真・東方夜伽話

男の子になった日 夕方

2009/04/20 17:55:27
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男の子になった日 夕方

危ない百姓
※男体化(ショタ化)ものです。
※続き物の一本目です。
※エロ傾向に、当然のようにアナル系が含まれています。
※おぜうさまとフランちゃんが鏡に映る設定です。人生色々。吸血鬼も色々。
※ホモセックスは……やってません(*´▽`)





 ある春の日、目が覚めたら男になっていた。
「……またか」
 ベッドに横たわったまま自らの股間を触り、私──レミリア・スカーレットは溜め息をつく。
 自分の身体を霧に変化させたり、蝙蝠や獣に変身する事も出来る吸血鬼にとって、たかが性別が変わったぐらい別に驚く事でもない。
 しかし、勝手に身体変化が起きたのは少し厄介。
 意識せずに行った訳じゃないから、普段通りの身体に変身しようとしても、上手くできない。女に戻ろうとして、半人半獣の姿になってしまったり、やけに幼い身体になるなど、どうやっても元の姿になれない。何故か確実に失敗する。
 勝手に元に戻るまで、変身や変化を控えて生活する以外に方法が無い。
「はぁ……またしばらく外へ行けない、か……」
 私は再び溜め息をついた。
 完全な男の身体になると、性格や考え方も男っぽくなり、色々と歯止めや加減が難しくなる。さらに、やたらと性欲が高まる。なにかと言うと、すぐ……エッチしたくなる。
 そのため、元に戻るまで外出を控えるのが、こうなった時の通例だ。

 この紅魔館の中でならともかく、外で問題を起こしたら、色々と厄介。
 例えば弾幕ごっこ。男の身体だと血の気が普段より多い。かなり危ない。
 弾幕ごっこに事故はつきものとは言え、うっかり殺してしまったら、ちょっと後味が悪い。殺す気がなかったのに、勢い余って殺してしまうのは、力をコントロールできていない証拠だから──恥ずかしい。
 殺しはしなくても、勝った勢いでレイプしちゃうかも知れない。勝負でテンションが高まった勢いで、性欲まで昂ぶらせ、そのまま誰かを犯してしまったら……私の評判は絶望的な事になる。
 悪名が高まり、恐れられるのは吸血鬼として嬉しい。悪魔にとって、この上ない喜びだ。
 でも……紅い強姦魔、永遠に紅い幼きレイパー、などと言われたら、たぶん私は泣く。そんな情けなく恥ずかしい評判は、絶対に嫌だ。

 宴会に出るのも危ない。
 お酒に酔ったら、きっと誰かを口説く。口説くだけならまだしも、酔った勢いで強引に事を進めかねない。楽しい宴会の片隅で、私が誰かをレイプしたら、半永久的に不名誉な評判がつきまとい、間違いなく仲間外れにされるだろう。
 実際問題、この幻想郷に居る人妖たちは、どいつもこいつも可愛い。私と妹に比べたら、そりゃちょっと落ちるけど、みんな可愛い。っつか、普段でさえムラッと来ることもたまにあるってのに、男になっている状態では、我慢できる自信がない。
 元から吸血鬼と言う種族は、快楽への渇望が強い種だ。普段は高貴な者として、なるべく慎み深くあるよう心がけている私も例外じゃない。今この身体で兆してきたら、とてもじゃないが堪えきれないだろう。

「まったく……本当に厄介ね……」
 しばらくは外へ行けないと思うと、気が重い。
 それに私は男の身体を気に入っていない。だから余計に気が滅入る。
 男になった私も美しいとは思う。だけど、いつもの身体と比べたら、やや劣る。ただ男性器が備わるだけならともかく、少し角張った印象を与える顔つきや骨格になるから、あまり男の身体は好きじゃない。
 そもそも私は基本の身体が好きだ。大きすぎる能力の代償として、これ以上成長しない幼い少女の姿で固定化された肉体には、愛着がある。その気になれば、二〇代前半程度の身体に変身する事も可能だが、そんな事は絶対やらないぐらい、私は普段の肉体を気に入っている。

 寝室のドアをノックする音が聞こえた。
「お嬢様、お目覚めですか?」
 私が起きたのを見計らって、メイド長──十六夜咲夜が来たか。
「うん、起きた。でも入ってこないで」
「……あれ? お声が……」
「例のアレよ、アレ」
 耳ざとく、声の調子がやや違う事を聞きとがめた咲夜に、指示語だけで状況を伝えた。
 彼女を館に置いてから、私が男になったのは初めてではない。だいたい二月に一度ぐらいの割合で、この身体変化は何の前触れもなく勝手に起こる。
 居候させている友人──パチュリー・ノーレッジは、しょっちゅう私が女の身体のままペニスだけを生やすから、こんな現象が起きるんだと言う。あと、私が普段から、まともな変化や変身をあまりしないのも原因だろうと。
 私は自分の肉体が好きだから、蝙蝠に変身する、男根を具現化させる、以外の身体変化をほとんど行わない。
 偏った使い方ばかりしているから、こうした事故が起きるとパチェは言う。

「なるほど、またですか……では、別のお洋服を用意しますか?」
「今回はやめとく。いつも通りの服でいい」
 男物を用意すべきかとの質問に、それは不要と答えた。
 半ズボンを穿くのは好きじゃない。半ズボンは他者が穿いているのを観賞するために存在する、と私は思っている。
 長ズボンは論外だ。パジャマで着るならともかく、この幼く可愛らしい姿をした私が、そんな物を穿いたら、きっとみんな悲しむ。高貴なる者は、下々にとってアイドルだ。似合わない妙な服装をしてはならない。

「わかりました。では、お着替えが終わる頃お迎えに参ります」
 そう扉越しに言うと、咲夜は気配を消した。私の朝食──もう夕方近くだけど──を用意しに向かったんだろう。
 面倒なときは寝室や居室に運ばせることもあるが、だいたい朝食は食堂で摂る。上手く生活パターンのタイミングが合えば、妹──フランドール・スカーレットやパチェと会食する事もある。
 使用人以外で紅魔館に住んでいるのは、私とフランとパチェの三名だけ。三名とも生活時間がバラバラで、魔法使いである友人に至っては食事自体摂らなくても問題無いため、セッティングしなければ会食の機会は多くない。
 特に調整などを行わず、完全な偶然で会食となるのが、私は好きだ。運命を操らず、セッティングもせず、可愛い妹や親しい友と一緒に食事出来ると、少し得した気分になれる。

「さて、咲夜が迎えに来るまでに……着替え、と」
 天蓋付きのベッドから降り、パジャマを脱いで普段着に着替えた。
「……うーん……やっぱり、ちょっと微妙……仕方ないか」
 壁際にある姿見に映った少し硬質な印象がある自らの姿は、やはりどこか違和感がある。
 そんなに大きく姿が変わったわけじゃない。身体全体から丸みが少なくなった程度だが、僅かでも見慣れた姿と異なると、どことなく違和感を覚えてしまう。
「まるで女装した美少年ね……って、それじゃ変態だわ……」
 お気に入りの普段着──赤いリボンの付いたモブキャップと薄桃色のドレスは、この身体にも充分に似合う。しかし、似合い方がいつもと違う。普段は愛らしくて美しいが、今日は美しさより可愛らしさが少し強い。

「……っつか、私って女で居るより男で居た方が……ひょっとして可愛い?」
 確か「こんな可愛い子が女の子のはずがない」と言うことわざが、外の世界で最近流行っていると聞いた。どこかから手に入れた本に書いてあったと、パチェが言っていた。
 女装した男の子は女の子よりも可愛いって意味だとか……鏡に映る私を見る限り、それは確かに間違っていない。美しさが減った分、可愛らしさが強まっている。
「あ、やだ……」
 鏡に映っている自分の姿を見ていたら、股間に血液が集まってきた。
 ……自分の姿で勃起しちゃってるなんて、これじゃ本当に変態じゃないの……!

