真・東方夜伽話

本を読もう!

2009/03/30 09:52:22
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本を読もう!

ちんかめ

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本を読もう!

それは常々考えてはいたけれど、実行に移せなかった行動の一つだ。
運動を始めよう。
貯金を始めよう。
お酒を控えよう。
世の中には、した方が良い、すべきであるという事柄が数多くある。
それらは、言ってみれば規範的とも言える行動の数々で、した方が良いという事は重々分かっているのである。
でもそういった事柄に限って、明日からやろうだとか、今は忙しいからその用が片付いてからなどと、最もらしい言い訳をして結局始めないことが多い。
読書の習慣を身に付けようというのも、こういった事柄の一つに数えられるのではないだろうか。
その様な行動を始めるに当たっては、はじめの一歩を踏み出すのにかなりの力がいるのだ。
要は、それだけの力を出させるだけの切っ掛けが必要なのである。

私の周りには読書家が多い。
アリスは、いつでもグリモワールの他に最低一冊は何らかしらの本を携帯していて、私の家に来ても黙々と読書をしている。
紫も偶にではあるが薄目の本を読んでいて、それを私が目撃する度に、『霊夢も少しは読書してみたら?』なんて事を口にする。
読書と縁遠そうな魔理沙は、その実一番の読書家で、私の家では読書についてなど話題にも出さない癖に、自宅は盗み出してきた本で埋もれているのだった。

彼女達は、自分の知識をひけらかして物知らずな私を馬鹿にする様な事はしない。
でも、ちょっとした事を私が知らなかった時、私が理解出来るよう噛み砕いて説明してくれる彼女達との間に、漠然と教養の差の様なものを感じるのは確かだ。
それを彼女達の言では無く、自ら感じるからこそ余計に惨めで、得も言われぬ焦燥感を覚えるのだった。

そんな訳で、読書を始める切っ掛けは前々からあった。
その切っ掛けが何かを始めようとする力に切り替わるのは、本当に何でもないふとした瞬間だったりするのだ。
今回は、昼食を終えて食後のお茶を飲んでいる時、魔理沙が忘れていった厚目の本が卓袱台の上に佇んでいるのが目に入った瞬間がその時だった。

善は急げとは、この様な時に使う言葉なのだろう。
あと半時もダラダラとしていれば、この決意が鈍る確信があった私は、冷め始めたお茶を一気に煽って早速出掛ける準備をする事にした。

とりあえず本を読みたいと思ったなら、行く場所は一つだ。
私はこの前人里で買った未開封の饅頭を持って、神社から飛び立った。



*            *



「何しに来たの?」

出会い頭の一言目がこれである。
動かない大図書館、パチュリー・ノーレッジの無愛想ぶりは、五臓六腑に染み渡る。

「何って、本を読む以外に図書館に来る理由なんてある?」

私は、饅頭の箱をパチュリーに差し出しながらぶっきらぼうに言い放った。
正直、パチュリーの憮然とした態度が癪に触ったのだ。
パチュリーは興味無さげに饅頭の箱を一瞥すると、小さく溜め息を吐いて

「本は丁寧に扱う事。写すのは構わないけれど、事前に許可を取る事。禁書の棚には近づかない事。本の持ち出しは厳禁」

とだけ言うと、読書を再開した。
薄暗い図書館の一角に大きめのデスクを置いただけの書斎。
いや、彼女からしてみればこの巨大な図書館自体が自分専用の書斎なのかもしれない。

「目、悪くなるわよ?」

「……」

彼女の領域である図書館で行動する事に一応の許可を貰った私は、不思議な位に先程の不快感が消えていた。
普段から無愛想な者が時折小さな優しさを見せると、普段から優しく接してくれる者の優しさよりも有り難く感じるという理不尽な錯覚なのだろう。
全く、得をする性格である。
そんな錯覚に見事に嵌まった私は調子に乗って、古ぼけたアルコールランプの仄かな光を頼りに黙々と読書に耽る、紫髪鮮やかな動かない大図書館の御慧眼を気遣ってみたが、遂に返事は返って来なかった。

取り敢えず、それ以上の会話を諦めた私は、薄暗い図書館の中をブラブラと歩き始める。
身長の倍程もある本棚にギッシリと本が並べられ、古書特有の黴臭さを放っている様は、普段本の一冊すらまともに読まない私からすれば、異様としか表現のしようの無い光景だった。
更には、そんな本棚が視認出来るだけでも数えるのに苦労する位なのだから、もはや圧倒されていると言って差し支え無いだろう。
元々、何の本を読むかなんて決めずにやって来た私にとって、余りに多すぎる選択肢は困惑を呼ぶだけだった。
第一、辺りを見回しても背表紙に書かれている文字が読めないのでは、とても選ぶなどという上から目線での議論が成立する余地が無い。

「うーん。困ったわ」

遂に私は、その言葉を口にする。
まるで独り言の様に呟いたその言葉。
しかし、私にはその言葉が独り言にならないであろうという確信があった。

「お困りですか!?」

ギョッとする程元気な声が、仄暗い図書館に響き渡る。
その声の主は、頭部に付いた特徴的な羽の様なものをパタパタと嬉しそうに動かしながら、キラキラと輝く瞳で私の顔を覗き込んでくる。

「本の事で何かお困りでしたら、この小悪魔に何なりとご相談下さい!」

小悪魔と名乗ったその娘は、どこか誇らしげに薄い胸を張る。
実はこの小悪魔、私が図書館に足を踏み入れた瞬間から、ずっとソワソワしながら私の後を付いてきていたのだ。
正直言って、面倒臭い事になりそうだったので今まで声を掛けずにいたが、自分で本の一つも探せないという状況に陥っては、背に腹は代えられない。

「わたくし小悪魔はですね、この図書館の司書さんのお仕事を任されているんです! 司書さんっていうのは、図書館を利用する人のお手伝いをしたり、本のお手入れや整理をしたりもする大事な大事なお仕事なんです!」

鼻息荒く、自分の仕事の重要性を説く小悪魔。
予想以上に面倒臭い娘のようだ。

「他にもですね、図書館に入ってくる本の確認をしたり、図書館を利用する皆さんにルールを守って貰うように注意したりもするんです! あっ……、図書館内では出来るだけ静かにして下さいね。シーッです、シーッ……!」

「あのね、あんたの方がよっぽど五月蝿い気がするんだけど」

「こ、こぁ……すみません……。久しぶりのお客さんだったものでつい……」

しょんぼりと肩を落とす小悪魔。
頭部の羽も、心なしか萎れている様に見える。
取り敢えず、このままでは少し可哀想なので話題を変えてみる事にした。

「久しぶりのお客さんって、魔理沙やアリスなんかは、よく来るんでしょ?」

その言葉を聞いた瞬間、小悪魔の表情が所在無さげなものから怒りを含んだものに変わった。

「魔理沙さんは利用者なんかじゃありません! いつも箒でビューンと入って来て、どっさり本を持って行ってしまうんです! この図書館の本は持ち出し厳禁なのに! それも貴重な魔導書ばかりですよ!? 『死んだら返す』って、貸出カードに何て書いたら良いんですか!? そもそも貸出カードだって、魔理沙さんの為にわざわざ作らないといけなかったんです!」

自分の髪の色と同じ位に顔を真っ赤にして怒る小悪魔。
あの表情に乏しい主とは正反対に、コロコロと表情が変わるのが面白い。

「ほら、図書館内は静かに、じゃなかったっけ?」

「こ、こぁ……そうでした。シーッです。シーッ……!」

小悪魔は、必死な様子で人差し指を唇に当て、『静かに』のポーズを決める。
しかし、未だ小悪魔の興奮は冷め遣らぬ様だった。

「とにかく、魔理沙さんは正式なお客さんでは無いんです。本を盗まれない様に弾幕ごっこするんですけど、いつも負けてしまいます……」

魔理沙との戦いの歴史を思い出したのか、しょぼんと肩を落としてしまう小悪魔。
戦績は思わしく無いようだ。

「まぁ、あいつは礼儀だとかルールだとか気にしないでしょうね。でも、アリスなんかはそんな事ないんじゃない?」

小悪魔はアリスという名前を聞いた途端、今度はデレっと幸せそうな笑みを浮かべる。

「はい! アリスさんは、とっても良い方です! 私なんかにも、いつも声を掛けて下さいますし、本も勝手に持ち出したりなんてしません。この前なんか、手作りのクッキーを頂いてしまって……。こぁ……」

余程そのクッキーが美味しかったのか、小悪魔は頬に手を当てたまま、幸せそうに顔を赤らめる。
しかし、暫くすると今度は打って代わってどんよりとした暗い表情になってしまった。

「でも、アリスさんは、本は全部自分でお探しになるんです。それも、小悪魔が探すよりもとっても速く……。小悪魔は、司書失格なんです……」

今にも泣き出しそうな小悪魔。
本当に表情豊かな娘である。
パチュリーの分の表情まで、全部この娘が表現しているのではないかとさえ思ってしまう。
しかし、この小悪魔は面倒臭い娘ではあるが、悪い娘では無いようだ。
むしろ、そのコロコロと変わる表情と素直な感情表現が可愛らしいとさえ思える。
パチュリーよりは、よっぽど与し易い相手の様だ。

「じゃあ、私の読みたい本を一緒に探して頂戴? それで名誉挽回でしょ、可愛い司書さん」

私は小悪魔の肩にそっと手を置き、ほんの少しの美称も交えながら、励ます様にしてそう言った。
その言葉を聞いた小悪魔の顔が、みるみる内に喜色に染まる。

「はい! わたくし小悪魔、誠心誠意霊夢さんの本を探させて頂きます!」

小悪魔は、だだっ広い図書館全体に響き渡る様な声でそう宣誓する。
呆気に取られた私が、苦笑いを浮かべながら唇に人差し指を当てると、小悪魔も慌てて人差し指を唇に当て

「シーッです。シーッ……!」

と、呟いた。



*             *



「可愛い司書さん♪ 小悪魔は、可愛い司書さん♪」

私の前を行く小悪魔は、かなり上機嫌だ。
あの位のリップサービスで、これ程喜んで貰えるなら、お世辞の一つも言った甲斐があるというものである。
実際のところ、小悪魔の顔は誰から見ても可愛らしいと言えるものだから、お世辞にはなっていないのかもしれないが。

「こちらから先が日本語の本になります♪」

薄暗い図書館内を小悪魔と共に歩く事数分。
私は、ようやく見慣れた文字が書かれた背表紙が並ぶ本棚の前に辿り着くことが出来た。
「霊夢さんは、どんな本をお探しですか?」

