真・東方夜伽話

9人の怒れる少女(part1)

2009/08/03 20:30:40
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9人の怒れる少女(part1)

食人植物目がトロン
霊夢「ったく、今日も暑いわね。」

博麗霊夢は机と椅子しかない質素な部屋の窓辺にもたれ掛かって、肩越しに雲ひとつない空を見上げていた。
八月も半ばに入り幻想郷はうだるような蒸し暑さに包まれている。

文 「こんにちは霊夢さん。最近いかがですか?」

愛想笑いを浮かべながら近づいてきたのは射命丸文。新聞屋などといういかがわしい商売をやっている。

霊夢「今更こんにちはもないでしょう。何時間一緒にいると思ってるの?マスコミは頭のネジがいかれてるんじゃないかしら。」
文 「あやや・・・これは手厳しい。今のは職業差別ですよ。」
霊夢「まあこんな暑い中何時間も拘束されてちゃ気も違ってくるわよね。」
文 「あはは、拘束ですか。でも確かにこんなに時間が掛かるなんて、なかなか無いみたいですね。それだけ難しい裁判なんでしょうけど。」

そう、私は先週裁判員に選ばれたおかげで何時間も裁判に立会い、今こうして審理の始まりを待っていると言うわけだ。
部屋の中には私のほかに選ばれた7人の裁判員が、それぞれ椅子に座ったり、ぶらぶらと部屋を行ったりきたりしている。
暑さを紛らわそうとなんでもない会話をしているものもいれば、裁判について真剣に意見を交わしている物好きもいるようだ。
かくいう私は何とか早く開放されたいとばかり考えていて、裁判の内容もほとんど耳に入っていない有様である。
早く審理が始まらないかしら。と考えていると、

ガチャリ

戸が開き裁判長の四季映姫・ヤマザナドゥが入室してきた。

四季「さあ皆さん審理の時間ですよ!裁判員番号の順に時計まわりに席についてください。」

私達はぞろぞろと四角に並べられた折り畳みテーブルにつく。
テーブルは長方形に置かれており、短いほうの辺に四季英姫が座りそこから時計回りに裁判員を紹介していくと、
長い辺の側に私こと博霊霊夢、パチェリー・ノーレッジ、チルノ。
辺を移して魂魄 妖夢、西行寺 幽々子。私の対面の側に風見 幽香、藤原 妹紅、射命丸 文。
と言う感じになっている。
良くまあ知り合いばかりが集まったものだ。つーかまずいだろ、いろいろと。

四季「それでは早速多数決を取りたいと思います。」
霊夢「ちょ、ちょっと。まだ話し合いも何もしてないじゃない。」
四季「私は何事も白黒つけないと気がすまないのです。」
妖夢「でもいきなり評決はちょっとまずいのでは・・・。」
四季「いえ、最初に皆さんの意見を確認すると言う意味です。そう、話し合いはお互いの立場を確認したほうがスムーズに進むものです。」
幽香「良いじゃない、さっさと決めちゃえば。話し合いなんて面倒だわ。」
チル「うう、暑い・・・最強のあたいも暑さには弱かったりするのだ。」
幽々「妖夢、おなかが空いたわ何か取ってきなさい。」
妖夢「え?い、今ですか?」
幽々「そ、妖夢が食べ物になりそうと思ったものなら何でも良いから、急いでね。
四季「そ、そこ!何をバカなこと言ってるんです!」
妹紅「もう・・・いいからほっといて早く進めようよ。」
幽々「妖夢・・・あなた私の言うことが聞こえなかったのかしら。」
妖夢「ひっ!は、はい。魂魄妖夢、急いで行って来ます!!」
四季「こ、こら!待ちなさい!!小町!取り押さえて!!」
パチ「・・・はあ・・・バカばかりね。」

部屋を飛び出した妖夢は廊下に待機していた小町に取り押さえられたようだ。
涙目でしおしおと部屋につれられて来ると、幽々子の視線から逃げる様にうつむいて席に着いた。
四季英姫はその様子に呆れはてた様子で、いつもの説教もなりを潜めて頭を抱えているだけだった。

四季「はあ・・・とにかくまともな用事が無い限り席を立つことは許しません。
   それでは決を採りたいと思いますから手を上げてくださいね。有罪だと思った人。」

ぽろぽろと手が挙がる。四季英姫も手を挙げた。

四季「ふむ。では無罪だと思った人は?」

おずおずと手が挙がった。

四季「なるほど。有罪8・無罪1という事ですね。それでは話し合いといきますか。」
幽々「ちょっと妖夢・・・。あんた空気読みなさいよ。」
妖夢「は、はあ・・・?」
幽々「あなたが有罪なら決まりだったのよ。私は早く帰りたいの。わかるでしょ。」
妖夢「は、はい。すいません。」
霊夢「幽々子、あんた無理言わないの。妖夢も謝らなくても良いのよ。」
四季「それでは裁判員番号の順に意見を言ってください。まずは霊夢さんから。」

げ、いきなり私?えらそうに幽々子に説教したけど裁判はろくすっぽ聞いていない。
私は立ち上がってしばらく考えていたが、仕方が無いから何か話すことにした。

霊夢「えーと。私が有罪を選んだ理由は・・・。うーん・・・勘かな・・・?」
四季「はあ・・・。勘ですか・・・。」

や、やばい!みんな呆れてる。チルノまでが何言ってるんだこいつみたいな目線を送ってくる。
それに軽い殺意を覚えたが、まあ仕方ないので席に着いた。

四季「それじゃあ次はパチェリーさんですね。」

うー、よりによってパチュリーが2番手か。私の意見と比べられると思うといい気がしない。

パチ「はい。私は今回の事件の鍵は現場が密室だったことにあると思います。
   被害者の八意永琳が倒れていた研究室には内側から鍵が掛かっており、唯一の鍵はその研究室の床に落ちていました。
   第一発見者の蓬莱山輝夜、因幡てゐの両名がスペルカードで扉を破壊して部屋に入ったときに、
   被告の鈴仙・優曇華院・イナバが被害者のそばに立っていたと証言しています。
   研究室は地下だった為窓も無く、他に出入り口も無いため犯行が可能なのは被告だけだと推測されます。」

ありがとうパチェリー。分かりやすく説明してくれて。

四季「なるほど。ではチルノさん。」
チル「うん!あたいが思ったのは、なんでレイセンがえーりんを殺しちゃったかてことなんだけどね。
   前にレイセンが話てたんだけど、レイセンはえーりんの実験台にされて嫌がってたみたいだったの。
   特に座薬が痛かったんだって。えーりんが作る座薬はとっても大きくって、しかもなかなか溶けないみたい。
   だからあたいが思ったのはね。レイセンはえーりんの座薬がすっごく嫌で嫌で仕方なくってそれで殺しちゃったって事なの!」

