真・東方夜伽話

SM秘封

2013/12/31 20:53:45
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SM秘封

やまだ士郎

※秘封がソフトSMするだけの話。そういったお話が苦手な方はご注意

薄暗い室内に響く女の声。シングルベッドの上で裸体を絡ませる女二人を映し出すのは月光だけ。
「ん……あっ、んん」
呼吸を意識して抑える女の肌は快感から汗ばみ色が増していた。
尖り切った乳首を舌先で舐めあげる。声を押す殺す女に追い討ちをかけるようにぬめりを帯びた秘裂を指で弄り回した。
「や……そこだめぇ、んんっ」
零れた言葉ごと唇で封じ、指をがむしゃらに動かす。加減もない愛撫に女は腰を上げ、与えられる快感に溺れた。
「も、無理……れんこぉ!」
自分の腕の中で震える愛おしい女を抱きしめる。背中に回された腕を感じながら秘裂の上に存在する肉芽を抉るように擦りあげた。
「あっ……んっんー!」
瞳を閉じ身体を硬直させながら女は絶頂を迎えた。
それからどれ位抱き合っていただろうか。
「ん……あっ、ふあ」
一度唇を合わせ後、秘裂の指を引き抜く。水音が小さく鳴り行為の激しさを感じさせた。
「……メリー」
「蓮子……」

見つめ合い再びキスをする。
行為をした後の二人だけに流れる穏やかな時間、噛み締めように腕の力を込めようとしたのだが。
「ごめんなさい蓮子、私帰るわね」
腕の中で落ち着いていたメリーが身を離した。
「え……こんな時間だし泊まっていかないの?」
「研究の締め切りが明後日までなの。きちんと見直したいから帰るわね」
無造作に放られた衣類を身につけてメリーは居住まいを整えた。
「じゃあね蓮子愛してるわ」
慌ててワイシャツだけを羽織ってメリーを見送る。玄関が閉まりカンカンとメリーが階段を下る音を聞き、蓮子は頭を掻いた。
秘封倶楽部結成して三年、互いに大学生生活も終盤に近づき将来の準備をしなくてはいけない時期になった。
メリーはまだ院生として学生を続けるらしいが、蓮子は就活に勤しんでいる。いつまでも一緒に居ると思っていたのに、確実に二人は別の道を歩んでいる。
「メリー……」
蓮子は不安だった。メリーと離れてしまう事が。

寝間着に着替え蓮子はベッドに倒れ込む。メリーの香りがして胸がかき回された。
就職すると決めたのは自分なのに今更大学院に行こうかと思ってしまう。
しかしそれは別れが少しだけ遅くなる位で現状が良くなる訳ではない。大学院を卒業して仕事で忙しくなり、会うことも無くなるのではないか。
そうなることが怖くて怖くて仕方ない。
冬の空気の冷たさに身を震わせ、仰向けになる。
「なんか就活よりこっちの方が急務かもー」
打開策など浮かぶ筈もない。素直にメリーに気持ちを伝える気もない。理由は小さな見栄と恐怖。袋小路だ。
メリーの匂いに包まれ、蓮子は目を瞑る。温もりはすでに薄れていた。
薄曇りの空を見上げて蓮子はリクルートスーツで固まった体を伸ばした。
面接を終えて、あとは大学に戻るだけなのに気持ちが進まない。
大学内にいればメリーに会う可能性もあるからだ。

「……今日はもうサボろうかなぁ」
近くの喫茶店にでも行こうかと携帯を取り出し検索している最中、あるものが目に入った。
インターネットでは当たり前の広告に夫婦の倦怠期に効くと大きく触れ込みがある健康食品。
効能がどうと書かれているが、蓮子はあることを考えていた。
(倦怠期か。正にそれよねなんとかならないかな)
これを飲めばメリーとの関係もマシになるなんて思っていないが、空を見上げた。
「……あ」
ふと、昔見た雑誌の見出しを思い出す。倦怠期にはいつもとは違うプレイをしてみると良いと。
メリーがずっと側に居てくれるその為のプレイにひとつだけ心当たりがあった。倦怠期を乗り換え、尚且つメリーを離さないプレイが。

