真・東方夜伽話

お返しは三倍で

2009/02/14 00:00:11
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お返しは三倍で

2面ボス愛好家
バレンタインは幻想入りしたんだよ。
今日は2月14日、それ以上でもそれ以下でもない。









「う~、寒いぜ」
雪の舞う夜、霧雨魔理沙は手袋もつけずに夜の闇を切り裂いていた。
通常魔術道具は手から直接的に魔力を流し発動させるものがほとんどである。
手袋をつければその回路は不安定になり、暴走したり力を失ったりと好ましくないのである。
さて、この悴んだ手を癒すにはどこが一番いいだろうか。
神社は……温かいお茶くらいなら出してくれるかもしれない。だがそれだけで終わりそうだ。
紅魔館ならどうだろうか……パチュリーあたりに本を持って来たらお茶を出すわ、とでも小言を言われそうだ。
「となると、やっぱりあそこしかないのかな……」
箒の先を森に住むもう一人の魔法使いの元へと向ける。
「多分大丈夫だよな……多分」
コンコンと木製のドアをたたく。
「アリスー、いるかー」
「いるわよ、ちょっと待ってなさい」
カチャリという音とともにドアが開けられる。
「遅いぜ、まったく……」
身をすくめ奥歯をかちかちと鳴らしながら虚勢を張る。
「もう! そんなに体を冷やしてどうするのよ! 風邪引いても知らないんだからね!」
悴んだ手が柔らかな手に包まれる。
「ほら、手だってこんなに冷たくして」
「ア、アリス?」
きょとんとして魔理沙の顔を見ると茹蛸のように真っ赤にしている。
視線を落とすと無意識に自分の手が彼女の手をしっかりと捕らえている。
自分がしていることを理解した瞬間、アリスの顔が朱に染まる。
「ほ、ほら、せ、せっかくなんだからゆっくりしていきなさいよ」
「お、おお、お邪魔するぜ」

ギクシャクとしながら二人は家の中へと消えていった……



「……妬ましいわ……!」



ギリギリと爪を噛みながら視線だけで人を殺すことのできそうな勢いで木の陰から見つめる妖怪が一人。
「橋姫」水橋パルスィである。
彼女はとにかく幸せそうな姿やイチャイチャする姿が許せないのである。
とくに今日は2月14日。
外界では女性が男性に思いを伝える日らしいが幻想郷においてはたんに好きな人に好きだという思いを伝える日らしい。
現にアリスの家でもなぜか寝室にのみ弱い明かりが点り、カーテンには二人の姿のみが映っている。
どこからかハンカチを取り出し、千切れんばかりにかみ締め引っ張りあげ、パルスィは走り去った。