ほう・・・。それは初耳だ。しかし弟子を実験台にしていたとは・・・。
殺されても仕方ない奴なのかもしれない。恐るべし八意永琳。よっ、マッドサイエンティスト。
次は唯一の無罪を選んだ妖夢の番だ。ふらふらと立ち上がって話始めたが少し顔色が悪い気がする。

妖夢「私が無罪を選んだのは、彼女は殺人なんて出来ない娘に見えたからです。」
幽香「それはそれは・・・。」

いきなり幽香が横槍を入れる。しかも鼻で笑いながらいかにも小ばかにした感じの言い方で、
いじめっ子モード全快と言うか女子高の負の一面と言うかそんな感じがぷんぷんする。

妖夢「な、何ですか?」
幽香「別に、ただちょっと驚いたっていうかね。随分人を見る目がおありのようで・・・私にもぜひ聞かせてほしいわね。
   どこら辺が人殺しらしくなかったのかしら?」
妖夢「え・・・それは・・・何というか、そういう雰囲気がしたからです。」
幽香「あなた質問に答えてないわよ。だからそれがどういう雰囲気かって私は聞いてるの。」
妖夢「その・・・第一印象はやさしい子って感じでした。それから亡くなった被害者の方に心から同情していた気がします。」
幽香「やさしい子ねえ?だったら私はどう見えるか聞いてみたいんだけど、やさしく見えるかしら?それとも犯罪者面?」

もはやプレイに近くなってきた。この2人にはある種の才能を感じる。

妖夢「そ、その・・・。」
幽々「ちょっとあんたいい加減にしなさいよ。うちの妖夢をあまりいじめないでくれる?」
幽香「話してるだけでしょ。ただもう少し頭のいい子だと思っていたのだけど・・・勘違いだったみたいね。」
幽々「あんたの言い方がムカつくのよ。その性格を直さない限り永遠に生き遅れの年増女ね。」
幽香「・・・あ?」

幽香は「ふう」とか言いながら立ち上がると幽々子の背後に歩いていき何か耳元でささやいた。
驚愕の表情をしているところを見ると妖夢には何といったのか聞こえたようだ。
幽々子はほとんど表情を変えないが無言のまま立ち上がったため、いつこの部屋が吹き飛んでもおかしくない状況らしい。
やれやれ・・・どうやらこの面子で話し合いなど元々無理だったらしい。私はお札を取り出して巻き添えを食わないように構えた。

「や、やめてください!幽々子様も私の事は良いですから・・・!」

ズドン!!!!!!!!!!!

妖夢の叫びの甲斐もなく、二人の技がぶつかり合いものすごい炸裂音がする。

チル「わあ!」
妹紅「きゃあ!」
パチ「むきゅー!」
妖夢「うぐぅ!」
文 「あひゃぁ!」
四季「ひい!」
霊夢「・・・っ!」

予想以上の威力だ。部屋中に煙が立ちこめて何も見えない・・・。ようやく視界が開けてきて心地よい風とともに美しい青空が見えた。
あらら・・・部屋が半壊している。そして隣の部屋は何処へ・・・?
ここは二階であり最上階でもあったのだが屋根は消滅して隣室も吹き飛んだため、まるでテラスの様になっていた。

小町「な、なあああ?何事です!?」

小町はどうやら生きていたようだ。

四季「う、うえええ!こまちいいい・・・怖いよー。」

四季が泣きながら小町の胸に飛び込む。私はテロリストの第二派攻撃に神経を集中させつつ生存者を探した。

霊夢「み、みんな無事?」
妹紅「・・・いてて、死ぬかと思ったわ。」
パチ「な、なんて野蛮・・・。」
チル「あ、あたい怖くなかった・・・もん。」
文 「もう帰りたいです・・・。」
妖夢「ううっ!」
幽々「妖夢!しっかりして!!」

あー・・・そう言えば驚きの悲鳴に混じって痛々しい声が聞こえたな。
元いた場所から数メートル離れた所に妖夢が倒れている。幽々子が上半身を膝の上に乗せて介抱しているようだ。

霊夢「妖夢!あんた大丈夫!?」
妖夢「う、うう。」

どうやら爆風で飛び散った木材が腹部を直撃したらしく、おなかを押さえてうんうん唸っている。

幽々「ごめんなさい・・・!ついカッとなって、いつもあなたに注意されてるのに・・・!」
妖夢「うっ・・・幽々子様・・・私は、大丈夫です。幽々子様こそ・・・お怪我はありませんか。」
幽々「ああ、妖夢・・・!私は大丈夫よ!あなたの苦しみは私が負うべきはずのものなのに、どうしてそんな言葉を掛けてくれるの?
   貴方の慈しみの言葉は私にはつらすぎる・・・私は妖夢の主に相応しくないんだわ。
   もし違うというのならどうしてこんなに胸が苦しいの?あなたの高潔な精神が放つ光は私の卑賤な魂には眩しすぎるんだわ!!」
妖夢「そんな・・・身に余るお言葉です。あなたは思い違いをしていらっしゃる・・・。私こそあなたのしもべにふさわしくないのです。
   主であるあなたの名を傷つけてしまいました・・・。」
幽々「妖夢・・・ねえ妖夢。何を言うの?あなたが私の名を傷つけたなんて言わないで。
   妖夢は私にはもったいない従者。そんな事あるはずが無いでしょう?」
妖夢「幽々子さま・・・どうか私を蔑んで下さい。もったいない従者なんて言わないで下さい・・・。
   傲慢な思いとは分かっていても、普段の自分ならそのお言葉がどれだけ胸に染み入ったことか分かりません。
   でも今は地獄のそこに導く死神の言葉となりましょう・・・。幽々子様は私の言いたいことが分からず困惑なさっているでしょうね。
   だけどすぐに理解できます・・・。その時はどうか私を蔑んで下さい・・・。」
幽々「妖夢・・・分からない。いったい何があなたをそこまで苦しめるの?はっきり言って頂戴。
   私は何があろうとあなたを蔑んだりしないわ。そんなこと出来るはずが無いでしょう?」
妖夢「うっ・・・うう・・・!」
幽々「妖夢・・・。泣かないで・・・。」
妖夢「うっ、うっ。分かりました・・・お話します・・・。私は甘えていたのです。
   いけないという事は分かっていました。でもあなたを失うのが怖くて・・・一秒でも長く幽々子様の温もりを感じていたかった。
   真実の告白は私に苦痛と運命を呪う日々をもたらしましょう・・・。
   だけどようやく決心がつきました・・・これ以上幽々子様を欺くことなど出来ません。」
   
