真・東方夜伽話

河童流、素敵な接待法

2010/01/30 10:03:02
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河童流、素敵な接待法

水鏡千春
河童流、素敵な接待法
自称18歳未満は読んじゃダメ!!


















 気が重い。
 とても気が重い。
 こんな損な役回りを押しつけられるとはなんたる不運、不遇、不況。確かに今回の件、事の発端はこちらにある……と言えなくもない。だからといって、何も自分一人に全責任を擦り付けなくともよいではないか。
 まったく、山の妖怪達ときたら冷徹極まりない。面倒事を避けるため、か弱い河童の女の子を生け贄にするのだから。

「……はぁ」

 生け贄にされた河童、河城にとりは鬱々しい溜め息を吐いた。

(早く帰りたいなぁ……)

 押し付けられた仕事。これを終えない限り帰ることは出来ない。ならば愚痴ってないでさっさと仕事を片付けてしまえ、そう思うかもしれないが、残念な事ににとりが頑張ったところで終わりが早まるものではなかった。むしろあまり頑張りすぎると仕事が長くなるかもしれない。にとりがいつ解放されるのか、その運命を握るのは彼女の目の前にいる二人の少女なのだから。

(いつになったら帰るのかな、この二人……)

 止めどなく酒を煽り、上機嫌で騒ぐ二人の鬼へ、にとりは冷ややかな視線を送った。











 それは数日前。何の予告もなく、突然二人の鬼が妖怪の山を訪れた事が始まりである。
 予想だにしなかった珍客の訪問に妖怪達は騒然とした。
 山は元々鬼のものであり、天狗や河童は鬼が留守の間だけ山を預かっている、というのが建前である。だが鬼が消えて久しい今日、最早この山の所有者は天狗や河童達だ。今更鬼に返上などできるはずがない。故に突然現れた鬼などどうして歓迎できようか。寧ろ武器を持ち撃退しようとするのが必然の成り行きといえる。
 だがよりにもよって訪れた鬼とはどちらも名高い山の四天王。百鬼夜行の萃香と力の勇儀だったのだ。この二人、一見こそただの少女だが、その実、鬼の中でも最も恐れられている存在、最強クラスの力の持ち主なのである。その気になれば一人で山を崩壊させることも難しくなかろう。そんな脅威の実力を持つ鬼が二人同時に出現しては手出しできない。
 下手をすれば自分らがどうなるかも分からない危険な化け物がやってきたのだ。相手が悪すぎる。そう判断したお山のお偉いさん方は、とりあえずゴマを擦り、可能な限り話し合いで解決しましょうという平和的解決案を採用した。

『あなた方は何用でこの山を訪れたのですか?』

 ヘコヘコ頭垂れながらそう尋ねたところ、鬼から返された答えは意外なものだった。
 力の鬼曰わく、

『招待されたから酒を飲みにきた』

 だ、そうだ。
 山の妖怪は目を丸くした。招待した覚えなどないが、鬼が嘘をつくわけないし、そもそも嘘を言う必要もない。ということはやはり本当なのだろう。
 これはいったいどういうことか。
 そこで詳しく話を聞いてみると、とある河童の姿が浮かび上がるのだった。












 あぁ、言ったさ。確かに言った。
 あれは間欠泉での一件、人間の霧雨魔理沙を旧都へ送り込んだ時のこと。力試しにと立ちはだかった勇儀を撃破した際、

『たまには酒呑みにでも遊びに来てやってください』

 と、お誘いした。
 そこまでは認めよう。
 でもあれは別に招待したとかではなく、その場しのぎというかその場限りというか、口からの出任せ……いやいや、ご機嫌とり?じゃなくて……なんというか……えっと、うぅ……。

――本気じゃないって分かるだろ普通!?マジで来んなよ!!

 デンジャラスな鬼を呼び出したにとりは責任を問われた。これだけの大事である。お咎め無しとはいかない。お偉い天狗らが協議した結果、元凶のにとりが厄介な鬼の相手をすることで決着した。
 無論、力ずくでどうこう出来る相手ではないので穏便にすまさねばならない。
 鬼の要求は酒盛りをすること。ならばその要求を受け入れ、山の一角を貸し与え、勝手に飲み騒がせて、満足したら帰ってもらう。そんな平和的かつ安全な解決が一番だ。反対意見もなく案は満場一致で可決された。
 にとりの役目とは、鬼が満足するまでお着きで面倒を見ること。要するに鬼を接待しろということである。
 接待というからにはお客様を誠心誠意に持て成さなければならない。正直あまりやる気の出ないにとりだが、命令である以上懸命に働かざるを得ない。なにせ相手は鬼様である。彼女等に不快な思いをさせるなど御法度。この飲み会を満喫させ、山の妖怪に好印象を持っていただけと上からのお達しがある。鬼の四天王、その半数から支持されれば天狗も河童も安泰。つまりはそういうことだ。
 故に生け贄、利用するだけの道具にされ不快感極まりないが、だからといって命令を無視することも出来ない。お上に逆らえないのが縦社会の絶対ルールなのだ。
 仕方なしに、にとりは甲斐甲斐しく働いた。
 自前の酒だけでは物足りないと、山や里の銘酒を注文されれば直ちにそれを買い出し、酒の肴も作る。転がった空き瓶や空皿の片付けをして、また酒の用意、ツマミ作り……。手が空いた時も休む訳にはいかない。常に鬼の傍で我が儘や変な思い付きに対応せねばならない。
 そんな労働基準法を無視した仕事も今日でかれこれ三日目となった。流石は鬼というべきか、寝ずに休まずに酒を呑み続けながら、まるでばてる様子がない。というより、逆に生き生きツヤツヤしてやがる。
 付き合わされるにとりも当然無休の徹夜。妖怪だから多少の無理は耐えられるが、それでも徹夜続きの辛さは変わらないのだ。マジで勘弁してほしい。
 本当に、いつになったら帰ってくれるのか。今すぐ帰れと腹の底から叫びたい。

「お~い、河童、河童ぁ~」
「へ~い」

 力の鬼、勇儀に呼ばれ、にとりは気のない返事で答えた。
 接客態度としては最悪だろうが、もう三日近い時間相手をしているのだ。今更サービス精神てんこ盛りの対応などする気もなければ出来る気もしない。

「河童は名前なんだっけかね?えっと……あっ、ねっとり?」

 さも正解だと言わんばかりに手を叩く勇儀。

「にとりですよ、勇儀様。3日も一緒にいるんですから、いい加減覚えてくだせぇ……」

 鬼の傍らで腰を下ろしたにとりは、はぁとわざとらしい溜め息を吐いた。
 にとりには、河城にとりという歴とした名前がある。断じてねっとりでもぬっとりでもにっこりでもない。
 酔っ払っているのか頭が弱いのか、勇儀は毎度にとりの名前を間違える。まぁ、どうせワザと間違えて遊んでいるのだろうが。

「そうだったそうだった。おい、にとり。お前も雑務ばかりじゃなくて、一緒に酒を呑みなよ」
「そうそう、酒はみんなで呑むから旨いってもんだよ」

 勇儀に釣られ、萃香もケタケタ笑いながら自分の瓢箪を揺らした。どうやら鬼達は河童を酒盛りの輪に加えたいようだ。
 萃香は瓢箪に入った酒を杯に並々とつぐ。にとりに買いに行かせた酒ではなく自前の酒を注ぐのは、それだけ二人が河童の参加を歓迎しているということである。

「ほら、一気一気~」

 ドンっと重くなった、鬼用の大きな杯を波打たせながらにとりに差し出す。
 どうやらこの酒を全て呑み干せと言いたいらしい。

「……すいません、私はいいです」
「何だ?河童のくせに下戸なのか?」
「いや、そうじゃないっすけど……」

 下戸ではないし酒は好きだ。見た目に反し、それなりにいける口だと自負している。気疲れしている今、呑んでもいいよと言われれば喜んで頂きたいところである。
 しかしにとりにはこの場で酒を呑めない理由があった。それは立場上の問題である。
 あくまでもにとりはお客様をもてなすための従業員であり、それがお客様と一緒になって酒を煽るなどあってはならない。
 正直、馬鹿げた堅苦しさだと思う。実際にとり自身、そんな気を使う必要性など感じていない。
 そもそも愉快で陽気で豪快な鬼がそんな狭苦しい心の持ち主なわけがないであろうに。上下関係を気にしない、無礼講上等の鬼が客と従業員という線引きを意識するなど有り得ない。クソ真面目な心遣いなど不要。だから本来ならば気にせず鬼達と一緒に酒を楽しんでもいい。彼女らは許してくれるのだから。
 ただ残念なことに、鬼は気にしなくともお偉い天狗様方が気にするのだ。
 上下関係に厳しい天狗に

『みんなでお酒いっぱい呑んだ~』

 とでも報告してみろ。只でさえ今回のことで目を付けられ、危うい立場に立たされたにとりを守ってくれる者などいない。
 折檻確実。下手すれば殺される。
 お上にしてみれば、にとりは黙って接客していればいい。余計なことは一切するなというのが本音なのだ。その辺りのことはにとりも重々承知している。よって酒を誘われても丁重にお断りせねばならない。
 だが命令するだけの上司は現場というのを理解していない。鬼にしてみれば乗りの悪さの方が無礼に値するというのに。

「はぁ……なんか盛り下がっちゃったね」
「呑めないなら仕方ないが、このままじゃつまらないし……どうだい萃香、いつものやるか?にとりも入れてさ」
「あぁ~、それならにとりも混ざれるか。じゃあやっちゃう?」
「……?」

 何やら鬼同士で勝手に話を進めている。
 いつものとはいったい何ぞや。何をする気なのか。
 河童はとても臆病な性格。直ぐに水の中へ逃げ、隠れてしまう。単なるチキンとも言えるが、それは危機察知能力に優れていると言い換えることも出来る。にとりの河童アンテナは鬼の会話から危なげな雰囲気を感じ取っていた。
 座した腰が少しだけ浮き上がり、反射的に逃げの体勢にはいる。とはいえまさか本当に逃げるわけにもいかず、中途半端な体勢のままで河童は固まってしまった。
 勇儀と萃香は一時酒呑みを中断、すくっと立ち上がり、そのままにとりへ近づいた。

