真・東方夜伽話

探す一人

2013/01/01 01:38:41
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探す一人

ひととせ

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 CAUTION!!   CAUTION!!   CAUTION!!   CAUTION!!   CAUTION!!
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ネチョ薄いです。
しかもパロディ多数です。
苦手な人は、回れ右で

心綺楼ネタバレあります。

心綺楼の○○さんがあまりにもカワイイので二十四時間で書き上げてしまった。 (・ω<) テヘペロ.
よってキャラ崩壊、設定矛盾、その他諸々おかしい所があるでしょうが、お目溢しを。

これまでのクオリティは期待しないで下さい。

それでは、陽子一個分でもお楽しみください。

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 CAUTION!!   CAUTION!!   CAUTION!!   CAUTION!!   CAUTION!! 
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 吸血鬼が出た。
 雲井一輪がそんな話を聞いたのは、寒い年末の時であった。未だ手足がかじかんでしまう寒さであったが、目の前にいる人間はより恐ろしい恐怖を抱いている。白蓮は不在。吸血鬼など、幻想郷では珍しくもない。なにせ紅魔館の館主がその吸血鬼なのだ。本来ならば考えるまでもない。
(これも修行か)
「わかりました。では、私が調査にまいります」
 そう判断して自分が出発する事にした。

「んで。なんで一輪がいくのさ」
「村紗。頭に小錢ついてる」
「おっと」
 満身創痍、今日も三途の川にいる船頭と弾幕ごっこをしてきたらしい。自慢の杓は折れていないようだが、髪に小錢が絡んでいるから、そこまで良い結果ではなかったらしい。
「で、なんで一輪なのさ」
「まあ、もうちょっと人里の人と絡んでても、良いかなってのもあるし」

「酒ね」
「ばれたか」
 苦笑まじり、喜び半分の笑顔を作って舌をペロッと出してごまかした。一輪が隱れて酒を飲んでいるのは公然の秘密である。時には寅丸星まで紛れ込んで大騒ぎになるのだから面倒なことになるのだが、そういう時に助けてくれたのが先の依頼者――新婚バリバリ嫁さん妊娠中な酒屋の若大将であった。
 原酒を薄めての販売をするのだか、これが実に良い按配なのだ。上膳如水などとはいうが、なるほど、美味い酒は人を駄目にするのだな、と。彼の実力はそう思わせる品であった。今では豊富な水資源を使って、空気中の菌類を使ったランビック製法のビールまで作っていくのだから、一輪も期待している。

「ただまぁ、修行になると言うのも本当だし、いいかなって」
 一輪が袈裟を着ながらそう言った。近年、白蓮から直々に着けることを容認されたのが切っ掛けとなって、今ではすっかり仕事着になってしまった。
 まあ、白蓮は住職。寅丸星は信仰対象。ナズーリンは朝早くから夜遅くまでいるが基本的には在家僧。マミゾウとぬえはやる気無しで響子は修行を始めたばかり。自然と、一輪か村紗に代理を頼むことになる。

「やっぱカワイイ」
「貴方それしか感想言わないじゃない」
「脱がしたい」
「性的な意味で?」
「性的な意味で」
「はいはい」
 村紗とそんな会話をしてから、一輪を送り出した。

 ☆ ☆ ☆

 夜になった。
 人里での情報収集も済んだ。基本的な活動場所は酒屋の軒下で、活動時間は夜であるらしい。吸血鬼の登場としては何も問題ないであろう。そして、酒屋の若大将が昼間に見たという妖怪も、なんとはなしに予見がついた。
 山猿のような容姿風体に、牛に似た顔で、軒下から妊婦を気にしていくというのだ。
(そんな妖怪もいたな)

 妖怪ケッケ。
 とはいえ、吸血鬼と呼ぶのであれば、より問題なのはその贈り物であろう。人間でも意中の相手に贈り物をするが、今回の妖怪もそんな風習を良しとしているらしい。
 ある朝、若大将が外に出ると、干物になった豚がいたという。まして、よくよく調べてその豚は妊娠していたという。
 妊婦の干物。
 ケッケが血や精気を吸い取ってしまったその結果であろう。
 そしてそのお鉢が、命蓮寺に――ひいては一輪に回って来た。
「まったく」