妖夢がそう言って震える手で自分の足元を指差すと、そこには先程までなかった水溜りが出来ていた。
彼女のスカートはぐっしょりと濡れ、裾から覗くふくらはぎからは水滴が落ちポチャポチャと音をたてている。

幽々「そう・・・妖夢・・・あなたおしっこ漏らしちゃったのね。」
妖夢「うっ、ううっ。」
幽々「・・・バカね。そんな事ぐらいであなたを嫌いになるはず無いじゃない・・・。」
妖夢「ぐすっ・・・幽々子様、違います・・・うっ・・・私、最近便秘気味だったんです・・・3日も出てなかったの・・・うえっ・・・。」
幽々「ん・・・。」
妖夢「だけど、さっき急に出そうになって・・・うっ・・・でも私の番が来ちゃったから・・・
   話し終えたらすぐトイレに行こうと思ったんです。・・・だけどっ・・・!・・・うっ、うえええん!」
幽々「妖夢・・・。」
妖夢「ぐすっ、ごめんなさい・・・この年になって・・・しちゃうなんて・・・私、幽々子様の従者失格ですね・・・。」
幽々「妖夢、何度も言わせないで・・・あなたは私の自慢の従者よ。」
妖夢「そんな・・・!だって・・・私は取り返しのつかないことを・・・!」
幽々「妖夢・・・。」
妖夢「・・・あっ。」

幽々子は妖夢を胸まで持ち上げるとぎゅっと抱きしめた。

幽々「妖夢のおバカさん。大切な人・・・私を失うのが怖いと言ってくれた人・・・!
   だけど私の気持ちなんて全然分かってないみたい・・・ちょっと失敗したぐらいで私が貴方を蔑むなんて言うんだもん。
   私もあなたを失うなんて考えられないのに!
   妖夢の微笑は心を吹き抜ける風の様、戦場で乾いた魂を潤すのは何時だってあなたの優雅な剣舞。
   妖夢がいなければ私は風のない世界でただ朽ちていく風車、乾いた小川の忘れられた水車小屋の様。
   貴方がいない世界など魂を蝕む地獄と同じなのに・・・!
   だからお願い・・・!私達が離れるなんて一寸でも口にしないでちょうだい!」
妖夢「・・・ああっ!幽々子様・・・!そこまで・・・私の事を思って下さっていたなんて・・・!!」
幽々「ああ・・・妖夢!私の可愛い妖夢!」
妖夢「幽々子様・・・!世界一の私のご主人様!」
幽々「妖夢!」
妖夢「幽々子様!」
幽々「妖夢!」
妖夢「幽々子様!」
幽々「妖夢!」
妖夢「幽々子様!」



以下三十行続く

私は幽々子と妖夢が愛の世界に浸っている間に先の爆発の被害を調べてみたが幸いなことに死者は出なかったらしい。
幽香はトリップしている2人に呆れたようで、無事だった椅子に座ってあくびなんかしている。

霊夢「ちょっと、あんたも片付けるの手伝いなさいよ。」
幽香「はあ・・・?何で私があのぬけさくの小便を掃除しなけりゃならないわけ?」
霊夢「それはもう幽々子がやったわ。私が言ってるのはこの瓦礫をどかさない限り審理が続けられないって事よ。」
幽香「別にどうでも良いじゃない、有罪だろうと無罪だろうと興味ないわ。
   考えてみれば小汚いウサギのために私の貴重な時間を削られるなんて馬鹿馬鹿しい話よね。」
霊夢「あんたって本当に残酷ねえ・・・。まあ私もまともに聞いてなかったから人の事いえないけど。」
妹紅「霊夢、こっちに来て手伝って。大きい柱が床に突き刺さってて動かないの。」
霊夢「ん、今行く。」

30分かけて何とか全員が座れるスペースを確保したが、爆音を聞きつけたのか下の広場に妖精や妖怪の野次馬が集まっていた。
裁判員のプライバシーとか言う以前に見世物扱いである。

四季「ええ・・・。思いがけないトラブルで裁判所が半壊したため審理が中断してしまいました。」

先ほどまで小町にしがみ付いていた四季映姫だがようやく恐怖から立ち直ったようだ。

四季「しかし!裁判所は善良な市民を守る法の砦。けしてテロには屈しないのです!」

あまり説得力はない。

四季「えーと先ほどの続きということは・・・ああ、妖夢さんがまだ途中でしたね。・・・妖夢さん・・・?」
幽々「・・・妖夢、貴方の番だそうよ・・・しばらくお別れね。」
妖夢「ああ・・・幽々子様・・・たった数十センチがこんなにも遠く感じられるなんて、一時も目を離したくなんてないのに・・・。」
幽々「そうね・・・でもこうして手を繋いでいれば互いを感じられるわ。」
妖夢「はい・・・では行ってきます。」

抱き合っていた二人がさも名残惜しそうに離れると、立ち上がった妖夢は体操服にブルマという姿だった。
実はこの裁判所は中学校を改装して作られたもので、倉庫に誰かが忘れていった体操着があったらしい。

妖夢「ええとですね、私が無罪を選んだのはもちろん被告の印象が良かったという事だけではないです。
   裁判で出た資料の中に被害者の永琳さんが書いていた日記がありましたよね。その資料は今用意できますか?」
四季「ええもちろん。小町!資料番号125番とそのコピーをここに!」
小町「・・・ふえ?」
四季「・・・。」

四季映姫に一括された小町は、寝ぼけた顔で永琳が生前つけていたと言う日記と、一週間前から事件当日までをコピーした紙を持ってきた。
そういえば裁判でうとうとしていた時に日記がどうとか言っていたかもしれない。ほとんど記憶にないが・・・。
全員に紙が行き渡るのを待って妖夢が話始めた。

