真・東方夜伽話

ラヴユーソーリースマイルプリーズ

2010/11/22 10:57:04
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ラヴユーソーリースマイルプリーズ

七星
「うぅ~ううぅううう~~ぅ~う~!」

少女が転がる度に、所狭しと積み重なった工具箱ががちゃがちゃと揺れた。
中にはレンチやら金槌やら鋸やらといった危険物が満載なのだが、それがもし今倒れてきたとしてもこの少女は頓着しないだろう。
愛する工具にしてやられるなら本望。それほどまでに本来の彼女はマキナの僕である。
しかし、今の彼女は悶絶しながら床をのたうちまわることしかできなかった。
身の内を突き上げる、強い衝動。拳を握りしめ、自分を痛めつける為に床を蹴る。頭を抱えて暴れながら、髪を掻き毟る。
彼女が身を裂くほどの苦しみと戦い続けて、もう二刻になろうとしている。

「あぁうぅう~うわぁああうあうぁうぁぅ~うぅうう!う、う、う、はぁ、あ、あ、あぁ、あ…はぁ、はァ、はぅ、は…ぁ…ぁ…っ」


暴れて叫んで、疲れ果てたた少女は、這いながら布団に戻ってきた。しばらくはぐったりと手足を投げ出していたが、そこから数分も経たないうちにまた暴れたくて堪らなくなる。
頬を預けた敷布団から、埃交じりの甘い匂いがふわっと立ち上った。
長年使い込んだ自分自身の匂いに、最近妙に甘ったるい匂いが重なっている。夾竹桃の匂いに似たその芳香とて、他ならぬ自分自身から発する匂いだ。
香りは鼻の奥にこびりつく。カラメルのように苛烈に、そのくせ熱くて口に入れてなどいられない。
絡め取られるまいと思えば思うほど、体の隅々まで染まる。抵抗しようとしたが、もう遅かった。
じんと響くけだるさが、彼女の自由を奪う。息をする度に吸いこむ匂いに、そして巻き起こる嵐に、とうとう、彼女は負けてしまった。

「ぅ、あ、あ、もぉ、なんでぇ…ごめん、ひな、ひな。ひなぁ、あぁ…」

顔を歪めて詫びる。その一方で手は忙しなくワンピースをまくり上げ、薄い胸の膨らみの上を撫で回す。
柔らかかった乳首は、二、三度撫でただけですぐにつんつんと尖り、周囲の柔肉を道連れにしながら手の動きに合わせて転がった。
「はぁ、ひなぁ、ごめんよぉ、ひな」
目をきつく閉じると、涙が瞼の上に広がっていった。
「こんなことしたくないんだよぉ…ひなのこと大事な友達だって思ってるのに」
下着はつけていない。胸を揉むだけじゃ物足りなくて、すぐに股ぐらに手を突っ込んだ。割れ目に指を入れると、ぬるりと熱い液体が絡んだ。広げるように指を動かす。肉芽を愛液ごと擦り立てると、腰から下が吹き飛びそうに気持ちよくなった。
だけどこっちだけじゃ物足りない。こっちだけで気持ち良くなっても、疼きが後を引いて収まってくれない。
悶えて転げまわって……結局、こうして…

「体の中がうずうずするんだよ、雛のこと考えるとじゅくじゅく濡れちゃうんだぁ…っ」

膝を開いて力を抜く。指を入口に当てたとき、惨めさと安堵と快感への期待がないませになって、流されてしまいそうになった。
「ひ、なぁ…あああぁ…ッ!」
叫びながら指を入れる。膣口は、最初から難なく二本の指を飲みこんだ。これがずっと欲しかったのだ。転げまわるほど、泣き叫びたいほど。理性じゃ押さえきれなくて、情けなくて泣いたって、ナカを。
「ぐちゃ…ぐちゃってしてるぅっ」
中は柔らかくてすべすべとしている。奥に行くにつれて狭くなり、少しだけ内側に曲がっている。
緩い湾曲に合わせて指を添わせ、そのかたちのままで出入りさせると、いくらでも愛液が溢れた。

「わたしバカになっちゃったよ、ひな、ひなのこと考えて暇さえあればオナニーしてるエロガッパになっちゃったぁ…、こんなの、知ったら、絶対嫌われる、絶対呆れられる、あぁ、う、ゆび、こんなに、ッ」

抜き差しと同時に、指をバタ足させるように動かした。押し広げられた場所に空気が入り、ぐぽぐぽと音を立てる。蜜が尻の割れ目沿いに伝い落ちて、布団に染みた。まるで寝小便をしたみたいに濡れていく。
「ぱんつも穿かないで、いつでも指突っ込めるようにしちゃってるオナニーバカなのぉ…我慢できなくて、ひなのこと汚したくないのに、入れたくなったら、とめられなく、てっ」
椀の蓋程度のおっぱいが、想いでいっぱいに膨らんでいく。片手じゃ足りない、ちゃんと両手でして、それでナカを攻め立てたらどれほど気持ちよくなれるだろう。戯れに他の物を入れてみたりしたが、冷たかったり硬かったりしてあまりよくなかった。
カーブに合う形じゃないと気持ちよくなれないのだろう、と思う、しかしそれをわざわざ作るか?作ってもいいが乙女としてどうなの?そこだけは辛うじて、自制心が働いていて果たされてない。
「こんなすけべぇになっちゃったら、おぼこだなんて信じてもらえないよぉ…ちんちん挿入れたこともないのにぃっ…!」
うわ言は止むことがない。頭の中で考えるだけに留めておけないのが、彼女の残念な癖だった。
「ちんちん…あぅうっ、ちんちん、ちんぽぉ、ああ、ちんぽほしいよぉ、ちんぽぉ…!」
自分の言葉に追い立てられて性感が昂ぶる。もう少しで達して、今度こそ、収まってくれそうだ。だってこんなに気持ちいい。頭の中が真っ白になる予感がする。