いつまで走っていたのか、パルスィは湖のそばに来ていた。
湖の向こうに大きな館が聳え立っている。
「たしかあの館には仲が悪いとか言う姉妹がいたはずよね」
そこなら多少害された気分もよくなるだろうと、わずかな期待を込める。
門の前に来たにもかかわらず人っ子一人いない。
「うふふ、これは館で何かあったと見るべきかしら、本気の姉妹喧嘩とか」
もしそうなら火に油を注いでやろうと心に決め、門をくぐる。
「あれはたしか……妹のほうと門番かしら」
館にそっと忍び込むと何か話しているのがわかる。物陰に隠れるととがった耳で聞き耳を立て、話の中身を探る。
「それでね、お姉さまを……たいの……」
「ううっ、妹様、そんなにお姉さまのことが……ですね」
「これは面白そうな展開ね、うふふ、じっくり楽しませてもらおうかしら」
翡翠色の目がキラリと光る。これから始まる嫉妬の愛憎劇に心躍らせ身を隠しながらついていく。
「なぜ台所なのかしら」
二人が向かった先は台所、さすがに扉を開け中の様子を伺うのは気づかれる恐れがある。
一刻ほど魔法の森の二人に向け五寸釘を打っていると、扉を開けて二人が出てきた。
目を凝らしてフランドールが手に持つものがリボンを巻いた小包であることを確認する。
「きっと爆弾ね、あれで姉を爆殺するつもりなのね、台所なのはきっとカモフラージュのためね」
他人に聞かせたらそれはないといわれるであろう妄想を抱き再び後をつける。
館の主、レミリア・スカーレットは玉座に腰掛け、ぼんやりと考え事をしていた。
思えば、日光を遮るために紅い霧を出してからもう結構な時間がたった。
吸血鬼にとってその期間はほんのわずかではあったが、一番長く一番充実した期間であった。
だがそれはレミリア、咲夜、パチュリーなど紅魔館の中でも一部のもののみがそれを享受できただけである。
愛しの妹はどうか。地下牢から外には出たものの、相変わらず館の外にはめったのことでは出ない、いや、出させていない。
もしかしたら妹に寂しい思いをさせているのではないか、私は姉として失格なんじゃないかと思い悩む。
「……様、……え様!」
はっと我に返り、目に映ったのは妹の姿。できる限りの平静を装い、相対する。
「あら、どうしたのかしら、フラン、何か用?」
よし、完璧だ。心の中でガッツポーズを決めた。
「お姉様、ガッツポーズなんかしてどうしたの?」
前言撤回、このままではカリスマ大暴落だ。
「そんなことはどうでもいいわ、それよりね」
もうだめだ、どうでもいいとまで言われてしまった、どう死のうか、明朝、日光にでもあたろうか、心臓に杭でも刺してもらおうか。
「お姉様! 聞いてるの?! 渡したいものがあるんだから受け取ってよね!」
もはや何も聞こえないレミリアの手に箱を握らせる。
その感触にやっと意識を取り戻し、丁寧に包装された包みを開けていく。
中にはいびつな形をしたクッキーが入っていた。
一つつまんでみる。味は悪く食感もひどい。はっきり言えば失敗作だ。
「あのね、美鈴に手伝ってもらったんだけど、うまくできなくて、ってお姉様?!」
あふれる涙をとめることもできずにレミリアはフランを抱きしめた。
「ごめんなさい、フラン、本当にごめんなさい」
悲痛な叫びが玉座に響き渡る。フランは抱きしめ返し、
「やだなあ、お姉様。私はお礼を言いに来たんだよ、いつもありがとう、大好きだよ、お姉様」



「きえええええぇぇぇぇぇぇっ!!」
再び藁人形を懐から取り出し、釘を打ち付ける。
期待が裏切られた分、彼女の憎しみはさらに増す。
「何なのよ! どこが! 仲が! 悪い! 姉妹だってのよ!」
憎しみを力いっぱいにぶつけ呪詛をはく。
あまりの騒ぎに館のメイドたちが出動してきたが、嫉妬の炎を最大限に燃やすパルスィの敵ではなく、
館から脱出することに成功した。