「ん……でも、そう言えば……」
 外の世界では「女装オナニー」が市民権を得ていると聞いた事がある。これもパチェから聞いた話だが、最近の外の世界は古代ローマを凌駕する風俗壊乱ぶりだとか。
 きっと幻想郷も外の世界の影響を受けて居るんだろう。私が変態なんじゃなく、男の子が女装して興奮するのが当然な時代となったに違いない。
「そう、きっとそうだわ……私が変態な訳ないし」
 世間一般の基準よりも、ちょっとだけ性欲が旺盛で、少しだけエッチなのは認めるけど、私はまだ正常な範囲。
 妹と近親相姦しているし、パチェとも肉体関係があって、咲夜に夜伽の相手もさせていて、最近はあまりしてないけど門番──紅美鈴とも情を交わし、結構な数お手つきな妖精メイドが居ても、これぐらい吸血鬼なら普通だと思う。
 その証拠に私は未だ処女。生まれて五〇〇年も経つと言うのに、しっかりと貞操を守り続けている。こんな身持ちが堅い悪魔は珍しいはず。

 ……別に、お尻でエッチするのが好き過ぎて、女性器への興味が薄いからとか、処女喪失に不安があるとか、妊娠が怖い訳じゃない。初潮が来る前に肉体の成長が止まっているから、そもそも妊娠自体できない。貞操観念がしっかりしているだけ。
 っつか、吸血鬼や悪魔は神の定めた摂理に背くのが基本。産めよ増えよ地に満ちよ、汝姦淫するなかれが神の望みなら、生殖と無関係に快楽を求めるのが、私たちにとって正しい在り方。
 サバトなどでは、お尻やアヌスへのキスと肛門性交が、ほぼ必須のプログラムとなっている。生殖と無縁な排泄器官を、生殖行為に類似した性行為に供するのは、神に対する冒涜であり神の否定。

 だからこそ悪魔や吸血鬼は、たいがいお尻や肛門に強い執着と関心を持っている。もちろん悪魔そのもので、吸血鬼である私も例外じゃない。はっきり言って大好きだ。
 恥ずかしい、はしたないとは思う。でも、種族的特性だから仕方ない。あまり他者には言わないし、実際に行為を行うときも羞恥を覚えるけど、どうしようもない。
 神が好まず祝福せず、快楽行為へ供することを戒律で堅く禁じる部位を、盛んに用いて快感を味わうのは、私たちの本分とも言える。
 ……あ、そうか……それなら、人倫から外れれば外れるほど、変態なら変態なほど、私は悪魔として完璧に近くなる……そうだ、私は変態で良いんだ!
 いや、変態じゃなければいけない!
 ちょっとぐらい異常性癖を持っていなければ、紅い悪魔の名が廃るっ!

「……あの、お嬢様」
「うひゃあっ! な、なによ咲夜っ! ノックぐらいしなさいっ!」
 自分の思考に没頭していた私は、背後からいきなり声をかけられ驚き戸惑った。
「いえ、何度かノックいたしましたが……」
 ノック音に気付かないぐらい、私は鏡を見て考え込んでいた。必死に自己肯定を行っていたから、ちょっと周囲への注意が散漫になっていたみたい。
「そ、それなら返事を待ってから入りなさい! もうっ、主に対して失礼よ!」
 私にも非がありそうだけど、とりあえず彼女の所為にしておく。
「申し訳ございません」
 素直に咲夜は頭を下げた。
 ……おかしい。
 いつもなら一言ぐらい皮肉が来るはずだ。彼女は私のわがままをほぼ全て受け入れてくれるが、だいたい一言なにか言うし、たしなめもする。
 はい、イエス、了解ばかりで、自分の意志を捨てているような従者は面白くない。適度に逆らったり、たまに主をやり込めるぐらいの者だからこそ、気に入っているというのに。

「だめ、許さない。お仕置きよ……咲夜」
 なんかモヤっとするから、私は彼女にお仕置きする事に決めた。主の気分を損ねた従者には、懲罰を与えるのが常識だろう。
「は、はい……申し訳ございません」
 彼女は頬を紅く染めていた。
 ……そう言うことか……なるほど、わざと素直な態度を取って、私を割り切れない気持ちにさせ、その解消に用立てられるのを望んでの行動か。
 それなら期待に応えてやろう──
「ふふっ、良い心がけね。じゃあ、とりあえずお口でご奉仕しなさい」
 穿いたばかりのスカートを脱ぎ、その下のドロワーズも私は降ろす。
 いつもの身体に生やすときよりも、やや小さい男根が、無毛の股間とともに露わとなった。だいたい一〇代半ばから後半ぐらいの、青年になりかけた少年のペニスって感じだ。
 腰を軽く動かし、半勃ち程度に大きくなったペニスを揺する。
 お仕置きと言ったら、エッチな事と相場決まっている。ちょうど膨張しつつあったんだから、ちょっと抜いておくのも悪くない。
 望んでない事態とは言え、そうそうしょっちゅう男の身体になる訳じゃない。せっかくだから元に戻るまで前向きに、この肉体で愉しもう。

「わかりました……ご奉仕させて、いただきます……」
 床に膝を突き、うっとりとした上目遣いで、私の顔と男根に咲夜は視線を注ぐ。
 まるでエサを前にした犬みたいな目だ。
「待ちなさい。主が下穿いてないってのに、お前は脱がない気?」
 犬なら「お預け」をしてやらないと。
「も、申し訳ありません……」
 いそいそと咲夜はスカートとパンツを脱ぎ、下半身を露出させた。
 日頃からしっかりと手入れをさせているため、陰裂の周囲には生えていないが、彼女の下腹部には恥毛がある。ふっくらと盛り上がったビーナスの丘を、頭髪と同色な銀色の体毛が彩っている。
 股間に位置する秘裂は瀟洒な彼女に相応しく上品で、だらしなくラビアをはみ出させたりはしていない。色素を沈着させて黒ずんでもいない。私や妹に比べたら発達し成熟して、少女よりも女を感じさせる外観ではあるが、まだ初々しさを失っていない。
 記憶にある限り、確か咲夜も未だ処女のはず。入り口付近を弄りはするが、彼女のヴァギナに私は挿入したことがない。広げさせて、じっくり中を覗いた事もない。あまり興味と関心がない部位だから。

「それでいい。あ、上は脱がなくていいわ」
 もうちょっと咲夜のバストが大きければ、前をはだけさせ乳房だけ露出させる。しかし、彼女の胸は、小さくはないけど大きくもない。年相応に膨らんでいる程度だから、そんなに私の興味を惹かない。
「はい、ありがとうございます……では……!」
 もし咲夜に尻尾があったら、ぶんぶん凄い勢いで振っているだろう。
 僅かな間も待ち焦がれていたかのように、彼女は私の股間に顔を近付ける。
 温かい柔らかな唇が、はむっとペニスを咥えた。

「んっ……ほら、咲夜。しっかり全部呑み込みなさい」
 さらりとした銀髪を指で弄びつつ、根元まで全部口内に咥えさせる。
 ぬめっと湿った温かい口内粘膜が、私の敏感な部位を包み込むのが気持ち良い。
「くっ、ん……ふふっ、美味しそうに目を細めちゃって。本当に咲夜は私のちんちん大好きね」
「ふっ、ふぁい……らひしゅひれひゅ」
 ペニスを咥えたまま、私の軽口に咲夜が答えた。
 言葉を発すると、もごもご口が動くため、のたっと舌に乗せられている男根が刺激され心地良い。
 半勃ちだった私の欲望器官は、早くも怒張と言う表現が似つかわしいほどに、硬く大きく張り詰めた。

「そう。それなら、さっさと動かしなさい。ほら、咥えてるだけじゃダメよ」
 やや乱暴な手つきで、彼女の頭髪をかき乱す。
 少しぐらい粗雑に扱った方が咲夜は喜ぶ。なんでも、お仕えしていると言う意識が強まり興奮するんだとか……なんとなく、その気持ちは私にもわかる。私自身、フランにちょっといじわるされたり、乱暴に犯されるのが好きだから。
「んっ、んじゅっ……んぷっ、んんっ……!」
 くぐもった呻きと、唾液が奏でる水音を漏らし、彼女は頭を動かし始めた。頭だけではなく、舌も咲夜は盛んに動かしている。
「いいわよ、咲夜。気持ちいいわ……んっ」
 心地良い口淫の快感に、私は陶然と目を細めた。
 唾液に滑った舌が絡みつくように、私のペニスを舐めしゃぶる。少し口をすぼめて吸いながら、咲夜は的確に感じるツボを刺激してくる。

