真・東方夜伽話

君を逃がさない(上)

2010/11/14 22:24:35
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君を逃がさない(上)

arlys

続き物になっています。
前作は『君は特別』です。
前作を読んでいないとわからないところが多数あると思うので、先に読んでいただけたらうれしいです。
オリキャラ(男)出てきます。
『それでもいいんだよ!』
『こいしちゃん、ハァハァ』
というかたは下から、よろしくお願いします。



「健太さん、資料送られてきましたよ」
「ありがとうございます」

あれから、数日後僕は無事に仕事に就けた。
こいしちゃんのことだから、傍にいるかと思ったけど、いろんなところを放浪しているみたいだ。
少し、心配だけれど、僕よりも強いんだから大丈夫だろう。

「えぇ、あの子に怪我をさせられるのは……
本当の意味でいったら、あなたしかいないでしょうし」
「どういうことですか?」

僕より強い人なんていくらでもいたような……

「言葉通りの意味です」
「はぁ」

さとりさんは、こういった意味深なことを言うのに何も答えてくれない。
こいしちゃんにきいてといわれてもどうきけばいいのやら……

「むしろ、あなたのほうが心配ですから、護身用です」

ナイフを手渡される。
まあ、持っていても不便じゃないし、ポケットの中に突っ込んでおく。
溜息をつきたいのを我慢して、資料に目を通していく。
炉は結構丈夫には作られているみたいだ。
だけど、これを見る限り、時間は長い間は使えないな。
前までの燃料方式ならば大丈夫みたいだけど、核融合にはそこまで長時間耐えられない。

「ぇ、本当ですか?」
「えぇ、そうですよ」

数日だと言うのに、すっかり心を読まれるのにもなれてしまったな。
思えば、こいしちゃんも姉妹なのに、全然心を読まれて

「あの、最近ほとんど一日」
「急いで止めてきます!」

走り出す。
こういうときに、みんなのように空が飛べたらと思う。

「あ、健太さん、どうしたの~?」
「今、どれくらい核融合しちゃってる?!」
「う~んと、今日は」
「三時間だよ、お空」

お燐さんが答えてくれる。

「もう、今日は核融合はストップ~!
普通の燃料方式にかえて~」
「ぇ、あ、は~い」

頷いて、どうやら止めてくれたみたいだ。
さてと、これから異常がないか見張りをするか。
外に設置されているから、少しの石はしょうがないにしても大きめの石は回収しておく。
そんな風にしばらく確認し、炉の温度も一時間後とに計測して記録をとっていると

「はいよ、お兄さん。
もう、ご飯だよ」
「あぁ、ありがとうございます」

お燐さんが僕に包みを渡してくれる。
どうやら、さとりさんが作ってくれたようだ。

「ごっはん~、ごはん~」

お空さんは楽しそうにすでにご飯を食べている。

「いただきます」

ご飯を食べだす。

「思えばさ、お兄さん。
さとり様の誕生日は一ヶ月先なことを知ってる?」
「ぇ、本当ですか?」

全く知らなかった。
考えてみれば、僕はこいしちゃんのことも、ここにいるみんなのことも何も知らないんだ。

「あぁ、だからさ、健太さんがこいし様を誘っておいてくれないかい?」
「はい、わかりました?」

なんで、わざわざ僕に頼むんだろう。
別にこんなこと誰でもいいような……

「当日は勇儀さんと午前中はデートしてもらって、午後に身内だけでするんだ。
料理も手伝ってくれると嬉しいよ」
「お空も手伝うよ!」
「はいはい、よろしくたのむよ」

ぽんぽんっと軽くお空さんの頭を叩く。

「あの、じゃあお二人の誕生日はいつですか?」

とりあえず、気になったことをきいておく。
こいしちゃんの誕生日は本人から聞きたいしね。

「一応、三ヵ月後……かな。
あたいたちはペットで自分たちの誕生日を覚えてないから。
まとめて、お祝いするんだ」
「そうなんだ。
じゃあ、そのときは僕がおいしい料理を作ってあげるよ」

