狙いなら、大成功だった。恥ずかしいやらなにやらで、頭の中はぐちゃぐちゃだ。ぐちゃぐちゃなのは、お腹の中もだった。二十三号は、自分のおちんちんで、私のお腹の中のものを突いて、突いて、ぐちゃぐちゃってこね回していた。
「んァあッ! はぅ、あっく、ひぁ、くあっ、はぁああっ」
 そうやってとんでもないことされてるっていうのに、私ときたら、これまで以上に気持ちよくなっていた。粘液を直腸に直で塗りこまれたっていうのもあるけど、それ以上に、私が自分を変態って認めちゃってたのがキいてた。一般に受け入れられないようなこと、思わず目を背けたくなるようなことこそ、変態の土俵だ。今してるこれに、ハマらないわけがなかった。もっとこのとんでもない遊びを楽しみたい、気持ちよくなりたい。
「あっは、二十三号、おねがい、もっとわたしのうんち穴ほじほじしてっ、お腹の中、ンぁっ、ぐちゃぐちゃのとろとろにして、びゅーって、びゅーってしてぇっ」
 バカになっちゃった私の恥知らずなお願いを、二十三号はちゃぁんと聞いてくれた。ぐぽぐぽって音をたてて、めくり返っちゃいそうなくらい激しく、私のお尻を犯す。私の声は、自分で聞いても気持ちよさそうだなって思うものになっていた。私のお尻はとっても欲張りで、ホントは出すのが専門のくせに、おまんこみたいにおちんちんを頬張って、おいしいおいしいって言ってた。
「ねっ、二十三号、こっちも、お願い、寂しいよぉっ」
「ぎぎっ」
 空腹のときに目の前で美味しそうなものを食べられたら、辛いに決まってる。前の穴は、お尻が悦んでるのをすぐ側で眺めて、とろとろとろとろ涎を垂らしていた。私だって欲しい! って、大声でわがままを言い出す。それは私じゃどうにもできないけど、二十三号ならなんとかできるはずだた。
 でも、彼は意地悪だった。私を雁字搦めにしていても、触手はまだ何本も残ってる。その内の一本で私を貫くことくらい、どうってないことのはずだ。なのに、彼は何もしてくれなかった。今の鳴き声の意味はこうだ。大事な大事な処女だから、奪うのは今みたいなついでじゃなくて、もっとちゃんとしたときにしようって。
 でも、彼は、ものごとを完全に放り投げるような無責任なことをする奴じゃない。両腕の拘束をずらして、肩を押さえる形に変えた。相変わらず逃げられはしないけど――まあ、逃げるつもりもないけど――とりあえず、腕だけは動かせる。それで何をするべきかなんて、生まれたての赤ん坊でもわかることだ。
「はっ、ひぃんんんっ! ぁ、なに、なにこれっ、すごっ、しゅご、あぅあ、はひ、えぁ、ひっ、んはぁぁああう!」
 また指を、狭い肉穴の中に潜り込ませる。頭を金槌で叩いたような衝撃が走って、私は背中を反らせた。さっきとは比べ物にならないくらいよかった。気持ちよくて、気が狂ってしまいそうなほどだ。理屈は分からないけど、原因は分かる。お尻の穴を、弄くりまくられてるからだろう。
「ひゃあぁ、ンあはひ、ほっ、あひっ、あは、んんぅううぉ、はッ、ああぁぁあ」
 全身ががくがく痙攣する。腕もだ。その滅茶苦茶な動きが指先にまで伝わって、私の膣内を掻き回して、それがさらに私を狂わせる。なんてこった、これ永久機関だ。気持ちよさの永久機関。ぷしっ、ぷしって、私のそこは恥ずかしいお汁を撒き散らす。
 そんな状態になっても、私は私の奥にある、純潔の膜をうっかり破いたりはしない。だって、そこは二十三号にあげるって約束したんだから。それに、処女っていうのはやっぱり、指なんかじゃなくておちんちんに散らされてこそだと思うんだ。