逃げ出した先は冬だというのにひまわりの咲き誇る畑だった。
「……先客がいるわね」
緑のショートヘアにかわいく飛び出た二本の触角、マントをなびかせ、一心不乱に蜜を吸う蟲の妖怪、リグル・ナイトバグだった。
「くすっ……本命が出てきたわね」
傘を広げ優雅にゆっくりと一歩ずつ彼女に近づいてくる、いかなるときも笑みを絶やさぬ妖怪、風見幽香、その人である。
彼女の接近に、蜜を吸うのに夢中な哀れな蟲は気づくことはない。
「そこで何をしているのかしら? 教えてくださるとうれしいのだけれど」
背中に冷や汗が流れる。逃げ出そうにも体は恐怖に支配され、指一本動かすこともできない。
食虫植物にとらわれた虫はこんな気持ちなのだろうか。
「ねえ、人と話すときは相手の目を見て話せと教わらなかったかしら、こっちを向 き な さ い」
語尾にわずかに怒気を孕ませただけで遠くはなれたパルスィにまで殺気が迫ってくる。
ガタガタと震え涙目になりながら、ゆっくりと振り返る。涙で女っぽくない凛々しいといったほうがいい顔はぐしゃぐしゃになり、
幽香の嗜虐心をよりそそる。
「さて、ここで何をしていたのかしら?」
「花の蜜を吸ってました、冬はここでしか吸えないから、その……ときどき……」
「ときどきってことは前科ありってことね?」
顔が真っ青になり、冬にもかかわらず汗がだらだらと流れ出る。
「まあねえ、吸いたいって言うなら吸わせてあげないこともないのだけれど」
一呼吸置き、目をギラリと光らせる。
「お代は払ってもらわないとねえ」
「ひええええ」
「ねえ、食虫植物に捕まった虫はいったいどうなるのかしら?」
突然の質問に目を白黒させながら言わんとしていることを必死に考える。
「た、食べられる?」
「正解」
肩をがっしりと掴まれ、押し倒されるリグル。幽香は馬乗りになり凶悪な笑みを浮かべ、
「私が満足するまで付き合ってもらうわよ」
殴られる――目をつぶったリグルの唇に何かやわらかいものが触れた。
わけもわからずなすがままにされる。
つっと、銀の糸が二人にかかる。
「うふふ、よく見ればかわいい顔してるじゃない」
「え、え、え?」
ずいっと顔を近づけ、
「ねえ、前から気になってたんだけど、あのうわさは本当なのかしら?」
「な、何のこと?」
「それはね……こっちの話よ」
幽香の手がリグルの股間に伸びる、ズボン越しでも女性にはないはずの何かが感じ取れる。
「ふ~ん、やっぱりそうだったのね……」
「ううう、恥ずかしいよお……」
再び涙を目に溜め始める。そんな様子がかわいらしくて、たまらなくて、
「泣かないの、せっかく持ってるもの使わないと損じゃない」
ズボンが力任せに引きちぎられる。だがリグルのそれは恐怖で縮みこまっていた。
「ふふ、すぐによくしてあげるわ」
艶かしく舌なめずりする。いつもの様子とはうってかわって娼婦のような美しさを持っていた。
先ほどの力任せな行動とは違い、やさしく包み込む。
「あっ、あうっ」
「敏感ねえ、こうするとどうなるのかしら」
小指と爪で裏筋をやさしくなぞる。痛みとくすぐったさの狭間をゆらゆらと漂わせる。
強い刺激には耐えられても、やさしい刺激に耐えるのは難しい。リグルのそれはみるみる大きくなっていった。
「立派なもの持ってるじゃない、恥ずかしがることないわよ?」
「ボクは女だー!」
「そんなことはどうでもいいじゃない、今この刹那を楽しみましょう?」
十分に硬くなったのを確認すると、リズミカルにスピードをつけてこすり始める。
「あっ、ふあっ、くあっ」
「もう、そんなに感じちゃって。ここがそんなにいいのかしら?」
「だ、だめぇ、おかしくなっちゃうう、何か来ちゃうう」
その言葉にピタリと手の動きを止める。
「え……?」
ニヤリと笑みを浮かべながら、幽香は問いかける。
「駄目なんじゃなかったの? それとももっとしてほしい?」
逡巡した後、コクリとうなずく。このまま生殺しにされたくはなかった。気持ちよくなることに
抵抗心が薄れていく、たとえそれが自分の不自然な感覚であっても。
「ふふっ、素直でいい子ね」
自らのスカートの中に手を入れごそごそと何かをいじり始める。
「えっ、えっ、えっ?」
幽香はクスリと微笑みながら自らの腰をリグルの腰に近づけ、一気に腰を落した。
「ひゃああああっ??!!」
幽香はうっとりと目を細めながら淫らに問いかける。
「ねえ、想像してみて? あなたのおちんちん、この中に入ってるのよ?」
スカートに隠され見えないところを指差す。
「あ……大きくなってきたわよ、すごいじゃないまだ大きくなるなんて……」
リグルは未知の感覚に身悶える。締め付けられているのにやさしく愛撫され、腰の震えが止まらない。
目をつぶり歯を食いしばり、必死に耐える。だが圧倒的な快感の前に蹂躙され、もろくも防波堤は崩れ去りそうになる。
「ああ……いいわあ……その表情。必死に我慢して我慢して、一生懸命な姿。そんな子が押し潰されちゃったときの表情がまた素敵なの」
「や、やめて、許して……」
リグルは懇願したが、
「だ あ め」
「あ、あ、んああああああっっっ!!!」
決壊した白濁の奔流が幽香の中に流れ込み満たしていく。
脈打ち、ポンプのようにくみ上げられ、吐き出される熱い迸り。
「あ、あ、あ……」
恐怖に声が出ない。よりにもよって、あの大妖怪、風見幽香に不可抗力とはいえ、中にぶちまけてしまったのだから。
なおも笑みを崩さずにいる彼女が途方もなく恐ろしい。だが動けない、動かすことができない。
「うふふ、この私に思いっきりぶちまけたのはあなたが初めてよ、リグル」
終わった。何もかも。絶望に心が押し潰される。ボクはここで死ぬんだなと数々の思い出が走馬灯のように蘇る。
「……気に入ったわ! もう1ラウンド、いいえ、あと9ラウンドくらいはしましょう! 手で、足で、口で、胸で、私のあらゆるところを使って
 あなたを躾けてあげる。さあ覚悟しなさい!」
「あっ、だめっ、ひあっ、ふぁん……」
嬌声が響く。一度火のついた彼女の欲は収まることを知らず、まんざらでもない甘い声がいつまでも続いた……