変な慰めの言葉はきっといらない。
だって、二人ともここにいて幸せそうにしてるんだから。

「ほんとうに~!」

お空さんが目を輝かす。

「あぁ、もちろんだよ。
お空さんはゆで卵を中心にアレンジした料理かな?
お燐さんは猫耳だから魚がすきなのかな?
何か好きなものがあったら言ってよ」
「ありがとう、お兄さん」
「ううん、さあ、仕事だ」

ご飯を切り上げて、仕事を再開する。

「お~い、お兄さんあたいたちはもう引き上げるけど」
「あぁ、今日はご飯いらないって伝えておいてもらえる?」
「うん、わかったよ」

安定していることはわかるけれど、とりあえず一日目だからきちんと記録をとっておきたい。
二人に手を振って記録をとり続ける。

「くしゅっ、ちょっと冷えるな」

炉に近いとはいえ少し肌寒い。
羽織るもの持ってきておけばよかったよ。

「そんなことだろうと思ってました」
「あ、さとりさん」

さとりさんが羽織るものや水筒、それにお弁当まで持ってきてくれていた。

「仕事熱心なのもいいですけど、無茶は禁物ですよ」
「すいません、明日からは帰りますよ」

持ってきたものを羽織って、あったかいコーヒーをもらう。

「あ、こいしちゃんは帰ってきましたか?」
「帰ってきてないですよ。
一週間以内に帰ってきてくれたら奇跡ですよ」

そんなにひどいものだったんだ。
お弁当もいただきますと言ってから食べさせてもらう。

「あの、さとりさんは戻らなくて大丈夫ですか?」
「ん、あぁ、私はあなた達に比べたら仕事してません。
いわゆるデスクワーク担当です」
「そうなんですか」

確かに肉体労働できなさそうな身体だもんな。

「ねえ、健太さん」

じぃっと僕の瞳を覗き込んでくる。
三つの瞳は普通の人と違う迫力があって不思議な感覚だ。
だけど、こうやって間近で見たらこいしちゃんとにてるなって思ってしまう。

「私はあなたの心が全て見えてますよ。
あなたの考えていることも隠したいことも全て……ね」

隠したいこと。
ま、まさか、今日お燐さんに言われてることがもうモロバレなのか。
うわぁ~、せっかくサプライズっていってたのに。

「ふふっ、あはは!
そんなのペットたちが隠しきれるわけないから知ってますよ。
あなたには、本当にさとりへの恐怖心がないですね~」
「一緒にいてたおかげでもうなれちゃいましたし……
それに、僕の隠したいことってこいしちゃんとのことくらいですよ。
わざわざ、妹の男の心を読んで、そんなこと読みたいですか?」
「それもそうですね」

そんなにも不安なんだろうか?
僕はさとりさんの過去……
そして、一緒にいたであろうこいしちゃんのことも知らない。

「知りたい……ですか?」
「こいしちゃんが話してくれるまで、待ちたいです。
それに、教える気もないでしょう?」
「うふふ、私のほうが心を読まれちゃいました」

その後も、他愛ないことをずっとしゃべりながら計測を続けた。
朝になると、さとりさんはのろのろと帰っていった。
僕も、今日お空さんが核融合をした後ゆっくり休もうかな。
まあ、大きな事故もなく一日が終わる。
もちろん、何日もそれは積み重なっていく。

「かえって……こないな~」

そして、こいしちゃんは一週間たってもかえってこない。
せっかく、給料日でお給料もらえたのに……
さとりさんに食費とかその他もろもろ渡しておこう。

「あぁ、別にいいですよ」

さとりさんが断ってくるけれど、かかっている食費だけでもというとおずおずと金額を言ってくれる。
その二倍のお金を渡しても十分にお金は余る。
さすが、お役所仕事だ。
これで、十分お金も足りるだろうし、弁償しにいこう。