妖夢「私が注目したのは事件から3日前、7月2日に永琳さんが書いていることなんですけど・・・。」

ふむふむ、7月2日ね。ぱらぱらと用紙をめくる。

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7月2日

今日は新薬の実験をする日だったのだがアクシデントがあり出来なかった。実験台(ウドンゲ)の不具合のせいだ。
朝食を食べ終わった後にウドンゲを研究室に呼ぶと、どうしても外せない用事があるため行けないと言う。
どうせ嘘だろうと思い寝ている間に体内に埋め込んだ生物学的追跡装置(発信機と盗聴器の機能を持ち、
遠隔操作で筋弛緩剤を動脈に打つことも出来る)で何をしているか探ってみた所、脳に欠陥がある氷妖精に私の悪口を言っていた。
帰ってきた時にそのことを話すとバカみたいに驚いていて謝ってくる。
面白いから適当にからかってやると顔を真っ青にして「お願いですから私の体内の時限爆弾を取り除いてください!」と泣きついてきた。
嘘だよバカが。ウドンゲにはその内におしおきする事にする。
ああ・・・そういえば姫様が永遠亭のそばの竹林で妙な人影を見ると言うので、あいつかも知れないと思い確かめに行くとやはりそうだった。
まったく何度無理と言えば分かるのやら・・・。話しているうちに興奮してきた様で、永遠亭に進入して自分で調べるとか言い出す始末。
何とかなだめすかしたが、運命を受け入れられない奴は哀れだ。
________________________


・・・まあなんと言うか、あまり同情できそうにない被害者である。
周りの連中も怪訝な顔をしているため、裁判の時は一部しか引用されなかったらしい。

妖夢「ええと・・・私が注目したのは最後のほうに書いてある謎の人物についてですです。
   被害者の永琳さんとこの人物の間には何かトラブルがあったようで、家に侵入すると脅されたとまで書いてあります。
   目的は何か調べるためらしいのですが・・・この文だけでは何のことか分かりませんね。
   ですが私は事件現場の研究室と繋がりがある気がします。現場の写真にはたくさん書物がありましたよね?
   推測ですがこの人物が真犯人と言うことは無いでしょうか?」

さすが妖夢、まじめに裁判について考えているらしい。居眠りしていた私と違って勘以上の根拠を持っている。
そういえば、裁判が始まる前にパチェリーとまじめに話していたのも妖夢だった気がする。・・・ああ、妹紅もか・・・。
それにしても気になる日記だ・・・。私も以前永琳に診察して貰った事があるが、秘かに人体実験とかされてないだろうな。
私はもう少し資料に目を通す事にした。

________________________

7月3日

研究が行き詰っているのでウドンゲにお仕置きをして気晴らしすことにした。
昼過ぎにウドンゲを研究室に呼ぶと、昨日の負い目もあるのか大人しくついて来た。そのときの一部始終はまあこんな感じだ。
・・・
研究室に入るとこの子は何時も狐に睨まれたウサギのような目をする。私のお気に入りだ・・・しばらくそれを堪能した。
私は回転椅子に座り、両手を胸の辺りで震わせている彼女を、上から下にゆっくりと観察する。
いつ見ても綺麗な髪だ・・・。うつ向き気味の顔は多少幼すぎる感じもするが・・・私好みだし無論並以上のものである。
胸は・・・私ほどではないが大きい。呼吸が多少荒いためかすかに上下している。ほっそりとした腰に、そして私の一番のお気に入り・・・
ふふふ、言葉では言い表せないわ・・・。そして太もも・・・膝・・・ふくらはぎ・・・足首・・・すばらしいわ・・・すべてが美しい。
まるで一服の名画の様・・・。いえ、この世のどんな造形物もこの子を表現する事はできない。・・・この子は姫様以上の逸材かもしれない。
それを私ごのみに調教する・・・生きてて良かったわ。
私は机にひじを乗せ、手に顔を預けると、震える彼女にスカートとパンツを脱げと命令した。
「あ、あの、座薬ですか?」と言ってオドオドし始める。
「・・・ん?」
「あ・・・は、はい!」震える手でスカートを下ろすとショーツに手をかけた。
・・・もじもじしている。恥ずかしがっている事は知っていたが、さも分からないと言った感じで。「・・・なに?」と聞く。
「い、いえ。」ようやくパンツを下ろすとまだ幼い感じの残る性器が顔を出した。
「何時も思ってたんだけど・・・生えてないわよね?」
「え、ええ。」顔を真っ赤にして手で隠す。
「・・・さてと、何で呼ばれたか・・・分かるわよね?」
「あ、あの。すみません・・・!」
「鬼畜ババァって私の事?」
「・・・!!」
「・・・ねえ、ウドンゲ。」
「は、はい・・・!」
「私はあなたを特別に評価しているつもりよ。頭は良いし、言う事は良く聞いてくれるしね・・・。」
「あ、ありがとう、ございます・・・。」
「あなたがいてくれて良かったと思っていたわ・・・昨日までは、ね。」
「あ、ああ、あの・・・わたし・・・!!」
「私はなんと言われようと構わないのだけど・・・。でも姫様の事を悪く言ってほしくないの?ねえ、わかる?」
「う、うああ・・・。」
「なんと言ったかしら?姫様は私がいないと何も出来ないただの・・・ねえ?何といったかしら?」
「ほ、蓬莱・・・ニー・・・。」
「・・・。」
「・・・あ、ああ。」
「ねえ、ウドンゲ・・・そんなに怖がらないで、怒らないから言ってごらん?蓬莱ニー・・・何?」
「蓬、莱・・・蓬莱・・・ニー・・・ト・・・。」
「・・・。」
「ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!!」
「・・・ウドンゲ。今更いくらあなたが謝っても姫様の名誉は傷つけられたまま・・・でも一つだけ名誉を回復させる方法があるわ。
 これはあなたにしか出来ない事なのだけれど・・・やってくれるかしら?」
「は、はい!!もちろんです!」
「そう、良かった・・・その方法はね、誠心誠意心をこめて自分が言った事を取り消すのよ・・・出来る?」
「はい、出来ます!!」
「そう、それじゃあ行こうかしら。」
「え・・・?どこへですか?」
「決まってるじゃない。あの氷妖精の所よ。」
「そ、そうですね。」
「あら、何をパンツを履こうとしているの?」
「・・・え?」
「そのまま行くのよ。」
「・・・い、いや。」
「さあ、行きましょ。」
「いや、いやっ!いやあああああ!!」
ウドンゲは私が伸ばした手を払いのけると机の脚にしがみ付いた。
「ウドンゲ・・・あなた言ったわよね?誠心誠意心をこめて謝るって・・・あれは嘘だったの?」
「謝ります!!謝りますから・・・!何か履かせてください!!」
私はウドンゲの肩をつかんで振り向かせると、泣顔を思いっきり叩いた。
唖然として泣き止んだ彼女は、頬をおさえて見開いた目を私に向ける。
「ねえ、ウドンゲ・・・あなたは自分がした事の重大さが分かってないみたいね・・・。姫様は追放されたとは言え月の頂点にいたお方・・・。
 私は姫様の名誉を守る為なら命だって惜しくない。私だけではないわ、多くの月の民も姫様に敬意を払っている。
 おそばにいられるだけでも大変な名誉なの・・・。なのにあなたは・・・あろうことか姫様を辱めるような事を言った。
 ねえ、ウドンゲ。そんな恥知らずな事を言う口はどの口かしら?
 耳を疑ったわ・・・初めは信じられなかった。信頼していた者が実は恩知らずで恥知らずな裏切り者だったなんてね。
 でも、私はまだ信じていたいの・・・あなたは一時の気の迷いで心にも無い事を言ってしまったんだってね。
 お願いだからあまり私をがっかりさせないで。何も履かずに行くのは誠意を見せる為・・・最低限の事・・・。
 あれだけの罪を犯しておいて何の罰も無いなんて都合のいいことは無いのよ?
 さあ、立って・・・私もついていってあげるから、きちんと罪を償いなさい。」
我ながら心にも無い事がすらすら出てくる。詐欺師にでもなろうかしら?
ウドンゲは私の言った事を鵜呑みにしたらしく、泣き出して「ああ、私はなんて事をしてしまったの・・・!」とか言っている。
蓬莱ニートぐらいみんな言っている。事実だしね。あの甘ったれのぐうたらめ・・・ちょっと甘やかしたら使えない木偶になりやがった。
まあ・・・私がいないと何も出来ない様にしたのは自分だが・・・。新しい玩具も手に入れたし、壊してやるのも面白いかもしれない。
「それじゃあ行きましょうか?」
「は、はい・・・。」
彼女は震える声で承諾した。