「SM……」
普通の人ではアブノーマルであり、メリーを自分だけのものに出来る。
(虐めると反応良かったし……)
以前酔っ払った勢いで加虐的なプレイを行ったことがある。その時のメリーは堪らなく淫靡だった。
(でも、もし……メリーに引かれたらどうしよう)
自分の一方的な勘違いという可能性もある。思い違いというのもある。
だが――(私にしか与えられない快感をメリーに与えられたら、強みになる)自分という存在から離れなくなる。どす黒く歪んだ思いが蓮子を支配して行く。
「……やるしかないわね」
生唾を飲み込み己の手のひらを見つめ、蓮子は呟いた。
現状を変えたいと願うなら自分の出来ることをやるしかない。検索サイトを開きSMと入力する。


そのまま歩き出す。自然と鼓動が高鳴り、シャツの上から胸を握る。電車を乗り継ぎ自宅のアパートへと戻る途中でも、インターネットを使いSMについて調べて行く。
(……なるほどね。別に痛い思いするだけじゃSMとは言わないわけか)
SMと聞いて浮かぶのは拷問のような鞭や鎖で拘束するアブノーマルなイメージがあるが、実際はM役にする声掛けの一つ取ってもSMに繋がる。
(奥が深いのね……まずは手軽に出来るやつはなにかしら)
情報量の多さに頭を悩ませ初心者にも出来そうなプレイを探す。
しかしインターネットではやり方よりも出会いを求めるページが多く、蓮子は大手の通販サイトからSMに関する書籍を購入する。
実際の本屋では到底買えないものだ。
「届くのは今日の夕方か。便利な世の中よねえ」
流通の進歩により荷物が届く時間の短縮によって焦る気持ちが少しだけ落ち着いた。
部屋着に着替え、ちょっと早い夕飯の支度や履歴書を書いていれば時間はあっという間。
「宅急便です」
「はーい」
ダンボール箱を抱えた配達員から料金を渡し荷物を受け取る。
「ありがとうございましたー」
ドアに鍵を掛け、カーテンを閉めて蓮子はダンボールの前に座った。ガムテープを剥がし、商品が現れる。
「……うわっ」
思わず息を飲んだ。肌を晒した女が縄で縛られ、無造作に床に横たわる姿が表紙。
肌に食い込む縄は痛々しいだけなのに女は頬を熱病にかかったように赤く、眉を切なげに歪ませている。
その切なげな瞳は主人を見つめ次のプレイを強請るそう思えてしまう程だ。
「ただ縛られているだけなのに……こんなにエロいんだ」
表紙を見ただけで分かる違う世界。欲望を丸裸にして相手を自分のものにする。
「……メリー」
脳裏にメリーの顔が浮かび、消え去る。胸が締め付けられ、焦燥感に襲われた。
(ヤダ離れたくない。ずっと居たい……メリーと!)
本を開いた。例えこの行為が関係を崩すことになったとしても、蓮子は正常な判断が出来なかった。



寒さも本格的になり、冬本番となった。
忙しい日々の合間にメリーは蓮子の自宅で夕飯をご馳走になっていた。
「美味しいメリー?」
「うん」
なんてことはないクリームシチューは大きめに切られた人参の甘みが体に染み込んだ。
「ただお肉がソーセージなのが残念ね」
「仕方ないじゃない。家にあったタンパク質がソーセージだけだったんだし」
「ゴメンゴメン美味しいわよ。蓮子」
「はいはい」
スプーンの中に入った輪切りのソーセージを指差しメリーはシチューを食べ進める。
蓮子も自分で作ったシチューを啜りながら部屋の片隅に置いたダンボールに何度も目を向けた。
温かい室内ではメリーは薄着で紫色のワンピースのみで自然と身体のラインが見える。
余裕のあるデザインのワンピースだが、胸元がはっきりと分かる程突き出ている。手足も華奢で、病的に細いという訳でもない。
ちょこんと腰掛けたお尻の肉質感は目に毒だ。
「ご馳走でしたお腹いっぱい」
「お粗末様」
空になった皿を受け取り皿洗いをしながら蓮子は何度もメリーを見つめた。
ただテレビを見ているだけなのに肩や背中に色気があるように思える。思わず手を延ばしそうになるのを堪えて蓮子は何気なく声をかけた。
「メリーお風呂沸かしてくれない?」
「分かったわ」
風呂場にメリーが行くのを確かめてから蓮子は皿を食器棚にしまい、ダンボールの前に座る。