「ふふっ、相変わらず……んっ、あ……上手ね」
 軽く頬を撫でてやりつつ、彼女を褒めた。
 ぷりぷにとした柔らかい舌の粘膜に、敏感な鈴口を擦られると、思わず膝が震えてしまう。与えられる快感に身体が反応して、もっと快楽を得ようと勝手に腰を弾ませる。
 うっとりと瞳を潤ませて、私の欲望器官に口舌奉仕を行う咲夜の顔を見ていると、どんどん興奮が高まってゆく。
「じゅぷっ、んぐっ、んじゅっ、んっ、ぢゅっ」
 唇の端から唾液を溢れ出させ、はしたなく口許を汚しながら、咲夜が頭部を前後に揺する。彼女が頭を動かす度に、唇と口腔が肉槍をしごき立てる。
 鼻息を荒くして男根にむしゃぶりつく姿は、普段の凛と澄ました表情からは想像できない淫らな姿。浅ましいメス犬って感じで、とても可愛く魅力的だ。

「っん……くっ、あぁっ……」
 きゅっとアヌスに力を込め、睾丸と肛門の間にある筋肉を引き締め、私は込み上げて来た射精衝動を堪える。
 軽く抜いておこうかと思って奉仕させたけど、出してしまうのが惜しくなった。
「も、もう……いいわ、咲夜……やめなさい」
 彼女の頭を掴み、私は口内からペニスを引き抜く。
 ちゅぽんと小気味良い音を響かせながら、たっぷりと唾液でぬめった屹立が姿を現す。
「んっ……あっ……」
 つぅーっと滴る唾液の糸を拭いもせず、咲夜は残念そうな目で私の顔とペニスを交互に見る。
 まるでお預けを喰らったメス犬みたいな目だ。うん、やっぱり咲夜は猫って言うよりも犬だ……私の可愛いメイド犬。

「もっと咥えていたかった? でも、あなたを満足させたらお仕置きにならないでしょ。咲夜は私のちんちんしゃぶるの大好きなメス犬だし」
 にやっと意地の悪い微笑みを浮かべ、私は咲夜を鼻で笑った。
 そんな哀れっぽく、物欲しそうな目で訴えかけられると、つい意地悪したくなる。
「も、申し訳ございません……」
 羞恥と屈辱で頬を赤らめ、彼女は頭を下げた。奉仕しろと言われ、一方的に中断させられ、おまけに嘲弄されても、頭を下げねばならないんだから、つくづく従者ってものは大変な仕事だ。
 もっとも、大変な仕事にさせているのは、他ならぬ私の所為だけどね……あははっ。
「不満そうね。いいのよ、不満があるなら言ってくれて」
 左足を彼女の股間へ伸ばす。
 ぬちっと湿った感触が、靴下を穿いていない素足に伝わってきた。
 私のペニスに口唇奉仕を行いながら、咲夜は秘唇を濡らしていたようだ。全く弄ってもいないのに、他者に奉仕する事で快感を募らせるなんて、とてもはしたない。

「は、はいっ! あの……」
 顔を上げ、嬉しそうな顔で咲夜が口を開く。
「あら、不満言うの? 主に言って良いって言われても、そこは『滅相もございません』と返すのが従者ってもんじゃない?」
 何かを言う前に、私は言葉を遮った。
 淫らなメイドは甘やかしちゃいけない。奉仕しながら快楽を得る浅ましいメス犬には、ちょっとぐらい意地悪しなければお仕置きにならない。
「も、申し訳ありませんっ!」
 再び彼女は、詫びの言葉を述べつつ頭を下げた。
「ふんっ、僕のペニスしゃぶって、股ぐらをこんな湿らせるなんて、本当にいやらしいな」
 左足の親指で、僕は咲夜の秘裂をなぞる。
 ……あれ……いま、私……僕って言った?
「え? あ……」
 彼女は驚いた顔を僕に向けている。
 ……性格の男性化が、少しずつ表に現れてきた。
 考え方や性格が男性化されると、たまに言葉遣いが男っぽくなる。

「なに間抜け面してんのさ? 私が僕って言っちゃいけないっての?」
「い、いえ、そんなことは……申し訳ありません、お嬢様」
 三度咲夜は頭を下げた。
「いつもの事なんだから慣れてよね。身体と口調が時々変わっても、私は私よ」
 叱責しながら、私は左足を動かし、愛液で滑る彼女の陰裂を擦る。
 温かな肉の湿地帯から、ぐちゅぬちゅと淫らな音が響く。
「はっ、はい……あっ、お、お嬢様は……んっ、ど、どんな姿になられても……あぁっ、わ、私のっ、お、お嬢様ですっ!」
 なまめかしい喘ぎ混じりに咲夜は言った。
「わかったんならいいわ。じゃあ、お仕置きの続きね」
 私は左足を彼女の股間から離し、顔の前に突き出す。
 溢れ滴った蜜にまみれた足を見て、咲夜は頬を一層赤く染めた。
「ほら、あなたの汁で汚れちゃったのよ……どうすればいいか、わかる?」
「申し訳ございません……」
 舌で清めようと、彼女は顔を近付けるが、すっと私は足を退く。

「ダメよ。言葉が足りない。なんで申し訳ない、だから何をする、この二つを略しちゃだめ。言い直しなさい」
 ちょっと意地悪すぎる気もする。でも、本気で嫌な時は断っても良いと言ってあるから大丈夫だろう。
「は、はい……み、淫らなメイドで申し訳、ありません……え、エッチなおつゆで、汚したお嬢様のおみ足、き、清めさせていただき、ます……」
 小刻みに肩を震わせつつ、咲夜は屈辱的な言葉を口にした。
 この手の言葉は他者に言われるよりも、自分で言う方が、強い羞恥と屈辱を感じる。私もよく、似たような事をフランに言わされるし、言わせるから、今の彼女の気持ちが手に取るようにわかる。

「よく言えた。偉いわよ、咲夜……じゃあ、舐めていいわよ」
 許可を与えると、速やかに咲夜は私の足に口付けた。
 自らの愛液で濡れた足に、ぺちゃぺちょと音を立てて舌を這わせる。
 足を舐めさせるのは、肉体的にはくすぐったさが強くて、あんまり気持ち良くないけど、精神的にはとても気持ちが良い。
 目を潤ませ、決してきれいじゃない場所に舌を伸ばす彼女の姿を見下ろしていると、背筋がぞくりとする。もっと意地悪したくなる。

「それぐらいでいいわ。くすぐったいし」
 三分ぐらい舐めさせてから、おもむろに私は言い放った。片足だけ上げていたから、ちょっと疲れた。
「……」
 無言で顔を退かせ、唾液や愛液に汚れた口許を咲夜は手で拭う。
「じゃあ、ご飯に行くわ」
「え……」
 彼女は意外そうな顔で私を見ている。
 そりゃそうだ。これから、もっと恥ずかしい事を色々されると、思っていたんだろうから。
「どしたの、咲夜? もうお仕置きは終わりよ。お腹減っちゃったし」
 床の上に脱ぎ捨てたドロワーズとスカートを、私は拾い身に着ける。

「は、はい……わ、私も支度いたしますわ……」
 しょんぼりと肩を落とし、のそのそと咲夜はパンツとスカートを手に取る。普段と比べて動作が遅いのは、それだけ未練が強いってことだろう。
「あら、だめよ。パンツなんか穿いちゃダメ」
「え?」
「私が許してないのに、勝手に下着穿くなんて許さないよ」
 パンツ穿くのに未練があるなら、穿かなければいい。エッチな咲夜には、下着なんて必要ない。