「ひゃっ……!?」

 鬼の急接近ににとりはビクッと肩を跳ね上がらせた。
 ヤバい。やはり誘いを無碍にされたことを怒っているのだろうか。別に取って喰われはしなかろうが、やはり鬼の四天王二人に迫られると恐怖に戦慄いてしまう。
 戦々恐々ガクガクブルブルしている河童の両サイドで勇儀と萃香は座り、慌てふためくにとりの両腕を抱き掴んだ。
 捕らわれては逃げようにも逃げられない。

「ひぇっ!?何すかっ、何なんですか!?」

 最強の鬼に挟まれ、軽いパニック状態に陥ってしまったにとり。プルプル忙しく首を回し、勇儀萃香勇儀萃香と交互に顔を向ける。
 挙動不審な河童に失笑してから、不意に勇儀が動き出た。

「まずは私から……」

 自分の方を向いた河童を片手で固定し、そのまま素早く顔を寄せる。目を合わせるよりも先に鬼の少女と河童の少女の唇が合わさった。

「んっ!?むんんっ!?!?」

 当のにとりには何が起きたのか分からなかった。ただほんの数センチ先に勇儀の精悍な顔があって、唇が温かく湿っていて、柔らかな感触が……。

「んちゅ……ちゅ、ちゅぷっ!?」

 閉ざしていた唇が勇儀の舌で強制的にこじ開けられる。完全な不意打ちに、無防備な唇はあっさりと敵の侵入を許してしまった。舌と共に、溜め込んでいたらしい大量の唾液が口腔内を犯す。そうとう強い酒を呑んでいたのだろう。クラリと目眩を覚えるほど強い酒精。ほんのりと酒の甘味が口の中を刺激する。

「くふぅ、ん……んく……こくっ」

 それは多分、意識が正常に働いていないがための、生理的な行為だったのだろうが。気付けばにとりは流し込まれた勇儀の唾液を喉を鳴らしながら嚥下していた。

「ちゅく、んっ、はむっ」

 河童の従順さに満足げな勇儀。調子に乗った鬼は、更なる侵略を目指し舌を口内へ進めた。が、ここにきてようやくにとりの脳が現状を把握したらしい。勇儀の口腔蹂躙から逃れようと大きくかぶりを振った。

「んっ?んんっ……」

 予想以上に激しい抵抗に、さしもの力の鬼も致し方ない様子でにとりを解放した。

「ぷはっ……!!」

 口付けの間中ずっと息を止めていたのだろうか、何を置いてもまず先に大きく酸素を吸い込む。十分に呼吸をしてから、にとりは顔を真っ赤に茹で上げ、勇儀を非難した。

「はぁはぁっ!んっ……んなななな、何するんで、っん、むむっ!?」

 しかし河童の非難も最後まで続かなかった。今度は百鬼夜行の鬼に唇を奪われたのだ。

「ふむっ!?ふむむっ!!」

 とっさに頭を振り逃れようとしたが、二度も同じ方法が通じるほど鬼は甘くない。
 萃香はまた逃げられないよう、両手でがっちりとにとりの顔を固定している。元々腕力の差は絶望的で、この程度の対策でもにとりは詰んでしまうのだった。
 先と同様に唇を割り開かれ、鬼の侵略を許してしまう。瞬間、口の中に大量の液体が流れ込んできた。

「はうっ!?ちゅ……ぢゅるっ」

 かっと熱くなる甘い液体。先のような残り香ではない、これは本物の酒だ。どうやら事前に酒を口の中に溜め込んでいたらしい。それを口移しで呑まされる。出口は塞がれ喉の奥へしか進める場所がないのだから呑むしかない。

「こくっ……こくっ……」

 口移しした酒をにとりが全て呑み込むのを確認してから萃香は唇を離した。

「げほっ、げほっけほっ……えふっ?」

 クラッと視界が霞んだ。気のせいか呂律までうまく回せない。
 一瞬の出来事だった。口を離し咳き込んでいる間に身体の熱が急激に上昇した。
 それは酔いの症状である。

「ふっ……んっ……」

 アルコールが瞬く間に身体へと浸透する。頭の中はぼぉーと霞掛かり、脳の働きが低下。息は荒れ頬は上気、悩ましげににとりは肢体をくねらせた。

「あれれにとり、もう酔っちゃったの?」
「随分やわだね。やっぱり下戸だったのかい」
「少しはお酒を飲む練習しておかないと。そんなんじゃ山で上手くやっていけないよ?」

 いやいや、にとり自身はそれ程酒に弱くはないが、それ以上に鬼が呑む酒が強すぎるのだ。まるでアルコールをそのまま流し込まれたような気分。また三日も不眠不休で、心休まる時もなく、絶えず緊張状態だった事も起因しているのだろう。身体的にも心意的にも消耗しきったにとりは、一切抗うことも出来ず、どこか心地よい酔いの最中に吸い込まれていた。多分このまま放っておけば確実に寝入ってしまうだろう。
 勿論黙って寝かせてくれる鬼ではない。

「それよりいい感じに出来上がったね。そろそろ頃合いか」

 幼い外見に似合わぬ、随分と色っぽい反応を見せるにとりに鬼達がいやらしく笑む。酒が回り、頬を染め、眠たげに瞼を落としたとろけた表情は食べごろの証だ。
 勇儀の手がにとりの腹部を擽るように撫でた。

「は、うっ……!」

 この程度ではまだ快感にはほど遠いらしく、ただくすぐったそうに身を揺するにとり。これといって抵抗しないのは急激に回った酔いのせいか、自分がいったい何をされているのか、これから何をされるのかがまるで分かっていない様子である。
 構わず勇儀は服の中へ手を入れる。膨らみは少ない、ほぼ真っ平な胸。しかし男のような硬くゴツゴツした胸板とは違い、まるで餅かマシュマロのような弾力性に富む柔らかさだった。大人の豊乳と比較した場合、揉みごたえこそ足りないが、押す度に指に吸い付く張りの良さはえもいわれぬ魅力で触る側を惹きつける。勇儀もまたその例に漏れず、夢中で河童少女の胸を揉んだ。

「ちょっ、やめ……ふぁっ」

 敏感な部位への刺激に覚醒を促される。いくら鈍くても、服の中に手を入れられ胸を揉まれたら、相手がいったい何を求めているか分からぬはずがない。トロリトロリと水気を増したにとりの光彩のような瞳が大きく見開かれた。唇を小刻みに震わせ、不安な色を浮かばせながら勇儀を見つめる。
 その様子に横から萃香が口を出した。

「あれ?もしかしてにとり、エッチは初めて?」
「うぅ……」

 何も答えず、顔を背ける少女。
 萃香の指摘はどうやら大正解だったようだ。
 そもそも生き物として流れる体内時間が人間のそれを圧倒的に凌駕する妖物にとって子孫を残す必要性は皆無。生殖活動をする理由はない。一見性行為未経験というのも珍しくはないように思えるが、しかし長寿というものは何かと時間を持て余すのが常。要するに暇なのだ。ならば暇つぶしに娯楽へ走るのもまた必然で、その候補に高確率で上がるのが性行為である。本来の目的でそれをする者は少ないが、遊びとしてなら大抵が性的な行為を経験済みというのが妖怪の中での常識である。それがまさか河童の初物というレアな存在に出会えるとは思わなかった。そのことが陵辱者を扇情ににやつかせた。

「初めてか。勿体無いね、こんなに気持ち良くなれるのに」

 そう言いながら、勇儀の優しく撫でるような手つきは一転し、胸を揉む手に力を込めた。

「い、っ!?……痛い、やめてっ、ください……!」
「よいではないか、よいではないか~。だんだん気持ち良くなってくからさ」

 苦痛に歪むにとりを無視し、込める力を強くしていく。まともな膨らみもない小さな胸は乱暴な愛撫に対応できるほどの柔軟性はなく、胸の奥にある芯を刺激されるような痛みが増大していく。快感とは程遠いツンと響く痛覚。河童の目尻に涙が溜まった。

「そんな身体に力を入れないで楽にしなよ」

 身体を強ばらせているせいか、どうも反応は芳しくない。萃香は今一度酒を口に含み、半開きになったにとりの唇を奪った。

「んっ……んぷっ……」

 抵抗するかと思ったが、意外にもにとりは素直に萃香を受け入れた。舌先で軽く唇をなぞると、簡単に口腔内へ侵入できる。多少覚醒しようと、抵抗の意志を萎えさせるくらいの酔いは残っているようだ。ならばもう少し酒を与えれば身体も素直になるだろう。
 頬の内側に溜めた酒をにとりの口の中へ流し込む。
 口内を満たす酒精。トロリと甘い刺激の味。魅惑を放つ麻薬の誘惑に耐え切れず、にとりはむしろ進んでその毒を喉奥へと落としてく。脳焼き身焦がす魔性の液体が幼い河童を狂わせる。酒は百薬の長などという言葉があるが、元来の薬とは薄めた毒のことである。つまり酒を飲み過ぎれば当然毒へと転じるのだ。もっとも今現在にとりを浸食する毒の種類は、一般的なそれとは別種のようだが。
 クラクラと眩暈がした。
 身体の火照りが治まらない。
 淫らな情欲が頭の中を満たしていく。
 毒は毒でも、それは媚を呼び覚ます魔性の毒なのだ。
 それも疲れきっているにとりには耐性というものがなくなっている。喉鳴らし身体の内側へ落とす一口一口が余すことなく全身を侵食する。
 他人に身体を撫で回される感覚。鬼の力強い愛撫は痛いはずなのに、次第と痛覚は酔いの中へ沈んでしまう。
 無性に眠かった。
 ふわふわと身体が浮き上がりそうだ。
 気持ちの良い怠惰感。
 その横で勇儀が口端を吊り上げ、サディスティックな笑みを浮かべていた。

