真・東方夜伽話

ふたなり蓮子とふたなりメリー

2010/05/02 04:28:44
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ふたなり蓮子とふたなりメリー

野田文七

 車窓から暖かい春風が吹きこむ。蓮子はその中に甘い花の匂いを嗅ぎ取り、気分が良かった。線路わきのツツジは、赤や白、それぞれの色が競い合うように媚態を振りまいている。ツツジが終わると、菜の花の黄色い列が続いた。
「花が綺麗なのは、虫を引き寄せて花粉を取ってもらって、他の花と生殖行為をするのが目的だから、人間を魅惑しても仕方ないのにね」
「何が言いたいの? 蓮子」
 向かいに座ったメリーの視線は、さっきまで地面ではなく空にあった。蓮子に話しかけられ、視線を戻しながら尋ねる。
「ん、綺麗ね、ってこと」
「そうね」
 メリーがほほえむ。さらに続けて、あんたも綺麗ね、と言いたいのを蓮子は我慢した。
 ひとは、甘さにも慣れる。そういう言葉はたまに出すからいい。
 せっかくの連休だったので奮発して、個室の四人がけボックス席を予約した。決めたのは蓮子だ。昔の外国映画に出てきそうな木製風の内装が、彼女のノスタルジックな琴線に触れた。そもそもこんな個室席など乗ったこともないので、懐かしさも何もあったものではないが、気にしないことにした。どこか懐かしい、という雰囲気で偽装することもまた、立派な娯楽だ。
 駅から、日常から遠ざかって、三十分ほどが過ぎている。特急列車は、その名に反するかのようにのんびりと、暖かい春の午前を走っていた。
 蓮子は改めてメリーを眺める。羽織ってきた白のカーディガンは、今は暑いからというので隣の席に畳んでおいてある。上は、いつもの薄い紺色を基調としたブラウスだが、最近気温が高いのに合わせて、今日は半袖になっている。袖からのびた腕は白い。一見、ほっそりとしているが、その皮の下に詰まった肉は驚くほど柔らかく豊かであるのを、蓮子は知っている。見るだけで香りが漂ってくるかのようだ。メリーは肘を軽く曲げて、膝の上でコンパクト時刻表を広げている。その肘の曲がり方も、よくよく見ると美しい角度をしていた。スカートもブラウスの色と合わせている。ただ、普段よりも幾分色合いが淡い。それに生地が薄いらしく、太腿や膝の線が目で追いやすくなっている。うつむいて時刻表を眺めながらニコニコしているメリーは、ひとによっては気持ち悪いと映るかもしれないが、少なくとも楽しそうなのは間違いなかった。
「あら」
 ふと、メリーは顔を上げ、口を半ば開けたまま、窓の外を見た。メリーの目線は進行方向にあるから、その目線の先に何があるのか、もし蓮子が確認しようとするなら、身を乗り出し、振り向く必要がある。しかしそうするより先に、メリーの視線がするすると窓に沿って流れていく。蓮子の視界にも窓を流れるそれが移った。
「ひまわり、早いわね」
 思わず呟く。菜の花の海に、ぽつんと頭ひとつ抜き出た花があった。太く長い茎。中央の茶色い頭を包み込むように、周囲に広がる明るい黄色の花弁。紛れもなくひまわりだった。
「せっかちねえ、まだ春だというのに」
 メリーは笑う。
 そのとき、ドアに何かが当たる音がした。蓮子は立ち上がって、個室の横開きのドアを開ける。廊下に顔を出して左右を見渡す。遠くの方で、子連れの乗客が部屋から出てきたが、さしあたって近くには誰もいない。壁に、傘が立てかけてあった。わずかにピンクがかった、軽い傘だ。腰をかがめて傘を手に取る。
「えっ」
 違和感に気づく。そのまま傘を取って、室内に戻った。
「あら蓮子、その日傘、どこで盗ってきたの」
「落ちてたのよ。廊下の壁に立てかけてあったわ。近くには誰もいなかった」
「じゃあ誰が置いたの」
「さあね。それよりメリー、これが日傘だって、どうしてわかったの」
 そう言いながら、蓮子は傘を開く。開いてみると、確かに薄い。これではとても雨に対抗できるとは思えない。
「それだけ綺麗なら、開かなくたってわかるわ」
「綺麗な雨傘も、あるでしょうに」
「そんなんじゃないわ。デザイン以前の問題よ、なんだか頼りないの。日傘って」
「ま、あんたがそういうのならそうでしょうね」
 日傘を閉じ、扉の脇に立てかける。席に座って、窓の外を眺める。花のサービスは終わったらしく、水平線と、海岸に広がる工場群が見える。実際に近くで見たら相当な迫力だろうが、こうして生温かい海の手前に置かれると、のんびりと煙を出しているだけの、牧歌的な建物のようだ。のぼりはじめた太陽もまた、エンジン全開には程遠く、たいして暑くもない光を投げかけている。
 足下に、メリーのサンダルが落ちた。もう片方のサンダルも落ちる。裸足になった。その裸足の指先で、蓮子の革靴の先を、催促するようにつつく。蓮子が何もしないでいると、両足で靴を挟み込んだ。
「わかった、わかったわよ」
 そういって、蓮子も両足をもぞもぞと動かして、靴を脱いで、白いソックスを露わにした。メリーはそれを足の裏で挟み込んで、さする。
「もう」
 ちらりと目線をあげてメリーの表情を窺う。メリーは、まだ時刻表を膝の上に広げて、そこに視線を落としていたが、さっきほど熱心に見ているようには思えなかった。かすかな笑みを浮かべている。
 蓮子もまた、ぺたぺたとはりついてくるメリーの足を、自分の足で挟み込む。踵を、足の甲をさする。ソックス越しでは飽き足らなくなってきたのか、メリーの足の指が蓮子の足首の上まで伸び、ソックスの端をつまんだ。手と違って足の指は思う通りに動かない。蓮子も、ソックスの端をめくってやったりして、なんとか足だけでソックスを脱ぐことに成功した。お互い裸足になって触れ合うと、より暖かみが伝わってくる。興奮で汗ばんでくる。蓮子は、指と指で挟み込むように、メリーの指の付け根を刺激する。ぴくん、とメリーの足が震えた。決して広くはない部屋に、次第に今までにはない香りが立ち上ってくる。
 だんだん足先だけでは満足できなくなってきた。さすりあう範囲は、足首からすね、ふくらはぎ、とどんどん広がっていく。蓮子は呼吸が荒くなっていくのを自覚する。膝から下だけの動きが、今では腿まで動かしている。膝が高く上がり、前かがみになる。
「あら」
 メリーは好奇心の入り混じった声を上げた。足先を合わせ、蓮子の足の間に突破点を作ると、かつて預言者が海をそうしたように、そのまま進み、蓮子の足を広げていった。膝からふとももの裏側まで、メリーの足の指がなぞっていく。
「ちょ、ちょっとメリー」
 蓮子はとっさに足を閉じようとしたが、始めから体勢がメリーに有利だった。膝を上げたまま、広げられていく。メリーはそこで、両足を蓮子の膝の上に乗せて、体重をかけた。
(うわ、もうバレてる)
 蓮子は観念した。足を広げたまま、床に足をつく。
 前かがみになって膝を上げていたときにはわからなかった変化が、蓮子の股間に起きていた。
 黒いロングスカートが、そこだけ大きく持ち上がっていた。メリーは蓮子の膝に置いていた足を降ろした。
「もう、せっかちね」
 メリーはそう言ってほほえむ。席から腰をあげて、身を乗り出す。メリーの笑顔と、ペースを握られた羞恥心と、これからの期待がないまぜになって、蓮子の血液の循環を速める。
「いつからなの」
 メリーは床に膝をつく。膝をきちんと揃えて、行儀よく、正座で。そして熱い息をこぼしながら、蓮子のスカートの裾に指をかけた。
「た、多分っ、さっきの……って、わ」
 蓮子がしどろもどろになって応えようとしている間にも、ぐいぐいと裾を降ろそうとする。
「そんな、駄目、こんなところで、ねっ、待ってメ……」
「腰上げて」
 メリーは上目づかいで懇願する。あるいは命令する。蓮子は口を閉じ、腰を浮かせた。するする、とロングスカートは床に沈み、黒い布のかたまりになる。すでに蓮子のペニスは下着から飛び出して、激しく勃起していた。先端は透明な滴で少し湿っていた。
「これもいらないわよね」
 腰を浮かせたままの蓮子から、下着も取ってしまう。そして正座の状態から、膝立ちして、蓮子の股間に顔を寄せる。吐息が、蓮子の敏感な場所をくすぐる。
「ひあっ」
「まだ触ってもないのに……」
 そう呟いて、メリーは唾液のたっぷり乗った舌で、蓮子の肛門からヴァギナ、袋、裏筋、鈴口と一気に舐め上げた。
「あヒッッ……ふぅっ、く……ぁ」
 電撃が走ったように蓮子の体は痙攣し、脱力したように席にもたれかかる。たったひと舐めで、もう腰を浮かせていることもできなくなったようだった。
「だいじょうぶぅ? もう、何も気にしなくていいわよ。ゆっくり、そのままでいてね、蓮子」
 メリーは垂れ落ちる髪の毛をすくいながら、蓮子のペニスに唇を寄せる。亀頭に当たり、唇がぷに、と歪む。それから一気に頭を落とし、奥まで咥えこんだ。
「ふあ……あぁぁぁぁ……」
 蓮子は鼻にかかった声を止めることができなかった。じっとしておいてと言われたにもかかわらず、勝手に腰が動いてしまう。つい何度か、深くメリーの喉奥を突いてしまった。メリーはそのたびにむせたが、口に咥えたモノは決して離さなかった。目尻に涙を浮かべ、口の端から涎を垂らしながらも、懸命にペニスをしゃぶりたてるメリーの姿に、蓮子は胸が切なくなった。彼女の顎の動きに合わせて、腰を激しく前後させる。ずっちゅ、ずっちゅとリズミカルな唾液の音がするたびメリーの唇がめくれ、そこからエラのはった赤い肉棒が出入りする。むせるたびに、メリーの唾液はとろみを増していく。
 蓮子は陶然として、そんなメリーを見下ろしていた。ふと、メリーの動きが止まった。ゆっくりとじらすように、肉棒から口を離す。白く泡立った粘液が、メリーの唇と蓮子の亀頭についている。突然快楽の奉仕をとめられたペニスは、切なげにヒクヒクと蠢いていた。そんな蓮子をあやすように、メリーはそれにそっと顔を寄せ、愛おしそうに頬ずりした。粘度の高い体液が、粘ついた音を立ててメリーの肌を嬲る。それにも構わず、メリーは頬ずりを続ける。
「うふふ、焦っちゃ駄目よ、蓮子。連休はまだまだこれからなんだから」
 今度は、もう片方の頬を寄せる。たっぷりと塗料を浸したペンキで塗られたように、メリーの両頬は白く彩られる。それから、舌で陰嚢を持ち上げ、鼻を裏筋に押しつける。
「あぁ、すごい、蓮子の匂い……獣みたい」
 メリーが鼻から空気を吸い込むと、蓮子のペニスがひやりとする。それが、ますますソレを刺激する。蓮子はさっきから我慢の限界が近づいており、眉根を寄せ、あらぬ方をぼんやりした目で見ている。自動人形のように、休みなく腰をくねらせている。
「ねえ、蓮子」
 ぺろりと陰嚢から鈴口までひと舐めして、手を筒状にしていち往復させ、それから声をかける。たったそれだけの動作で、蓮子は痙攣する。口の端からとろりと唾液がこぼれる。
「どうしたい? ねえ、蓮子のこれ」
 小鳥のようなキスをペニスに浴びせかけ、メリーは尋ねる。
「もうすぐ出そうでしょ。いいよ、出して。蓮子の好きなところにいいわ」
 右手の指をすべてつかい、袋をやさしく揉む。
「ここでつくっている、どろっどろの精液……好きなだけ放出しちゃって。顔にかける? もう、私の顔こんなにべとべとになっているけど、もっとべとべとにする? 膜をはるみたいに。それとも髪でくるんであげようか。ふわふわしてて、気持ちいいと思うわよ。ちょっと洗うの大変だけど。それとも、ここにする?」
 半袖のブラウスのボタンを上からはずしていく。四つまで外し、上からはだけさせる。白いブラにつつまれた豊かな胸が現れた。蓮子の唾を飲む音が、メリーにははっきりと聞こえた気がした。メリーはブラをペニスにひっかけて、上にずらした。そして、その柔らかなふくらみで屹立したものを撫でさすった。溢れ続ける先走り汁が、たちまち両方の乳房をべとつかせる。
「おっぱいの間に出す? こうして」
 左手で蓮子のモノを支え、右手で自分の乳房を持ち上げる。乳首で裏筋をなぞり、鈴口をつついた。
「ヒアッ」
 蓮子が弾かれたように体を震わせ、声を上げる。
「ふふ、私の乳首も、すごく勃起してるの。蓮子のコレ……オチンチンと一緒でね」
 ねっとりと舐めるように、卑猥な言葉を舌に乗せ、メリーはさらに乳首で亀頭の周囲を刺激していく。蓮子はそのたびに電気を流されたように震えた。もう、かすれたような声しか出ないようだ。
「蓮子も気持ちいんだろうけどね、これ、私もすっごい気持ちいの」
 右手を蓮子のシャツの裾に滑り込ませ、そのまま上へあがる。すでに蓮子は下半身は丸裸だ。さらにシャツをたくしあげられ、メリーより小ぶりな乳房が、今にも露わになろうとしている。
「はぁ、そんなっ、メリー」
「いいわ蓮子、すごくいい眺め。んむっ、くぷっ、ちゅる、んぐっ」
 上目づかいで見上げながら、口淫を再開する。さっきより勢いが激しい。剥き出しになった乳房が、メリーが顎を上下するたびに淫靡に揺れる。
「ああ、もう、メリー……! 私、もう、ああああっ、メリー、メリー!
「じゅるっ、ぷはっ。どうしたい? ねえ蓮子、言って、言ってよ。どうしたいの。あなたのこのグチョグチョのオチンポを」
 手で激しくこすりたてる。メリーの目には嗜虐的ともとれる光が宿っている。
「出したいの……私のオチンチンから、精子を、メリーの口の中にいっぱい! メリーが溺れるくらい、口の中に精液注いでイキまくりたいの。お願い、メリー、飲んで、私のザーメン飲んでッッッ……!」
「わぁぁ……いいわぁ、そういうはしたない蓮子、大好きよ。ほら、もっとねだってみてよ。ねえ、ねえ、私も興奮してきた」
 メリーは顔を真っ赤にして、右手を自分の股間にあて、激しくさすり始めた。
「イク、もう私イク、何も考えられないッ、頭がおかしくなりそう、チンポ気持ちいい、メリーのベロいいッ、歯が当たってッ、奥までつっこんだらノドチンコも当たって気持ちいい、メリーの口の中ズボズボして、精液出しまくりたい、ありったけ、チンポがカラッポになるまで出したいのぉ!」
「んふぅ……んぷっ、ぶぐっ、む、んむ、ちゅ、むっ、ぐむ、ぼぐっ、おぅっ」
 メリーも蓮子も、狂ったように頭を、腰を振りたてる。メリーの右手も別の生き物のように股間をまさぐる。次第に、そこから何かが盛り上がってくる。それはメリーのスカートを押し上げる。メリーはもどかしそうにスカートの裾をあげ、下着を降ろした。
 そこにもまた、隆々と勃起したペニスがあった。メリーは蓮子の肉棒を咥えながら、自分の肉棒をしごいた。蓮子は、メリーを抱え込むように、がっしりと両足を交差させる。そして、うずくまって両腕でメリーの頭を強く抑え込んだ。
「いく、いっちゃう、メリー、出る、ザーメンいっぱい出ちゃう、飲んでね、メリーのためにつくった私の精子、溺れるまで飲んでね、ああ、すごい、イイっ、もう……くぁぁっ、出る出る出る出る……ンはぁぁぁっっっ!!」
 背中を弓なりにのけぞらせ、身を震わせる。

