真・東方夜伽話

塵も積もれば…

2007/09/19 11:51:44
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塵も積もれば…

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「迷いの森に住む兎に出会うと、迷うことなく里に帰れる。」という噂が、いつしか
「賽銭箱を持った白い兎にお賽銭をあげると幸せになれる。」という噂に変わり始め、
いつしかその噂の真偽を多くの人が知り、肯定しはじめたのはいつのことだったろうか。

人里にその兎がたびたび現れるようになってから、人々の顔には笑顔が絶えなくなった。
水虫が治った、好きな人と結ばれた、箪笥の角に小指をぶつけなくなった…幸せの大小はあれど、人里に降りてきては幸せを振りまき、一部にとっては目の保養にもなる彼女の存在を、最近はありがたい神様とまで思う人々も出始めた。
里の人々が彼女に寄せる思いは、やがて大きなうねりとなり、人々を動かす原動力となった。
その力は、まるで神社でも作るんじゃないかと言わんばかりである。

妖怪と比べ、人間が持つ力はとても小さい。しかし、小さい力が集まれば、妖怪では太刀打ちのできない
ほど大きいものにもなりえるのだ。ちりも積もればなんとやらである。


「ちりも積もればるんららら~。んふふー♪ 今回はいつにも増して大漁だったわー!」
…得意そうなその彼女は、人々のお(お)も(か)い(ね)がたっぷりとこめられた賽銭箱をやや重そうに、
しかしとても嬉しそうに両手で抱えながら、永遠亭への帰路に着いていた。
「薬売りの手伝いで人里に初めて行ったときはまさかここまでいくとは思わなかったわ。人間って案外
ちょろいものね。最近は幸せをあげなくても寄付してくれるし♪」
しかし、顔に浮かべる満面の笑みと黒い本音とは裏原に、少々不安なこともあった。それは、時折
永遠亭を訪れ、お師匠様から頭痛薬と胡蝶夢丸ナイトメアを買っていく地獄の裁判長が残した言葉である。

「人間と妖怪とは、適切な距離を設けなければバランスを崩し、幻想郷自体に影響を与える」
これを鈴仙あたりは忠実に守っているのか、薬を売りに里に下りても、里の人々と行う会話は
最小限のものにとどめてているようだ。
「けど、こんなに大事な収入源をそう簡単に手放すわけにはいかないわよね。まぁ、幸せをあまり振りまかなければ
口うるさいゴニョゴニョには怒られないでしょ。ウソも方便ってことね♪」
嘘をつきすぎてもその人に目を付けられる気がするが、その時はその時。深くは考えないてゐであった。
なにせ伊達に長くは生きていない。

予想より遙かに大きい収入の前に、てゐの警戒心は少々鈍っていた。
とはいえ長く幻想郷を生きた兎にとって、このあたりの地形や、住み着く妖怪については知り尽くしていたし、
そういう妖怪よりも感覚は遙かに優れていたであろう。力比べや騙し合いなら尚更だ。
だから、なにもかもが普段通りであれば、この日も悠々と帰宅し、鈴仙やお師匠様に行いを窘められながらも
円満な一日として過ぎ去ったいただろう。



それはてゐの想定する存在ではなかった。
それはてゐの鈍った警戒心の及ばない相手だった。
それはてゐの本能が警鐘を鳴らすより速く、てゐの背後まで迫っていた。

(…?)
異変に気づいても時既に遅し
(えっ…)
言葉を出す間もなく
(わわわわわわわわわわわー!)
唐突に現れたそれに抱えられ
「ちょっ…きゃあああああああああああああああああっ!」
ようやくあげた叫び声も、誰かの耳に届く間もなく。
後に残るものは何もなかった。




