真・東方夜伽話

しあわせの形ってなに?(再投稿)

2010/07/13 02:03:15
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しあわせの形ってなに?(再投稿)

arlys
私は、空が好きになってしまったのかもしれない。
あの子のまっすぐな心を見ているだけで、笑顔になれた。
空だけは、いつも私を考えてくれていた。
異変だって、私のためだった。
素直に好意を伝えてくれる空はまぶしすぎるくらいだけど……

「さとり様、好きです」

それが、嬉しい。
何よりも嬉しい。

「私も好きですよ」

時々、じゅくりじゅくりと心の中、『切りたい』『血を見たい』という欲が出てくるけれど、昔みたいにそれに流されない。
それで気づいて、傷つく人がいるってわかっらから。
『キス……したいなぁ』
空の心が流れ込んでくる。
困った顔をした空。
どうして、そんな顔をするの?
したいのなら、してもいいのよ。
だって、私はあなたが好きだから……
『また、傷つけたらどうしよう』
あぁ、私のことを心配してくれていたんだ。
私もキスがしたいって伝えようかしら。
ううん、それよりも今までの気持ちを込めてキスで返そう。
少し緊張でじとっと汗がにじんできた手を握って、キスをしようとしたとき


『みんな、お姉ちゃんのことが大好きなんだよ』
つかれきった顔でも、私を気遣って投げかけられる言葉。
嫌われていると、捨てられたと思っていたはずなのに……
彼女は確かに私のことを見てくれていた。
『はい、お姉ちゃん!』
土がついたたんぽぽ。
私が好きなものを覚えてくれていた。
それからも、たくさんお土産を持ってきてくれた。
空にいえないこともあった。
それの相談に乗ってくれた。
暗い思考をどこかに飛ばしてくれた。
こうやって、素直に空の好意に向き合えたのもこいしのおかげだ……

私に純潔を捧げて、妹としてだけではなく、私と向き合って目覚めさせてくれたのは誰?

誰よりも、あの時みんなと向き合うことができていなかった私を知っていた。
私のためと人型になって、自分しか出来ないことを探して実行してくれた。
いつでも、道化師のように演じていたあの子。
私を本当の笑顔にしようと笑ってた。
『さとり様が痛いと、私も痛いです』
私が自身で傷つけているのを見て、涙をためていた。
毎日毎日料理をしてくれた。
味を感じれなくても食べていたのはそこから愛を感じ取りたいというのは私のエゴだった。
『さとり様の一番になりたい』
彼女だって、私を求めてくれていた。
ただ、それを行動で示してくれないからと目を逸らしていたのは誰だ?

誰よりも私の身体を気遣ってくれたのは誰?


「こいし……燐」

今、一緒にいるのは空なのに……
あの二人のことで頭がいっぱいになる。
私はまた逃げているんじゃないのか?
分かりやすい形で愛を注いでくれた空に恋をして……
私に愛を注いでくれているあの二人を捨てている。
ひとりがこわいといいながらも、二人に逃げ込んで……
それで、本当に正しい、意味があるの?

「さとり様?」

不思議そうに黒曜石の瞳が私を覗き込む。
この子は私が好き、私もこの子が好き。
恋をした私の閉塞的幸せな結論。
だけど、あの二人がいない結論に意味はない。
どうして、もっと早く気づけなかったの。

「ごめ、ごめん、空」

空にすがりつく。
涙が溢れ出す。
卑怯者だ、ずるい私……

「あなたのこと、好き」
「さとり……様?」

涙ながらの告白に戸惑いばかりが伝わってくる。
だけど、それでも、私は

「だけど、あなただけ見てたらだめ、だめなんです。
きちんと、あの二人とも向き合わないと」

ぎゅうっと細められる瞳。
きゅうっと一文字になる口。
ごくりと唾を飲み込む音と同時に

「さとり様……
あなたが幸せなら、それでいいです」

縋りつく私を優しく包み込む温度。
複雑な思いを抱えながらも、空は私の幸せを願ってくれている。
どうして、どうして、過去の私はあんな疑心暗鬼になってしまったんだろう?
こんなにも私を想ってくれているのに……
だけど、疑心暗鬼の私が引き起こしたことは、現在の私が終わらせないとダメ。

「ごめんね、空……
ワガママだけど、二人と向かい合えたらね。
私とキスして」
「はい、待ってます」

ぎゅっと空の手を握る。
それだけで勇気がわいてきた。
世界は、心はきっと……
私が考えているよりも単純で変わりやすい。
だから、だから、今度は私がみんなと向き合うときだ。