この日の為に買ったグッズ、メリーの白い肌に似合う赤い首輪と同色のリード。
最初から過激なプレイをする気などない。相手がして欲しい気持ちを汲み取りそれに応えるのがSMのS役だ。
「……さてどうやって切り出すかよね」
「なにを切り出すの?」
心臓が抉り出されるかと思った。背後にメリーが首を傾げて立っている。
「蓮子難しい顔してどうしたの? あ……首輪」
手に持った首輪にメリーは興味津々なのか蓮子の肩に顎を乗せる。
「わんちゃんでも飼うの? このアパートってペット平気だったけ」
「や……その……」
君の為に買ったなんて言えず視線を逸らした。
「ハートとか入ってて可愛い首輪わね。女の子のわんちゃんでも飼うの」
心臓が高鳴った。悩みに悩んだ首輪を間接的とは言え誉められたと。何かが弾ける。蓮子は頭をあげてメリーを見つめ、欲望を伝える。
「……これはメリーのよ」
一瞬の沈黙の後、目を何度か瞼を閉じたり開けたりを繰り返し、恐る恐る尋ねた。
「蓮子、聞き違いしてるのかも。その首輪が私のって聞こえたんだけど……」
不審そうな様子見に大きな不安が襲う。拒否されたらもう自分はどうしようも出来ない。
煮え切らない不安定な自分にメリーは黙って次の言葉待ってくれる。
「……この首輪はメリーの」
もう自棄だ。
「え……?」
「前にさ、少しキツいプレイやったことあったでしょ?」
「う、うん凄かった」
プレイを時を思い出して赤らんだ頬に触れるメリーに提案した。
「最近マンネリ化してるからその、新しい要素ってことで買ったんだけど……どう?」
「どうって……」
差し出された赤い首輪に視線を移す。その様子は嫌悪などは見られない。柔らかい金髪から見えた赤い頬と興味津々の瞳に蓮子は直感した。
(迷っている……メリーがSMするか迷っているんだ!)
思い込みとも思える確信は、蓮子の欲望をそのまま口にした。

「メリー……着けてみない?」
「これを? え、でも」
「ただ着けるだけよ。他には何もしないから」
嘘だった。首輪を着けたメリーとしたい事は沢山ある。
「何もしないなら、いいけど……」
頷いたメリーに胸の奥の何かが壊れた。
「自分で首輪着けるそれとも私が着けてあげようか?」
立ち上がり赤い首輪見せびらかせ、相談する。
「恥ずかしいから自分でやるわ」
大型犬が使うような太い革製の首輪を白く細い首に通した。それだけなのに蓮子は胸が高鳴り、拳を握った。
(メリーがメリーが私が買った首輪を……!)
感じたこともない異様な興奮。首輪をはめようとする目の前の彼女を見つめた。
人種が違うからこそかメリー本人だからこそなのか澄み切った柔肌にかけられる赤い首輪。
黒では本格的過ぎて威圧感があるかと思って赤色にしたが、その判断は間違っていなかった。
「蓮子」
節目がちに蓮子を呼んだ。
「な、なに」
唐突に呼ばれてなにか問題があったのかと不安になる。
デザインもSM用とは思えない可愛らしいものにしているし、肌触りも良くなるように首輪自体にタオル地の布を縫い付けなるべくメリーの負担にならないようにした。
「自分じゃ出来ないから……やってくれる?」
「う、うん」
頷き首輪に手をかけた。手が震え上手くできない。
(メリーに首輪メリーに首輪……)
予想以上に緊張してしまい穴に金具が入らずに焦りが出てくる。
「蓮子……?」
震えた声に我に返った。不安なのはメリーの方だ。
(私がしっかりしなきゃ……)
軽く息を吐き出し、穴に金具を入れて引っ張る。あっという間に首輪をつけたメリーの完成だ。