「あっ、もうだめ、もう限かひぃっ、んぁぁあ、イくぅ、くるっ、くる、くるのぉっ、きちゃうよぉおっ」
 永久機関だと思ってたけど、よくよく考えたら違う。だって終わりがあるんだもの。ただでさえお尻だけでもギリギリだったっていうのに、前の穴まで気持ちよくなれば、そこに辿り着くのはあっという間だった。そこはもう目の前だ。だから私は、二十三号にそのことを知らせる。それは、男の子に対する女の子のお仕事の一つだからだ。
 二十三号もイきそうなのが分かる。お腹の中で、彼のがむくむくって膨らんでる。
「あはっ、いいよ、お願い、ちょうだい、射精して、射精して、私のお腹、真っ白になるくらいたぁっくさん射精してぇっ」
 彼が心置きなく射精せるように、声をかける。女の子として当然の心遣いで、私の本心でもあった。だって、こんなに昂ってるのに中に射精してもらわないだなんて、どう考えてもありえない話だから。
 そして、そんな私の考えを、彼はちゃんと汲んでくれた。腸ごと引きずり出そうとしてるんじゃないかってくらいに激しく、容赦なく、奥の奥を荒らしまわる。お腹の中はもうぐちゃぐちゃのどろどろ、でも、これからそこに白いのが加わって、もっとぐちゃぐちゃのどろどろになるんだ。
「あぅァ、イッ、ひ、く、イくぅううっ、あっ、はへっ、あぅあっ、は、ひっ、くひ、イくイくイッ、はあぁああーっ!」
 私の喉から上がったのは、トランペットを思いっきり吹き散らかしたような、かん高い悲鳴だった。悲鳴といっても、それは当然、苦しみや痛みからくるものじゃない。
 身体の奥から、ぶわぁー、って、いったい今までどこに隠れてんたんだってくらいの気持ちよさが湧き上がって、私を満たした。いや満たすなんてもんじゃない。私のちっぽけな身体に収めるには、あまりにも多すぎる快感だった。一人じゃ、湖の水を飲み干すなんてことはできっこない……けど。湖の方は苦行か拷問だけど、こっちは。一人じゃ消費しきれないなんてことが、こんなにも贅沢で幸せなことになる。
「あぅあぁ、はひっ、射精てっ、でてる、射精っ、しゃせぇされっ、っあひ、んくァ、はひぇ、んぃっ、あはぁああっ」
 そんな状態の中で、彼のおちんちんは爆発した。溶岩みたいにあっつくて、白くてどろどろしてるのが、私の中ではじけていく。私の身体を内側から、男の子の象徴、精液でたっぷりマーキングしていく。この女は俺のだぞって――そんなことされたら、なる以外にないじゃんか、彼のものに。
「んひゃぁあああっ、しょんな、ずぷずぷっ、だしながらっ、だひながらずぷずぷっ、駄目っ、だ、あぅぁはっ、ひ、あひゃぅあああああっ」
 所有物は、所有主に似る。逆もしかりだ。所有物である私がわがままで欲張りなら、彼だってわがままで欲張りだった。お腹が膨らむくらいの量を私の中に注ぎながら、二十三号はそれでもまだ足りないって、お腹の中でおちんちんを暴れ回らせていく。私が放り込まれたのは、嵐だった。暴力的なまでの、きもちいいっていう嵐。もう、何も考えられなかった。だって考えられるわけないじゃんか、こんなの。私はもう、ひたすら全身をびくびくさせて、自分が彼のものだってことを思い知っていた。その時間は、永遠に続くんじゃないかってくらい長く思えた。
 ……でも、長くは続かなかった。
「はひぅァっ、は、あひっ……んあ、は、くぁああ……」
 気づけば、地面に下ろされて、岸辺に寝かされていた。いつの間にか、彼は私の中から出ていっていた。終わっちゃったんだ。そんなことにも気づかないくらい、私の世界は真っ白になってたってことだ。気絶、してたんだろうか。意識はあったと思うんだけど、何も考えられないんじゃ、気絶してるも同然か。