「私にちんぽがあったら雛に突っ込みたいぃっ!ひな、雛ッ、ひな、後ろから、腰掴まえて、ひなのおまんこじゅぷじゅぷ犯したいよぉー!雛の真っ白いお尻をモミモミしながら、いっぱい入れていっぱい出したいっ!雛のお口でぺろぺろしてもらって、頬張ってもらって、今度は雛が上になって、おっぱい揉みながら、下から突き上げて、雛がイクまで何度も中に出したいぃいいっ!ひなぁ、雛、雛っ…、ひなああぁッ!」

妄想の中の雛が、イッちゃう、と悲鳴を上げて仰け反った。それと同時に、彼女も体を震わせて絶頂に溺れる。



「はぁ、は、あ、はぁ、はぁ…ふぁあ、はぁ…はあ…はぁ…」





力尽き、余韻に任せて揺れながら、――河城にとりは、泣いていた。








河童は成長すると、定期的に性欲が強くなる時期が来る。二年から三年ほどのスパンで、期間は二週間から、長くても一カ月。
にとりは容姿は少女だが、人間の生きる長さからすればかなりの時間を生きた妖怪だ。発情期だって数回迎えたし、その都度それなりに乗り越えてきた。知識もそこそこあるから、見た目以上に成熟はしている。
だが、発情期が来る度にこれほど激しい性衝動で困ったということは今までになかった。今までは陰部をちょっと撫でてやれば呆気なく達して、それでおしまいにすることが出来たのだ。
そして、今回の発情期で一番困っているのは、自慰に耽るごと、頭の中に大事な友達の姿が浮かんできてしまうことだった。


鍵山雛は、厄神だ。川を流れて集まる厄を浄化する。
最初は、こわごわと遠巻きに見ているだけだったが、来る日も来る日も厄を集める雛を見続けるうちに、無性に友達になりたくなって、やがてにとり自身から彼女に声をかけた。


「ねっ、ねえっ!そこの、くるくるさん!」
「ふぇっ!?」
「……」
「く、くるくるさんって、……私?」
「うん、そう……」
「……えっと…一応、名前、ある、けど…」
「えっ!あっ、うんっ、あっでも今声掛けて邪魔だったらごめん!」
「ぁ、ん……それは、大丈夫。今、ちょうど、終わったところ、だった、から……」

気が小さくて用心深い河童としては異例のことだったが、他人から声がかかる状況も雛にとってはイレギュラー。
おっかなびっくりのファーストコンタクトから、邂逅を重ね長い年月を経て、少しずつ二人は友達になっていった。

傍に寄ると、厄によって災いが起きるというので疎まれがちだったが、彼女自身は思いやり深い穏やかな性質だ。
(ひとのために厄を集め続けるなんて、雛って本当にいいこだなぁ)
知れば知るほど、にとりは雛の持つ優しさが好きになっていった。
雛は厄が集まる滝壺からそう遠くへは離れられない。にとりが出掛けて会いに行って、雛の仕事が終わっていれば、そこから日が暮れるまでお喋りが続いた。
ニッパーで指を切っちゃった、とにとりが指先を見せれば、大丈夫?と雛が手を包んでくれた。
今日は厄が少なかったけど他のところに行ってないかしら、雛が心配すれば、にとりは川の仲間に声をかけて厄の流れを調べ、それが杞憂であることを知らせてやった。
「雛はいっつも他人の心配ばかりだね。たまには、自分のことを心配したらいいのに」
にとりがいつか、特に他意もなくそう言ったことがある。雛は黙って笑っただけだったが、そのほほ笑みはなんとなく悲しそうだった。
そんな笑い方をする者は、にとりの周囲にはいない。だからその笑顔は、にとりの胸の中に焦げ付いてしまって離れなくなった。
「厄を集めるのが私の生き方だし、厄自体は私には何も悪さをしないから、大丈夫なのよ」
雛がどれだけそう言っても、にとりは雛が心配で堪らなかった。
厄が多くて、雛は疲れるんじゃないだろうか。しかし、にとりが差しだす甘い瓜も、疲労を取る薬草も、雛は受け取ろうとしなかった。
「大丈夫よ、本当に大丈夫。でもごめんね、にとりに心配かけちゃってるわね」
そう言ってまた悲しげに笑う。

一度でいいから、雛に心の底から安心して笑ってもらいたい。
悲しげに笑わせてしまった小さな後悔と一緒に、にとりはいつしか、雛のことを守りたい、と思うようになった。
ただ、それは友情の延長としての気持ちだと、今の今までにとりはそう信じていた。

この酷い発情期さえ収まれば、雛への気持ちは普通の友情に戻る。
だから、絶対に雛には見せたくない。知られたくない。
雛のことを考えながら自分を慰めるどころか、自分の身が男だったら雛を抱きたいとまで思っているなんて、絶対に絶対に知られたくない。






いかに気楽なひとり暮らしといっても、塒で朝も晩もなくオナニーに耽るわけにはいかない。
機械弄りもやりたいし、椛と将棋を指す約束もある。
それに、雛にも会いたかった。オカズにしている後ろめたさは残るけど、会わないのはあまりに寂しい。

背嚢に工具を詰め込んで背負いこめば、出発の準備は完了だった。完了してないのは、下半身の身支度だけ。
「あ、ぱんつどうしよ…」
股はまだ濡れていて、下着を着けられる状態じゃない。
「しょーがないや、後で穿こっと」
ポケットに真新しい下着を詰め込んで、よしとした。外へ出るまでに泳ぐ間、股は汚れも匂いも濯げて、なかったことになるだろう。
元気よく立ちあがり、頭から勢いよく川に飛び込んだ。水は清冽で気持ちよく、頭の中のもやもやしたものまで流れて消えていきそうな気がした。


勤務明けの椛と、滝のほとりで一局。
椛にしてはめずらしく愚痴っぽかった。なにやら最近上司と上手くいっていないらしい。
「ちょっとばかり強いからって、調子に乗って好き勝手。頭が痛い話だよ、現場の身にもなれってんだ」
全くどちらの射命丸様だ、と椛がぼやく間に、にとりが飛車を取る。
「…あっ」
「将棋のときは将棋のことだけ考えないと、こうなるんだよ、椛」
その後も調子が出ない椛を相手に、気分良く勝ちを重ね、次回の昼飯は椛の奢りということで話が付いた。