 夕方に酒屋の軒下を見ても誰もいなかった為に、今、こうして夜に出歩いている。
 のだが。
「やれやれだわ」
 夜に人が人里の外を歩いていると襲われるなどというが、いささか、酷い。人間に扮した妖怪に襲われる事、三度。森に入った瞬間に襲われる為に、捜査どころではない。

 まして、
「んっ、ぐぁ、ヴぁぁ――!!」
 襲われている幼女を見るというのは、如何に平穏を尊ぶ仏教徒の一輪であっても、純粋に反吐が出る。
「やべっ、やべへぇ……!!」
 今、一輪の眼前では山猿が幼女を蹂躙している。金色の髪をゆらゆらと揺らして貫かれている幼女は、山猿に貫かれ、性の捌け口となり理性ある生物の尊厳を踏みにじられている事実に拒否している――が、けして本当に拒絶しているわけでもなく、全身では性の快感に打ち震えている。
(どうしようかしら)
 犬の股間に生えるキノコ状の陰茎が、幼女の陰裂を何度も何度も打ちつけていく。

「だべ……おマ○コ……!! ぐぢょぐぢょって……え……!!」
 出してやる、妊娠させてやる。
 そんな山猿の、野生の本能を直に体現している乱暴な抽送運動は、幼女の中に眠る女としての本能を強制的に目覚めさせ、性の悦楽に目覚めさせていった。幼女の全身は汗ばみ、身体を激しい愉悦に身を任せて、愛蜜をしとどに流している。
「妊じん……妊じんしぢゃう……!!」
 好みでしているのか強制的に変えられたのかわからない一輪には動きにくい光景であった。が、ある事に気づいた。

(フランドール?)
 吸血鬼。
 紅魔館の秘められた妹。
 揺らめく金髪と共に、背中にある宝石のような翼が特徴的な妖怪であった。その反面、無邪気な残酷さを持ち合わせていると聞いているが、今の彼女が見せている痴態は男を相手にする娼婦を思わせる。

「なが……もっど……ながに……びゅぐびゅぐ……っで……じでぇ……!!」
 山猿が吠え、金髪の幼女が絶叫をあげ、お互いに絶頂を迎える。我に帰った山猿を一輪が捕まえようとした。事情は聞いておいて損はない。そう思って一輪が一歩前に踏み出したその時であった。
「お姉ちゃん、誰?」
 興味津々、先程の痴態とは打って変わって子供然とした好奇心に満ちた顔を見せるフランの顔があった。一輪の背筋に恐怖が走る。ヒッと一輪が息をのんだ瞬間に、フランをくみしだいていた山猿は去っていった。

「まあ、いいや。遊んで」
 全裸、股間からは愛蜜と精液の混じった液体を流したまま、フランはニッコリと笑ってそういった。
(マズイマズイマズイ……!!)
 このまま起きるのは、暴力である。
 幻想郷最強種である鬼に入るフランである。ただの戯れが、無慈悲な暴力になることはそう難しい考えではない。だからといって逃げるのも問題がある。ここで倒してしまわない限り、フランの無邪気な遊びはそのまま周囲を襲う事になるであろう。
 人も妖怪も問わず、である。

 一輪が止めるしか無い。
 法輪を二つ、手首に回す。法輪は一輪の力を受けて、手首を軸にした状態で空中に浮遊する。そして一輪の隣には雲山がその顔と手首を出現させる。
「雲山」
 隣に立った巨顔が頷く。
 そして、意気揚々と殺意の無い無邪気な吸血鬼が迫り来る。彼女の真意こそ殺害意図はないものの、殺戮傷害の遊びは武者着であるから無罪などという言い訳は通用しない程になっている。
「やれやれだわ」
「ッ――!?」
 巨拳が吸血鬼を殴り飛ばした。岩石の直撃にも似たその威力は、吸血鬼の迫撃を受け止めるには十分であった。フランが何度か地面にリバウンドすると、不思議そうな顔をしていた。
 吸血鬼の顔が、ニヤリと笑みを浮かべた。

(やっかいな話になったわ)
 妖怪ケッケを見つけるまで夜を歩いているだけの算段だったのだが、吸血鬼が相手となると話が違う。金銭を要求するわけにはいかないのだが、そういう儲けの一つや二つはないと苦しい。
 フランが杖を持った。紅い閃光が夜を切り裂く。
(デカイわーっ!!)
 禁忌『レーヴァテイン』。
 大剣に似た巨大なエネルギーが一輪を襲う。真剣白羽取りをして受け止めるも、一輪が有利になったわけではない。弾幕ごっこのルールから逸脱してしまえば、博麗の巫女が動く可能性も多いにある。