「出来たわよ」
首輪を確かめるように手で撫でながら口を開いた。
「メリー綺麗可愛いわ……」
素直に出た言葉を聞いてメリーの体が強張った。
「そ、そんなことないわよ……首輪が似合うなんてそんな」
「そんなことないわよ。ほら」
手元に合った鏡でメリーの顔を写し、蓮子は笑いかけた。
「メリーは赤色が本当に似合う。綺麗」
誉められて悪い気はしないのか鏡に映った自分を確認するメリー。
「……なんか、緊張するわ」
上気した頬が強張り伏し目がちに身を震わせた。彼女に更なる提案をする。
「さっき犬でも飼うのとか言ってたわよね」
「あ、うん」
「メリーがわんちゃんの代わりになってみない?」
「え……?」
目を見開き驚きを隠せない様子に蓮子は頷き、努めて落ち着いた声で言った。
「言ったでしょマンネリを解決するって、これなら新しい刺激になるじゃない」
「でも」
煮え切らない様子のメリーに蓮子は手を差し出した。
「簡単よ。ほらわんって言ってみてよ」
目を離さずゆっくりと聞きやすいように伝えた言葉はどう受け取れたのか。手を取り話した返事は。
「……わ、わん」
小さいながらもはっきりと聞こえた声に胸が締め付けられる。返事をしてくれたことが嬉しくて嬉しくて。
「良くできましたいい子ね」
頑張ったならご褒美をあげるべきだとSMの指南書に書かれてあった。メリーの髪の毛を撫でてあげて頬に口づける。
「あ……」
軽く口づけただけなのにメリーは照れくさいのか身を引こうとする。無意識のうちにメリーを引き寄せた。
「メリー、逃げないで。私だけ見て」
「う、うん」
「うんじゃなくて」
「わん……」
素直に頷く姿が愛おしくて仕方がない。ここでいつものように抱いてしまえばいいのだが、蓮子は堪えた。

「メリー本当に嫌になったら止めていいからね」
「わん」
「それだけは守って」
「わん」
照れくさいのは抜けないようで落ち着かないメリーにマフラーを被せる。首を傾げる相方に蓮子は冷静に返した「散歩行くわよ」と。

「くーん」
「大丈夫よ」
吐いた息が真っ白に染まる。あまりの寒さにマフラーを口まで巻いて夜の閑静な住宅街を二人は歩いていた。
歩くと言っても蓮子が少しだけ前に出てメリーを引っ張っている。いつもの秘封倶楽部の光景だが、通常とは少々異なっていた。
「こうして見ると本当にわんちゃんみたいね」
自分の手にあるリードを引くと、周囲を気にするメリーが前に出る。不自然に内股で歩き、下だけを見ていた。
首輪だけではなくもう一つのことが気になるのだろう。
「本当の犬なら服着てるのも可笑しいけど」
「っ……!」
腰まである長いコートを抑え自分を睨み付ける彼女に肩をすくめた。
「大丈夫よ。コート着てるんだし、誰も分かりゃしないわ」
胸を指差して呟く。
「誰もメリーがノーパンノーブラでお散歩中なんて……ね」
出かける前に蓮子はわんとしか言えないメリーに提供した。首輪だけじゃドキドキも少なそうだから、下着なしでお散歩行かない?と。
最初は躊躇したメリーに人通りがない道を通ることを約束し、その場で下着を脱がせた。
下着姿など何度も見ていた筈だった。
涙が溢れそうになった潤んだ瞳を覗かせつつ、薄桃色に染まった肌を晒して下着を脱ぐ姿は言いようがないほどメリーは艶めかしいかった。
違う女性を相手しているようで、驚きが隠せない。(嫌なら止める約束はしてる。
(まだメリーは満足してないんだ……)
メリーの欲求に応えなければ彼女が離れてしまう。身も心も全てどこかに行ってしまうなど、考えたくもない。
(もっと……もっと強い刺激を)
快感だけを引き出せるように蓮子は必死に考え口を開く。
「メリーこれから質問したことに答えて。返事は、はいならわんは一回。いいえはわんは二回言って」
「わ、わん」
「うんそう」
心中の醜さは出さずリードするのがSだ。
あくまでも冷酷に厳しくMが己自身の欲求を表現出来るように役になりきる。首輪のリードを一度引っ張り、距離を空ける。