・・・

________________________


パチ「・・・霊夢?・・・霊夢!」
霊夢「・・・んん?」

日記に読み言っていると不意にパチェリーに声を掛けられた。何事かと思って顔を上げると、全員が私を見ている。

霊夢「い、いやー、私ってそんなに綺麗かしら?」
パチ「・・・あのね。」
文 「霊夢さんだけ手を上げなかったんです。」
霊夢「ええと・・・何のこと?」
妹紅「幽々子さんから提案があって有罪無罪の決を採ったんですですよ。妖夢さんの意見で考えを変えた人もいるかもしれませんからね。」
幽々「ちょっとあなた、私の意見も聞いてなかったでしょう?いくらなんでも呆けすぎよ。」
霊夢「あーいや、読み物に夢中になってて・・・。ごめん。」
四季「はあ・・・でもまあ裁判に関係のある事ですしね。では改めて決を採ります。有罪だと思った人は?」

ぽろぽろと手が上がり私も上げた。

四季「では無罪の人は?・・・ふむ、妖夢さんと幽々子さん、それから妹紅さんが無罪。それ以外の人が有罪ですね。
   それでは幽香さんの番です。有罪の理由をお聞かせください。」
幽香「たいした意見は無いわ・・・飛ばして次に言って頂戴。」
四季「そ、そうですか。分かりました。」
幽々「やれやれ・・・たいした意見も無いのに有罪ねえ・・・。」
幽香「ははは、あんたなんて妖夢の意見に合わせただけじゃない。なにが「私も人殺しには見えなかった。」よ。
   まだそっちの小便たれの方がまともらしいわ。」
妖夢「貴様・・・!」
幽々「いいわ妖夢。ろくでなしには何を話しても無駄なんだから・・・。バカはバカ丸出しでふんぞり返っているのがお似合い。
   阿呆の演説なんて精神の毒・・・傲慢な声は耳も聞くのを拒否するわ。」
幽香「言ってくれるわね、生きても死んでも食う事しか頭に無い能無しが・・・死んで脳味噌は腐って、頭の中身は食欲と性欲だけ。
   バカは死んでも治らない、どころか理性も分別も蛆虫の餌にしやがって。あんたなんか死に恥とでも改名すれば?」

雲行きが怪しくなってきた。テロが生み出すのは憎しみと悲しみだけなのにどうして傷つけあうのだろう?

BANG!!!!!!!!!!!!

霊夢「きゃあ!」
チル「んああ!」
パチ「ひゃああ!」
文 「わあ!」
四季「ひいい!」
妹紅「ぐっ・・・!!」
幽香「ちい・・・!」

ああ・・・あんた達みたいなのがいるから戦争がなくならないのよ・・・。今度は妖夢も加勢したらしく爆音もアメリカ並だ。
なんと言うこと・・・今度は二階の部屋がすべて吹き飛んでいる。それに死者も出てしまった・・・。
妹紅が上半身をなくして、下半身だけがむなしく突っ立っている。輝夜も用事があったのは上半身だった気がするし興味を失うだろう。
妹紅は一度にツンデレの愛人と上半身、大切なものを二つも失ってしまった。可愛そうに。

霊夢「ああ、妹紅・・・なんてこと・・・!!あんた達、私も我慢の限界よ!博霊の巫女の名にかけて成敗してやる!!
   あの世で妹紅に詫びるといいわ!」
パチ「霊夢、落ち着いて。妹紅なら大丈夫よ。」
霊夢「何が大丈夫よ、あんたの趣味なんて知らないわ!あれが大丈夫に見える!?ああ、あああ・・・可愛そうな妹紅・・・なんて事・・・。
   あいつら・・・信じられない!妹紅を殺すなんて!!ちきしょう、もういいわ・・・どうにでもなれ、よ!
   パチェリー、あんたも邪魔するなら容赦しないわよ!!」

パチェリーはやれやれと言った感じで妹紅の下半身を指差した。
・・・ああ、妹紅の体から炎が・・・高潔な魂の彼女は綺麗なまま(下半身だけだが)天国に召されるのね。
・・・いえ・・・やはり神様はお優しい・・・哀れな彼女に上半身を生やしてくれた。でもこれでお別れね・・・。

妹紅「ふう、死ぬかと思った。」

いえ、もう死んでいるのよ・・・。

妹紅「まったく、不死の体じゃ無かったら今頃あの世行きね。」
霊夢「・・・。」
チル「あれ?霊夢ったら泣いてるの?」
霊夢「泣いてなんか、無いわよ。」
文 「泣いてますね。」
パチ「泣いてるわね。」
霊夢「う、うるさい!」
妹紅「あらま・・・ありがと霊夢。」
霊夢「・・・ぐすっ。」

・・・

30分後、ようやく瓦礫を取り除き会議が再開した。さっきの爆発で野次馬はさらに増えたようで、少なくとも百はいる。
しかし一階立てになった裁判所の屋上でやる意味があるのかしら?

