真・東方夜伽話

れんめりックス

2013/01/18 22:04:32
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れんめりックス

春野夏子
二人が体を重ねるのは、これが初めてではない。どころか、いつからかそのような関係になってからというもの、数えるのも諦めるくらいの回数はしてきている。

性器で繋がることはできなくても、彼女たちにとっては、それはそれは幸せこの上ない営みだった。

その日もいつもと同じように、電気を消しておやすみを言った後、どちらからともなく指を絡め始めた。

「蓮子」
「んー」
「したいな…」
「…うん、私も…」

絡めた指はそのままに、お互いの頬をそっとすり合わせる。
蓮子はメリーの甘い匂いを感じる。同じシャンプーや石鹸を使っているはずなのに、メリーの体からは頭を蕩かすような香りがする。胸いっぱいメリーの香りで満たされたいと思って、メリーの首元で深呼吸を繰り返す。

「そんなにハァハァしないでよ、もう」
言葉とは裏腹に、メリーの表情は柔らかい。かく言うメリーも、蓮子の髪を愛しげに梳っては、漂うその匂いを楽しんでいる。

「だって、メリー、すごくいい匂い」
蓮子はたまらないと言ったように息を吐いて、今度はメリーの胸元に顔をうずめる。
「蓮子のほうがいい匂いよ。甘くて優しい匂いがする」
蓮子の耳元を鼻先でくすぐるようにして、メリーが囁く。

「そんなことない…」
蓮子はぼんやりとした調子でそう言いながら、濡れた唇でメリーの右胸の先端を食み始めた。寝巻きの布の上から、ゆっくりと微弱な刺激を与え続ける。

「あ…っ」
メリーは思わず仰け反る。仰け反って、もっと刺激を求めるように体をくねらせる。

「れ、蓮子、やだ…」
「いやなの…?」
蓮子は分かっていて、わざとそう問いかける。暗くて見えこそしないが、メリーの濡れた瞳が蓮子の口元を捉えて、もの欲しそうな視線がそこに注がれていることまではっきり分かっていた。
次にやってくる言葉はもちろん、

「そうじゃ…なくて、もっと…」
そう言って、メリーはもじもじとしながら、自分で寝巻きの前のボタンを一つずつ外していく。下着をつけていないから、一つボタンをはずすたび、豊かな胸がほろりと露わになる。

「メリーのえっち。早くしたくて仕方ないんだ?」
左の胸を鷲掴んで、きゅっと爪を立てる。メリーは、こうやってちょっとだけ虐められるのが好きだ。その点、蓮子はよく心得ていた。メリーは一瞬体を強張らせ、熱い息を短く吐いた。被虐の悦びに潤んだ瞳で蓮子に訴える。

「しようって、言ったじゃない…」
蓮子がメリーの上に馬乗りになる。ゆるく巻いた金髪に指を通すと、メリーはくすぐったそうに身じろぐ。蓮子は体を起こし、手を伸ばして、首筋、肩、脇をゆっくりと撫で回す。今度は手を後ろに伸ばして、太腿に這わす。内股を、焦らすような緩い動きで責め立てる。

「あ、んっ、蓮子ぉ」
メリーの声が徐々に熱っぽさを帯びていく。蓮子の手を求めて体が動いていた。
「ね、メリー、ここ好き?」
聞くが早いが、蓮子はメリーの乳房の脇を丹念に撫でつつ、首筋を下から上へそっと舐め上げた。

「ひゃんっ」
メリーの全身がベッドの上で跳ねると、蓮子がそれを無理やり押さえつける。そうやって力の反発を感じることで、お互いの体を確かめあう。言葉にして確認したことがあるわけではないが、今は二人とも疑いなく同じ気持ちだった。

「蓮子、ねぇ、蓮子…」
メリーの手が空を掴もうとするように動く。暗闇の中で、指先が蓮子の唇に触れる。その熱さと柔らかさに、蓮子は体中の血が煮え立つ錯覚に襲われた。はっとメリーの手首を掴み、頭上に絞り上げるようにして拘束し、蓮子自身は全体重をかけてメリーに覆いかぶさる。そのまま、はだけた左の胸に吸い付き…

「ぁ!うっ、痛いっ、蓮子…!」
メリーが身をよじって叫ぶ。
「えっ、あ、ごめん…」
言われて蓮子は、咄嗟に唇を離した。無意識に強く歯を立ててしまっていたらしい。

「えっと…気持ちよくは、なかった…よね…」
メリーは答えにくそうな顔をして逡巡する。言うのは憚られるような事だからだ。
ひりひりとする胸を無意識に手のひらで庇いながら、やっと一言絞り出す。

「うん……ごめんね…」
「いやっ、私こそ、ごめん…」

メリーの眉根が苦痛に寄っているのを見、蓮子は申し訳なさそうな顔をして、うなだれる。

二人の間に急に白けた空気が流れた気がした。体の疼きも一度に引いてしまった。蓮子は自責の念に駆られた。メリーの嫌がることをしてしまった。こんなことは久しくなかったから、自分のことを嫌いになってしまうかもしれない。そう思ったら、涙が勝手に落ちてきた。