(ん…)
てゐの視界に入ったのは鳥居…目を覚ましたそこは、何度か足を運んだ場所だった。
「はくらい神社…?」

「はくれい神社よ…起きたのね。神社の前で気を失ってたのよあんた。」
「ぁ…そうなんだ?ありがと…。」

「ほら。困った時には…ね」
寝ぼけ眼が漸く冴えはじめ、次に見たのは主であ

「う…うん…って霊夢どうしたの!?」
訂正。ギラギラと目を輝かせながた、ガリガリの主であった。
(な、なんだか腐った肉の臭いがしてきそうなんだけど!)
「それに私が持ってた箱は…?」
質問に応じることなく、霊夢は爛々とした瞳のまま話し始めた。
「最近お賽銭が無くてね~。宴会続きで食べ物も無いし。
そしたら話に聞くじゃない。どこかの困った兎が私のお賽銭を巻き上げてるって。
これって…異変よね?」

まずい…危険を察知したてゐは思わず後ずさる。
「…お賽銭が無いのはいつものことでしょ!私とは何の関係も無いわ…食べものなんて誰かにもらえるじゃ
「体を動かす余裕もないのよっ!」

スパーン

どこが…と突っ込む前に、てゐの右足は霊夢に払われて、体は倒されていた。
受身をとることもままならなかったが、幸い布団の上での事だったからか痛みはさして無い。

「お~っとぉ!人間代表霊夢さん一本!見事な大外刈りでしたね~」
どこからかそんな声がした気がするが、目の前のハンターにとっては、目の前の食事の方が大事らしく意に介さない。

即座に霊夢は、自分のげっそりとした両手両足で、てゐの体を押さえつけられた。
(ど…どこにそんな力があるのよッ)
突っ込みを入れるにも今更な万力のような力だ。てゐの些細な抵抗ではびくともしない。

「あ~ら…丁度良いところに美味しそうな兎が…鍋にする間も惜しいわねぇ。
 ほら、困った時には…お互い様よね?」
とても芝居が掛かった言い回し…しかし、今のてゐが感じるのは強烈な威圧感ばかりである。
てゐの恐怖が頂点まで上り詰め、抵抗する意思すら奪われたその時、
「!?…ん? んーっ、んむー!」
霊夢はてゐの唇をおもむろに塞ぎ、文字通り貪り始めたのだ。予想だにしない霊夢の行動に、
捕食者の頭には疑問符が溢れ出す。しかしその疑問の答えはすぐに訪れた。
「ん…はむっ…ちゅる…ちゅっ…」
「んー!んむ…んんーっ!」
霊夢の攻めは執拗だ。ねっとりと歯茎に舌を這わせ、突き、唾液を送り込んでいく。
その動作の一つ一つによって、てゐの限界まで高められた恐怖心はドロドロに溶かされていく。
だんだんと体の力が抜け、ついに舌が顔を覗かせた瞬間を霊夢は逃さなかった。
「ぢゅ…にゅるっ…あむ…にゅっ…ちゅるっ」
「んむぅ…にゅ…んむ…んちゅっ…」
僅かに開かれた歯の中ですっかり縮こまったていた、てゐの舌をさらに激しく責める。

最早てゐは抵抗することを忘れ、無意識にその舌を拙くながら求め始めていた。
いつの間にか自由になった手を霊夢の首に回し、さらなる快感を得ようとする。
「にゅる…はむ…ちゅ…むっ…あむ」
「ん…んむ…ん…んんんんんん!」
求め始めたら思うつぼと言わんばかりに勢いづいた霊夢の責めを前にして、
てゐの体がそう長く持つわけもなかった。
(なに…これ…?)
朦朧とした意識の中に漂うのは、結局のところ疑問符。


「ふふ…なかなかイイじゃない。」
「んぅ…えっ…!?」
てゐの意識がはっきりとするなり、目の前の変化に驚きを隠せなかった。「食べられている」
間には気づきもしなかったが、げっそりとして今にも腹から二つに割れそうだった霊夢の体は
見違えるように精気を取り戻し、つやつやとした輝きすら放ち始めているのだ。
「兎おいしいって本当なのね…けど、まだ足りないわ。それに、あんたもまんざらじゃなさそうだったし。」
「そんなこと無いわよ!速く私を帰して箱も返して!」
「嘘つき。」
言うやいなや、霊夢の両手はてゐの胸にあてがわれていた。
「んっ!ななななにをするの!」
服の上から乳首に指を這わせ始めると、鼻に掛かった声と必死の反論が返る。
「だーかーらーっ、私に嘘をついてもバレバレなのよ。こんなにここを勃たせておきながら…。」
ニヤニヤとした笑みを顔に貼り付け、僅かばかりのカーブを描く二つの膨らみをやさしく、しかし焦らすように愛撫する。」
「ん…ひぁ…んぅ…あっ…」
時々感じる乳首からの快感も、服の上だから尚更もどかしい。
しかし持ち前の強情さからか、「自分に素直に」なろうとしないてゐの、それでいて可愛い反応に、
霊夢のガマンはついに限界を迎えた。