「お前は私らを持て成すのが仕事だろ?ならしっかり奉仕もしないとね」
「ほ、ほう……し?」

 瞬間、本当になんのことだか分からず、間の抜けた顔を向ける河童。

「萃香、あれ付けておくれよ」
「あいよ~」

 萃香は間延びした返事で頷き、それを受け勇儀が立ち上がる。その時には既に勇儀の要求は達せられていたのだ。
 座るにとりには、スカートに隠された股間部が丁度顔前の位置にある。そこには不自然な、しかしはっきりと分かる膨らみがあった。眉根を眉間に寄せる。溶けた脳みそはそれが何かを理解できるほどの働きは出来ない。しかし本能はそれを察し、訳も分からぬうちに赤面していた。
 勇儀は、本当に楽しそうな顔をしながら、ゆっくりとスカートを捲り上げた。
 もしかしたらこういう状況になることを予め予想していたのかもしれない。準備が良すぎるのだ。まさか普段からそういう主義とは言うまい。
 勇儀は下着を穿いていなかった。そして、隠すものがないのだから当然の如く丸見えになっている、あってはならない物体ににとりは目を丸くした。先ほどの萃香と勇儀の会話はこのことを言っていたのだろう。密と疎を操る萃香は萃めたものを別の形に転じることも出来る。そういうものを付けることなど造作もないことなのだ。

「っ!?」
「さぁ、まずは口でして貰おうか?」

 知識はあっても経験はない。形状は知っているが生で見るのはこれが始めてだ。呆気にとられた様子で勇儀の言葉も届いていない。ただただ呆然と目の前の物体に目を奪われていた。
 ビンっと反り返った肉の茎。先端部の広がった肉傘。中心には割れ目があって、そこから透明な液体が分泌されていた。鼻をつく刺激臭は微かな不快感をにとりに与えたが、それ以上に思考をクラクラと揺らし、不可思議な欲情を揺り起こした。ビクンビクンと触れてもいないのに勝手に痙攣する様は、まるで別の生き物である。

「お、おちんちん……?」

 お話の世界でしか見たことのないそれの名を無意識のうちに口にしていた。自らの口で言葉にすると、その存在がより一層明確になる。
 ゴクリとにとりは生唾を飲み込んだ。
 本当なら初な河童は、それを見た瞬間に悲鳴の一つも上げていただろう。しかし今のにとりは、例えるなら夢の中をさ迷うような気分で、仮に夢の中で何か驚愕的なことに出会っても叫びなど上げるものだろうか。にとりはただただ呆然と少女の股間から生えた肉の棒に目を奪われていた。

「……」
「そ、そんなに見つめられると照れるなぁ……」

 呆れた様子で頭を掻く勇儀。正直やりにくい。だがこういう間抜けな反応もかえって新鮮で面白いかもしれないと思い直す。

「にとり、口を開けな?」
「……」

 経験なくとも案外耳年増な河童だけに勇儀が何を要求しているかは分かる。そしてそれを拒む気も逆らう気も起きなかった。
 小さな口をいっぱいに開き、れろっと薄い朱色の舌を出す。
 従順な河童に気をよくしながら、勇儀は己のイチモツをにとりの口内に突き入れた。

「ふぇ?……ふぶっ!?んっ!!」

 巨大な異物が唇を割りながら侵入する。顎が外れそうなほどに大きくて、焼けるように熱く、ごつごつとした肉の感触が伝わってきた。想像を遥かに上回る巨大さと硬さに驚き、確かめるように舌先でその形をなぞった。

「じゅるっ、はふっ……」
「んっ!」

 ピンクの柔肉が蠢いたかと思えば、亀頭に絡みつきそのまま鈴口を突かれた。背筋を抜ける鋭い刺激に勇儀が呻く。にとりの反射的な行動は鬼にとって十分な快感だったのだ。分かっててやったことではないが、それ故予想も出来ぬ完全な不意打ち攻撃となり、情けない喘ぎを出してしまった。
 声を上げる鬼に驚いき、慌てて離れようとするにとり。だが勇儀がそれを許さず、両手で頭を固定して、腰を思い切りに突き出した。
 喉の奥に亀頭がぶつかる。

「っふぐ、くるひっ……ひあっ!!」

 丸い亀頭の先がすっぽりと呼吸器官を塞ぎ息が出来ない。水性妖怪とはいえ、呼吸をしなくてもよいわけでなく、息が出来なければ人間と同じ様に苦しかった。しかし鬼はそんなにとりの苦しみを気にしてはくれない。寧ろ苦しむ河童の様子に愉悦を覚えているようにも見えた。

「ほらっ、さっきみたいに舌でしてごらんよ」

 想定外の刺激で喘いでしまったことにプライドを傷つけられたのか、それとも単ににとりの愛撫がお気に召したのかは分からないが、勇儀は力任せに腰を振り、何度も肉先で喉奥を叩き上げた。

「ふぐっ、げふっ、げほっげほっ……!んっ、んんっ!!」

 据えた臭いと苦しょっぱい味の粘液が少しずつ口内を満たしていく。口の端からカウパー混じりの涎が溢れ、唇の周りがテカテカした汚液で汚れてしまう。それでも勇儀は容赦しなかった。がっちり後頭部を掴まれては逃げることも叶わず、ただひたすらに鬼の性欲を解消するための玩具になるしかない。

「うっ、ぐ、ふぶぶっ!!うぐぅうっ!!」

 あまりの苦しさに涙が流れた。

「ちょっと勇儀、にとりは初めてなんだから優しくしてあげなよ」

 勇儀の乱暴な扱いに見かねた萃香が横から助け舟を出す。正直素人相手にはきつい扱いだ。別に強姦しているのではないわけで、あまり傷つけるような真似はしたくない。

「あ?……あぁ、そうか。悪い、ついね」

 萃香に諫められ、勇儀は我に返ったという様子で突き出す腰の動きを止めた。ふと、視線を落とせば羞恥や恍惚などとは別種の朱を頬に注いだにとりが苦しげに呻いていた。目尻から流れる涙の筋が痛々しい。
 少し調子に乗りすぎたか……
 ばつの悪そうな顔で勇儀は頭を掻いた。何だか悪いことをしてしまった気分である。動きを止めても鬼の大きなイチモツを咥えたままでは苦しかろうと、勇儀は一旦にとりから離れた。

「げほっ、けほごほごほっ……はぁはぁ……」

 唇が自由になると、今まで溜め込んでいた分を一気に咳き込み、それから存分に呼吸を繰り返す。はぁはぁと何度か続けるうちに楽にはなってきたが、それにしても口腔奉仕とはこんなにも辛いものだったのか。にとりが聞いていた話ではしている方も気持ち良くなってくるはずなのだが、実際は苦しいばかりで気持ち良くなどないではないか。そのことが多少なりともショックである。

「にとり、もう一回勇儀のこれ咥えてみなよ」
「またやるんすか……?」

 萃香の提案に、にとりは眉をひそめた。
 もう苦しいのは嫌なんですけど……。そんな思いが込められたうるうる目で萃香を見返す。

「あはは、そんなに嫌がらなくても、さっきのは勇儀が無茶したから苦しかっただけだよ。今度はそんなことしないからさ」
「でもぉ……」

 そう言われても、やはり初体験で乱暴されれば、トラウマものだ。最初のイメージは殊の外重要で、だからこそ何も知らなかった時は積極的だったにとりも、今一度要求されたフェラ行為は厭うていた。

「ほら、勇儀が犬みたいに腰振るからにとりが怯えちゃったじゃん」
「はいはい私が悪かったよ。すいませんでしたー」
「勇儀も反省してるし、ねぇ?もう一回やってごらんよ?」
「うぅ……」

 萃香は猫なで声で説得を続けながらヒクンヒクンと天を仰ぐ勇儀のペニス掴みにとりへ向ける。つるりと向けた赤黒い亀頭が本物の亀の頭だとしたら、確実に目が合っていただろう。上を向いている状態ならまじまじ観察も出来たが、真正面から男根を直視することには恥ずかしさを覚え、ふいっと視線を逸らした。

「今度は優しくしてあげるから」

 唐突に耳元で萃香が囁いた。
 ペニスを見ないようにと横を向いた一瞬に顔を近づけたらしい。声だけでなく熱い吐息までが耳の穴に吹きかけられ、ゾワッと身体から力が抜けてしまった。強張る肢体が震えると同時に、萎縮した精神面も微かに顔を上げる。たったそれだけでにとりの抵抗は崩れていった。随分とガードが甘いのは酔いのせいもあるのだろう。あれだけ強引な仕打ちで苦しみながら、もう一度くらい試してみてもいいかな、などと考えてしまう。
 萃香は優しくしてあげるからと言った。
 ならば今度は気持ちよくなれるかもしれない。卑猥な期待を秘めながらそっと視線を戻し、尚もこちらに頭を向けている亀頭に向き直った。

「……」

 こうして亀頭を中心に見てみると、改めてその怒張の大きさには驚かされる。竿よりも先端部の方が膨らんでいるから余計に太く見えるのかも知れないが、一度は口で咥えた物。その巨大さが目の錯覚や見せ掛けだけでないことを知っている。こんな大きいものを自分だけで咥えきれるだろうか。
 じーっとイチモツを見つめたまま固まる様子を見れば、にとりがいったい何を考えているのか分かってしまう。

「最初は先っぽだけでいいよ。飴玉みたいに舌で転がして」

 どの道、鬼には逆らえないのだ。
 まだいくらか口腔奉仕に対する畏怖が残っているのか、それとも考えていることを見抜かれて恥ずかしかったのか、にとりはギュッと目を閉じる。暫し戸惑ってから意を決して口を大きく開き、男根の肉先にパクリと食いついた。
 途端に勇儀が小さく鳴いた。温かく柔らかい唇に亀頭が覆い尽くされる。無理矢理口内を往復していた時とはまた違った快感。少女の唇の心地よさに加え、献身的な奉仕に我が身を費やす河童の姿を見ていると精神的にも昇ってくる。

「今度は動いちゃダメだからね」
「……分かってるって」

 勇儀の変化に目敏く反応した萃香が釘をさす。先に注意しておかなければまた調子に乗り出すかもしれない。悪いが今回勇儀には黙ってモルモット役に徹してもらおう。

「んっちゅ……ふぇろ、へろ……ぢゅちゅっ」

 命令通り舌を這わし始めたにとり。飴玉を転がすイメージだそうだ。萃香のアドバイスを素直に受け入れ、自分に出来る限りの奉仕に挑む。
 だがそこはやはり未経験者。相手を気持ち良くさせようとする熱意こそ感じられるが、実際の舌の動きはぎこちない稚拙な愛撫。愛撫というより、単に口の中に入っている物に舌を当てているだけである。まぁ、普段から精魂込めて飴玉を舐める輩はいなかろう。やる気は十分なれど、やり方がわからない。
 そんな初なフェラチオは情欲こそ燃え上がるものの、肉体的な快感はあまり高くない。こと勇儀に限ってはこういう遊びに慣れているのだ。少女の魅惑の唇もただ咥えるだけでは物足りなくなってくる。一味増したテクニックが欲しいところである。