「ぶるあああああああああああっっっっっ!!!!! イチャイチャなんぞしてるんじゃねえええええええええ!!!!!」
藁人形にひまわりの葉を埋め込み、何度も釘を打ちつける。
またも見せ付けられた(見せ付けられたわけではないが)彼女の悲しみ、憎しみは計り知れない。
またも彼女は敗走せざるを得なかった。



「はあ……はあ……はあ……もういいわ、帰ろう」
トボトボと地底への穴へと戻ろうとするパルスィ。もはや満心創痍である。
だが神社でも彼女へとさらなる追い討ちがかけられる。



「ふう……お茶がおいしいわねえ」
「お褒めに預かり光栄です」
霊夢は縁側に腰掛けお茶をすする、そばには白玉楼の庭師、魂魄妖夢がいた。
「まあ、まだまだ甘いけどね」
「ええっ?!」
「確かに美味しいには美味しいけどね、私の舌を満足させるのは甘いわよ」
「ど、どこがいけなかったんですか、温度も蒸らしも今迄で一番だったんですよ?!」
「そうねえ、その点においては文句はないわ」
「じゃあどうして」
「この寒い縁側でどんなお茶が飲みたいか考えることね、少なくとも美味しいお茶より温まるお茶のほうがいいわ」
「むう、精進します」
「まあもういっぱいくらいは飲んでもいいかしら、入れてきて頂戴」
妖夢はスッとたち、台所へと向かうと、霊夢はふうっと、ため息をついた。
「いくら美味しいお茶が入れられるようになりたいからっていつまでいるつもりなのかしらねえ、お茶菓子がほしくなるわよ」
横に目をやると妖夢の半霊が目に入る。
ぐっとつかんで引き寄せると、再びため息をつく。
「いくらなんでも食べられないわよねえ」
妖夢が来るまでの暇つぶしにと霊魂をいじり始めた。
「ひゃうっ?!」
妖夢に電気が走る。膝が笑い、立っているのがやっとという感じだ。
「か……は……」
息が詰まる。神経を直接責められているような感覚に息もできない。
「妖夢遅いわねえ」
さらにぐりぐりと半霊をいじくり倒す。それが妖夢を責めることになるのを知らずに。
ぺたんと座り込み、体を抱え必死にうちから来る衝動を抑え込もうとする。
「んんっ……!!」
背中に冷や汗が流れる。目元は潤み、頬は熱っぽく、吐息が艶かしさを帯びる。
「あっ……だめっ……」
股間に震えが来る。必死に立ち上がろうとするが力が入らず――
「あ、ああ、あああ……」
チョロチョロと廊下にしみができる。
「うわぁぁぁぁぁぁん」
突然の泣き声に半霊を投げ出し急いで妖夢の元へと駆け寄る。
「妖夢! どうしたの?!」
「れ、霊夢。うう、ごめんなさいぃぃ」
泣きついて霊夢にすがる妖夢。目からは大粒の涙をこぼしながら。
「急に体がおかしくなって、我慢できなくて、そのまま、えうっ、ごめんなさいぃぃ」
「いいのよ、妖夢が大丈夫なら私はいいから」
やさしく母親のように包み込む霊夢。そっと額に口付けを交わす。
「あ……」
「おまじないよ。妖夢が泣かなくてすむように。ほら、泣かなくなった」
にっこりと微笑む。その姿はまるで太陽のように明るく、聖母のようにやさしくて。
「ねえ、何か思い当たる節はないの? まさか、病気じゃないでしょうね、永遠亭にいかないと」
「わからない、でも急にアソコのあたりがむずむずして、そのまま」
霊夢にあることが思い浮かぶ。目を横にやればさっきまでいじっていた半霊が浮かんでいる。
さっきいじっていたのはたしか尻尾の辺り。まさかとは思いつつもう一度半霊に手を伸ばす。
つっ、と尻尾の辺りをなぞる。その瞬間、
「んあっ! ま、またおかしく……」
繋がってるのかーとどこぞの宵闇の妖怪が一瞬通り過ぎたが、すぐに正常な思考に戻る。
本人は気づいてないようだし何かで使えるだろうと心にそっと留める。
「まあでも、お仕置きは必要かしらね」
「は、はい……」
もじもじとする妖夢。何かを期待したように顔を赤らめて、奥の部屋につれられ、襖がスーッと閉められた。