「あーもーっ!こうなったらあんたの正直な体に何もかも聞くことにするわ!」
「んはぁ…ひっちょっと待って…ちょっ…やぁ…んあ!」
意識を取り戻して早々、てゐは再び性技の鉄槌を浴びることとなった。


「ん…ぁう…ひぁっ…ん…やっ」
左手の服の上から焦らすような動きはそのままに、霊夢は右手でてゐの着た服のリボンをほどき、
ゆっくりと袖からの侵入を始めた。
霊夢の手が、てゐの二の上に触れて少しひんやりとする…しかし、その手が通った所は少し熱を持ったように…
そして胸元に向かうにつれ、自分の鼓動が五月蠅いほどに激しくなっていくのをてゐは感じた。
先刻、霊夢の放った荒々しい言葉とは対照的なやさしくねっとりとした手つきに、てゐの心と体は少しずつ、しかし確実に弄ばれていった。


「あ、カメラさん見ましたか?あの人今入れましたよ。明らかに入れましたよ。手、入れましたよ!?」
再びどこからか声が…霊夢の後ろに、よく見ると黒い頭巾が覗いていた。
「あっんったっはっ……さっきからうううっさいのよ!」『宝具「陰陽鬼神玉」』

「や…あやややや…ンガッ!」

楽しみに邪魔を入れられ、とうとう逆鱗に触れた霊夢が創り出した陰陽玉は、神社をきれいに避け、出刃亀とそのカメラに致命傷をもたらした。
(やっぱり霊夢怖い…)

「ご、ごめんね?あんまり五月蠅かったからつい…。」
「い…いやいいけど;」
「お預けさせちゃったことも謝るわ。だから…今から一緒に気持ちよくなりましょ?」


霊夢の言葉は今のてゐにとって、これ以上魅力的な言葉は無いとすら感じられた。
「うん…でもやっぱりちょっと怖いから…優しくしてよね…?」

ボフッ

激しい羞恥心故に遠慮がちに紡がれたてゐの言葉に、霊夢の体はなにやら音を立てた後、一気に紅潮した。
顔から湯気が上がらんばかりの勢いに、言った本人すら気恥ずかしさを覚える始末である。

「あああああああもう可愛い!罪作りなウサギさんはこうしてやるんだからっ!」

霊夢の両手が素早く動いた瞬間、二人の着ていた服は宙を舞った。
それらがやがて、近くにあった籠へパサッという音を立ててに入った時には既に、
生まれたままの少女による、生まれたままの少女への愛撫が繰り広げられていた。

てゐの痛いほどに膨らんだ突起を霊夢が丁寧に舐る。
一方の膨らみを手でゆっくりと揉みしだきながら、また一方の乳首を赤くねっとりとした舌で刺激し、
時折頂部をかすめては吸い上げる。緩急を付けて行われる責めに、てゐはもう迷うことなく正直に反応した。
やがて霊夢の舌が胸を離れ、段々と下腹部に移り、今にも秘穴に迫ろうとしたその時、
それまで快楽に身を任せ続けていたてゐが突然かぶりを振った。