「勇儀、どう?気持ちいい?」
「ん……悪くないけどさ。動きが単調すぎだね」
「ふいまへ……うぶ、んっ、んんんぅっ……」

 鬼の駄目出しを、怒られているのだと思ったのか、にとりは懸命に舌の動きを加速させた。しかしただ速くしただけで、やっていることは何も変わらない。これでは鬼を満足させるだけの勢いは生まれなかった。もっと舌を絡めたり、唇も動かしたり、亀頭だけでなく竿まで口に含んだりと、出来ることは色々ありそうなものだが、性経験のない無垢な少女にそういった手段は思い浮かばないようだ。
 先を舐めろと言われたから先を舐めるだけ。そこから応用に発展しない。
 まあ仕方ないとはいえ、ぶっちゃけこのままでは下手過ぎて達せそうもない。別ににとりを責めている訳ではないが、奉仕を受ける勇儀の顔に飽きの表情が浮かび始めていた。

「ふぇ?ぢゅぷ……んっ、ぐす……ふぶぶっ」

 口奉仕に徹するにとりにはその表情こそ見えないが、冷めた雰囲気は嫌でも伝わってくる。冷たい空気がにとりを追い詰め焦らせ、しかしどうすればいいのかは結局分からず仕舞い。次第に河童の瞳が潤み泣き出してしまった。
 感情が変化しやすいのも酔いが回っている証か。
 これではフェラチオ行為がトラウマになりそうだ。気持ちいいどころか、苦しかったり悲しかったりするばかりで、良いことなど一つもないではないか。

「ひくっ、ぐす……ちゅぷ、ちゅ……くすん」

 如何に経験豊富な鬼達でも、口腔奉仕がうまく出来ないという理由で泣き出す輩を見るのは初めてだった。それでも肉棒から口を離そうとしない懸命さが良心的にも痛い。
 おいおいという感じで頬を掻く勇儀に、ありゃま……という感じで額に手を置く萃香。
 ここまで気分が盛り下がると、怒張までもが萎えてしまいそうだ。しかしここで縮んではにとりの心に一生ものの傷が残りそうなので必死に勃起を保つ。楽しいはずの遊びが、何やら妙な方向へ流れ始めていた。

「分かった……分かったから、ちょっとやり方変えよっか……」

 この状態で続けてもこのどぎまぎした空気は収拾つきそうにない。仕方なく萃香は、一旦にとりに離れるよう命じた。

「うぅ……」

 制止を受けたにとりの落ち込みはひどいものだった。
 そんなに自分のやり方は悪かったのか……
 鬼に満足してもらうまで尽くすのが使命だというのに、その大命を果たせぬとは無念の一言に尽きる。何より仕事以上に、相手の性を満たせぬまま止めろと言われたのが女として屈辱的だった。自責と悔恨に苛まれ涙が止まらない。こうなっては泣き上戸、亀頭の蓋が外れた口からは嗚咽ばかりが溢れていた。

「ほら、勇儀のせいでにとりが泣いちゃったじゃん」
「私が悪いのかい……?」

 誰が悪いという話ではないが、これでは引っ込みもつかぬ有り様だ。

「にとり、ちょっと胸を出してよ」
「ぐすん、胸ですか?……なんでまた」
「いいからいいから」
「……?」

 命令の意図が分からず、ぐずっていたにとりがきょとんとした顔に変わる。とりあえず黙って従うことにしよう。
 お口でペニスをしゃぶった後だ。今更ありもしない乳を曝け出すのに大した抵抗は感じない。
 水色合羽のような上着を捲ると下には何も着ていない。元々泳ぎの邪魔にならないための服装が河童のデフォルトであるため、余分な服や下着は着用しないのだ。随分なことだが、行為の邪魔にならないのはありがたい。
 萃香は自分のつるぺたよりはほんの少しだけ膨らみの見える胸にそっと手を翳した。

「っ!?」

 するとどうだろうか。不意に胸元辺りがかぁ~と火照り、むずむずと痒いようなくすぐったいような感覚が奥の方から湧き出す。触れられぬ場所のむず痒さは靴を隔てて痒きを掻くというやつだ。
 もどかしさに両手で胸元を隠すように抱くと、その瞬間ボンっと両腕が内側から弾き飛ばされた。

「なっ!?何さこれ!?」

 にとりは思わず目を見張った。弾かれた衝撃に背を仰け反らせたにとりは、自分の平らな胸の上で動きに合わせプルンっと揺れる大きな双乳が乗っているのを見たのだ。いや、乗っているのではない。豊満は紛れもなく自分の乳房だった。平らだった筈の胸が一瞬にして膨らみ、両手でも余る程の巨乳に成長したのだ。

「へぇ~、流石萃香。いい趣味してるね」
「でしょ?」

 驚愕するにとりをよそに鬼達の冷静だった。それもそのはず。これもまた萃香の能力である。密と疎を操る鬼にとって全身を巨大化させたり、一部だけ成長させることなどなんてこともない朝飯前の芸等なのだ。
 一テンポ遅れて、にとりも萃香の能力を思い出した。なるほど、自分の胸が突然大きくなったのは鬼の力だったのか。そして巨乳で奉仕ときたら、やることは一つしかあるまい。
 爆乳牝河童は慣れぬ自分の谷間を覗き頬を赤らめながら、二人の鬼をちらりと見遣った。

「その胸があればさっきよりはうまくできるでしょ?」
「それは楽しみだね。パイズリなら私も満足出来そうだ」

 言うが否や、勇儀はその場に座り込むと足を大きく広げ、ピンと反り返る男根を強調させた。鬼のイチモツは最高潮まで膨らんでいた。童顔で幼児体型の河童が、しかし胸だけは不釣り合いに大きい。そんなアンバランスさが殊の外淫靡で、鬼を興奮させているのだ。

「さあ、早速挟んでおくれよ」
「……わかりました」

 流石は耳年増な河童だけあって、パイズリという行為がどんなものかは知っていた。
 処女に加え、元々は貧乳だ。当然恥ずかしさはあったが、先ほどの不評ぶりを思えば、またとない汚名返上のチャンスである。
 にとりは四つん這いになり這い進むと、勇儀の足の間に身を進めた。

「じ、じゃあ、やりますよ?」

 一度上目遣いに勇儀の顔を確認してから、随分と重くなった乳肉を鷲掴みにした。
 元々が平らな胸だったにとりにとって、こうして巨乳を掴むなど初めてのことだった。そして実際触れてみて、その餅のようなフニフニした柔らかさに内心驚いていた。小さな指などあっという間に乳肉の中に埋もれてしまうほどの重量と柔軟さ。それでも張りのある分、食い込みは綺麗な輪郭を描き美しさを感じさせた。この揉みごたえと触り心地には、自分のものだということを忘れて感心してしまう。不思議と自信も湧くようだった。
 間もなくして、持ち上げた豊満な下乳と亀頭の先っぽが接触した。
 にとりはそっと鷲掴みにしていた手を離すと、重い果実は重力に従いムニュリと形を変えながら落ちる。下で伸びていた陰茎は乳房の谷間にすっぽりと収まってしまった。

(これで扱けばいいのかな?)

 ただ挟むだけではパイズリにはなるまい。イチゴ大福のような乳肌を今度は横から掴み上下に動かした。まあ所詮やっていることは、適当に手を動かしているだけである。それでも両手ですら有り余る爆乳のポテンシャルは凄まじいもので、谷間に埋もれたペニスにかかる乳圧は熟練の鬼を唸らせるに十分な威力があった。

「あぁ、今度のはいい感じじゃないか」

 勇儀の言葉がにとりを嬉々させた。

「はぁはぁ、こうですか、勇儀様?これでいいんですか?」

 褒められたことがさぞ嬉しかったのだろう。同時に、下腹部の辺りがキュンと疼くような刺激が走った。その正体は掴めなかったが、ただもっと褒めてもらいたくて、にとりは手を動かし続ける。
 健気な姿を見せるにとりに、萃香が新たなアドバイスを与えた。

「もっとお尻を高く上げて、体重をかけるといいよ。おっぱいで身体を支えるみたいにさ」

 軽く頷くと、言われた通りお尻を掲げる。と、自然と背が弓なりに反れ、上半身の体重が乳房にかかる。重さを受けた分乳肉は平たく潰れ、完全に谷間に埋まっていた肉棒が、うまい具合に亀頭だけ顔を出した。

「わっ……」
「これでおちんちんも一緒にしゃぶれるでしょ?それから今度は舐めるだけじゃなくて、ちゅーって吸ってごらん」

 萃香の指摘が的確であるように思えた。にとりはまるで疑うこともなく言われたことをそのまま実行する。曝け出された亀頭冠にパクリと食い付き、舌を数度往復させたのちに思いっきり吸い上げた。

「くうっ……」

 すると途端に勇儀が上擦った声をあげ、胸の谷間のペニスもビクリと跳ね上がったではないか。それが快感からくる反応であることは明らかだった。

「勇儀様、ちゃんと気持ちいいですか?」
「あぁ、すごくいいよ。もっとやっておくれ」

 言われるまでもなく、にとりは自ら行為を再開させていた。
 何度も舌を動かしては吸引し、また胸で竿を扱くことも忘れない。その度に勇儀の口からは嬌声が漏れ、亀頭からはまたしょっぱい粘液が溢れ出てきた。
 間違いあるまい。自分の愛撫で感じているのだ。
 ペニスが気持ちよさげに震えると、下腹部の変化がより明確になった。お腹の奥が熱くなり、膣内がざわりと蠢き愛液を押し出したのだ。

(あれ?何か、これ……私も気持ちいいかも……)

 ただ奉仕しているだけなのに、何故か無性に心地良い。子宮がジンジン疼き、切なさが広がっていく。滲むカウパー汁の味、ねっとり絡みつく熱に頭の中がボォーとしてきて、にとりはもう夢中で勇儀のペニスをしゃぶっていた。