小町「四季様、大丈夫ですか?」
四季「え、ええ。もう平気。」

小町に介抱されていた四季映姫だが、どうやら気を取り直した様で最後の席に着くと怒鳴りだした。

四季「ゆ、幽香さん!幽々子さん!あなたたちには理性が無いんですか?気に入らない事があればすぐ暴力とは!
   危うく死人が出るところでしたよ!!妖夢さんも・・・あなたはもう少し大人だと思っていたのに。
   次にこんな事があれば即逮捕です!裁判抜きで地獄行き!
   黒、黒、黒!バカ!阿呆!変体!くそったれのこん畜生!死人!下種!豚の餌!でかい(ピー)の塊!存在自体が(ピー)!(ピピーッ)!」
小町「し、四季様!?落ち着いてください!!」
四季「はあ、はあ、はあ・・・とにかく今は審理を続けます・・・。
   ええと、(ピピー)あ、いえ、幽香さんは意見が無いんでしたね・・・次は妹紅さんです。無罪の理由を話してください。」

立ち上がった妹紅はスクール水着を着ている。不死の彼女でも服までは再生出来ないらしい。
手で胸を隠している姿が不憫だった為、私が体操服のあった倉庫に何か無いか探しに行ったところ、棚の上に忘れてあるのを見つけて来た。
サスペンダーも吹っ飛んでしまっていたのでズボンも履けず、スク水に靴と靴下と言うエロい姿になってしまった。
しかもサイズが合わなかったらしく、いろいろと食い込んでいる。

妹紅「はい、私はさっき配られた資料を見て無罪に変えました。すべて読んだ訳ではないですけど、被害者と被告の関係は異常だと思います。
   日記には永琳さんが上司と部下と言う関係を利用して、彼女にセクハラを繰り返していたことが克明に記されています。
   特に排泄時における括約筋の実験と評しておしりの穴を16時間撮影したのはあまりにも酷いです。
   レイセンさんは精神的に追い詰められて、やむをえず犯行におよんだと考えられるので無罪を主張します。」
四季「なるほど、妹紅さんは妖夢さんや幽々子さんと違って、被害者を殺したのは被告だと考えているわけですね。
   その上で彼女は罰を負うべきでない、無罪だと主張すると。」
妹紅「ええ、私もこんな関係を続けるぐらいなら殺します。」
四季「ふむ、他に何かありますか?」
妹紅「いえ。」
四季「では文さん、お願いします。」
文 「えーっとですね・・・無罪を主張する皆さんはレイセンさんの肩を持ちすぎだと思いますよ?
   私はそれほど印象が良いとは思いませんでしたね。事件当日の事は良く覚えていないとしか言わないし・・・
   泣いたのも同情を引こうとしている様にしか見えませんでした。
   まあ、なんと言いますか・・・言い方は悪いですけど卑怯な人だと感じましたね。
   なんにせよ現場は密室でしたし、有罪だと考えるのが妥当かと。」
四季「そうですか、分かりました。それじゃあ私からも一言。
   私もパチェリーさんと同じく、今回の事件の鍵は現場が密室だった所にあると思います。
   鍵が掛かっていた扉しか部屋に入る手段が無いとすれば、論理的に考えて室内にいた被告が殺したとしか思えません。
   被害者の印象が良かったと言う人もいますが、だからと言って状況証拠を覆す理由にはなりませんよね。
   同情の余地があると言う人もいますが、殺さなくても状況を変える手はいくらでもあった筈です。
   他の事件に似たようなケースありますがそれも有罪となっています。
   殺人を許す寛容さなど正義ではありません。そんな甘さが殺人犯に事件を繰り返させるのです。
   皆さん、どうか罪を憎む心を持って勇敢な裁きを行いましょう。」
幽香「むかつく説教はいいわ。」
四季「・・・なんですか?」
幽香「あなた結局自分の意見を言ってるだけじゃない。さも全員の考えを汲んで判断していますよ、見たいな言い方は不愉快だわ。」
四季「・・・そんなつもりは無いです。」
幽香「ええ、そうでしょうとも。」
四季「・・・それではもう一度決をとりたいと思います。有罪だと思った人・・・はい、では無罪だと思った人は?・・・先程と変わらずですね。
   どうしましょうか?このまま続けてもいいですけど、休憩がとりたいと言う人はいますか?」
パチ「私、トイレに行きたいわ。それにのども渇いたし、休憩にしてもらえないかしら?」
四季「分かりました。じゃあ15分間休憩を取りますから、5時30分になったら戻ってきてくださいね。」

うーんと背伸びしてから私は席を立った。やれやれ、もういい時間だと言うのにこの気温にはイライラさせられる。
幽香達の気が立っているのも分かる・・・家に帰ってシャワーでも浴びたい気分だ。
脇の臭いを嗅いでいると妖夢に話しかけられて少し恥ずかしい思いをした。 

妖夢「先程は澄みませんでした・・・幽々子様共々お詫びいたします。」
霊夢「いいわよ、別に。」

いや、死にかけたんだから良くはないな。

霊夢「いいえ、やっぱり良くないわ。」
妖夢「ええ。」
霊夢「私はのどが渇いたの、償いに何か買ってきて頂戴。」
妖夢「はい、いいですよ。何にしましょうか?」
霊夢「カルピスが良いわね。」
妖夢「建物の裏に出店があった気がします。ちょっと待っててください。」

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四季「まったく素人が調子に乗って・・・!」
小町「四季様、何をそんなに怒ってらっしゃるんですか?」
四季「あいつです、あいつ!あの(ピピー)です!!」
小町「(ピピー)って何ですか?」
四季「何々と五月蝿いわね、あんた自分で考えるって事知らないの?売春婦の事よ!」
小町「四季様、落ち着いてください・・・どこに行かれるんですか?」
四季「トイレよ、トイレ!いつまでついて来るつもりですか、私は用ぐらい一人で足せます!!さっさと戻りなさいこのウスノロ!
   ・・・まったく、どいつもこいつも能無しの癖に私に口答えしやがって・・・くそ、ムカつくわ・・・!あの女・・・。
   ああもう、朝からずっとお腹が痛い・・・でもようやく出そうね。」

ぶつぶつと言いながらトイレの鍵をかけ、スカートとパンツを脱ぎきって床に置いた。そうしないと出ないたちなのだ。

バキッ!!・・・ガチャリ

彼女が和式のトイレにしゃがみ込むと、いきなり幽香が扉を壊して中に入り込んできた。

幽香「お邪魔するわよ。」
四季「きゃあああ!!!?な、何ご・・・!んー、んんー、んー・・・!」

叫ぼうとした彼女だったが口をふさがれて唸る事しか出来なくなってしまう。

幽香「五月蝿いわね・・・黙らないと殺すわよ?」
四季「・・・!」
幽香「そうそう、良い子ね。」

言葉とは裏腹に、表情は内に秘めた怒りがいかに凄まじいかを物語っていた。
そして発する妖力は先程の爆発の時の比ではなく、四季は抵抗は無駄だと言う事を思い知らされた。
幽香は口から手を離すと、しゃがんでいる彼女の後ろにゆっくりと回り込み、肩に手を載せると耳元で呟く。