小悪魔が興味津々といった様子で尋ねてくる。

「うーん。そうねぇ……」

どんな本と聞かれても、私の中には漠然とした本の類型しか頭に入っていない。
歴史書だとか、小説だとか、そんな程度の区別である。
取り敢えず、いきなり小難しい本に手を出しても、途中で投げ出してしまう公算が大であるのは分かりきっている。
かといって、絵本だとかそんな本を読んでも面白味に欠けるだろう。

「例えばどんな本があるのかしら?」

結局、前提となる知識がゼロならば、読むべき本のジャンルから聞いた方が効率が良いと考えた私は、小悪魔に代表的な本の紹介をお願いする事にした。
小悪魔は私の言葉に、弾ける様な笑顔を浮かべ、喜々として本の紹介を始める。

「えーっとですね、まず魔導書の類いで言いますと、こちらの『陰陽大全集』なんかがお薦めです! この本は、かの有名な安倍 晴明様の孫のお嫁さんの兄弟の息子さんが編者でいらっしゃって、日本の陰陽道について新たな解釈を次々と打ち出しておられる名著で……」

「あ、安倍 晴明本人が書いたんじゃないの?」

「こぁ……安倍 晴明様本人が書かれた本もあるのですが、そちらは禁書の棚にあるので残念ながらお見せできないんです……」

「そ、そう……。じゃあ、他にはどんな本があるのかしら?」

「えーっと、じゃあこちらの『だっどさん』などは如何でしょう? これは、日本では現人神とさえ言われた我妻 榮先生の名著でして、日本の『みんぽー』という分野にキラ星の様に現れて……」

「ええと、『みんぽー』って何?」

「こぁ……すみません。余り良く分からないんです。カッコいい言葉が一杯載っていたので、思わずお薦めしちゃいました……『ていとーけんせってい』ってトキメキませんか?」

「ごめん。分からない」

トキめくどころか、背筋がザワリと粟立つ様な嫌な予感のする言葉だ。

「他には何かないの?」

「うーん。後は、小悪魔お薦めの本は無いんです。絵本だとか、小説だとか、実用書だとか、そんなつまらないものばかりで……」

「実用書? それってどういう本?」

「ええっと、庭木いじりの本だとか、お料理の本だとか、そんな感じのものです」

「料理……それで良いわ! 料理の本を見せて!」

とうとう私は自分の読むべき本を見つけた様だ。
始めから前提知識ゼロの分野の難解な本を読んだって、理解する事も出来なければ、面白くもないに決まっている。
それならば、多少なりとも覚えがある分野の本を読んだ方が楽しいに違いない。
そしてどうせ本を読むならば、生活に直結する様なものが良い。
教養という点では足しにならないかもしれないけれど、とりあえずのところ取っ付きやすい本から読んでいって、ある程度活字に対する耐性が出来てから小難しい本に挑戦すれば良いのだ。
その観点からすれば、料理の本は今の私にもってこいだ。
一人暮らしで料理に関する基本的な知識は身に付いているから読みやすいだろうし、最近マンネリ気味だった料理のレパートリーにも幅が出来るかもしれない。
私の表情が明るくなった事が嬉しかったのか、小悪魔は、はいっ! っと元気に返事をすると、比較的薄目の本が並んでいる本棚の一角から、抱えきれない程の量の本を持ち出してきた。

「こちらがイエメンの家庭料理で、こちらがマリの伝統料理の本になります。そしてこちらが古代ローマの皇帝が愛したという……」

「いや、普通に和食の本で良いから……」

「そうですか……」

小悪魔は少し残念そうな顔をして、おずおずと一冊の薄っぺらい本を差し出してきた。
『家庭の料理』と題されたその本は、かなりの年代物に見えたが、一度ページを開いてみれば、その認識は一気に覆された。
大きく見開き2ページを使って、料理の完成図が射影機を用いて撮影されており、その右下に使用する材料が書かれている。
そして次のページからは、その料理のレシピが事細かに書き綴られていた。
材料の下拵えの注意点から、火の通し方、仕上げの一工夫に至るまで懇切丁寧に書かれたレシピは、初心者が見てもそのまま作れる位に分かりやすく、尚且つ中級者にとっても新たな発見となる様な細かな工夫の数々が必要最小限の言葉と分かりやすい図解付きで淡々と書かれている。
また、薄いページ数ながら、掲載されている料理はどれも応用が効くものばかりで、材料の一つや二つを他のもので代用しても、味が大きく変わらない利便性の高いレシピが優先的に掲載されている様だった。
中には幻想郷では馴染みの無い料理もあり、この本が外の世界のものであった事が伺える。
どうやら外の世界の料理本のレベルはえらく高い地点にまで到達しているらしい。

私は時間が経つのも忘れて、夢中でその本を読み耽った。
そして、気付いてみれば一冊の本を一気に読みきっていたのだ。

「ん~っ!」

本を読み終えて、少しだるくなった身体を大きく伸ばすと、肩や背骨がポキポキと小気味良い音を奏でる。
心地良い疲労感と共に私を包むのは、確かな達成感。
今まで一度だって、一日で一冊の本を読み切る事など出来なかった。
しかし今日の私は、写真が多くを占め文量が少ないとはいえ、一冊の本を読み切ったのだ。

「お疲れ様でした」

私が本を読み切った達成感に浸っていると、ニコニコと笑顔を浮かべた小悪魔がやって来た。

「もう一冊お読みになりますか?」

小悪魔は、先程読み終えた本と同じ位の厚さの料理本をスッと私に差し出してくる。

「ううん。今日はやめておくわ。何だか疲れちゃった」

私が遠慮すると、小悪魔は笑顔のまま、はいっ! と元気に返事をして差し出していた本を小脇に抱える。

「パチュリーのところに案内してくれる? ちょっと写したいレシピがあるのよ。それと、帰る挨拶もしたいしね」

私の言葉を聞いた小悪魔は、嬉しそうにコクンッ! と首を大きく縦に振ると、私にクルリと背を向けて薄暗い図書館を進み始める。
小悪魔の頭部の羽は、パタパタと忙しなく動いていた。



「ねぇ、ちょっと本を写させてもらいたいんだけど」

私が再びパチュリーの元を訪れると、パチュリーは私が図書館に来た時と同じ体制で同じ様に本を読んでいた。
ただ、読んでいる本が先程と違う気がする。
この短時間の間に、あれだけ分厚い本を読み終えたという事だろうか。

「……何の本を写したいの?」

パチュリーは、分厚い本に目を落としたまま抑揚の無い声で私に尋ねる。

「これなんだけど」

私は、自分が今日読み終えた料理本をパチュリーに向かって差し出す。
口でタイトルを言う事も出来たが、こうしてやればパチュリーも私の方を向いて会話するしかないだろうと思ったからだ。
パチュリーは、どこか気だるげに私の方に向き直ると、おずおずと私が差し出した本を手に取る。

「……家庭の料理?」

「そうよ」

「料理、するの?」

「まぁ、人並みには」

「……そう。勝手にしてくれて良いわ。魔法関係の本を写す時以外は、私に許可を取らなくても良いから」

それだけ言うと、パチュリーは料理本を私に返して、読書を再開した。
余りの無愛想ぶりに、思わず笑ってしまいそうになる。
とりあえず私は、気になるレシピの幾つかを小悪魔から紙とペンを借りて書き写し、今日のところは帰宅する事にした。

「じゃあ、今日は帰るわ」

「……」

「目、悪くなるわよ」

「……ふん」

「じゃあね、小悪魔」

「はいっ! またいらして下さい!」


紅魔館を出ると、既に太陽は西に傾き始めていた。
図書館の黴臭い空気から解放された私は、新鮮な外の空気を胸一杯に吸い込んで博麗神社に向けて飛んだ。



その日の夕食は、驚く程美味しかった。
やはり、自己流には限界があるようだ。



*             *



「こんにちは、パチュリー」

あの日から私は、毎日の様に図書館を訪れていた。
相変わらず、料理の本くらいしか読まないけれど、本を読みきった時のあの達成感が癖になっていたのだ。

毎日の読書のお陰で料理のレパートリーは劇的に広がった。
普段から作っていた和食に関しては、自分で言うのも何だが、かなりの上達をみたと思う。
そして、簡単な洋食や中華なども作れる様になった。
読書自体も楽しいし、料理は上達するしで、正に願ったり叶ったりである。

ただ、私には一つだけ気がかりな事があった。

「何よ、また来たの?」

パチュリーは、私が最初に図書館を訪れた時と同じ様に、不機嫌という感情のテンプレートを顔に張り付けた様な表情でいつも通りの台詞を口にする。
パチュリーがこういう性格をしているという事を知ってはいても、やはり気分の良いものではない。
ほとんど毎日顔を合わせて、こちらの方は親近感を持ち始めているだけに、全く変わらないパチュリーの素っ気無い態度が余計に寂しかった。

「目、悪くなるわよ?」

「……」

このやり取りもすっかりお馴染みのものになった。
このやり取りを交わせば、私達の会話は終わる。
始めの内こそ、本当にパチュリーの目を気遣って言っていた言葉だが、今はパチュリーに私が図書館通いをしている事について更なる皮肉を言われたくなくて、このやり取りをしている様な気がする。

それ以上パチュリーの前に居辛くなった私は、足早に日本語の本が並んでいる一角へと向かった。
本棚を埋め尽くす、色とりどりの本達。
いつもなら、どの本を読もうかと心躍る光景であるはずなのに、今日はどうにもそんな気分にならない。
どうやら私は、相当にパチュリーの態度が気になっているようだ。

「どうかなさいましたか?」

いつの間にか、私の隣には小悪魔がいた。
小悪魔は、私が暗い表情をしているのに気付いたのか、心配そうな表情で私の顔を覗き込む。

「うん……たいした事じゃないの」

「霊夢さん、すごく寂しそうなお顔をしていらっしゃいます。そんなお顔をして本を読んでも、きっと楽しくなんかないです!」

「……そう、かもね」

「この図書館を利用する方に、楽しく本を読んで頂くのが小悪魔のお仕事なんです! 霊夢さん、小悪魔が聞いても何の力にもなれないかもしれませんが、悩みがあるなら話して頂けませんか?」

図書館通いを始めてから、小悪魔とは随分仲良くなった。
この数週間の間で一番長く一緒に過ごしたのは、間違いなく小悪魔だ。
二人して私の読む本を探したし、本を読む傍ら他愛の無い雑談なんかをする事も多い。
時には小悪魔の悩みを聞いたりもした。
今では、小悪魔は立派な私の友人なのだ。

