真・東方夜伽話

ヤンデレアリスの異常な愛情+α

2008/03/24 09:02:58
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ヤンデレアリスの異常な愛情+α

(´・ω・`)
※注意!このSSのアリスは本当にヤンデレです。
 そしてネチョ分は5%~10%程度です。
 それでも大丈夫な方のみ、下にお進み下さい。















ある朝、霧雨魔理沙が目を覚ますと、其処は彼女の家ではなかった。

/ヤンデレアリスの異常な愛情

「…?」

魔理沙は、まだ気だるさの残る体を動かして、周囲の様子を確認する。
…彼女の家とは比べ物にならない程に整理整頓された、綺麗な部屋。
ガラス張りの棚の中には魔理沙自身も見覚えのある人形が、幾つも並んでいて…

「…アリスの、家…か…?
そう言えば昨日、確か…アリスの家に遊びに行って…それから…」

昨日の事を思い出そうとしながら、あくびをかこうとして…ガチャ、という嫌な金属音が、彼女の耳に届いた。
音の方に視線を向けると、其処には手錠を嵌められた、自身の手足があって。
…そこで漸く、魔理沙は完全に目を覚ました。

「!?
な、何だよコレ!?」

驚いたような声をあげ、自分の状況を確認する魔理沙。
其処には、お世辞にも好ましいとは言えない状況が広がっていた。
手足は大の字に開かれ、両手は手錠、両足は…人形を扱う糸のようなモノで縛られていて、身動きが全く取れない。
手足以外は縛られても居ないし、服を脱がされたりもしては居ないようだが…それでも、今の状況は異常だった。
誰がこんな事を、と考える前に、魔理沙は此処が誰の家か思い出す。

「…あ、アリス!居ないのか、アリス!!」

自身の異常な状況からの恐怖からか、大きな声を出して、家の主であり親友であるアリスの名前を呼ぶ魔理沙。
その行為は、ある意味危うい。
確かに今の状況で周囲に居るのは彼女だけなのかもしれないが、そもそもこの状況に陥った理由は…

「あ、おはよう魔理沙♪
今ちょっと朝ごはん作ってるから待っててね?」

…その、軽やかな声の主では、ないのかと。
だが魔理沙はそんな事を考える余裕すらなく、アリスの声が聞こえた事に安堵する。
異常な状況の中で自分の知る者…それも親友の声が聞こえてきたのだから、それも仕方ない。

「朝ご飯なんていいからこっちに来てくれ!
何でか知らないが、縛られてて動けないんだ!!」
「あはは、心配しないで大丈夫よ?
私が朝ご飯を…その、ちゃんと食べさせてあげるから♪」

嫌に上機嫌なその言葉に、魔理沙の表情が凍りつく。
それはつまり、今の状況を作り出したのは、彼女と言う事で。
少し考えればわかる筈の事だったのに、その事実が魔理沙の安堵を破壊していく。

「なんでこんな事…っ、なあ、悪戯にしては度が過ぎてるぞアリス!?」
「…だって…だもの」

上機嫌だったアリスの声が、急に小さく暗いモノに変わる。
その様子の変わりように、魔理沙は思わず身体を震わせた。
…違う。
今のアリスは、いつものアリスとは違う、と本能で察してしまう。

「…あ、アリス…?」
「さ、ご飯できたわよ魔理沙♪
今日は腕によりをかけて作ったんだから、ちゃんと食べてよね?」

その声とともに、部屋の奥からてんこもりの料理を抱えたアリスが姿を見せた。
…その表情、姿…全て、いつものアリスとまるで差異はない。
寧ろ何時もより明るい分、普段のアリスよりも接しやすいとも言えるかも知れない。
だが、魔理沙はそれでも警戒は解かなかった。
何しろ自分を今の状況に追い込んでいるのは目の前のアリスなのだ。
安心など、出来る筈もない。

「ふふっ、今日はこんなに一杯作っちゃった…ちょっと、作りすぎちゃったかしら…///」
「…アリス…なあ、ご飯を食べるならもう手錠とか解いてくれても良いんじゃないか?」
「あらダメよ。だってそんな事したら魔理沙、逃げちゃうでしょ?」

にっこりと微笑みながら、魔理沙の言葉を遮るアリス。
その言葉には、有無を言わせない強制力が含まれていた。
何を言っても、今のアリスには無駄なんだ、と…魔理沙も漸く理解する。

「それじゃ朝ご飯にしましょう、魔理沙?
全部私が食べさせてあげるからね♪」
「………」

アリスの言葉に無言で返す魔理沙。
しかし、実際お腹が空いている事に変わりはない。
何しろ…彼女の記憶が定かなら昨日の昼から何も食べていない事になるのだ。
アリスが、スプーンに料理を乗せて魔理沙の口に近づける。
その途端に、魔理沙は…渋々と口を開いて、料理を受け入れた。

「えっと…どう、魔理沙…?」
「…ああ、美味いぜ。でも、自分で食べたらもっと美味いだろうけどな」
「そう、良かった…
何時もより丁寧に、腕によりをかけて作った甲斐があったわ♪」

嬉しそうに笑みを浮かべ、顔を赤らめながら、またスプーンに料理を乗せて魔理沙の口に運ぶアリス。
実際美味しいからか、それともこの行為自体に悪意はないと判断したのか、魔理沙も口を開けて、その料理を咀嚼する。

「(…なんで、アリスはこんな事を…)」

もぐもぐと料理を食べながら、魔理沙は考えていた。
少なくとも昨日よりも前は、アリスはこんな危険な雰囲気ではなかった筈なのに。
その間に自分が何かをしてしまったのだろうか、と思い浮かぶ…が、それの心当たりが魔理沙にはない。
精々パチュリーに会って、お茶を飲んで…本を借りていった程度、しか。

「まだまだあるからどんどん食べてね、魔理沙♪」
「…って待て、もうお腹一杯なんだが…んぐっ!?」

そう言う魔理沙の口に強引にスプーンを入れて、料理を食べさせていくアリス。
表情から笑みを崩す事もなく、魔理沙が料理を飲み込んだのを確認すると、再び料理を食べさせていく。
まだ皿の上には今まで食べた分以上の料理が積まれていた。

「…んぁっ、だ、だからもうお腹一杯って言ってるだろ、アリス!」
「ダメよ魔理沙…折角一杯作ったんだもの、全部食べてくれるでしょう、ね?」
「無理だって言って…っ!?あ…あ、ぐ…」
「ふふっ、やっぱり食べてくれるのね?
有難う、魔理沙♪」

無理だと言っている魔理沙の口が、彼女の意志に反するかのように勝手に開いていく。
そして開いた口に、アリスは嬉しそうに料理を入れていった。
…無論、魔理沙の意志でそうしている訳ではない。
アリスが自分の魔法でそれを強制させているのだ。
魔理沙も気付いて抵抗しようとするが、一瞬止める事すら適わない。

「んぐ、んぐ…っ、けふっ、やめ…あ、アリス…っ、もお、たべれな…っ」
「大丈夫よ、魔理沙…まだまだ食べれるでしょう?」

懇願する魔理沙にそう返すと、またアリスは料理を口に入れた。
口の周りを料理で汚しながらも、魔理沙の口は勝手に料理を食べてしまう。
既に魔理沙のお腹は服の上からでも判るほどに膨らみ始めていて、許容量を超えているのは目に見えていた。
しかしそれでもアリスは嬉しそうに…魔理沙の口の中に、料理を詰めていく。

そうして暫く食べ続けた後に…皿に山のように積まれていた料理全てが、魔理沙の中に入ってしまった。
魔理沙のお腹はまるで妊婦かカエルのように膨らんでしまい…まともに喋ることも適わずに、呻いている。

「…う、ぇ…けふ…っ」
「ごめんね、魔理沙…苦しいかもしれないけど、少しだけ我慢しててね?
少ししたら直ぐに良くなるから…」

少しだけ申し訳なさそうに目を伏せると、アリスはそう言って皿をもって部屋の奥に消えていった。
魔理沙はお腹の圧迫感に苦しみながら、涙を流す。

「(これじゃ、まるで…アリスの人形じゃ、ないか…)」

事実、今の魔理沙の行動は全てアリスに管理されていると言っても過言ではないのだろう。
食事も、ヘタをすれば生殺与奪の権利すら、今の魔理沙にはないのだから。
自身の余りの無力感に、魔理沙の目から涙がこぼれる。
誰か、誰か助けに来てくれ、と…そんな甘い考えすら浮かびはじめていた。

「…っ、ぁ…?な、何だ…っ」

そんな考えを遮るかのように、魔理沙の身体に異変がおき始める。
料理を詰め込まれた腹部が熱く、熱を持って…そして、徐々に凹んでいく。
ソレと同時に、全身に熱が伝わっていって…魔理沙は熱さに呻きながら、身体を捩っていた。