「勇儀、にとりが口を離さないように頭押さえててよ」
「ん?別に構わないが、なんでまたそんなことを?」
「いいからいいから」
「……?」

 萃香の要求に勇儀は首を傾げた。
 自ら進んで奉仕を行う従順な相手にわざわざ押さえ込むような真似をする意味があるのか。
 よく分からないが、断る理由もない。まあそうしろというのならそうしておこう。勇儀はにとりの後頭部に手を置き、勝手にペニスから口を離せないよう押さえる。
 対して、当のにとりに気にする様子はなかった。元より今更この男根から離れる気などない。
 上手にすれば褒めてもらえる。気持ち良くすれば我慢汁が溢れる。そして褒めて貰えた時にくるお腹の中が熱くなる感覚。我慢汁を飲み込んだ時の不可思議な快感。もっともっとあれを味わいたくて、にとりの口腔奉仕は勢いを増した。
 河童は基本的怖がりな妖怪だ。臆病な性格の者を叱りつけると、怒られる事を恐怖し、失敗することに畏怖し、仕舞いには焦りと恐れで身動きがとれなくなってしまう。そういう輩を伸ばすなら叱るのではなく褒めるべきなのだ。兎に角褒めて褒めて褒めまくるくらいのほうが丁度いい。
 褒められることに快感を覚え、そしてそれが行為で受ける性の快感と混同し、相乗効果でにとりのやる気は倍増している。故に成長も早い。ついさっきまでは口戯に応用なんて考えもせず、言われたことだけしかしなかったにとりが独自の動きを編み出し始めた。

(そういえば、最初こうやったらビクッて……)

 初め淫棒を挿入され、その大きさに驚き、思わず亀頭に舌を這わせてしまった。あの時の肉棒の反応を思い出し、同じことを試してみようと考える。

「んんっ……ほうあったあら……」

 出来る限り口内で舌を伸ばし、亀頭の剥けた曲線に合わせにゅるりと絡ませる。何度か亀頭の外周を舐め回してから、舌を窄め、鈴口の割れ目の線に合わせゆっくり舐った。

「うぁ!?何だい、急に張り切りだして」

 形式通りにしか動かなかったにとりが見せた突然の変異愛撫。それも的確に性感帯を狙った攻撃に勇儀の腰が浮かび上がった。

「ぁく……んっ!!」

 ぶるるっと力の鬼が足先から痙攣を起こした。油断していたせいか、今の一撃で軽くイきかけてしまったのだ。
 そこはまあ、流石百戦錬磨の鬼。寸での所で歯を食いしばり、射精までは堪え抜いたものの、虚を衝かれた一瞬に練り出された精液は既に尿道へと送り込まれていた。いくらなんでも出口へ向かってしまったモノは止めようもない。長大な肉竿の内部をゆっくりと昇った白濁液が、どぷりと亀頭から垂れ流れた。

「ふぶ?……ん、ちゅるり」

 フェラもパイズリも今日が初めてのにとりに、相手が軽く達したことなど分かろうはずもない。鈴口から垂れた粘液をまた新しいカウパー汁だと思い、何も考えずにペロリと舐めとってしまった。

「んむむっ!?」

 今までしゃぶっていたしょっぱい汁と違うことは直ぐに分かった。明らかに異質だったのだ。
 トロリとした粘液ではなく、もっと濁ったドロリとしたゼラチン質の半固形液体。ぬるぬるしたそれは口に溜まった唾液程度ではまるで薄まらない。狭い口内はあっという間に浸食されていた。また味もしょっぱいというより苦く、すんと鼻の奥まで抜ける青く生臭い異臭を放っていた。
 しかし不思議と嫌な感じはしなかった。初めての臭いと味に舌がピリピリと痺れ自然と瞳が潤む。こんなもの今まで口にしたことはない。だが身体は昔からの大好物だと言わんばかりに激しく反応を示した。
 お腹に何か重いものを感じ、じりじりと湧き上がる。女陰口からトプっと愛液が漏れた。微かに入り口を濡らす程度ではない。今度のははっきりそれだと分かる量。スカートの下で熱い蜜が太腿を伝い落ちていくのを感じられた。

「はふっ、はぅんんっ……ぢゅるぢゅるっ」

 それが本物の発情であることを幼い牝河童は本能的に悟った。
 熱い。身体が熱い。
 アルコールより遥かに熱いものが身体の深い部分から吹き出す。
 何かが物足りない侘びしさ。
 異常に乾く喉。
 もっと飲みたい。あの臭くてぬめった粘液を飲みたい。
 もっと出して、もっと出して。
 そうせがむようににとりの責めは鋭く的確に進化していく。

「ちゅ、ずちゅっ!!ちゅぷちゅぷ……ぢぢゅるぅっ!!」

 吸うと舐める。擦る、つつく、抉る。
 最早形式などない。淫乱河童が相手の反応を見ながら編み出したオリジナルの口戯でターゲットを昇天まで導く。
 これがもし通常の手練れ程度ではあっさり終わっていただろう。されど鬼はそう簡単に敗北を背負う妖怪ではない。不意打ちならまだしも、覚悟さえ出来ていれば主導権を奪われることはないのである。

「クスっ、随分うまくなったじゃないか。ほらほら、もっと色々試してみなよ」

 勇儀にはまだ余裕が見え隠れしていた。
 鬼と河童の鬩ぎ合い、その均衡はしばらく続きそうだった。
 そんな時である。今までずっと裏方に徹していた萃香がようやく動き始めた。

「じゃ、勇儀がそっちで楽しんでる間に、私はこっちで楽しませてもらうかな」

 そう言うと、萃香はさっとにとりの後ろに回り込んだ。萃香に教わった通り、胸に体重を乗せるため、お尻は高く上げた状態のままだ。後ろから見ると、まるでどうぞ触ってくださいとおねだりするため掲げているようにしか見えない。

「にとりの処女は私が貰うね~」
「あっ!?こら、ずるいじゃないか萃香!!」
「勇儀はパイズリとフェラで忙しいでしょ?こういうのは順番だよ」
「最初からそのつもりか……」

 ちっ、と勇儀は大きな舌打ちをした。
 今更ながら萃香にハメられたことに気付く。
 ずっと裏方に回り、にとりを巨乳にしたりアドバイスしたりしていたのは、勇儀に上半身を与え、動けなくなっている間に自分が下半身を頂こうという狡っ辛い魂胆だったのだ。河童の初物などまずお目にかかれる代物ではない。ならば是非ともその初めてを散らす役目を受けたいものだ。それは萃香、勇儀、両方の鬼に言える望みだった。故に萃香は争う前に勇儀を出し抜いたのだ。
 口腔奉仕を中断し、自分に処女を奪わせろなどという身勝手は言えまい。こうなっては一番おいしい役は萃香に譲る他なさそうだ。

「文句はないよねぇ?」
「あぁもうっ、好きにしろ」
「じゃあ遠慮なく~」
「ふぶっ、ふむぅうっ!!」

 処女の持ち主である当の本人の意見など聞かず、鬼達は勝手に重要な話を進めていく。
 にとりの処女は萃香が貰う。そう可決されると、萃香は徐にスカートに手をかけた。
 にとりの瞳が大きく見開かれる。泳ぎの邪魔にならぬよう、河童は基本下着を着ない。今このスカートを捲り上げられたら、にとりの花園が白日の下に晒される。そして現在、花園は蜜が滴るほどに潤っていた。

「うぶぅ、んっふんんっ」

 処女を奪われる危機感というよりも、淫口と胸奉仕だけで感じてしまった自身の浅ましさを知られるのが恥ずかしく、にとりは反射的に勇儀のペニスから口を離そうとした。
 が、それは叶わない。
 にとりの頭は勇儀の両手でしっかりと押さえ込まれていたのだ。

「おっと、こっちを止めてもらったら困るな」
「んぅっー!!んんっー!!」

 鬼の腕力に適う道理はなく、離れるどころか逆に自分の胸に顔を埋め、喉まで亀頭を咥えさせられた。処女権を盗られてしまったのだ。代償として得た権限をみすみす手放すわけがない。
 それでも最後の抵抗と、掲げたお尻を揺するが、そんなことでは時間も稼げず、バッと萃香の手が上にあがった。

「んうぅ……」

 直接外気に触れたお股がスースーする。勇儀に頭を押さえられているため後ろを確認することは出来ないが、間違いなく濡れそぼった陰部を萃香に凝視されているのだろう。そう思うと、何故かまたお腹が熱くなってくる。

「わぁ……すごいびしょびしょ。初めてでこれはすごい」
「私のチンポ舐めて感じちゃったのか?とんだ変態河童だったんだね」
「うん、あっ、またお汁が垂れてきた」

 にとりの女陰から次々と新しい愛液が落ちる。
 何故だろう。勇儀に変態と呼ばれ、萃香に女性器を見られていると思うだけで、狂おしいほどの興奮を覚えてしまう。
 蜜液の量は止まることを知らない。河童の淫口は自分が処女だということも忘れ、ただ何かを求めるように、くぱぁと柔らかな入り口を開いていた。

「これなら慣らさなくても挿入れられるかな」

 準備はもう十二分に整っていた。

「んっ、ううん、んっー!」

 もごもごと亀頭をくわえたまま何かを叫ぶにとりだが、勇儀が手を離さない限り何を言っているのかちっとも分からない。分からないから、解釈は聞いている方の自由となる。

「もう待ちきれない、だそうだ。勿体ぶらずにぶち込んであげなよ」
「そう?じゃあ挿入れちゃうね」

 己のスカートも捲る萃香。
 彼女の能力だ。当然の如く肉棒が付いている。
 ヴァージンを奪うことに何ら戸惑いはないようで、股間の肉槍を掴むとにとりの中心にあてがった。それでも直ぐには突き込まず牝壺の入り口を擦るのは、侵入角度を調整しているのか、それとも単に焦らしているだけなのか。どちらにしろ短い時間の間が開く。
 ガクガクと河童の少女は震えた。
 その短い間がにとりには永遠にも思えるほど長く感じたのは言うまでもあるまい。二度と三度と女陰口を撫でるペニスがどのタイミングで挿入されるかなど分かりはしないのだ。もしかしたら次の瞬間には処女膜を突き破られるかも。そう考えると身体の震えが止まらなかった。
 その震えがいったい何に起因しているかも分からない。半分は恐怖であり半分は期待であり。その二つが複雑に絡み合い、にとりの中で名状しがたい何かへと変わる。
 うまく入り口に合わないのか、萃香は押し当てる亀頭を一旦淫口から離した。
 溢れた蜜がぬにゃと音を立てる。糸を引いた音だ。それは肉壺に狙いを定めていた肉先が距離を開けた証拠。
 無論鬼が諦めるはずもなく、一時的な解放であることは分かっているが、とりあえず今すぐ処女を破られる心配はなくなった。
 緊張に冷や汗をだらだら流していたにとりは、ほぅと内心で安堵の溜め息をついた。

――刹那のことだった。

すぶっ!!ぢゅっ、ぶちっ!!