「さっきから霊夢ばっかりずるい…私も…その…ぇと…霊夢を気持ちよくさせたいから。」

…目の前に居るのは本当に詐欺兎なのか。
否、幸せをもたらす幸せウサギだ。

自分が正直になれと言ったことをすっかり忘れている霊夢はもういてもたっても居られなくなり
目の前の愛しいウサギを抱きしめて悶絶することしかできなかった。

「霊夢…」
霊夢の火照った体がとても心地よかった。だからこそ、抱きしめるだけじゃなくてもっと感じたかった。
二人はそのまま体勢を入れ替える。陰陽のマークを感じさせる姿勢。お互いの目の前にあるのは、
愛しくも愛液を湛えた小さな泉。
「てゐのここ、もう凄いことになってる…感じやすいのね♪」
「霊夢こそ、まだ私が何もして…あっ!…んっ…ぁう…」
思わぬ返答に面食らい、てゐの言葉を遮って愛撫を始める霊夢。
(うそ…凄く気持ちいい…けどなんか悔しい!)
相変わらずの妙技に流されそうになるが、せっかく自分から切り出したのだ。負けじと舌を使い、
賢明な愛撫を行う。
「意地になっちゃって…けどそこがやっぱり可愛んんんっ!!」
てゐが秘芯を掘り当てたのだ。霊夢の唐突な反応に味を占め、てゐは唾液と愛液をまぶして刺激する。
「ん…ちゅ…あっ!…はぅ…」
静かな神社に少女達の悩ましい声と音が響き始める頃には、恥ずかしさと意地は全て快楽に塗りつぶされていた。
もっと互いを感じたい…熱にうかされたように快感を求める二人は、再び体勢を変えて向かい合った。

「…。」
「…。」
体を離したことで二人の間に再び羞恥心が湧き上がった。微妙に気まずい空気。

「ん…んむっ…ぷはっ…霊夢…?」
その間は、先に動いたてゐが霊夢の唇を塞いだことで一変した。
二人はゆるゆると動いて

くちゅ…

互いの秘所で熱いキスを交わした。
「ああんっ!」
二人の声が響き渡る。

くちっ……くちゅ…にゅる…

「ん…あっ!あん…やぁ…霊夢ぅ…気持ち良い?」
「ええ…凄くいいわ…ぁっ!」
激しい快感に体を震わせた二人だったが、お互いの嬌声を聞いて抑えきれなくなったのか、
ゆっくりと腰を動かし始めた。
「ん…ひぁ…や…ん!…はぁん!」
「あ…ふぁ…んんっ、あっあっ!ぅんっ!」

ぐちゅっ、ぬちゅっ、にゅぶっ、ぬちゅっ、ずにゅっ!
いつの間にか卑猥な音を立てて二人は腰を擦りつけあっていた。

「あっあっうぁっれっ…れいむっ!あっ…もう一回…キ…むぅ!」
「はむ…ちゅるっ…あっ、あむ…んむ…ちゅる…ちゅ!」
キスを求めたてゐの言葉を遮って、熱いキスを浴びせる。
しかし、激しい腰使いと快感のあまりそれにすらも集中できない。

「む…ちゅる…んっあっあっあっわっ私…なんかへんっ!」
「ひっあっあっん!あん!私も…そろそろ…イきそうっ!」
感極まった二人の秘芯が顔を出し、互いがこすり合わさったその時

「あっあっイ…いっちゃううううううううううう!」
「あっんっん…やっあっ…ああああああああああああああああん!」
お互いの体を強く抱き合い、押し寄せる絶頂の波に打たれたのだった。



「ぅ…あっ…霊夢…」
「ちゅっ」
「ん…!」
陶然とした様子で言葉を紡ぐてゐに、霊夢はただ口づけをして抱き寄せた。
ピロートークよりも、今はただてゐを感じたい…そういう意思を感じ取ったてゐはそれに従い、瞼を閉じる。

「…おやすみっ」
先に寝入ったてゐにそう言って頭をなでた後、ふと見た空に霊夢は満月を見た。
十五夜では無いが、目の前の幸せウサギと過ごした今日は素敵な日だった。

そのままぼーっと月を眺めていたら、段々と団子の様に見えてきて、先刻まで息を潜めていたお腹が
小さく自己主張をしたので、霊夢は慌てて布団を被り、てゐと残りの夜を過ごしたのであった。