「あ、つ…っ、ぁ…なんだ、これ…っ!?」

体中に汗をかき、まるで熱病に魘されるような感覚を覚えながら、魔理沙は荒く息を吐いていた。
次第に熱が収まっていくのを感じると若干表情に安堵が浮かんでいたが…収まったと同時に部屋に入ってきたアリスに、思わず恐怖を覚えてしまう。

「ん…もう済んだみたいね。
大丈夫、魔理沙…?ごめんね、苦しい思いをさせちゃって…」
「…っ、私に…一体何を、したんだ…アリス…っ!!」

申し訳なさそうな顔をして頬を撫でるアリスに、魔理沙は明確な怒りを込めた表情でアリスを睨んだ。
しかし、それでアリスが表情を崩すことはない。それどころか、寧ろ嬉しそうな笑みすら浮かべていて。
そして、満面の笑みを…何処か、壊れた笑みを浮かべたアリスは、嬉しそうに呟いた。

「…でももう大丈夫。
もう二度と苦しむ事も、悲しむ事も…無いわ」
「え…あ、アリス…?」

そう言いながら、アリスが魔理沙の拘束を外していく。
魔理沙は不思議そうにそれを見ながら…枷を外された手足を確かめるかのように動き、ベッドから起き上がって。

「だって…もう、魔理沙は私のお人形なんだから」

その言葉と同時に、再び魔理沙は…今度は指一本すら動かせなくなってしまった。
首も、顔も動かせない。
突然のことに戸惑うが、魔理沙が何度念じても、動かそうとしても…感覚があるのに、身体を動かすことが出来なくなっていた。
辛うじて…否、寧ろ意図的に自由が残されている口を、魔理沙は動かす。

「あ…アリス…っ、私に、何を…」
「私ね、ずっと悩んでた事があったの」

魔理沙の言葉を遮るかのように、アリスはじぃっと魔理沙の瞳を見つめながら独白を始めた。
…アリスの瞳に、思わず魔理沙は小さな悲鳴をあげる。
アリスの瞳は、酷く淀んで…光すらない、真っ暗闇だったから。

「…私ね、魔理沙が大好き。幻想卿の誰よりも、魔理沙の事を愛してる。
そう、誰よりも魔理沙を幸せにする自信だってあるの。
だって私、魔理沙の事は全部知ってるもの…ペットがツチノコだとか、実は努力家だとか…自慰する時間だとか、好きなのは誰か、とか…」

アリスの言葉に、魔理沙の背筋が一気に凍りついた。
それは、純粋な恐怖だったのだろう。
親友と思っていたアリスの素顔を、今かいま見ているのだから。

「でもね、魔理沙は凄く移り気じゃない?
誰彼構わずに手を出しちゃうって言うか…別にそれは悪いとは言わないわ、だってそれも含めて魔理沙が好きなんだもの。
でも…やっぱり、私としては…その…私だけを見ていて欲しいのよ…///」

顔を少し赤らめるその姿は、何時ものアリスとまるで変わらない。
しかし、それでもなお…もう、何時ものアリスは居ないのだ、と魔理沙は理解してしまった。

「…パチュリーみたいな泥棒猫…自分の分も弁えないで、魔理沙に手を出しちゃう勘違いさんも居るから…それが、凄く不安なのよ。
パチュリーなんかに魔理沙を幸せになんて出来ない…魔理沙を幸せに出来るのは、私だけなんだから…」

感情の起伏が、異常なまでに激しい。
こんな彼女を、魔理沙は今まで一度も見た事が無かった。

「…それに、何よりも…魔理沙は人間だから、私よりも先に死んじゃうでしょ?
そんなのって我慢できないから…だから、ね…

魔理沙を、私の人形にしたの」

「…なん、だ…と…?」

アリスの言葉に、魔理沙の…動かない表情が、凍りつく。

「そう、もう魔理沙は私のお人形なの…もう自分じゃなにも出来ない…私の、お人形…」

そう言いながら、アリスは小さく指を動かして。
…ソレと同時に、魔理沙の身体は意志とは関係なく、動き始めた。
勝手に服を脱ぎ始めて…そして、全裸になって…アリスに、向き直ってしまう。

「ぁ…っ、何で…何で…っ!?」
「ふふ…綺麗よ、魔理沙…愛してるわ…」

戸惑う魔理沙を他所に、アリスは何処か酔ったような表情さえ浮かべながら、裸の魔理沙を抱きしめた。
抱きしめられる感覚は決して嫌なものではない。
アリスの労りも、愛情すらも感じる抱擁は、魔理沙にとっては心地よかった。
こんな状況でなければ、きっと魔理沙をはにかみながら受け入れていただろう。

…だが、今の状況では、愛のある抱擁も、その言葉も…魔理沙には、恐怖以外の何者でもなかったのだ。

「は…離せっ!離せよっ、私を元に戻せっ、アリス!!」
「…ん…ごめんね、魔理沙…。
でも、魔理沙が素直になったら、ちゃんと元に戻してあげるからね…」
「ひ、ぁ…っ、やめ…止めろっていってるだろ、アリス…っ!!」

アリスが優しく、ゆっくりと指を動かすと魔理沙の口から勝手に甘い声が漏れ始めた。
我慢しようとしても、快楽は抑えられるものではないが…今の魔理沙の身体では、それは尚更だといえる。
今の魔理沙の体は、魔理沙のモノではなくアリスのモノなのだから。

「ふふっ、気持ちいいんだ…嬉しい…♪」
「あっ、ん…っ、ふぁ、ぅ…いい、加減に…」

嬉しそうに笑みを浮かべて、魔理沙の身体を愛撫していくアリス。
魔理沙も初めの内こそ強く…とは言っても口以外では抵抗など出来はしなかったが…抵抗していたものの、次第にそれすら弱まり始めて。
魔理沙は、自分の心の中に生まれつつあるその感情を、必死になって押し殺していた。

「ふぁ…っ、う、ぅ…っ、アリ、スぅ…っ、や、め…っ///」
「ん…ダーメ♪
気持ちいいんでしょう、魔理沙…今、表情を素直にしてあげてるから、良く判るわよ…ほら」

そう言って、アリスは魔理沙の顔の前に手鏡をかざして見せた。
魔理沙に、それに移る自分の姿から目をそむける術は無い。
…鏡には、自分の…自分ですら見た事の無い、蕩けた、嬉しそうな表情が其処に映っていた。

「こ、んな…うそ、だ…っ!」
「嘘なんかじゃないわ…魔理沙は、私の人形になれて喜んでるのよ…♪」

アリスの言葉に、魔理沙は必死になって心の中に芽生えてきているモノを拒絶していた。
それは、『被支配』に対する快感。
アリスに全てを委ねてしまいたい、という『依存』。
それを受け入れてしまえば、きっと本当に人形になってしまうのだ、と魔理沙は本能で察していたのだ。
アリスが笑みを浮かべたまま、魔理沙に口付ける…

「…っ!!」
「ん、ふぁ…にん、形になんて…なら、ない…私は…霧雨、魔理沙…だ…」

…口付けた瞬間に、アリスは表情を歪めて、そっと顔を離した。
口の端から、赤い雫が滴り落ちる。
それは、魔理沙に出来る唯一の抵抗だった。
そして、決して思い通りの人形になどなりはしない、という意思表示でもあった。

「…そう、ね…魔理沙は、そういう人だものね。
ごめんなさい、私少し焦りすぎてたみたい…」
「…うぁっ!?」

アリスは申し訳なさそうにそう言うと、ゆっくりと魔理沙から離れて…その瞬間、魔理沙は糸の切れた人形のように、ベッドの上に崩れ落ちた。
アリスはゆっくりと魔理沙の身体を壁に寄りかからせて、そしてシーツをかける。
その動作は割れ物を扱うかのように、優しく…そして愛情に満ちていた。

「少し頭を冷やしてくるわね、魔理沙。
…魔理沙も、もう少し素直になって、ね?私もそうしてくれれば、こんな事をしないで済むんだから」

壁に人形のようにもたれかかる魔理沙に、寂しそうにそう呟くと…アリスは、部屋を出て行った。
アリスの言葉に魔理沙は理不尽を感じながらも、僅かに心を痛める。
…そもそも、アリスがこうなってしまった原因を作ったのは、もしかしたら自分なのではないか、と。