「ひぃう!?んっ、んんんっ――!!」

 一瞬の油断。
 気の抜けたにとりは、下半身を突き抜ける衝撃に叫び声を上げた。
 一息で処女膜を貫通されていた。
 萃香が押し当てた亀頭を離したのは結合を諦めたからではない。一旦間を置くフリをしたのだ。
 見事騙されたにとり。くると覚悟し身構えた状態から、こないはずと勝手に思い込み力を抜いた状態に移ったところを狙われた。
 その効果たるや絶大で、河童は感電でもしたように全身を跳ね上がらせた。

「根元まで全部挿入れちゃったよ。どう、初体験の感想は?」
「よかったじゃないか。これで一人前の仲間入りだ」

 口々にはやし立てる鬼共の言葉など耳に入っていなかった。
 処女膜を破られた感覚、膣内の圧迫感で気が遠くなりそうだ。しかし下半身からは次々に新しい信号が送られ、気を失うことを許さなかった。その信号というのは痛みではない。処女だったのだからまるで痛みがなかった訳ではないが、それより圧倒的に激しく鮮烈な快感に押し流されていた。
 初体験の一刺し。
 その一刺しでにとりはなんと絶頂していたのだ。
 まだ挿入されただけ。動いてすらいない。たったそれだけなのに頭の中は真っ白に染まっていた。

 これで、これでもし……

「動いたらどうなると思う?」
「っ!?」

 にとりが思っていたこと。それをそのまま萃香に口にされ絶句する。

「にとり、今挿入れただけでイっちゃったでしょ?」

 百戦錬磨の鬼には全てがお見通しだった。膣襞の収縮、全身の痙攣、脱力具合。それらを鬼が見逃す筈がない。

「このまま続けたらどうなるか、知りたいと思わない?」

 萃香はまだ幼く小振りの尻肉をガシッと鷲掴みにした。それから少し前屈みになり。
 動きやすい体勢だ。

「おかしくなるぐらい、気持ちよくなれるよ」

 萃香はそう言うと、ゆっくり腰を引いた。女壺の一番奥まで到達していた肉棒が開通したばかりの膣道を抉っていく。
 ピリピリと鋭い刺激。
 しかしやはり痛みはなく、意識を刈り取られるほど強い肉悦だけが流れる。

「ぅあっ、あっ……ん、んううっ……!」

 萃香の動きがゆっくりであるため、爆発的な勢いはないが、ジリジリと押し上
られる感覚ににとりは涙を流して喘いだ。
 痺れていく。
 五感が埋もれていく。
 真っ当な感覚はどこかへ消し飛び、ただ性の喜びに飲まれていく。
 気持ちいい。だが、同時に怖くもあった。
 このまま、どこか遠くまで飛んでしまいそうで。先の絶頂を越え、未知の領域で消えてしまいそうで。
 男根が肉傘まで抜ける。
 一番太い部分が入り口を通ると、脳髄まで駆け上がる電流が四肢を震わせた。
 直ぐに腰を突く。
 ミチミチと肉がめり込む感覚。進む剛直の存在感は、今自分の膣内のどこを進んでいるのかまで分かるほどに大きい。幼い産道は狭い上にまだ短く、あっという間に極棒で埋め尽くされていた。肉先が子宮の入り口にぶつかりコツコツと揺さぶられる。

「ここ突かれると気持ちいいでしょ?」
「んんっ、うぅ……うぶっ」

 意味のある言葉は言えなかったが、萃香の言ったことは間違っていなかった。その証拠に、結合部からは愛液が止め処なく溢れている。破瓜の鮮血などとっくに洗い流し、柔軟に肉棒の形へと広がっていた。
 萃香は子宮の入り口を数度イジメ、腰を引き、突きの運動を行う。初めはにとりのことを思ってかゆっくりとした動きだったが、次第に本格的なストロークに移行してきた。ズチュズチュという断続的な水音がだんだんとその間隔を狭め、パンパンという小気味良い肉のぶつかり合う音に変わった。手加減していた鬼が、いよいよその本性を現すとなると、にとりを追いやる官能の渦も、長くのたうつ蛇のようにそのうねりを上げる。
 大波の如く流れる淫悦とまだ残る不安の色に脳内はいっぱいに埋め尽くされ、物を考える力を失わせた。
 そうなると口腔奉仕などすっかり忘れてしまう。
 そこで面白くないのが力の鬼である。

「そっちでばっかり盛り上がってないで、私のもしておくれよ」

 蚊帳の外に置かれた勇儀がクイッと腰を持ち上げ、にとりの口内を突き上げた。
 喉奥を突かれ、うぐっ、と呻くが、甲斐甲斐しくもにとりは口腔奉仕を再開させた。下半身から突き上げる感覚。どこまでも飛んでしまいそうな上昇感を誤魔化すために、にとりは進んで口内の男根に縋ったのだ。
 舌の動かし方はもう考えるまでもなく、勝手に動いてくれた。動いたのは舌だけではない。双乳を掴んで適当に上下させるだけだった手の動きも変化した。
 指を大きく広げ両方の乳房を持ち上げ陰茎を上に引く。柔らかい乳圧が移動し、挟まれるペニスは極上のマッサージを受けた。
 重量たっぷりの果実を持ち上げるため広げた指が頂点の乳首とぶつかった。まるで意識していなかった場所。されど密かに指でこねくり回してみると思いの外甘い性感が走った。

「はふっ、ふっ、んんっ、うぁん……」

 強烈ではない。しかし心地よいその感触は一度味わうと止まらない依存性があった。今一度巨乳をゆさるフリをしながら、もう片方の乳首の位置を確認する。
 ふと、いやらしい考えがにとりの頭にとりついた。

(乳首同士で擦り合わせたらどうなるんだろう?)

 二つの甘い性感帯。この刺激を互い同士にぶつけてみたらどうなるのだろうか。
 そう思ったらもう試さずにはいられなかった。
 豊満な胸は貧乳とは違って自由が利く。にとりはさっそく巨乳の頂点を重ね合わせた。

「んっ!ふぅんっ……」

 それは純度の高い、染み渡るような快感だった。強すぎる膣部からの激感のように、どこかへ飛ばされてしまうような不安は一切ない。優しいという表現が一番合うだろうか。甘味深いその感覚には、ただ気持ちいいと素直に思える心地よさがあった。
 もう夢中だった。あっさり乳首自慰の虜となった牝河童。
 まるで陰部からの激しい快感を誤魔化すかのように、にとりは両方の乳首同士を重ね、一人相撲に惚けた。
 ここまであからさまに乳首を擦り合わせては勇儀が気付かぬはずがない。

「にとりは乳首が好きなのか?」

 勇儀は鮮やかなピンクに熟れた突起物に目を付けると、片方の手でそれを摘み、キュッと捻り上げた。

「ひっ、うぶっ、うぐぐっ!?」

 それまでの甘い痺れから一転、瞬間乳首からはビリっと弾けるような鋭い淫悦が脳を直撃した。
 だがもう片腕はまだにとりの頭を押さえていたため、口を離すことも出来ない。勇儀のペニスをしゃぶったまま、痛烈な乳虐を受ける。
 優しい快感は見る影もなく、女性器と同様、頭がおかしくなるような大容量の快感信号が流れた。

「なぁ、萃香。これ、ミルクとかは出ないのかい?」
「ん?欲しいなら出るように出来るけど、どうする?」
「それなら頼んだ。いっぱい出るようにしておくれ」

 引っ張られるニプルの快感に身悶えするにとりは、鬼の冗談のような会話に目を丸くした。だが、男根を生やしたり巨乳にしたりが自由自在の鬼に、今更出来ぬことがあるとも思えなかった。
 その証拠だとでもいうように、今度は乳首の辺りがジンジンと熱を帯びてくる。乳首が脈動しているような感覚だ。
 乳房は裂けてしまうのではないかと思うくらいに張っていた。
 胸の中に何かが溜まっていく。それは何らかの感情の比喩表現などではない。物理的な質量を持った本物の何かが胸の奥に溜まっていくのだ。
 その正体がにとりにも、そして鬼にも分かった。

「もう出そうかい?我慢しないで出しちゃいな」

 爪先で弾き、指の腹で押し込み、執拗なまでに肉芽を嬲る鬼。

(ひやぁっ!?そ、そんなにおっぱい弄られた……もうっ!!)

 そしてまた摘み、引き伸ばすように引っ張ると、それがトドメとなったらしい。
 張り詰めた豊乳の中で何かが激流する。ピクンッと乳頭がこれ以上ないくらいに勃ち上がり、溜まりかねた熱を体外に噴出した。

ぷしゅ!!ぴゅぷるるっ、びゅしゅしゅしゅっ!!