小悪魔の表情は真剣そのもので、本気で私の事を心配してくれているのが伝わってきた。

「あのさ……私が図書館に来るのって、やっぱり迷惑なのかな?」

「こぁ! 全然迷惑なんかじゃありません! 小悪魔は、霊夢さんが図書館に来てくれるのを、今か今かと首をキリンさんのように長くして待っているんです!」

「あはは……ありがとう、小悪魔。でも、パチュリーはそう思ってくれてないでしょう? 私が来れば、読書の邪魔になるだろうし……」

「こぁ……?」

小悪魔は私の言葉を聞くと、呆気に取られた様に大きく目を見開く。
そして、暫くするとようやく私の言わんとしていることを理解したのか

「うふ、うふふふふ……」

と、堪える様な笑い声をあげはじめた。

「霊夢さんはパチュリー様の事が全然お分かりになっていません。うふっ、うふふ」

「どういうこと?」

「小悪魔は、霊夢さんが来るのをキリンさんくらい首を長くして待っていますが、パチュリー様は、きっと紅魔館の廊下くらい長くして待っているんですよ?」

「えっ?」

「小悪魔には分かるんです。パチュリー様は霊夢さんが図書館に来る位の時間になると、ソワソワしだすんです。帽子に着けたアクセサリーの位置を気にしたりして……可愛いですよね?」

「でも、私が話し掛けても凄く素っ気無いんだけど……」

「パチュリー様は、余り感情を表に出すのがお得意ではないんです。本当は、霊夢さんが図書館にいらっしゃるのを凄く楽しみにしていらっしゃるんですよ?」

「そうなのかしら……」

「はいっ! 間違いありません! 小悪魔は、パチュリー様の事なら何でも分かるんです! そういう風に、なっているんですから!」

「そう……それなら良かったわ……」

私の表情は、無意識の内に笑顔になっていた。
あの無愛想なパチュリーが、私の事を悪くは思っていないという事が判明しただけで、先程までの憂鬱な気分は吹き飛んでしまっていたのだ。

「あの、霊夢さん。パチュリー様は、もっと霊夢さんとお話ししたいと思っておられるはずです。だから、もしよろしければ霊夢さんの方からパチュリー様に話し掛けて頂けませんか? パチュリー様は、恥ずかしがり屋さんなので、きっと上手く霊夢さんに話し掛けられないと思うので」

「……うん。分かったわ」

「よろしくお願いします」



その日から、私は図書館通いが更に楽しくなった。
パチュリーは、相変わらず無愛想だったけれども、私の事を悪く思っていないという事が分かったので、以前に比べてずっと話しやすくなった。
私は図書館にいる間中、事ある毎にパチュリーの元を訪れて、雑談を交わすように心掛けた。
本を読み終えた後、その本に書かれていた料理について聞いてみたり、パチュリーがどんな料理が好きなのか聞いてみたり。
小悪魔からパチュリーは甘い物が好きだと聞いて、お菓子作りの本を読んでお菓子を作って持って行った事もあった。
パチュリーは、いつも不機嫌そうな顔をしていたけれど、私がどんなに話し掛けても、拒絶する様な言葉を発する事はなかった。


楽しく過ぎていく日々。
そんなある日、ちょっとした問題が起こったのだった。


「もう無いの?」

「はい……料理関係の本は、元々少なかったもので……すみません」

「そう……無いものは仕方ないわね……どうしようかしら」

そう。
私は、図書館にある日本語で書かれた料理の本を全て読んでしまったのだ。
読み慣れるにつれて、一日数冊のペースで読んでいたから、いつかこんな日が来るのは分かっていた。
元々は、もっと早い段階で料理以外の本に手をつけるつもりでいたのだけれど、余りに料理の本が手軽で面白かった為に、随分長い間料理の本ばかりを読んでしまっていたのだった。

「あの……パチュリー様に相談なさってはどうでしょうか?」

「うん……そうね。ちょっとパチュリーに相談してみるわ」

私は、日本語の本が置かれている一角からパチュリーのいる書斎に向かって歩き出す。
長いこと通っているから、すっかり道順は頭に入っていた。

「ねぇ、パチュリー」

「……何?」

「私、料理の本全部読んじゃった」

ピクリッ、と僅かにパチュリーの身体が揺れる。
パチュリーは、ずっと分厚い本に顔を向けているけれど、その瞳はキョロキョロと忙しなく私の顔と本のページの間を行ったり来たりしている。

「……じゃあ、もう図書館通いは終わりかしら?」

「うーん。そうしても良いけど……パチュリーはどう思う?」

「私が決める事では無いわ」

「そっか。そうよね」

「……でも、料理の本よりも有益で、なおかつ面白い本がこの図書館にあるって事は確かだわ」

「……もしかして、引き留めてる?」

「そ、そんなことないわよ!」

「そう……。じゃあ、パチュリーがお薦めの本を教えてよ。それ、読んでみるから。あっ、ただし日本語ね?」

「お薦めの本ね……。そういえば、この前新しい日本語の小説が入ってきたみたいよ。小悪魔が場所を知っているから、聞いてみたら?」

「ふーん。分かった。とりあえず、その小説を読んでみるわ」

パチュリーは私の言葉に、そう、と呟くと羽根ペンを取り出して何やら羊皮紙にサラサラと文字を書き始めた。
最近、パチュリーは書き物をしている様だ。
本の内容の覚書でもしているのだろうか?


「ねぇ、小悪魔。最近入ってきた日本語の小説ってどこ?」

私が日本語の本が置かれている一角に戻ると、小悪魔は何やら本の整理をしている様だった。
悪魔らしい尻尾をフリフリして、鼻歌を歌いながら作業している小悪魔に話し掛ける。

「こぁ! 丁度、今その本を本棚に収めようとしていたところなんです!」

「それ、読みたいんだけど良いかしら?」

「あっ、はい!」

小悪魔は、目の前に置かれた数冊の本の中から、真っ白な本を私に向かって差し出した。

「? この本、タイトルも筆者も書かれてないけど?」

「こぁ。そうなんです。私もこんな本を見るのは初めてで。だから、パチュリー様にも報告したんです」

「パチュリーは、もうこの本読んだの?」

「いえ……筆者も分からないんじゃ、大した本では無いだろうと仰って……」

「ふーん……」

私はその本を手に取って、様々な角度から本を眺めてみる。
その本は、表紙から全て羊皮紙で出来ており、お世辞にも手が掛かっているとは言い難い。
どちらかと言えば、素人が作った冊子とでも言った方が良い出来映えだ。
表紙には、タイトルも筆者も書かれておらず、ただ『一巻』とだけ小さな字で書かれている。
わざわざ一巻と書く位だから、きっと続きがあるのだろう。

私は、怪訝に思いながらも、とりあえずいつも座る長机に腰掛けて、その本を読み始める事にした。

*            *

その本の主人公は、一人の少女。
生まれつき病弱で、内気な少女の唯一の趣味は読書をする事だった。
少女は、毎日大きな図書館に通い、本を読み続ける。
勇者が恐ろしい魔物を打ち倒す冒険潭や、美しいお姫様が親指ほどの大きさになってしまう童話。
夜空に輝く星の動きで未来を占う占星術の本に、難解な数式を紐解く数学書。
少女は、身体が弱くて自由に外で遊ぶ事は出来ないけれど、その代わりに沢山の本を読んで、世界の秘密に触れていく。
少女は、寂しくなんてなかった。
何故なら、寂しいという感情など知らなかったから。
少女は、ずっと一人だったのだ。
ずっと一人だったから、寂しさなんて知らなかった。
そんなある日、少女の元に夜魔が現れる。

『もっと本が一杯あるところに、行きたくはない?』

少女にそう聞く夜魔。
少女は、夜魔の言葉に頷いて、生まれた町を離れた。

*            *

一巻の内容は、そこで終わっていた。
私は、途中で休む事も無く、夢中でその本を読み耽った。
飾る事も無い、素朴な言葉で書き綴られたその本に、私は引き込まれていたのだ。

「ねぇ、小悪魔。この本の続きは?」

「こぁ……それが、まだ入ってきていないんです……」

「そう……いつ頃入ってくるかとか、分かる?」

「ここの図書館に入って来る本は、外の世界で忘れられてしまった本なので、いつそうなるのかは、ちょっと……」

「そっか……分かったわ」


その後しばらくの間、私は他の小説などを読んで過ごした。
その中にはとても面白い小説もあったが、あの本程に引き込まれる作品は無かった。
私は、小悪魔に毎日あの本の続きが入ってきていないかを尋ねたけれど、小悪魔が芳しい返事をする事は無かった。

そして、二週間ほど経ったある日。

「霊夢さん! あの本の続きが来ました!」

私が図書館に入った途端、真っ白な本を抱えた小悪魔が私のところに駆け寄ってきた。
その本は、表紙に『二巻』とだけ書かれていて、どう見てもこの前読んだ小説に違い無かった。
私は、図書館の入り口から最も近い長机に腰掛けて、早速本を読み始める。

*           *

夜魔に連れられた少女は、今まで見た事も無い程大きな図書館に辿り着いた。
そこには、古今東西からありとあらゆる本が集まっていて、きっと少女の一生を使ったって読みきれない位の本が、誰かの手に取られるのを待ちわびていた。
そこは、少女にとって正に夢の楽園だった。
でも、少女は急に怖くなる。
悪魔は何の見返りも無しに、人へ施しをする事など無い。
少女は、何を取られるのかと怯えながら、夜魔がどんな見返りを求めているのか尋ねた。

『貴女は幸せな娘。寂しいという感情を知らないの。だから、私と友達になって頂戴。そしたらきっと、貴女は知る事になる。寂しいという感情を』

夜魔は、歌うように少女にそう告げた。
何も知らない少女は、夜魔の言葉にコクリと頷いた。
何故なら少女は知らないのだ。
寂しいという気持ちが、どんな感情であるかを。
その日から、少女は本を読み続けた。
来る日も来る日もずっと。
夜魔は時折少女の元を訪れて、一緒にお茶を飲んだり、お喋りをしたりした。
少女は、本を読むのが一番好きだったけれど、夜魔とお話しするのが二番目に好きになった。
そんな日々が永遠に感じる程、長い間続いた。

*           *

二巻はそこで終わっていた。
そしてその二週間後、またその本が図書館に入ってきた。



数えるのも面倒な位に年月が過ぎて、それでも少女は本を読み続けた。
少女は、こんな幸せな時間がずっと続くものだと思っていた。

しかし、ある日夜魔が一人の人間を連れて少女の元を訪れた。

『この娘は、私の一番大切な人。貴女にもそんな人が見つかると良いね』

夜魔は嬉しそうに、その人間の頭を撫でる。
少女は、そんな夜魔の姿を見て、何故か胸が苦しくなった。
苦しくて苦しくて、少女はポロポロ涙を流す。
それでも少女は本を読み続けた。
少女にはそれしか出来なかったから。