「(以前のアリスはこんな事をする奴じゃなかったのに。
…どうして、こんな事になっちまうんだ…)」

そこまで、考えた瞬間。
玄関の方から、爆音が響いた。

「…どうやら留守にしてるみたいね…あの人形遣いは…」

それと同時に、聞きなれた声が玄関から聞こえてくる。
そう、あの声は…

「…レミリア…レミリア、なのか!?」
「その声は…魔理沙?何処に居るの?」

コツコツと、部屋にレミリアの足音が近付いてくる。
そうして、部屋の扉が開き―――

「…魔理沙!?」

滅多に聞く事が出来ない、レミリアの驚いたような声が部屋に響く。
人形のように壁にもたれかかりピクリとも動かないのだ。
もしかしたら酷い怪我を、とでも思ったのかも知れない。

「レミリア…どうして、此処に…?」
「貴女こそ…って…」

怪我一つない魔理沙に少し安堵を声を漏らし…そして直ぐに、顔を顰めた。
運命を操る力を有しているからこそ見える、魔理沙の一つの運命をレミリアは見てしまったから。
それは、あまりに冗談じみていて…そして、酷く、残酷なものだった。
だが幸いにも、魔理沙は今レミリアの表情を見れる状況ではなかったので、それを悟られずには済んでいたのだが。

「…パチュリーが、アリスに襲われたのよ。
今紅魔館で治療を受けているけれど…あれは、弾幕ごっこの域を超えてたから」
「パチュリーが!?
そんな、まさか…なんでアリスが、そんな、事…」

予想はしていた、が…実際に聞くと、魔理沙は酷く狼狽していた。
確かに今のアリスならしかねない、とは思うが…それでも、心のどこかでそれを信じたくない自分がいたから。

「とりあえず逃げるわよ。
あの人形遣いを待ち伏せて迎撃しようかと思ったけど、貴女の治療の方が先だわ」
「え…治療って…?」
「貴女も薄々気付いてるでしょう?
…このままだと、貴女本当に『人形』になってしまうわ。
そうなったら、パチュリーが悲しむもの」

そういうレミリアの表情には、嘘は無かった。
そもそも此処に来た理由は、親友に手を出した魔法使いを断罪する為。
…親友が泣くようなところは見たくないのだ、と、レミリアの態度が示していた。

「…急いだ、方がいいぜ…アリスに見つかったら…不味い、からな…」
「見つかったら一蹴してやるわよ、あんなの」

魔理沙を抱きかかえて、レミリアが空に飛び立つ。
幸い、周囲にアリスも人形も居る様子は無く…紅魔館までは、アリスに襲われる心配もなさそうだった。

「一蹴するってのは、多分…無理だ」
「…何言ってるの?私の力くらい判ってるでしょう?
魔法使い風情、相手になんて―――」
「…いいから、私を信じて…今は、ただ…逃げて、くれ…」

魔理沙は、知っていた。
確かにアリスの力はレミリアには遠く及ばない。
しかしそれは、あくまで『今まで』のアリスの話だ。

…随分前に、魔理沙はアリスにとある話を聞いた事があった。
彼女は、今まで弾幕ごっこで本気を出した事が無いのだ、と。
本気さえ出せば魔理沙なんて敵じゃないんだから、と。
あの時は単なる負け惜しみかと苦笑していたが、今ならはっきりと理解できる。
アリスの言葉が、真実だったのだ、と。
その証拠に、先程アリスの魔法に抵抗しようとしたが、魔理沙は一瞬も抵抗する事が出来なかった。
確かに種族としての差は有るのかもしれないが、それを考慮したとしてもあの力は異常だった。
しかもアレは飽くまで魔理沙を対象にしたモノ。
レミリア相手なら、今のアリスならば、躊躇う事無く全力で魔法を使うだろう。

「…あ…ゥ…、ぐ…っ!?」
「魔理沙…?
くっ、急がないと不味いわね…」

うめき声を上げ始めた魔理沙にレミリアは歯軋りをする。
親友の恋人が苦しんでいると言うのに、何も出来ない自分が何よりも歯痒かったから。





「…魔理、沙…?」

散策から家に帰ってきたアリスは、呆然としていた。
玄関は発破をかけられたかのごとく吹き飛ばされ、家の中には愛しい魔理沙の姿はない。
悲哀、失意、憎悪、困惑、殺意。
様々な感情がアリスに去来する中…アリスは、冷静に魔理沙の位置を探っていた。
今の魔理沙は文字通りアリスの『人形』なのだ。
人形の位置ならば、一瞬で把握することが出来る。

魔理沙は今自分では動けないのだから、誰かが連れ去った筈。
そして、その相手も…魔理沙が移動している方角で、簡単に理解できた。

「―――そう。
やっぱり殺しておくべきだったかしら、泥棒猫」

ギロリ、と仄暗い瞳で空を見上げる。
その表情には愛情など欠片も無く。
自らの最も愛する者を略奪された怒りと、殺意だけが満ちていた。





「咲夜!
今すぐ妖精の中から能力に長けた者を集めて!
小悪魔は解呪に関する書物を早く図書館から持ってきなさい!」

紅魔館に、レミリアの声が響く。
妖精達は慌しく飛び回り、咲夜も時を止めて奔走する。
小悪魔はありったけの書物を両手に抱えては置き、抱えては置きを繰り返していた。

その中心に居るのは、レミリアと床に横たわる魔理沙。
魔理沙は苦しそうに呻きながら、天井を見つめていた。

「…っ、咲夜、妖精の方は良いわ!
早くこっちに来て、魔理沙の時間を止めて!!」
「は、はいっ!!」

レミリアの言葉に慌てたように咲夜は魔理沙の元へ飛び、そして魔理沙の時間を凍結する。
そして、そこで咲夜は小さく息を飲んだ。
今の魔理沙は半ば全裸だが、それに驚いた訳ではない。

…魔理沙の手足の先は、既に人の物では無くなっていた。
否、色も、恐らくは触感も人間そのものではある。
だが、手の平やそして足首から下は…まるで、人形のように球体関節が出来始めていたのである。

「…思いの他進行が早いわ。
小悪魔、急いで解呪する方法を探して。
咲夜…時間の方は、後どれくらい止められる?」
「…判らない、ですが…3時間程度なら、大丈夫です。
ですが、それ以上は保障が出来ません」

咲夜のその言葉と同時に、紅魔館の門の方から轟音が響き渡った。
しかしそれに慌てる事無く、レミリアは立ち上がって。

「そう、判ったわ。
…魔理沙とパチュリーの事、頼むわね」

咲夜達のそう告げると、レミリアは一人、窓から外へと飛び立った。
空は日が落ちて、既に満月が昇り始めている。
此処からは、彼女の時間だ。
例えどんな敵が相手でも、レミリアには迎撃をする自信があった。

そう、少なくとも。

門にいる、アリスを見るまでは。





「あ…ぐ…っ」
「…頑丈さだけは一人前なのね、門番。
それだけは褒めてあげるわ」

紅魔館の門は、惨状に満ちていた。
妖精達は地面に横たわり、外壁は所々崩れ。
そして、門番である美鈴は、アリスの足の下血に塗れていた。
如何考えても、既に弾幕ごっこの域を超えている。
これではまるで、戦争だ。
そして何よりも恐ろしいのは、その中心にいるアリス自身はかすり傷一つすら負っていない、という事。
それを見ていたレミリアは、怒気を孕んだ瞳をアリスに向けながら、惨状の中心へと舞い降りた。
アリスもレミリアの姿を確認すると、彼女と視線を交える。

「…美鈴から足をどけなさい、人形遣い」
「魔理沙を返して」
「聞こえないの?今すぐ美鈴から足をどけなさい!!」
「…魔理沙を返してくれたら、すぐにどけるわ」

会話が、成立しない。
今のアリスの中には魔理沙を取り返す以外の事柄など眼中にすらなかった。
レミリアも、それを直ぐに理解する。
もし此処で魔理沙を返せば、きっとアリスはそのまま帰ってくれるのであろう。
だがしかし、魔理沙はどうなる?
今の状態で魔理沙を返せば、きっと…完全にアリスに人形にされてしまう。
それを、レミリアの親友は如何思うか―――

「…断るわ。もう、会話は必要ないもの」

―――答えは、簡潔だった。
目の前のアリスを排除し、魔理沙を、そして美鈴を守る。
それが今のレミリアの思考だった。
言葉を告げるや否や、手の中で生成した紅い槍を振り被り―――そして、アリスに向けて、全力で投擲する。
そしてそれを受けたアリスは、遥か後方まで吹き飛んだ。

「美鈴、立てる?」
「お、嬢…さま…すみま、せん…わた…し…」
「良いのよ、貴女は門番としての本分を守ったわ。
後は私に任せてゆっくり休みなさい」

優しく美鈴にそう言い、抱き上げて。

「…邪魔するのね、吸血鬼」

次の瞬間、レミリアは自分の目を疑った。
手加減は一切しなかった。
少なくとも、『自分の中の』アリスならば、今の一撃で重傷を負って動けない筈だった。

だと、言うのに。
目の前のアリスは、かすり傷程度のダメージしか受けていなかったのだ。
軽く身体に付いた埃を払い、そして…レミリアですら寒気を覚える瞳で、ギロリと睨みつけて。