 それは絶頂にも似た開放感だった。
 腫れあがった乳頭から、もう我慢できないという様子で、幾筋もの白い液体が迸った。白い軌道は放物線を描き、正面に居座る勇儀に降り注ぐ。乳白色が視界を埋め、淫靡な空間に甘ったるい匂いを漂わせていた。
 心地よい放出感に身を任せて脱力してしまいたい。しかし恥丘に腰を打ちつけることを止めない萃香のピストン運動がにとりの意識が沈むのを許さず、また放出が落ち着いたばかりの乳房を搾るように握られ、新たな母乳が溢れる。

「へぇ~、搾ればいくらでもでるんだ。ほら、もっと出しなよ」
「こっちもちゃんと感じてね、子宮まで突いてあげるからさ」

 勇儀の手で握り搾られ、豊潤な乳膨が歪な形に歪む。乳首が張ってミルクが止まらない。萃香の腰振りは箍の外れた獣よりも激しくなり、結合部は二つの性器が溶け合いくっついてしまったのではないかと思うほど熱かった。
 同時に責められる二箇所の異常な肉悦。休むことなく与えられた脳はショート寸前だ。
 狂おしいほど淫靡な肉の宴。鬼は自分らの欲望を消化させるため、目の前の牝肉を身勝手なまでに貪る。板挟みにされるた河童の少女、尻丘を掴まれ頭を押さえられ、身動きすら取れぬまま陵辱を受け入れるしかない。唯一動かせるのは亀頭を咥えた舌だけで、それさえも相手の精を促すために媚を売る。
 破瓜体験と初放乳。許容量を大幅に超えた快楽の連続と終わらない鬼達の淫戯に、にとりの理性は音を立てながら崩れていた。

(うあ、ぁ……こんな、おっぱい搾られて、アソコの奥まで犯されてるのに……なんで、こんなに気持ちいいのっ)

 快感に飲み込まれてしまうのが怖い。そう思っていたのが遠い過去の話のように感じた。
 もうどうにでもなってしまえ。いく所までいってしまえ。
 ビクッと一際大きくにとりの身体が戦慄いた。官能への抵抗が消え、逆にそれを求めようと身体を開いた瞬間にとりはエクスタシーを迎えていた。本当は当の昔に限界を吹っ切っていた。それでも耐えていたのは快感に押し流されてしまう恐怖に、ギリギリのところで堰き止められていたためであり、精神面の緩みに乗じ、そのまま達してしまったのだ。
 だが、ただの絶頂では今のにとりは満足できない。その先にある、もっと高みまで押し上げてほしい。
 その願いをまず最初に叶えてくれたのは萃香だった。

「はふぅ……そろそろイキそう。先に一回射精すよ」

 やはり慣れているのか、限界が近いと言うわりに、軽い溜め息と口調には随分な余裕が感じられる。それでも膣壁を激しく出入りを続ける男根はガチガチに張り詰めている。その様子には、初体験であるにとりでもペニスが射精寸前であることは分かった。休みなく処女の狭い膣道で陰茎を扱き上げていたのだ。溜まった快感は一旦吐き出さねば収まりがつかない。

「にとり、膣内射精してもいいよね?にとりに初めて種付けするのが私でもいいよね?」

 萃香は上半身を倒し、にとりの弓なりになった背に乗っかるようにして抱きついた。体勢を変えるときも腰の動きを止めることはない。繋がったまま身体の位置を変えるので、グリンと膣壁を引っ張られるような強烈な感覚に襲われた。

「ねぇ、いいよね?膣内に射精しちゃってもいいよねぇ?」

 にとりの背に張り付き息を吹きかけるように卑猥な要求を囁く。勿論口を塞がれているにとりに返事は出来ない。それを知っていて何度も尋ねるのは、自分がこれからする行為をはっきりとにとりに意識させるためである。

「嫌だって言われても外に射精す気なんかないだろ?」
「当然」

 萃香のピストンがまた異質なものへと変化する。背に抱き付いているため、にとりのお尻と萃香の腰は自然と密着した状態になっている。そのため二人は深い部分で繋がったままだ。その格好で腰を動かすのだから、大して腰を引くことは出来ず、代わりに打ち付ける時は力強かった。深い位置でのストローク。短い間隔で何度も子宮の入り口を叩かれる。強烈な子宮責めだ。入り口がこじ開きそうだった。
 弾ける官能。
 爆発する絶頂感。
 その衝撃は今までのそれとは比較にならず、頭の中も感覚も、全てを白に塗り潰した。

「ひぁ、んぐっ……うぶぶ、ぢゅる」

 あられもないイキ顔を晒しながら、男根だけは離さない浅ましさ。その貪欲なまでにペニスにすがりつく姿が勇儀の興奮に拍車をかける。

「萃香がイくなら私も一発抜いておこうか」

 もう頭を押さえ込む必要はあるまい。
 にとりの頭から手を退かした勇儀は、代わりにミルクの止まらない爆乳を形が変わるくらい強く握り締めた。
 力任せに搾られる淫乳が苦しげに白い汁を噴き出す。景気良く放出され母乳は谷間に池を作る。
 グッと両側から押し上げられ、また谷間の真ん中はペニスで栓をされているのでミルクは流れ落ちず、貯蔵されるばかり。萃香の能力で作られた規格外の巨乳はミルクの貯蔵量も凄まじく、最早谷間の男根は乳白色の液体に沈んで見えなくなっていた。それを咥えるにとりは、自分で出したミルクに顔を浸しているようなもの。唇の僅かな隙間から甘い味が染み込み、しょっぱい我慢汁と一緒にコクコクと飲み込んだ。

「ミルクがいい潤滑油になるね。これは思った以上にいいあんばいだ」

 ペニス全体にかかる乳肉の重量に加え、有り余るミルクローションが極上の挟み心地を演出した。
 たまらず、腰が勝手に動きだす。内腿にぶつかる下乳の弾力。突き上げる度に波打つ母乳池のちゃぷちゃぷとした音が思いの外卑猥で、勇儀の性感を高めていく。
 昇り詰めようとしているのは勇儀ばかりではない。

「にとりの子宮、精液欲しいって口を開いてるよ?」

 執拗なまでの打ち付けで子宮口が緩む。
 すると萃香はピストン運動を止め、グリグリと亀頭を子宮に押し当てた。
 鬼の猛攻に精魂尽き果て、すっかり力を失った防波堤が悲鳴を上げる。身体の奥で何かが開くような感覚を覚えた。
 最後の一線。
 そこを越えられようとしている。
 そして、萃香の男根が入ってはならぬ領域へ進んだ。

「うんんぅっ――!!」

 白い火花が散った。
 雷撃を受けたような衝撃に撃たれる。
 子宮口を無理矢理こじ開け、亀頭が中に入り込んだのだ。

「これ分かる?さきっぽが子宮にはまり込んでるの。このまま射精したら絶対妊娠しちゃうよ?」

 ひっと息を飲み、身体を強ばらせた。コリコリたした感触で自分の子宮が男根を食い締めているのが分かる。ついさっきまで処女だったというのに、子宮まで犯されるという未知の域まで体験するなんて。
 心の奥で微かに哀惜のような感情が浮かぶ。
 しかしその体験は同時に気が狂いそうなほど甘美だった。僅かに顔を出した理性など軽く押し流せるほどの激流。その流れに今は身を任せたい。いけるところまでいってしまいたい。

「ねぇ、射精してほしい?子宮の中に精液ほしい?孕まされたい?」

 これでもし、射精など受けたらどうなるのだろう。
 想像もつかない。
 だがそこに待つのが無上の快感であることは間違いない。
 ならば他に選べる答えなどあろうものか。
 欲しい。
 このまま子宮を犯されたい。

「欲しいんだね、じゃあお望み通り射精してあげるっ!」

 何も言えなくとも萃香はにとりの気持ちを察していた。
 いや、仮ににとりがどう考えていたところで、萃香の答えは変わらなかったのだろう。
 射精される。
 そう意識した瞬間、喜びに満たされた膣壁がキュッと締め付けた。
 無数の襞に纏わりつかれた陰茎が大きく膨らんだかと思うと、

びゅく、びゅるるるるっ!!びゅぷ、ぶぷぷっ!!

  大量の白濁液が子宮の中で爆発した。

「んぐっ、んんんんっ――!!」

 身体の中心の芯がピンっと伸び、熱い種子を含んだ液が胎の内側を叩く度に痙攣する。
 ふわっと意識が薄らいだ。
 時間がひどくゆっくりのように感じられ、その間も躍動を続ける膣肉が快感を搾り取り、頭から爪先までを得も言われぬ歓喜で包み込んだ。
 萃香の絶頂に引っ張られ、にとりもエクスタシーを迎えていたのだ。
 だが肉悦の連鎖はまだ終わってない。波はそのまま勇儀の方にまで伝達した。

「うっ!私も射精るっ!!」

 今度は口内の肉棒が爆発した。
 噎せ返るような臭いに思わず口を離してしまう。

「ぷはっ!ひぁ、ひゃああぁぁぁ――!!」

どびゅ、どびゅびゅっ、ぶびゃるるっ

 腫れ上がった亀頭。
 割れ目からマグマの噴火のように粘液が放たれる。
 目の前で爆発するザーメン。
 ペニスが射精する様を絶頂感の気だるさの中で眺めていた。
 濁った汚液がミルクの池に降り注ぐ。谷間の白濁池はにとりの母乳と勇儀の精液が混ざり合ったもので満たされていた。

「駄目じゃないか、吐き出すなんて。零した分も全部舐め取りな」
「はぁ……はぁ……ぺろっ」

 頬を上気させ息を荒げながら、自分の胸元の池に舌を浸した。
 甘いミルクの味、その中に時折苦味のあるどろりとした塊があった。昇天の余韻の中、その生臭い汚液を引き当てると、また奥の方から発熱する。
 もっともっと、牡の汁が飲みたかった。
 種子を探し求め、一心不乱に白濁の池を舐め取り顔を汚すにとり。
 その様が鬼の欲情を更にたぎらせたのは言うまでもない。