「あ、あの、倍って」
「こいしちゃんの分です」

居候で、こいしちゃんの恋人なんだしこれくらいはさせて欲しい。

「わかりました。
大事に使わせてもらいます」

さとりさんが受け取ってくれる。

「それと、地上に行くなら、ちょうどお燐におつかいを頼みましたから、一緒に行ってきたらどうですか?」
「そうさせてもらいます」

きちんとお空さんも守ってくれているから、大丈夫だしね。
お燐さんがやってきたので、事情を説明すると、僕を抱いて一気に飛んでいく。
本当に、情けないな。
あっという間に、魔理沙さんの家の前。
少し吐き気がするかもしれない。
ノックをしてみるけれど、誰も出てくる気配はない。

「あちゃ~、留守だね。
先にさとり様のおつかいに行ってもいいかい?」
「はい、もちろんです」

どこに向かうんだろうと思ってたら、霖之助さんのお店。

「お兄さん、失礼するね~。
何か、良い本は入ってる~?」

入っていくのにあわせて入っていく。
バチっと目が合う。
お互い、無言で近づいていく。
『ガッ』
同じ瞬間にお互いを殴っていたみたいだ。

「うえっ、何しているのさ!」
「「男として、どうかなって思ったから」」

見事に声がはもる。
他の人になら、ともかく、この人にだけは言われたくないな……

「へぇ、女の子に汚れたらもらうとか……
バカですか、っていうか不用意な一言すぎて最低です」
「ちょ、ちょっと待ってくれ?
なんだそれは?」

嘘をついてるようには見えないな。

「魔理沙さんがそういってたんですけど」
「あぁ、そういうことか……
紛らわしい言い方をしてしまったな。
弾幕ごっこが安全なスポーツみたいなものだってことは知ってるな」
「一応、それくらいは」
「だけれど、あの子が地底に行くときは、地底にきちんと弾幕のルールが布教しているか心配だったんだ。
それで思わず言ってしまったんだ。
『たとえ、どんな妖怪に心や身体が汚されて、みんなが離れたら、僕がそばにいてやるから、暴れてこい』って……」
「じゃあ、つまり……
魔理沙さんが誤解しているようなことではないと?」
「あぁ、それをなんでそっちの解釈にもっていってしまうんだ……」
「そうですね~。
魔理沙さんが僕みたいのじゃなくて、もし普通の村人にそういうことしちゃってたら、魔法道具取られて、複数人でぐちゃぐちゃにされてたかもしれませんね」
「君、ずいぶんと言うじゃないか……
もっと、おとなしそうだと思ってたんだが」
「そうですか?
ただ単に、女の子をきちんと守れないやつは男として認めたくないですから」
「お兄ちゃん、毒舌~」
「いや、僕が思っていることって……
こいしちゃん、いつの間に?」

気づかないうちにこいしちゃんが後ろから抱き着いていた。
そんなこいしちゃんの頭を軽く撫でていると

「そうやって、ベタベタすることが……
彼女にとっての最善なのか?」

呆れたように僕を見る。
それはラブラブしてるんじゃねえよって感じじゃなくて、本当に問いかけているみたいで

「僕にとっての最善です。
少しでも一緒にいたいんです」
「キスしよ、お兄ちゃん!」
「二人になったらね」

本当に突拍子もないな。

「じゃあ、エッチもするよね」
「あはは、どうだろうね?」

こういうやり取りを恥ずかしくもなくなってきているのは、ある意味まずいかな……

「えと~、お兄さん?」

お燐さんがおずおずと僕を見る。

「あ、こいしちゃん。
一ヵ月後、必ず帰ってきてね?
どうしてかは……わかるよね」

お姉さんであるさとりさんの誕生日くらいわかっているだろう。

「は~い、わかった」
「それと、できれば、……」

今日は一緒にいて欲しいといおうと思ったときにはもう目の前にこいしちゃんはいなかった。
少しくらい待ってくれてもいいのにな。

「おにいさん、私は神社に行くけどどうする?
魔理沙、いるかもよ」
「じゃあ、連れて行ってもらえる?」
「ちょっと、待ってくれ。
最後にお礼を言わせてくれないか。
君がいなかったら、僕はずっと魔理沙を傷つけ続けてた。
自分の気持ちに正直に、魔理沙に答えられたよ」
「お礼とかいいです。
とりあえず、もう魔理沙さんを傷つけないようにしてくださいね。
じゃあ、お燐さんよろしく頼むよ」
「オッケ、まかせて」