川の水が渦を巻く。集まってきた厄が、周囲に只ならぬ気配を振りまく。
「やれやれ、今日も大変だわ」
呟く雛の顔は、大変だという割にはどこか楽しそうだ。集め甲斐がある厄を見ると、ちゃんと自分の存在が認められていると分かって安心する。
厄神の身だからこそ、厄がなければ存在する意味がない。人間達がもし、厄なんてないさ、とやりはじめたが最後、雛は力を失ってやがて消えてしまうだろう。
にとりは雛の体を心配するが、雛がどれだけ大丈夫だと言っても、信じて貰えなかった。寧ろにとりこそ厄に近づくぶんだけ危ないと思うのだけど、にとりはいつまでも雛を心配することをやめなかった。
不器用に優しいにとりが、友達でよかったと思う。声をかけられた時はびっくりしたけど、今はにとりがいるから毎日が楽しかった。

雛はそっと川面に進み出て、その身をくるくると回転させはじめた。
渦巻く、逆巻く、厄の坩堝。どんな厄とて、流せばよろし。全ての厄は雛のもの。
厄の律動を感じながら舞い踊る。厄が凝り、雛の手の内に収まれば、これで人間達はまた安寧のうちに抱かれる。
祈りを込めたステップが、淀んだ厄を凝縮する。雛が最も雛であるとき、厄神としての役目を全うして存在の甲斐を感じる瞬間だった。

厄とのパ・ド・ドゥが終わると、雛は何かがつま先に絡んでいるのに気が付いた。
「あら…?」
白い布切れである。引きあげて、絞って、広げる。ふんわりとした、真っ白な、
「……し、したぎ…?」
厄じゃなくて下着が流れてくるなんて前代未聞のことである。雛はそれをどうしていいか分からず、下着を手にしたまま固まってしまった。




椛と別れると、にとりはまた川に潜った。雛がいる場所まで、ほんの十分ほど。流れは穏やかだが、今日も雛は厄を集めるのに一生懸命頑張っているだろう。
どんな風に声かけようかなぁ。あまり厄が流れてきてなくて、もう終わっているといいけど。
流れと川底の地形のお陰で、雛がいる場所では常に水の中で渦の柱が立っている。
晴れた日は、それが光の柱になって、実にきらびやかな眺めになる。
雛の為の御殿だ。にとりはいつも、柱を見る度にそう感じる。柱の隙間を抜けて、やっほー雛、と顔を水面に出したらば――――
「あ、にとり……?」
魂が抜けたような顔で振り返った、雛の手に、何故かぱんつが握られていた。
「雛、そっ、それは!」
真っ青になってポケットを探る。ない。後で穿こうと思って突っ込んでおいたぱんつがない。
そういえばポケットのボタンを留めるの忘れてた。椛のところに来るまでの間になくして、雛のところまで流れてきたに違いない。
「えっと、わからないんだけど、これ、どうしよう……?」
慌てているにとりの様子に、雛は気付く余裕がなかった。
こんなところでぱんつ持って立ち尽くしているなんて、傍から見たらただの危ないお姉さんだ。雛は雛で、内心すごくうろたえていたのだった。
「……」
「……」
気まずい長い間のあとで、二人してギギギとぎこちなく、川のほとりに向かう。
「――それ、私のなんだ、よ、ね…」
「あ、あ、うん、そうなんだ…そうなの…そう…」
「――――拾ってくれてありがとう」
「いいええどういたしましてえっ」
二人揃って目が泳いでいた。雛が明後日を向いたまま差し出したぱんつを、にとりも明々後日を向いたまま受け取った。
その場で雛に背中を向けて、ごそごそと穿く。

「……っって何でにとりのぱんつがこんなところに流れてくるのーーーー!!」
「うわー時間差でつっこまれた!?」


雛はこの日生まれて初めて、他人の言動にツッコミを入れた。






「朝から下着つけてなかったってことでしょう?一体どうしてそんなことになったの…」
呆れる雛の隣で、にとりはひたすら苦笑いを浮かべていた。
「いやー、たまたま。本当に、なんとなく。別に意味なんてなくて、うん」
正直には言えない。起きる直前まで雛のことを考えて盛大に自慰ってましたなんて言えない。心の中で冷や汗。
「意味なんてないのに、下着を穿かないで持ち歩くなんて……随分長いこと友達でいたと思うけど、河童って本当に不思議なことをするのね」
「まあ、びっくりさして、ごめん」
「ん、びっくりしちゃった。心臓がどきどきしてる」
雛が自分の胸の上に両手を重ねて、ふーっと息を吐いた。にとりの膝の上を掠めて、消えていく雛の息。
どき、というか、ぞく、というか。胸がぢくっと痛んで、呼吸が浅くなった。
隣に雛がいる。手を当てた胸元は膨らみが強調されて高く丸い。長い髪を首の前でりぼんで結んでいて、それが額縁のようになって、横顔が白くて、睫毛が長くて、柘榴のような深い赤がとてもよく似合う…
ゆらゆらと空飛ぶような気持ちで眺めていると、
「どうしたの、にとり?」
小さな唇が甘く濡れて名前を呼んでくれて、くらっと眩暈が起きた。
「……な、なんでも」
身が裂かれるかと思うほどの性の衝動とは少し違う、甘酸っぱい気分が湧く。

触れてみたらどうなるだろう。重ねてみたら、どんな気持ちになるだろう。考えると心臓が弾んで、痛くなる。
ダメだな、こんな風に思いたくないのに。何だか急に泣きたくなって、俯いた。