 どぴゅっ、びゅるっ、ぶぴゅるるる、どばっっ!

 強く、激しく、長い射精だった。勃起した陰茎を喉奥まで突っ込まれたメリーは、ほとんど息ができなかった。何度もむせて、体が反射的に口に入れたものを吐きだそうとするが、それをおさえこんで、ありったけ飲み込んだ。生臭い匂いが、自分の体の隅々まで、血流に乗って染み渡っていくような気がした。この濃厚な臭気も、蓮子の匂いだと思うと愛おしくなる。
 自分の肉棒をしごく手にも力がこもる。
「……おぶっ、むぐ、ちゅるっ、ぷは」
 あまりの陶酔に、体は平衡感覚を失っている。それでもメリーは立ち上がった。床からシートに上がる。そして、精液を出し尽くして呆然自失となっている蓮子の髪の毛をつかみ、彼女の顔を自分の股間に近づける。あえて乱暴にしてみた。蓮子はまだ、自分が何をされているのかいまいちわかっていないようだった。まだ、快楽の海の底でたゆたっているままだった。
「蓮子ッ、次は……ンンッ、私の番よ。はぁっ、私の、精子を……くぅ、受け止めてね」
「ふぁ…… どして、メリーにも……?」
「イックっっっ! 蓮子、顔、顔あげて」

 ぶぴゅっ、びゅぱっ、べちゃっ、びゅびゅっ、どぴゅ!