また抱えられる。
あぁ、本当、これにもなれてきちゃってるな。
今度は気持ち悪くならないよう、気をつける。
まあ、気の持ちようで変わるはず……

「おねえさん、こんにちは~」
「あら、お燐……と健太さんじゃない」
「おっ、健太か~」

地上に着いたと思ったらぽんっとお燐さんは猫になって霊夢さんの膝の上に丸くなる。
霊夢さんは特に動揺することなく、僕のほうを見て

「素敵な賽銭箱はあちらよ」
「あはは、余裕があったら」
「それよりも健太座れよ~」

魔理沙さんに呼ばれて、縁側に座らせてもらう。

「お給料はいったから、ソファ弁償するよ。
どれくらいいるかな?」
「こいつのために弁償なんかしなくてもいいわ。
それよりもお賽銭入れて」
「ちょ、なんで霊夢が」
「あぁ、あなたの料理おいしかったから、今晩の料理作ってくれるとかでもいいわ」
「んぅ~、ソファはいいよ……
まあ、健太には色々世話になったし、うん、ソファだったら、あいつからかりればいいし」

ソファってかりるものだろうか?
まあ、細かいことは気にしたら負けだと思おう。

「まあ、料理くらいお安い御用ですよ。
何が食べたいですか?」
「はいは~い、お金あるんだったら里に材料買いに行こうぜ!
なぁ、健太いいか?」
「うん、もちろん」
「じゃあ、健太後ろ乗れ」
「うん、失礼するね」

魔理沙さんがほうきの後ろをぽんぽんと叩くので、後ろに座らせてもらう。
しばらく飛んでいくと、ある程度人がいるところにつく。
思えば地底にもこのような場所があるのだろうか?
そこから買い物をしていく。
やはり、買い物をするところとあって、お茶屋さんもある。

「魔理沙さん、ちょっと来て」
「ん、なんだ~?」

魔理沙さんが寄ってきたのを確認して

「すいません、注文いいですか?」

中の人を呼ぶ。

「ぇ、ちょ、健太?」
「何か、頼んで、僕のおごりだから」
「でも、お礼で料理してもらうのに」
「僕が個人的に魔理沙さんにきちんとしたいから」

魔理沙さんがあんなに素直に動いてくれなかったら、こいしちゃんと一緒に入れていたかもあやしい。

「じゃ、じゃあ遠慮なく」
「でも、これから昼食だから食べ過ぎないようにね」
「わかってるよ」

魔理沙さんがお団子を注文する。
しばらくすると、おいしそうに団子を口に運んでいく。

「なぁ、健太。
私、この前お前を襲おうとしたじゃん」
「う、うん、そうだね」

こんな人がいる真昼間に何をいきなり言い出すんだと思いながらも頷く。

「あれがさ、その違うんだったら……
一体、どうすればいいんだ?」
「え、えっと、そういうのには多分雰囲気とかそういうのがあるから」
「雰囲気ってなんだ?
えっと、あの本とかにのってる甘い雰囲気ってやつか?」

ずいっと詰め寄ってくる。

「あの、どうしたの?」

前会ったときに少し距離が縮まったって喜んでたのに……
なんか、また変なことでもあったのかな?
さっき、霖之助さんに会ったけど、特に何もなさそうだったけど……
いや、この二人のことだから、言葉の行き違いとかかな?