にとりの様子を見ていた雛は、涙目で下を向いたにとりが気になって仕方ない。
「今日のにとり、変よ。ぱ……下着は穿いてないし、さっきから俯いたり、そっぽ向いたりばかり」
「そんなことないよ」
「何か困ってることがあったりするの?」
「ないよ!」
顔が曇った。にとりはそれを、気配で感じ取った。雛の側の肩や腕の神経が、尖って皮膚を突き破りそうな勢いで雛へとアンテナを伸ばしていて、それらが一斉にじりじりと痛み始めて、痛くて、悲しい。
雛は、とてもつらそうな声で呟いた。
「私じゃあ、聞けないのね。にとりがそんなに元気がない原因。今までいっぱいお話してきたけど、にとりがこんなに元気ないの初めてだから、心配なのに」
「しん、ぱい……」
「にとりは、私のことを心配してくれるくせに、私には心配させてくれないの?」
雛の口調は柔らかく、穏やかだったが、だから余計に悲しみが際立つ。返事をしないにとりに向けて、雛は思い切って尋ねた。

「にとり。……私たち、友達でしょう?」




その瞬間、心臓がぶっこ抜かれるかと思うほど、ショックだった。
雛は大事な友達。自分ではそう思っていたくせに、雛にそう言われたとたんに金槌で殴られたみたいに痛かった。友達という言葉の、なんと薄っぺらく頼りないことか。そんな一言で収まるほど、雛への気持ちは単純じゃなかった。

自分に言い聞かせてきた『雛は友達』という認識なんか、本当はただの仮面だったのだ。
だって本当の気持ちを見せたら、この心地いい関係はきっと終わってしまうだろうから。
不安を直視したくなかったから誤魔化し続けて、気が付いたら無視できないほど雛が特別になっていた。

友達だよって応えたかった。雛に安心してほしかった。そんな自分を裏切る、もう一人の自分の存在に、にとりは初めて向き合う。
そいつは雛のことが好きで好きで堪らなくて、好きだと言いたくてしょうがないって顔で泣いている。どうして手を伸ばしちゃいけないの?こんなにこんなに、雛のこと――
にとりはそいつを押し流してしまいたくなった。

発情期が辛かったのはこいつの所為だ。
いつのまにか雛に恋なんかしていたこいつの。
そして、それは、本当は、自分のこと、で。

「ともだち…」
友達。大事な友達。大好きな友達。優しくて強くて柔らかくて素敵な、自慢の友達。
だけど『ちんちん生えてたら抱きたい』ほど好き、は、友情とは、やっぱり違う。




「……ごめんね、雛」
「え?」
だめだ、雛に言うな、こんなみっともないことを。見せるな、こんな醜いものを。
(じゃなきゃ全てが終わってしまう)
「ともだちなんかじゃない」
「…え?」
雛を汚すな。雛を泣かせるな。雛を傷つけるな。
(だって雛は私の大事な――)

「好きなの」
「……え…?」
「雛が好きなの」
「えっ?」

困惑と、混乱とで、雛が全身を強張らせている。その隣でにとりは迸るものに身を任せる。もう一人の自分との戦いに負けた自分を感じて情けなかったが、もう止め方が分からなかった。

「友達とかじゃなくって好きなの。雛のこと考えると体がうずうずしちゃうの!雛に触れて色んな事したくて堪らないの!」
「にっ、にと…」
「私が男だったら雛を押し倒して私の物にできるのにって思うくらい雛のことが好きなの!」
「えっ、ええ!?」
「嫌でしょ?きたないでしょ?困るでしょ?でも好きなんだもんホントはずっとずっと前から雛のことが好きでだけど自分じゃ分からなかった雛のこと大事すぎて!だってこんな好きっておかしい、きっと、間違ってて、気持ち悪くて」
口に出した言葉に、心が追いついてくる。そう。友達だなんて綺麗事で済ませられる段階なんか、結構前に終わっていた。自分で気付かなかっただけ。だから躰が反乱を起こした。
だからこんなに、辛くなった。
「…気持ち、悪くて、ごめん」
「にとり」
「好きになって、ごめん」
膝の上にぽたぽた落ちる、熱い涙は誰のもの?ああ、自分だと気付いたら、滑稽で笑いたくなる。

雛の言葉が怖い。何も聞かないでこのまま帰って、もう二度とここに来るのはやめよう。にとりは重くなった体を引きずって立ち上がる。
川へ潜ろうとした、そこに赤が覆いかぶさってきた。息が止まるほどの勢いで、強く横ざまに抱きしめられた。
「好きになってごめんなんて、馬鹿なこと言わないで!」
今までこんなに近くで雛の声を聞いたことがない。耳元で囁かれる羽毛の感触の声に、にとりの涙がぴたりと止まる。
「ご、ごめんなさい、こういうとき、どうしたらいいのか、私、よく分かってないから、あの、でもね、にとり」
雛の頭が、にとりの頭にこつんとぶつかった。
「にとりのことが、大事なの。だから、そんなに悲しい顔、しないでほしいの」
「……雛」
あんまり雛が物分かりよくしてくれるから、にとりもすぐには雛の言葉を飲みこめない。
「……気持ち悪いって思わないの?」
「正直に言うと、そういうの、よく分からないというか…」
雛はただ、傷ついた様子のにとりが放っておけないだけだった。その落差がなんとなく感じられて、にとりは素直に嬉しがれない。
「あのね、さっきはまだちょっと大人しめに言ったけど、私本当に酷いよ?」
あやすような声が、耳の上に降る。
「どんな、風に?」
もうここまでバレたなら、取り繕ってもしょうがないか。にとりは観念して、正直に言うことにした。