幽香「声を上げたら殺すわ。・・・抵抗なんてしないわよね?ねえ、裁判官様?」
四季「は、はひ・・・!」
幽香「さっきは散々言ってくれてありがとう。
   私も何かお返しにと思って、喜んでくれるか分からないけどあなたが用を足すのを手伝いに来たわ・・・ねえ、迷惑かしら?」
四季「あ、あの・・・!」
幽香「ん?」
四季「は、恥ずかしい・・・!!」
幽香「・・・死にたいの?」
四季「あ、ああ、そんな・・・!」
幽香「ねえ・・・私、バカは嫌いなの。裁判官様は大層お勉強していらっしゃるでしょ?もう一度だけ聞くわ、迷惑かしら?」
四季「め、迷惑なんて・・・!そ、そんな、事・・・!無い、です。」
幽香「そう、良かった。でも私ったら、一人じゃあなたのお役に立てないかと思ってて・・・助手を連れてきたの。」
四季「え・・・?」

四季映姫が驚いて顔を上げると、個室の壁に隠れていた人物が姿を現した。

文 「・・・どうも。」
四季「な、なんで・・・!?」
幽香「ほら、裁判官様?手伝いに来てくれた彼女にお礼を言わないと。」
四季「あ、ありがとうございます・・・。」
幽香「もっとちゃんと言わないと手伝ってくれないかもしれないわ。
   ほら、「私がウンチするのを手伝いに来てくれてありがとうございます。」って言ってごらん。
四季「・・・!わ、私が、ウ、ウン、チするの・・・手伝いに来てくれて・・・あ、ありがとう、ござい・・・ます・・・っ!」
幽香「良く出来まちたねー裁判官様。さあ、そんなに足を閉じてちゃ力も入りませんでしょ。
   足を開いて扉の外にいる文お姉ちゃんにしてるところが良く見えるようにしましょうねー。」
四季「は、恥ずかしい・・・!」

肩に乗せた手に力が入る。

四季「ご、ごめんなさい・・・!今、開きます。」
幽香「・・・いちいちお姉ちゃんに迷惑かけるのは感心しないでちゅねーこの糞餓鬼が・・・死にたいんならそう言ってごらん?
   すぐにバラバラにして便器から流して上げまちゅよー。」
四季「ひいいいい・・・!」
文 「あの・・・おとなしく従った方がいいと思いますよ。」
幽香「そうそう・・・ん!ちゃんと開けたわね・・・さあ、力んで。朝から痛かったんでしょ、いつから出てないの?」
四季「あ、あの・・・一昨日から。」
幽香「あらあら、それじゃあ一杯出せますねー・・・さっさと力めって言ってるだろうが・・・ほら、良い子だから頑張って?」
四季「・・・ん、んん・・・!」
幽香「文、準備は良い?」
文 「はい。」
四季「?・・・それ・・・カ、メラ?・・・いや、いや!いやあ!撮らないで!!ひっ・・・!痛い痛い痛いいいっ!!!!肩、止めっ・・・!」
幽香「ほらほら、くそったれの糞餓鬼ちゃん。良い子だから早く済ませましょうねー。肩が粉々になっちゃいまちゅよー?」
四季「うえ、うえええ・・・。」

四季は涙で顔をくしゃくしゃにして、文が構えているカメラの前で唸る。が、状況が状況だけに中々出ない。

じょろろろろ・・・

おしっこだけが出た。顔を限界まで赤くして耳をふさごうとする。
しかし、幽香の手に更に力が加わると腕を上げる事すら出来なくなり、静寂の中で自分の尿の音を聞くしかなかった。

幽香「文。」
文 「・・・はい。」 

パシャ! ちょろろろろ・・・

四季「・・・ん・・・んん!・・・うんんん!・・・」

それからしばらく経ったが、懸命に唸っている彼女とは裏腹になかなか出ない。
入り口付近までは来ているようだが、最後の決心がつかないようだった。
しかし幽香が肩に入れる力を少しずつ増すと、とうとう痛みが羞恥心を上回ったらしい。
肛門が広がって固めの便が顔を出す。かなり太く、小さな彼女のアナルは目一杯入り口を広げている。

四季「はあ、はあっ・・・ん、んん!!」

彼女が精一杯の勇気で力いっぱい力んだ時、文のシャッター音が響き無情にも彼女の心を折った。
羞恥心がよみがえった彼女は、力を緩めて出かかった便を引っ込めてしまう・・・しかし先端だけが重力に引っ張られて水を張った便器に落ちる。

パシャ! ぽちゃ

シャッター音と便が落ちる音が同時に響いた。

幽香「文、どう?撮れた。」
文 「ええ。」
四季「あ、ああ・・・!嘘・・・こんなの嘘よぉ・・・!」
幽香「さ、まだほとんど出てないわよ・・・あらら、マジでちょっとだな・・・長くなりそうでちゅねー糞餓鬼ちゃーん。」

しばらくすると、またトイレに消え入りそうな唸り声が響いた。

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妖夢「こんにちわー。」
ミスティア「おや、妖夢さん?珍しい人が来た。」
妖夢「飲み物を買いに着たんですけど、カルピスありますか?」
ミス「たぶんね。」
妖夢「たぶん?ここはあなたのお店でしょう。」
ミス「ええ、確かに。でもあなたにお売りする様な物はありません。お引取りください。」
妖夢「私、何か気に障るようなことしましたっけ?」
ミス「あなたの主に殺されかけた。」
妖夢「そんな馬鹿な、幽々子様は人殺しではありません!貶めるような事を言うと私の剣が黙っていませんよ!」
ミス「殺しといっても殺人ではありません。殺妖、殺精・・・ん?まあいいや、見てください私の羽を!誰の歯形だと思います!?」
妖夢「あー・・・しかし誰でも何か食べないと生きていけませんから・・・幽々子様は多少人より食欲があるのです。」
ミス「知らなかった、あなたの主は何か食べないと生きていけないんですね?しかし節操が無さすぎやしませんか?
   あの強欲豚・・・あ、いえ、まさか!?違いますよ、この角煮の事です、良い豚を使っていまして。
   もっともあなたにお売りするくらいならドブに捨てた方がマシですけど・・・ん?ああ、実はもう古くなってるんです。
   それにしてもいつもの服装と違いますよね・・・え?いえいえ、似合いますよ。バカ丸出しです。
   ちょ、落ち着いてください!分かりました、お売りします!だから剣を向けないでください!
   ・・・はいどうぞ、カルピスです・・・ええと120円です。ありがとうございました。
   ・・・くくっ、バカが!まんまと騙されやがった。せいぜい生き恥をさらすといいわ!