「―――『アーティフルチャンター』」

そう告げると、レミリアに向けて勢い良く人形を投げつけた。
だが、その軌道は余りに直線的で、レミリアには回避も容易い。
美鈴を抱えたまま空へと飛び上がり―――

―――次の瞬間、人形が爆発を起こした。
それも、尋常な爆発ではない。
爆発した周囲がクレーターになってしまうほどの威力。
アレをまともに受ければ、レミリアだろうと無事では済まないだろう。

「…っ、美鈴、館まで飛べる?」
「大丈夫、です…お嬢様…ですから、早く下ろして、下さい…っ」

美鈴を抱えたままでは、今のアリス相手には危険と判断したのか、レミリアは美鈴を下ろして。
美鈴もそれを理解しているのか、傷ついた身体ながら、素早く紅魔館へと駆け込んでいった。
その間、アリスは特に何もするわけでもなく―――唯、レミリアと視線を合わせるかのごとく、空を飛んだ。

「…魔理沙を返して」
「…アリス。
本当に、愛してるのね…魔理沙を」
「ええ」

レミリアの言葉に、アリスは澱みなくそう応える。

「…だからこそ、今の貴女には魔理沙は返せない。
あんな悲しい運命なら―――私は、此処で否定する!」
「…魔理沙を返さないなら…塵に返りなさい、吸血鬼」

―――その瞬間、紅魔館の空が、光り輝いた。





「小悪魔…まだ、見つからないの…?」
「今探してるんです…お願いですから、少し待ってください!!」

額に一杯の汗をかきながら、咲夜は小悪魔を急かしていた。
3時間まで、あと数十分程しかない。
小悪魔が頑張っているのは彼女自身良く理解していたが、近い限界に、そして…先程から館の外で響く轟音に、彼女は焦りを隠せなかった。
早く手立てを見つけなければ…恐らく、魔理沙は助からないだろうから。

そんな慌しい部屋の扉が、不意に開いた。

「…何、を…している、の…?」
「パチュリー様!?
まだ寝ていなければダメです、命に関わる怪我だったんですよ!?」
「こんなに…五月蝿い、と…寝てられないわ…。
…っ、魔理沙…!?」

ふらふらと、まだ覚束ない足取りで咲夜達に近付いて…そして、目に入った魔理沙の姿に、パチュリーは悲痛な声をあげた。
手足が人形になりかけているその姿は、彼女にとって余りに痛々しかったから。

「これは、呪い…?そんな、どうしてこんな…」
「…今は、私が時を止めてますから大丈夫です。
ただ…解呪の手段が、未だに見つからなくて…」
「…解呪…」

咲夜の言葉に、パチュリーの頭の中がフル回転する。
過去に読んだ書物、その全ての記憶を捲り、探し…そして、記憶から呼び起こしていく。

「…それなら…知ってる、わ…」
「本当ですか!?」

パチュリーの言葉に、咲夜の表情が明るくなる。
パチュリーは小さく頷くと、咲夜の耳元で小さく囁いた。

「…判りました…でも、無理はしないで下さいね?」
「…ええ、判ってるわ」

パチュリーは微笑むと、咲夜が人払いをしていく部屋の中で、一人…魔理沙の傍で、膝を付いた。

「…パ、チュ…リー…?」
「ええ、そうよ…もう大丈夫だから心配しないで、魔理沙」
「…わた、し…あいつ、に…アリス、に…も…パチュリー、にも…ひどい、事…してた、のか…な…」

手の平は既に人形になってしまっている魔理沙は、擦れた声で、パチュリーにそうつぶやいた。
人形化が進行しているからか、表情こそないが…その声は、酷く悲しそうで。

「…私、さ…ずっと…パチュリーと、アリスと…それだけじゃ、なくて…皆、と…仲良く、したかったんだ…
だって…話してると、楽しくて…暖かくて…嬉しかった、から…
でも…それって…やっぱり、私の…我侭、だった…の、かなぁ…?」

魔理沙の悲しそうな声に、パチュリーは目を伏せた。
アリスとは違い、パチュリーは初めからその事を知っていたのだ。
自分の所に来ない時は、アリスと仲良くしてる、という事を。
しかしパチュリーはそれを否定するような事はしなかった。
それも魔理沙の長所だ、と言う事を理解していたし…何より、魔理沙自身に嫌われたくなかったから。
魔理沙も、自分と同じ感情を抱いていたのだ、とパチュリーは思う。
誰とでも気軽に話して心の中に入り込んでくるというのは、逆に言えば皆から嫌われたくない事への裏返しなんじゃないか、と。

「…我侭なんかじゃ、ないわ。
だって…そのお陰で、私も…アリスも、魔理沙に出会えたんだもの」

泣きそうな顔をしながら、パチュリーは強く、強く魔理沙を抱きしめた。
何時もなら抱き返してくる魔理沙の手は、最早手首の辺りまで人形と化していて、抱き返すことすら出来ない。
だがそれでも…今の魔理沙には、その抱擁が酷く…暖かく、救いになった。

「…それじゃあ、解呪を始めるわね、魔理沙…」
「あ、あ…たのむ…ぜ…パチュ、リー…!?」

そう声を交わした魔理沙は、思わず声を詰まらせた。
目の前で…魔理沙の視界の中で、パチュリーが突然服を脱ぎ始めたのだ。
服の下には、まだ生々しい包帯が巻いてあって…だが、それでも…酷く、綺麗で。

「パ…パチュ、リー…?一体、何を…」
「解呪…これを、解呪する方法は、一つしかないの…ん…むきゅ、ぅ…っ!///」

全裸になったパチュリーは、秘所にそっと手を合わせて…そして、魔法で小さな男根を作り出す。
小さく甘い声をあげながら、出来た男根は小さいながらも立派に反り立ち、自己主張をしていて。

「ふ、ぁ…ぅ…その…魔法使いの、精を…胎内に、送らないと…ダメ、なの…///」
「え…え、え…っ、その…い、い…のか…?
…そ、の…パチュ、リー…も…初めて…なん、じゃ…」
「…だ、大丈夫…その…私も、魔理沙を…抱きたい、の…その…だ、ダメ…?」

手をもじもじとさせながら、パチュリーは、そう呟いた。
無論魔理沙としてもパチュリーとしても、断ると言う選択肢はない。
ない、が。
それでも、やっぱりこういう事は羞恥心が伴う物なのである。

「…パチュ、リーが…いい、なら…その…たの、む…///」
「ん…判ったわ、魔理沙…その…優しく、するからね…?」

そう言うと、パチュリーは魔理沙に乗りかかるように、身体を寄せた。
魔理沙の足を、両手で開いて…丁度、赤子が『おしめ』を交換する時のように、足を開かせる。
表情にこそ出ないが、魔理沙は顔から火が出るような思いだった。
…何しろ、魔理沙はコレが初体験なのだ。
だと言うのに、自分からは何も出来ずに…ただ、相手の思うとおりに動かされるしか出来ない、なんて。
それが酷く恥ずかしく、そして…酷く、快感だった。

「ん…ちゅ、はむ…ぴ、ちゅ…」
「ふぁっ!?あ、ぅ…ぁ…そ、んな…ところ…舐めちゃ…だ、め…きた、な…っ///」
「大丈夫…魔理沙のなら、汚くなんて…ん…ない、から…」

恥ずかしがる魔理沙を他所に、パチュリーは何処か幸福感すら覚えながら、魔理沙の…まだ、幼女のような秘所を舐めて、濡らして行く。
次第に秘所からは愛液が零れていくが、それも舐め取って…恥ずかしそうに一瞬躊躇した後に、飲み込んで。

「…これが、魔理沙の味なのね…」
「ちょ…っ、は、恥ずかしい、事…い、う…な…っ!!///」
「ご、ごめんなさい…そ、それじゃあ、その…えっと…」

パチュリーが、急に口ごもる。
互いに羞恥心には弱いタイプだからだろうか、いざ『行為』に及ぶとなると、途端に互いに口を閉じてしまった。
…だが、最初に口を開いたのは魔理沙だった。

「…パ、チュ…リー…」
「あ…な、何、魔理沙…?」
「…その……わた、しの…貰って…くれ、ないか…?///」
「…う、うん…その…痛かったら、言ってね…?」

魔理沙の言葉に、パチュリーは…そして、魔理沙も心の中では…心底恥ずかしそうに、そして嬉しそうに微笑んで。
そして…濡れた秘所に、魔法で生やした小さな男根を押し当てて。