「散歩するの楽しい?」
足が止まる。視線だけ前にして蓮子は黙り込む。
(そりゃあいきなりノーパンで首輪つけられて散歩とか楽しい訳ないかー)
自分だったら少なくともそうだろうと考える反面、心の中では必死にイエスを待っていた。
「……わん」
変な声が出そうになった。
「……そ、そう」
叫んでしまいそうになる。こんなことをしている甘美な背徳感を感じて貰えている。
それだけで天にも上りそうな心地だ。次の質問は決まっている。
「……ノーパンで歩いてドキドキしてる?」
己の変態性を知って貰う為、置かれている状態を再確認する為、残酷なまでの質問をした。
返事はない。しかし、ここで振り返って取り乱してしまえば、プレイにSとして駄目だ。静寂が包み足音も聞こえなくなる。
(……嫌なら二回二回)
返事をただ待った進みながら。
「わん」
「え?」
あまりものか細い声で聞き取り難く、振り向いてしまった。
「わ、わん!」
内股でコートを押さえつけた状態で必死に声を上げた。恥ずかしいと思いながらも蓮子に楽しいと伝えてくれた。
安堵と興奮でどう応えていいのかも分からずに歩を止める。視線が絡む。目を合わせたままでメリーは切なげに瞳を揺らせ、胸を腕で隠す。
谷間が強調されて余計に淫靡だ。
「メリー、そんなやったらバレちゃうよ」
慌てて手を離すメリー。分厚いコートの下には緊張で震える素肌があると思うだけで、疼きが止まらない。
「行こう」
リードを引っ張った。高まる鼓動を感じながら歩を進める。住宅地なだけあって家の明かりはあるが人影はなかった。
(このままただ歩くってのも単調かしら。でも、初めてでこれだけでも十分プレイになってるし)
楽しいと言ってくれた彼女にもっと強い愉悦を感じて貰いたくて、蓮子は思考を巡らせる。
(人が居るとこでも行こうかしら。駄目ねリスクがあり過ぎる)
そもそも人が居ないところで行うと約束した。それに蓮子も万が一を考えると恐ろしかった。

非力な女性二人ではどうすることも出来ない事態になる可能性もある。なら、ここは言葉で攻めるしかない。
「ドキドキしてるってことはメリー、ノーパンでお散歩して悦ぶ変態さんなのね?」
「っ……!」
目を見開くメリーに蓮子は言い放つ。
「返事」
右手のリードを引っ張る。あくまでも冷酷に非情に言った。
(メリー……)
目だけを移してメリーを見つめる。言葉を封じられ、目で訴えかけてくる。そんな恥ずかしいこと答えられないと。
「はいかいいえで答えればいいの。私に教えて」
今度は緩くリードを引いたメリーの身体が前に傾き、髪の毛が頬に流れ表情が見えなくなる。生唾を飲み込み、蓮子はただ待った。理性を溶かす為にメリーの全てを見たい。
「……わ」
口が開かれる。イエスかノーか。
「わん!わわーんっ!」
やけくそになったのか大声を上げた。
「メリーちょっと、声、おっきいから」
周囲を見渡して慌ててメリーの口元を押さえつけた。返事は二回つまりはノー。
「私は変態さんじゃないって言いたいのね」
「わん!」
そうよと口を尖らせて訴える目の前の彼女に自然と笑みがこぼれる。ちゃんと否定もしてくれたという安堵感に蓮子は大胆な行動に出る。
「その内股にしたとこどうなってるのかなー」
「あ……」
切なげに洩らす声を無視して、太ももを撫でつけながら軽く太ももと太ももの間に触れる。
メリーが咄嗟に太ももに力を入れて侵入を防いだつもりだろうが、逆効果だった。かえって太ももの間の感触を確かめられた。