「の、ノーパンで過ごせと……」
「嫌なの? どうしてもイヤなら穿けば。嫌ならイヤって言って良いわよ」
 素っ気なく私は言った。こんな風に言われて、彼女が「嫌だ! パンツ穿く!」なんて言うわけ無いと知りながら。
 いつもの私は、ちょっとだけわがままだけど、ここまで意地悪じゃない。だから、きっとこれは身体の所為。
「い、いやじゃありませんが……」
 スカートとパンツを手に持ったまま、下半身素っ裸の彼女は戸惑っていた。
 ああ、困ってる。咲夜が困ってる。どんな無理難題だって軽くこなせる彼女が、たかが下着のことで困惑している。
 本気で困る咲夜の姿は、滅多に見られない。瀟洒で完全な彼女は美しいけど、困惑する姿は可愛い。年相応に見えて、すごく可愛い。

「わかったわ。特別に私が解決してあげる……貸しなさい」
「あっ……」
 咲夜の手から下着だけ奪い取り、私はベッド脇に置かれたテーブルに歩み寄った。
 読書や軽食、ちょっとした書き物に使う、小さなテーブルの上にはランプが置いてある。鉱油じゃなく植物油──菜種油を燃料にしている、ガラスランプが。
 私はランプを開け、中に入っている油にパンツを浸した。
「え……な、なにを……?」
 意図が読めないのか、彼女は不思議そうな声を出す。
「燃やしたりなんかしないわよ。ちょっと滑りを良くするだけ」
 油まみれになった布切れをテーブルの上に広げ、私は小さく折りたたむ。
 畳んで、さらにそれを棒状に固く丸め、だいたい長さ一〇センチ、太さは親指より太い程度の細長い円筒をつくる。

「滑り……ま、まさか?」
 軽く与えたヒントで察しが付いたようだ。やっぱり、咲夜は優秀で賢い。
「わかったの? それなら、どうすればいいかもわかるでしょ?」
「……はい、かしこまりました」
 恥ずかしそうに目を伏せ、手にしていたスカートを床に置き、咲夜はこちらに近付いてきた。テーブルに手を置き、お尻を突き出す姿勢を取る。
「ど、どうぞ……」
「物わかりが良くて助かるわ。でも、ちゃんと拡げないとやりづらい」
 布切れでつくった油塗れの棒を手に、私は彼女の後方に回り込み、ぷりんっと突き出された臀部を見下ろす。
 私や妹に比べると、咲夜のお尻は大きく丸く肉付きが良い。
 立ち仕事が多い所為か、滑らかな肌と柔らかい脂肪の下には、しっかりと程良く筋肉がついている。正確なサイズを計ったことはないけど、たぶんバストよりヒップの方が、大きいと思う。

「わ、わかりました……こ、これで……いかがでしょうか?」
 上体を前に傾けたまま、彼女は自らの臀部に両手を回し、お尻のほっぺたを掴み、くいっと左右に割り拡げた。
 ちょうど目の高さに来るよう私は身を屈め、くっぱりと掴み拡げられた臀裂に視線を注ぐ。
「うん、上出来よ。いいわね。今日も咲夜のアヌスは可愛いわ」
 お尻に顔を近付け、きゅっと上品にすぼまった、フランのよりも赤味が強い濃桃色の肛孔を眺める。
 お尻の穴は持ち主に似ていると、私は常々思っている。咲夜のアヌスは、瀟洒な彼女に相応しく、すっきりと引き締まり洗練されている。乱れの無い放射状の皺には、発毛や外痔なんか存在しない。
 色づき具合も、濁った黒っぽさで濃いのではなく、健康的に色素を強めている。この部位に興味が無い者でも、素直にきれいだと認めるぐらい、整った外観だろう。

 もっとも、私が一番良く知っているアヌスに比べると、少しだけ魅力に欠ける。いや、妹の肛孔と比べてしまうのは、ちょっと咲夜に対して酷だ。なにしろフランのお尻の穴は、世に並ぶ者が居ないほど最も可憐で美しい。
 妹本人に言わせると、私のアヌスの方が可愛くて綺麗らしい。だけど、きっとそれはお世辞。フランの全てが私より可愛いのは、揺るがせない事実だ。だって妹は三千世界で最も可愛いんだから、
 目の前に咲夜が居るのに、こんなことを考えるのは悪いと思う。でも、どうしたって私の中の一番は常にフランだ。他の追随を許さないほど突出している。
 もちろん私は咲夜も好きだ。そうじゃなかったら、夜伽の相手をさせたり、彼女も満更じゃないエッチなお仕置きをする訳がない。

「あ、ありがとうございます……」
 ある意味で最低な事を私が思考しているのも知らず、咲夜は素直に礼を述べた。そんな場所を褒められても、あまり嬉しくないだろうに。
 っつか、私もよく妹に「お姉様のアナル可愛い」「お尻の穴なのに、すっごいきれいだよ」「こんな可愛いところから、本当にうんち出すの?」とか言われるけど、恥ずかしくて反応に困る。褒められるのは、そりゃもちろん嬉しいけど、場所が場所だけに……素直に、ありがとうって言いづらい。
「でも、ちょっと乾いてるわね。このままじゃ無理よ……自分で解しなさい」
 入れる物は潤い滑っているけど、受け入れさせる場所が乾いていると、やりづらい。なかなか上手く入らないと、私がイライラするし、入れられる側も大変だろう。

「わかりました……」
「あ、待って」
 咲夜の右手を私は掴んだ。掌を上に向けさせて、
「ほら、濡らしてあげる……ぺっ!」
 そこへツバを吐きかけた。
 普通にする時なら、私が彼女のお尻を舐める事もあるし、自分で解させるとき指をしゃぶってやったりもする。でも、今日は普段より意地悪したい気分だから、唾液を分けてやるだけで充分。

「お、お心遣い……あ、ありがとうございます……」
 震える声で咲夜は礼を述べた。ツバを吐きかけられて感謝するなんて変な話だけど、好きな相手や敬愛する存在にされた事なら、なんだって嬉しいって思えるから、別に不思議じゃない。
「うん、たくさん感謝していいわよ。ほら、ここまでしてやったんだから、早くアナルほじりなさい」
「は、はい……お、お嬢様のツバありがたく使わせて、いただきます……」
 掌に吐きかけられたツバを、咲夜は自らのアヌスになすりつけた。唾液を掌から肛孔に移すと、それを彼女は指で塗り込める。
 ひくひくと収縮する排泄孔を、汗よりも粘り気がある透明の液体が、ぬらりと潤してゆく。

「どう、咲夜? 私のツバお尻に塗りつけるの、気持ちいい?」
「はい……まるでお嬢様に舐めていただいているみたいで……こ、興奮しますわ」
 呼吸を荒げて、彼女は肛襞を自らの指で激しく擦る。興奮しているって発言が嘘じゃないと証明するかのように、秘裂から溢れた蜜が、ぽたっぽたりと滴り落ちた。
「変態ね。そんなんで興奮するなんて最低の変態メイド。ほら、いつまでも外側ばっか触ってないで、早く奥まで弄りなさい。主人を待たせるものじゃないでしょ?」
 私は咲夜を嘲弄しつつ急かした。じっくりと時間をかけて、なぶり愉しみたい気持ちもあるけど──お腹が減った。
 血を吸いながら犯して、食欲と性欲を同時に満たすって手段もある。だけど、今は咲夜の血を吸いたくない。いつもは小食な私でも、男の身体だと結構たくさん食べられる。ついうっかり彼女を眷属にしちゃう危険がある。
 咲夜を吸血鬼にしたい気持ちはずっとある。でも、それは彼女が望まない限りしないと決めた。歯止めがきかなくて吸い過ぎちゃった、なんて事態は避けたい。そんな事で、咲夜の信頼を裏切りたくない。

「も、申し訳ございません……んっ、んんっ……あっ……!」
 急かし催促された彼女は、すぐオーダーを実行した。本当はもっと自分で自らを焦らし、ゆっくりとアヌスをほじりたいんだろうけど、主の都合は従者の思惑に優越する。
 ぬらぬらと私の唾液で潤った肛孔へ、同じく濡れた指を埋めてゆく。咲夜は右手の人差し指と中指を揃え重ねて、奥へと突き入れた。
 ……いきなり二本入れるなんて、さすが咲夜ね……いや、私が急かした所為だろうけど。
「本当にいやらしいお尻ね。ずぶって簡単に指入っちゃってる……見ててあげるから、しっかり解すのよ」
 私の声は楽しげに弾んでいる。穢れを知らないような、そこから排泄物を出すなんて信じられないってぐらい、きれいに整った美しい肛孔も好きだけど、それがこうして歪むのを見るのは楽しい。
 さっきまで、どことなく清楚なイメージすらあった咲夜の美しいアヌスが、今は淫らなメス穴に見える。肛門を可憐に彩るアナル皺が、太い異物を咥えたことで引き延ばされて薄れ、代わりに穴周りの肉が盛り上がり、いやらしく貪欲な印象を感じさせる外観となっている。