*          *

私は気付き始めていた。
病弱で、本を読んでばかりいる少女。
そんな人物に心当たりがあったのだ。

パチュリーにこの本の事を話したかったけれど、何だか触れてはいけない話の様な気がして、私はパチュリーにこの話をする事が出来ないでいた。

でも、そんな私の気持ちなどお構い無しに、二週間が経つと必ずその本の続きが図書館に入ってきた。
私は、少しの躊躇を抱きつつも、自分の興味に負けて、その本の続きを読んでしまう。

*          *

ある日、少女は読んでいた魔法の本を頼りに、友達を作る事にした。
大きな魔法陣を書いて、色々な捧げ物をして。
最後に本に書かれた呪文を唱えると、真っ赤な髪の女の子が魔法陣の中から現れた。

『私は貴女の僕です。貴女のどんな命令にでも従いましょう』

少女は嬉しくなって、夜魔に女の子を紹介する事にした。
しかし夜魔は、女の子が少女の足下で頭を垂れているのを見ると

『その子は貴女。貴女はその子。あなたは、まだ一人のままよ』

と、呟いた。
少女はその言葉の意味が何となく分かったから、また泣いた。
泣いて、泣いて、泣いて、いつの間にか泣けなくなって。
笑えなくなって、怒れなくなって。
そんな彼女を気遣うように、魔法陣から現れた女の子は可愛い司書さんになって少女のお世話をする事にした。

ある日、二人の女の子が図書館にやって来た。
一人は元気で乱暴で、でも本当はとっても優しい女の子。
もう一人は静かで頭が良くて、お菓子作りが上手な女の子。

少女は、二人と仲良くなれるかもしれないと思った。
そして、夜魔とあの人間の娘の様に、互いに一番大切な存在になれるかもしれないと期待した。
でも、少女は三人で楽しくお喋りしていても、心の底からは笑えなかった。
元気な女の子が本を盗んでも、本気になって怒れなかった。
少女の目の前で、二人の女の子が仲良く手を繋いでいても、うまく泣くことができなかった。

少女に残された、ただ一つの感情は、『寂しい』というものだけだったのだ。

*          *

「ねぇ! 小悪魔! そういえば、なんで魔理沙もアリスも図書館に来ないの!? 私が通い始めてから、あいつら一度も来てないじゃない!」

「こぁ……あの、魔理沙さんとアリスさんは、付き合い始めて……それからあまり図書館にはいらっしゃらないんです」

「何で……」

「パチュリー様に気を遣っていらっしゃるのではないでしょうか」

「パチュリーは、その事について何か言ってた?」

「いえ……特には……」

「……そう」

もう、決定的だ。
この本の主人公は……パチュリー・ノーレッジ。
あの無愛想な魔女は、表情には一切出さないけれど……いや、出せないけれど、ずっと心の中で『寂しい』という叫びをあげていたのだ。
この本がフィクションである可能性も捨てきれなかったが、私にはそうではないという確信があった。

元々、不思議に思っていたのだ。
外の世界からやって来た本は、どれも本の表紙が色褪せている。
私が最初に読んだ料理の本だって、中身はかなり新しいものなのに、本の表紙は年代を感じさせる古めかし色合いをしていた。
きっと、その本が忘れられていく過程で色褪せてしまったのだろう。
しかし、この小説は色褪せるどころか、真新しい羊皮紙に書かれている。
それこそ、最初に読む人間が私であるかのように。
そして、最近パチュリーはよく書き物をしていた。
羊皮紙に向かって羽根ペンを滑らせている姿を、私は何度も見ているのだ。

それらの事柄が指し示している事は一つ。
この小説は、外の世界から流れついたものなどではない。
この、寂しさ以外の感情を忘れてしまった悲しい少女のお話は、パチュリー自身が書き綴ったものなのだ。
自分自身について書き綴ったその小説を、パチュリーは私に読むように言った。
そこには、どんな想いがあったのだろう。

きっと、あの無愛想で可愛げの無い魔女は、私に救いを求めている筈だ。
そんな彼女に対して、私はどう応えれば良いのだろうか。
私なんかが、彼女にしてあげられる事などあるのだろうか。

その答えが出せないまま、また二週間が経った。
その本は、当然の様に図書館に入ってきていた。
いや、二週間で書き上げられたというべきだろうか。
私は、パチュリーに自分がしてあげられる事の答えが欲しくて、またその本を読み始める。

*            *

二人の女の子達が来なくなって、少しの月日が流れた。
少女は、ずっと本を読んでいた。
少女には、本を読む事しか出来ないから。

そんなある日、また一人の女の子が図書館にやって来た。
とてもマイペースで、とっても可愛い女の子。
女の子は、少女が本を読んでいると

『目、悪くなるわよ?』

と、声を掛けた。
少女は、目なんか悪くなっても構わないと思っていたけれど、女の子が心配してくれたのが嬉しかった。

女の子は、毎日本を読みに来た。
いつも料理の本を読んでいる様だった。
少女は、本しか読まないから料理なんて出来ない。
だから、料理が出来る女の子が羨ましかった。

女の子は、毎日、毎日図書館に来た。
少女は、いつの間にか女の子が図書館に来るのを待ちわびる様になっていた。
女の子は、いつも少女に声を掛けた。
眩しい位の笑顔と共に。
少女は、それがとても嬉しかった。

でも、少女は笑えない。
少女は、怒れない。
少女は、泣けない。

きっと、女の子はそんな少女に飽きてしまう。
いつか、図書館に来るのをやめてしまう。
少女にとって、一番大切な人がその女の子でも、女の子にとって少女は一番大切な人なんかじゃない。
少女がどんなに願っても、女の子はきっと少女を置いていってしまう。
少女は泣きたくても泣く事が出来ない。

だから少女は本を読む。
本を読む事しか出来ないから。

それが恋だと知っていても。

*            *

ドクリ、と心臓が大きく高鳴った。

パチュリーは……私が好き?

いつも不機嫌そうな顔で、私の顔を見ようともしないパチュリーが?

ドクリ、ドクリと鼓動がペースを上げる。

でも、パチュリーは感情を表に出せないだけで、ずっと私の事を想っていてくれたのかもしれない。
いや、きっとそうなのだろう。
だって、この本を書いたのは他ならぬパチュリーなのだから。

ドクッ、ドクッ、ドクッという心臓が早鐘を打つ音が、耳に響く。

では、私はどうだろう。
私はパチュリーの事が好きなのだろうか?
幾らパチュリーの境遇に同情出来るからといって、哀れみの気持ちからパチュリーと付き合っても、それはパチュリーに失礼だ。

ドク、ドク、ドク、ドク。

考えてみれば、この図書館に通い始めてからずっと、私はパチュリーの事ばかりを考えていた様な気がする。
パチュリーの態度に一喜一憂して、振り回されて。
何で私は、そんなにパチュリーの事が気になっていたのだろうか。

ドクッ、ドクッ、ドクッ。

きっと、それは恋。
何故なら、この本の少女の気持ちが、私には痛い程良く分かるから。
好きな人に振り向いて欲しいという、この少女の気持ちが。

ドクリ、ドクリ。

それならば、私の答えは一つだ。

トクッ、トクッ。

パチュリーに、会いに行こう。

トクンッ。



*             *



私がパチュリーの元を訪れると、パチュリーは相変わらず羊皮紙に羽根ペンを滑らせていた。
その顔には、不機嫌のテンプレートの様な表情が張り付いている。

「……何?」

これまた不機嫌の権化の様な声が、パチュリーの口から発せられる。
私は、またペースを上げ始めた鼓動を必死で抑えて、パチュリーの机の横に置かれた椅子に腰掛ける。

「目、悪くなるわよ?」

「……余計なお世話」

不機嫌そうにそう言い放つパチュリーの机の上には、小さな違和感。
よくよく机の上を見てみると、元々置かれていたランプの他に、小さめのアルコールランプがもう一つ追加されていた。
そのランプの光を見つめていると、私の胸がジワリと熱くなった。

「ねぇ、パチュリー」

「……」

「寂しく……ない?」

「……何が言いたいの?」

パチュリーは、私の言葉を聞きながらも、顔は机に向かっている。
ただ、落ち着きを無くし始めた瞳だけが、私の顔と羊皮紙の間を行ったり来たりしていた。

「私の方、向いて」

「あっ……!」

私は、パチュリーの手を取って、自分の方にグッと引き寄せた。
パチュリーの身体が、その勢いでグルリと私の方に向けられる。
初めて触ったパチュリーの手は、驚く程細くて、冷たかった。

「私は寂しい。パチュリーが私の話をちゃんと聞いてくれているのか分からないから」

「ち、ちゃんと聞いてるわよ。そ、それで、何の話なの?」

パチュリーは、病的な白さの頬にほんの僅かに朱を差しながら、私に尋ねる。

「何の話だと思う?」

「質問に質問で返すのは、頭の悪い証拠よ」

「そうよ。私は頭が悪いわ。だから、頭の良いパチュリーだったら、私が何の話をしたいのか分かるでしょ?」

「あ、新しく読む本の相談かしら?」

「違う」

「ほ、本の貸し出しの話? ま、まぁ、霊夢は本を乱暴に扱ったりしないから、考えなくはないわ」

「違う」

「き、禁書の閲覧は駄目よ? 読ませたく無いという訳じゃなくて、危険だから禁止してるの。魔法の知識の無い者が禁書に触れたらそれだけで……」

「違う。正解する気無いでしょ? もっと……もっと大事な話」

「……分からない」

パチュリーは、不機嫌そうな顔のまま、俯く。
握ったままのパチュリーの手は、俄に汗ばみ始めた私の手の熱が伝わり始めたのか、先程より幾分柔らかくなっている様に感じた。
一切の音がしない図書館。
耳鳴りは、確かにしている筈だけれど、暴れ出した鼓動の音が耳に響いていて、もはや気になどなりようが無かった。

「ねぇ、パチュリー」

「……何?」

「好き」

「……えっ?」

「好き」

「…………あ、あ」

「好き」

「……っ」

「ねぇ、私の目を見て」

パチュリーは、僅かに震えながら顔を上げる。
そこには、いつも通りの不機嫌な顔をしたパチュリーの姿があった。
眠たげな瞳は、キョロキョロと忙しなく動いて、私の視線から逃れようとする。