「ぁ…パチュ、リー…の…あつ、い…」
「魔理沙のも…溶けちゃいそうなくらい、熱いわ…ん…っ!」
「ひぁっ!!あ、ぅ…っ!!!」

パチュリーが、腰をゆっくりと推し進めると…プチ、と、小さな音が鳴って。
魔理沙の秘所から、僅かに血が滲みだして。

「…いた、かった…?」
「う…うう、ん…私は…大丈夫、だか、ら…うごい、て…パチュリー…」
「う、ん…それじゃあ…っ、ん…ふぁっ、むきゅ…ぅ…っ///」

魔理沙の言葉に答えるように、パチュリーがゆっくりと腰を前後に降り始める。
その度に、パチュリーは言葉にならないほどの快感を感じて、小さく喘いで…そして、魔理沙も堪える事が出来ずに、甘い声を漏らしてしまっていた。

「あ、ふぁ…っ、魔理、沙ぁ…っ、気持ち…良い…っ?///」
「ひゃぅっ、ぁっ、わ、わからない、けどぉ…っ!あつ、くて…んぁ、ぅ…っ、あ…っ!!」
「わた、しもぉ…っ、あつ、くて…すごい、の…っ、魔理、沙ぁ…魔理沙ぁぁ…っ!!」

パチュリーが、魔理沙の身体をぎゅうっと、強く抱きしめる。
魔理沙も動かない体で、口から普段からは想像できないような、可愛らしい喘ぎ声をあげて…

「魔理沙…っ、い、く…っ、魔理沙ぁぁぁぁぁっ!!!」
「ふぁ…っ、ん…あっ、ふあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

そして、パチュリーが勢い良く射精し、潮を噴き、達した瞬間…魔理沙の体が、光り輝いた。





「…っ、く…っ!!」
「―――ちょこまかと鬱陶しいわね」

館の外では、未だに弾幕ごっことは呼べない戦いが繰り広げられていた。
紅魔館の外は爆発で穴だらけになり、外壁もボロボロに壊れ、崩されて。
空を舞う二つの影も、互いに動きは鈍り始めている。

レミリアは、魔理沙の忠告を真剣に受け止めなかった事を深く後悔していた。
今は満月であり、自分にとっては力が最も満ちる時間であるにも関わらず、アリスに対して未だに直撃はさせられていなかった。
それどころか、人形の包囲網に徐々に追い詰められ、服は所々裂けている始末。

「(…侮ってたわね。まさか此処までだなんて…っ!!)」
「そろそろ時間も時間ね…終わりにしましょうか、レミリア」

アリスは冷たくそう呟くと、人形を展開させていく。
その量は、先程までの比ではない。

「…っ、そうね…終わりにしましょう、アリス…」

レミリアも、それに応えるかのようにスペルカードを構えた。

「―――『デヴィリーライトレイ』!!」
「―――『レッドマジック』!!」

それは、互いの最強のスペルカードの衝突だった。
空中に鮮やかな光が舞い、そして爆ぜる。

その中を、二つの影が疾風っていた。
服を焦がし、白い肌に傷をつけながらも…紅い風を纏い、凄まじい勢いでもうひとつの影と疾駆する、それは―――

二つの影が衝突し、弾幕が消失する。

―――バッドレディスクランブル。
レミリア・スカーレットのスペルカードの一つであり…高速の突進を放つ、強力な一撃。
つまりは、最初のレッドマジックは最初から捨て札だったのだ。
切り札は、このスペルカードであり―――そして、勝負は此処に決した。

「…終わりよ、アリス」

深く食い込んだ爪は、間違いなく内臓に届いていた。
少なくとも治療しなければ助かるような傷ではない。
…少なくとも、もう抵抗など出来ない筈だ。
コレが、レミリアなりのアリスへの精一杯の気遣いだった。
彼女の思いが狂気であれ愛情ならば、それを摘み取るのは、余りに忍びなかったのだ。

…そして、それが、彼女の敗因だった。

「ええ、終わりね。さようなら、レミリア」

目の前のアリスからではなく、遥か頭上から、レミリアに声が届く。
そして、レミリアは信じられないものを其処に見た。
其処には、自分が今爪で貫いている筈のアリスが、居たのだから。

「『リターンイナニメトネス』」

彼女の宣言と共に、爪に貫かれていた物が、凄まじい光を発して―――そして、爆発した。
言葉を発する事すら出来ずに、ボロボロになったレミリアが…紅魔館の庭へと、堕ちて行く。
それを見届けるように視線をさげたアリスの目に、信じられないものが目に映った。

「…そんな…何で…」

白黒を基調とした魔女の服に、箒にまたがった金髪の少女。
それは、見間違える筈もない。
アリスの、思い人だったのだから。





「レミリア!!」

ボロボロに傷ついて堕ちて行くレミリアをキャッチして、魔理沙は悲痛な叫び声をあげた。
レミリアも、その声に僅かに反応して…目を、開く。

「…魔、理沙…?そう…解呪…でき、たの…ね…」
「いいから喋るな!
何で、こんな酷い怪我を…」
「…たいした、事…無いわ…それ、より…」

苦笑しながら、レミリアは遥か頭上で此方を見下ろしているアリスに、視線を向ける。

「…彼女、に…ちゃんと、答えを…出して…あげな、さい…」
「…ああ、判ってる」

魔理沙は、何時に無く真剣な表情で頷くと…レミリアは地面に降ろして、頭上のアリスを見据えた。
その表情には、憎悪も、はたまた恐怖も、嫌悪も無い。
箒に跨って空を舞い、そして…戸惑う視線を向けるアリスを、魔理沙はじっと見つめていた。

「…あ…魔、理沙…」
「…アリス」

パァン、と。
夜空に、乾いた音が響く。
アリスは最初、何をされたのか理解できなかった。
頬に残る熱だけが、何をされたのかを示している。
平手打ち、だ。
それを理解した途端に、アリスの目から暗いモノが抜け落ちて…そして、涙が零れ落ちる。

「…あ…な、何で…」
「下を見るんだ、アリス」

魔理沙に指摘されて、アリスは初めて…そう、冷静になって、初めて自分がした事を目の当たりにした。
クレーターのように抉れた大地。
崩れ、壊れて瓦礫の山となった紅魔館の門。
館へと運び込まれる妖精達と、そして傷付いた体で横たわるレミリアに駆け寄る咲夜達。

「…やりすぎだ。だから、今の一発はお仕置きだぜ」
「ぁ…ち、違うの、私…そんな、つもりじゃ…ただ、魔理沙が…魔理沙、が…っ」

魔理沙の言葉に、平静を失ったかのように震え、頭を抱えるアリス。
…最早、アリスには狂気は無かった。
ただ、まるで…取り返しの出来ない事をしてしまった事を恐れる、子供のような。
それが、今のアリスの状態だった。

「嫌…っ、嫌っ、魔理沙に嫌われるなんて…そんなの、嫌…っ!魔理沙…ごめんなさい…私、私…」

そして、そんなアリスを…魔理沙は、無言でぎゅっと、抱きしめた。

「…ごめんな、アリス。
辛かったよな、私のせいで…」
「…ま、りさ…?」
「私は、さ。ずっと…誰かに嫌われるのが、怖かったんだ。
体面だけ気にしてさ、肝心なことから…ずっと、逃げてた。こんな答え、受け入れられる筈が無いって」

アリスの肩に手を置いて、そして…魔理沙は、はっきりと、向き合って。

「だから、ちゃんと言うぜ。
…この答えで、アリスは私を嫌いになったら、嫌だけど…でも、だからこうなったんだもんな?」
「…魔理沙…」

そして、大きく深呼吸をすると…顔を赤らめて、魔理沙の答えを待つアリスに、口を開いた。

「…私は、アリスとパチュリーが好きだ。
だから、どっちかを選ぶことなんて、出来ない」
「…そうだよね…魔理沙は、そういう人、だもん…」

少し寂しそうに。
しかし、魔理沙の本心を聞いて満足したのか…アリスの表情に、狂気は既に無かった。

「だから、さ…その…ちゃんと皆に謝って、それが終わったら…」
「…?」
「…その…パチュリーとも、ちゃんと仲良くして、くれないか…?
やっぱり、その…三人で楽しく出来たら、一番…いい、だろ?」
「…パチュリーが許してくれれば、ね」

「私なら別に良いわよ?」

アリスが少し悲しそうに呟いた瞬間に、真横から当の本人の声が聞こえてくる。
気付けば、其処には魔理沙とアリスとパチュリーの三人だけになっていた。

「うわっ!?お、驚かすなパチュリー!!」
「…むきゅぅ、さっきから居たんだけど…」
「…えっと…その、パチュリー…さっきの、事、なんだけど…」
「え?あ、ああ…その…言葉通り、よ。
私のほうは、アリスと仲良くするのは別に問題ないって事」

