真・東方夜伽話

たのしい雛まつり

2012/03/06 01:44:17
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たのしい雛まつり

ナヅナ

 









「雛! いや、雛様! お願いします、これ着てください」
「三週間も私を放っておいて、久方ぶりに来てくれたと思ったらいきなり雛様呼ばわり。というか、それ何?」

 にとりが差し出したのは巨大な風呂敷包み。しかもなぜか風呂敷なのにフリルがついている。にとりが差し出したものではあるが、にとりの趣味というわけではない。
 フリル付き風呂敷という珍妙な代物は、魔法の森の人形遣いのお手製だった。にとりだったら絶対に指定しない。にとりが指定したのはその風呂敷の中身であり、風呂敷そのものはおまけだった。



「雛祭りに、雛に着て貰いたくて作ってもらったよ、十二単!」
「十二単?」

 雛のいぶかしんだ表情ににとりは焦って説明する。

 光学迷彩で身を隠し、人里をふらついていたときに、お雛様を見かけたこと。人里の豪商だったせいか、ひな壇もお雛様も大きくて、その衣装も手が込んでいたこと。
 それはとてもとても雛に似合いそうだったこと。

 でも人里で買うのはちょっと怖かったので、魔理沙に案内してもらって、アリスに十二単を発注してみたこと。
 忙しいのでと渋られたけど、代償に人形の細やかな部品の提供を約束したこと。
 その部品の作成に徹夜を繰り返し、雛と会う時間がなくなったこと。

 とにかく雛には着て欲しい。
 絶対似合うから。可愛いから。綺麗だから。

 そんなことをにとりは、身振り手振りを駆使してまくしたてる。



 自分の言いたいことを口で伝えようとすると周りが見えなくなるにとりの扱いも、雛には慣れたものだった。

「お座り!待て!」

 忠犬にとりはちょこんと畳に座る。しかしそれでも風呂敷包みは慎重に床に置いた。

「まあ、分かったわ。その風呂敷の中の十二単を着ればいいのね」
 雛はこめかみに指をつけてため息をついた。
 雛はその風呂敷包みの大きさに納得した。十二単を包んだら、当然巨大になるに決まっている。だいたい十人分の服を一緒に風呂敷に収めたからなのだから。
 雛は贈り物は嬉しかった。忠犬にとりは、十二単を着た自分が見たいだけなのは分かっている。それでもにとりは純粋に雛と楽しみを共有したいのだ。雛はそれが分かっているので、にとりに強くは言えなかった。

「でも、服なんかより、にとりに来て貰った方が嬉しいのに」
 雛はそうにとりに聞こえないようにこぼした。

 にとりはにとりで、その聞こえてしまった呟きを聞き流す。
「でも、雛には綺麗な服を着てもらいたいし、美人な雛がもっと綺麗になるのを見たいから」
 雛の「お座り」に遮られて最後まで言えなかったせりふを、口の中で反芻する。
 そのせりふは雛には届かなかったが、雛はにとりのお願いを拒絶するつもりは毛頭なかった。

「着物を着るなんて久々ね、しかも十二単なんて。最近は洋服ばかりで、着付けを忘れてるんじゃないから」
「じゃ、手伝ってあげ」
「にとりの手つきと目つきがいやらしいから却下」
「そんなあ」

 しかし十二単が一人で着付けられるわけもなく、結局はにとりに手伝ってもらうことになったのだった。
「眼福、眼福。いやあ、眼福ですなあ」
「光学迷彩を借りて着替えようかしら。十二単着るなら、光学迷彩の一枚増えたところで大した差はないわね」
「そんな殺生な……」
















「重いわ……。これでくるくる回ったら遠心力で空を飛べそうな気がするわ。とても回れないけど」
「やっぱり、綺麗だね。雛は何を着ても似合う」

 雛の実際的な感想に対して、にとりは雛の周りを回りながら瞳を輝かせている。
 雛にとっては、その瞳の輝きをにとり自分の服装に活かして欲しいところだったけれど、雛だってにとりに褒められれば嬉しくないわけがない。

 雛の十二単は桃の節句らしく、紅、蘇芳、若芽といった色で揃えられている。そんな十二単に顔を近づけて観察したり、遠ざかって眺めたりにとりは忙しそうにしている。
 一方の雛といえば、その十二単の重さに容易に歩き出すこともできずに、にとりに鑑賞されるがままになっている。