「私にちんちんあったら雛に突っ込みたい」
「へぁ!?」
「頭の中で何度も雛のこと抱いた。雛を上に載せて下から揺さぶったり、大きく足を広げさせて横からしたり、壁に背中を押しつけたままで入れたりとか。で、そんなこと考えながらずーっとえっちなことしてんの。自分でおっぱい揉んで、指をおまんこに入れて掻き回して何度も何度もイッちゃうの」
雛の顔から血の気が引いた。どう受け取っていいか分からないのも無理はない話だった。
「――――――――――発情期だったら、しょうがないでしょう?」
気力を振り絞ったのがよく分かる返事。
「今だって、したいよ?雛を押し倒して、いろんなとこ触って揉んで、雛のえっちなとこいっぱい見つけて、それで」
「にとり、タンマ、ちょっとタンマ、待って、待って」
小さく首を振る。にとりが少しでも落ち着くように、抱きしめた腕の中で肩をよしよしと撫でていたが、その手すら止まった。
「……今?」
「うん、今」
「………にとり」
「うん」
数回、深呼吸。そして、吸い込んだ息のぜんぶで、吐き出した。
「ばかにとり。エロガッパなんだから、ほんとに」
「……うん、ごめん」
馬鹿と言われていたたまれない。腕の中は嬉しくて心地いいけど、このまま消えてなくなってしまいたい、と思った。
「…にとりの、ばか」
雛がそっと体を離す。ああ、見限られた、しょうがないよね、にとりは素直にそう思った。だが、

「……もう一回、ちゃんと聞かせて。ねえ、にとり。私のこと、好きなの?」

信じられない言葉ににとりの顔が上がる。雛は体を縮こまらせて、じっとにとりを見つめていた。
にとりと目が合うと、首を小さく傾げた。――ねえ、好き?
そんなことをされて、理性が保てる奴がいたら拝みたいものだ。
「……だい、好き!」
辛うじてそう言ってから、にとりは雛の肩を抱いて引き寄せた。
一緒になって座り込みながら、思い切り抱きつく。
「好き、好き、雛が好き、大好き、死にそうなくらい好き、溶けちゃいそうなくらい好き」
「溶けないでね」
「溶けたいよ」
寄せていった唇を、雛は逃げずに受け止めた。
押し付けて離すだけの一瞬のキス。二人揃って真っ赤になって、お互いの体に腕を回した。
「っていうかいいの?押し倒すよ?手加減できないよ?」
にとりは涙でぐしゃぐしゃの顔で呟いて、雛を見上げる。
「だから、私はそういうこと、よくわからないんだってば……。でも、にとりが、それで笑ってくれるなら、……が、頑張って、みる…」
そう言う雛の顔は、衣装に負けないくらい、真っ赤に染まっていた。





贈り物のりぼんを解くように、雛のあちこちを緩めていく。
雛は、震えながら目を閉じて耐えた。覗き込んでくるにとりの顔があまりにも真剣で、怖かった。横たえられた瞬間から、震えが止まらない。
ワンピースがはだけられ、胸元に涼しい風が入ってくる。にとりの手が忍びこんでくると、思わず肩を竦めた。
「…やわ、い」
「ッ…」
恥ずかしくて死にそうだ。にとりの手が、胸を揉んでいる。脇から乳房を掬うように寄せては、谷間で弾力がせめぎ合うように揉み合わせて、また離す。たっぷりとした弾力が嬉しいのか、撫で回すごとに手に力がこもっていった。
「雛のおっぱい、まあるくて可愛いよ…」
溢れて零れそうなのに、手を離せばたゆんと揺れながら戻っていく。にとりがいくら手を広げても、収まらないほどの大きさだった。
乳房を手のひらで支えながら揉み、その間に少しずつ指を這わせていく。頂上でぴんく色になっている場所が、とても美味しそうに見えた。
「はぁ、雛、好き…っ」
「きゃぁっ…!」
吸いつかれて慄く。生温かく濡れた口の中で、乳首は唇と舌先によって蹂躙された。
下から扱きあげるように舐められる。てっぺんを、てっぺんがちろちろと小刻みに揺らし、ざらっとした面全体で円を描いて擦られた。
「ひゃぁ、あっ…!」
吸いこまれて、ちゅぽんと離され、同じ動きを今度はもう一方にされる。焦らされた分、反対側の快感は更に強くて、初めての感覚に雛はじたばた悶え回った。
「にとりのえっちぃっ…」
詰っても効果はなかった。にとりはますます夢中になって、雛の胸にしゃぶりついた。
胸元で弾む青い髪。肌の上を、髪の束がくすぐっていく。
「雛、気持ちいい?」
「……言わないッ!」
じん、じん、と股間が熱っぽく疼く。恥ずかしいけど、だんだん、もっとしてほしくなってくる。