「れ、蓮子、大丈夫?」
いつの間にか、束縛を解かれたメリーは起き上がって、蓮子の顔を覗き込んでいた。さっきまで熱かったことの反動もあって、涙が止まらないのを見られたくなくて、蓮子は顔を下に向けた。

「ああもう、泣かないで…ほら」
メリーの唇が蓮子の涙を吸っていく。小鳥の遊ぶような軽やかさに、思わず蓮子は身を縮め、目を細める。
そのままメリーは蓮子を優しく抱きしめた。ふわふわのメリーに包まれる。

「怒ってないし、こんなことで嫌いになったりしないから」
蓮子の耳元に、柔らかい吐息が吹きかかる。
自分の心配がメリーに筒抜けだったようで、恥ずかしいのか安心するのか、とにかく顔が熱くなる。
メリーがコクリと喉を鳴らす。今一度蓮子を抱き寄せて、

「だから蓮子、よかったら続き…しよう?」

体の疼きが、ふつふつと戻ってくるのを蓮子は感じた。


=====


「あっ、あぁん、蓮子、れんこぉ」
雌の声をあげてメリーが腰をくねらせる。蓮子はきれいにそろえた右手の指二本で、後ろからメリーの膣内をかき回す。左手の平は、メリーの乳首を優しく転がし続けている。

「きもひぃ、ぁ、っ蓮子、蓮子のぉ」
メリーは尻を高く突き上げ、なおも蓮子の指をねだる。
メリーの中は熱く、とろとろに濡れて蓮子を求めている。切ないほど精一杯に締まって、蓮子を逃すまいとする。蓮子は指先でそれを感じている。

「メリー、メリー…かわいいよ、こんなに熱くなって、やらしい声出して、えっちだね」
「あっ、やぁん、言わないで、そんな、ぁ、ダメ、蓮子ぉ」

蓮子の言葉に刺激されて、メリーの腰がガクガクと激しく揺れる。蓮子は指先を折ってメリーの中を強く撫ぜ返した。メリーの声が、震えが急激に高まっていく。蓮子の息も無意識に上がっていく。ざらざらとした膣壁に触れるや否や、メリーは声を詰まらせ、一際大きく跳ねた。

「…っは、あぁっ、ぁああぁぁん!!」
「あ、ぁ、メリー」

快感に身を震わせ、激しくイき続けるメリーを見て、蓮子も限界を迎えた。
メリーの中の右手の動きはそのままに、左手を下着の上から自分の秘所にあてがい、夢中で上下に擦った。

「あ、あぁ、メリー、メリーっ、わたしも、わたしも気持ちいよ、メリー、メリー、すき、メリー、っ、あ、はあぁぁぁん!!」
「あ、れんこぉ、やだ、きもち、イく、イくのとまんない、とまんないよぉ、っあぁぁあぁぁぁ!!」

お互いの淫らな姿を晒しあって、快感の果てを何度も何度も超えて、二人の意識はどこまでも真っ白に溶けていった。


「ぁ…メリー…」
「蓮子…蓮子」
それからどれだけの時間が経ったのか分からない。いつしか二人は濡れた体で抱き合いながら、幸せな眠りに落ちた。


=====


メリーが目を覚ました時、蓮子はまだ夢の中にいた。
いつの間にか繋いでいた手は起きたときにも繋がったままで、メリーはその手のぬくもりが自分のものなのか、それとも蓮子のものなのか、分からなかった。ただひとりでに顔がほころんだ。
両脚の太腿から下をまるまるかけ布団の外に出している姿を見かねて、メリーはそこにそっと毛布をかけた。蓮子は身じろぎもせず、ただ幼い顔をして眠っている。

不意に、メリーの中に寂しさがこみ上げてきた。同時に、先ほど発散し切ったはずの熱さもぶり返してきた。
メリーはそっと布団にもぐり直して、おもむろに自分の身体に触れてみる。さっき、蓮子が触っていたところ。乳首は固く起ったままで、腰はまだ熱いままで、そこはしっとりと濡れたままだった。メリーの手は止まることなく、自分自身の快感を追求し始めた。

「ふ…っ…」
荒くなる呼吸を制しようとするのとは裏腹に、指先の動きはますます激しくなっていく。蕾を転がすとそれだけで腰が跳ねる。蓮子にしてもらうのもいいけれど、自分でするのも捨てたものじゃないと、どこか冷静な頭でそう考えていた。