「え、んうぇ」
 言われるがまま、蓮子は顔を斜めに向ける。そこに、メリーのペニスの先端からほとばしった濃厚な精液が、次々と降りかかった。液というには、あまりにこってりとしすぎていた。そのせいで、蓮子の顔に飛び散ったメリーの精子は、まるでゼリーのようにぷるぷると揺れるだけで、いつまでたっても流れ落ちず、蓮子の前髪、鼻の頭、唇、頬、睫毛などにへばりつき、濃密な香りを漂わせ続けた。
「ふわぁ……あ……」
 蓮子は朦朧とした表情で、唇のまわりの精液を舐めとっていく。メリーも射精したせいでもう立っていられず、そのまま蓮子にのしかかり、一緒になって精液を舐めとって掃除していく。そうしながら、窓の外をぼんやり眺める。
 すでに海は見えず、無骨な工場群が目の前を通り過ぎている。無機物の集合のはずなのに、生き物の骨のような、なまなましさがある。
「わあ……すごいわね。やっぱりこの路線の予約とって正解だったわぁ」
心地よい疲労に体を浸しながら、網棚の上にある、備えつけのテッシュをとる。蓮子の顔をねぶりながら、蓮子のペニスまわりをふき取ってやる。自分の方も。それから、服やシート、床に飛び散った諸々の体液も、可能な限り。だんだん意識を取り戻してきた蓮子と一緒に、作業を続ける。
 列車の速度が落ちてきた。アナウンスが、停車駅が近いこと、連結があるためしばらく停止することを告げる。
「せっかくだから、駅弁でも買いましょうよ、蓮子。お腹も空いたし」
「そうね……正直、かなり疲れたし。しかも眠いわ。まだ旅は始まったばかりなのに」
「いいんじゃない? しょっぱなから眠る旅ってのも風情があって。でもさっきの工場群、蓮子の角度だとあまり見えなかったでしょ。あれは勿体なかったな。帰りにはちゃんと見ることを勧めるわ」
「そうする」
 列車が止まると、ふたりは駅の購買で簡単に買い物をした。太陽は高くのぼり、春にしては強い日差しを投げかけてくる。蓮子は肉そぼろと鮭と明太子の三色弁当に、缶緑茶。メリーはうなぎ弁当に、ポテトチップ、かりんとう、喉飴、缶緑茶、ペットボトルのサイダー。ボックス席に戻ると、早速メリーはうなぎ弁当に取りかかり始めた。
「あら、これおいしいわね。駅弁って侮るといけないわ」
 そう言って舌鼓を打つ。
「あんた喰い始めるの早いわね。なんか、買ってすぐに袋を破り始めてた気がするわ」
蓮子は席に着いてから、落ち着いて弁当の紙を破る。すでにメリーは口の端にご飯粒などをつけつつ、がつがつとうなぎと米をかきこんでいる。
「そういえば、初めてよね」
「ふぁ、はに……何が?」
 咀嚼しつつ、手で口元を押さえてメリーが尋ねる。蓮子は自分の下半身とメリーの下半身を交互に指す。
「両方、いっぺんにっての」
「そうね。初めてだったかしらね」
「珍しいこともあるものね」
「そうね。ていうか生えるだけで十分珍しいんだけどね」
「ちょっと私も久しぶりに……いいかな、メリー」
 蓮子は開けかけた弁当の蓋を戻してシートの脇によけて、身を乗り出した。そのまま床に膝をつく。
「ヘ?」
 片手に弁当箱、片手に箸を持ったままのメリーのスカートにもぐりこむ。
「え、あ、もう?」
「私は今日はまだ咥えてないもの」
「あぁ、ええ……そうね」
下着を一気に足首まで降ろす。スカートを腰の上までたくしあげる。メリーのペニスは、さっき射精したばかりだから、さすがに勃起はしていなかった。しかし蓮子が鼻先を近づけ、匂いを嗅ぎ、さらに息を吹きかけ、鼻の頭で軽くつついてやると、少しずつ固さを取り戻し始めた。何度か舐めていくうちに、きちんと勃起した。
「れ、蓮子。ご飯食べるかエッチするか、どっちかにしようよ」
「私はこれが終わったらご飯にするから。メリーは食べてていいよ……あむっ」
「そんな、これじゃ集中できないじゃない」
「んぷっ、ぶぷっ、ちゅ、じゅじゅっ……んぁ、お腹、減ってるんでしょ? んりゅっ、むぅ」
 空腹なのは事実だ。メリーは観念して、下半身は甘いむず痒さを、上半身は胃の満たされる感覚を、それぞれ楽しむことにした。甘いタレのかかったうなぎとご飯を一緒に食べながらも、時々自分の口から鼻にかかった声が漏れてしまうのを止めることができない。蓮子は、メリーの食事に気を使ってか、あえて単調な、のんびりしたフェラチオをしてくれていた。
「はびはなぁい……長いし、ゆっくりしましょ。ね、メリー」
 そういって、また奉仕を続ける。
 ノックの音がして、続いてドアが横に開いた。
「お客様、失礼いたします。切符をはいけ……」
 車掌の動きが、そこで止まった。
 箸を口に咥えたメリーの動きも、ペニスを口に咥えた蓮子の動きも止まった。
 三人が三人とも、固まった。
 もっとも早く膠着状況から抜け出したのはメリーだった。手首を翻す。


「わっ」
 車掌は目を押さえた。まるで直接太陽を見たときのように、視界が光で焼かれた。ただ、効果はごく軽いものらしい。すぐに目を開けて、まわりのものが見えるようになった。
 車掌の前には、仲の良さそうな若い女の子ふたり、黒髪と金髪が、向かい合って弁当を食べていた。
「あの……」
 つい一瞬前、何か衝撃を受けたはずだった。ふたりの女の子は、顔をあげて車掌を見た。
「あ、その、失礼いたします。切符を拝見します」
「はい、どうぞ」
 黒髪の方が先に切符を出す。それにパンチで穴をあけながら、車掌は懸命に記憶を探っていた。
(記憶? これはただの妄想ではないか)
 金髪の方の切符も穴をあけて、返してやる。
「それではどうぞ、ごゆっくり」
 部屋を出た直後、車掌はまだ釈然としないままだった。だが不思議と、部屋から遠ざかれば遠ざかるほど、先程幻視したと思しき光景がまざまざと頭に思い浮かんできた。車掌は先頭の運転座席に行き、運転手に声をかけた。
「俺、ちょっとトイレ行ってくる」


 室内では、再びふたりは先程の体勢に戻っていた。
「じゅるっ、ちゅ、んむっ、ああびっくりしたわ。メリーにしてはよく機転が利いたわね。手鏡で日光を反射させるなんて」
「危なかったわ」
 うなぎの最後のひと切れを口に放り込んで、メリーはうなずいた。弁当箱を脇に置くと、蓮子の頭に手を置き、やさしく撫でさする。蓮子の方も、今までよりも乗り気になってきたらしく、ペースがあがる。
「ンッ、ン、んァ、むっ、くぷっ、むくっ」
「ハッ、はぁっ、ああぁ、んっ、あっ、いいわ蓮子。もっと」
「じゅるっ、じゅっ、じゅ、ずずっ、ぶむっ、むぅ、くぷ、こぷっ」
「ああ、出すわ蓮子、受け止めてね……」

 トルルルルルルルル……

 発車のベルが鳴る。列車が進み出す。夢見心地で、メリーは蓮子の口の中に射精した。





 今回の目的地は京都よりももう少し西、奈良だった。古都と呼ばれることもある。京都ばかりが古い都というわけではない。発端は、メリーが大学傍の古道具屋で見つけた茶碗らしきものだった。一目見た瞬間からわかった。境界が、無数の皺のように縦横に刻み込まれていた。よくこれで現実に存在し続けていられるものだと、メリーは感心した。だが触れてみると、ちゃんと実在感があるし、その刻まれた境界から向こう側が覗けるわけでもない。現実に根づいている。にもかかわらず、境界を大量にその身に飼っている。店の主人に聞くと、その茶碗は西の古都の同業者から手に入れたものだという。メリーは蓮子にも見てもらおうと、日を改めてその古道具屋を訪れたが、すでに店には置いていなかった。主人が言うには、例の西の同業者が返してくれと頼むので、売り払ったという。急に必要になったから、らしい。
 メリーはその茶碗の行方が気になった。それに、春になって暖かくなり、蓮子とどこかへ遠くへ出かけたいと思っていたところだったので、ちょうどいい口実になった。謎の道具を追いかけながらの旅なんて、想像するだけでワクワクする。