涙が一筋流れる。
なぜ、なぜ私には一緒にいてくれる人がいないのか。
もはや妬ましさも消え失せ、あるのは喪失感のみだった。
まるで世界から私だけ一人取り残されたような。
右を見ても左を見ても誰かと誰かがつながっている、でも私には誰もいない。
そしてきっと誰も私のことなんか見てくれない。
ひざを抱え、戻ってきた橋の上で独りうずくまる。
そんな彼女に近づく影があった。
「強い思いを縫い付けられた人形をたどってきたのだけれど、あなたはどちら様?」
髪の毛を前で結び、ゴシック調の変わった洋服、文字とも渦巻きとも取れるマークのついたスカートをはいた
人間でも妖怪でもない神とよばれる存在。鍵山雛、八百万の神の一柱である。
「私の名前を聞いたところでどうしようというのかしら」
「そうですね、名前を尋ねるときは私が名乗るのが筋ですよね、初めまして、私は鍵山雛。妖怪の山にすむ厄神です」
「別に名前なんか聞きたいわけじゃないわ、さっさと帰ったらどうなのよ」
ぷいとそっぽを向いて取り付く島を与えようとしない。
「それとも名無しの妖怪さんかしら、私が名前を付けてあげましょうか、ぱるぱるとか」
「……水橋パルスィよ、変な名前で呼ばないでくれる」
「パルスィ、ですね。それであなたはどうしてそんなに傷ついているのかしら」
「はじめてあった妖怪にどうして傷ついているなんてわかるのかしら、お笑い種だわ」
「この人形たちの思いをたどってきたのですよ」
懐からいくつかの藁人形が出される。
「この人形たちが教えてくれました。最初は憎しみが勝っていたのに、だんだん哀しみが混ざっていること。助けを求めていることをね」
ずばずばと内心に切り込んでくる、間髪いれずに、次の矢が放たれる。
「もしそうなら、私がそばにいてあげます。違うなら私は帰ります」
心が揺れる。手をとるべきかとらざるべきか。
「――」
言おうとした瞬間、後ろから抱きすくめられる。
「言わなくてもいいですよ、あなたはきっと意地っ張りだからいなくてもいいなんて言うんでしょうね。
 だから私からお願いします。今日くらい一緒にいさせてください」
藁にもすがる気持ちでパルスィは雛の腕をつかむ。
「きっと私たちは似たもの同士なんです。私は厄神というだけで人間に忌避されています。本当は人間も妖怪も分け隔てなく好きなんですが、
 厄という言葉から人間は私のことを好まないんですよ、本当はこんなにも愛しているのに」
同情がパルスィの心の中に生まれる。こんな気持ち果たして何百年ぶりの気持ちだろうか。
「あなたもきっと他人を愛したいって思っているはずです。私たちはだから似たもの同士なんです。私の言っていること違いますか?」
涙が留処なく流れてくる。生まれてこの方、まだあってすぐなのに、こんなに理解してくれる人はいなかった。
「似たもの同士、慰めあいませんか?」
前に回り、手をとりじっと見詰め合う。
そして、どちらからともなく二人の唇が重なった。
雛の舌がパルスィの口内に割り込み、歯の裏側を蹂躙する。
慣れない感触に戸惑いを隠せず、追い出そうと奮闘する。
舌と舌が触れ合い、お互いの唾液が塗りたくられる。
いつの間にか追い出すはずだった舌の動きが相手を求める動きへと変わる。
誰もいない橋の上で二人のいやらしい音だけが響く。
そっと口を離すとパルスィが一瞬だけ名残惜しそうな表情を見せたのを雛は見逃さなかった。
「な、なにするのよ!」
「ずいぶんその気になってたのにお嫌でしたか?」
「そ、そんなことは……ないけど……」
押し黙ってしまうパルスィに再び顔を近づける。
「じゃあもう一度します? それとももっと激しいのがお好みですか?」
スカーフに手をかけ、しゅるりと解くと、腰帯にも手をかけ、解こうとする。
「なに考えてるのよ! 脱がせようとして!」
「鬱屈した気分を晴らすには運動が一番だと思いまして」
