真・東方夜伽話

メリーが好きでたまらない蓮子のお話

2014/05/04 12:23:00
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メリーが好きでたまらない蓮子のお話

しずおか
 メリーが祖国に帰ってから三日が経ちました。現在は日本標準時で8月10日午前1時です。
 私はあの日から眠れない夜が続いています。二日で5時間ほどしか寝ていません。
 私の中には大きな喪失感、虚無感が渦巻いています。心にぽっかりとスキマが空いてしまったのです。
 メリーは私のスキマを埋めてくれる人でした。満たされない心を塞いでくれる大切な人でした。
 あなたがいたから私は宇佐見蓮子でいられたのです。今の私は私でないように思います。数十キロの水と金属が混ざった動く有機化合物のように感じます。

 頭の中は常に思考がぐるぐると回り続けています。メリーといた記憶が走馬灯のようにかけていきます。
 先日行った旅館や、いつも行っているカフェや、大学の構内。いつもそこにはメリーがいます。
 それなのにどうして。
 どうしてメリーはいないの。
 今、どこにいるんですか。私の大好きなメリーは、どこに?

 この三日間、私は死んでいるも同然でした。惰性で生きているだけです。体重は3キロ減りました。
 顔がげっそりしてきて、瞳は薄く濁っています。肌が青白くなってきたように思います。
 メリーがいなくなった部屋は暗くて冷たくて真っ白で、終末を迎える患者の病室のようです。
 私は終末を迎えるのでしょうか。
 何も食べないで、何も飲まないでいると、勝手に死んでいくのでしょうか。
 生きる気力が失われていきます。少しずつ死に向かっているのが分かります。


 死にたい。


 でもやっぱり私は生きています。一日一食だけど、ちゃんと何かを食べています。喉が乾いたら水を飲みます。
 人間の、生物の本能ってすごいなって思います。ちゃんと食べたくなるし、眠たくもなる。
 もう一つ、私には性欲もあります。
 この気持ちを性欲と呼んでいいのか分かりませんが。私はメリーに触れたいし、触れられたいと思います。
 柔らかな感触と暖かい体温を感じたいと、夜になると布団の中でずっと考えています。

 さっきコンビニでマシュマロを買ってきました。柔らかくて甘くてふわふわのアレです。
 メリーに一番近い物を私の世界の中で探した結果、マシュマロだろうと思ったのです。
 バカみたいでしょう?
 一つ、口に入れてみました。舌で押すと柔らかい感触が返ってきます。噛み砕くとほんのり甘い味がします。
 ほんとにバカ。こんなのメリーじゃない。
 もう一口食べてみます。マシュマロは柔らかいし甘いけど、冷たいです。

 バカだ。私ってほんとにバカ。

 夜ってどうしてこんなに静かなんでしょう。静寂が私を四方八方から攻めたてて圧迫してきます。
 空っぽの心をさらに広げようとします。そのうち全てが空っぽになって無になってしまうようにさえ思います。
 今、枕を抱いています。枕は私の身体の正面を少し埋めてくれます。でも、枕は私の背中に腕を回してくれません。
 無機質で、冷たくて、それでも何かを抱いていないと不安になるのです。
 枕には腕も足も耳も目も唇も髪も鼻も胸も首も肩も背中も腰もおへそもありません。
 もちろん、女性器もありません。
 枕がマシュマロみたいに柔らかくて甘ければ、少しはメリーに近づくのにと思います。

 涙が止まりません。画面がにじんで、何を書いているのか分かりません。
 涙が、汗が、私から出ていきます。私の中の空白はどんどん大きくなっていきます。
 
 窓の外で誰かがこちらを見ているような気がしました。でも誰もいません。
 遠くで救急車のサイレンが聞こえました。
 私もあれに乗って運ばれたらいいのかもしれません。
 
 隣の部屋から物音が聞こえます。単調なリズムで繰り返し軽い音が聞こえます。
 女性の叫び声のようなものが聞こえました。いや、あれはもしかしたら喘ぎ声かもしれません。
 女性が絶頂を迎えたときに発する、あの声のような気がしてきました。
 隣人はこんな夜中にセックスしてるのでしょうか。愛を営んでいるのでしょうか。
 今すぐ壁を破って隣人を殺したいです。包丁で腹部をめった刺しにしてやりたいです。

 嘘です。たぶん、嘘だと思います。

 私はメリーとセックスがしたいです。もちろん、それは叶わないって分かってます。私は女です。
 ああ、メリー。大好きなメリー。
 夜になるといつもメリーの身体を思い出しています。メリーの手の感触が一番鮮明に思い出されます。
 私の身体の外側を、内側をいじるメリーの手や指先。その指が触れるたびに、私は幸せを感じていました。
 メリーの指が私の身体に触れるたびに、メリーが私の中に入ってくるのです。私のスキマを少しずつ埋めていくのです。
 すべて埋められ、満たされると、私は大きな性感に襲われ、絶頂を迎えます。
 頭が真っ白になって、視界が暗転して、でも心には大きな充足感があって。
 