「り、燐。
今夜、部屋に来てくれない?」

決意が揺らいでしまう前に、朝起きたら燐に声を掛ける。
掛ける言葉が見付かったわけじゃない。
だけど、それで長引かせたらダメだ。

「わ、わかりました」

『やった♪
やっと、あたいにも構ってくれる。
最近、お空がずっとさとり様の傍にいたからな』
あの子は私の傍に来たかったんだ。
思えば、来て欲しいからと自分で手を伸ばしてこなかった。
やったことなんて、泣き喚いて叫んだだけ。

「もう、逃げません」

決意するように呟く。
そわそわと落ち着かなくて……
『あたいも何かさとり様にして欲しい』
思えば、空にはご飯を作ったのに、燐には作ってない。
だけど、ご飯は作ってるときかなりの目分量だった。
それはかなりひどく味がしなかったみたいだからな。

「あ、そうだ!」

本棚を探す。
一番上、あまり読まない本を入れた場所に目的の本を見つける。
ほこりが落ちてきて、げほっこほっと咳が出てくる。

「よし、やりますか!」

エプロンを身につけて、台所に立つ。
あのこのため、燐のため……
いつもしてくれているように想いを込めて、作っていく。


「し、失礼します」

ご飯も食べ終わって、お風呂に入り終わった燐がやってくる。
がちがちと緊張しきった姿。

「気軽に座ってください」
「は、はい」

『久しぶりだ、久しぶりだ。
二人っきりだ、二人っきりなんだ』
私といれることを喜ぶ心。

「これ、あなたのために作ったんです」
「ぇ、あ、これ」
「ふふ、覚えてますか?」

昔、猫たちのために作ったお魚型のクッキー。
もちろん、あの時はお腹を壊さない様など材料にはもう少し気を使ってましたけど。
今の地霊殿に残っている中で食べたことがあるのは燐だけ。
他の猫達はここからいなくなってしまった。

「もちろんです!」

『さとり様があたいのためだけに?
嬉しい、嬉しい。
だけど、どうしてだろ。
最近、空のことで頭がいっぱいだったはずなのに』
周りから見ても、やっぱり分かりやすいほど、そんなにも頭いっぱいだったんですね。
こんな都合のいい事を言って怒られないだろうか。

「えぇ、空のことで頭いっぱいでした。
だけど、燐。
もう、私逃げません。
私に好意を向けてくれているあなたから、決して」

『え、ぇ、どういうこと?
それって、さとり様があたいだけのものになってくれる。
あたいだけを見てくれるの?
さとり様の一番になれるってことであってる?』
燐の思考がいっぱいであふれ出しそうになってる。
ぎゅっと燐の手を握る。

「だけど、ごめんなさい。
それは、燐だけを見るってことじゃないの。
燐、こいし、空とも向き合いたい」

多くを望むものは全てを失う。
二兎を追うもの一兎も得ず。
だけど、これだけは二兎、ううん三兎追わないといけない。

「だって、私は……
みんなのことが好きだもの」

『なに、それ……
それって、都合のいい逃げの言葉?
一番すきなのはお空とでもいうの?
あたいは一番になれないんだと……
だけど、好きだから我慢しろってこと』
当たり前の直球な不満。
私の気持ちをきちんと伝えないと……
頑なになっていた私の心に踏み入ってくれたこの子達に答えないと……

「そうじゃない、燐。
私、空に恋情を募らせてる。
直球に好意をぶつけてくれる空だけを見て、恋すれば傷つかずにすむから……
だけどね、思ったの。
私は、最低だけれど、どうしようもないくらい……
あなたたちに依存してる」

本当に身勝手なことだ。
空を選んでいるのに、燐にもこいしにも離れられるのが怖いなんて……

「じゃあ、じゃぁっ!?
どうして、構ってくれなかったんですか!」
「こわかったのよ。
あれだけ好意をぶつけられても、その後も行動してくれないと信じられなかったの。
ねえ、燐。
これから、あなたたち三人に恋しようとしてもいい?」

私の今の心の中には、こいしと燐に対しては恋情はない。
燐とこいしにも私に対して恋情はないかもしれない。
だけど、それでもきっと恋が出来る自信がある。
だって、私は二人のことが大好き。
そして、都合がいい私の解釈だけど彼女達も私のこともみんな好きだと思う。
私達みんな、誰一人として欠けてはいけないのだ。