 駅について、例の茶碗の仕入れ先である古道具屋を探しあてた頃には、もう夕暮れ時だった。駅の近くだと聞いてたかをくくっていたら、散々迷ってしまった。おまけに、その店にはもうなかった。売れてしまったそうだ。それでも店の主人がその茶碗のことを覚えていてくれたのがせめてもの救いだった。
「それだったら、お山の坊さんに返したよ。山ってのは、信貴山のことだ。そもそもあの鉢は、以前、倉庫のガラクタ整理だっていって、坊さんたちが市に出したものを私が買ったものなんだ。もう何十年も前の話だ」
「鉢? 茶碗じゃないんですか」
 メリーは小首を傾げて尋ねた。古道具屋は苦笑した。
「まあ、興味ない人にとっては似たようなものかもしれんな」
「それで、どうして山のお坊さんは鉢を買い戻そうとしたんですか」
 横から蓮子が割って入る。
「それがな、私が買ったものだけは、どうやら由緒正しいものだったらしい。それで、慌てて買い戻しにきたんだ」
「……なんだかずいぶん間抜けな話ですね」
「まあ、そういうこともあるさ。それに、買ったときの何十倍もの値段で売れたから、俺としては文句のつけようがないよ」
「じゃあ今はお山の坊さんが自分たちで使っているんですか。私たちが見ることって、できないんですか」
「いや、確か一般供覧用にしてたはずだ。そういう、由緒正しいものを置いてある資料館が、寺の内部にある」
「内部? それじゃあ、やっぱり決まった日に特別に、とか」
「ああ、そういう意味じゃない。内部ってったって、あそこは山そのものが寺みたいなものだからな。資料館には普通に入れるよ。金は取られるがね。他にも絵巻物とか、寺が大昔に偉い人からもらった印鑑とか、毘沙門天が虎を調伏している像とか、そういうのが飾ってある」
「へえ……」
「なんだかおもしろそうね、蓮子。行ってみましょうよ」
 主人に礼を言って、ふたりは店を出た。せっかくだからと、蓮子は湯呑を、メリーは竹笛を買った。
 近くのコンビニのガイドブックで信貴山の場所を確認した。特急も新幹線もないので、列車で一時間ほどかけていく必要がある。そこから山登りの時間も含めると、今から行動するには遅すぎた。
「仕方ない、今夜は駅まわりのカプセルホテルに泊まって、明日、早朝から出発しよっか」
「そうね……って、カプセルホテルにするの? 蓮子」
「ええ、そうよ。私たち、そんなに裕福だった覚えはないけど」
「ま、そりゃ、そうだけど……でもね蓮子、せっかくの旅行なのよ。ホテルに泊まるのは大賛成だけど、ホテルはホテルでも、どうしてカプセルなの」
「だから、先立つものが必要でしょ」
「むー」
「ほらほら、晩御飯にもまだ半端な時間だから、もう少し歩き回って時間潰すわよ」
 初めて訪れる土地は、それが見慣れたものであっても、体に心地よい緊張と刺激を与えてくれる。何でもない塀の模様や、庭先の木の実の赤さに目を奪われたりする。踏みなれたアスファルトの感触さえ、心地よい。力強く足を踏み出し、息を吸い込む。それだけで、何か新鮮なものが体内に流れ込んでくる。
 幅が二、三十メートルはある大きな川沿いを、ふたりは並んで歩いた。沈みかけていた日は、知らぬ間にあっさりと沈んでいた。
「あらら、黄昏時がわかんなかったわ」
 残念そうにメリーは呟いた。
「たまにしか巡り合わないから、ありがたみがあるのよ、きっと。そろそろ駅の方に戻るわよ。腹ごしらえをして、今日はさっさと寝るわよ」
 駅の傍にお好み焼屋があった。たっぷりと炭水化物を摂取し、足がふらつかない程度にビールを飲んで、腹を膨らませて店を出た。
 ホテルはすぐに見つかった。
「〈駅前ホテル奈良〉ねえ……これ、もうちょっとどうにかならないものかしら」
「駄目ねメリー、考えが浅いわ。こういうときのネーミングは、プラグマティズムに徹底することで、かえって美しくなるものよ。これはこれでいいのよ。非の打ちどころがないわ」
 確かに非の打ちどころはなかった。値段も、見事に安かった。
「そうね。そのプラズマ……」
「プラグマティズム。実際主義」
「そうそのプリズム主義が正しいことを祈るわ。十倍の値段払ってもいいから普通のホテルで眠りたかった、なんて思うことがないようにね」
 ふたりは味気ない電光掲示板の隣を通って、開いた自動ドアから中に入った。

 幸い、メリーの恐れは杞憂に終わった。
 中は十分に清潔だった。ロビーの天井には煙草の匂いが染みついていたが、特に気にするほどのことでもなかった。
 横の壁一面に、二列の穴が空いている。中が、ちょうど人ひとりが横になってのびのびと出来る程度の広さだ。横になって、なので、もちろん屈まないと中で移動はできない。
 ホテル内の銭湯に入った後、蓮子は自分の部屋に入って、シーツにくるまった。
「くっあぁ……疲れた……」
 気持ちよく伸びをして、蓮子は目を閉じた。
今日一日、長距離列車に乗ったり、見知らぬ土地を歩き回ったり、メリーとじゃれ合ったりで、体はすっかり疲労困憊していた。だが、こうして体を温めて横になっていくと、驚くほど鮮やかに疲労が消え去っていくのがわかる。晩御飯にたっぷりとかきこんだものが、胃の中で早速栄養に変わって体中に行き渡っているかのようだ。
(さあ、明日も早いし、さっさと寝よう)
 蓮子は目を閉じ、満腹感と、疲労と、睡魔に、心地よく嬲られる。
 その中に、別のものが混ざってきた。
 体中に行き渡った栄養が、特に集中して回復させている箇所があった。
(メリーも、もう寝たかしら)
 カプセルホテルなので、無論ひとり一部屋ずつだ。それなりに繁盛しているところらしく、隣同士の部屋など望むべくもなく、席は勝手に割り振られてしまい、メリーの部屋とは十近く離れてしまった。
 メリーもまた、心地よい疲労に抱かれて、目を閉じ、暗闇の中にいるのだろうか。暖かい眠気を誘うシーツの中で。そこに入って行けたら、さぞ暖かいだろう。メリーの胸に手を当てれば、そのまま深く、柔らかく沈み込む。肩に手をまわして引き寄せれば、弾力のある豊かな肉体と、自分の体がぴたりとくっつく。服越しにでも、肉体の火照りは十分に感じることができる。そうして、寝ぼけ眼のメリーにほほえみかけ、彼女の少し乾いた唇を、唾液をたっぷりと乗せた舌でねぶる。
(あ……いけない、想像してたら)
 股間に血液が集中していく。スカートの上から手を触れさせると、むず痒い快楽が股間を渦巻く。切なくなった蓮子は、目を細めて身をよじった。今度は下着に手を入れ、直接ペニスを手に取った。暖かく脈打ち、蓮子が触れると、ぴくんと頭をもたげた。半勃ちだったので、ゆっくりと皮をめくってやる。ビラビラが完全に剥けると、もういてもたってもいられなくなった。だが、このままメリーのことを考えながらオナニーするのは、あまりにも勿体なかった。外に出て少し廊下を歩けば、実物が無防備に横たわっているのだ。
(メリー、迷惑かな。眠いのに)
 でもこういうプレイも悪くない。そういう悪戯心が鎌首をもたげた。下半身もまたますます固く、ますます身を反らせていく。
 足下で、物音がした。足下は、出口側だ。はじめ蓮子は、備えつけのカーテンを蹴ったのかと思った。カラカラ、と音を立てて、カーテンが縦に開く。誰かが外から開けたのだ。
 カプセルホテルとはそんなものだ。扉はもちろん、鍵などありはしない。布一枚よければ、すぐに中が覗ける。はっきりいってザルだ。ただ、そんな面倒くさいことしてまでわざわざ旅先で法に触れるような危険をおかしたくないという、ごく当たり前の思考が働くため、誰もそんなことはしない。
 しかし今、現に誰かが蓮子の部屋を覗いている。蓮子はちょうどうつ伏せになっているため、部屋の出入り口を見るには振り向かないといけない。
 手が、シーツの中に入る。そのまま蓮子のスカートに入る。手はのぼっていき、下着に指をひっかけ、ずりおろしていく。
 蓮子の上に、重さが加わった。荒い息遣いが耳元に吹きかかる。蓮子は自分の割れ目が湿ってくるのを感じた。そこに、熱い亀頭がぴたりと添えられる。
(ああ……これはメリーの……)
 入れやすいように腰を少しあげてやる。たちまちペニスに貫かれた。
「ふぅ、んっ!」
 危ない、と思ってとっさにシーツを噛んだ。声が溢れ出そうになる。さすがに、まわりにひとがいる状況で、あられもない声を出すのはためらわれた。顔全体をシーツに押しつけ、声が出ないようにする。貫く方は、そんな蓮子の努力などお構いなしに、激しく突きたてる。
「んっ、ふぅっ、ん、んんッ、クッ、くぅうぅっ」
 一番肉棒を受け入れやすい体勢にしようと、蓮子は積極的に色々な角度を試す。それが、ますます相手の快楽を刺激した。時とともにピストン運動の激しさは増すばかりだった。
「ふぅ、はぅっ、ふぅぅぅぅ、ふっ、んっ、んぐぅっ」
 目をぎゅっとつむり、ひたすら腰に意識を集中させる。相手の猛りきった剛直が、びくびくと痙攣し始めたのが、膣を通じてわかる。
(出すの? 出すのね、いいよ出して、メリー。いっぱい私に注いで。朝みたいにたくさん、朝よりももっと……!)
 獣に挑みかかる猫のような姿勢でぐっと頭を沈め、腰をあげ、迎え入れる。しかし、蓮子の意に反して、ペニスの突きは勢いを弱めていった。固さはそのままで、力が抜けたわけでもない。ひと突き蓮子をえぐるごとに、目もくらむような快楽を与えてくれる。しかし、動きは緩慢になるばかりだ。
(あれ、どうしたの……このままイッてしまわないの)
 手が、蓮子の腰の両脇を触る。そこから、右手は蓮子の乳房へ向かい、尖った乳首をつまみ、柔らかな乳房に手のひらを沈める。左手は、蓮子のペニスをそっと握った。
「ぅぐぐぐ……はぁふっ、ふぅん、はぁっ、アッ、ふぅっ、ふう……」
 予想もしなかった方向から快楽を受け、少し声が漏れてしまう。その左手は、ペニスを様々な角度で扱いていた。自分の剛直をぐねぐねといじり回されているようで、気持いいことは気持ちいいが、なんだか蓮子は居心地が悪かった。それが、一定の方向でピタリと止まり、あとはひたすら肉棒をしごき始めた。今まで微調整していたのだ。その角度は、蓮子が一番求めていた角度だった。すぐにでも射精しそうになる。蓮子の肉棒がヒクつくと、それにつられるように膣のペニスもヒクついた。それで蓮子が膣を思わず締めてしまうと、左手も蓮子を締めつけた。貫く女と、貫かれる女の息遣いが、シンクロしていく。
「はぁっ、はぁあっっ、ふぁぁぁ、はぁっ、蓮子っ」
「んんっ、ふぅっ、アァン、ふぁぁっ、メリぃいい」
 再びピストンは激しくなる。蓮子のペニスを扱くのも速くなる。蓮子は視界がチカチカしてきた。口から涎が垂れるが、それをふき取る余裕すらない。頭をがくがく揺らせ、口を開けっぱなしにしたまま、快楽にされるがままにした。
「んああああっっっ」