「(さっき蓮子が…こうして…)」
メリーは自らの指を挿入し、最も感じる箇所を探し始めた。二本の指を深く挿れて、体の前方に向かって折れたところに、それはあった。

「んはっ…ぁ…」
声を我慢することができない。メリーは自分のそこを、繰り返し繰り返ししつこいほど擦った。勝手に腰が反り返り、つま先がぴんと伸びていく。じゅぽじゅぽと淫猥な水音が立つのもお構いなしに、メリーは激しく自分への抜き差しを繰り返す。次第に、下腹部に熱いものが集まってくる。

「蓮子、蓮子…っ、ぁはぁっ、蓮子のでっ、あぁっ、わたし…っ」
うわごとが口をついて出る。もう自制のきかないことが分かっていた。全神経はこみあげる射精感に集中し、蓮子に犯される妄想にメリーを没頭させた。

「わたしっ、蓮子の、蓮子ので、あぁっ、すごい、れんこ、れんこ、すき、すきっ、はぁっ、ぁ、やっ、ふあぁあぁあぁぁぁっ!!」

腰がびくりと跳ね上がり、全身が精を吐き出す。薄く開いた目から涙が溢れて落ちる。激しい快感とやってくる虚無感の境目、これは安らかに眠り続ける蓮子に対する精一杯のあてつけでもあった。

「あっ、ぁ…、あぇ?」
違和を感じてメリーは自分の置かれた、いや自分の作り出した状況を確認する。シーツがしとどに濡れている。そして自分の体は、シーツを濡らす透明な液体を未だ吹き出し続けている。

「ひゃっ、やぁっ!」
初めてのことにどうしたら良いのか分からず、咄嗟に足を閉じた。が、その動作が再び、痺れる膣を刺激する。

「ぁ、だめ、ダメぇ、またっ」
体が自分の自由にならない。また達する。二度、三度と押し寄せる快感の波にただ飲まれて、息を詰まらせ腰を振り続ける。透明な潮はとめどなく溢れてくる。

「あぁ、ぁ、やだ、止まんな…」
かつてない快感に突き上げられ、メリーは壊れた自動人形のごとくベッドの上で果て続けた。何度も、何度も、いつ収まるともわからない快感に苛まれ続けた。涙も、性も、悲しみも、皆尽きることを知らないようだ。もう何も分からなかった。ただメリーはその中に、ひとりぼっちだった。


=====


蓮子が夢から覚めると、つい今まで見ていたはずの夢はやにわに霧消した。足元が冷たく感じ、ゆっくりと身を起こすと、ずぶ濡れたベッドの上でメリーが倒れていた。

その光景を目にし、一瞬で目が覚めたは良いものの、何が起きているのか蓮子には皆目見当がつかなかった。うつろに肺を膨らますメリーをあわてて抱き起こし、水害を受けていない毛布を探して冷えないように包んでやった。そのままベッドの濡れていないところまでメリーの体を移動させ、蓮子自身はぐしょ濡れのベッドの謎を解き明かすべくそれに近づき…

「あ…なるほど…」
あっけなく察しがついたところで、蓮子はメリーに目をやった。体は少し疲れているくらいで、とくに重大な問題は無いように見えるが、はっきりと残っている涙の跡がいやに気になった。
自分の寝ている間に、メリーはどんな気持ちで、何をしていたのだろう?そう考えると、とても居た堪れないような気持ちになって、息が詰まった。

蓮子はそっとメリーに近づいた。お互いの鼻が触れそうなくらい顔を近づけて、メリーの汗ばんだ額を、長いまつ毛を、涙の跡をぼうっと見つめた。

「メリー、ごめんね」
涙と共に湿った声が溢れる。
蓮子はそれには構わず、宝物を扱うように、メリーの髪を撫でて、頬ずりした。重く息を吐いて、ゆっくりと背中を抱きしめた。

「ごめんね…」
目を閉じて詫び入った。心の示すままにメリーの背中をさすって、頬ずりして、体を撫でて、抱きしめた。蓮子にはそれしかできなかった。メリーは深い深い眠りに落ちているように見えた。涙の粒が伝わる口元が微笑んでいたから、とてもいい夢を見ているのだろうと蓮子は思った。自分といる現実よりも、もしかしたら素敵な夢を。後悔と被害妄想とやるせなさの入り混じった感傷を、蓮子はひたすら噛み締めた。じっとひとりで耐えていた。


「メリー、わたし、わたしは…」


血の冷えて震える蓮子の右手が、やさしく握り返された。
皆様はじめまして。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
初めて書いた文章で、文字通りの拙作ですが、お一人でも楽しんで下さる方がいらっしゃったらそれはとっても嬉しいなって
春野夏子
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
誤字:違和→違和感
最後にコメントすると約束したな、あれは嘘だ
文字通りネチョっただけではありますが分量は十分だし描写もなかなか
アドバイスとしては、最初の行は一文字ずらす、二人しかいないから不必要なら動作主(の名前)を省く、次回は行為の前後の描写にも挑戦してみるなどでしょうか、次回も楽しみにしています
2.性欲を持て余す程度の能力削除
結構好きな雰囲気。

前後があればもっと良かったです。