 たまにメリーは私がイッた後も責めてきますね。私はイヤイヤと言っているけど、ほんとはとても嬉しいのです(分かっていると思うけど)。
 快感が次々に襲ってきて、何も考えられなくなる瞬間が、一番メリーを感じているのです。
 思考が停止され、理性というリミッターが解除されたとき、私は最も大きな充足と満足と、メリーの愛を感じることができるのです。
 いつも私ばっかり気持ちよくさせてもらってごめんなさい。
 ああ、なんだかムラムラしてきました。

 メリーと抱き合いたい。今の私なら抱き合うだけで嬉しくて泣いてしまいそうです。
 首筋にキスされながら下を触られたら、それだけでいっちゃいそうです。

 なんだか話が逸れてきました。
 最初は鬱々として死にたいと思っていたのに、何故かメリーの妄想が始まってしまいました。
 でもこれでよかったのだと思います。
 自分の気持ちをこうしてアウトプットすることで、楽になって前向きになれるなら。

 書き終わったあと、私はメリーのことを思って一人身体を慰めるかもしれません。
 気持ち悪いと思ったらごめんなさい。

 一番上の文章と今の文章を比べてみると驚きしかありません。
 つい数十分前の私は今にも死にそうだったのに、メリーのことを考えるだけで元気が出てきました。
 やっぱり私はメリーがいないとダメなんです。メリーがいないと、私は……。

 早く帰ってきてください。こんなところに書いてもそうはならないと分かっています。でも書いてしまいます。
 書いている間は気持ちが鎮まります。だから私はこうやってダラダラと長い文章を書き続けています。
 誰に見せるわけでもないのに。自分ですら二度と見ないかもしれないのに。

 ああ、終わりたくない。書き続けたい。布団に戻るのが怖い。
 いやだ。いやあ。


 気持ち悪い気持ち悪い

 ああああああああああああああああああああああああああああ

 めりいいい
 私のめりい
 めりい


 gdんk;りあおhぶなg;ぇ

だknおじへうgsbjんrkh

 lgm

 ごめんなさい
 全部私が悪いです。
 誰も悪くありません。
 全部私のせいです。

 死にたい

 

 洗面台にカミソリがあるのが見えます。
 私の腕があと2メートル長ければ、私はあれを手に取って頸動脈を切るのに。
 だめだと分かっているのに。

 書きながら、いつか眠くなって寝てしまうことを期待します。
 布団に戻りたくないし、書き続けていないと狂ってしまいそうだから。
 夏だからたぶん、風邪は引かないと思います。でも一応、毛布をかぶっておきます。
 どうしたら眠くなるのでしょうか。いつもこんなこと考えている間は眠くならないということは分かっていますが。
 
 メリーと抱き合って眠った夜を思い出します。
 やはり暖かさと安心が睡眠には大事なのでしょうか。
 誰か私を抱きしめて一緒に眠ってくれないのでしょうか。

 いるわけないということは分かっています。
 私はいろいろなことについて分かっているつもりです。

 メリーの声が聞きたい。せめて、声だけでも。
 優しい声で「蓮子」って言ってほしい。
 声だけでも













 ふと私はパソコンの横に髪の毛が落ちているのを見つけた。
 金色でふわふわとした毛質のそれは、間違いなくメリーの髪の毛だった。きっとメリーがここに来た時に落としていったんだ。



 
 メリー? メリーじゃない。ずっとそこにいてくれたのね。
 私の姿見てた? 傍から見たら気持ち悪かったかもね。でも、いるならいるって言ってほしかったわ。
 三日もメリーがいない日を過ごしたのよ。




 30センチくらいのパーマのかかった一本の金髪に私は話しかける。私はそれがメリーの化身だと確信していた。


 三日ぶりね。いや、ずっといてくれたのかしら。この際どちらでもいいわ。
 ねえ、「蓮子」って呼んでよ。私、それだけで身体が熱くなっちゃうわ。嬉しくて涙も出ちゃう。


「蓮子」

「あっ……。んっ」


 ほんとうに聞こえる。確かにメリーの声が聞こえる。私の頭に響いたその声は全身に広がり、細胞を活性化させる。
 涙がぽろぽろと零れていく。胸が詰まって嗚咽が漏れた。

「んっ、ねえ、メリー、ぎゅってして」

 私は枕を抱きしめる。さっきよりずっとあったかいし、柔らかい。
 メリーの身体の感触が蘇ってくる。私の身体に押し付けられる豊満なバストが、少し憎たらしい。
 
 メリーの指が、私の身体を静かに這っていく。私は下着姿になった。

「あっ、んん……。メリー、メリー……」

 細い指先で身体をパーツごとに撫でるように触られる。耳の裏や唇やふとももを触られると、私はビクンと身体を跳ねさせる。
 膝の裏からふくらはぎ、足の指先まで丁寧にマッサージされる。メリーの手や指は私の身体よりも熱い。
 胸を揉まれるころには、私は既に下着の内側を濡らしていた。