(さて、どうする)
 最重要課題としては、人里の安全確保である。できればこのまま退治してしまえれば良いのであろうが、一輪では消耗戦を仕掛けるのが精一杯である。消耗戦による時間切れ体力切れを待ちながら、誰かの手を借りるしかない。自分の実力が足りない口惜しさにかまっている時間はない。弾幕を避けながら、一輪は考える。
(誰かに頼るしかないんだろうけど、誰にする?)
 白蓮は駄目だ。命蓮寺は人里に近すぎる。自分が囮になり続ければいいのであろうが、それが出来る確証が無い。
 博麗の巫女はどうであろうか。彼女ならばフランにも勝つであろう。ただしその場合、一輪の直々に退治される可能性が色濃い。よしんば退治されなかったとしても、みかじめ料というか、お祓い料を命蓮寺の名で支払う必要がある。
ならば後は――紅魔館。
紅魔館の真意は一輪にはわからない。だが、吸血鬼であるレミリアはプライドは高い。今回の騒動に関して何か意向を示すという事はないであろうが、フランを抑え込めれば問題ない。
そう考えていた時であった。

「ほう、楽しい事をしているじゃないか」

 一輪の背後から、悪魔の妹の姉が出てきた。その隣にいるのは従者である。月明かりがまぶしい今は、日傘も要らない。単純に夜の散歩であった。幻想郷にいる鬼の中でも、泥酔している萃香や無邪気なフランとは違い、最も理性的なのがレミリアである。
 ただし、このシチュエーションが一輪にはマズい。
「? フラン。その身体はどうしたの? 服は?」
 今のフランは全裸、内腿には粘着質な精液がついている。そして眼前にいるのは、幻想郷の一般妖怪とは一線を画している妖怪寺の尼僧――まして住職代行。
「いや、いい」
 吸血鬼の目が一輪を見た。

「そこのシスターに質問するわ」
 レミリアが一輪の背後に立ち、
「お姉さまには渡さないわよ? 乱入するにはコインいっこ入れないと」
 フランが一輪の前に立った。
 挟み打ちの形になる。

(挟み打ちになるのは吸血鬼の方じゃないの?)
 そんな事を言っても詮ないことである。
 無実を主張するしかない。
「待って、私は無実よ」
 一輪がそう言った瞬間、フランのレーヴァテインが木々をなぎ倒しながら大きく迫り来る。雲山が紅い大剣を受け止めた瞬間、背後から紅い閃光が一輪の視界を赤く染める。
 神槍「スピア・ザ・グングニル」。
「お前たち、その場を動くな」
 動けば受け止めている白羽取りが解除されてフランに叩き斬られる。
 動かなければレミリアの神槍が一輪の背中を射抜く。
 ――どうしろってんのよ!!
 一輪がそんな文句を口にする前に、レミリアの神槍が放たれた。紅い閃光がその場にいる全員の視界を赤く染めると同時に、レーバテインを受け止めている雲山の手を貫いた。
 そして三つ巴の末、三つの弾幕が同時に相殺された。

「ッ――!?」
 一輪が息を飲んだその瞬間、咲夜がフランの身体を拘束した。彼女の能力の事は一輪も聞き及んでいたが、だからといって、わずか一瞬の内に吸血鬼を拘束するアイテムを紅魔館まで取りに行って帰ってきたのだから、恐ろしいという感覚はある。
 よくやった咲夜、と従者を褒めると、次にレミリアは一輪の方を視界の中心に据えた。

「まあ、話ぐらいは聞いてやろう」
 穏やかな口調ではあったが、レミリアの目は笑っていない。フランは地下に幽閉されていると聞いているが、姉は姉なりに、妹を慮っているのであろう。不敬を働けば――そんなつもりは毛頭無いが――一輪がどんな状況に会うかわからないだけの敵意がレミリアの視線にあった。
 一輪は事情を話した。
 若大将の事、妊娠した妻の事、妖怪ケッケの事、フランが妖怪と戯れてきた事。