「いやだったら、突き放して」

だけど、それが望まれないこと、私の勘違いならば、振り払って?
もう、そのことで決して自分を傷つけはしない。

「ずる、ずるいですよ。
あたい達、あたい達、全員の気持ちを知っていてっ……
そんなことをいうなんて」
「ごめんなさい。
それでも、私はみんなといる道を選びたい」

ぎりっと燐が唇をかみ締める音。
そして、何かを決意した瞳。
だけれど、なにを決意したかは明確な形で読めてない。

「じゃあ、あたいに催眠術をかけてください」
「ぇ?」

ぎゅうっとお燐が私の手を握る。
まるで、私が逃げないように……
『あたいと向き合ってくれるんですよね?』
ううん、明確な意思で私が逃げれないように燐は力強く私の手を握る。

「このままだと、あたいはきっと……
みんなで『幸せ』なんて望めないんですよ。
それくらい、あたいの心の中は醜いんですよ」

『あなたの一番になれなきゃ意味がない。
あなただけに見て欲しい。
これだけ、これだけは止められない。
どれだけきれいな言葉でデコレーションできたって』
ぶんぶんっと首を横に振る。
それじゃあ、だめだ。
だって、だって、それはね、燐?

「私にっ!
あなたの心を否定しろっていうの?」

催眠術はたしかに療法としても使われる。
だけど、多くの場合は相手の価値観を捻じ曲げるものだ。
そして、あなたがかけてと願うものは後者よ。

「そうじゃなきゃっ!?
あなたを傷つけるっ!
今だって、今だって」

ぎりっと握り締められている手からぼたっと床に血が落ちる。
痛みは感じない。

「ごめんね、燐……
痛みを感じれなくて」

あなたが訴えかけているのに……
それを理解できなくて、分からなくてごめんなさい。
あなたが、私から血が流れたと動揺してるのに、その想いを見ないと動揺できない自分でごめんなさい。

「だけどね、痛みを感じられたとしても。
私はあなたと一緒にいたいわ」

一緒にいるって、つまり傷つけられてもいいってことでいいじゃない。
少なくても、私はそう思えるようになった。

「あなた達と一緒にいられないほうが、こわいわ」
「うぅ、あぁっ、ぅっ!」

燐が私の骨が折れてしまうんじゃないかってくらい私を抱きしめる。
だけど、それを振り払うつもりなんてない。

「わがままでごめんなさい」

そっと燐の頭を抱き寄せる。

「だいしゅ、だいすきなんです。
だ、だけどっ、抑えられない。
誰かのものになってしまうんじゃないかって……
みんながねたましくて、うらやましくて、殺意わいてきて……
お空だって、ねたましい。
ずっと、ずっと一緒にいて仲間意識あるのに。
こいし様だってうらやましい。
だけど、私が暴走しそうなのに一番最初に感づいてくれた」

よかった、本当によかった。
直前でもきちんと気づけてよかった。

「大丈夫ですよ。
誰か一人のものにじゃなくて、みんなで一緒にいましょう」
「は、はぃ。
血迷ったら、殺してください」
「おバカさん。
そのときは、全力で止めてやります。
そうじゃなきゃ、意味がないでしょう?」

くしゃくしゃと髪をかき回してやる。
燐が困ったように笑ってる。

「は、はいぃ」
「もう、泣かないで?」

クッキーを一つ燐の口の前に差し出してみる。
ぱくっと燐が食べて、笑ってくれる。
不器用な食べ物を与えることでしか向き合えなかった自分。

「ありがとうございます。
とっても、おいしいです」
「よかったです」

あまり量を作っていなかったためか、燐はすぐに食べ終わってしまった。
まあ、おいしいならいいんだけどね。

「くあ~ぁ」

眠そうに大きく燐はあくびをする。
なんだか、それを見てたら私も眠たくなったため、ベッドに入って手招きをする。

「今夜は一緒に寝ましょうか?」
「は、はい」
「くすくす、よこしまなことはなしですよ」
「すいません」

二人でベッドに入る。

「ありがと、燐」
「ありがと、さとり様」

まるで、おやすみなさいのように呟いて目を瞑る。



「おはようございます、さとり様」
「おはよう、燐」
「お仕事いってきますね」
「えぇ、行ってらっしゃい」

すでに服を着替え終わってる燐に手を振る。
私もゆっくりのろのろと着替え始める。

「お姉ちゃん、浮気ですか~?」
「こ、こいしぃっ!?」

いや、話さないといけないとは思ってましたが、こんなにも早く……

「お、お話がありますっ!」
「まず、脱ぎかけの服をどうにかしてくださいね~」
「そ、そうですね」

急いで服を着替える。
ベッドの隣をぽんぽんっと叩く。
こいしがそこにぽすっと座る。
何を話そう、何を話そうと頭の中でぐるぐるっと回って何も話せずにいると

「で、どうしたの?」

こいしが私が話しやすいように話しかけてくれた。
やっぱり、こいしはわかってくれてるな。

「だ、大事なお話なんです」
「くすくす、わかってるよ」

な、なんで知ってるんでしょうか?
ひょっとして昨日のお話全部聞いてたんでしょうか?