体が熱い。どうにもやるせなくて、切なかった。
「おっぱいは、右と左はどっちが好きかなぁ…」
浮かされた口調は、機械を分解しているときのそれに似ている。にとりは雛の乳首をちゅむちゅむと吸いあげながら、雛の様子を見ていた。
「ひゃっ、あ、あん、だめぇ…っ」
「…今度はこっち…」
「やぁん!にっ、にとりっ、吸っちゃだめっ…!」
ちゅっちゅっと濡れた音がして、痺れるような快感が全身を包んだ。
「なるほどねぇ…雛は左側のほうが敏感なのか…」
「ッ…くぅっ…!」
にとりの口は、慎重に雛の弱点を探っていった。どういう触られ方をしたら、どんな声を出すのか。どんな愛撫だったら、素直に声を出してくれるのか…
「あっ、いやっ、指まで、そんな…」
指で挟みこんで乳首を乳輪ごと固定する。胸の弾力に乳首が逃げないので、より激しく攻め立てることが出来る。
つんと前に押し出された乳首の先端で、小さな円を描いてやると、顎が仰け反ってひあぁと高い悲鳴が上がった。
「やばい雛、ほんっと可愛い…!」
同じ動きを、左側にも施す。雛の腰が一瞬浮いて、落ちた。
「はぁっ、はぁっ、はあっ、にとりの、ばかぁ…エロガッパっ」
「雛、雛大好き、もっと気持ちくなってっ、雛の声聞きたいよ、ひなぁっ」
「はず…かしっ…」
「大丈夫、可愛い、声、出してよぉ」
自分の体を押しつけて胸を上下に揺さぶりながら、にとりは雛に唇を重ねた。
甘く解けた桃色の唇に、舌を差し入れ唾液を流しこむ。雛は喉を鳴らしてそれを受け入れ、にとりの舌が自分の口を味わうに任せた。
胸元からよりも頭蓋に響く艶かしい音は、少しずつ雛の我慢を削っていった。
「…下。脱がせる、からね」
にとりはそう宣言して、スカートの中に手を入れた。たくしあげられた布地を握って、雛は羞恥を堪えた。
短めのドロワーズ。手が掛かって、引きずりおろされていく布地。股間に張り付いていた布が剥がれていく瞬間、濡れた感触が予想以上に重くて、雛は歯を食いしばった。
「うわぁ、いっぱい濡れてるっ…!」
膝を合わせて視線を防ぎたかったが、足の間ににとりがいてそれもできない。
薄くも濃くもない陰毛の奥、どんな有様になっているかなど聞きたくないが、にとりはそこに真剣に見入っているのだろうか、声もなく、息だけが荒くなっていく。
「にと、り…いやぁ…」
耐えかねて雛が呻くと、
「いいんだよ、綺麗だよ。大丈夫、可愛い。私なんかもっとびちゃびちゃになってるよ。でも…今の雛すっごいエロかったぁ…下着とおまんこの間にべっとり、糸が何本も架かってて…」
「~~!!」
「もう隙間がくぱぁってして、奥が真っ赤になってたぁ…」
「いやっ、やだっ!」
「うれしい、雛、すっごい濡れてくれてうれしい、感じてくれて、うれしい」
「~~ッ…」
自分の躰がそんな風になっているなんて、雛は想像もつかない。ただ恥ずかしくて、燃えて灰になってしまいそうだった。
にとりはそのまま、雛の脚を開かせ、股間に顔を埋めた。
「…雛の匂い…甘い…私のなんかよりもっと甘くていい香り…」
にとりの鼻先に、むわっと湿気の塊が張り付いた。布団に染み付いた自分の情欲の匂いをはるかに超えて、雛の匂いはにとりを興奮させる。
そうっと舌を伸ばして、飲んだ。苦くてすっぱくて、甘くて蕩けて、舌いっぱいに絡まって、火傷しそうに熱くて、ずっとずっと飲んでいたい、そんな味だった。
「んふぁ、ひな、雛の、おまんこの味…ッ」
じゅるじゅると汁を啜り、周囲にべっとりとついた液までも舌でこそげとって飲みこむ。
鼻孔を抜ける雛の匂い。喉を潤す雛の蜜。震える躰。高い声。
割れ目からちょこんと飛び出す肉芯に目が行くと、もうそこが誘ってるようにしか見えなくて、よしよし、と口の中に吸い込んだ。
「んぁあっッ!?にっ、にとりそれダメっいやぁああっ!」
雛の悲鳴も聞こえなかった。これが雛の可愛いところだと分かったら、口を開けなくなった。
さっき乳首にしたように、くすぐって、捏ねて、愛でる。
「そこ、そこっ、何、やっ、だめっ、にとりぃ、にとっ、にとり、にとりやめておねがい、ッ!」
雛の躰を蝕む、激烈な快感。
「壊れちゃうからぁっ!おかしくなっちゃうぅ、おねがい、やめて、やめてええぇぇっ!」
しつこいほどに芽を啄まれ、目の前が真っ白に弾けていく。悲鳴を上げて抗っても、押し流された。