パチュリーの言葉に、アリスは嬉しそうに、して…そして、直ぐに俯いた。

「でも…私…ひどいこと、したのに…」
「…まあ、確かにアレはもう御免だけどね。
正直な話、貴女の気持ちも判らなくは無いから」
「…え?」
「(…私も、貴女みたいにしようと思ったことが有るって事)」
「…ほ、本当に…?」
「ええ、だから…これからは、仲良くしましょう?」

そう言いながら、パチュリーはアリスにそっと手を差し出す。
思わぬ告白に驚き…そして、相手も自分と同じだったのだ、と言う事に僅かな安堵を覚えて。


そしてその夜、アリスの友達が一人増えた。





「…だからね、やっぱり不公平だと思うの」
「言い分はわからなくも無いけど…それならどうするの?」

それから暫くして、大図書館に頻繁にアリスの姿が見えるようになった頃。
その日もアリスとパチュリーは、取りとめも無い話をしていた。

「えっと、この前本で読んだんだけど…ほら、これ。
後ろの初めてってあるでしょ?」
「ん?…ちょ、ちょっと…こんな本、何処にあったのよ…///」
「え、大図書館で見つけたんだけど」
「…今度整理しないとね、此処も」

アリスの差し出した本を見て、思わず顔を赤らめながら溜息を付くパチュリー。
だが、その表情には何故だか笑みが浮かんでいた。

「…でも乗ったわ、その話」
「良かった、パチュリーなら判ってくれると思ってたわ♪」

「ん?おーい、二人とも何を楽しそうに話してるんだ?
私も混ぜてほしいんだぜ!」

そう言いながら此方に歩いてくる魔理沙に、二人は微笑んだ。
何だかんだで、3人は今日も幸せだったりする。
やはり、何事も溜め込んではいけないのだ。
嫉妬は溜まれば憎悪になり、憎悪は溜まれば狂気となる。
愛情もまた然り。
定期的に、程よく発散させなければ愛情もまた狂気となるのである。

故に、もうアリスが狂気に陥る事はないだろう。








※以下蛇足。甘め注意。


/魔理沙の初体験part2



「…ちょっと待て。
何でこんな状況になってるのか、今一判らないんだが…」
「え?またまた、魔理沙も判ってるくせに♪」
「そうよ、この期に及んで清純ぶるのはずるいわ魔理沙」

…今、三人は紅魔館の大浴場に居た。
一緒にお風呂に入ろう、というパチュリーの提案で三人一緒に仲良くお風呂に入る事になったの、だが。
今現在、どうにもお風呂に入るような気配は欠片もなかったりする。
アリスとパチュリーが魔理沙を壁際に追い込んで、見詰め合っている状況。
それだけならまだ良かったのかもしれないが、その二人の秘所の部分には、本来二人には無いものが生えていたのだから。

「い、いや…だから、な?
アリスやパチュリーとするのは別に私としても問題はないんだ。
でも何で二人に囲まれてるのかなー、とか…」
「ん…いや、だって、ねぇ?」
「こうでもしないと逃げちゃいそうだし…」

二人はそう言いながら、肩を竦める。
…そう、あの一件以来魔理沙は頑なに二人と行為をする事を避け続けていた。
別に二人が嫌いだとか、そういう事ではなく…あの、自分が自分で無くなる様な高揚感が、魔理沙には恐ろしかったのだ。
しかしながら、二人としてはやはり魔理沙と肌を重ねたい欲求はある訳で。
パチュリーが誘ってもはぐらかして逃げて、アリスが誘っても同じく、だったので二人は共謀してこういう強引な手段にでたのである。

「べ…別に、逃げてる訳じゃないんだぜ?
ただ、その…今までは、ちょっと用事があったから、というか…」
「嘘はいけないと思うわ、魔理沙。
…ねえ、正直に言って?私やパチュリーと…その、するの…嫌なの?」
「嫌なら無理強いはしないわ。
…私達だって、魔理沙が本当に嫌な事ならしたくないもの」

二人は真剣な表情で、少し心配そうに魔理沙にそう問いかける。
そこで漸く魔理沙は、自分の行動が二人を心配させていた事に気付いた。
…これでは、また以前と同じことの繰り返しではないか、と。

「ごめん、アリス、パチュリー。
また心配させちゃったな…別に、二人とするのが嫌って訳じゃないんだ。
ただ、その…」
「「その?」」
「…いや、あの…なんと、いうか…気持ちよすぎて…怖かった、というか…///」

魔理沙は二人から視線を逸らすように俯いて、顔を赤く染める。
…その様子は、アリスとパチュリーの心を揺さぶるには十分過ぎるものがあった。
ビクンッ、と二人の股間の男根が跳ねて、パチュリーとアリスはぎゅうっと魔理沙を抱きしめる。

「ひゃ…っ!?」
「…馬鹿ね、魔理沙…する時くらい、私達二人に縋ってくれて良いのよ?」
「快感に流されて自分が自分でなくなりそうで怖いんでしょう?
その気持ちは判るけど…私達が傍に居ても、怖いかしら?」
「ぁ…いや、それは…怖くは、ない、けど…恥ずかしいし…///」

抱きしめられると魔理沙は尚更に恥ずかしそうにするが、それは正直な話、二人の劣情を煽る結果にしかならず。
アリスとパチュリーは、堪らないといった表情になり。
二人は、意識するよりも前に…魔理沙を、床に押し倒していた。

「うわっ!?あ、アリス…パチュリー…?」
「…ごめんなさい、魔理沙…私、我慢できない…///」
「同じく。と言うか、今の表情は誘ってるとしか思えないわ…っ!」
「ちょ…ちょっと待て、私は別に誘ってなんか…っ、んっ、ふむぅ…っ///」

パチュリーが、反論する魔理沙の口を塞ぐように、深く…深く、口付けを交わしていく。
魔理沙は驚いたように目を見開いた、が…しかし、それを拒絶する事は無く。
半ば諦めたかのように、寧ろそうされる事を期待していたかのように、パチュリーとキスを交わしていって。
一方、魔理沙の視界に入っていないアリスは…魔理沙の足を両手で開いて、内股に舌を這わせていた。

「ん、はむぅ…っ、ひぁっ!?あ、アリス…そんな、所…きたな、ぃ…っ///」
「そんな事ないわ…魔理沙の、だもの…汚い所なんて、無いわよ…ん…ぴちゅ…」
「そうよ、魔理沙…だから、ね…恥ずかしがらないで…」
「ふぁっ、ん…はむぅっ、ちゅ…あり、すぅ…パチュリー…っ!///」

二人の言葉に、徐々に魔理沙の思考が溶かされていく。
魔理沙はアリスとパチュリーに、甘えるような声をあげて…そして二人は、それを心地良さそうに聞いて。
しかし、そんな様子を見ていたパチュリーは、ふとした悪戯心を沸き立たせた。
悪戯、と言うよりは単に以前から思っていたことを述べるだけなのだが…それは、間違いなく魔理沙の溶けかけている羞恥心を呼び起こしてしまうだろうから。

「…ぷは…ぁ…ねぇ、魔理沙…」
「んぁ…ぅ…ぁ…?な、何だ、パチュリー…?」
「ふふ…魔理沙って、実は…凄く、甘えん坊よね♪」
「え…な、なななっ、何を言って…っ!?」

パチュリーの楽しそうなその声に、魔理沙は一瞬呆けた顔をすると直ぐに顔を真っ赤に染めて、そして慌てたようにどもり始めた。
アリスも魔理沙のその変わり様が意外だったのか、驚いたような表情でパチュリーの後ろから魔理沙の顔を覗き込む。

「…えっと、どういう事なのパチュリー?」
「ん…つまりね、魔理沙はこうやって誰かにしてもらうのが大好きって事よ。
自分から動いて何かをするんじゃなくて…例えば、ご飯を食べさせて貰ったりとか…気持ちよくさせてもらったりするのが、好きっていう事…♪」
「ちっ、違…そんな事ないぞ!?私は別に、そんな…///」

パチュリーの言葉に魔理沙は慌てて反論する、が。
その態度こそが、パチュリーの言葉の真偽の程を示していた。
本人こそ気付いていないが、魔理沙は嘘をつける人間ではないのである。

「…へぇ、そうなんだ…甘えん坊なんだ、魔理沙ってば…♪」
「だ、だから違うって…あっ、ひゃふぅっ!!///」
「嘘は言わないで良いのよ、魔理沙…少なくとも私達二人の前なら、もっと素直になって良いの…」
「あ、ふぁ…っ、すなお、に…?」
「そうよ、魔理沙。
私もパチュリーも…魔理沙の為なら、何だって出来るし…何でも、してあげられるんだから…」