「ほら、お姉ちゃんからちゃんと言って?」

こいしの手が一瞬私のほうに伸びてきたのに、おろされた。
どうしたのだろうと、覗き込んでみると

「こいし?」

今にも泣き出しそうな顔があった。
何かを必死に耐えている顔。
私の都合のいい解釈でこの子はやっぱり私が嫌いなんでしょうか?

「どうしたの?」

無意識に笑顔を貼り付けているであろうこいし。
そう思ったら、少し悲しくなってきた。
だけど、それもしょうがないことだ。
それでも、私は動きたいって思ったんでしょ?
こいしは本当に私の気持ちが分からないのに動いたのよ。
私は姉なんだから、負けちゃダメ。

「私、あなたのことが好きよ」

ぼぉっとこいしの小さな口が開けっ放しになって、きょとんと首を傾げられる。
きょろきょろ~と目が色んなところにさまよって、しばらくすると納得いったようにぽんっと手を打って

「うん、私も好き。
大丈夫、お姉ちゃんはちゃんと愛される人だよ。
だから、きちんと踏み出しなさい」
「こい……し?」

なにを言っているの?
今、頑張って踏み出しているのよ。

「お空なら、答えてくれるよ」

心を読めなくたってわかる……
私とこいしの間には目に見えない壁が確かにある。
それは、決してこいしだけが作り出したものじゃない。
私も無意識のうちにその壁作りに入ってたんだ。

「ずっと、相談に乗ってた私が自信持って言ってあげる!」
「ちが、ちがうの、こいし」
「もぅ、今更恥ずかしがらないでよ~。
お姉ちゃんってば、オ・ト・メなんだから~」

掴もうと伸ばしたては掴みきれずに、ふわりとこいしはすでに扉の前。
にっこりと微笑んでいた。

「私、お腹すいたからご飯食べてくる。
それで、お出かけする」
「待ちなさいっ!?」

このままじゃこいしを二度と捕まえられない。
それとも、あなたは私とお話もしたくない?

「くすくす、どうしたの~?
お姉ちゃんの分まで食べちゃわないから安心してよ」

だけど、こいしは止まってくれない。
楽しそうに口笛を吹きながら出て行ってしまう。

「ばか」

そのメロディは二人で昔歌っていたもの。
ううん、こいしが人里で歌っていたのをきいて、一人で歌っていたもの。
私が必死にまねをするように口笛を吹いてた。
『そっか……
私、一人じゃないね。
一人でも、お姉ちゃんがきてくれるね』
ねえ、こいし?
今、この歌を吹くっていうのは……
ベッドから飛び降りて食堂に向かう。
普段でも走ると息が切れるのに、必死にこいしの口笛にあわせながら歌う。
周りのペットたちが不思議そうに私の姿を見てる。

「こいしぃ!?」
「ひゃぅ、ぅわっ!?」

振り返ったこいしは、私が飛びついてくるとは思わなかったのか、そのまま二人して床に倒れてしまう。
ぱちぱちと驚いて何回もまばたきするこいし。
その瞳は、どこか逃げる場所を探しているように見えたから手首を押さえつける。
無意識に囚われてしまわないようにじぃっと自分の瞳をこいしの瞳にあわせる。

「ど、どうしたの?」

朱に染まっていくこいしの顔。
歌の続きを歌う。
最後まで歌い、努めてにこっと笑ってみる。

「ははっ、何やってるの?」

こいしが困ったような呆れたように笑う。
ぎゅうっと手首を押さえつけていた手を前にやって行き、指を絡め合わせる。

「にゃははっ、も~……
お空とやる前にリハーサルしたいならちゃんと言ってよ」
「こいし、私のお話を聞いて?」

はぁっと大きくこいしの口から溜息が漏れて

「わかったよ」

こいしも私の目を見てくれる。

「私ね、あなたのことが好き」
「さっき、聞いた」
「そうね、こいし。
ねえ、あのときみたいに一緒には歌えないかしら?」
「なんのこと?」
「お願い、逃げないで?」

さっき口笛を吹いていたのは、一緒にいたいという意思表示というのは都合いい?
だけどね、こいし。

「一人でも、あなたがいれば二人だった。
もう、私達二人とも一人じゃないけれど……
姉妹が一緒にいちゃいけない理由なんかこの世に存在しないわ。
ねえ、だめ?」
「あ~ぅ~」

こいしの口がもごもごと動いてる。
そんなに困らせるよなこと言ったかしら?