翌日。
てゐが目を覚ますと、まだ神社の主は眠っていた。
すぅすぅと安らかな息をたてて胸を上下させている。
少しのぞき込むと、寝息以上に安らかな顔をした霊夢の顔がそこにあった。
昨日の行為の跡を微塵も感じない様子…

「ー!!」
そこまで考えて、思い出したようにてゐの顔は紅潮した。

「ん…起きてたんだ、おはよう、てゐ。」
起こしてしまったらしい。

「お…おはよ…霊夢…。」
「どしたの…顔赤いけど…あ、昨日のアレね~。んー可愛い!」
ぎゅっとてゐは抱きしめられた。
「あ、霊夢…はぅ…」
正直に求め、求められて昨日を過ごした詐欺ウサギだったが、これだけは言えなかった。
可愛い可愛いと散々連呼した目の前の人間が、それ以上に可愛いと思えたことだけは、言えなかった。


その後二人はゆったりと朝風呂に浸かった。
とても静かで、少しひんやりとした朝独特の空気と、お風呂の湯から伝わる暖かさ、そして、
目の前に居る霊夢の存在がなんとも心地よかった…そして気恥ずかしかった。
共に湯船に浸かりながらその様子を目の当たりにした霊夢は、体中から季節外れの春を吹き出しながらてゐを何度も抱きしめるのであった。

風呂上がりには、着ていた服の洗濯が済んでいなかったので、神社にある浴衣を着ることにした。
そして大事なことを思い出し、訪ねる。
「そういえば、私の賽銭箱は…?」
「…」
(すっかり忘れていたようね…というか何!?体がまたゲッソリと…)
「ネエ…テヰ…」
「わわわわかった…中身を少しだけ分けてあげるからっ!」
「ホント!?」
生命の危機を本能的に感じ取ったてゐがそう付け足す。何事もなかったような様子で霊夢が反応した。

「す…少しだけだからね…」
「わかってるわよ。ちょっとこっちに来なさい。」
もしかしてまた何かされる…と内心ビクビクしながらついていくと、神社の奥へと案内された。
そこには祭儀に用いる神器らしきものが安置されていた…しかし信仰心のかけらもない現状故か、
外見以上に貧相な様子がにじみ出ている。

「…いくらなんでもこれじゃあねぇ。」
「同情するなら金をくれ!」
「涙目で言われても…ってこれね。ずいぶん厳重だこと…。」
進み出て賽銭箱を手に取った。後ろに気をつけながら…さすがに何もされなかったけど。
そしててゐは賽銭箱のふたを開け、ジャラジャラと耳の毒になりそうな音を出した後、霊夢に向かって
小さな粒を差し出した。
「兎が大切にしている金の粒よ…賽銭を里の人が恵んでくれるのはこれの影響も有るんだから。」
疑問符を浮かべる霊夢に言う。
「え…そんな大切なものを…?」
「霊夢だから上げるんだよ…昨日、その…だから…んむぅ!」
ぎゅーっと抱きしめた直後の熱いキス。

「やっぱり反則!非人道的な犯行に叙情酌量の余地は無いわ!」
「ん…やめ…れーむ…ひぁああああ」

朝っぱらから貪欲な巫女の、素敵な朝食であった。




「その…ごめん。」
「…ごーかんまぁ」
衝動的だったとはいえ、さすがの霊夢も反省する。
必死でてゐを慰めていると、


ちゃりーん
「!?」
「あ、プレゼントの効果があったんだよ。」
てゐが口に出した瞬間には、巫女の姿は目の前から無くなっていた。
「っさて、帰るとしますか。」

一方、急ブレーキをかけながら拝殿入り口にたどり着く霊夢。
「おおおおお賽銭ありがとうございます~!何の御祈願でしょ…」

其処にいたのは
「魔理沙!?」
大きな風呂敷を抱えたその人であった。


「おう霊夢。やっと現れたか。なんとか生きてたみたいだな。」
「それより今、お賽銭入れなかったお賽銭!?」
「ああ…それな、さっきからバタバタ音がしてたからか知らんが、何度呼んでも反応が無かったんだ。
 しかもそこで天狗が失神してるし。 それで、お賽銭でも入れる『真似』でもしてみたらと思ったんだ。
 巧くいったもんだな~。まさに肉声二十面相ってやつだぜ。」