 鬼は本当にタフな、最早化け物の粋すら越えているのだと思う。こいつらに疲れも限度もないのだ。
 にとりの身体を以ってして行われた肉の宴、あれから既に四日が経った。にも拘らず、鬼達は相も変わらず同じ場所で酒飲みを続けているのだ。念のために言っておくが休息などとっていない。不眠不休で騒いでいるのだ。あの行為を行う前にももう三日経っていたから、合計すると七日間寝ずに休まずに酒を飲み続けていることになる。
 妖怪は人間より丈夫、こと鬼に限っては遥に頑丈な肉体を持っている。しかし鬼にとっては七日間の不眠不休くらい余裕なのだと思ってはいけない。いくら鬼でもそこまで頑丈ではない、これは異常な部類なのだ。なるほど流石鬼の四天王とまで呼ばれるようになると、常識など通用しないということか。一度この馬鹿げた体力の程をきっちり測定してやりたい気分である。
 さて、付き合わされる接待河童のにとりはどうしているかというと、こちらも相変わらず鬼の傍らに控え、雑務に精を出していた。ちなみににとりは七日間の無休ではない。今日が徹夜三日目である。
 あの散々な目に合った淫靡な宴。あの後鬼が満足するまで行為は続き、やっと開放された時には、にとりは身も心も白濁に沈んでいた。そのままほっぽり出されなかったのは、鬼にもそれなにり情というものが備わっている証なのだろう。手厚く介抱され、身も清められた状態で寝かされていた。それからぐっすりと、死んだように眠っていたらしい。
 あの激しい初体験、加えて三日徹夜の疲れがが相まってか、にとりが目を覚ました時にはもう日付が変わっていた。
 目を覚まして一番最初に飛び込んできたのが、酒を呑む鬼の姿なのだからうんざりとした気分にもなる。話を聞けばにとりが寝ている間も酒盛りを続けていたそうだ。あれから更に三日経ったため、鬼の宴は七日目となった。にとりも起きたからには働かざるを得ない。また三日の徹夜である。まさか目覚めた後まで徹夜が続くとは思ってもみなかった。
 それにしてもこの鬼は本当に帰る気があるのだろうか。もしかしたらこのまま山の一角に居座るつもりなのかもしれない。

「お~い、河童、河童ぁ~」
「へ~い」

 力の鬼、勇儀に呼ばれ、にとりは気のない返事で答えた。
 接客態度としては最悪だろうが、身体重ね、色々と相手をした仲だ。今更営業スマイルを被って前に出る必要もあるまい。

「河童は名前なんだっけかね?えっと……あっ、ニトマリン内服薬?」
「……なんすか、それ?」

 聞いたこともない薬ににとりは呆れ顔をする。もう間違える名前のネタも尽きてきたらしい。そこまでして名前を言い間違えようとする鬼の拘りが理解できない。

「もう普通に名前を呼んでくれたっていいじゃないですか」
「冗談冗談、拗ねないでおくれよ、にとり」
「だって本当は分かってるくせに、何でわざと変な名前で呼ぶんですか?」
「それは勇儀なりの愛情表現だよ。それだけ勇儀がにとりのことを気に入ったってことさ」
「……はぁ」

 愛情表現などと言われれば悪い気はしないが、それでもあまり納得できるような事ではない。まぁ河童一人の意見をここで申し立てても無駄にしかなるまい。にとりはわざとらしく聞こえる程度の溜め息を吐くだけで我慢した。

「そんなことより、私らそろそろ帰ろうかと思うんだけど」
「はいはい、そうですか。ではすぐに用意……って、え……?今何て言いました?」

 鬼の何気ない一言。それがあまりにも重大な発言だったため、河童は思わず聞き返してしまった。

「だから、もう十分騒いだし、そろそろ帰ることにするよ」
「帰るんですか……?本当に?」
「あれ、にとり。もしかして私らと別れるのが寂しいの?」
「いや、それはないっすけど」
「嘘でもいいから『そうです』とか言ってよ……」

 まさか即答で否定されるとは思わなかった。
 あれだけ親密なことをし尽くしたのだ。それなりに深い仲になったと自負していたのに、この河童に情はないのだろうか。酷い話だ。少しは別れを惜しんでも罰は当たらないだろうに。
 ショボーンとした萃香の顔が少し可愛そうだった。しかしそんなことにはまるで関心を示さないにとり。

「で、本当に帰ってくれるんですか?」
「そんなに帰って欲しいの……?」

 確かに『さっさと帰れっ!!』という気持ちも結構な割合で持ってたりするのが正直な話。が、それよりもまだまだ力が有り余っているご様子で、このまま山に居座るつもりかと思っていた矢先に帰ると言い出したのだ。多少の驚きもあるというもの。はてさて何かきっかけでもあったのだろうか、それとも単なる気まぐれだろうか。
 とりあえず不眠不休の仕事がようやく終わってくれることには感謝感激だ。これでゆっくり休める。そう思うと自然と顔も綻ぶ想いだ。ただ、実際にこのバカ騒ぎが終わり本当に鬼達が帰ってしまうと思うと少し物寂しい気分にもなった。これまた複雑な気分である。

「でさ、せっかくだからお土産でも貰っていこうと思うんだけど」
「あっ、それもそうですよね。何か欲しいものでもありますか?」
「なんでもいいのかい?それならどうしても欲しい物が一つあるんだが」

 勿論その申し出を断る理由はない。
 考えてみるばこちらから先に申し出るべき話だ。せっかくお山まで足を運んでくださった鬼様を手ぶらで追い返すなどとんでもない粗相、失態だ。
 いやはやそこまで気が回らなかった。うっかりしていた。
 勇儀は欲しい物はあるが何でもよいのかと聞いてきた。
 勿論構わない。
 例えどんな物であろうと鬼様に献上するつもりである。
 にとりのような下っ端河童が勝手にそんなことを公言していいのかと疑問に思われるだろうが問題はない。
 己の地位確立に躍起になっている天狗共は、兎に角鬼のご機嫌取りに必死なのだ。そんなお上が、今更鬼への出し惜しみなどしはすまい。まあ仮に山をよこせなどと言われては黙っておらぬだろうが、そんな無茶な要求はされまい。精々山一番の銘酒か肴か、はたまた珍しい山の神社のお札か、どうせその程度のものに決まっている。

「勿論何でもいいですよ。それで何がいいんですか?」
「そうかい、それなら」

 鬼はまるで勿体ぶるように一息の間を置いてから、勇儀と萃香二人同時に言った。

「にとり」
「……はい?」

 最初、単に名前を呼ばれただけかと思い、気の抜けた返事を返した。
 だがそうではない。満面の笑みを浮かべた鬼が二人して河童に抱きついてきた。
 突然のことににとりは困惑する。
 酒乱に絡まれることほど厄介なものはない。甘い酒の息を漂わせ、頭を抱かれたり髪に頬擦りされたり、仕舞いにはまた胸の方に手を遣られると先日の淫行が脳内によぎる。
 にとりは慌てて身体をよじり避けた。
 因みに、にとりは胸は元通りの平らに戻っている。萃香の能力は一時的なものらしく、そのまま巨乳体質になるわけではないらしい。それは別の話だとして、今は鬼の問題は鬼の方だ。

「いやぁ~、私らにとりのこと気に入っちゃってさ。連れて帰ってもいいかい?」
「はぁ?……え、いやっ、いや、それはちょっと……」
「何でもいいって言ったじゃないか。嘘なのか?」
「嘘とかじゃなくて、普通それは……」

 どうやら本気でにとりを連れて帰りたいと言っているらしい。半ば呆れてしまう。
 というか、これは最早人攫いではないのか。まあ河童だが、そんなことはどうでもいい。お土産に少女一人を連れて行くなどまさに鬼の所行。こちらの人権も少しは考えて欲しい。

「私はイヤですよっ、これでも山に住む河童なんすから」

 生まれてこの方妖怪の山で暮らしてきたのだ。自分の故郷を捨ててまで鬼について行く気はない。
 だが雲上人の大妖怪が下っ端河童の意見に耳を傾ける筈もなく。

「ダメだよ勇儀、こういうのは先に上に話通さないと」
「そうか、まず天狗共に許可貰わないと、勝手に連れて帰るわけにはいかないか」
「いや、だからっ、それ以前に私わっ」

 正直に心の中でげげっ、と叫んだ。
 お上に話を通されるのは不味い。お偉い輩は鬼のご機嫌取りを第一に考えている。そのためなら河童の一人や二人、平気で差し出すだろう。山に住む者として、上が決めたことに逆らうことは出来ない。鬼の土産になれと言われればなるしかない。
 当然鬼もそのことは重々承知しているわけで。

「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん。ねぇ、帰ったら一緒にお酒呑もうよ?」
「酒以外にも、もっと楽しいこと教えて上げるよ?」
「あ……ぅ……」

 そう言われた時、お腹の奥で熱いものを感じたことは秘密である。
 甘美な期待も心のどこかにあったのかもしれない。
 どの道鬼には逆らえないのだ。
 やれやれ、暫くはまともに寝れそうにない。














あとがき

東方やssとはまるで関係ありませんが
先日ものすごく怖い無限ループの夢を見ました……
なんかね、学校のような建物の裏庭に行くんですけど
そこが深い森になってまして、しかも線路が走ってるんですよ
んで急に夜になって電車が来て
駅もないのにうちの前で電車が止まるんです
んでその電車の中から異常に膨らんだ顔で
しかも真っ白で目も鼻も口もない
女が降りてきてずっと追いかけてくるんですよ
それで必死に逃げるとまた学校のような建物があって
その裏庭に行くと森があって……
という無限ループの夢でした
本気でこわかった……
ふと思えば、最近書いたSSってシリアスだったり陵辱だったりと暗いものばっかだった……
なので今回は軽いノリの明るい話にしてみましたw
水鏡千春
http://konekomilk.h.fc2.com/
コメント




1.最古符「霊夢」削除
利用するだけの道具→利用されるだけの道具
鬼達の冷静だった→鬼達は冷静だった
私わっ→私はっ

それとタグにふたなりと陵辱を追加してくださいな
2.名前が無い程度の能力削除
息子が存分にお世話になりました。
萃香の能力の便利さは異常。
3.名前が無い程度の能力削除
やべぇニトマリン内服薬かわいい
素晴らしくエロかったですw


あとおかしな所が一個
  →今は鬼の問題は鬼の方だ。(?)
4.名前が無い程度の能力削除
あとがきが本当に関係なくてびっくりしました。
でも内容は良かった。えろいぜ。GJです。
5.JENO削除
鬼さん代わりに俺を連れていってください!!
6.七星削除
もげた(頭が)

デンジャラスなまでにエロい。にとり可愛いよにとり。
お世話になりました!最敬礼ッ!
7.ののさ削除
ちょっと内服薬買ってくるw
8.名前が無い程度の能力削除
抜いた
9.名無し魂削除
設定が明るくノリの軽い話になっても中身はエロエロだよ!変わってないw
萃香の能力はほんと都合いいっすな…勇儀のノリもかなりだけど。
鬼好みに弄られるにとりがエロイ!
10.謳魚削除
にとりんいやらし可愛い。

勇儀姐さんと萃香さんとお幸せに。
11.名前が無い程度の能力削除
にとり好きの俺としてはすごくエロかったけど吐きそうになった