「じ、実はあ、いつが付き合ってくれるようになって……
だけど、周りにきいたら、あんだけお互い付き合うまで長かったんだから、え……ちもうしてると思ったって言われて……
おかしいのかな?
あいつはやっぱり私に恋愛感情をもっていないのかな?」

うぅ、頭を抱えたい。
エッチしてなくてもおかしくないよって僕が言うのか?
初対面であっていきなりエッチして、その後も顔を合わせるたびするか必ずすることを前提で話している僕が……

「なぁ、どうなのかな~?」

子どものきらきらした瞳って怖い。

「霖之助さんは、きらきらと動き回ってる君も好きだから……
自分が拘束してしまうのが不安なんじゃないかな?」

ようやく思いついた言葉を口にしていく。

「君が勘違いした言葉もさ、魔理沙さんのことが大事でしょうがないって聞こえたよ。
まあ、単なる僕の主観だけどね」
「そっか、そうだといいな。
だけど、子どもは早く欲しいな」
「そうなんだ」

子ども……か。
きっと、こいしちゃんの子だったら、男でも女でも可愛いんだろうな。

「健太も欲しいだろ?」
「そうだね、子ども欲しいや」
「それに、私たち人間と妖怪とじゃ寿命が違うから。
二つが一つになって終わるんじゃなくて、その後も繋がっていくんだって……
あのバカに教えてやりたい」

妖怪と人間……か。
思えば、力の差くらいでしか考えてなかった。
寿命の差もあるんだったら、こいしちゃんは……

「お~い、健太?」
「ぇ、あ、ごめん」

お団子代を支払って、神社へ帰る。
すぐにお台所を借りて料理を作っていく。
料理を出来るとうきうきしていたはずなのに、へんなことを考えてしまう。
ずっと上の空のまま、何かを話したりもしていたのに、何も覚えておらずいつの間にかお燐さんと一緒に帰っていた。
そして、やっぱりというかその日もこいしちゃんは帰ってこなかった。



「あら、健太さんおはようございます」
「おはようございます」

ぺこっと頭を下げて、朝食もとらずにそのまま仕事場に向かう。
今、心を見られるのはイヤだった。
きっと、今見たらこいしちゃんを大事に思っている姉のさとりさんは傷ついてしまう。
そんなことしたくないから、できるだけ近づかないようにずっと過ごす。
話したくて、触れたくてもこいしちゃんは帰ってこない。
探して見ようにも、僕は飛べないから遠くまでは探せない。

「こんなにも会えないんだ」

向こうの世界ではそれが普通くらい。
だって、お互いの仕事や人間関係もあるから……
だけれど、なんかすごくこいしちゃんに会いたい。
はぁと溜息は吐いても、何も起こらない。




「それでは、みんな今日はやっるぞ~!」

そして、さとりさんの誕生日になっていた。
さとりさんの誕生日も祝おうと思うけれど、それよりもこいしちゃんが帰ってきてくれるんだろうって思ったら、そのことで頭がいっぱいになりそうだった。
実際、頭がいっぱいで料理をしたり物を運んだりしていても、周りがすこし『こ』、『い』、『し』のどれかの言葉が聞こえただけで反応してしまうくらいだった。
そして、準備が終わり、待つ。

「帰ったぞ~!」

勇儀さんの大声が聞こえてくる。
それとともに、みんなドキドキしながら、大広間で待つ。

「みんな、ただいま」
「「「はい、おかえりなさい。
そして、おめでとうございます」」」

人語を発しているのは一部であとはニャーニャー、ワンワン、カーカーなど色々な声が混じっている。

「ふふっ、わかっていても……
やはり、嬉しいものですね」

幸せそうに微笑む。

「じゃあ、さっそく、乾杯しましょうか?」
「えぇ、そうね」

すっとお二人にグラスを渡す。
そして、乾杯をしてパーティーが始まる。
昼からなのに、みんなで飲み食いして騒ぐ。
そんなテンションのままご飯を追加しながらも夜までずっとだった。

「じゃあ、ケーキといきましょうか!」

お燐さんが元気よくケーキを持ってきてくれる。

「あ、ごめん、みんな……
こいし、待ってもいい?」
「ぇ、ああ、そうですね」

さとりさんの言葉にお燐さんは近くのテーブルにケーキを置く。
みんな欲しそうに見ているが、お空さんとお燐さんがいるからか、取りに行こうとはしなかった。
まあ、お空さんもちらちらとケーキを見ていたけれど……
カチカチと時計の音とすこしの音。
『ボーンボーン』と十二時の鐘がなる。