「パチュリー」

「……」

「好き」

「……っ!」

「パチュリー?」

「……うぅ」

「好き」

「……きゅ」

「貴女が好きよ、パチュリー」

「わ、私……っ」

二の句は継がせない。
言い訳は許さない。

何かを喋ろうとしたパチュリーの唇に、私は自分の唇を重ねた。
とても柔らかくて、冷たい感触。
今、パチュリーがどんな表情をしているのか分からないのが悔しかった。

一方的にパチュリーを抱き締めていた私の背中に、震える腕が触れる。
本しか読まない魔女に抱き締められても、ちっとも苦しくなんて無い。

「……私も。私も霊夢が好き……」

唇を離すと、パチュリーは震える声でそう呟いた。
一見、いつも通りの不機嫌な表情で。
その表情の僅かな変化に気付けるのは、こうして抱き締め合っている者だけだろう。

「なんだ。ちゃんと、泣けるんじゃない」

私は、自分も泣いているのを棚に上げて、無愛想な魔女の目に溜まった涙を、拭ってやった。



*            *



私とパチュリーが付き合い始めても、特に変わった事など何も無かった。
相変わらずパチュリーは不機嫌そうな顔をしているし、小悪魔は私達の関係に気付いているのかいないのか、元気に図書館の中を駆け回っている。
一つだけ変わった事があるとすれば、帰り際の挨拶に、私とパチュリーがキスを交わす様になった事くらいだ。
私達は帰り際、小悪魔の目に触れない様に、そっと唇を重ねるだけのキスをする。
それが二人だけの秘密だった。

そして、私とパチュリーが付き合い始めて二週間が経った日、またあの小説が図書館に入ってきた。
もうあの小説の役割は終わったものだと思っていた私は、不思議に思いながらもその小説を読む事にした。

*            *

少女は、幸せに包まれていた。
愛する彼女に自分のあられもない姿を晒し、彼女の指で、舌で、意識が真っ白になってしまう程の快感を与えられる幸せに。
今や、少女の舌も胸も性器も肛門すらも、全て彼女のものだった。
少女は、忘れていたはずの涙を流す。
彼女に全てを支配される事への喜びの涙を。

*             *

「――なっ!」

思わず私は驚きの声をあげる。
その小説の内容は、今までのものとガラリとその趣を変えていたのだ。
少女、つまりパチュリーが、彼女、つまり私と淫らな行為に耽っている。
それは、ただの小説というよりも官能小説と言えるものだった。

その小説には、二人の女が淫らに交わる様が、生々しく描かれていた。

私達はまだ一度もセックスなどしていない。
だから、この小説はパチュリーの過去を書いたものではない。
という事は、これはパチュリーの願望という事だろうか。

「……うそ。こんな事まで」

私は、良くない事と思いつつもその淫らな小説を読み進める。
快楽の渦に意識を絡めとられそうになりながらも、呂律の回らない舌で必死に許しを乞う少女。
しかし、その相手である彼女は決して責めの手を緩めない。
性器と肛門が、ふやけてしまう程に責められ続けた少女は、絶頂の最中、蕩けてしまう様な幸福感に包まれるのだ。

私は、その乱れきった少女にパチュリーの姿を重ねていた。
パチュリーが私の指と舌で、身体中の穴という穴を犯されて、涙を流しながら許しを乞う様を想像すると、ジワリと股座から温かな液体が染み出るのが分かった。

抱きたい。
この小説の様に、パチュリーを犯したい。

私の中に、獣の様な欲望が沸き立つ。

私は、我慢する必要は無いのだ。
私達は付き合っているのだから。
恋人同士でセックスしたとしても、何ら不自然では無い。
そして何より、パチュリー自身が私に犯されるのを望んでいるのだ。
そのいやらしい妄想を、延々とこの小説に書き綴っていたのだろう。

私はその本を閉じると、パチュリーの書斎に向かって歩き始めた。



「……どうしたの?」

パチュリーは、相変わらず机に向かっている。
しかし、私が近づいてきたのを悟ると、羽根ペンを机に置き、私の方を振り返った。
いつも通りの不機嫌な顔が、少しずつ柔らかな表情に変わってきているのは、気のせいでは無いだろう。

私は、何も言葉を発しないまま、パチュリーの細い身体を抱き締める。

「……あっ」

パチュリーは驚きの声をあげたものの、しばらくすると、おずおずと私の背中に腕を回した。
私達は、抱き締め合ったまま見つめ合うと、どちらからという事も無くキスを交わす。

いつも通りの、唇を重ねるだけのキス。
でも、今の私はこんなキスでは満足出来ない。

私は、パチュリーの背中に回していた左腕を、パチュリーの両足の下に潜らせて、そのままグッと両腕でパチュリーを抱え上げた。

「きゃっ!」

パチュリーは何が起こったのか分からなかったのか、可愛らしい悲鳴を上げて私にギュッと抱きついた。
私はパチュリーを抱えたまま、書斎の奥にある扉に向かって歩き出す。

「ち、ちょっと! 霊夢!?」

パチュリーが叫ぶのも無視して、私は辿り着いた扉を開け放つ。
そこは、パチュリーの寝室だ。
パチュリーの寝室は、ベッドとそこに通じる道以外は本で埋め尽くされていた。
私は寝室に一歩踏み込むと、パチュリーを地面に降ろした。

「ど、どうしたの、霊夢。突然何を……」

バタン!

私は後ろ手で扉を閉めた。
少し力が入り過ぎてしまった様で、閉まる時にやたらと大きな音がした。
パチュリーは、その音にビクリと身体を震わせる。

ガチャリ……

寝室の内鍵を締める音が、寝室に響く。
これで、私とパチュリーを邪魔する者はいない。
パチュリーの瞳は、私と扉を交互に見つめながら、不安げに揺れていた。

「何? 何なの……?」

パチュリーは、私の異常に気付き始めたのか、心なしか怯えた表情でジリジリと私から離れ始めた。
頭に血が昇っている私は、自分でも驚いてしまう程の速さでパチュリーに近づいて、ギュウっとパチュリーを抱き締めた。
そしてそのまま、驚くパチュリーの唇を奪う。

「――んっ! ――んんぅっ!」

パチュリーは必死の抵抗をみせるが、単純な力で言えば私の方が圧倒的に強い。
幾らパチュリーが暴れても、その弱々しい腕力では私の腕を振りほどく事は出来ない。
私は、ギュっと横一文字に閉じられたパチュリーの唇に、自分の舌を押し当てる。
私の舌が唇に触れた瞬間、パチュリーの身体がビクリと震えて、パチュリーの身体から力が抜ける。
パチュリーは、頑なに唇を閉じ続けていたが、私がギュっと抱き締める力を強めると、おそるおそる私の背中に腕を回した後、ゆっくりと唇を開いた。
ようやく突破口を見出した私の唇が、パチュリーの口内に向かって伸ばされる。

「……んぅっ!」

ぬるぬるとしたパチュリーの口内を、まさぐる様に私の舌が犯すと、パチュリーは喉から甘い声をあげた。
私は、自分の舌をパチュリーの舌に擦りつける様にして、パチュリーに無言の要求をする。
その意図を察したのか、パチュリーの舌がゆっくりと持ち上がると、緩い動きで私の舌にパチュリーの舌が絡みついてきた。
ニュルニュルと、互いの舌が相手の舌の感触を求めるように絡み合う。
時折、ザラリとした舌の表面と表面が擦り合う度に脳髄を駆け抜ける、ゾクリとするような快感。
私達は、夢中で互いの唾液を交換する。
口と口の隙間から、僅かに漏れ出した二人の唾液は、互いの口元を濡らし、それが空気の冷たさに触れてむず痒い様な感覚を覚えた。
その痒みを掻き毟りたいという衝動までを、激しい舌の動きに変えて、私はパチュリーの口内を蹂躙する。

「――ぷはっ……はぁっ……はぁっ……」

長い長いキスを終えると、パチュリーの顔は真っ赤に染まり、目元には涙が溜まっていた。
私がパチュリーの身体をそっと押すと、パチュリーはそのままベッドへ仰向けに倒れ込んだ。

「……する、の……?」

パチュリーは、下から私の目を見つめたままポツリと呟く。

「……嫌?」

興奮しきった思考では、こう聞くのがやっとだった。
パチュリーは、シーツの端をギュっと握ったまま、フルフルと首を横に振った。
その表情は、いつもの不機嫌なものでは無い。
恥ずかしさを必死で堪える、初めて目にするパチュリーの表情だった。

私は、パチュリーのその表情が堪らなく愛しくなって、パチュリーに覆い被さる様にして唇を奪う。
今度は、どちらからともなく舌を絡め合って、呼吸が出来ない位の激しいキスを、何度も何度も交わした。
私は、もはや何の抵抗もしなくなったパチュリーのナイトドレスを、膝下から一気に脱がし取る。
パチュリーも、私の動きに合わせて両腕で万歳し、私が脱がし易いように配慮してくれた。
パチュリーのナイトドレスの下には、ドロワーズ一枚しか身に付けられていなかった。
驚く程真っ白な肌が、私の視界を占領する。
羨ましくなるくらい豊かな乳房は、パチュリーの呼吸に合わせてゆっくりと上下していた。
私は、ゴクリと生唾を飲み込んで、硝子細工を触る時の様な慎重な手付きでパチュリーの胸に手を当てた。
途端に、パチュリーの身体がビクンッと震える。
ゆっくり、ゆっくり、絹の様な肌触りの胸をその感触を味わう様に揉むと、パチュリーは私の手の動きに合わせて甘い声を漏らす。
そして、私の指が桜色の乳首に触れると

「はぁんっ!」

と、普段の声からは想像もつかない様な高い声が、パチュリーの口から漏れ出した。
その反応が嬉しくて、私の指使いは段々といやらしいものになっていく。
回す様に乳房を揉みしだき、乳首をくりくりとつまみ上げ、パチュリーがより感じる動きを模索しながら、私はパチュリーの胸を弄ぶ。
そして、その度毎にパチュリーの矯声は大きなものになっていった。
私はいよいよ我慢が出来なくなって、上着を急いで脱ぎ捨てると、パチュリーの乳房に自らの舌を這わせる。
滑らかな肌の感触を舌で楽しむ私に、パチュリーは身体を捩る事で快感から逃げようとした。
しかし、私がパチュリーの乳首を口に含むと、パチュリーの身体がビクッ、ビクッと大きく震え、その抵抗すら出来なくなる。

「駄目! くすぐったい! くすぐったいわ、霊夢!」

涙目になりながら、必死で叫ぶパチュリー。
くすぐったさは、性感の現れである事を彼女も知っている筈だ。
私は、女性特有の丸みを帯びた括れに腕を回して、しっかりとパチュリーを抱き締めると、乳首に力一杯舌を擦りつけた。
その瞬間、パチュリーの身体が大きく跳ね上がる。

「いやぁぁあああっ!」

振り落とされてしまいそうになるのを、必死で堪えながら、私はパチュリーの乳首を舌で撫で続ける。
ピンっと勃った乳首は、私の舌に押さえつけられると行き場を無くして舌の進む方向に押し倒されて、ザラリとした私の舌の表面で擦り上げられる。
そして、ようやく私の舌から解放されても、今度は私に吸い付かれる事によって、更なる勃起を促され、より敏感になったところを再び私の舌によって擦り上げられるのだ。