「お姉ちゃん、お空のこと好きなのよね?」
「えぇ、好きよ」
「じゃあ、だめだよ。
こんな、その、こんなことしたら」
「でもね、こいしのことも燐のことも好きよ。
みんなと一緒にいたいの」
「はぁ、お空とお燐に怒られても知らないよ」
「二人とも、賛同してくれたわよ」

こいしはははっと大笑いして

「みんな、どんだけお姉ちゃん好きなのよ」
「こいしは、こんな強欲なお姉ちゃん嫌いですか?」
「残念なことに、嫌いになれないわ」

首を伸ばしたこいしが先ほどのお返しとばかりに私の頬にキスをする。

「大好きよ、お姉ちゃん」
「「さとり様~?」」

こいしと絡めている指を解いて、立ち上がって二人の姿を見ようとしたら

「きゃぅっ」

こいしがぎゅっと握っているので、立ち上がれずこいしのほうに転んでしまう。

「みんなお姉ちゃん大好きってことで……
今日のお仕事はお休みして、お話っていうのはどうですか~?」

これって、暗に私に聞いてるのよね?
まあ、たまには悪くはないかな。
一日くらいなら他のペットたちでどうにかなるでしょ。

「まあ、たまにはいいかしらね。
そうでしょ、燐、空」
「「はいっ!」」

こいしが私の指を解く。
そして、とんっと私を空のほうに押す。

「ど~せ、まだキスも何もしてないんでしょ?」

バカにするような口調ですが、本当なので否定できません。

「うん、さとり様しよう!」

『いいな、いいな。
うらやましいな』
燐の思考が流れ込んでくる。
みんな、一緒なのにここで空を優遇しすぎてしまうのはな~……

「そうだ、空と燐が同時にキスすればいいのよ。
うん、これで全て解決」

不思議そうに首をかしげる二人。

「えっと、だから半分を空が半分を燐がキスしちゃえば」
「う~ん、さとり様がそうしたいならそれでいいよ」
「そ、それでいいんですか?」
「当たり前でしょ?
あ、こいしは後でね」
「じゃあ、せぇのっでいこうか、お燐」
「もう、それでいいか~」

ふぅっと息を吸い込む音が聞こえて

「「せぇのっ」」

ちゅっと二つ分の唇が私の唇に来る。
初めてのキスがこんな形になる(自分で提案したんだけど)とはおもわなかったから、かなり心臓はバクバク。
同じ唇のはずなのに、違う感触。
離れた後も相変わらず心臓はドクドクとなってる。
頭がくらくらしちゃうけど、ここで動揺しすぎてフリーズしちゃだめだ。

「えぃっ!」

ジャンプするようにこいしに飛びついてキスをする。

「私に初めてするのが二人で、私が自分から初めてするのがこいしね」

ぎゅっと三人を抱きしめる。
三人もぎゅっと抱きしめ返してくれる。

「じゃあ、ベッドですね!」

きらきらとした空の瞳に声。
え、まさかの今から?
『さとり様がいいならしたいな~……
はぁはぁ、さとり様の髪の匂い』
燐の思考がちょっと怖いのはおいといて……
だめだ、こいしの目を見ても期待してるとしか思えない。