「だめっ壊れるっ!にとりに……壊されちゃうぅううううっ…!!!!ううぅああっぅううぅ!ぅぅううぅぁあぅうぅ…ぅああぅうううんっんっ、んっ、ん、ん、んっ…んぁっ…」

悦楽に揉まれて堕ちる雛を、にとりは尚愛し続けた。ひくつく膣に指をそっと添えて、くううぅっと一気に押し込む。エクスタシーの真っ只中の雛は、中を奪われた痛みを感じられず、ただ戦慄くままに締め付ける。
「ひなぁ…ナカもすごいよ…びくんって、いっぱい締めて、もっとぉって、してるよ…」
「やだ…なか……なか、って…」
「入ってる。指、一本。ほら、ね」
にとりが指をくっと曲げる。雛が一瞬で体を硬直させた。
「嘘っ…にとりが…なかにいる、の…?」
「うん、雛の中、いるよ…もっと、いっぱい挿入れたいくらい。柔らかくって、熱くて、すっごくえっちぃよ」
「やぁ、嘘、抜いて…ッ、にとり、そんなとこまで、なんて」
快感の余韻は雛から力を奪った。動きたいが、体が思い通りになってくれない。
「雛のヴァージン、もらっちゃった。でもね、血は出てないよ?すっごくトロトロってしてる」
「あっッ!んっ!」
確認、と言いたげに蠢く指に、呆気なく翻弄された。
「嫌、怖い、怖い、にとり、離して……」
「怖がらないで、雛。中も気持ちいいから、ね」
にとりの手が伸びて来て、雛の胸をまさぐった。
「あっ…やぁ」
にとりの手の中で、乳房が自在に形を変える。左側の、てっぺんを、指の腹で丁寧に撫でて。
「んぁ、ん、んっ…にとり…それ」
「……うん、好きでしょ?」
「好きじゃない…」
「嘘だぁ」
からかうような声音にかちんときて、目を開けた。瞼が張り付いてしまって、光が痛い。
やっとの思いで薄目を開けたとき、見えたにとりの顔が、凄く凄く、嬉しそうだった。
思わず見惚れた。にとりがこんなに嬉しそうな顔をしたところを、見たのはこれが初めてだ。
恋が叶った少女の笑顔は、曙色の薔薇が咲いたよう。
こんな笑顔が見られるのなら、悪くないのかしら。そう思うとこっちまで嬉しさが伝染してくる。微笑もうとすると涙が溢れて、自分でも泣いてるのか笑ってるのか分からなくなった。
もっと笑って。最初の願いを思い出した手が、そっとにとりの首に絡まる。
「ひな…ぁ」
にとりの笑顔がくしゃっと潰れた。瞬き、数回。今にもおっこちそうなにとりの瞳。
抱き寄せられたことで、にとりの中の遠慮が霧散した。
さっきよりもぐっと近づいた雛を食い入るように見つめながら、呼吸にタイミングを合わせ、指を増やして揃える。中を探る指で、壁を押した。手前の内側をくん、と強く引っかくと、雛の目が一瞬見開いて、すぐに力なく閉じられた。
「ふぁぁあぁ…!」
押し広げられたのが、分かるのだろうか。呻きを漏らして雛が仰け反る。
「うわ、やっぱトロトロしてる…」
「ッッ…っ」
歯を食いしばった隙間から、くうっと喉が締まる音が漏れた。
「襞がいっぱい。ざらざらってして、毛羽立ってる。…奥、深いね…私の指じゃ、届かないや」
「ぃやぁっ、言わないでぇ……」
涙を滲ませながら訴えてるのに、にとりの興奮は収まらない。
「私にちんちんあったら、奥までしてあげられるのに。雛の、奥のもっと奥まで、いっぱいにして、気持ちよくしてあげられるのにっ、奥の、子宮の中まで、いっぱいせーえきぶっこんで、犯してあげられるのにっ」
熱っぽく喘ぎながら、こうやって、と、指を大きく抜き差しした。
「ヤぁっ!」
その瞬間に鋭い痛みが走って、全身がどっと汗を吹いた。震える雛の腕が、一瞬だけにとりを拒みそうになる。
「あ、これ、痛い…?」
「あまり、乱暴に、しないで…」
汗びっしょりで耐えているのに、それでも雛は踏みとどまった。
「……わかった、出来るだけ、頑張る」
頷いて、再び押しこむ指は、スローに。襞のひとつひとつをなぞるように、ゆっくりと掻き分けていった。
「力、抜いてね、ひなぁ」
乳首をつんつんと押し、膨らみの中に埋め込む。弾力でまたつんと尖ってくる頂上を、くるくると擦る。
「んあっ、ん…ッ」
小さく、いやいやとかぶりを振って。だけどその表情は、甘く溶けてしまいそうになっていて。
「雛ったら、おっぱいのほうが好きなの?」
「ちがっ、てッ、言ってぅ…っ」
力が入らない手が、にとりの髪をぎゅうと引っ張った。
にとりの指は、雛の中を行き来する。自分では耐えられないくらいの緩やかな抽送で。雛を驚かせないように、同じ角度、同じ深さを用心して保つ。
乳首をきゅっと抓むと、中の壁が指を締め付けた。入口から奥へと、波打っていく。
「……可愛いなぁ、ほんとにかわいい」
「イヤ、ぁ、っ」
にとりが指を引き抜くたびに、それを追いかけて膣道がぎゅっと狭まった。
雛が想像以上に淫らで、素直で、にとりはうっとりと目を細める。
「気持ちよくなってくれるかなぁ?初めてだよね、雛。……んー、でもまだちょっと、つらいか」
「んんっ…んくっ…っ」
唇を噛みしめる。声を押し殺したかった。なのに我慢した分だけ快感の逃げ場がなくなって、余計に体が熱くなる。
キモチイイ、って、もっと穏やかで、優しくて、心地よいものじゃなかっただろうか。燃えてしまいそうなこんなのを、快楽だと素直に認められない。
にとりが舐めて。にとりが、触れて。
「だいすき、ひな」
にとりが囁く。
頭の中も、心の中も。体も、全部がにとりに奪われて。
「……に、とり」
真っ白になる。
「長引くの、きついね。こっちもナデナデしたげる」
親指の腹が雛の芽を混ぜた。
「ふぁ、ぁ、ああっ!?」
全身に力が入って、すぐに抜ける。にとりは一度では許してくれなくて、ゆるゆるとその動きを繰り返した。
「きゃ、ふぁ、あん、やぁ、に、にっ、…」
乳首に吸い付いて、舌先で激しく弾く。
「や、あぁ、ふぇっ、え、えぅ、んっ!」
全身をいちどきに攻め立てられて、雛は一気に崩れていく。
「ダメっ、だめぇっ、そんなにすごいのっ、された、ら」
壊されると思ったさっきよりも、大きな渦に呑まれた。
「にとりぃっ……!!あっ、や、やぁんっ、だめっ、あっ、や、んやぁあっ!」
いやらしい悲鳴が止められなかった。激しく全身を痙攣させながら、襲い来る快楽に揉まれた。激流に流されて、

どこかに、おちて、いく。


「イヤぁ、あ、 ぅ、うううぅ、んぅぅっんっんッ、んっ、 ん! あ!あっ!く、ぁああぁぁああ…… ッッ!」










意識が途切れて、戻ってきてもまだ、……悦かった。

「……雛?」
「んぁっ…や、っ、もぉ、おねが…い……もう、動かさないでぇ……」
足首までを浸す余韻が、揺り籠のように心地いい。だけど体力は限界で、息も絶え絶えに懇願すると。
「もう、動かしてないよ?動いてるのはね、雛のほう」
「え…?」
慌てて自分の体を見た。
「腰が、くねってるの。ナカもね、まだ、私の指をいっしょうけんめい食べてるよ。雛ったらえっちぃね。私のことエロガッパなんて言えないじゃない」
雛が何も言えずに口をぱくぱくしているのを見て、――にとりのにんまりが薄れていった。
「……あー、ちんちんないのがホントに残念だぁ」
にとりが体を寄せた。語尾が弱まり、冗談の色が抜けていく。
「……雛を、全部、私で、埋めたかったなぁ……」
「にと…り」
言いながら、名残惜しそうに指が離れて、くぷんと粘っこい音がした。
やっと解放された体はしかし重く、ひたすらにけだるい。密着するにとりは、小さく震えていた。
「泣いてるの?」
返事は、ぐすんと鼻が鳴る音。
にとりをそうっと抱きしめながら、雛は溜め息をついた。
「泣かないで、お願い」
言われてもそう簡単に泣きやめないらしく、顔を上げる気配もない。
「……にとりで、いっぱいになったわ。体だけじゃなくって、胸の中まで」
にとりは無言のまま、雛に縋る。
雛もそこから先が言葉には出来なかった。優しい重みを腕いっぱいで引き寄せ、蒼色の髪に頬を寄せる。澄んだ水が流れる時の匂いがした。
恋とか愛とか、こんなことになった今も、雛ははっきりとは分からない。だけど、自分の腕の中で泣きじゃくる河童が、今はただ、いとおしかった。