「……湿ってるね」
耳元で呟き教えてあげるとメリーの背中が固くなる。
「コートの上からでも生暖かくなってるわよ。この下どうなってるのかな……?」
「……」
目蓋を固く閉じ首を振る小さな抵抗に加虐心が煽られる。
「誰かに見られるかもって興奮してる?」
コートの上から柔らかい桃尻を掴みながら尋ねる。弾力のある肉厚な桃尻を手のひら一杯に掴み、こねくり回した。
直接の刺激にメリーは甘い痺れに背筋を流れ、身を強ばらせる。
「ほら、質問に答えてよメリー……」
耳を掠めるように小さく呟いてやると、蓮子の首にゆっくりとメリーの腕が回った。至近距離に整った見慣れた女の顔が映る。
(うわ……そんな顔するんだ)
眉を八の字に寄せて、熱病にかかったような焦点の合わない瞳と半開きの濡れた口元。激しく欲情が煽られる悩ましげな表情に胸が詰まる。
ちっぽけな自制心でキスを我慢して右手で顎を軽くあげた。
「言わなきゃわかんないよ。返事してくれなきゃもうお散歩は終わりにした方がいいかな? 興奮しないのよね」
「わ、わんわん」
二回の返事に首を傾げる。
「もしかして、お散歩が終わりなのが嫌なのかな?」
そうであって欲しい願望を口にすると頷きが返ってきた。
「ふうん」
緩む頬を抑え、蓮子は空いた左手で強く桃尻を掴む。
「なら、メリー認めなきゃ」
顎から首筋をなぞり、首輪に到達する。
「ノーパンお散歩で興奮しちゃってあそこがビショビショになっちゃう変態さんだって」
何度も首を横に振るメリーに蓮子は内心緊張していた。
(うう。我ながらこじつけ……もう少しいい責め方あるんじゃないの)
暗闇を手探りで歩くような危うさを感じる。一言言えば済むのにメリーは断固として認めない。
コートの裾を掴み、そっと上にして柔肌を晒す。
冷たい空気に晒された足が震え、鳥肌が立っていた。
「認めない悪い子は、このまま外で恥ずかしい姿見せなきゃ駄目かな」
卑下た笑みを浮かべて蓮子はメリーを見つめた。
「や……」
涙が落ちる寸前まで濡れた瞳、戸惑い恐怖に染まっている。
「返事しなきゃこのまま大事なとこ私見ちゃうからね。いくら人通りがないとは言え近所のお家の人が気付いちゃうかも」
顔を背けるメリーに蓮子はさらに畳みかける。
「こんな夜に下着も着ないでお散歩してる変態さんだから、それくらい平気だと思うけど」
尻から前に指を撫でつけ、恥丘の膨らみに指を置く。この時に細かく指を動かして小さな振動を入れるのも忘れない。
「わ……」
「うん」
やっと口をきいたメリーからの返事。
「わん……」

はいの一回。
「……良くできました」
認めたのだ。メリーが自分の責めに対してやっと頷いた。背筋から流れる薄暗い感情が蓮子を奮い立たせる。
手に握っていたリードを引きながらメリーを抱き寄せて優しく抱き止める。
「メリーいい子ね素直に自分のことを認められて、頑張ったね。偉いね」
心に響くように話しかけると碧眼から涙が零れ落ちた。
「蓮子ぉ……」
久々に聞いたようなメリーの声に蓮子は首を振った。
「まだダーメ」
自分の名を呼んでくれた嬉しさはあるのだが今はそういうことではないのだ。
「頑張った子にはご褒美あげようね」
そのまま住宅の間にひっそりとある小さなわき道に連れ込んだ。