「も、もぅ、お部屋で、うわっと」

三人に同時に抱えられる。
なんでしょうね、この抜群のコンビネーション。

「やさしくしますね、さとり様」
「かわいい声たっぷり聞かせてくださいね♪」
「寝かせてあげないよ」

三者三様の声に思わず笑ってしまう。
どうやら、やさしく乱されて今日は眠れないみたい。

「あははっ、頑張って答えるわね。
自分で歩くからおろしてもいいわよ」

むしろ、おろしてほしい。
だけど、おろしてくれずそのまま私の部屋のほうへ……
抵抗したってしょうがないし、これでいっか。

「は~い、到着」

ぽすっとベッドにおろされる。
三人ともがベッドに乗ってくる。
合計四人分でベッドが少し悲鳴を上げてるけど気にしたら負けよね。

「で、どうするの?」

私、普通のなら、あの、ちょっとは知識あるけど……
一回で四人ってどうやって?
だけどわかれてやったら意味がないしな。

「じゃあ、みんなでさわりっこはどうですか~?」
「さわりっこ?」

空が得意げに言う。
『みんなで仲良くだから、間違ってないよね』

「簡単にやっちゃえば、えいっ!」
「うおぅっ」

急に触られたこいしが女の子とは思えない声を出した。
こいしは空ににやりと笑いかけて

「じゃあ、私もえいっ!」

燐の胸に飛びついていく。
燐が私の腕を掴んで、こいしと燐の間に引き寄せられる。
なんだか、みんなとっても近くて、嬉しくて恥ずかしい。

「私も、ぎゅうう~!」

空が私達三人の上を包み込むように抱きつく。
『プチッ』
や、やっぱりそんなただ抱き合うだけでは終わりませんよね~。
着々と二人が私の服を脱がしていっていた。
私だけが脱がされるなんて、少しいやだから、目の前にいるこいしの服を脱がしていく。
空に目配せで燐の服を脱がしてって心の中で言ってみると、空が本当に燐の服を脱がしてくれていってる。
本当は聞こえてるわけないんだけれど、通じてる気がして嬉しい。

「んぅっ」

燐かこいしが下着だけになった私の胸にそっと触れる。
自分から漏れ出た声がなんか自分じゃないみたい。
ようやくこいしのボタンを全て外し終える。
よし、上着はいでやる!

「んんぅっ、ふ」

ぷくっと頬を膨らました空に上を向かされて、唇にキスをされる。
予想もしてなかったことに、すぐに酸素が足りなくなってしまう。
だけど、空は止まってくれなくて、舌まで入ってきちゃう。
空は私よりも大きい分、舌も大きいから絡めとられてしまう。
溜まっていく二人分の唾液を逃がす場所もないから飲み込む。
それだけで頭はいっぱいいっぱいになってしまうのに

「ちょ、ぁ、こい、りん」

こいしと燐が色んなところ舐めてくる。
首筋なんてペットの時だって舐められたことあるのに、くすぐったいじゃなくて身体が火照ってしまう。

「ふぁっ、んぅ」

自分の甘いと息だけが部屋に満ちる。
必死に手を動かす。
むにゅっと何か柔らかいものに当たる。
目は涙でかすんで見えない。

「「ぷはっ」」

ようやく空が口を解放してくれる。
また、漏れでそうになった声を誤魔化すようにぎゅっと唇を噛む。

「だぁ~めっ!」

こいしに唇に何かを塗られる。
透明な液体だけれど、何かしら?
そっと正体を探るようにこいしを見ると

「ふふっ、今度唇噛んだら……
妹の愛液飲んじゃうことになっちゃうよ」

生まれたままの姿のこいしがいた。
そういう行為をしているとわかっているのに、思わず目を逸らしてしまう。
よく見たら燐も全部脱いでた。

「べ、別に構いませんよ」

だって、好きですし……
べろっと舌を出して唇を舐める。
しょっぱいようななんか不思議な味。

「うっわ~、な、なめちゃった」
「塗った本人が言わないでください。
それに、こいしのだからいいん……」

最後まで言い切る前にすごい刺激におどろいて、思いっきり自分の舌を噛んでしまう。

「やっ、ちょ、そんなとこ」
「ん、だってさとり様のですから」

スカートの中で燐がしゃべってる。
そして、燐が舐めてる場所はいつもは下着で隠されてる場所を間近で見られてるって思うと余計に恥ずかしい。

「あぁっ!
燐だけなんてずるい!」
「こいしも、お姉ちゃんのスカートの中もぐる~」
「ぇ、ちょ、待って」

二人も入ったら、さすがにスカートもやばいような……
これでも、愛着があるスカートだから、ホックを外して脱ぐ。
ベッドの上に置いたらひどいことになるのは目に見えていたから、近くに落とす。
『明るい光の下にしたら、さとり様のやつキラキラしててきれい~』
『おいしそう、おいしそう。
それにきれいだし、さとり様のやつに早くかぷっといきたい』
脱ぐべきじゃなかったかしら。

「うっわ~、お姉ちゃんのコレってこんなんなんだね~。
なんか、毛は薄めで、やっぱり髪の色と同じなんだ。
お豆さんは私よりも大きいかな?」
「そ、そんな細かく言わないで」