「れ、れいむっ! だめっ、だめなのぉ! 乳首、ちくびいじめないでぇ……っ!」

普段見る事の出来ないパチュリーの乱れる姿に、私の興奮のボルテージが上がっていく。
私は、ゆっくりとパチュリーのドロワーズへと手を伸ばす。
私の指がパチュリーのドロワーズに触れると、ヌルリと温かな粘液がまとわり着いた。
その粘液の出どころを、ドロワーズの布地で擦る様に刺激すると、パチュリーの身体が小刻みに震え始める。

「あぁぁぁっ……! やだぁ! こわい、こわいの! 来る、来ちゃう! 何かくるの! やめて、お願いれいむっ!」

最早、普段の物静かなパチュリーは成りを潜め、ベッドの上で許しを乞いながら悶えるのは、快楽に怯える一人の少女。
そして何事にも動じない無愛想な魔女を快楽によって怯えさせているのは、誰あらぬ私なのだ。

愛しいパチュリーを滅茶苦茶にしてやりたい。
私の指で、舌で。
前後も記憶も何もかも不覚になるくらいまで狂わせたい。

私の精神に巣食っていた嗜虐心が、段々と暴れ出す。
それに合わせて、私の指と舌の動きも激しさを増していった。

「うっんんん……っ! いゃっ……いぁぁあ゛あ゛あっ!」

パチュリーは、最早言葉にならない叫びを上げて、私の身体に縋りつく。
パチュリーの乳首はガチガチに勃起し、ドロワーズは愛液でグショグショに濡れて、ドロワーズの上から彼女の性器を擦る指からは熱以外の感覚が無くなり始めていた。
パチュリーの限界がもうすぐそこまで来ている。
パチュリーが私を抱き締める力が更に強くなった事で私はそれを察知した。
初めてのセックスで、パチュリーがどんな表情で絶頂するのかを見逃さない様に、私はパチュリーの顔を見つめながら、乳首にそっと歯を立てる。
そしてそれと同時に、性器を擦る様になぞるばかりだった指を、ドロワーズの布地ごとグリッとパチュリーの性器に押し込んだ。

「―――――――ッッ!!!!!」

パチュリーの下身体が弓の様にしなって、ピタリッと空中で動きが止まる。
パチュリーの大きく見開かれた目からはボロボロと涙が溢れ、口はパクパクと酸素を求める様に動いていた。
パチュリーの性器に突き立てられた指には、ドロワーズ越しでもパチュリーの膣内の熱が伝わってくる。
パチュリーの膣が痙攣する度に私の指を包み込む様に締め付ける、熱く濡れたドロワーズ。

パチュリーの身体からスッと力が抜けると、彼女は目を見開いたまま、肩で大きく呼吸を繰り返す。
私は、ぜぇ、ぜぇ、と苦しそうに呼吸をするパチュリーの口元から、だらしなく流れ落ちる涎を舐め取ると、パチュリーの紫色の髪を撫でながら緩慢な動きでキスをする。
やがて正気を取り戻し始めたパチュリーは私の顔を見ると、眠たげな目を細めて私をキュッと抱き締めた。
パチュリーの息が完全に整うまで、私はパチュリーの髪を撫で続けた。その間中ずっと、パチュリーは私の胸に顔を埋めていた。

私達はその間、一言も会話を交わさなかったけれど、言葉になんかしなくてもお互いの気持ちは伝わっていたと思う。

やがてパチュリーの呼吸が整うと、私達はもう一度深く深くキスをした。
包み込む様なパチュリーの優しい匂いを胸一杯に吸い込みながら、私はゆっくりと舌を動かす。
今度のキスでは、パチュリーの方から積極的に舌を絡めてきた。

ふと、私の脳裏にあの小説の内容が過る。
パチュリーは、きっとまだまだ満足していない筈だ。
あの小説の少女は、もっと激しく身体を貪られていたのだから。

顔を真っ赤に染めながら、私の舌を激しく求めるパチュリーを見て、私はそれを確信する。

まだまだ終わりになどしない。
あの少女以上に、パチュリーを乱れさせてやる。
また、私の嗜虐心に火が着き始めた。
長いキスを終え、熱に浮かされた様な顔をしているパチュリーの首筋に、私は何度もチュゥっと吸い付いて彼女が私だけのものである事を証明する刻印を幾つも刻む。
私にキスマークを付けられる度に、パチュリーはブルリと身体震わせた。
その様子に満足した私は、ゆっくりと上半身を起こし、グッショリと大きな染みが出来ているパチュリーのドロワーズを一気に引きずり下ろす。

「……あっ」

まだ半分覚醒していないパチュリーは、私にドロワーズを脱がされても、さしたる抵抗をみせなかった。
私は、パチュリーの両足を大きく開き、そのままパチュリーの顔に向かって足を持ち上げる。
パチュリーの両足がベッドに押し付けられると、私の目の前にパチュリーの性器と肛門が露になる。
パチュリーの側から見ると、丁度自分の性器と私の顔が両方視界に入る体制だ。
あられもない体制に固定されたパチュリーは、不安げでいて、でもどこか期待する様な熱い眼差しで私を見つめる。
湯気が立ちそうな程ビッショリと濡れて、咽返る様な女の匂いを放つ性器。
キュッと締められた肛門は、パチュリーが呼吸をするのに合わせて、いやらしく動いていた。
私は、欲望のままにパチュリーの割れ目に舌を伸ばす。

「ひゃぁん……っ!」

私の舌がパチュリーの性器に触れると、パチュリーは甘い矯声をあげる。
パチュリーの膣肉を掻き分けて、私の舌が彼女の膣内に侵入すると、堪らない熱さと心地良い舌への締め付けを感じる。
複雑な構造をした膣の内部で私の舌が動くと、パチュリーは自分の性器を私の舌で犯されているのを、涙を溜めた瞳で見つめながら信じられない位に甘い声で鳴いた。
私は、パチュリーの愛液で口元をぐちゃぐちゃにしながら、彼女の膣の味を楽しむ。
時折、パチュリーは快楽から逃げようとする様に足を閉じようとするけれど、両足は私の手でガッチリと押さえつけられており、逃げ出す事など出来はしない。

「らめぇ! れいむぅ、ゆるひてぇ!!! わたひのアソコなめちゃめぇ……っ!!! くるっちゃう! わたひ、くるっひゃうぅっ!!!」

呂律の回らなくなった舌で、パチュリーは必死に許しを乞う。
でも私は許さない。
パチュリー自身が私にこうされるのを望んでいる事を知っているからだ。
五分もそうしてパチュリーの性器を犯していると、一段と濃い愛液が沸き出し始めた。

――じゅるっ、じゅるるるっ!

私はその白く濁った愛液を、パチュリーに見せつける様にしてわざと大きな音を立てながら啜ってやる。
その様子を見たパチュリーは、羞恥に顔を真っ赤に染めながら、更に性器から愛液を溢れさせた。
無尽蔵に溢れ出てくる愛液を、私は啜り続ける。
この濃くてドロドロとした粘液が、愛しいパチュリーのものだと考えると、まるでそれが極上のお酒であるかの様に、幾らでも飲めてしまう気がした。
私は膣内の柔らかい襞の一つ一つまでを、全て舌で擦り上げる様にして、パチュリーの性器を犯し尽くす。
そんな私の執拗な愛撫に、彼女は何度も何度も身体を震わせて、絶頂の波に涙を流した。

「あ゛あ゛あ゛ぁーーーーっ!!!!! う゛う゛う゛ぅーーーーっ!!!!!」

最早言葉としての意味を為さない獣の様な叫びを上げながら、パチュリーはイキ続ける。

一時間以上もそうやって膣内を蹂躙して、パチュリーが白目を剥き始めると、私は未練を残しながらもパチュリーの性器から舌を抜いた。

「ひゅぅ……ひゅぅ……」

軽い過呼吸に陥ったのか、パチュリーは笛の様な呼吸音を響かせながら、肩で大きく息をする。
やがてパチュリーの呼吸が整ってきたのを確認した私は、今度は彼女の肛門に舌を伸ばした。

「はぁぁああああんっ!」

私がパチュリーの肛門の皺をなぞる様にして舐めると、彼女は一際甘い声をあげる。
肛門は、パチュリーの一番の弱点なのだ。
その事を、私はあの小説を読んだ事で知っていた。
汚物を排泄する為の器官であっても、パチュリーのものだというだけで、全く気にならなかった。
私はキュッ、キュッ、と激しく伸縮する肛門を、ねっとりと舌で愛撫していく。
緊張する括約筋を解きほぐす様に、肛門の皺を舌でなぞってやると、ブルリと身体を震わせたパチュリーの性器から、白濁した愛液が肛門に向かって流れ落ちてきた。
私は、その愛液を舌に絡ませて、パチュリーの肛門を責め続ける。

しばらくそうして愛撫を続けてやると、括約筋が緩み始めたのか、パチュリーの肛門がポッカリと口を開いた。
私の唾液と流れ落ちてきた愛液、そして内部から分泌された腸液でトロトロに蕩けたパチュリーの肛門に、私は一気に舌を突き立てる。
ヌルリッ、と私の舌が抵抗無くパチュリーの肛門に吸い込まれる。

「い゛あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

先程からの執拗な肛門への愛撫で、性感が限界まで高まっていたのか、私の舌が直腸に侵入した刺激だけでパチュリーは白目を剥いて絶頂する。
私は、一瞬責めを止めようかと躊躇したけれど、パチュリーの両足が私の腕を押し返す位に力強く動いているのを確認して、そのまま責めを再開する事にした。
グニグニと弾力のある括約筋が私の舌を締め付ける。
その締め付けに抵抗する様にして、私はパチュリーの腸内で自由に舌を暴れさせた。

「ひぎっ! ひぎっ! ひぎぃぃいいっ!」

私の乱暴な舌の動きに、まるで豚の様な声をあげるパチュリー。
私に舌で肛門をほじくられながら、ダラダラと涙と涎を流して乱れるパチュリーの顔を見ると、私はゾクゾクする様な快感を覚えた。
私は尻たぶに顔を埋めて、可能な限り舌をパチュリーの直腸の奥深くへと伸ばす。
鼻から抜ける、すえた排泄物の匂いさえパチュリーのものだというだけで、愛しく感じられた。
舌の先が括約筋の先の直腸内部に達すると、舌が熔けてしまいそうな熱が脳に伝わってくる。