「くっ、あぁっ……は、はいっ! んっ……あっ、あぁっ!」
 がくがくと膝を震わせ甲高く喘ぎながら、彼女は自らのアヌスを指弄する。狭くきつい肛門管を、にちゅにちと二本の指で拡げ穿つ。
 お尻や背中、太腿には透明な汗の雫が浮かび、秘唇からは愛液が床に向かって垂れ続ける。私が、主が見ている前で……いや、見ているからこそ、はしたなく淫らな姿を、咲夜は惜しげもなく披露する。
「ふふっ、やっぱ慣れてるだけあって、すぐ解れるわね。ずぽずぷって指が簡単に出入りしてるじゃない……本当に咲夜は変態な尻穴メイドね」
 きつく閉じ締まっているべきすぼまりを、スムーズに出入りする指を見て、私は嘲笑った。
 別に本気で彼女を嘲ったり、軽蔑しているわけじゃない。こうした方が気分が出るし、咲夜もやりやすいから言っている。せっかく恥ずかしい、無様な姿を見せているのに、無感動に受け入れられたら興が削がれるだろう。
 私もよく妹に、アナルオナニーをさせられたり、直腸へ中出しされ溢れ出し床に滴り落ちた腸液と精液の混合液を舐めさせられたり、犬のような姿で放尿させられたりするから──よくわかる。

「あっ、くぅっ……あぁっ、おっ、お嬢様ぁっ……んっ、あっ、んんっ」
 指を出し入れする速度を、咲夜はどんどん速めてゆく。刺激を受けて分泌され、奥から降りてきた腸液が、肛孔の出入り口を汚すほど激しく、ぐちゅぬちゅと指を動かしている。
 もうアヌスを解すという目的は充分に達成されている。このまま放っておけば、この肛門自慰で彼女は絶頂に達する。そうなる前に、
「もう、いいわよ。指を抜きなさい」
 私は止めるよう命令した。
「あっ……んっ、は、はい……あっ、あぁっ!」
 ちゅぽんと小気味良い音とともに、咲夜は排泄孔から指を抜いた。咥え込まされていた異物を急に抜き去られた肛孔が、未練がましく口を開け閉めしている。
 盛大に行為へ没頭していても、主の声をちゃんと聞いて指示通り動けるのは、やはり咲夜が優秀だからだろう。本当によく出来た可愛いメイドだ。
「ふふっ、くぱくぱ閉じたり開いたり……咲夜のお尻は本当に可愛いわ」
 いやらしく蠢き収縮するアヌスが、とても愛らしく、見ている私を穏やかに気持ちにさせる。

「ん……あ、ありがとう、ございます……」
 賛辞への謝辞を述べながら、自由になった右手を、彼女は再び自らの臀丘に置く。
「そう、いいわよ。しっかり両手で拡げてなさい」
 私が言葉を発するよりも早く、くぱぁっと再び臀裂が開かれた。こちらが指示を出すまでもなく、次に何を要求されるのか、当たり前のように咲夜は把握していた。
 唾液と腸液で潤い、括約筋を指でほぐされ、左右から圧し引っ張られた排泄孔が、ぽっかりと丸く口を開けている。出すために備わっている器官なのに、どんな物でも美味しく呑み込みそうな、いやらしい可憐な穴。
 こうやって開かれていると、内部の色濃い粘膜が少し見える。表面よりも赤く濃く色付いた、咲夜の内臓。生命維持のため、糞便をほぼ毎日通過させているのに、そこはとてもきれいな色をしている。

「い、入れるわよ……ん……」
 ずっと眺めていたい気持ちもあるが、ともかく私は行為を進めた。
 一声かけてから、私は油塗れの布筒を彼女の肛孔に圧し宛て、そのまま奥へと押し込みにかかる。
 二本指とほぼ同じ程度の太さだが、布を丸めた物は硬度が劣る。しっかり入れる場所をほぐしておかないと、きつい括約筋の抵抗で挿入がままならない。
 右手を先端部分に添え、左手で胴部を握り込み、私は布筒を咲夜の腸奥へと捩込む。

「は、あぁっ……んっ、くぅっ! あっ、あぁぁぁっ」
 こちらが力を込めるのに合わせて、彼女は大きく息を吐き、アヌスを緩める。
 余剰な油を床に垂らしながら、ずにゅりと布筒が咲夜の肛腔内へと呑み込まれて行く。
 あっと言う間に、元は下着だった布筒は、ちょこんと少しだけ末端部分を残して、彼女の体内に収まった。
「ふふっ、簡単に入っちゃった……あははっ!」
 座薬を入れるときの要領で、最後の部分を指で押し込む。
 仕上げに、そのまま指をアヌスに突っ込み、ぐにゅっと肛門管の奥まで布筒を進める。こうしておけば直腸で丸めた布筒が広がり、狭隘な肛門管に引っかかるから、そうそう勝手に抜け落ちない。

「く、はぁっ……はぁ、んっ……」
 やり遂げた達成感に笑い声を上げる私と対照的に、咲夜は苦しそうに呻いていた。
 入れやすい形に丸めたとはいえ、油を吸って重くなったパンツが直腸に入っているのだから、さすがに異物感が大きいだろう。
 直腸に異物があると、反射で排泄衝動が起きるから、彼女はそれにも耐えねばならない。
「苦しい? 無理なら抜くけど、どう?」
 ちょっとやりすぎたかと思いつつ、私は咲夜を気遣った。
 しばらく我慢すれば排泄衝動はある程度おさまり、異物感もそれほど気にならなくなる……とは言え、彼女は人間だ。無茶をしたら壊れてしまう。
 この程度で死んだり重篤な病気にはならないだろうけど、可愛いお気に入りの従者が苦しんでいたら、やっぱり少しは心配になる。

「んっ、だ……大丈夫、です……あっ、ん……」
「なら良いわ。落とさないように、しっかり締めておくのよ。いいわね?」
 気丈な返事が返ってきたので、私は安心した。注意するまでもないだろうが、気を付けるよう言い含めた。
 いくら肛門管に引っかかるとは言え、咲夜は大量の油も一緒に腸内へ抱え込んでいる。
 うっかり気を抜きすぎると、漏らしてしまう危険がある。出してしまう物が油とパンツだけならともかく、実質的に油で浣腸をしたのとほぼ同じだから……ちょっと酷な事態を迎えかねない。
「は、はいっ! が、がんば……ります……!」
「じゃあ、ご飯行くわよ……そうそう、うんちしたい時はちゃんと言うのよ。無断で抜いたら許さないよ」
 勝手に排泄しないよう、私は釘を刺した。
 こんな事を言うまでもなく、私が入れた物を彼女が無断で出すわけがない。でも、こう言っておいた方が、咲夜にとって励みとなる。辛く苦しく出したいって思っても、私の言葉を思い出して、きっと彼女は耐えるだろう。

「わ、わかってます……お、お嬢様ぁ……」
 呼吸を整えつつ、咲夜は床に置きっぱなしのスカートを手に取る。
 やや動作はぎこちないが、彼女なら普段より少し能率が下がった程度で、きちんと仕事をこなせるはず。
「咲夜は良い子ね。ちゃんと出来たら、ご褒美あげるわ」
「あ、ありがとう、ございます……」
 良い子いい子と私に頭を撫でられながら、咲夜は身支度を終えた。
 手に付いていた油で、ちょっと彼女の髪の毛とヘッドドレスが汚れてしまったけど、気にしないでおく。
「とりあえず、バレないように気を付けなさい」
 ぽんっと軽く彼女のお尻を叩いてから、私は寝室の出入り口へ足を向けた。