「若大将というのは……」
「人里の酒屋でしょう? ホラ、お饅頭屋さん斜向かいにある」
 咲夜の言葉で合点が言ったのか、レミリアは何度か頷いて若大将のことを思い出していた。
「あいつか。あいつの日本酒は興味深いのよね。霊夢なんかが来るとよく飲んでるわ」
 暗にそれだけ順位が低い興味主眼の物だと言っているが、そこは大きな問題ではない。今レミリアが問題にしているのは、フランをくみしだいていたのが誰だという事になる。
 そして一輪が咲夜と同時に思いついた仮説が、フランをくつみしだいたあの妖怪こそ若大将の妊娠した妻を狙っている妖怪ケッケなのではないか、ということである。
 なるほど、一輪が月明かりで見た姿は山猿然としたものであょたが、妖怪ケッケの話ともかみ合う。自ら相手を妊娠させ、その妊娠した相手の生き血や精気を吸うと言うことは可能性の問題ではあるが、考える余地はある。

「では、後のことは私らに任せろ」
「ちょっと、なんでよ」
 レミリアがそう言い放ったのを、一輪が止める。レミリアはその言葉に、疑問符を浮かべた視線を返してきた。
「首謀した相手がボコボコにされれば問題ないでしょう?」
 確かに、妖怪ケッケが倒されるとなれば一応の事件解決ではある。妖怪を退治するのが人間か妖怪かなどというのは実は些事であるという空気があった。現に一輪も、迷惑な天狗記者を迎撃したことがある。
「うちが聞いた問題なので、うちが倒すのが筋です。それに、退治された妖怪を見てこそ人は安心するというもの。発刊が遅くても、姫海棠とかいう天狗を使えば真っ当に情報は流れます」
 レミリアが何秒か考える。
 咲夜が二度三度、口添えをするとレミリアは納得をしたようであった。

「なるほど。ここで私が手を引けば、良からぬ噂も回避できるし、些事に時間をかけなくても良い。その上、下級妖怪の決闘を観戦するとことが出来る。その上、命蓮寺との仲も悪くならない。そして傲慢な妖怪も人間への恐怖を失う。まあ、そう悪くない提案だ」
 幾つか言いたい事はあるが、おおむね、一輪にも問題ないバランスである。そして上手く行き過ぎている為に、一輪はかつての経験上、何かあると踏んでいた。
「ただし、気に食わないことがある」

 ほら、来た。
「一つは、妹があんな目にあっても何も動かない姉でいたくはない、ということだ」
 姉としては当然であろう。むしろ妖怪としては珍しい類である。
「そして二つ目は、身内に何かあっても動かない主でありたくないということ」
 これも当然。自身の身内を重点的に優先するのはよくあることである。むしろ世間からすれば、身内意外にも優しくする仏教徒が珍しいのである。
「三つ目、お前に譲りすぎていて不公平である」
(きたな)
 これが問題。
 これで何かを譲りさえすれば、そのままズルズルと譲り続けるはめになる。実際、地下の旧都にもそういう輩はいて勇儀や地霊殿相手にケンカをしていた事が何度かあった。

「で、何が良いのかしら?」
 場合によってはそのまま弾幕ごっこになる。従者に警戒されるのを承知の上で、一輪は法輪を強く握った。レミリアはさらに何秒か考えた後、答えた。
「一発殴らせろ。ああお前じゃない。そのケッケとかいう奴をだ」
「生きているなら良いでしょう」
「お前の妖怪退治を近くで見るぞ?」
「まあそれぐらいなら」
「最後に……」
(まだあるの?)
 レミリアも自身が持つ欲求の多くをガマンしているのだから、ある程度は仕方ない。とはいえ、このままいけば、本当にズルズルと譲り続ける羽目になる。ここいらでしおどきにしてほしい所であった。
 レミリアが口を開く。

「お前の自慢の酒をもってこい。終わったら宴会をするぞ」
 一輪の口がニヤリと動く。
 譲らなくてもよくなった、という事もさながら。一輪秘蔵の酒というのは実際に有る。しかしながら、半ば公然の秘密になっているとはいえ、本来、尼僧が酒を飲むというのは良くはない。
 秘蔵の酒を共有できる愉しみというのに、一輪は長らく欠いていた節がある。
 そこへ、レミリアの言葉である。
 彼女であれば――あるいは従者の咲夜でも良いし、妖精メイドの誰かでも良い――酒の味を理解できる。一輪は純粋に、酒の味を共有できる相手を見つけたのだ。
「では、そうしましょう」