「ひゃっ、んっ……そんな、だめぇ……」

 胸を包み込むように優しく揉まれる。たまに乳首を指で弾かれて私はたまらず声を漏らす。
 気持ちいいよ……。めりい。

「はぁ……、ん、んはっ……ああっ」

 下着の中に手が入り、トロトロになった秘部に指が触れる。
 そのころにはもう私の身体はパンパンに張りつめていた。

 突起を少し擦られただけで、私は絶頂に達した。

「んっ……あああああっ!」

 座っていられなくなった私は畳に仰向けに倒れこんだ。
 腰のあたりがプルプルと震える。下着をすべてとっぱらった。

 中指が秘部にあてがわれ、ゆっくりと私の中へ挿入されていく。

「あっ、ああっ、はぁ……」

 トロリとした粘液が秘裂から漏れている。指が出入りするたびに、ぬちょぬちょといやらしい音が響く。

「ああっ、めりいっ、んっ、はあっ」

 メリーの指は私の中の敏感な部分を責めたてる。ゾクゾクとした感情が湧き上がってくる。

 頭がどうにかなっちゃいそう。

「そこっ、だめぇっ、いやぁっ……」

 太ももや腰が軽く震える。新たな絶頂が迫ってきている。
 そこへメリーはもう一方の手で同時に突起をいじり出した。

「いやあっ! いっしょにしちゃぁっ、ああっ!」

 何かが弾けそうなほど膨らんでいく。パンパンで苦しいくらい。
 頭が真っ白になっていき、思考がシャットアウトされていく。

「あっ、ああっ、いっ……ちゃうう」

「蓮子」
「!?」

「ああっ、あああああっ!」

 メリーが最後に発したその一言で、私は絶頂を迎えた。腰が高く浮き上がり、背中が畳につかないくらい反り返る。
 思考が溶けていく。視界が真っ白になり、そして闇に包まれる。
 何もない真っ暗な世界で、メリーの指だけを私は感じている。私の中に確かに存在するメリーの指を。

「んあっ!?」

 終わったかと油断していた私に、なんとメリーは責めを再開したのだ。

「いやあっ! まって!」

 指の抽送が再び始まる。同時に突起も指の腹で擦られる。

「今、イッた、ばっかりなのにっ……あああっ!」

 三度目の絶頂はすぐそこまで来ていた。私は快感で頭がおかしくなりそうだった。

「めりい! めりぃっ!」

 壊れちゃう。バカになっちゃう。

 内部の敏感なところを責められ、次の絶頂を迎える。しかしメリーは指を止めようとしない。
 理性が飛んでいく。リミッターが外されていく。
 次々に絶頂に襲われ、膣どころか身体全体が痙攣を始めた。

「あああああっ!」

 もうなにも考えられない。

「メリー! めりいいっ!」

「蓮子」

 また声が聞こえた。

「んあああああっ!」

 身体がビクンと跳ねた。目の前が点滅し、ブラックアウトする。
 処理しきれないほどの快感が頭に身体に流れ込んでくる。
 腰が何度も跳ねる。私の身体すべてが快感を受け止めている。

 喉がつまって息がうまくできない。
 何も見えないし何も聞こえない。
 暗く冷たい世界に入っていった。

「はあっ……ん、はぁ……」

 それでも、スキマを埋められたという充足感だけはしっかりと覚えていた。

「メリー、大好き……めりぃ……」

 私の中に確かにメリーがいる。
 そしてここにも。

「愛してる……」

 枕と一緒にメリーの髪の毛を胸に抱く。メリーの化身。メリーそのものと言ってもいい。
 もうここは冷たくて暗い部屋じゃない。
 だってメリーがいてくれるもの。

「今夜は抱き合って眠れるわね、メリー」
「そうね」

 メリーが私の中にいる。そう感じながら眠りにつける。
 私は幸せで、満たされている。


 金髪を胸に抱きしめる。胸に強く、押し付ける。
 私の身体に埋め込まれていけ。
 私の身体に入っていけ。

 メリーが私の中へ……





 大好きよメリー。
 
 愛してる。





 

 おやすみなさい。
五作目です。お久しぶりです。
一応、二作目の「マエリベリー・ハーンの闇」の後日っぽいです。既読の方はたまに出てくるワードが分かるかもしれません。未読でも問題はないかと思います。

良いと思って頂けたら、コメントしてくださると嬉しく思います。
できるだけコメント返信もします。
6/23 加筆しました。
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1コメさん
そうですね。書いていてもとても哀しい話でした。
儚くもろい蓮子を書こうと思っていたので、こうなってしまいました。
しずおか
コメント




1.ASA削除
なんか・・・読んでいて哀しくなる話でした
でもこれもまたいいかな〜なんて(おぃ
2.Yuya削除
哀しいどころかニヤニヤしながら読んでた