「…用件はそれだけ?」
霊夢の肩が震えている。
「ワナワナなんて音出すなって…物騒だぜ…鍋でもやらないかと材料一式持ってきたんだ。どうだ?」
刹那、霊夢の腹が激しい自己主張をした。
「決まりだな。材料はどこに置けばいい?」
「朝から鍋だなんてずいぶんね…まぁ良いわ。朝食もまだだったし。ちょっと待ってて。てゐを呼んでくるわ。」
「ん?来てるのか?」
「昨日からね。ちょっと野暮用で。」

そういっててゐを探すが、元いた場所はもぬけの殻だった。
「あっれー…お礼を言おうと思ったのに…。」
ふと、手にしていた「金の粒」を見ようとして、
「え?あれ…嘘…無い!?」
取り乱して手をぶんぶんと振り回すと、小さな米粒がポトッと音を立てて落ちた。
(良かったー…ってこれ金じゃ無いし…しかもなんだか字が)
「う…そ…」
字を読み上げるとようやく、てゐの行動の真意を理解した。
「ああんの詐欺兎めがあぁあぁあ!」
昨日や今朝の行動が嘘のようである。


「おっ霊夢。てゐはどうした?」
縁側で待ちくたびれた様に魔理沙が訪ねる。
「てゐは気のせいだったわ。それよりご飯にしましょ。」
「なんだかよく分からないが良いぜ…具材は切ってきたから、煮込めばすぐに食べられるぞ。」
「解ったわ。けどちょっと待って。先に見て欲しいものがあるんだけど…。」

寝室の方に案内される魔理沙。
「こっちは霊夢の寝床だろ…ごらんの通りなにも無いぜっ…ん!」
「いやぁ、朝食の前に味見をしようと思ってねっ!はむ…ちゅっ…」


「いやぁ、まんまと逃げおおせたわね~。」
こちらは逃亡劇を演じた詐欺兎。左手には前日の戦果がたっぷりの賽銭箱。
「まだまだ稼ぎ足りないからね~。霊夢には悪いけどもう少しだけ稼がせて貰うわ~!おー!」
喜び勇んで腕を高く上げる…とここで、周到なはずだった脱出計画の、思いもがけない不備に気づいた。


(服…持ってくるの忘れてたわ)
てゐの格好は浴衣のままであった。
あの霊夢のことだ、てゐの服は見つけ次第きっちり保管して、誰にも渡さないようにするだろう。
(そして私が取りに行こうものなら、それを人質にまた…あんなことを…。)
しかし、てゐの反応はそれまでと異なるものだった。
「食べられるのも…悪くなかったわね。」
頬を紅潮させてそう呟いたのだ。

そうだ、賽銭箱を持ち帰ったらもう一度、はくらい神社に行こう。
可愛い巫女に嘘をついたお詫びに、私の体に一杯の幸せを詰め込んで。


そう考える幻想郷の幸せウサギ。
その内股を、ゆっくりと垂れていく雫が一筋。
風邪を拗らして床に伏せっているうちに、夢と現の境を踏み越えたとか、超えないとか。

このSSでは「霊夢は性技の味方」になっちゃってます。だからてゐみたいな可愛い娘に目がないのです。
初めて書き手の立場に立ったので色々至らないところがあるかと思いますが、楽しんでいただけましたら幸いです。

※神社の読み仮名については、てゐが読み間違えてます。昔私もこう読んでたんですよねorz
min
コメント




1.ななし削除
霊夢とてゐの純愛っぽく終わった方が幸せだったぜw
ラストの落ちはいいんだけど魔理沙にまで手を出しちゃうとなんつうか…
2.創製削除
ああぁ、これ良いなぁ・・・・
霊てゐ最高!!
3.名無し削除
新しい組み合わせだなぁ。 
いやぁ良かったw