 ☆ ☆ ☆

 さらに三日目の夜。
 牛の顔をした山猿――ケッケが女を連れ去ってきていた。若大将の妊婦ではない。あの女はもっと胎児ごと成長させてから一気に養分を吸う事を目的としている意中の相手である。
「やめ、ぎゃああ……あああを……ヴっ……ぐっ……ふヴぅぅぅぅぅ……!!」
 ケッケが乾いた女の陰裂に陰茎を差し込んだ。こうして悲鳴を聞いているのも心地良いが、やはり醍醐味は、一度精液を発射した後の、性の快感に目覚めていく本能と理性の葛藤である。
 その葛藤のさなか、、コツンコツンと亀頭で子宮口を叩いて理性を破壞していくのが、ケッケのたまらない快感であった。それを想像するだけでガマンできないのだと、ケッケの陰茎は熱くなり膨張し、そのままドブリと精液を吐き出した。
「あぐっ……やめっ……なんで……きもち良……!! やめっ……動かないで……ヤなのぉ……アンタので……イっちゃうなんて……ヤなのにぃぃぃ!!」

 そうだ。
 その顔だ。
 その言葉だ。
 その鳴き声だ。

 女の理性が溶かされていくこの時間が、ケッケには何よりの嗜好であった。
 ホウラ、もう一度吐き出すぞ。
「ほう、お前か。私の妹に好き勝手してくれたのは」
 途端、ケッケが弾かれるように陰茎を引き抜いて飛ぶように逃げた。否、正確には逃げようとしていた、であった。足にはそれなりに自慢があったケッケであるが、目の前にいる銀髪の少女はそれ以上の速度で移動していた。

「逃げるな」
 矢が飛んできた。
 ケッケがそう錯覚したのも束の間、我が身が分断されるほどの激痛を感じながらも、自身に刺さった矢を見た時、その正体を確認して驚愕した。
 指であった。
 銀髪の少女が、人間にして十歳前後ほどかという肉体の短い指を伸ばして、高速で打ち出してきた。

「おい、まがい物。精気を吸うというのはな、こうやるんだよ」
 言って、ケッケの精気が指に吸われていく。
 心臓の鼓動と同じテンポで、ケッケの精気が吸われていく。乾いた大地に水をまくなどという程度でない。酒呑童子に酒をやるようなものである。
「ギッ!! ギッ!!」
 ケッケが何度か威嚇音を出しているが、眼前にいる銀髪の少女は動じる気配はない。毎秒毎秒、ケッケの精気が吸われていく。ケッケの視界が何度か途切れ始め、ついには意識の明滅とも言うべき、気絶と覚醒の境界に陥った。

「お嬢様、それ以上ですと約束を違える可能性が」
「む、そうか」
 少女が指を引き抜いた。
 その時初めて、ケッケが眼前の相手を直視した。年端も行かない少女、妊婦になっていないどころか、未だ妊娠もできなさそうな年若い少女。そして隣には、出産適齢期の女が仕えているが、ケッケの本能がこの二人には手を出すなと訴えている。

「ギーッ!!」
 捨て台詞に似た音を吐いて、ケッケは逃亡を開始した。
「咲夜、追い込め」
 その言葉がケッケの耳に入った途端、ケッケの直前にナイフが数本刺さった。ケッケは四肢を巧みに使って急ブレーキをしながら方向転換をした。どんな方法を使ったかまではわからないが、逃げる相手の進路上にナイフを設置するなどそうできるはずが無い。
 そうケッケは考えていた。

 だが、何度も何度もナイフが刺さる。
 三度、四度とナイフの奇襲を受ける度に方向転換をしていった。そしてついにケッケは、ナイフの出現による奇襲を回避しきったのであった。
 そして目の前には好都合にも、一人の尼僧がいた。
 やった。
 こいつの腕を飛ばして、くみしだいてやろう。俺の自慢の得物を入れてやれば良い。そうして精気を吸って俺が生き返った後、あの酒屋の女にプレゼントだ。

「お、ん、なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ケッケが尼僧に近づく。
 二つの法輪と袈裟を薔薇した尼。
「や、ら、せ、ろぉぉぉぉぉぉぉ」
 ケッケの手が尼に迫ったその瞬間、ケッケが空中で停止した。顔面を殴られた。何が起きたのか、完全に奇襲を受けたケッケにはわからない。ただわかるのは、少女の傍らには鬼瓦に似た顔を持つ入道雲がいたと言う事実である。