 今日はタイミングが悪かった。パチェとフランどちらも食堂には居なかった。あまり時間をかけず、私は速やかに食事を済ませ、食後のお茶は省略して執務室へ向かう。
 世間からは遊び歩くばかりと思われがちだが、これでも館の主として仕事はしている。書類の決裁とか、財産管理など、やるべき事は一応ある。
 もっとも、外の世界に居た頃と比べたら、私の仕事は減った。
 あんまり思い出したくない吸血鬼異変の結果、結んだ条約で食糧供給を受けているから、狩りをする必要が無くなった。っつか、出来なくなった。その影響が大きい。
 狩りをしないと、どうにも身体が鈍ると言うか、腑抜けになってゆく。放し飼いにされている獣が、少しずつだが確実に野生を失うのと同じように。
 それが前は嫌だったけど、最近は割り切った。
 食糧供給を、与えられる餌じゃなく、納められる税だと思えば、勝ったのは私だと解釈次第で言い張れなくもない。フランにはそう教えた。他の解釈はどうか知らないが、私と紅魔館の歴史では、吸血鬼異変は勝利に終わり、勝利条約として吸血鬼条約を結んだ、と言うことにしている。

 ぼんやりと益体も無いことを考えつつ、私は仕事を片付けた。
 仕事の後は、お茶かお酒が欲しくなる。
 咲夜を呼んで用意させ、先ほどの続きでも──と思ったら、部屋のドアがノックされた。
「開いてるわよ。どうぞ」
「失礼します」
 一応見覚えのある妖精メイドが、挨拶とともにドアを開け、室内へと入ってくる。

「なんの用?」
 この子の名前はなんだったかなと考えつつ、来意を尋ねる。何度か手をつけた記憶がある顔だけど、どうにも名前が出てこない。
 アヌスの皺の本数は覚えているんだけど……名前は覚えていない。確か27本だった気がする。この子のアナル皺は。表面は整っているのに、肛孔に指を入れると五時の位置に小さな内痔があって、ちょっとがっかりした記憶もある。
 顔立ちは可愛いのに、自覚症状がないレベルで痔があると言うのも、それはそれで興奮するけど、ちゃんとお尻の健康にも気を付けて貰いたい。挿入したときに痛がられると、気分が萎えるときもあるから。
 ……あと、恥毛は生えていなかった。ヴァギナは処女だと聞いた。クリトリスが結構大きめだった記憶もある。しかし、名前は全く記憶にない。

「はい、妹様のご様子が……」
 私が何を考えているのか全く知らない彼女は、職務を果たすべく口を開く。
 要約すると、フランの様子がおかしく、暴れ出しそうな雰囲気があるから、私に報告しに来た──ってところ。
「ふーん、ご苦労さん……」
 無感動に口だけで、私は労いの言葉を与える。
 妹の様子がおかしいのは珍しくない。暴れ出しそうな雰囲気があるのも、それほど珍しくない。様子がおかしく、暴れ出しそうな雰囲気があるように見えても、思い過ごしな場合が多い。
 持っている力が強大で、本当に暴れ出すと手を焼くから、どうにもみんな心配しすぎる。おとなしくて、物わかりが良くて、可愛くて、私を慕ってくれている、とても良い子なのに、何故だかみんなフランを恐れる。
「はい、確かにご報告いたしました……では、失礼いたします」
 結局名前を思い出せなかったアナル皺27本の子は、そう言って退出した。

 来訪者が去り、再びひとりとなった私は、これからどう過ごすか考える。
「……うん。フランの部屋へ行こう」
 様子がおかしいという報告が、ちょっと気になる。どうせ思い過ごしというか過剰反応だろうけど、念のために。
 本当に精神状態が不安定で暴れ出しそうなら、久しぶりに相手をするのも悪くない。弾幕でも普通の喧嘩でも、どちらでもフランとなら思う存分楽しめる。
 かなり熱狂してしまっても、妹相手なら大丈夫だ。本気で殺そうと思ったところで、そう簡単に殺せるような存在じゃない。万に一つも、やりすぎる心配がない。
 周りの思い過ごしで、フランが別にいつも通りだったら、そのまま姉妹仲を確かめ合えばいい。男になっている今なら、明日の朝どころか夜までだって出来る。

「そうと決めたら……」
 私は地下へ向かう準備に取りかかる。準備と言っても、咲夜宛に手紙を書くだけ。地下で妹と遊ぶ、戻るまで我慢しろ、この二点を伝える置き手紙を。
 かなり長時間、体内に異物が入った状態で過ごさせることになるが、彼女なら大丈夫だろう。どうしようもない時は、やむなくお仕置き覚悟で出すはず。
「ふふっ、今夜はフラン、その次は咲夜か……外へ行けない分、館の中で愉しまないと」
 うきうきと足取りも軽く、私は地下へと向かった。



 仕事をしているのか、遊んでいるんだかわからないメイドが、やたらと多い館内を私は歩く。
 権威付けのお飾りで、質より量をモットーに雇った妖精たちだが、一応みんな主の顔ぐらいは覚えている。私が通れば道を空けるし、立ち止まってお辞儀もする。
 鷹揚に視線や仕草で答礼しつつ、地下への階段を私は目指す。
 地下の廊下には、あまりメイドが居ない。館の維持管理に必要なものは、ほとんど地上部分にあるから、平時は地下に要員を多く配置していない──らしい。
 メイドの配置は咲夜に一任しているため、私は良く知らない。大半が役に立たない賑やかしとは言え、実際に手足としてメイドを動かすのはメイド長だから、主は要員配置状況なんか知らなくて大丈夫だ。
 なんにせよ、道が空いていると歩きやすいから良い。
 私の身体は小さいが、翼は大きい。廊下をうろつく者が多いと、たまにぶつかる事がある。ちゃんとしたメイドなら、しっかり隅に寄って避けるが、ぼやっとしている子は避け方が足りず引っかかる。
 謝罪を受けたり、注意したりするのは、意外と手間だ。道が空いていれば、それだけ面倒が発生しにくいから、とても都合が良い。

「あら、レミィじゃない。本読みに来たの?」
 図書館の近くに差し掛かったあたりで、私はパチェと出会った。何の用事か知らないが、彼女は地上へ向かう途中のようだ。
「フランに会いに行く途中よ。っつか、パチェはこれから出かけるの?」
「……レミィ、声が……ひょっとして、またアレ?」
 質問をしたのに質問で返された。親友は顔で気付かず、声で私の異常に気付いた。声よりも顔で気付いて欲しい。そんな短い付き合いじゃないんだから。
「そうよ。また男になっちゃった……まいったわ」
「日頃の行いが悪いからよ。それじゃ、またね」
 うんざりとした顔で冷たく言うと、パチェは再び歩き出した。
「ちょっと、やけに冷たいわね……どうしたっての?」
 横を通り抜けて、先へ進もうとする彼女を呼び止める。

「……もう忘れたの? この前あなたが男になったときのこと」
「え? この前……なんかしたっけ……?」
 パチェが私に冷たく当たるような、ひどい事をした覚えはない。知らないうちに、彼女を怒らせることをしていたのかも知れないけど……ちょっと心当たりが思いつかない。
「忘れたのね……これだからレミィは……この前の時、あなたのおかげで私は死にかけたのよ。比喩じゃなくて、本当に」
「し、死にかけたって……」
 穏やかじゃないことを言われて私は慌てた。パチェが死にかけるようなことを、親友である私がするわけが──
「男になってる時のレミィは、激しすぎるのよ……エッチが……」
 そう言うことか……納得できた。
 どんな風にやったかまでは詳しく覚えていないけど、たぶん彼女の体力を考えず、欲望が赴くままにやっちゃったんだろう。
「ご、ごめん……気を付けるわ」
 素直に私は謝った。犯し殺されかけました、と友に言われたら、さすがに反省する。