「ねえ、にとり。いつまでもそうして見ていられると、何か恥ずかしいんだけど」
「うーん、もっと見たいけど……。でもなあ、雛は可愛いしなあ」
「いくらおだてても何もでないわよ」
「何も出なくて良いよ。代わりにもっと見させてもらうからさ」

 今度は近づいてくるにとり、雛の真正面に立って、雛のつま先から頭までを眺める。
 それまではきりっとした表情で見ていたにとりだったが、その表情が間近で雛を再確認することで崩れてしまった。

「やっぱり、雛可愛いっ」

 にとりとしてはいつも通りのスキンシップのつもりだった。いつものように雛に抱きついたにとり、しかし今日の雛は常日頃の雛ではなかった。着慣れなく、重い十二単の上に、今日に抱きつかれてしまっては、雛が体勢を保つのは難しかった。



「いたた」
「ごめんね、雛。怪我してない?」
「大丈夫、こういう時には十二単のクッション性様々ね、大して痛くないわ。弾幕のときも着ていけば、被弾してもあんまり痛くないかも」
「弾幕ごっこじゃ、折角の服が傷ついちゃから止めてよ」
「もちろんよ、せっかくにとりに貰った服だもの、大切にするわ。それでにとり、そろそろ私の上からどいて貰えると嬉しいのだけれど」
 にとりは倒れこんだ勢いで、雛を組み敷いていた。そして組み敷いたまま、ただ一言雛に応えた。
「嫌」
 どうして、と雛が問い返す前ににとりから、その問いの返答が帰ってくる。



「私だって、雛と三週間会えなくて寂しかったんだから。でも間隔をあけた後に一回会っちゃうと、雛のところに入り浸るのが目に見えていたから。
 雛に会いたくてしょうがないときは、十二単を華麗に着こなす雛を想像して我慢してたの。
 でもこうして実際に雛に着て貰うと想像と全然違うね。想像以上に雛が綺麗で、その、我慢できない、かな」
 最後の最後で照れて頬をかくにとり。
でも最後には「駄目かな」と真顔で雛の意見を伺う。

「駄目なわけないじゃない。私だってにとりとずっとこうしたかったんだから……」






















 にとりが、艶やかな十二単を束ねている裳を解くと、その間から雛の白い裸体が露わになる。にとりはその裸体を眼球に焼き付けると、お臍の傍に舌を這わせ、キスをする。
「雛、今日は一段と綺麗だね」
「いつもと一緒でしょ」
 雛はドライに答えるが、にとりの意見は違った。
「いつもの雛の服も好きだけど、こうして十二単の間から見ると、いつもよりもっと綺麗に見えるね」

 にとりは十二単の衣を肌蹴過ぎない程度に、雛の身体が良く見えるように広げて、その間に見える白いうねりに舌を這わせる。
 にとりのキスの連続はだんだんと下部へと降りて行く。
 雛はそんなにとりの頭を押さえつけるでもなく、そのふわふわの髪に手を添える。本当は雛もにとりにしてあげたいのだが、十二単に袖を通したまま倒れこんだ雛には、腕を動かすのが精一杯だった。
 しかしそれでも頭を触れられているだけで、にとりは雛が受け入れてくれていることを実感できる。

 だからにとりは雛をもっと気持ちよくさせるために、雛の秘裂に舌を入り込ませた。
 にとりの頭に触れていた雛の指がぴくりと動いたことで、にとりは雛の感覚を掴んだ。にとりは目の前のいとしい人の秘裂を舌でかき混ぜる。にとりの舌が大きく動くたびに、雛の太ももがにとりの身体を挟み込もうとする。

「やっぱり雛、可愛いね」
「そんなところ見ながら言わないの。それに十二単も何も関係ないじゃないの」
「それはそうだけど。雛が気持ちいいのを我慢するように太ももを動かしてるでしょ。そういう雛のちょっとした動き見てるだけで、幸せな気持ちになれるんだ」にとりは顔を上げて雛に微笑んだ。「だから雛にもこの気持ちをあげるね」
 にとりの河童らしい、雛より長い舌での舌遣いに、雛は十二単の袖をかみ締めて耐えようとするが、にとりはそれを許さない。
 にとりは雛に可愛い声を上げさせたい。
 舌だけでは雛に嬌声を上げさせるほどの刺激は与えられなかった。逆にそれは雛を焦らすような効果を持ってはいたけれど、にとりは雛の声をもっと聞きたかった。