「い゛ぐぅぅぅうううっ!!!」

次の瞬間、私の顔目掛けて生暖かい液体が噴きつけられた。
パチュリーが潮を噴いたのだ。
最早、何でもありだった。
パチュリーのどんなに醜い姿を見せられても、どんなに汚い姿を見せられても、私はどんどんパチュリーが愛しくなる。

興奮し過ぎて朦朧とし始めた意識の中でも、私はパチュリーの肛門を犯す舌の動きだけは止める事は無い。

そこから先は、もう思考も記憶も何もかもが曖昧になって、でも愛する人を抱いている喜びだけが私を包み込んだのだった



*              *



気が付くと、私はパチュリーの胸の上だった。
どうやら、私は行為の最中に気を失ってしまったらしい。
慌ててパチュリーの顔を見ると、パチュリーは安らかな顔で寝息を立てていた。
私は激しい行為で捲れ上がってしまっていた毛布を手に取ると、パチュリーと自分の身体を毛布で包み込んだ。
そして、幸せそうに眠るパチュリーの柔らかな身体を抱き締める。

しばらくそうしてパチュリーを抱き締めながら、時折頬にキスをしたりして過ごしていると、彼女はようやく目を覚ました。

「……んうっ」

「おはよう、パチュリー」

「……ん」

パチュリーは、いつも通りの眠たげな目を擦って私の顔を見ると、おずおずと私の背中に腕を回して抱きついてきた。
顔は私の胸に埋めてしまっている。
どうやら、少し恥ずかしいらしい。

「霊夢……」

「何?」

「えっち……」

「んん? それは聞き捨てならないわね」

「霊夢はちょっとえっち過ぎるわ……初めてなのにあんなに激しく……。そ、その……お、お尻の穴でまでイカされちゃって……私、壊されちゃうかと思った」

「だってパチュリーは、激しいのが好きなんでしょ?」

「……むきゅ。そ、それは……」

「ほら、パチュリー。こっち向いて?」

「……んっ」

薄っぺらい毛布にくるまりながら、私達は今日何度目かも覚えていないキスをする。
とても優しい、触れるだけのキスを終えると、パチュリーは私の前ではにかむ様な笑顔を見せた。

「あんた、笑ってる方が可愛いわよ」

「……むきゅ」

恥ずかしがり屋の無愛想な魔女は、また私の胸に顔を埋めて、可愛いらしい笑顔を隠してしまう。

私は誓った。

この無愛想な魔女が、いつの日か弾ける様な笑顔を振り撒くその日まで、私が彼女を愛し続けると。







「ところで霊夢」

「何?」

「私が、その……激しいのが好きだなんて、何で知ってたの?」

「何言ってるのよ。パチュリー自身がそう書いたんじゃない」

「……えっ?」

「ほら、あの小説よ。パチュリーが書いたやつ。あれを読んだら、パチュリーは激しいのが好きってのが、嫌になる程良く分かったわ」

「……何の話?」

「だから、あの小説だって! 病弱な少女と夜魔の話! 最後は物凄い官能小説になっちゃうやつ!」

「……」

「あ……れ……? もしかして、本当に心当たりなかったりする?」

「……(コクリ)」

「えっ……じゃあ、あれは誰が……」

「うふ、うふふふふっ。一人だけ心当たりがあるわ……」

「パ、パチュリーさん? わ、笑った方が良いとは言ったけど、そんな壮絶な笑顔を期待した訳じゃないのよ……?」

「うふふふふっ。うふふふふふふふふふふふふっ……」











*               *










主達が寝室に入っていくのを見届けた彼女は、鼻歌を歌いながら羊皮紙を広げる。

「パチュリー様も霊夢さんと上手くいきそうです。これも私の努力の賜物ですね♪」

彼女は、頭部の特徴的な羽根をパタパタと動かしてインクと羽根ペンの用意をする。

「あぁ、そう言えば魔理沙さんとアリスさんに図書館の改修は終わったって伝えないと。いくらお二人でも、既成事実が出来てしまったら霊夢さんとパチュリー様の仲は引き裂けないでしょう」

羽根ペンの先にジワリとインクが染み込んでいくのを確認した彼女は、下書き用紙に羽根ペンを滑らせてインクが滲まないかを確かめる。

「それにしても、霊夢さんはちょっと鈍感過ぎます! パチュリー様も含めて三人の女の子に好かれているのに気付かないなんて!」

彼女は腕を組んでプゥーと頬を膨らませた。

「でも、そのお陰で作戦は上手くいきました。まさかあんなに簡単に魔理沙さんとアリスさんが付き合ってる、だなんて嘘を信じてくれるなんて♪」

彼女は羽根ペンをクルリと指先で一回転させると、羊皮紙にサラサラと文字を踊らせ始めた。

「次は……そうだ! パチュリー様が作った薬で霊夢さんにお〇ん〇んが生えてしまう展開にしましょう! 子供が出来てしまえば、パチュリー様の勝利は確定的です! こぁぁあああ……えっちです!」

二週間後の締め切りへ向けて、可愛い司書さんは主と、自分を『可愛い司書さん』と呼んでくれた人の為にペンを走らせ続ける。

この後、主とその恋人による激しいお仕置きが待っているとも知らずに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
  
「これじゃあ私が悪者みたいじゃない!」

「まぁまぁお嬢様。私とお嬢様がお互いにかけがえの無い存在だって部分は間違っていないんですから……半殺しで許してあげましょう」

「こぁぁあああああああああああ!」

「アリスと私が付き合ってるなんて、嘘八百も良いとこだぜ! ま、まぁアリスがそれを望むなら話は別だけどな……」

「ま、魔理沙と私が付き合ってるなんて嘘を、よくも吐いてくれたわね! ま、まぁ魔理沙がどうしてもって言うなら、考えてやらない事もないけど……」

「こぁぁあああああああああああ!」

「何が何だか分かりませんが、この紅 美鈴が小説に登場しなかった事が我慢なりません!」

「あーっ! 私も! 私も! お姉様ばっかりずるーい!」

「こぁぁあああああああああああ!」

「あはは、完全に騙されちゃった。結局パチュリーと付き合えたんだから、感謝はしてるけどね。でも、嘘を吐いたお仕置きだけはしっかりとしておかないと」

「こぁぁあああああああああああ!」

「こぉおおおおおあぁあああああああくぅううううううまぁあああああああああああ!」

「こ、こぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!」







すみません。
次回予告が機能してなくてすみません。
前作で予告したバトルフタナリものが煮詰まる度に、片手間に書いていた方のssが先に仕上がってしまいました。
何という遅筆。罵って下さい。

この作品を書いた動機は、パチュリーのあなうーを責めたかったからです。
それだけなんです。
久々の二万字オーバー……それも四捨五入したら三万字……やってしまった……orz

何だか最近、霊夢視点ばっかり書いてる気がします。
霊夢さん浮気しまくり。紫様、お許し下さい。

ダラダラと長いばかりの拙作をここまでお読み頂きありがとうございました。


オウフ。
皆様、沢山のコメントありがとうございます。
遅れてしまいましたがコメ返しをば。

>>ナナシン様
お久しぶりでございます。毎回、拙作を深く読み込んで下さりありがとうございます。
ゆかれいむはその内絶対書きますのでお許し下さい、紫様……
霊パチェってあんまり見かけなかったので書いてみました。思いのほかしっくりきたので満足していたりします。
ただ、パチェさんがどうしても自ら動いてくれないので、霊夢がかなり漢らしくなってしまいましたがw
小悪魔が霊夢さんとパチェさんを手玉に取って3Pですね、分かります。
どうしても、パチェに前の穴、霊夢に後ろの穴を責められてこぁぁぁ……っ!と鳴く小悪魔しか想像できませんがw
誘い受けってやつですね。

>>『巫女は舞う』の>>7様
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
『巫女は舞うの>>7さんは、ゆかれいむしか読まないと思っていたら、霊パチュのssにコメントしてくれた』
母性溢れるゆかりんも、少女臭溢れるゆかりんも断じて書いてねぇ……!
何の事を言ってるのか分からねぇと思うが、作者名とタイトルで釣っちまった俺は激しい罪悪感に打ちひしがれたぜ……
ごめんなさい。ゆかれいむは短編でどんどん書いていきますから。
もう、ネチョが主体のドロッドロに甘いやつを。
では……ゆ か れ い む は 俺 の ロ ー ド !

>>七品のサー様
Exactly(その通りでございます) 小悪魔が小説でパチェさんが失ったと書いた三つの感情表現のうち、彼女がまだ見せていなかった最後の一つの感情、怒りですw
小悪魔みたいな娘って、何だかいじめたくなってしまいますよね。
ドが付く程のMである私がそうなのですから、Sっ気がある方などは滅茶苦茶にしてやりたいと思うのかもしれません。
ところがどっこい、それが罠!
小悪魔が仕掛けた巧妙な罠なのです!
誘い受け、恐るべし……っ!

>>4様
ぎゃぁああ! オチ読まれてたぁ!
そりゃそうですよね、登場人物が実質三人だけだし……w
本当はもう少し容疑者を増やす予定だったのですが、長くなり過ぎてカット! カット!
パチェさんは、魔理沙とアリスが霊夢を好きな事を知っています。きっと枕に顔を押し付けながら、むきゅん! むきゅん! と嫉妬しておられたかと。
霊夢総受け好きとは、貴方とは旨い酒が飲めそうです。
出来るだけ、目新しいカップリングにも挑戦していきたいと思っていますので、また拙作にお付き合い頂けると嬉しいです。

>>魚沼丘陵4様
コメントありがとうございます。
貴方様の作品は以前のペンネームの頃から読ませて頂いており、底が見えない語彙の豊かさに吃驚しておりました。
特に、コンペで貴方様が書いたキスメが大好きで、自分の書いていたヤマキスを放棄した事もある程です。
超一流の方から『超一流』などと言って頂けて、それが身に余る言葉である事も忘れて舞い上がってしまいました。
小悪魔の一人称については、より表面的にピュアなイメージを持たせる為に小悪魔と言わせる事にしました。
ただ、そのピュアなイメージに騙されると、今回の様な事になるという事で。
恋のレファレンス……良い響きだなぁ……小悪魔が聞いたら身体を捩って喜びそうですねw

>>noname様
ありがとうございます!
その一言の為に書いているといっても過言ではありません!
次も最高と言って頂ける様な作品を頑張って書きたいと思います。
また拙作にお付き合い頂ければ幸いです。

>>その辺の妖怪様
そろそろ私が書く作品が甘々に偏っているというイメージが付いてきたかなという気がしています。
準備は整ったので、そろそろゾクリとする程の激鬱な作品を書いてみようかと思います。
嘘です。
書けない……っ! 甘いのしか書けない! 鬱とか書けない!ダーク路線とか書けない! カオスも書けない!
うわぁああん!
小悪魔へのお仕置きは、あのプルプルとした尻尾を無理やり手で掴み上げて、ゆっくりと舌を尻尾の先端から根元へと這わせていって……
うわぁああん! 書けない!