「もういいわ。でも、男のあなたとは……ちょっと当分遠慮したい」
「うん、わかった……ごめんなさい」
 しゅんと私は肩をすくめた。エッチで殺しかけたと言うのもショックだが、元に戻るまでパチェと出来ないのも残念だ。
 彼女は咲夜より胸が大きい。お尻も大きく、全体的に意外と肉付きが良い。結構着やせするから、服を着ているとわからないけど、裸になったパチェの身体は、かなり女っぽい。身体全体が柔らかくて、ふにふにしていて気持ちが良い。
 ……そんなことを考えていたら、股間に付いている男の子の象徴が、むくむくと自己主張を始めた。幸いなことに、ふっくらとしたスカートのおかげで、ぱっと見では目立たない。半ズボンを穿いていたら危なかった……。

「……そんなに落ち込まないでよ……は、反省してくれたんなら、それでいいわ」
「う、うん。反省してる……ごめんね……ありがとう」
 股間が気になって俯向いていたら、物凄く落ち込んでいるように見えたようで、なんか知らないけど気遣われた。騙したみたいで、少し罪悪感を感じる。
 別れの挨拶を交わして、私はフランのもとへ、パチェはどこかへと歩を進めた。
 ……あの調子なら、もう何度か謝れば、戻る前に渋々一回ぐらいはさせてくれそうな気がする。
 いつどんなタイミングで切り出して、事に及ぼうか考えながら、私は地下の廊下を進んで行く。目的地である妹の部屋は、もうすぐだ。



 フランの部屋の前に立ち、私はドアをノックする。
 ……返事がない。
「おーい、フランー! 入るわよー!」
 声をかけつつドアを開け、室内へと入る。
 中に入ったが、妹の姿は見当たらない。テーブルの下やソファの陰など、隠れようと思えば隠れられる場所はあるが、いくらなんでもひとりで隠れんぼはしないだろう。
「居ないわね……寝室かしら?」
 呟き、寝室へと向かう。
 この居室には扉を隔てて寝室と浴室と手洗いが付属している。廊下に通じるドアの前に立つと右手前、右奥、左手前の壁に扉があり、それぞれ手洗い、寝室、脱衣室が付属した浴室となっている。
「フランー! 起きてる?」
 私は声をかけながら、ドアを開け寝室に入った。

 こちらにお尻を向けて妹は立っていた。彼女は大きな鏡を目の前に置き、自らの姿を見ていたようだ。下半身裸で。
 サイドテールにした金髪が美しい頭部にはモブキャップを被り、腰から上は、いつも通りの普段着──白いブラウスに紅いベストを着ているが、下半身は素っ裸だ。ベストと同色の紅いスカートどころか、下着すら穿いていない。
 白く可愛らしいお尻が見える。きゅっとしていて、ぷりんっと盛り上がったフランの双丘は本当に美しく愛らしい……が、今日はどことなくいつもより、ちょっと平ぺったく薄いように見え……あれ?

「お、お姉様? い、いきな」
「フラン、あなたも男になっちゃったの?」
 振り向き口を開いた彼女を、私の言葉が遮った。
 フランのお尻は今日も可愛い。充分に可愛いが、その可愛さを構成する要素が微妙に異なっている。
 いつもは、ほどよく引き締まった垂れていないお肉が、白く滑らかな肌に覆われ、ふっくら柔らかく盛り上がっている。印象としては、柔らかさが真っ先に来る。ふにっと顔を埋めたら、気持ち良さそうな柔らかさが。
 しかし今日は、柔らかさよりも引き締まった印象を先に受ける。充分に柔らかそうだが、どこか中に芯があるような少し硬質な雰囲気。きゅむっと揉み掴み、手応えを味わいたくなるお尻だ。
 そう、これは男になっているときの妹のお尻。女の子じゃない男の子のお尻。しょっちゅう目にする状態じゃないけど、フランにまつわる事だから、しっかり私は覚えている。

「え? そ、そうだけど……すごい、一瞬で気付くなんて……」
 声の調子も、普段とちょっと違う。私の声と同じく、聞き慣れている者が「ん?」と軽く違和感を覚える程度に。
「フランのことだからね。姉として当たり前でしょ?」
 褒められ私は胸を張った。
 なんで気付いたかは喋らないでおく。お尻の雰囲気が違うから、なんて正直に言ったら、たぶん呆れられる。
「あ……そう言うお姉様も男の子になってる!? お顔がいつもと少し違う」
 じっと私の顔を見つめながら、フランが言った。声ではなく顔で気付いて貰えるのは、なんとなく嬉しい。
 それだけ私の顔をいつも見て、しっかりと覚えていてくれているってことだから。
「そうよ。私も男になっちゃった……同時になっちゃうだなんて、初めてね」
 私と妹が、こうして男の身体に変化するのは、今までに何度もあった。しかし、全く同時期に男になったのは初めてだ。

「あはっ、そう言えばそうだね。なんか、お姉様とおそろいって感じで嬉しい」
 にこにこと笑顔を浮かべて言いながら、彼女はこちらへ身体ごと向き直る。
 お尻が見えなくなった代わりに、股間についたペニスが、ぷらんと垂れ下がった姿を……あれ? 垂れ下がってない……上、向いて、勃ってる……!
「ふ、フラン……な、なんで勃ててるの?」
 びんびんに膨張して、下腹部へ張り付くように屹立し、妹の男根は存在を目一杯誇示していた。大きさは私のよりも、ちょっと小振りで、いかにも元気な男の子って印象を受けるペニスだ。
 いつも彼女が生やすのに比べると、やや小さいけど、可愛らしさと頼もしさを兼ね備えた印象を受ける。何と言うか「健気な幼茎」って言葉が、しっくり来る感じ。
 そんな男根の下には、可愛らしい割れ目ではなく、二つのタマを内部におさめた袋が見える。ペニスが勃起しているためか、きゅっと引き締まっている。
「ちょ、ちょっと鏡に映してたら興奮しちゃって……そ、そうだ! せっかくだから、しようよっ! お姉様と男の子同士でしたこと無かったから、やってみたい!」
 私の指摘に頬を赤らめつつ、フランは誘ってきた。

「え? お、男同士……そ、それって……ほ、ホモになっちゃうじゃない……」
 ごくりと私は唾を飲み込んだ。ホモって言葉と行為には少し抵抗がある。
 女同士で普段から散々やっていて、こんな事を考えるのもおかしな話だけど、レズや百合よりもホモや薔薇は……ちょっと優雅さに欠ける気がする。私は女だけど、どっちかと言えば男より女の子の方が好きだし。
「いいじゃん。どうせ、いつもお尻でしてるんだから、いっしょだよ。っつか、この身体だと……我慢出来ないぐらい、すっごいムラムラしちゃうって知ってるでしょ?」
 右手を股間に伸ばし、妹は自らの幼茎を握りしめた。見せつけるかのように、膨張し張り詰めた肉槍を、彼女は軽くしごき立てる。

「知ってるし、私も……そうだけど……」
 でも、ホモは……すぐには、踏ん切りが付かない。
「もうっ、ノリ悪いよ。お姉様らしくないよ……あ、そうだっ!」
 煮え切らない私に、フランは頬を膨らませ文句を言ってから、ぽんと左手で自らの太腿を叩く。
 ペニスから手を離し、彼女は壁にある本棚へ向かい、
「ほらっ、これ読んでみてよっ! きっと男同士で、やってみたいって思うからっ!」
 何冊かの書物を取り出し、そう言って私に手渡した。

「……え? んっと、『少年愛の美学』『好色少年のススメ』『少年嗜好』って……これ、外の世界の本じゃない?」
 手渡された本のタイトルを私は読み上げた。どの本も、あられもない姿をした少年が表紙に描かれている。いわゆる、エッチな漫画だ。それも男の子同士の。
 幻想郷には外の世界から、時折様々なものが入り込んでくる。代表的なのは結界を越えて迷い込んだ人間だが、生きものじゃない物品も入ってくる。
 外の世界で忘れ去られた物品が多いけど、忘れられていない物が紛れ込むことも、そこそこある。そうじゃなければ海産物なんか手に入らない。幻想郷には海がないんだから。