「ごめんなさい、みんな。
こいしは、もう帰ってこないでしょうし、食べましょうか」

そこからは、ケーキを切り分けて、食べていく。
どこかで、みんなこいしちゃんが帰ってくるかと待っていたけれど、結局帰ってこなかった。

「みんな、おそくまでありがとう。
そろそろ、寝ましょうか?」

さとりさんの言葉で、みんな部屋などに戻っていく。
僕も自分の部屋に戻る。
ボスッとベッドにダイブする。



「おはようございます」

結局、朝になって挨拶をして、ご飯を食べて仕事に向かう。
いつもどおり、炉の管理を皆で話しながらして……
夕食を食べ終わった後、さとりさんが来て

「あの、健太さん」
「どうしたんですか?」
「えっと、花瓶に飾る花がほしいんです。
地霊殿を出て、北のところに花畑があるんで、取りにいってくださいませんか?」
「え、あぁ、はい」
「はい、これ寒いでしょうから」

厚い上着を渡される。
それを羽織る。
でも、なんで、そんなところの花なんだろう?
ここにはバラの庭園があってきれいなのに……
そう思いながらも、地霊殿から出て北へと向かっていく。
なんか、軽い崖みたいなのもあったけど、気合でよじ登っていくと、真っ白な花が乱れ咲く花畑。
まるで、こいしちゃんの色みたいな花だなって思ったら

「こいしちゃん!?」

ぽつんと、一人でこいしちゃんが座っていた。
景色と同化しそうなほど、はかない後姿。
花を踏みつけるのも気にせずに、こいしちゃんに駆け寄っていく。
自分をぎゅうっと抱きしめているこいしちゃん。

「こんなところで、何をしているの?」

そっと、触れてみると、身体はやっぱり冷たかった。
さとりさんは、ここにいるとわかってたのかもしれない。
急いで、上着を脱いでこいしちゃんに着せようとすると

「うわっ、ん、ちょ」
「えへへ、お兄ちゃんだ」

こいしちゃんがキスをする。
触れた唇もとても冷たい。
このままじゃ、風邪をひいてしまいそうだ。

「ほら、地霊殿帰るよ」
「ねぇ、エッチしよ。
ふふっ、快楽に溺れちゃおうよ。
なにもみえなくなっちゃうほど」

目の焦点が合ってない。
確かにいるはずなのに、かすんでしまいそうなこいしちゃん。

「ここじゃなくてもいいでしょ?
女の子がこんな寒いなかずっといるなんて」
「じゃあ、あっためてよ」

押し倒されそうになるのをなんとか完全には押し倒されない。
だけれど、完全にこいしちゃんが上。
ブカブカの服を着ていたからか、服の間から入ってくる。
ぎゅうっと僕の腰に手を回して、ちゅぱちゅぱと僕の身体を舐めだす。
唇は冷たかったのに、舌はすごく熱い。

「んぅっ、ちゅ」

中からこいしちゃんの声が聞こえてくる。
はぁっと艶やかな吐息。
男だけれど、その光景だけでもっときもちよくなって、ごくっと唾を飲み込んでしまう。

「ほら、ここ大きくなってる。
きもちいいんでしょ?」

ぐりぐりっとこいしちゃんの膝がズボン越しから刺激を与えてくる。
抑えないとだめなんだけど、生理現象は止まってくれない。
とりあえず、意識だけはぶっ飛ばさないようにぎりっと唇をかみ締める。

「抵抗しないでよ」

今度はそうっとこいしちゃんが手で撫でる。
服越しの感触はじらされているとしか思えず、理性がぶっ飛びそうになる。

「いや、だ」

それじゃ最初と同じじゃないか。

「いいもん。
それなら、溺れさすもん」

ジッパーをおろしていくこいしちゃん。
手で抵抗したら、完全に押し倒されてしまうし、こいしちゃんを蹴るなんてできない。

「いやよいやよも好きのうち、でしょ?」

僕のモノをごちそうを目の前のようにしたようにぺろりと赤い舌で唇を舐めてから、両手でそっと握る。
ぷにぷにとした手に反応してまた、僕のものが大きくなったことが分かる。
ふぅっとわざとらしく息を吹きかけてくる。