>>8様
そうですね、この小説の小悪魔はパチュリーの下半身の想いを霊夢に伝えていたのかもしれませんw
子宮で感じる恋……小悪魔は子宮?
いろいろと妄想が膨らんでまいりましたw

>>名無し魂様
この小悪魔は自分でもお気に入りです。
色々とまだ使い道がある気がします。
例えば、ピュアで良い娘だと思っためーりんが小悪魔を構ってやってると、小悪魔が本性を現してめーりんをフルネッチョとか。
同じ手法で、妹様も堕そうとした小悪魔が返り打ちに遭ってフルネッチョとか。
霊夢さんはやる時はヤル娘さんだと確信しておりますw
小悪魔の小説が官能的だったのは、きっとパチュリーに見つからない様にえっちな小説を読んでいるからではないでしょうか
『こ、こぁぁ……お尻の穴でそんなこと……えっちです!』とか言いながらw
もう一話分気付かなければ、霊夢さんが小悪魔の作った薬(霊夢はパチュリーが作った薬と誤解)でガッチガチのお○ん○んを生やして、パチュリーを孕ませていたかとw
……そっちで書けば良かったかな……(*´Д`)

>>紅魔の雑用様
パチュリーの幸せは、小悪魔の幸せなのです。きっと、好意の方向が小悪魔に向いたら、それに気付いた小悪魔は本性を現しますよ?
そうなったら、色々と絞り取られてしまいます。彼女は『小悪魔』ですからねw
私は激しいネチョでしか抜けないという変態なので、いつもネチョが激しくなってしまいます。
綺麗なネチョも書きたいですが、どうしても自分が書くと泥臭くなってしまうw
いやぁ、字数を減らせればそれに越した事はないんですけどねぇ……その分ネチョが増やせるしw
導入の部分で余計な文量を割かずに、ネチョをもっと濃くしていきたいです。

>>11様
拙作が貴方様の心の琴線に触れたのであれば、それは無上の喜びです。
これからも震撼して頂けるような作品作りをしていきたいとおもいます。
お読み頂きありがとうございました。

>>その辺のチンカス様
あざっす!!
俺も貴方が好きです……///
ところで、このハンドルは私が某カオスの師匠に正式に弟子入りしたら名乗ろうとしていたペンネームじゃないですか……先越された! ちくしょう!
WBCは会社のデスクにてワンセグで見てました。この日ばかりは、偉い人までがワンセグに心奪われていましたw
あの日、日本中で何回『今、何体何? どっちが勝ってる?』って会話が交わされたんでしょうか。
イチローが打った瞬間に思わず立ち上がった社員は、私を含めてダメ社員確定ですw

>>13様
お褒め頂きありがとうございます。
私が書き続けていられるのも、貴方様のような読者の方々に暖かい応援を頂いているお陰です。
また皆様に喜んで頂けるような作品を書けるように頑張っていきたいと思います。

>>14様
次の日、小悪魔は乾き切った笑みを浮かべ、『もう、お嫁にいけません』と呟いたそうな。
お読み頂きありがとうございました。次も良作と言って頂ける様な作品を書けるように頑張りますです。

>>15様
小悪魔を気に入って下さった皆さんが多くて、嬉しい限りです。
言われてみると、霊夢さんがかなり強引で漢らしいですねw
パチェさんは惚れ直したと思います。このssでのパチェさんはちょっとMっ気があるのでw

>>16様
ストーリーを重視すればネチョの分量が減り、ネチョを重視すればストーリーがお座成りになる……筆力が無い私は、ままならないですねぇ。
ちょっとネチョまで長すぎるというのはあったと思います。これからはその辺りを改善できたらなぁと考えてます。
ただ、皆様の貴重なお時間を拙作が頂く以上は、ストーリー性を感じて頂き、面白いなぁと思って頂けるよう工夫していきたいです。
お読み頂きありがとうございました。また、次の作品でも楽しんで頂けるようなストーリー作りを目指していきますので、お気が進みましたらお読み頂けると嬉しいです。

>>17様
貴方様の出身もしくは所属する学部はちんかめに特定されましたw
我妻先生は、内田先生や潮見先生、山野目先生などの多くの後進の方々に民法への熱い想いを託されたでしょう。
実際のところ我妻先生の数々の名著は、未だ実務家のバイブルでありまだまだ幻想入りなど遠いですがw

>>18様
すいません。やっぱり長いですよねw
自分でも、書き上げてから「ながっ!」って呟いてしまいましたw

吸血鬼って言葉が、何となく本読み少女のお話しに合わない単語のような気がして、夜魔という言葉を使いました。
夜魔の方が概念が広い言葉なので、貴方様は感覚的に文理をしっかりと解釈して下さっているんだと思います。
単に作者の書き方が下手くそなだけですので、貴方様が⑨な訳ではないです。
お読み頂き、ありがとうございました。また拙作にお付き合い頂ければ光栄です。
ちんかめ
tanzbear1192@yahoo.co.jp
コメント




1.ナナシン削除
>霊夢さん浮気しまくり。紫様、お許し下さい。
紫「コテコテで甘甘なゆかれいむを書きなさい。それで許してあげましょう」

霊夢×パチュリーとは珍しい。でもお互い好きになってく過程や理由がとても自然で、違和感無く受け入れられました。
この二人、もしかしたらかなりお似合いなんじゃないかしら。
あと暗躍する小悪魔が可愛くてたまらない。彼女はパチュリーの半身?のような存在っぽいので、感情豊かな姿はパチュリーの隠れた素顔なのかもしれませんね。霊夢・パチュリー・小悪魔の3P…じゃないかった三角関係?も面白そうかも。

素敵なお話有難うございました。次も期待してます。
2.『巫女は舞う』の>>7削除
( 罪)<あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
『作者はちんかめさん+タイトルから眼鏡ゆかりんの話かと思ったら霊パチュだった』
ゆかれいむだとかこあパチュだとかじゃ断じてねぇ・・・!
もっと別次元のものを味わったぜ・・・!!
しかし、互いを思い合っていく所やエロシーンの描写は流石。この話に限っては霊パチュで納得してしまいましたよ・・・。
次のお話に期待しつつ・・・
  ゆ か れ い む は 俺 の 楽 園
3.七品のサー削除
あとがきのこぁに吹いたwww
あとがきの最後の辺りの
「こぉおおおおおあぁあああああああくぅううううううまぁあああああああああああ!」
ってパチュリーか?ワロタwwwwwwwwww

とってもGJでした!!次回作も期待!
4.名前が無い程度の能力削除
珍しい組み合わせだが面白かったです
展開やオチが読めたけど、それもベタで良しw
なんか二人とも自分の世界持ってるから、ベタベタやるよりはくっついたまま静かに読書とかナチュラルな甘々具合が似合いそうww
それにしても相変わらず霊夢モテモテですね
パチェは霊夢がモテてること知ってるのかな?
嫉妬するパチェとか想像するとすごく萌えるwww

次回作も楽しみだが、霊夢総受けがジャスティスの俺はこんなマイナーカップリングの作品もどんどん書いてほしいとか思ってる
5.魚沼丘陵4削除
自分の想いを物語にして託すという手法は恋愛小説のようなじれったさ。
それを布石にして官能小説にまで展開させる技法は超一流である。

個人的には、小悪魔の一人称が「小悪魔」なことが小悪魔っぽくてGJ!

実際に司書になるには大学か専門学校で司書課程の単位を取らないといけない。
冒頭で小悪魔が霊夢に本を紹介していたが、あれを「レファレンス」と言う。まさに霊パチェへの恋のレファレンス……
6.noname削除
色々感想があるけど上の方で全部言われちゃったんでとりあえず一言だけ……
最高に面白かったです!
7.その辺の妖怪削除
なんという霊パチュ。
糖分の高さにノックアウトしそうです^p^
さて、この後お仕置きされる小悪魔フルネッチョが楽しみですね。( ^ω^)
8.名前が無い程度の能力削除
最高さ~
そして小悪魔はパチュリーの下半身である
9.名無し魂削除
こぁぁあああああああああああ!

霊夢にもパチュリーにも萌えるけどここではこぁ一押しで。
この小悪魔天才でかわいい。主パチュリーを霊夢とくっつけるためにこうも策を巡らせるとは。
そしてこぁぁぁと鳴いたり、えっちです!とか言っちゃうあたり可愛い。
霊夢は鈍くないよ、むしろ恥ずかしがらずちゃんと行動に出てくれただけで十分。
あそこまで官能的にさせたのだからすごい。

こぁが作者だということにもう1話分ぐらい気付かなかったバージョンも読みたいです…
10.紅魔の雑用削除
こぁ健気なのに可愛そう・・・とか思う自分はおかしいですかね?
細かな心理描写がしっかりかけていて、しかも後々糖分が高くて、とってもいいおはなしでした。
ちんかめさんのネチョは激しいのが多いですよね・・・・・・・・・参考にさせていただきました。

緻密に、しっかり心の描写を書いたら二万三万文字は当たり前に通過してしまいます。
それを如何に縮めるかなんて考えたら負けですよね!(死

ありがとうございました。次回も糖分を期待しています。
11.名前が無い程度の能力削除
心が良い意味で震撼した...!
12.その辺のチンカス削除
「また罵ってやるか・・・」 俺は思った。
ところがどっこい 嫌いじゃありません‥! 好きです‥‥‥! ちんかめが好き‥!
ビクン ビクンッ ビクンッ  ――――――きっと、これは恋

イイハナシダナー。最後まで美味しく読了出来ちゃって。ほぼイきかけました。本当に ごちそうさまでした。
13.名前が無い程度の能力削除
ちょwwwこれ良すぎw
14.名前が無い程度の能力削除
まずはこぁ合掌www
そして良作をありがとう
15.名前が無い程度の能力削除
小悪魔が素敵すぎる!
そして、パチェ視点で考えると、霊夢が凄く漢らしいw
16.名前が無い程度の能力削除
すごい破壊力…
ちんかめさんの書く話はストーリー性があって素晴らしい
17.名前が無い程度の能力削除
我妻先生が幻想入り…だと…
18.名前が無い程度の能力削除
おおぅ、これは素晴らしい。
ちょっと長いからって理由だけで敬遠してた過去の自分を殴ってやりたい。

あと、夜魔がおぜうさまだったことに後書きまで気付かなかった俺バカス。
19.名前が無い程度の能力削除
途中まで夜魔=小悪魔かと思っていたら俺ガイル
小悪魔は良い声で啼きますのぅ