アリスとパチュリーが、蕩け始めた表情の魔理沙にそう、優しく呼びかける。
その声に、魔理沙は徐々に…徐々に、自分の欲求にたいして素直になりはじめていた。
この二人なら良いんじゃないか、自分を曝け出しても嫌われないんじゃないか、と。

…実は、魔理沙が他者に深く依存したがるようになったのはあの一件からだったりする。
あの一件で魔理沙が人形になりかけた時、魔理沙は自分では何も出来ず…他者に、全てをしてもらっていた。
全てとは言っても食事・移動・そして行為だけなのだが…その時に、魔理沙は何時にない安心感を、そして快感を覚えていたのである。
普段ならば決して無い、他者に全ての委ねるという…いわば、自分が赤子になってしまったかのような状況が、魔理沙には酷く心地よかったのだ。

しかしながら、そんな欲求は決してノーマルな事ではない。
折角三人仲良くなって、幸せな時間を過ごしているのにその欲求でまたその時間が壊れてしまうのではないか、と。
その事を、魔理沙は深く、そして酷く恐れていたのだ。
故に、パチュリーやアリスが行為に誘おうとしても、頑なに逃げ続けていた。
…行為に及べば、間違いなくその欲求は、表に出てしまうだろうから。

しかし、そんな恐怖が今、徐々に徐々に魔理沙の中から薄らいでいっていた。
二人は魔理沙の思うほどに、度量の狭い…否、常識的な相手では無かったのもあるだろう。
だが、魔理沙が二人を大事に思うのと同じくらいに、二人もまた魔理沙を愛していたのだと…その事実を、改めて認識したことによって、魔理沙の中の二人に対する遠慮が、少しだけ溶け始めていたのだ。

「…っ、ん…ぁ…わた、し…甘えて…いい、の、か…?」
「勿論よ。私もパチュリーも…魔理沙の事、大好きなんだから…///」
「ええ、思う存分甘えて良いわよ、魔理沙?」

魔理沙の不安げな言葉に、アリスもパチュリーも、微笑みながらそう答えて。
魔理沙は一瞬だけ、まだ恥ずかしそうに口ごもる、が…大きく深呼吸をすると、頬を赤く染めたまま、照れ臭そうにはにかんで。

「そ、それじゃあ…アリス…パチュリー…
わ、わたし、を…その…ぎゅって…して、くれ…///」
「…っ、ええ…ぎゅってしてあげるわ、魔理沙…っ♪」
「こ、これは想像以上に破壊力高いわね…って待ちなさいアリス、私もするわ!」

魔理沙の言葉に、二人は一瞬顔を真っ赤に染めて…そして、アリスは勢い良く頷くと、魔理沙をぎゅうっと抱きしめて。
そして、それを見たパチュリーは…鼻血を垂らしながら、負けじと魔理沙をぎゅっと抱きしめた。
二人に抱きしめられて、魔理沙の表情はとても嬉しそうに綻んで…安心したかのように、二人に擦り寄って。

「きゃ…魔理沙…?」
「…二人とも、暖かくて…良い匂いがして、気持ち良いんだぜ…」
「…ふふっ、可愛いわよ、魔理沙…♪」

まるで母親に甘えるかのように擦りより、目を細める魔理沙に、思わず二人の表情も綻ぶ。
二人とも、魔理沙のこんな表情を見るのは生まれて初めてだった。
普段は元気一杯で、やや男勝りで、優しい魔理沙。
しかし今の魔理沙は、まるで幼い子供のようにアリスとパチュリーに擦りより、甘えている。
それが二人には、何よりも嬉しかった。
心の底から信頼して貰えているのだ、という実感を改めて得る事が出来たのだから。

「さて…よいしょっと」
「わ…っ、パチュリー…?」
「ほら、アリス…貴女は、今日は後ろをでしょ?」
「え…あ、すっかり忘れてたわ」

パチュリーが魔理沙を正面から抱えるようにすると、アリスは思い出したかのように手を叩き、魔理沙を背後から抱きしめた。
ちょうど二人にサンドイッチされるような形になった魔理沙は、少し戸惑いながらも、体中に感じる二人の体温に心地良さそうに目を細める。

「ん…なあ、パチュリー…後ろって…?」
「ふふっ、直ぐに判るわ…ね、アリス?」
「後ろって言うのはね、魔理沙…魔理沙の可愛い、此処のことよ♪」
「え…ひゃふっ!?や…っ、そ、そんなところ、きたな…んぁぅっ!!///」

アリスが嬉しそうに指先で触れてきたのは…魔理沙の、お尻の穴だった。
トントンと、アリスの指先がノック擦る度に魔理沙は可愛らしく声をあげて、ビクっと震えて。
人に触れさせてはいけない、と言うよりも触れさせたくない場所の1位2位を争う箇所を触られてしまい、あまりの羞恥に魔理沙は顔を真っ赤に染めてしまい。
しかし魔理沙は、アリスとパチュリーの二人に挟まれている心地よさからは抜け出すことが出来ずに、甘い声をあげて悶えることしか出来なかった。

「汚くなんか無いわ…だって、魔理沙のお尻だもの…♪」
「んや、ぁ…っ、ひゃふ、ぁ…で、でもぉ…っ、お尻の、穴、なんてぇ…っ///」
「大丈夫よ、心配しないで。…だって魔理沙、此処最近おなかの調子よくなかったでしょう?」
「え…な、何でパチュリーがそんな事、知って…ま、まさかパチュリー、お前…っ、ひゃぅっ!!」

パチュリーは魔理沙の反応にクスクスと微笑みながら、優しく魔理沙のお腹を撫でる。
ただそれだけのことなのに、魔理沙はその感覚に甘い声を漏らし、身体を震わせた。
そうしている間にも、アリスの指で徐々にお尻の穴は解れ、人差し指が一本、中に入るほどになってしまい。

「あっ、ふぁ…あぁ…っ///」

何時の間にか、魔理沙の口からは甘い喘ぎ声しか、出なくなっていた。

「ふふ、すっかりお尻も柔らかくなっちゃったわね、魔理沙?」
「あ、ふぁ…そんな、事…いう、なぁ…っ、はずか、しいじゃ…ない、かぁ…っ///」
「恥ずかしくなんて無いわよ?
こういうのは別にいたって普通の反応なんだから…」
「そうそう、だから…ほら、もっとパチュリーや私に甘えても良いのよ?」
「…そ、う…なの、か…?
お尻で、感じても…普通で…もっと…甘えて…いい、のか…?」
「そうよ、魔理沙。
…そうね、私のほうも手持ち無沙汰だったし…ふふ、こういうのはどう?」
「え…ぁ…んむぅ…っ///」

パチュリーは微笑みながらそう言うと、戸惑う魔理沙の頭を抱えて…そして、自身の胸元へと導いた。
魔理沙の口元に、豊満な胸の頂点にある乳首が当たる。
…魔理沙は、パチュリーがどういうことをしようとしてるのかを即座に理解した。
普段ならば慌てて逃げていただろうが、今の魔理沙にとってそれは非常に魅力的で。
一瞬の躊躇いの後に、魔理沙はパチュリーの豊満な胸を、唇で咥えた。

「ん…ちょっと待っててね、魔理沙…」

魔理沙の様子に満足したような笑みを浮かべると、パチュリーは小さく何かを囁いて。
そして、少しすると、魔理沙が咥えていたパチュリーの乳首から…暖かく、甘い液体があふれ出してきた。
一瞬驚いたように目を見開くが、魔理沙は躊躇う事もなく、パチュリーのそれをすい始める。

「わぁ…ねえパチュリー、後で私も…」
「ん、ぁ…ええ、良いわよ。魔理沙もきっと喜ぶでしょうし…ね?」
「ん、ちゅ…はむ…ん…///」

お尻の穴を刺激されて甘い声を漏らしながらも、ちょうどパチュリーに授乳されるようにされて、頭まで撫でられて。
半分夢見心地なまま、魔理沙は小さくコクンと頷く。
その様子に二人は嬉しそうに微笑み、そして魔理沙の身体を優しく抱きしめて…愛しそうに、撫でて。
そして、アリスは十分に魔理沙のお尻の穴が柔らかくなったのを確認すると、指をゆっくりと抜いた。