「ほら、欲しいってビクビクって震えて……
お汁がこいしの手汚してるよ」

否定も出来ない事実。
どうしよう、これを止められるわけないし……

「ぺろっ、んぁっ、はっ」

咥えるのではなく、ぺろぺろとアイスを舐めるみたいに全体を丁寧にこいしちゃんの舌が動く。

「やっぱり、何かこいしちゃん……
おかしいんじゃないの?」
「急に何?」

こいしちゃんがおずおずと僕を見上げる。
いつもだったら、浮かんでいるいやらしいこいしちゃんの瞳じゃない。

「うん、やっぱり確信した。
いつもだったら、もっと攻めてくるし……
その、もう我慢なんかしててもできなくなってる。
それなのに、今日は舐める舌も震えてるよ」

片手で支えられるだろうと、ぐいっとこいしちゃんの舌を指で掴む。
そのまま、くにくにと舌を揉むように指を動かす。

「んぅっ、んは」
「答える?」
「んぅうん!」

意地でも、ぶんぶんっと首を振るこいしちゃん。
久しぶりに会えたと思ったらコレか……

「んゃ、かふ」

舌を持って、弄くりながらすこし考え事をしていたからか、手首の辺りまでこいしちゃんの唾液が伝っていた。
こいしちゃんの目にもすこし涙が溜まってきている。

「あ、ごめんね」

急いで手を離す。

「んぅっ、はっ、くちゅ」
「ぇ、ちょっ!」

その瞬間、こいしちゃんが飛びついてきた。
しかも、今度ははなさないようにかしっかりと口の中に入れている。

「んちゅっ、ぢゅぢゅ」
「んぁあ、ちょ」

こいしちゃんが吸い付いてくる。
若干の痛さも伴う攻め。
その中でも舌が、労わるように舐めてくるので、完全な痛みにはならない。
むしろ、徐々に痛みさえも心地よくなってくる。
たえなきゃ、たえないとだめと思うほど、それは自分の限界を表してしまう。
『プシャッ、ジュブブブ』

「んぅうっ!
ちゅぱ、こくっ、ごくっん」

わざとらしく音をたてながらも、僕のものを飲み干す。
あぁ、またやってしまった。
今日は絶対我慢するって決めてたのに……

「へへっ、お兄ちゃんの種子だ。
ふふふ、ははっ、あはは」
「こ、こいしちゃん?」

ぼろぼろと泣き出すこいしちゃん。
いきなりのことで、どうしたらいいかわからない。

「お兄ちゃんが欲しい、欲しいの」

こいしちゃんは、僕と唇を重ねたまま、自分の中に僕のものをいれていく。
『ジュプッ、グチャッ』
という水音。
だけれど、いつもしているからこそわかる。
いつもよりも抵抗感が強い。

「んぁっ、はっ」

話を聞こうにも、こいしちゃんの舌は僕の口の中。
舌が離れたと思ったら、切羽詰った顔。

「ねぇ、お兄ちゃんのにはね……
こいしのがぴったりだよね」

『グチャッ、ネチョッ』
こいしちゃんが腰を動かしていく。
それに合わせて、動きそうになる自分を自制しながら

「ぅあっ、ん……
どうっ、したの?」
「えへっ、ひゃはっ♪
ぁんっ、あはっ……
ねぇ、こいしの中いいよね?」

こいしちゃんが心配でたまらないのに、身体はいやというほど反応してしまう。
ぎゅっとこいしちゃんのものが締め付けてくる。
だって、色々と溜まってるし、何よりも大好きなこいしちゃんであることには変わらないから。

「ほらっ、カリッてお兄ちゃんのがきちゃうの♪
ねぇ、ねえっ!
お兄ちゃんもこいしのこともとめて。
こいしだけがいればいいんだって思って!?」
「じゃっ、ぁ……ぅくっ。
笑ってよ!」