 ぶぴっ、びゅるっ、ぶぷっ……どく、どくっ、どくどく

 メリーの体に痙攣が走る。蓮子は、膣の奥にまで精液が注ぎ込まれていくのを感じる。メリーは絶頂を迎えると同時に、手を強く握りしめていた。すぐに蓮子のペニスにも限界が訪れた。

 どぴゅっ、ドクッッ、びゅくっ、どびゅびゅ!

 精液が存分にシーツにぶちまけられる。膝が震え、腰を上げているのがきつくなってきた。それなのに、電池が切れたように、体が動かない。いまだに、尻を高くあげたまま、ぶるぶると震えている。内股を、とろみのある体液が伝っていくのがわかる。ヴァギナから溢れ出た精液だろう。他にも色々まざっているに違いない。
「とってもよかったわ、蓮子」
 耳元で囁かれる。衣擦れの音がして、重みが消え、やがて気配も消えた。しばらく、蓮子はぼんやりと尻をあげていたが、だんだん寒くなってきた。ある程度絶頂の余韻も去り、動けるようにもなっていた。枕元にある予備のシーツを取って、自分が精子をぶちまけた上にかぶせて、そこに体を横たえた。
「私もよ……メリー」
 そう呟いて、深い眠りに落ちた。





 春とはいえ、早朝の空気はまだ冷たかった。〈駅前ホテル奈良〉を出たふたりを迎えたその冷気は、起きたばかりの肌に心地よい刺激を与えた。
「うわぁ、いいわねこの清々しい空気、なんて健康的なのかしら。早起きは三文の得とはよく言ったものね」
 蓮子は大きく伸びをした。それとは対照的に、メリーはあくびしながら、目をこする。
「まだ目がぢがぢがするわ」
「なによ、じがじがって」
「ぢがぢが。こう、目をこするとね、気持ちいいの」
「よかったじゃないのメリー、気持ちいいことがまた増えて」
「違うわよ、眠いって言ってるのよ。ねえ蓮子、こんな朝早くから起きたって、何ひとついいことなんてないわ人間に。見てみなさいよほら、あのコンビニのお兄さんの不健康そうな顔を」
 ガラスの向こうで週刊誌の陳列作業をしている青年を指差す。指されていることに気づいた青年は、作業の手を止めて、ぼんやりとした眼差しでメリーを眺める。
「あれは早起きしたんじゃなくて昨晩から寝てないだけよ。ていうか指差さないの。失礼でしょ。常識よ」
 蓮子はメリーの腕をとって、下げさせる。メリーは腕に置かれた蓮子の手の上に、自分のもう片方の手をのせる。
「ふふふ、常識なんて言葉を蓮子が口にするなんてね」
「ほら、さっさと駅に行くわよ。なるべく信貴山の方で時間取りたいからね」
「蓮子、私お腹すいたの」
「向こうで食べなさいよ、あと一時間くらい待てないの」
「今食べたいのよぉ」
 メリーは、蓮子の腰に両腕をまわして横から抱きつき、ぐわんぐわんと反動をつけて揺さぶる。
「じゃあそこのコンビニ寄るわよ」
 そう言って首をメリーの方へ向ける。そのとき、思ったよりずっと間近にメリーの顔が合ったので、蓮子は動揺した。その動揺に生じたスキを縫うように、メリーは蓮子にキスをした。
「んむっ……」
 まさか路上でキスされるとは思わなかった蓮子は、顔を赤くした。慌てて両手を押し出し、突き飛ばそうとする。メリーはすでに身を引いており、暖簾のように手応えがなかった。
「ふふっ、ごちそうさま。これでしばらくは飢えないわ」
「ああもうっ、とっとと行くわよ」
 蓮子は照れ隠しもあって、足早に駅へ向かっていく。
「ちょっと、速いわよ。もう少しゆっくり歩いてよ」
 メリーは楽しそうにそのあとを追いかけていく。


 青年は少女たちが見えなくなるまで、憑かれたようにガラスの前に立っていた。視界から消えた後も、今の十秒にも満たない間に起こった情景を、繰り返し頭の中で想起していた。壁の時計に目を走らせる。店長が出勤してくるまであともう少し時間がある。青年はレジの奥に引っ込み〈只今清掃中〉と書かれた看板を持ち出して、入口に置いた。ざっと店内を見渡す。店員、客含めて自分以外に誰もいないのを確認してから、トイレに向かった。