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パチェリーは息を潜めて隣の個室のやり取りを聞いていた。
彼女がトイレに入り用を足そうとした時、いきなり扉が壊れる音と四季映姫の叫び声が聞こえたため、
びっくりして固まっているとなんとハードSMが始まってしまったらしい。
パチェリーは自分の存在を主張するあらゆる行為が不可能になってしまい、ショーツも上げずに屈み込んだままでいた。

幽香「ほらほらー、さっさと出しちゃわないと誰か来ちゃうでちゅよー。」
四季「うっ、うっ・・・もう、許して・・・!」
文 「幽香さん、もうその辺で・・・。」
幽香「何言ってんの、お楽しみはこれからじゃない・・・あはは、何て顔してんのよ、このウンコ虫!文、文!この間抜け面を写真に収めなさい!
   後で見た時に思いっきり笑えるわよ!」
四季「もう・・・やだ。ひぐっ、誰か・・・助けてよぅー!」
幽香「きゃはははははは!「誰か助けてよぅー!」はあ、はあ、もう、こいつ最高・・・!私を笑い死にさせるつもりよ!
   よーし、次こそは10センチ越えるのよ。この写真をばら撒かれたく無かったらね!」

パチ(もう、駄目・・・漏れちゃう・・・!)

最初は彼女達が立ち去るのを静かに待っていようとしていたが、出そうとして止めた尿が膀胱付近で爆発寸前になっている。
もし我慢出来なくなりおしっこをしてしまったら、隣の3人にとって私の尿がたてる音は、
オーケストラの演奏中に突如歌いだした素人の演歌と同等の不協和音でもって彼女達の耳を蹂躙し、
その音を立てた者に疑惑と敵意の視線を向けさせ、崇高な精神活動を妨げられた怒りが堰を切ったようにあふれ出すだろう。
そして私は怒れる暴君の裁きを震えながら待つ罪人の気分で扉が破壊されるのを待つ事になる。

(それだけは避けなければ・・・!)

膀胱は後30秒も持たない。しかし私は座して死を待つ事はしない、一か八かの賭けに出た。

パチ「にゃおーん。」
四季「・・・。」
幽香「・・・。」
文 「・・・。」

あ、あれ、聞こえなかったのかしら?

パチ「にゃあ、にゃあああ。」
一同「・・・。」

何か言ってよ・・・泣けてきた・・・いや、もしかして本当に騙せたのかもしれない。なんにせよもう限界だ。

じょろろろろろろ!

ああ駄目、こんな音を立てる猫はいないわ!何とか勢いを殺さないと・・・!
そうだ、おしっこを空中で手に当てて落下速度を落とせば・・・。

ちょろ、じょろろ・・・じょろろろ・・・ちょろろ・・・ちょろ・・・

ふう、なんとか出しきった・・・お咎めが無いところを見るとどうやら策は成功したらしい。

幽香「ち・・・興がそがれたわ。文、行きましょ。」
文 「はあ・・・。」

トイレから出て行く音がする。ああそうだ、私も早く戻らなければ怪しまれるわね。
私が戸を開けると、四季映姫がパンツも履かずに突っ立っていた。

パチ「うひゃああ!」
四季「・・・。」

ああ、しまった、もう一人いたんだった!!最後の最後で油断した・・・もういいわ、やけくそよ!

パチ「にゃおーん、にゃおーん、にゃおおおん。」
四季「・・・あなたを・・・心から尊敬します。」
パチ「にゃおお・・・ん?」
四季「私は前からあなたを博識のある人だと評価していました。でも今はあなたの上辺しか見ていなかった自分が恥ずかしい。
   あなたの勇気ある行いを見て、内面も非凡な方だと分かりました・・・。
   どうかこれからは、敬意をこめてパチェリー様と呼ぶ事をお許しください。」
パチ「・・・にゃ?」
四季「ふふふ、本当にユーモアのある方ですね・・・パチェリー様・・・ありがとうございます。
   私はこんな職業ですから人間の暗い部分ばかりを見て来ました。でも今は人を信じる心を取り戻せた気がします・・・。」
パチ「そ、それは良かった。」
四季「ああ、パチェリー様・・・もし宜しければ私めに何か戒めとなる言葉をお送りください。」
パチ「にゃ、にゃあん・・・。」
四季「おお、なんと言う深いお言葉・・・!誰しもが心に獣を飼っているのに、そんな自分の一面を信じようとしない。
   もしかしたらその獣は、主の帰りを待っている愛しい存在なのかもしれないのに・・・。
   ああ、パチェリー様、ありがとうございます・・・今日からはその言葉が私の聖典となりましょう。」
パチ「あ、ありがとう・・・。」

なにやら尊敬されているらしい。跪いて私の手にキスしているが、その手はさっきおしっこを受け止めた手なんだけど・・・。
四季映姫はまだトイレにいるというので、私は一人、混乱する頭で屋上に戻った。
裁判員制度、始まりましたねー。
70人に一人の割合で選ばれるそうですが、意味が分かりませんね。
でもたぶん70人に一人の割合で裁判員になるってことですよね、きっと。
本文ですがスカスカのスカトロ文になってしまいました。(パクリでもある)
歴史的大作ってことですか?
あ、ウドンゲは巨乳ですよ。
作者は妄想の世界では内閣総理大臣です。現実ではニーt(ry
食人植物目がトロン
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
ふ、深い……次作楽しみにしてます
2.名前が無い程度の能力削除
スカってだけで本編は読んでないんですが、「パチュリー」ですよ
3.名前が無い程度の能力削除
四季英姫になってたかも
4.名前が無い程度の能力削除
どうせなら12人出して欲しかったです
5.名前が無い程度の能力削除
とりあえず「」の前に名前書くのやめろ
6.名前が無い程度の能力削除
>>5さん
それはいいと思うよ
7.名前が無い程度の能力削除
>>5
こういうのに限って、無かったら「人多くて分かりにくい」とか言うんだよな……
8.名前が無い程度の能力削除
なんつーか、あんた、頭いいな……