こんなことを言いながらも身体は反応して射精をしてしまう。
だけど、まるで『オナニー』みたいでむなしい。

「どんなにきもちよくたって……
君が笑ってくれないとイヤだよ」
「あはっ、ひゃっは。
笑ってりゅ、笑ってるよ。
らって、だってお兄ちゃんがいればいいもん!」

僕が声を掛けようとしても、こいしちゃんが僕の口を塞ぐ。
そんなことがずっと続く。
周りの白い花が白く濁っていく。

「こいしがっ、くっ、こいしが」

じゅぷりと音をたて、こいしちゃんが引き抜く。
意識が朦朧としていく、また暗いそこへと沈んで言ってしまいそうな感覚。
こいしちゃんが意識できない。

「ちがうっ!?」

さとりさんから、もらったナイフで自分の腕を切る。
痛みで意識がはっきりする。
そして、遠くに行きそうなこいしちゃんもきちんと見えて、抱きしめる。

「はなしてっ。
僕にきちんと話して、こいしちゃん。
僕は、もうきみを逃がさないよ」
「ねぇ、一で終わっちゃ……だめっ、なの?」

何を言ってるんだろう?
だめだ、出血のし過ぎで意識がくらくらしてきた。

「よくっ、わからないけど……
僕は、こいしちゃんが傍にいなきゃダメだよ」
「わたっ、私もお兄ちゃんがいればいい」
「じゃあ、両想いじゃないか?
逃げないでよ」
「                 」

何かをこいしちゃんが言っている。
だけれど、何を言っているか聞き取れない。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
感想脱字誤字アドバイスいただければありがたいです。

シリアス突入しちゃいました。
おかしい、ここからはただイチャイチャするだけの予定だったのに……
下もあるんで、待っていただけると嬉しいです。

おそくなってますけど、きちんと『自己嫌悪』も進めていってます!
ただ、勇儀とさとり視点を同時に進めているんで、時間がかかってるだけです!
リクエストしてくださってるのにすいません!
同時アップはまずそうなんで、時間をおいて、出来るだけ早く二つをアップする予定です。

それではありがとうございました!
また、次回もよろしくお願いします。
arlys
コメント




1.ナッツ削除
これはシリアスな予感が…
イチャイチャを見てニヤついていたらシリアスに突入…続きが気になる
だが最後は幸せになると信じてるぜ
2.名前が無い程度の能力削除
誤字訂正

「出欠」のし過ぎで → 出血?
3.名前が無い程度の能力削除
 二人はどうなってしまうのでしょうか? 続きが気になります!!
4.名前が無い程度の能力削除
おかしい、イチャイチャが読めるはずだったのに……w
こいしの痛々しい笑いが、なんか良いなあとか思っちゃった
多分貴方の、暗めの前の作品を読んだことによる負の伝播が原因w
人をからかったり、ウインクしてたり、満面の笑みで「大好き!」って言ってるようなこいしが好きなはずだったのに……責任取ってよね!

魔理沙は、頭を撫でたい可愛さが
団子でもあんみつでも買ってあげるから、こっちおいで
5.arlys削除
コメントありがとうございます!
返信させてもらいます。
ナッツ様
シリアス大好き人間なんで、つい……
きっと、この二人なら幸せになるさ!
私も……信じてます。
2.様
まさかの最後で誤字……
指摘ありがとうございました!
3.様
どうなるんでしょうかね~?
続きはいつになるでしょうか……
4.様
私自身もイチャイチャを書くはずだったのに……w
おかしいな、私もそんなこいしちゃんが大好きだったのに……
いつのまにか、こんなにも苦しめてる。
好きな子はイジメたくなるってやつですね。
責任は取らない、ただ自分の駄作を垂れ流し続ける!
魔理沙はかわいいですよね。
ただ、この作品の魔理沙は霖之助のもの……
まあ、おごってあげるといったらついてきてはくれそうですけど(笑い)