 ローカル線に乗っている間にずいぶん雨が降ったが、信貴山前駅に着く頃には、ほとんど上がっていた。
 道具屋の主人が言ったことは、あながち誇大表現でもなかった。
 山の至る所に寺社の屋根が見え隠れする。その周囲には人が集まっている。
 寺や神社があるということは、そこに働く者がいるということだ。大きな寺社であれば、訪れる者も多い。自然、彼らのために食事と寝床を提供する施設が増える。車やバスが通りやすいよう道路が整備される。もちろん景観を損なわないように。
 信貴山と呼ばれる山そのものが寺であり、ひとつの街だった。
「へえ、外から見たらただの無駄に大きな山だったのに、入ってみるとやっぱり違うわね。あ、〈空鉢堂〉だって、なんだかいかにもって感じ。メリー、行ってみましょう」
 舗装されたアスファルト道路の脇に、古びた木の看板がかかっていた。そこから細い道が上へと続いている。
「資料館なら資料館って書いてあるんじゃないかしら」
「いいのよ。資料館にあるのは偽物で、こういうところに本物が眠っているものよ」
「ここに来る途中、信貴山案内図ってあったでしょ。ここ、神社もあるのね。お寺に来たのに神社にお参りって、なんか図々しいわね」
「心配いらないの。ここの命蓮上人ってひとは、神様にも友達がいたらしいから。護法なんとかって。とにかく人望あるひとは、出自を問わず、誰からも人気があるものなのよ」
 土が踏み固められた細い道を、ふたりは登っていく。信貴山の麓からここまで目にしてきた、観光名所にありがちな看板や垂れ幕が一切なくなり、左右の緑は濃さを増した。
「いいところねえ」
 メリーは目を細める。クヌギやカエデの巨木に混じって、春らしく、どきりとするような明るい色合いの花が咲いていた。血のように紅い椿や、ほのかにピンクに染まった白いツツジは、眺めていると、心が妖しく昂ぶっていく。花の茂みの向こうには池らしきものがあったが、表面を蓮に覆い尽くされ、どのくらいの広さがわからない。かすかに漂う蜜の匂いは、水分の多い山中の空気だけに、平地で嗅ぐよりもずっと濃密に感じられた。
「へえ……いいところじゃない」
 蓮子の前で道が開けた。お堂と、一面砂利で敷き詰められた庭が広がっている。山中の寺にしては不自然なほど平坦で、広かった。頭上も一気に開けた。夜なら星が良く見えるだろう。だが今はまだ早朝であり、しかも雲が幾重にも浮かんでおり、青空すら見えない。
「それにしても寂れたお寺ねえ。誰も客が居ないじゃないの」
 あとから来たメリーは、そう言いながら堂に近づく。堂の前に行きつくと、メリーは意外そうに言う。
「あら、そうでもなかったわ。よく手入れされている。木のいい匂いもするし。何か香も焚かれているみたい」
 板張りの廊下に腰をかける。
「メリー、いいの? 勝手に座ったりして」
「座り心地もいいわ。蓮子もこっち来なさいよ」
「板なんだからどれも一緒でしょうに」
 蓮子はのろのろと歩く。メリーは立ち上がって、蓮子の元に歩み寄る。両腕を蓮子の背中にまわし、抱き寄せた。蓮子はバランスを崩し、メリーの胸元に飛び込む形になる。目の前に、淡く浮き出た鎖骨が飛びこむ。
「綺麗な形……」
 蓮子はメリーの鎖骨を、指でつっ、となぞった。メリーの腕の力が強まり、ふたりの下半身が服越しに密着する。ふくらみとふくらみが、ぶつかり、押し、刺激し合う。
「ねえメリー、まさかとは思うけど」
 鎖骨を右へ左へと指先でなぞりながら、蓮子は呟く。
「こんな広い庭よ、メリー」
「広いから、誰か来たらすぐにわかるわ。大丈夫よ、蓮子」
「だ……誰か来たらって、その時点でアウトでしょう。私たちがわかるってことは、向こうもわかるってことなのよ」
 たしなめるように言う蓮子だが、その指はさっきから激しくメリーの鎖骨を撫で続けている。指で飽き足らず、唇を鎖骨にくっつける。鎖骨の固さと、そこから伝わるメリーの体温を、唇という粘膜を通して感じる。
「こんなに広いのに誰もいないって、素敵なことだと思わない? 蓮子。きっと、ずっと誰も来ないわ」
 お互い、スカートの前がふくらみ、相手の体を強く圧迫するようになる。時々、ふくらみ同士でぶつかる。
 お互いの肉棒の圧迫が強まってきて、腰をくっつけているのが苦しくなってきた。蓮子のもメリーのも、すでに下着からはみ出して、スカートの上からでもありありとわかるほどにそそり立っている。腰を前後に軽く揺さぶると、お互いの勃起がお互いの腹や、腰、勃起そのものにぶつかる。少しだけ乱暴な刺激を楽しむ。蓮子は唇を割って舌先を出し、メリーの鎖骨をじっくりと湿らせていく。頭上から、メリーの荒い呼吸を感じる。メリーの両手は、蓮子の背中全体を舐めるように撫でまわす。それから、片方をスカートの裾にすべりこませ、小ぶりな尻をひと撫でする。
「はぁぅっ」
 蓮子は思わず鼻にかかった声を漏らした。鎖骨に唇を強く押しつける。鼻の頭がメリーの喉に密着する。すでに分泌され始めている、甘ったるい女の匂いが蓮子の判断力を鈍らせていく。
「蓮子……」
 頭上の声に応えるように、蓮子は顔をあげる。そこへ、斜め上から唇がやってくる。濃密なディープキスを交わす。股間の快楽が、まともに立っていることを妨げる。前かがみになりながら、蓮子はメリーの頭を両手で押さえ、すがりつくようにして、舌の出し入れを続けた。
 庭に広がる、早朝の清冽な空気が、ふたりの舌にまとわりつく唾液の粘り気をさらに際立たせる。それは絡み合った舌から垂れると、蜜のように長く糸を引き、砂利を湿らせた。
「んむっ……ぷはっ、れろっ、ん、ちゅるっ、むくっ」
「んっ、じゅるっ、れりゅっ、んむぅ、ふうっ……はっ、んぷっ」
 海女が水面から顔を出し、また長い潜水をおこなうようにして、ふたりはふたりの唇と舌と口腔内を貪る。蓮子は今すぐにでも、自分のスカートを押し上げているペニスを思う存分扱きたかった。心置きなく射精をして、メリーのスカートをドロドロに汚したかった。だが、キスの魔力があまりに強すぎて、蓮子はメリーの頭から手を離すことができない。離したらそのまま地面に倒れこんでしまいそうだった。先に蓮子のペニスをつかんだのはメリーだった。スカートの上からふわりと包み込むようにつかむ。もう片方の手は尻を捉えている。指先が蓮子の後ろの穴のあたりを這い回っている。
「んんっ、ぷはっっ、待って、ちょっと待ってメリー」
 蓮子はメリーから唇を離した。メリーは無言で、小首を傾げてみせる。
「私に、今日は、私にさせてっ」
 蓮子は懇願する。このままイカされるのもいいと思った。けれどそれ以上に、今日は自分でメリーを貪りたかった。メリーが顔を紅潮させ、唇に微笑を浮かべたのを合図に、今度は蓮子からメリーにキスをした。メリーの半袖ブラウスのボタンを外していく。全部は外さない。襟に指をかけ、引きおろす。鎖骨の下、豊かな乳房が露になる。空気の冷たさと、今までの愛撫があってか、すでに乳首は硬く尖っていた。半脱ぎのブラウスがスカートの上にかぶさる。臍が見えるか見えないか、くらいだ。蓮子はメリーの唇から離れ、顎、喉、と下っていく。そしてたわわに実った果物のような双丘を、右、左、右、左、と念入りに味わう。乳房のピンク色の敏感な突起が、蓮子の舌や唇、歯茎を不意に突くと、お互い感に堪えぬような声をあげた。乳房を唾液でべとべとに汚し、さらに臍へ舌を這わせながら、両手でスカートをめくりあげる。隆々とそそり立ったメリーの肉棒を見て、蓮子は唾を飲み込んだ。
「ねえ、待っ……て、蓮子」
 蓮子がそれを咥えようとすると、メリーは腰を引いた。
「ここじゃ、痛いと思うの」
 メリーは地面の砂利を指差す。今の蓮子にとって、メリーをしゃぶれるなら砂利の上に膝をついてもどうということはないが、あとで悲惨なことになりそうなのが、蓮子自身わかる。
「あっちで、ね」
 お堂に視線を向ける。蓮子はうなずく。ふたりは上半身も下半身も密着させたまま、お堂に上がりこむ。障子を開け、畳の間に転がり込む。外装同様、中も綺麗に整頓されていた。おろし立てのような畳の匂いが、官能を程よく刺激する。
「さすがに布団はな……あふぅっ」
 メリーが押入れを吟味する間も与えず、蓮子は畳に膝をついて、メリーのペニスを呑み込んだ。両腕をメリーの柔らかな尻にまわして、喉の奥まで深々と亀頭を受け入れながら、頭を前後に振りたてる。
「んむぅっ、んっ、げうぅっ、じゅるぅっ、おぐぅっ、ぷはっ、すごい、興奮するっ……」
「うん、うんっ! 私も、すごい気持ちいいの……あぁあっ、蓮子っ、蓮子のフェラチオ顔、すっごい綺麗……」
 メリーは声をあげながら、蓮子の頭に両手を置き、自らも腰を振る。はじめは遠慮がちに、しかしすぐに、蓮子の激しい動きに合わせるように、勢いよく腰を振る。唇と、そこを出入りするペニスの隙間から、ねっとりとした液体がいくつも糸を引き、畳に零れ落ちる。
「んぶっ、んじゅるっ、ちゅう……じゅっ、じゅるっ、んぼっ、おぶっ! んむぐうぅ、ぶぼっ」
「ああああもう、もうだめ、すごいの、蓮子、私すごいの出そうっ」
 メリーは身をそらし、それでも蓮子の顔を見ながら、あられもない声を出す。
「んむっ、ぐぷっ、ぐじゅるっ、おむぅぅ、ぇぐっ」
「はう……ひゃっ」
 メリーは拍子抜けしたような声をあげた。膝が笑って、立っていられなくなったのだ。そのまま尻餅をつく。蓮子の唇から開放されたペニスは、ドクドクと先走り汁をもらしながら、ヒクついている。メリーは身をぶるぶると震わせていた。立ち上がれないようだ。蓮子はスカートと下着を脱いで、下半身裸になった。懇願するように痙攣するメリーの亀頭に軽くキスをすると、そのまま臍から乳房の間、喉、唇、と舌で這い上がっていく。舌を絡ませあう。やがて舌を離し、顔をあげ、メリーを見下ろす。メリーの目は欲情の期待で輝いていた。
「入れて……私のオマンコに、いっぱい入れて、蓮子」
 蓮子は腰を突き入れた。全身に電流が流れたように快楽が走り、身動きが取れなくなる。
「ひあああああぁぁっ」
「あああぁぁ、蓮子ぉぉっ、イクゥゥッッ」

 どぴゅっっっ! どびゅびゅっ、ぷびゅぅぅぅっ!!

 メリーのペニスが、壊れた堤防のように精液を吐き出した。それは宙に踊り、放物線を描き、メリー自身の顔や胸に幾重にも降り積もった。
「あぁん、ふわあぁぁぁ、すごっ……レン、くはっ、ひぁあ、いやっ、ああああぅぅ……」