ふっと息をふきかけられる。

「ひぁっ」

ただそれだけのことなのに情けない声が漏れる。
三人の目がきらりと光って見えた。

「ちょっ、ぁあんっ、らめ」

三人が一斉に舐めだす。
だけど、誰が誰だがなんとなくわかる。
そうっと周りを撫でるように優しく舐めているのが舌が他の二つと違って小さめだからこいし。
太ももの近くなどを淫らなテクニックを使いながらなめているのがざらっとしているから燐。
い、一番中心部の陰核を少し強引に激しくなめているのが舌が大きい空。
三者三様の責め方にぐっと両手で口を塞いでも声がかすかにもれ出てしまう。

「はゅっ、ぁあっん!」

燐とこいしに手をはがされてしまう。
声を軽減させてしまうものがなくなってしまう。
ぎゅっと手首を握られてるから、行き場のないてはシーツを握り締めるしかない。
がくがくと震えちゃって、閉めることもできなくなった口から、唾液がたれる。
わかってるんだけど、拭う余裕なんかもうない。

「や、さ、しゃんにんと……
ぁあんっ、はっ」

ちゃんと三人を見たいのに、見れない。
頭が真っ白でハイになってく感じ。

「ああぁんっ、はっ、は」

私の甲高い声だけが響く。
ぅう、一人でイっちゃった。
だって、三人とも気持ちよくしてくるし……

「へへっ、きもちよかったですか~?」
「かわいかったよ、お姉ちゃん♪」
「かわいすぎですよ、さとり様」

嬉しいですけど、だめです!

「私も、三人にしたいです」

口に出さなかったら、このまま三人にずっとやってもらってばかりになりそう。

「「「え、同時にですか?」」」
「やってみせますとも!」

ノリで答えたけれど、三人同時ってどうやって?
え、えっととりあえず舌と指でしょ~……
足しか自由に動かせる場所残ってないですね。

「えっと~、舌と指と足……
三人はどこがいいですか?」
「足」「舌」「指」

三人きれいに分かれてくれました。

「じゃ、じゃあ、足って言ったこいしが寝そべってください。
その上に三人乗っかりますけど……
こいし、大丈夫ですか?」
「まあ、いいよ~」

ころんとこいしが寝そべる。

「それで、前が舌って言った空で、指の燐が後ろで」
「「は~い」」

さて、頑張って考えましたけどうまくいきますかね?

「じゃ、じゃあ、いきますね?」
「そんな意気込まなくてもいいんじゃないですか」

空がくすくすと笑う。
だ、だって、さっき自分が気持ちよくしてもらったから私もしたい。

「えっと、こいし。
痛かったら、やめるからね?」

そっと自分の右ひざをこいしのところにいれていく。
ぐちゅっと湿ってる感触。

「あははっ、お姉ちゃんがかわいかったから~」

こいしが恥ずかしそうに言う。
幼い花弁がこちらをいざなってるように思える。
少し膝を動かしてみる。

「んぅっ、ぁ、おねえちゃっ」

苦しそうな声じゃなかったからほっとした。

「じゃ、じゃあ、いくわね?」

目の前にある空の胸にそっとかぶりつく。
指は後ろにいる燐の胸にまわす。

「んぅっ、ちゅ、くちゅ」
「あぁっ、んぅ……
シャ、さとり様が、私のを」

幼いころみたいだなって思いながら、胸にすいつく。
ちゅうっと跡がついちゃうくらい強めに。
指は痛くならないように気をつけながら優しく優しく生地をこねるように動かしていく。
それにしても、燐にしても空にしても胸でかいし、ふにふにしてて気持ちいい。
ちょっと、うらやましいかも。
懸命に自分の身体を動かす。
ところどころ自分のも当たっちゃって気持ちよくなっちゃうけど。
こいしと空は気持ちよさそうにしてくれてる。
だけど、燐がなんか微妙な感じ?

「ぇっ、ぁあん」

だから、胸から尻尾の付け根のほうに手を回してみると声が気持ちよさそうなものに変わった。
あ、こっちのほうがいいんだ。
しっぽもぎゅっと握ったらいたいのはわかっているから、そっとなでてみると、びぃんって逆立ってた。

「ふふっ、好きよ」

自然とそんな声が漏れた。
誰か特定に言ったのではなく、全員に対して自然と言葉が漏れた。

「「「私も好きですよ」」」

三人から同じ言葉が帰ってくるのが幸せ。
もっと、もっと気持ちよくなって欲しい。
だから、燐のしっぽに向けていた指をすすっと滑らして秘所のほうにすべらして動かしていく。
口に含んでいただけのものをそろそろかな?って少し甘噛みもいれていく。
膝をさらに食い込ませていく。
だけど、強引になりすぎないように、色々角度を変えたりしながらしてみる。
三人分の淫らな香りで私のほうもよくわからなくなっていってしまう。