「はむ、ちゅ…ぁ…?」
「ふふっ、そんなに寂しそうな顔をしないで、魔理沙♪
コレからが本番なんだから…ね?」

乳首から少し口を離し、お尻の穴から抜けてしまった指を残念そうに見つめる魔理沙に、アリスは苦笑しながら頬を撫でる。
そして…ゆっくりと、先程から限界寸前まで膨張してしまっている男根を、魔理沙のお尻の穴に押し当てた。
アリスの男根の熱さに魔理沙は身体をビクンと跳ねさせて…しかし、嫌がることは無く。
そっと視線をアリスの方に向けると、物欲しそうに瞳を潤ませていて。

「…それじゃ、魔理沙の…後ろの初めて、貰っちゃう、ね?」
「ちゅ、む…ん…あ、あ…もらってくれ…アリス…わたしの、お尻の、初めて…っ///」
「…うん…じゃあ、いくね…魔、理沙、ぁ…っ、んあぁぁぁ…っ!!」
「ん…っ、んっ、ひぅ、ぅ…っ!!///」

ミリ、と一瞬だけ抵抗感があったが…先端が入ってしまえば、後は意外な程にスムーズに、魔理沙のお尻の穴は、アリスの男根を受け入れる。
圧迫感と熱さに、思わずアリスは甘い声を漏らしてしまい…魔理沙もまた、未知の感覚に、快感に脳天を貫かれていた。
余りの快感と、そして心地よさに、互いに動くことも出来ずに快感を受け続けて。

「…ふふ…それじゃあ、こっちも…」
「ふ、ぇ…っ、ま、待てパチュリーっ、それは、まず…んひあぁぁぁぁぁぁぁぁっ♪」

パチュリーは悪戯っぽい笑みを浮かべると、今度は…先程からトロトロと愛液を垂らしている無毛の秘所に、そっと指を這わせた。
それだけでパチュリーが何をしようとしてるのか理解したのか、魔理沙はとっさに胸から口を離し、母乳で顔を汚しながら…パチュリーを、止めようとして。
…無論、間に合う筈も無く。
無慈悲にも、魔理沙の秘所にパチュリーの男根がねじ込まれたのである。
濡れている為か痛みは全く無かったが、それ以上に魔理沙は自分の許容量を遥かに超えた快感を受けて、身体を仰け反らせる。

「あひ…っ、あ…ひゃっ、んあぁぁぁぁぁぁ…っ♪」
「きゃっ!ん…ふふ、お尻の方が、急に締まってきて…感じてるのね、魔理沙…」
「それじゃあ、そろそろ…魔理沙に、私達の…注いで、あげましょうか…♪」

甘い声を漏らし、何時に無く幸せそうな顔で震える魔理沙を見つめながら、アリスとパチュリーは互いに頷いて。
そして、同時に腰を振り始めていく。

「ひぁぅっ!?あ、ふぁっ、ありっ、ひゅぅっ、ぱ、ちゅりひぃっ♪
らめ、らぁ…っ、わら、ひぃ…こわれ、ひゃ…こわれひゃう、よぉぉぉっ♪」
「んぁっ、ふ…っ♪私、もぉ…私も、魔理沙のお尻…きもち、よすぎて…へンに、なっちゃいそう…っ♪」
「私も、よ…っ♪みんな、一緒に…ヘンに、なっちゃい、ましょう…っ、ん、へあぁぁ…っ!!」

ぱちゅんっ、ぽちゅん、と大浴場に三人の淫らな音が響き、そして嬌声が響いていく。
パチュリーとアリスは夢中になって、しかし間に挟んでいる魔理沙の事を気遣うように、しきりに魔理沙の名を呼んで。
魔理沙はその声を聞くたびに、二人の名を呟きながら…そして、身体をガクンガクンと揺らしていく。

「まり、さ…っ、魔理沙っ、魔理沙ぁ…っ!」
「す、きぃ…あい、してる…まり、さぁ…っ♪」
「わら、ひ、もぉ…っ、わらひ、も…二人とも…だいすき、だぜ…っ、んひっ、ぁ…ああぁぁぁぁぁぁっ♪」

そうして、魔理沙が絶叫した瞬間。
パチュリーとアリスも、まるで示し合わせたかのように、魔理沙の中に精を解き放った。





「…ふぅ…」
「良いお湯ね…」
「…ええ、そうね…」

それから三人は、身体を洗って湯船に仲良く浸かっていた。
先程までの余韻があるからか、会話も少ない。
唯、入る前とで一つだけ違うのだとすれば、それは―――

「ん…ふぅ…アリスの身体、柔らかくて良いなぁ…」
「ふふ…っ、魔理沙の身体も、良い香りがするし…私は好きよ?」
「むきゅー…私の身体については何もないの?」

―――魔理沙が、二人に甘えるように擦り寄っていた、と言う事だろうか。

そして、そんな三人を覗いている影が二つ。

「…良いなぁ。何か甘々で良いなぁ…」
「そうですね、お嬢様…若干、度が過ぎてるような気もしますが」

それは、館の主レミリアとその従者咲夜だった。
偶々近くを通りかかった時に不穏なネチョの気配を感じ取って覗きに来た二人だったが、今となっては若干後悔していた。

「(…私も、ああいう関係になれるのが欲しいなぁ…)」
「(…私も、お嬢様とああいう関係になれれば…はぁ…)」

互いに、示し合わせたかのように溜息を付く二人。
二人は後に、三人もドン引きするような甘ったるい体験をする事を、まだ知らない。
こんな長文を読んでくれて、有難うございました(´・ω・`)
このSSの設定については文句のある方も多いとは思いますが、アリスはコレくらい強いとおもうのです。

とりあえずまた書く機会があれば、もっと普通の題材で書きたいと思いますorz

3/24追加:
要望があったので、三人のその後を追加しました。
最後のは一応次回予告みたいな感じです。
(´・ω・`)
コメント




1.7氏削除
アリスは旧作だとEXボスですから強さの設定に関しては
違和感なしに見れました(一部ではアリスとロリスは別人っ
ていう意見もありますが)。内容もとてもおもしろかったです。
あえて言うならもうちょっと長くなっても良かったから
パチュリーとアリスの和解シーンをシリアスな感じで書いて
いただければ個人的に嬉しかったです。これからも頑張って下さい。
応援しています
2.774削除
GJ!!こういうのを待ってたんだ!
3.名前がございません削除
よかった…バッド一直線かと思ったよ…
普通に面白かったです
あと最後のマリアリパチェの3pのとこを詳しくお願いします
4.774-sun削除
破滅的な結末かと思ってたらなかなか良い結末で良かったです。
5.74削除
久々にBADフラグからGOODエンド見たwwwww
かなり和んだwww有難うww
6.七氏削除
アリスの恐ろしさを今はじめて知った
7.なな無し削除
やはりアリスが加わると話は輝きますね
感動します
アリス可愛いよアリス
8.AIーR削除
アリスの本気が見れて、嬉しいような怖いような…

またBADエンドかと思いきや、HAPPYエンドで終わったので安心しました(・∀・)

GJです!
9.名無し削除
「…なん、だ…と…?」←ここでフイタ
10.名無し削除
ヤンデレ大好物です。もうよかったよマジで。
BADエンドかなと思ったらPADエン……ゴホンッ
GOODエンドでたまにはそれもありかなと思ったぜ!
つまりGJ!
11.その辺の妖怪削除
まさかのGOODエンド。(;^ω^)
だが、それが良い。

大抵のヤンデレ系はBADエンドが多いから、コレはコレで良かったですよ。
12.泥田んぼ削除
敢えて言うよ……ヤンデレってタイトルの割には甘々だったなwGJ 追加分の甘さもGJ
魔理沙に恋する二人がとても可愛かったです。

アリスの強さについては同意。自機になってる人はみんなボス並みってイメージありますね。
そしてみんなを守るお嬢様が、目茶苦茶かっこよかった……っ。
13.旅人削除
甘えん坊の魔理紗可愛すぎでしょ(笑)
14.名無し削除
三人とも報われてよかったなあ…
GJだったよ!素敵な作品ありがとう

最後の文見てたらいいこと思いついた
お前レミリア×咲夜も書いてみろ
15.名無し削除
プチで吹いた。この魔理沙は最低ですね。しかし面白かった。
レミ咲も期待しちゃうんだぜ!
16.削除
不穏なネチョの気配wwwwwwwwwwwww
17.名無し削除
幻想卿がいらっしゃるんだぜ
18.ななし削除
神作品をありがとう!
レミ咲も期待してます!
19.ナナシ削除
また一人次回作が楽しみな職人を発見。

次もよろしく!
20.あんみつ削除
ヤンデレアリスはあまり好きじゃないはずなのに、この作品の
冒頭のアリスの台詞の狂いっぷりはなんだか極まっていてもの凄く好きだ
21.名無し削除
そういやアリスって元EXボスなんだよな・・・
久しぶりに甘いの読みました!GJ