「なに言ってるのかわけ分からないわ……」
額に手を当て頭を抱える。
「まあ、無理にでも脱がしますけど」
えっ、と思う間もなく、クルリと回転すると空気にひずみができ、スパッと服が切り裂かれていく。
服のみを切り裂き、肌には傷一つつけずに。
「きゃああああっ??!!」
両手で胸を隠す。控えめではあるが形のよい胸が隙間からもわかる。
「きれいな体じゃないですか、女同士気にすることないでしょう?」
雛は自らの服の紐を解くとパサリと服が落ちる。
パルスィに比べ大きな曲線を描くその体はより魅惑的で重力に負けない張りをしっかりと持っていた。
「ねたましいわね、そんな体で。見せ付けてるつもり?」
「触ってみますか?」
ニッコリと微笑み胸を突き出してくる。それに手を伸ばし力いっぱいつかんでみる。
手からこぼれそうなそれは弾力があり手を押し返してくる。
「うらやましいわ、そんな体で」
雛も相手の胸に手を伸ばす。
「もめば大きくなりますよ?」
胸の形に添って指をなぞらせながら手のひらを乳首に押し付けすりつぶす。
「ふぅん、くぅん……」
「結構いやらしい体してるんですね? エッチなこと一人ですること多いんですか? こんな風におっぱいいじるんですか?」
ぷいとそっぽを向き視線をそらし、赤くなった顔をあわせないように目をつぶる。
「うふふ、そういう子嫌いじゃないですよ」
気をよくし、さらに指を周囲から中心になぞる。が、中心の一歩手前で動きを止める。
とめられた瞬間に見せた切なげな瞳を雛が見逃すはずもなく、
「やっぱりいじってほしいんですね? 心配しなくても満足させてあげますからね」
指でとがった先をもてあそぶ。やさしく触れるか触れないかの柔らかさで撫で回し、ときに強く弾くようにいじり倒す。
頬は赤みを帯び、目には涙が浮かぶ。声を出したくなくても体は反応し甘い喘ぎをあげてしまう。
「いい声で鳴くんですね、もっと聞かせてください」
力の入らない体をやさしく押し倒すと中指を相手の割れ目に当てる。
「あら? もうこんなにして、おっぱいでそんなに感じたの?」
触っただけでも汗とは違う液体で濡れ、わずかに粘り気のあるそれは指先とつながり、ゆっくりと切れる。
中に差し込めばクチュリと最初に音を立て、かき回せばグジュグジュと音を立てる。
「や、やめてぇ、おかしくなっちゃうぅ」
「ここがそんなにいいんですか? 自分を解放したほうがもっとよくなれますよ?」
引っ掻き回しながらも指の腹はクリに押し当て、細かく振動させ相手を昂ぶらせていく。
「んあっ、だめぇ、もうぅ!」
ぷしゃああっという音とともに背中を強くのけぞらせる。割れ目から吹き出た液体が雛の手を汚していく。
手を口の前に持っていくと舌先でぺろりと見せ付けるようになめ、
「えっちなお汁、おいしいですよ」
と耳元でささやく。
「でもまだまだ私のほうは満足してないんです。今度は一緒によくなりましょう?」
まだ肩で息をするパルスィの片足をつかむと持ち上げ、自らの股間を相手に押し付ける。
いわゆる松葉崩しの体制である。
「ほら、下のお口とお口がキスしてるみたいで卑猥じゃないですか? それに上が塞がれてるわけじゃないですから
 パルスィのかわいい声が聞けますしね、もっと聞かせてくださいね?」
できる限り密着させ、こすりあい、一体となって溶け合う。
「クリ、しびれてっ、いいっ! 壊れちゃうよぉ!」
「やっと素直になりましたね、いいですよ、一緒に壊れちゃいましょう?」
豆と豆とがぶつかり合い、脊髄に断続的な痺れが走る。心臓は破裂せんばかりに激しく動き、息が止まりそうになる。
でも気持ちいい、やめられない、やめたくない。
「ふぁぁぁぁぁぁん!」
「あぁぁぁぁぁぁぁ!」
糸が切れた操り人形のように、雛はパルスィの横に倒れこみ、パルスィも意識を手放した。