「んぅっ、あ、さ、さとりさまぁ」
「あぁっ、ん、おねえちゃ、も、もっとぉ」
「く、口の中で転がしちゃだ、だめですぅ」

三人の声が嬉しくて、私の体がもっともっとって動いてく。
もっと、淫らに乱れさせたい、もっともっと一緒になりたい。
どんどん、三人が限界になっていくのが分かる。
でも、まだ絶頂までいってない。
だから、イかせたいから、奉仕していく。
そうしたら、声ももっと甲高くなっていって

「あああぁっ、んぁ」
「うぁあっん」
「ひゃああぁっ」

三者三様少しずつ声が違ったりしながらも、イったことがわかった。
やったぁって思ったら

「へっ、や、う、空ぉっ!」
「えへへ、ごめんなさい」

まだまだ熱がこもった瞳で空が私を引き寄せて
『グチュ』
ぬれたもの同士が引っ付いたときの音が響く。

「もっと、もっと、さとり様欲しい」
「あああぁっ、、んあっ、なぅ」

空と私の秘所が重なり合っちゃって、こすれてぐちゅぐちゅになっちゃう。

「やっ、ぁうっ、空」
「ははっ、さとり様も欲しいんですね」

自然と腰を動かしてる自分がいた。
淫らで浅はかなように思えたけど、もっと欲しいからこくっと頷いてしまう。
空が嬉しそうに笑って

「は、はげしっ、ぁ」
「さ、さとりさまぁっ!
き、きもちよすぎて」

もう、何もわかんない。

「あああぁっ、」
「はぁあっ、んぁ」

私がさきに果てちゃってその後に空がイっちゃうのがわかった。
わ、私って感じやすいのかしら?
ぼ~とする頭で考えながら、じぃっと見てる二人に対して

「こいしも、燐もしましょう?」

出来るだけ頑張って笑みを作ってみる。
多分、一番身体も真っ赤で汗だらけで、息も荒い私が言ってるから、おかしいだろうけど。

「夜は始まったばかりでしょ?」

二人がぷっと吹き出して笑ってる。

「そうですね」
「ふふっ、本当に寝かしてあげないよ」

ぎゅうっと二人に引き寄せられる。
空にもぎゅっと抱きしめられる。


これが求めてた形なんだな。
やっぱり、みんないなくちゃだめ。
みんな大好き。
たとえ、どれだけに否定されたって反対されたって関係ない。
これが閉塞的な私が求めたしあわせの形。
もうしわけございません!
先ほどコメント返信で大きな間違いをしてしまってので、削除をさせてもらいました。
二度とこのようなことがないように気をつけます。
本当にもうしわけございません。

下にコメントしてくださったかたのものを貼り付けますが消して欲しかったらいってください。

1. 最古符「霊夢」 ■2010/07/09 03:00:10
おおっ…!ついに来ましたか続編!
輪姦以外の多人数プレイというのもなかなか…ッ!

次回も楽しみに待ってます
さとり様覚醒(いろんな意味で)に期待!
2. クルセイダー ■2010/07/09 09:33:57
この展開を望んでた!
これでシリーズ化できませんか?勿論今度は生えてくれないかな?
3. 点 名前が無い程度の能力 ■2010/07/10 07:33:33
わぁい、この燐は良い子だぁ(´ω`)
4Pの際口と片手ずつでいくかと思ったのに足使うとは予想外

燐の配置の『後ろ』ってのは空の後ろだとは思うのですがさとりの後ろとも取れちゃうのでちょっと混乱しちゃいました
けど足まで使える器用なさとりなら後ろ手でも大丈夫な気がしてきたw
4. JENO ■2010/07/11 22:14:29
さとりさま器用すぎるwww

輪姦以外の多人数っていうのもいいですね


コメントしてくださってありがとうございました。
もう間違いが怖いので長々書くのはやめさせてもらいます。

迷惑をかけてしまったので、削除通告あれば消します。
それがくるまで残させてもらいます。
すいませんでした。
arlys
コメント




1.クルセイダー削除
そんなに自分を卑下するな
貴方の作品はストーリー性がなかなか良い作品なんだから、失敗の1つや2つで落ち込まずとも、消さなくともよいはずです。