 じゅぼっ、ビュルッ、ずるぅっ、ドクッ

 蓮子のピストンに合わせるように、メリーは射精を続ける。
あまりの快楽に呆けきった、しかし美しい顔に白濁が層を成す。水のようになめらかには流れない。蜜よりもさらに粘度は高い。白い痕跡を残しながら、ひどくゆるやかに顔や胸から垂れ落ちる。そのさまを見て、蓮子の欲情はますます奮い立つ。
「あぁ、はふぅ、イイッ、チンポいいのぉッ、蓮子、蓮子蓮子、もっといっぱいして、メチャクチャにして! 私のオマンコ、ズボズボしまくってえぇ!」
 肉と肉がぶつかりあう中に淫液がまじり、リズミカルで卑猥な音が部屋中に響く。蓮子は広げられたメリーの足を両脇で抱え込み、腰を何度も何度も深く突き込んだ。奥に突き入れるたびに、メリーの膣は歓喜して締めつけてくる。
「メリー、すごいッ、すっごいのあなたのオマンコ! あったかくて締めつけてきて……それにヌルヌルして、もう、だめっ、私、すぐイキそうッ!」
「蓮子ぉ……キス、キスしようよっ」
 メリーが喘ぎながら両手を伸ばす。蓮子は抽挿を続けながら身を乗り出し、メリーと抱き合った。メリーの顔面や乳房についている精液が、蓮子のブラウスにべっとりと張り付いた。
「ンンむっ、ぅむぅ、ちゅるっ、ずずっ、じゅじゅるぅ」
「んはぁっ、れろぉ、れりゅぅ、アァン、はぅ、ちゅぅぅ」
 それにも構わず、深く舌をからめる。
 パン、パン、と肌に肌を叩きつける音はその間も収まる気配がない。上からセックスする蓮子との額や口から、汗や涎が飛び散り、下でセックスするメリーの汗や涎と混じり合う。お互いの肉が、まるで自分の肉であるかのように熱い。焼けつくような快楽に、喘ぎ声はとどまることを知らない。
「メリー、メリーっ、あの、ねっ」
「うんっ、んっ、なに? なに蓮子」
「あなたの、その顔、ふぅっ、精液まみれの、ハッ、顔っ」
「あぁっ、んぁっ、そんなっ、い、言わなっ」
「いいっ、たまら、ないわっ。もっ、とっ! かけていい?」
「うんっ、いっぱい、かけてっ、私のザーメンとっ、蓮子のザーメン、一緒にして、ぐちゃぐちゃにしてぇぇっ!」
「アァッ、ぶっかけるよ、精子いっぱい、メリーの綺麗でかわいい顔にもおっぱいにも、たくさん出すね! 今からいっぱいシコシコするから、私のチンポと、メリーのチンポ、一緒にヌルヌルするね、だから、出しッてッ、メリーもまた、いっぱいいっぱい、チンポ汁出してぇぇぇっっ!」
 蓮子の肉体にも限界が訪れた。蓮子は腰を引き、射精寸前のペニスを引き抜いた。いまだにわずかながら射精を続けているメリーのペニスと自分のペニスを両手でまとめて握り締める。二本の肉棒を烈しく扱きたてた。
「来るっ、なんか来るメリー、私、もうダメェッッ」
「来て、来てッッ、すごいのぉ、いっぱい浴びせてええぇぇぇ!」

 どびゅびゅぅっっ!! ぶぴゅるっ! びゅくっっ! ぶばぁっっ、ぼびゅっ

 ふたつの射精が重なる。大量の白濁液が、メリーの上にぶちまけられる。髪も、目も、鼻も、口も、耳も、喉も、鎖骨も、乳房も、乳首も、臍も、それから脱ぎかけのブラウスもめくりあげられたスカートも、白い粘液にたっぷりと浸された。
「あっ、あっ、あ……かかって……うぶぁ……る……」
「はぁっ、ハァァッ、ハッ、はぅうっ、アッ、ァハッ、すご、まだ……出て……」
 蓮子の雄々しくそそりたった肉棒の、とどまるところを知らない射精は、収まりかけていたメリーのペニスにも刺激を与え、完全に勃起させていた。ふたりは身を震わせ、お互いの裏筋、陰袋をみっちりと押しつけ合いながら、長い射精をたっぷりと堪能した。



 ふたりの息遣いは、少しずつ間隔が長くなり、やがて元の呼吸に近くなる。それでも、上になった蓮子は立ち上がることすらままならなかった。とうとう、力尽きて倒れこんだ。メリーの上に……まんべんなくぶちまけられた精液絨毯の上に。
「ハァッ……ハァッ……どう、しよう……服、こんなんなっちゃった。無事なのは、途中で脱いだ私のスカートだけよ」
 顔と顔が近い。蓮子が話しかけると、メリーは彼女の唇を小鳥のようについばんで、笑った。ふたりの唇の間に白い糸が引かれる。
「フゥッ……はぁっ……大丈夫、よ……とりあえず、服を洗いましょう……」
「洗うって……どうやって」
「さあ、水道とかで」
「さあって……水道ここ引いてるの?」
「ふふ、それを私たちで探すのよ。でもまあ、しばらくは動けないかしら」
「そう、ね……」
 蓮子はそう言って、メリーの頬にこってりとのせられている精液を舌ですくいとった。さらに額と、鼻の脇もそれぞれ舌でなぞる。メリーが口を開けて舌を差し出したので、そこに舌を下ろす。蓮子の舌から、ふたりが交じり合った精液がゆっくりと垂れ落ち、メリーの舌に乗せられる。そのまま舌が絡み合う。お互い、貪るようにその体液を嚥下する。ひとしきり飲み終わると、また蓮子がメリーの体を舐めて回り、それをふたりで飲んだ。
「あ、蓮子。私、そろそろ起きる」
「ん」
 ディープキスからメリーを解き放ち、蓮子は足を伸ばして畳に尻をついた。メリーは上半身を起こした。そのまま蓮子に擦り寄る。足にもたれかかり、体液でどろどろになっている、今は柔らかくなったペニスを口に含む。
「ありがと、メリー……」
「ん……ちゅるぅっ」
 激しい快楽は去ったが、やさしい気持ちよさが蓮子の心と体を満たしていく。
「ぺろっ、ん、綺麗になったよ」
「じゃあ、次は私だね。メリー、ちょっとそこに背中かけて」
「えへへ、なんか照れるね」
「なによ今更。ほら、そっち行って」
「はぁい」
 メリーは体をずらし、襖に背中を預ける。襖はわずかに震動している。誰かが遠くで歩いていて、その震動が伝わっているかのようだ。もっとも、そんなことはふたりの関心の外だ。蓮子は、柔らかくなってはいるものの、精液にまみれ、眠っている蛇のように力強いペニスを見て、うれしくなる。咥えると、自然と唾液が分泌され、濃厚な味が口の中全体に広がった。



 ドタドタと、苛立ちを隠せない足取りで廊下を行く者がいる。
「まったく、聖ともあろうものが朝っぱらからなんという格好をされていたんですか! 信徒の者たちが見たらいったいなんと思うことか」
「まさか、あなたが朝っぱらから私の部屋を覗くとは思いもしなかったものですから……」
 聖と呼ばれた者は、肩を落としてしゅんとしているが、あまり納得している様子はない。
「覗いたのではありませんっ。最近、少し起きられるのが遅いようなので、起こしに参ったのです。そうしたら……ああ、もう」
「ごめんなさいね、星」
「な、なんで私に謝るんですか。私は別に、その、なんとも思っていませんよ。求める者に慈愛を施すのはまことに結構だと思いますが、なんといいますか、あまりにその、おおらか過ぎると、あの子のように求めるものが際限なくなるのですよ」
「水蜜は、いい子ですよ」
「っっっだからそういう笑顔をされるとおぉぉっっ……! とにかく、ムラサにも仕事があるのですから、あのように毎朝毎朝……」
「毎晩というわけではないわ」
「朝でも晩でも、毎だろうと一日おきだろうとどうでもいいんです! そういうことを私は言ってるんじゃないんですって、だいたいですね、あなたは……」
 事務室に行き、今月の講演会の予定をおさらいして、もう少し慎みのある慈愛の施し方を聖に教えようと思った。
 苛立ちに任せ、勢いよく襖を開けた。見知らぬ少女が仰向けに倒れこんできた。


 四人は、固まった。


 最初に口を開いたのは聖白蓮だった。
「あらあら、まあ……ずいぶんとまた激しい……」
「ふぇっと、ほの、ほ、ほゃわひてあす」
「れ、蓮子、だめよっ、ちゃんとチンチンから口を離してしゃべらないと。失礼よ」
「な、な、なん……あなたたちはいったい……」
 寅丸星の、うつむいて震える肩が、人間には不自然な形で盛り上がる。牙が唇から飛び出す。瞳が金色に輝きだす。あわてて白蓮はエア巻物で星をぐるぐる巻きにして、廊下の奥に放り出した。廊下の向こうで、すさまじい獣の唸り声が聞こえてくる。
「えっと、あの、す、すみません。勝手に入って……だ、誰もいないと思って……」
 ペニスから口を離して、蓮子は頭を下げた。上半身はブラウスを着たままだったので、上も下も脱ぎかけのメリーよりは幾分マシだった。といっても、その差は非常にどうでもいいくらいの差で、常識的に見ればどうしようもない状況であることに変わりはなかった。
「ほんとう、すみませんでした」
 メリーの頭を下げる。グラーデーションのかかった茶系の髪を持つ、その美しいおとなの女性は、怒るでもなく、ニコニコしている。
「いいえ、それほど畏まることはありません。一見無人の建物を見れば、それが廃屋であり、自由に立ち入っていいと思うのも無理はありません。あなたたちも、たとえば庭や、たとえばこの部屋に、誰かがいれば、不法侵入しようなどとは思わなかったでしょうし。あまりにのんびりしていた私たちの方にも、非がないとは言いません」
 蓮子はホッとした。女性の発言に何か噛み合わないものも感じたが、とにかくこの場から逃れることが最優先だったので、気にしないことにした。
「それに、心の底から、お互いの肉体を慈しみあうことはとても良いことです。あなたたちを見ていればそれはよくわかりますよ。ただし、万事に言えることですが、TPOは弁えなければなりません。そうしないと、時として、他者の慈しみを妨げてしまうことがあります。わかりましたね」
 ふたりは真摯な表情でうなずいた。彼女の言葉の内容よりも、彼女の仕草、立ち居振る舞い、声、そういったものにすっかり呑まれていた。彼女の傍にいるだけで、ありがたい功徳があるような気がしていた。
「今回のことは不問にします。それから、着替えもこちらで用意してあげましょう。といっても、今のあなたたちの服装に合うものがこちらにあるか心配です。あまり不自然な格好で外に出ると、色々とお困りでしょうし。どうしましょう……」
「あ、あのっ、私お金持っているから、それで買います」
 蓮子は部屋の隅に放り投げていたバッグを取る。白蓮はニッコリと笑って両手を合わせた。
「お金をもっていらっしゃる? でしたら話は早いですね」