「お目覚めかしら」
パルスィが目を開けると雛が覗き込んでいるのが目に入る。頭は柔らかいものの上に乗せられ、再び眠ってしまいそうに心地よい。
「なんだかすごく疲れたわ」
「運動不足じゃないかしら」
「あんな運動普通はしないわよ、いたた……」
節々が痛む体をゆっくりと起こす。いつの間にか衣類を着せられ、元通りの姿になっていた。
「それで、少しは気が晴れたかしら」
「いいえ」
返ってきた答えに雛は意外そうな顔をする。
「お気に召さなかったかしら、残念だわ。あなたの妬みは取ってあげられなかったのね」
「ええ、妬ましいわ」
一呼吸おいて、言葉を継ぐ。
「妬ましいわ、こんなに気持ちのいいことを覚えさせてくれて、本当に妬ましいわ、どうして今まで知らなかったのかしら、ああ妬ましい」
「ふふっ、これから取り戻せばいいじゃないですか」
「そうね、今あなたが一番妬ましいわ。覚えておきなさい、橋姫の嫉妬は絶対にあなたに返ってくるわ、絶対に許さないんだから」
「こわいこわい、私は退散することにしましょうか」
「橋姫の妬みはどこまで逃げてもあなたを追いかける。必ずあなたにお返ししてあげるから首を洗って待っていなさい」
「いつでもお待ちいたしますわ」



くるくると回転しながら遠ざかる厄神の姿を見送りながら橋姫は思う。
今ならほんの少しだけ他人に対して寛容になれそうだと。
そして、必ずあの厄神にどうお返しするか、少しだけ楽しみが増えた。
必ず、必ずお返しに行こうと。
パルスィは人にかまってほしくて仕方ない。
人に愛してほしいキャラだと信じてます。

みんなパルスィをもっと愛でるんだ。
2面ボス愛好家
コメント




1.名前が無い程度の能力削除
エロがないカプタグに入れんな
検索でがっかりするからやめれ
2.名前が無い程度の能力削除
雛パル! 雛パル! 丁寧語攻め!
ホンマ雛パルはネチョの永久機関やでぇ……
3.名無し魂削除
霊みょんについて詳しく…というのはおいといて。
エッチでやさしいお姉さんな雛がすごく良かったよ…。

パルスィは構ってほしい子に非常に同意したい。可愛い。