「うん、そうだよ。どれも私のお気に入り……ほら、まだいっぱいあるよ!」
 がさばさと音を立て、本棚より次々と……表紙からして物凄くいかがわしい本を、フランは大量に床へ積み上げて行く。
 ……いや、待って……多い、多すぎる……軽く一〇〇冊越えてる……。
 紅魔館の中で、最も読書家なのはパチェだが、妹は彼女に次ぐ読書家だ。ずっと地下に幽閉され、今でも館の敷地外へ出られないのだから、フランにとって読書は数少ない娯楽のひとつ。
 彼女が読む本のジャンルは、魔術書、実用書、娯楽書など多岐にわたる。小説など文学作品を特に好むが、漫画も好む。っつか、私も漫画は好きだ。文章の本より読みやすいから。
 でも、妹の漫画好きは私を上回っている。本全般への興味と関心が違うのだから、当たり前と言えば当たり前だけど。

「これが『ロミオ』、こっちが『ペットボーイズ』、それから『ジャニー』と『秘密少年』に『熱烈少年』、あと『ネイキッドボーイズ』に『テディボーイ』と『バイキッズ』、それから……」
 タイトルをいちいち口にしながら、妹は本の山をいくつも床に築いてゆく。積まれた本は……どう見ても一〇〇や二〇〇に留まらない。おそらく三〇〇を越えている。
 ……いや、ちょっと……いくらなんでも多すぎる……どう考えても、全部は読めない。
「も、もういいわよ……と、とりあえず……これ、読んでみるわ」
 先ほど手渡された数冊を持って、私はベッドに腰掛けた。
 こんな勢いで勧められてしまっては、とてもじゃないが何冊かは読まないと、フランに納得して貰えない。

「あ、待って! 好色と美学と嗜好は、こっちにまだあるから……はい、とりあえず置いておくね」
 合計五五冊の本が、ベッドの上に積まれた。
 ……難色を示したりせず、妹の誘いを受けて、すぐにやっていれば……良かったのかも知れない。
 いったい何冊読めば彼女が納得してくれるかわからないけど、とりあえず私は手近な一冊を手に取り開く。
「あはっ、私も一緒に読むね……こうやって、お姉様とエッチな本読むのも楽しいね」
 男になっても可愛らしいお尻を、私の直ぐ隣に下ろし、妹も本を手に取った。下半身裸のままで、エッチな本を読むのはどうかと思うけど、今は気にしないでおく。
「そ、そうね……こ、こうしてふたりっきりで、本読むのも悪くないわね……」
 やや引きつった笑いを浮かべ、私はフランの言葉に賛同した。一冊二冊なら良い。楽しいって思えるだろうけど、量がちょっと……ものには限度があると、思う……。

 肩を寄せ合い、私たち姉妹は黙々と──ホモエロ漫画を読み始めた。



■つづく■
ご笑覧いただきありがとうございます。危ない百姓でございます。
色々と同時進行していたら、これが真っ先に仕上がりましたので、投稿いたしました。
正確には、これの続きの途中まで書いた段階で「こりゃ分割するべぇ」と思いましたので、
そのようにしたってなところでございます。ってか、まとめてだとタグと冒頭の注意書きが、
ちょっと賑やかになりすぎますし……分割しないとならねぇ。
分割したら、これ単体だとショタ化の意味が薄まりやがりましたが、やむを得ず。
まとめてよりは……色々な意味で無難ですので。ええ、様々な意味で。

この前書いたのがエロ濃いめでしたので、今回は薄めです。薄い濃い薄い濃いってな感じに、
交互に薄いのと濃いのを書きたいってわけじゃなく、ぶっちゃけ偶然ですがねw

移り気激しく、途中まで書くと別のを書きたくなるってな、阿呆のような同時進行のため、
次に上がるのがこの続きか、別のになるか、てめぇにもわかりませぬ。
危ない百姓
http://blog.livedoor.jp/k_hyaku/
コメント




1.s.d.削除
がんばれ!! 超頑張れ!!!
咲夜さんが可愛かったです……、フランちゃんもレミリアくんも可愛かったです。
だから頑張って完結させて下さいお願いします orz
2.名前が無い程度の能力削除
レミリア君もいいな・・・・・・

続き楽しみですww
3.名前が無い程度の能力削除
余り見ない男体化だけど、面白かったですよー。さりげない場面に色々とパチュリーさんの暗躍を感じるのは気のせいでしょうか。
4.名前が無い程度の能力削除
吸血鬼は鏡に映らないはずなんだが……男になると映るのかな
5.はとはと削除
ショタ本のタイトルが全部分かってしまったので記念に…。
というかこの後やおいですよね? ここまで来て無しなんて、これだけのタイトルを知っている人にはありえ(ry

東方でショタって…絶望的に、無いんですよね。ショタ同士なんてもう。
6.名前が無い程度の能力削除
咲夜さん死闘編の方もよろしくお願い申し上げます
7.名前が無い程度の能力削除
ショタアンソロは軒並み幻想入りしてしまったんだよなあ……
と変にしみじみしてしまった
8.その辺の妖怪削除
         ____
      /::::::─三三─\
    /:::::::: ( ○)三(○)\
    |::::::::::::::::::::(__人__)::::  | ________
     \:::::::::   |r┬-|  / | |          |
    ノ::::::::::::  `ー'´   \ | |          |


流石百姓さんだwwww
レミリア君という発想はなかったwwww
さて、深夜からはどうなるやら。(;^ω^)
9.神社バイト削除
やっべぇよ鼻血とまらん死んでしまう
珍しかったけど最高にエロかった
次回も期待してまう
10.危ない百姓削除
コメントいただき、まことにありがとうございます。
そんなわけでお返事させていただきます(*´▽`)

>1. s.d.様
ありがとうございます。頑張ります(*´▽`)
お気に召していただけたようで光栄です。
完結は……しますよ! 時期についてはお約束できませんが、完結します。

>2. 様
おぜうさまは男の子でも可愛いと思ってますw
続きはなるべく早くどうにかと考えております。
ありがとうございます(*´▽`)

>3. 様
お気に召していただけたようで、ありがとうございます。
パチュリーさんが気になりますか……あーうー。
そのあたりは……明言を避けておきますね(*´▽`)

>4. 様
エンディングについては確認全部できませんでしたが、原作のセリフなどで
とりあえず「鏡に映らない」って明言されてなかったので、鏡に映ることにしました。
鏡に映る吸血鬼は映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」など別の例がございますから、
十字架が弱点じゃなく、日光に当たっても瞬時に気化or灰じゃないじわじわ型で、
いわゆる典型的な吸血鬼と違う点もある、お嬢様と妹様だったら、
別に鏡に映ってもおかしくないんじゃないかと言う考えです。
……これで原作中に「鏡に映らない」って明言されていたら、さっくりと本文に手を入れて
「吸血鬼も映る特殊な鏡」ってことにしようかと思っておりますw

>5. はとはと様
コメントありがとうございます。
いわゆる三大男性向けショタアンソロはともかく、昔のものまでご存知とは……。
この後の展開につきましては……とりあえず続きをお待ち下さいw
そもそも原作に男の子が居ませんからね……男は一応居ますけど。
無ければ作るってことで……男の子にしました、とw

>6. 様
咲夜さん投げっぱなしで放置プレイにはしませんよ(*´▽`)
一応、この後で……なんらかの何かはw

>7. 様
まだ……某えろ☆しょたシリーズが残ってます!
あと嗜好は一応まだ続けるが次未定と公式アナウンスされてますし、
美学は不定期で出てますから……まだ幻想入りしてないショタアンソロも……!
もっとも、この三誌以外全て儚くなられてしまってますがねorz

>8. その辺の妖怪様
前々から、お嬢様は男の子になっても可愛いと思っていましたからw
女の子だから可愛いのではなく、レミリア様だから可愛いと!
この後につきましては……色々とw

>9. 神社バイト様
お気に召していただき、ありがとうございます。
エロいと思っていただけて光栄です(*´▽`)
次回は……趣味嗜好に合わなかったら、すみませんw
11.名前が無い程度の能力削除
素晴らしい男体化面白かったです
お尻マニアのレミリア君可愛いですwアナル皺27本ってw
続き期待してます!
12.危ない百姓削除
>11様
ありがとうございます。お気に召していただけたようで幸いです(*´▽`)
アナル皺が好きなんですよ。主に書き手がw
続きは、どうにかなんとかこうにか、なるべく……早いうちに……。