 すごい勢いで痙攣してた反動なのか、全身ひどくだるかった。腕一本動かすのすらしんどくて、私はしばらく胸を上下させながら、ただひたすら呼吸していた。空気がうまいっていうのは、こういうときにこそ使う言葉だ。
 彼のが、目の前に差し出される。ついさっきまで、私の中にいたものが。べっとり、白いのと茶色いのとで汚れてた。誰のせいでこうなったかなんて考えるまでもない。自分が汚したんだから、自分で綺麗にしなくちゃ。
「あっ」
 起き上がると、お腹がぐるるるって音を立てた。よくよく考えたら、今、お腹の中たっぷんたっぷんだ。そりゃ音くらい鳴るだろう。気恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「ちょっ、ちょっと、やめてよぉ」
 二十三号は細い触手を伸ばして、私のお尻の肉をかき分けると、入り口をくにくに刺激してくる。そんなことされたら、中のが出ちゃうじゃんか。腰をよじって逃げるけど、二十三号はそれについてきた。……本気、らしかった。
「う、う。わ、分かった、分かったから」
 出すとこを見せろって、そういうことだった。排泄だなんて――見せるようなものじゃなけれど、私は命じられるがまま、彼の方にお尻を向ける。もちろん恥ずかしい。でも、私はもう彼のものだから。所有物は所有者の言うことをちゃんと聞くものだ。
「その……幻滅とか、しないでね」
 言って、お尻に込めてた力を緩める。途端、お腹に溜まってたどろどろの熱いのが、下品な音を立てて流れだし始めた。
「くっ、ん、あぁっ、はあぁああ」
 それはただの排泄行為、もっと簡単にいえばうんちしてるだけだったけど、普段のそれとはぜんぜん違って、私は気持ちよさを覚えていた。こんなとこを見られてる。射精された精液、出してるとこを。これ以上ないくらい変態だった。私にぴったりだ。
「あぁぅ、出てる、ぐちゃぐちゃのくっさいの……あはぁっ」
 お腹の中に溜まってた茶色いのが――彼に散々こね回されたのが、精液に混ざって出てくる。ひどい臭いだった。けど、彼がその臭いで悦んでくれてるっていうのは、何となくわかった。
「はぁ、は、っ、あぁ」
 全部、出た。お腹の中たっぷんたっぷんだったのが、今じゃすっからかんだ。凄くすっきりした気分だけど、同時に寂しさみたいなのも覚えた。愛してもらった証が、なくなっちゃったように感じたからだ。
「ぎぃいッ」
「んっ、あ――うん、いいよ、おねがい、もっとちょうだい? 出した分、私に」
 でも、大丈夫だった。二十三号が、また触手を私の身体に這わせる。お尻の穴に、おちんちんを押し当てる。それは二回も射精してるっていうのに、さっきよりも硬く、熱くなってた。私の姿で、興奮してくれたんだ。
 またシてもらえる。お尻を高く掲げて、自分から、犯してもらいやすい姿勢になる。彼のが、中に入り込んでくる。もっともっと、この気持ちよさを知ることができる。その幸せに、私の心は期待に疼いていた。
夜伽話に投稿を初めてちょっとくらいのころからずっと友人に「にとりの触手モノを書け」と言い続けてきたのですが、一向に書きゃアがらねぇので自分で書いたものです。
にとりは気持ちよくなると頭ぱーになるとええな。
喚く狂人
http://wamekuaeguononoku.wordpress.com/
コメント




1.性欲を持て余す程度の能力削除
エロい、さすが河童エロい
触手でのアナル責めはいいものですね
2.性欲を持て余す程度の能力削除
ラストの公開排泄が抜群にエロい