「ひん、あっ」
 すぐに効果は現れた。にとりの舌と指の組み合わせで、にとりは雛の秘所を攻め立てる。雛の秘芯ににとりの指に出来たスパナのタコが当たり、雛は十二単の袖を握り締める。
「にとりぃ、にとり……」そうにとりの名前を呼びながら、にとりの機械油の染みついた手で狂おしいほどの快感に襲われる。

 雛はにとりの小さな傷だらけの手が好きだった。その手で愛撫されているというだけで雛は涙を流してその愛撫を受け入れる。しかもにとりは持ち前の器用さを発揮して、じっくりと雛を苛め抜く。

「駄目、にとり。にとりの指でいっちゃう」
「いいよ、雛。その可愛い声を私に聞かせてよ」
「やぁ、おかしくなっちゃう、駄目っ」
「可愛い、お雛様、いちゃっていいよ」
 そう言うとにとりは一際強く雛の秘芯を刺激すると、それが絶頂への呼び水となった。

「ひゃうっ、に、にとりぃ」
 乱れた十二単に埋もれながら、そんな声を上げた雛の法悦に浸る姿を、にとりは目じりを下げて見つめる。
「やっぱり雛は可愛いね」

 にとりがそう言いながら抱きしめるが、雛はそんなにとりの胸に顔を預けることしかできなかった。










 雛はすっかり皺のついてしまった十二単を抱くように羽織る。
「もうせっかく着たのに……。こんなに皺ついちゃったらお手入れが大変だわ」

「雛のいろんな液体がついちゃったしね」そんな親父っぽい物言いをしたにとりの頭を、雛が軽く叩いた。
「エロ河童禁止、むしろ河童禁止」

 叩かれたことも気にせず、にとりはその十二単を羽織る雛を眺める。
 裳もつけていない状態では手で抑えていないと、衣はまとまらない。しかも羽織っただけなので、いろいろなところに隙が見える。
 その隙間から情事で火照った雛の肌が覗く。

「でも、そう着崩していると、雛も、エロいね……」
「何よ、にとりのせいじゃない」
「そうそう、だから責任とって上げる」

 にとりは雛を十二単ごと抱きしめる。雛はそれを受け入れるために手を衣から離したせいで、雛の白い肌が再び露わになった。
 その隙間からにとりが手を伸ばし、雛の胸に触れる。雛もそんなにとりの身体を抱きしめる。

「ね、にとり」
「ん、なあに?」
 雛の頬にキスをしながらのにとりの生返事に雛は気を悪くする様子もない。

「責任とってね、お内裏様」






 にとりは知らなかった。部屋の片隅にある葛篭の中身を。
 アリスに服を注文したのは何も、にとりだけではなかったのだった。





 
十二単調べてたら、十二単っていわゆる帯を使わないんですね。しかも簡単に解けるとか、なんというネチョ向け。
でもにとりにとっては帯を解く楽しみがなくて残念でした。

ところで今日が何日だって? アー、キコエナイ

>>8さん
誤字指摘ありがとうございました
ナヅナ
tidulu@hotmail.com
http://www.pixiv.net/member.php?id=2019324
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
ナヅナさんがにと雛書いてくれるとは思わなかったわ
ひゃあたまんねぇ!
2.名前が無い程度の能力削除
俺たちの雛祭りはこれからだ!ってことでいいんじゃないですかね?w

十二単プレイエロぉい・・・。御馳走様でした。
3.名前が無い程度の能力削除
襲の種類にも色々あって、その日の気分でパターン変えられる先進的な服やでぇ
つまり今日ニャンニャンしたい時はあの色でとか
4.名前が無い程度の能力削除
新ジャンル、十二単プレイけぇ
5.名前が無い程度の能力削除
後で内裏雛の写真を天狗に撮って貰うべき
6.名前が無い程度の能力削除
十二単プレイとは新しい
エロくて良かった
7.名前が無い程度の能力削除
イベント当日よりも過ぎてからの方が良作が来る法則
8.名前が無い程度の能力削除
誤字報告                            ×木を悪くする様子                       ○気を悪くする様子
9.名前が無い程度の能力削除
コスプレにハマる夫婦の心理を見た気がする