高い壁と壁に覆われた死角。
「あっ……んんっ」
改めて唇を重ねる。何度も口付けを交わしたいと思う場面があったが、我慢した甲斐がある。
ほんの少し空いた唇の隙間から唾液と舌を流し込み、粘膜と粘膜の絡まりを深める。
「ん、んあ……じゅっ、んん」
「メリー……はっ、んむ」
一度唇を離し見つめ合い、どちらともなく激しく唇を重ねた。柔らかいとろけるキスをして桃尻を掠めて熱く濡れた泉に触れた。
「ふふビショビショね。いつもより多いかも」
秘裂からの大量の愛液を確認した。月明かりでぬらりと光る指を見せつける。返答に迷いメリーは視線を逸らした。
「素直に変態さんって認めたメリーにご褒美よ」
後ろから抱きかかえるように体勢を整え、熱く濡れる秘裂に手を添えた。
「わ、わん……」
切ない刺激に内股を擦りながらメリーは鳴いた。こんな状態でも自分との約束を守ってくれるいじらしさに胸が一杯になる。
「メリーかわいい」
礼を言うより今は身体で伝えるつもりで、後ろから強く抱き止め、添えていた中指を上下させた。
「んっ……ふぅ」
柔らかく薄い茂みを抜け、最初にたどり着いた固く尖りきった肉芽。
同性だからこそ分かる微妙なソフトタッチで周囲を撫でまわした。潤滑は十分濡れてなければ痛みすら感じてしまうところが純粋快感に変わる。
「はーい一杯くちゅくちゅするからね」
「っ……はっ、ああ……んん」
宣言そのままに中指をしつこくしつこく上下させて、充血した肉芽を擦り始めた。
いつもなら甲高く甘えた鳴き声を出すメリーは屋外ということもあり、口元を手のひらで押さえ身を振るわせている。無意識に優しくしていた愛撫に力が入ってしまう。
「はあ! ああ……ふーふー」
顎を仰け反らせてもなお口元を抑え声を堪えていた。肉芽を守る皮を捲り剥き出しになったものを指の腹で押さえつける。
「気持ちいい? ここ好きだもんねー」
「ふぅぅ……んん、はあ、わぅ」
中指を単純に上下させるのではなく、左右に肉芽を擦ってみたりと飽きないように工夫を凝らす。
溢れる淫液は濃厚に蓮子の指に絡まり、もっとと刺激を強請っているかのようだ。
今までにない愛液の量はメリーの興奮を現し、釣られて蓮子も下腹部の熱を感じていた。
「まだ入れてもないのにすごいいい反応。えっちね」
「はぁ……!」
罵りに激しく反応を見せてくれた。鼓動が加速し、我慢などする気にもなれない。
指を一度離し割れ目に沿って粘膜を掘り当てて行く。ゆっくりとした動きと共にメリーが身体を震わせた。
「ほらナカに入るわよ」
「あっあ……」
吐息を漏らす唇を奪い、割れ目に当てていた中指と人差し指を動かし始める。滑りを帯びた肉壁の感覚に蓮子は口を開く。
「きゅうきゅう締め付けて私を離したくないって言ってるみたい。そんなに欲しかったの?」
深く浸透するように呟く言葉は自信のない現れ。
信じたいのに信じれない弱い自分をひた隠しにして、自分を大きく見せている。子供のようなちっぽけな寂しさを抱え、責め立てる。