しばらくぶりに顔を見せたにとりは、心なしか痩せたように見えた。
「やっほー、ひな」
「いらっしゃい」
丁度厄を集め終えたところだ。ひと息いれるのに、お喋りもいいだろう。
手招くと、にとりはおずおずと岩を降りて、雛の前へやってきた。

並んで座るが、何となく、ぎこちない。
言いだしづらそうに、その、あの、を繰り返すにとりを、雛は辛抱強く待った。

「こないだ、は、その、ごめん、ね?雛に、えっちなこと、いっぱい、言ったり、……したり、しちゃって……」
深く被った帽子の中で、前髪が目元を隠す。
「発情期、は、終わったから、もう、あんな、こと、しなくて、えっと、本当は、いいん、だけ、ど」
「えぇ」
雛は俯き加減のにとりを見つめるが、にとりはさっきから雛の方を真っ直ぐ見られない。
「でも、雛のこと、好きって言ったのは、嘘とか、その場限りとか、ノボせててとかじゃなくてね……だから…えー…」
スカートを握りしめている手は可哀想なくらいわなないている。
そろそろ、イジめるのはおしまいかな?雛は体を傾けて、にとりの耳の上に囁いた。
「……発情期が終わったら、もうしなくていいの?」
「それは……それはね雛……っ」
「もう、したくないの?」
「~~~~……」
「にとり?」
呼ばれて、やっと振り向いた。覗き込む雛の顔が思ったよりも近くて、息が止まった。
「私のこと、好き?」
「――雛、ズルい。そんな聞き方」
大きな目から、ぼろりと涙。
「雛のこと、――すっごい、大好き」
「うん」
「また押し倒しちゃうかもしれないけど、いいの?」
泣きながらそんなことを聞いてくるにとりが可愛くて、雛は腕いっぱいでにとりを抱き寄せた。
「にとりの、エロガッパ」
「だからそれはごめんってばぁあぁ…!」
「泣かないで、にとり、笑って。そしたらちゃんと押し倒されるから、ね?」
「っ、ひ、ひなぁああぁ!」

泣きじゃくるにとりが、腕を回してしがみつく。
だから、雛が晴れ晴れと嬉しそうな顔で笑っているのを、にとりは見ることが出来なかったのだった。






.
「こんのォ、エロガッパー!!」
っていう漫画を見たんだ。

河童がエロいのはしょうがないね!
七星
http://ameblo.jp/heaven-star/
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
しょうがないね!
2.名前が無い程度の能力削除
うん、しょうがないね!

キャラのセリフと心理描写がとても興奮しました。すげえ!!
3.名前が無い程度の能力削除
しょうがないね!
エクスパンデッドしてるのはしょうがないことだね!
4.名前が無い程度の能力削除
「溶けないでね」「溶けたいよ」
くぅ、いいねえ。この台詞……! 
これじゃお互い盛り上がっちゃうのはしょうがない!
5.名前が無い程度の能力削除
まったくもって仕方ないな!
6.NIKUZIN削除
………good
7.名前が無い程度の能力削除
むしろエロくない河童なんているのかっていう

で、もちろん念願叶っておちんちんが生えたにとりと雛の
濃厚なセクロスもありますよね?
というわけでスキマとか月の頭脳は早くアップを始めてくだs(ry
8.名前が無い程度の能力削除
やばい、このにとひなやばい。
最高にこの雰囲気がすきです。
お前らもう結婚しちゃえよ。
9.名前が無い程度の能力削除
しょうがないね!
淫語に翻弄される雛は可愛いと思った
10.名前が無い程度の能力削除
しょうがないね!
良いにとひなでした、ごちそうさまです。
11.名前が無い程度の能力削除
やったあああにと雛だあああ
「夫婦の単語が似合うカップルは?」って聞かれたら真っ先にこの2人が思い浮かぶわ
12.名前が無い程度の能力削除
うん、しょうがないね!!

何この河童えろいww
まじおいしいかったですw
13.名前が無い程度の能力削除
ちんこ無しでこんなにエロいんだからちんこ生やしてズポズポしたらもっともっとエロいんだろうなあ、想像しただけで先走りがgg
14.程度の削除
もう雛もにとりも可愛すぎて悶えた。末永くお幸せに!
15.i0-0i削除
にとりぃぃぃ……!
可愛すぎて悶絶しました。ありがとうございました。
16.ナハト削除
何というエロ河童w

発情期ですか…もし雛も発情期だったらと考えると、何だか胸熱です。
17.名前が無い程度の能力削除
やばいにとひなやばい
18.名前が無い程度の能力削除
二人が可愛過ぎて死んだ
にとひなは俺のしょうがないね!
19.名前が無い程度の能力削除
発情期ネタってもういい加減使い古された感があるけど
それでもこういう話の流れで使うとまだまだ新鮮味があるな
20.名前が無い程度の能力削除
唐突な発情期の告白を受けてもしっかりと受け止めて自分も好きだって返してるあたり、雛も相当好きだったでしょうね
両想いなのにきっかけがないと進展できなかった分、これから狂ったように求めあってたりすると俺得です
21.名前が無い程度の能力削除
えろいなぁ
22.夜空削除
これは可愛エロ過ぎてちんこもげた
描写もエロいんですが台詞回しがとにかく秀逸でエロスに溢れてますね
濃厚ねちょねちょかつ甘々で素晴らしかったです
このエロ河童発情しすぎと言うかお盛んすぎて……こういうの好きなので本当参りました
23.名前が無い程度の能力削除
発情期だもの。しょうがないよね
雛もにとりお可愛いなぁ
24.Admiral削除
二人のネチョに互いを思う心。
とてもすてきなお話でした。