 コォォーッ、と尼が息を吸う。
 そして次に繰り出されるのは、延々続くワンツーパンチであった。

「オラオラオラオラオラオラオラ――!!」
 高速のワンツーパンチが、ケッケの肉体を殴打すると同時に、永遠に続くと思わせる一秒を体感させる。骨が折れ、肉がゆがみ、全身を破壊されていった。
「嵐符『仏罰の野分雲』ォォォォォ!!」
 強烈なボディブローが、ケッケの肉体を宙に浮かせた。
 安心してよ。殺したりなんかしないから。痛い目にはあってもらうけど。
 ケッケが尼の姿を見た瞬間、尼の目からそんな意識が通じた。




 気絶するほど――。




 尼が拳を握る。
 入道雲がそれに合わせて、巨大な拳を握りこむ。




――ハード!!




 尼が地面を叩くと同時に、入道雲がケッケを押しつぶして地面を殴った。
「やれやれだわ」
 前髪を書き上げて尼、一輪はこうも言った。
「これで安心して寝れるわね。若大将」
 これにて、酒屋の夫婦を驚怖させた小さな異変は解決した。

 ☆ ☆ ☆

 後日談がある。
 翌日、日が昇ると一輪はまず始めに、ケッケの写真を取った烏天狗を利用して、酒屋の夫婦にケッケを討伐したと説明した。これでケッケは、一輪に退治される程度の妖怪としての伝聞が広まり、妖怪としての凶暴さは無くなるであろう。
 地下での生活が悪いとは思わない。
 聖輦船の地上脱出が無ければ、一輪もまた、地下旧都に住んでいたであろう。ケッケが地下旧都に住みたいと、事前に命蓮寺か博麗神社に言い出していれば、まだ何とかなったであろう。

 だがケッケが地上に住むというのであれば、命蓮寺の常識としては地上の人間を傷つけるのは宜しくない。
 今回の結果は、一輪に何か抱えるものがあったのであろうが、その真意は一輪のみが知る所である。
 そしてその晩、約束通り、酒を隠し持って紅魔館に参上した。
 自慢の酒である。
 まして酒屋の若大将に、協力者がいる、と申し出た所、その協力者にも感謝がしたい、として蔵にあった最上級の酒を持ってきた。これには一輪だけでなく、レミリアも感嘆の顔を作った。

 だが、上膳如水。
 湯水を飲むように酒を飲んだ一輪はそのまま酔いつぶれ、あろう事か咲夜が、
「使い慣れた枕が良いでしょう」
 と言い出した為に命蓮寺へご案内。
 酒を飲んでいる事がバレた一輪は白蓮に叱られる事となった。
 おおむね全員が幸せになっている。
「私、最後だけ不幸なんですけど」
 おおむね、だからね。
陽子一つ分はどうでしたでしょうか?

心綺楼一輪があまりにもカワイイからSS書き始めたら完成していた。
何を言っているのかわからねぇと思うが、おもれ何を言っているのかわからねぇ。
ただ一つ言えるのは、過去最速の速度で書き上げたという事だ(グググッ)

 今回も、「ココ気にくわねぇ」「ココがいい」と感想をいただけたらと思います。
 誤字脱字・日本語の間違い等等の方も、指摘を確認しだい、修正していきたいと思いますのでコメントいただけたらと思います。
 また、今回も、返信用テンプレートを備え付けておきます。「文章思いつかねぇ!」という人は、ご利用ください。
 そして、書く内容がコメント欄にし辛い内容でしたら、ツイッター一応やってるので探してみるといいかもです。
 その場合、想像と違う人格である可能性もあるのでフォローして即外しても良いかも。

○返信用テンプレート
一輪増えろ。
練ってこい。
パロディ邪魔臭い。
エロ書け。
気絶するほど……ハード!!
ひととせ
shiki_9@hotmail.com
http://hitotos-mikka.jugem.jp/
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
エロいのが読みたかったけど、一輪さんがかっこよくて魅力的だったので許す。
でも次はエロいの読みたい。
2.名前が無い程度の能力削除
面白かったです
フランのエロシーンを妊娠するくらいもっとガッツリ描いて欲しかったのと一輪さんのエロシーンも書いて欲しかったです
3.名前が無い程度の能力削除
とにかく仏罰の野分雲を打ちたい気持ちがよく伝わりました。
フランちゃんのエロシチュが良かったので、もっとネチョいほうが美味しいと思いました。
全裸のバトルシーンとか胸熱だ。