「んんーー!」
啄むように唇を重ね、充血した膣壁を抉る強引な愛撫。
(可愛い可愛い……私だけのメリー!)
少しだけの優越感に浸り、スローテンポであった指の動きを早めて行く。
「はっ……外で女の子の大切なとこ丸出しで、くちゅくちゅされてるの? 気持ちいいんだよね」
「ふあ……ああ、わう、くぅぅ!」
愛らしい鳴き声を漏らし、首を縦に振った。どれだけこの娘は自分を縛り付けてくれるのだろう。
全ての行動が魅力的で、もう涙が出てきそうだ。空いた手で無防備な乳房を掴む。コートの上からでも分かる柔らかさと固い部分。
「乳首ピンピンしてるね」
耳元で呟く。
「や、きゃう……ああん、ああ」
前だけをはだけさせ、剥き出しの乳房を掴む。同時に敏感な割れ目の動きも再開させた。
次々に溢れる淫液は太ももから流れ落ち、蓮子の革靴まで滴っている。今まで見せたこともない快楽に溺れる姿は、もう元の関係に戻るのも難しくなるだろう。
滑る指先は的確に敏感な突起を擦り続けた。己の存在をメリーの心に刻みつけるように。
「あぁ……も、あうう!」
露出で出来上がった下地で意外と早く絶頂を訴えるメリー。自制心もない真っ直ぐな言葉は蓮子を加速させる。
「イキそうなんだね。エッチでスケベなメリーはノーパンのままイっちゃうんだ」
目合わせると涙目で首を振るメリー。乳首を探り当て指の腹でこねくり回しながら、空いた指でリードを引っ張った。
「もう逃げられないから。この首輪のように一度味わった快感は忘れられないんだからね」
教え込む。
「これだけ乱れられるんだものメリーは立派な変態さんよ」
「あっ、んぁ……ふぅ、ううー!」
聞きたくないと首を振り否定する。だが身を離すことはしない。与えられる快感で身体の自由が効かないのか、それともこの言葉すら愉悦になっているのか。
蓮子はどちらでも良かった。

「……だけどそんな変態さんだけど」
溢れる想いのままに言ってしまう。
「メリーが好き」
「あっ……」
「どんなメリーでも好き大好き」
奥底に締まった本音を少しだけ伝える。最後の最後に甘い部分を出した自分と子供のように好意を言ってしまうのが堪らなく恥ずかしい。
「……わ、わたしもすき」
「え……」
吐息を抑え、言われた言葉。約束も忘れて言ってくれた言葉は完璧不意打ちで。
「メリー!」
「んっ、はあ……!」
涙を浮かべて指に力を込めた。
加減も知らずただがむしゃらな乱暴な愛撫は、出来あったメリーの媚肉に最高の快楽刺激を与える。
「も……れんこぉ! わ、わたしぃ……」
メリーの腕が首に回りうなじの髪に触れ、背筋に脆弱な電流が流れる。
(メリーに触られたとこならどこでも私は……!)
切なく腰を揺らせ、自然と優しく笑いかけられた。
「うん。イッて」
散々弄繰り回した肉芽を摘む。
「あっ……んんんっーーーーー!!」
周囲に声が聞こえないように唇を重ねる。くぐもった声が暗闇に溶け、メリーの体も解放された。
「蓮子」
「メリー」
霞む意識の中で強く手を握り合い互いの存在を確かめ合う。
「愛してる」
愛おしい相棒を抱きしめ蓮子は微笑んだ。


火照った体は真冬の寒空の下では無意味で、狭い浴室の中を蓮子とメリーは身を寄り添って湯船に浸かる。
「メリー大丈夫?」
「うんどこも痛くないよ」
全身をくまなくチェックしたつもりでも心配で、何度もメリーの美しい裸体を確かめた。
「もう蓮子ったら」
思わず苦笑すると唇を尖らせてしまう。
「だって結構無理させたし、んむ……」
強引にキスされて蓮子は黙る。
「いいのよ。私だって嫌なら嫌って言うし。それに」
視線逸らしてもじもじとする相方の顔を覗き込む。どんな小さな言葉でも聞き逃さないように。
「……クセになっちゃったんだもの。SM」

もう。
この子
可愛すぎる。

果たして、依存しているのはどちらなのか。
二人のSM生活はまだまだ始まったばかりなのかもしれない。
皆様どうもお久しぶりですやまだ士郎と申します。
今年最後のお話は秘封倶楽部の甘い?SMものです。
本当は縄とかでギッチリした感じをやりかったのですが、それは次回に回せたらいいかなと思い今回はこの辺で。

では皆様良いお年を
やまだ士郎
コメント




1.緑茶削除
新年早々、秘封倶楽部の百合が見れて感激です。
今年もあなた様の百合SSを楽しみに待ってます。
2.緑色XX削除
続きに期待しちゃうしめ方・・・!縄もよみたいです!ぜひ!
3.性欲を持て余す程度の能力削除
蓮メリわんわん