 数分前に雲の彼方に消えた鉢が、今また雲間から姿を現した。行きは手ぶらだったが、今はその背後にブラジャーやパンティなど、服一式を引き連れている。鉢と服が、畳の間に到着した。蓮子は鉢の中を覗いて、息を呑んだ。
「嘘……ちゃんとお釣りまで入っている」
「やっぱり、いわくありの道具だったのね、まさかこのお寺にあったなんて……それにしてもいったい、どうやって買い物したんですか、この茶碗で」
「……鉢」
「いったい、どうやって買い物したんですか、この鉢で」
 白蓮の柔和な表情にほんの一瞬濃い陰が落ちたため、メリーは前の発言をなかったことにして、言い直した。だが白蓮はその問いはスルーした。いとおしむように、鉢を撫でる。
「それにしても、さすがは弟が愛用していた飛鉢ですね……まさか境界を開くなんて」
「えっ!?」
「境界ッ」
 蓮子とメリーが反応したと同時に、廊下の奥で再び獣の唸り声が聞こえた。今度はずっと近い。
「あら、もうエア巻物を破壊したの。ひょっとして前より強くなっているのかしら……いけない、あなたたち、早くここから出なさい。怒られるわよ」
 その獣の声は、とても怒られるだけではすみそうになかった。蓮子とメリーは着るものもとりあえず、堂の外に飛び出した。
 獣の雄たけびが耳を劈く。視界が黄金色に染められる。時間にしてみればわずか数秒ほどのことだった。ふたりが目を開けると、お堂はまだそこにあった。ただし、廃屋であることは明らかだった。屋根も壁もぼろぼろに破れ、ほとんど骨組みだけだった。整然と敷き詰められていたはずの砂利は、いまや雑草がはびこるがままだった。しかも、その雑草は目に見えて生い茂りつつあった。周囲の木々も、生き物のように庭に入り込んでくる。
「メリー、ぼやぼやしてられないわ、逃げるわよ」
「蓮子、でも服、服を着ないと」
「そんなん、さっきの山道の途中で着替えりゃいいじゃないの」
「見られたらどうするのよ」
「今、たっぷりと見られたからもういいでしょ!」
 自分でもよくわからないことを叫びながら、蓮子は服とバッグを抱えて走り出した。メリーもあとを追いかける。ふたりが山道に入り、あえぐ息を落ち着かせながら、どうにか服を着て振り返ると、そこにはただ木々が生い茂るばかりだった。




「次は京都駅、京都駅。ご乗車の方は、黄色い線よりも下がって、お待ちください……」
 到着のベルがホームにこだます。ベンチには、パジャマを着たふたりの少女が身を寄せ合って眠っている。それを隣でみた小さな女の子は、風船を片手に持ちながら、もう片方の手で彼女たちを指差した。
「ママー、このお姉ちゃんたち、パジャマ着てるよー」
「シッ、起こしちゃ駄目でしょう。それに、そういうファッションかもしれないし、たまたまお金がなかっただけかもしれないわ」
 連休疲れが顔にありありと浮かんでいる母親は、とりあえず娘を黙らせるために心にもない理由を告げた。本当は、単にふたりは頭がおかしいのだと思っている。
「でもまあ、いいんじゃないか」
 同じく、連休の疲れを溜め込んだ父親がとりなすように言う。彼は、列車から降りたあとも車を長時間運転しなければならないので、この家族三人の中では誰よりも憂鬱な気分に沈んでいた。だが、彼は少女ふたりの寝顔を見たとき、ふと心を洗われたのだった。
「なんていうか、こう、お互いに信頼しあっていてさ……無邪気に。なかなかこんな関係、作ろうと思っても作れるもんじゃないよ」
「ふうん、そんなものかしらねえ」
 母親はもう興味がないようだった。子供は、眠り込んでいる少女の顔を、近くでまじまじと見つめる。
「お姉ちゃんたち、けっこー美人だねー。いいなー」
「ほら、もうすぐ列車が来るわよ、こっち来てちゃんと並びなさい」
 母親に手を引かれ、娘はベンチから離れる。
 列車がホームに到着する。降りる者と乗り込む者とで、ホームにざわめきが満ちる。蓮子の瞼がかすかに震える。それから、おもむろに目を開き、大きく伸びをした。立ち上がり、バッグを手に取る。自分が着ているピンク色のふかふかした服に目をやって苦笑し、さらにメリーが着ている同じデザインで黄色の服を見て吹き出した。何度見ても笑うしかない。乗客はあらかた乗り込んだようだ。蓮子はメリーの肩を揺すった。
「列車、来たわよ。乗り遅れるとまずいから、起きなさい」
 メリーはうっすらと目を開け、蓮子と目を合わせると、まだ眠そうにほほえんだ。
蓮子とメリーのいつものふたなりです。
ただし今回はふたりともふたなりです。
ふたなりはエロのバリエーションが豊富でいいなあ。

ひと段落ついたのでしばらく執筆は休んで
東方幻想郷のノーマルクリアを目指します。

追記
誤字報告どうもです。訂正しました。

追記その2
みなさんコメントありがとうございます。
>byteさん
いやあやっぱふたなりはいいですね。
その魅力に気づいて、はや五、六年。
思えば甘詰留太がきっかけでした。

>凪羅さん
おかげさまで幻想郷ノーマルエンドできました。
旅行者のいでたちで、東方系観光名所らしきところで
ニヤニヤしている気持ち悪い男がいたらそれはきっと私です。

>3さん
濃さでは誰にも負けない! ……つもりで日々精進したいなぁ。

>4さん
勉強(+実用)のためエロゲ・エロ小説のシチュなんか見てると
一定の決まりきった様式の中でいかにハズしにかかるか
その細かい差異にこそ妙味があるようです。
さながら伝統芸能のように。いや伝統芸能とかまったく知りませんが。なんとなく。

>5さん
旅情は欲情にたやすく直結します。
たとえば旅先のホテルの一室などがそうです。
設備面からいえば圧倒的に自宅に劣るにもかかわらず
わずかな材料で大きな成果を得ることができます。何を言ってるんだか。


>最古符「霊夢」さん
いやはや、「な」と打ったからにもは
どうも右中指が「i」を押すよりも先に
反射的に左人差し指が「r」を押してしまうような体になってしまったようです。

>7さん
ふふふ楽しんでいただけましたでしょうか。

>8.9
語りましょう、職場における、ある種独特の充実したオn(ry
野田文七
http://blogs.yahoo.co.jp/alfettaalfetta
コメント




1.byte削除
うっひょうエロいぜたまらないぜ、ふたなり同士は最高だ!
脱字報告:メリの足の指が蓮子の足首の上まで伸び
「ー」が抜けてます
2.凪羅削除
ヒャッホウ!!
野田さんの秘封+ふたなり同士はエロすぎます( ´∀`)
物語の各所に組み込まれたエロシーンとバリエーション、旅の風景の描写等、作家としてパルパルするところでございますw

幻想郷ノーマルエンド頑張ってくださいませw
3.名前が無い程度の能力削除
この濃度お見事
4.名前が無い程度の能力削除
エロい!実にエロくて好きだ。
特殊な場所でというのは興奮度上がりますね。
野田さんの書く秘封ふたなりのすっかり虜です。
5.名無し魂削除
うおおおメリいいいいいいい蓮子おおおおおおおお
旅情を感じつつ(?)のふたなりセックスは危ない。読んでるほうが暴発する。
なんでこんなに次々と新シチュが開発できるのかこの二人・・・

男もあこがれるほどの絶倫である。
6.最古符「霊夢」削除
いいねぇ、ふたなり!そして蓮メリ!この二人好きすぎるッ!

一つだけ凄い気になったので報告
心にもなり理由→心にもない理由

「なり」って…母親まで感染しましたか…
7.名前が無い程度の能力削除
ふぅ…ふたなりが大好きな僕には最高でした^q^
8.名前が無い程度の能力削除
「俺、ちょっとトイレ行ってくる」
9.JENO削除
エロ過ぎてムフフ・・・

事故った車掌さんwww
10.名前が無い程度の能力削除
いい話だけど迷惑かけまくりだなww
11.名前が無い程度の能力削除
抜いた
12.名前が無い程度の能力削除
凄まじくエロいですね
ふたなりの蓮メリ最高でした
面白かったです
13.名前が無い程度の能力削除
これは…ふぅ…                        車掌と青年なんか可哀想だよ…(´・ω・`)